JP2879292B2 - ビニルシースケーブル及びその製造方法、ビニル電線及びその製造方法 - Google Patents

ビニルシースケーブル及びその製造方法、ビニル電線及びその製造方法

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JP2879292B2
JP2879292B2 JP5209782A JP20978293A JP2879292B2 JP 2879292 B2 JP2879292 B2 JP 2879292B2 JP 5209782 A JP5209782 A JP 5209782A JP 20978293 A JP20978293 A JP 20978293A JP 2879292 B2 JP2879292 B2 JP 2879292B2
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正幸 林
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Yazaki Sogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビニルシースケーブル
及びビニル電線に係り、特に施工時に長さ方向への引き
裂きを容易に行うことのできるビニルシースケーブル及
びその製造方法、ビニル電線及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、優れた合成樹脂が安価に作られる
ようになり、成形のし易さ、耐久性の良さ等の面で、台
所用品等の日用雑貨品のあらゆる製品に用いられるに至
っている。特に、加熱により可塑性を呈し、これを冷却
すると固化し、またこれを再熱すれば再び可塑性を呈す
る熱可塑性樹脂組成物が使われている。また、この熱可
塑性樹脂組成物は、電気的性質にすぐれ誘電率が小さく
誘電損が少ないため、絶縁体やシースとして導体や絶縁
電線の上に被覆して形成される絶縁電力ケーブル等に用
いられている。
【0003】家屋の第一支持点から積算電力計までの引
込口配線および屋内配線としては、取扱いが容易で、耐
候性、耐熱性に優れていることからビニル絶縁シースケ
ーブル(例えば、VVF(600Vビニル絶縁ビニルシ
ースケーブル平形)ケーブル)が一般的に使用されてい
る。このVVF100は、図13に示す如く、導体11
0の上に絶縁体(ビニル系樹脂)120を被覆した絶縁
導体130を2本並べ、この上にさらにシース140を
被覆した構造となっている。
【0004】このVVFの製造は、図14に示す如き押
出成形金型200にて行われる。すなわち、押出成形金
型200は、ランド部220を有するダイス210とラ
ンド部240を有する芯金230とによって構成されて
おり、ダイス210内に芯金230を嵌合設置してあ
る。この芯金230の設置されてダイス210に図示し
ていない外部より溶融樹脂(シース材)を連続的に供給
し、芯金230内を走行する2本の絶縁導体130の上
に溶融樹脂250を押出し被覆してシース140を形成
する。
【0005】このようにして製造されたVVF100
は、家屋の第一支持点から積算電力計までの引込口配
線、あるいは、積算電力計から配電盤によって配線ブロ
ック毎に分岐されたブレーカに接続される幹線に用いた
際に電気工事者によって分岐接続したり、コンセントを
接続したりして端末処理が行われる。この端末処理を行
うに当たっては、VVF100のシース140を剥離
し、シース140を除去し、2本の絶縁導体130を露
出することが必要である。
【0006】ところで、このVVF100のシース14
0の長さ方向への引裂荷重、長さ方向に直交する方向へ
の引裂荷重と、長さ方向へ引っ張ったときの引張強さが
表1に示されている。
【0007】表 1 この2本の絶縁導体130の露出は、図15に示す如
く、2本の絶縁導体130を分けるように2本の絶縁導
体130の間にカッターナイフ300を切り入れ、シー
ス140を矢印Aに示す方向に切り割いて行い、しかる
後、シース140を剥離している。
【0008】また、低圧の電気工作物電路及び電気機器
内低圧回路の固定配線に用いられるビニル電線は、電気
工事者が端末処理を行うに当たって、塩化ビニル樹脂絶
縁体を剥離し、絶縁体を除去し、2本の導体を露出する
ことが必要である。この2本の導体の露出は、2本の導
体を分けるように2本の導体の間にカッターナイフを切
り入れ分離して塩化ビニル樹脂絶縁体を剥離している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のVVF100の場合、施工時にシース140
を剥離するに、カッターナイフ300を用いVVF10
0に少し切り入れ、手で引き裂いたりしている。ところ
が、従来のVVF100にあっては、手で引き裂こうと
すると、表1からも明らかなように引き裂く力に約0.
5N/mm2 程度の力を必要とし、簡単に裂くことができ
ず、長さ方向へ長く切り裂き難くなっているため、裂け
目が横方向(長さ方向に対して直交する方向)に曲り、
千切れやすくなっている。このため、シース140を剥
離するに、剥離する長さ分カッターナイフ300で切り
込まなくてはならず、容易にシースの剥離ができず作業
性が悪いという問題点を有している。
【0010】また、従来のVVF100にあっては、端
末処理のためにシースを剥離する際、カッターナイフ3
00を用いてシース140に切り込みを入れなければな
らず、カッターナイフ300でシース140に切り込み
を入れた際に、カッターナイフ300の刃で絶縁導体1
30の絶縁体120を傷付けたりして、端末部の絶縁性
が低下したり、甚だしいときには導体110に傷を付け
ることがあるという問題点を有している。
【0011】また、従来のビニル電線にあっては、接続
配線処理のために塩化ビニル樹脂絶縁体を剥離する際、
カッターナイフを用いて絶縁体に切り込みを入れなけれ
ばならず、カッターナイフで絶縁体に切り込みを入れた
際に、カッターナイフの刃で導体に傷を付けることがあ
るという問題点を有している。
【0012】本発明は、2本の絶縁導体を露出する際に
剥離する長さ分カッターナイフで切り込まなくても、シ
ースの端部の一部をカッターナイフで切り裂き、後は手
で容易にシースを引き裂くことのできるビニルシースケ
ーブル及びその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0013】また、本発明は、2本の絶縁導体を露出す
る際に剥離する長さ分カッターナイフで切り込まなくて
も、絶縁体の端部の一部をカッターナイフで切り裂き、
後は手で絶縁体を容易に引き裂くことのできるビニル電
線及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のビニルシースケーブルにおいては、ビニル
絶縁体を被覆した導体を2本以上合わせて構成される絶
縁導体の上にビニルシースを被覆してなるビニルシース
ケーブルのビニルシースに、アスペクト比が2.0〜
5.0の発泡セルをケーブル長さ方向に平行に配設した
ものである。
【0015】さらに、上記目的を達成するために、本発
明のビニルシースケーブルの製造方法においては、ビニ
ル絶縁体を被覆した導体を2本以上合わせて構成される
絶縁導体の上に発泡した塩化ビニル樹脂をアスペクト比
が2.0〜5.0になるように引き落としによる押出し
被覆をするようにしたものである。
【0016】また、上記目的を達成するために、本発明
のビニル電線においては、2本以上並べて構成される導
体の上に塩化ビニル樹脂絶縁体を被覆してなるビニル電
線の塩化ビニル樹脂絶縁体に、アスペクト比が2.0〜
5.0の発泡セルをケーブル長さ方向に平行に配設して
構成したものである。
【0017】さらに、上記目的を達成するために、本発
明のビニル電線の製造方法においては、2本以上並べて
構成される導体の上に発泡した塩化ビニル樹脂絶縁体を
アスペクト比が2.0〜5.0になるように引き落とし
による押出し被覆をするようにしたものである。
【0018】
【作用】ビニル絶縁体を被覆した導体を2本以上合わせ
て構成される絶縁導体の上にビニルシースを被覆してな
るビニルシースケーブルのビニルシースに、アスペクト
比が2.0〜5.0の発泡セルをケーブル長さ方向に平
行に配設して構成しているため、2本の絶縁導体を露出
する際に剥離する長さ分カッターナイフで切り込まなく
ても、シースの端部の一部をカッターナイフで切り裂
き、後は手で容易にシース引き裂くことができる。
【0019】また、ビニル絶縁体を被覆した導体を2本
以上合わせて構成される絶縁導体の上に発泡した塩化ビ
ニル樹脂をアスペクト比が2.0〜5.0になるように
引き落としによる押出し被覆をしているため、2本の絶
縁導体を露出する際に剥離する長さ分カッターナイフで
切り込まなくても、シースの端部の一部をカッターナイ
フで切り裂き、後は手で容易にシース引き裂くことがで
きる。
【0020】2本以上並べて構成される導体の上に塩化
ビニル樹脂絶縁体を被覆してなるビニル電線の塩化ビニ
ル樹脂絶縁体に、アスペクト比が2.0〜5.0の発泡
セルをケーブル長さ方向に平行に配設して構成されてい
るため、2本の絶縁導体を露出する際に剥離する長さ分
カッターナイフで切り込まなくても、絶縁体の端部の一
部をカッターナイフで切り裂き、後は手で絶縁体を容易
に引き裂くことができる。
【0021】2本以上並べて構成される導体の上に発泡
した塩化ビニル樹脂絶縁体をアスペクト比が2.0〜
5.0になるように引き落としによる押出被覆をするよ
うになっているため、2本の絶縁導体を露出する際に剥
離する長さ分カッターナイフで切り込まなくても、絶縁
体の端部の一部をカッターナイフで切り裂き、後は手で
絶縁体を容易に引き裂くことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1、図2には、本発明に係るビニルシースケーブルシー
ス及びその製造方法の一実施例が示されている。
【0023】図において、1はビニルシースケーブル
で、具体的には、例えば、VVF(JIS C 334
2、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)で
ある。このビニルシースケーブル(VVF)1は、引込
口配線用および屋内配線用に用いられる低圧配線用ケー
ブルである。2は導体で、3は導体2の上に絶縁を目的
として被覆される絶縁体(ポリ塩化ビニル等のビニル系
樹脂)である。そして、この導体2と絶縁体3とによっ
て絶縁導体4を構成している。5はシースで、絶縁体3
を被覆した絶縁導体4を2本並べた上に被覆されてい
る。
【0024】シース5には、図3に示す如く、発泡セル
6が多数設けられている(発泡セル形成率5.0%〜2
0%)。この発泡セル6は、アスペクト比が2.0〜
5.0となっており、絶縁導体4の長さ方向に対して平
行に配設されている。アスペクト比は、図4に示す如
く、発泡セル6の横の長さL1と縦の長さL2との比で
表したもので、 アスペクト比=L1/L2 と表される。
【0025】シース5にアスペクト比2.0〜5.0の
発泡セル6を絶縁導体4の長さ方向に対して平行に形成
すると、シース5内部に絶縁導体4の長さ方向に細かい
亀裂を多数設けた状態となる。したがって、施工時にシ
ース5を剥離する際、カッターナイフを用いシース5の
1ヶ所に少し切れ目を入れ、その切れ目を開くように手
で引き裂くと図5に示す如く容易に引き裂くことができ
る。また、施工時にシース5を剥離する際、カッターナ
イフを用いシース5の相対向する位置2ヶ所に少し切れ
目を入れ、その切れ目を開くように手で引き裂くと図6
に示す如く容易に引き裂くことができ、絶縁導体4を容
易に取り出すことができる。
【0026】このビニルシースケーブル1の製造は、図
7に示す如きクロスヘッド10によって行われる。すな
わち、クロスヘッド10は、ランド部12を有するダイ
ス11とランド部13を有する芯金14とによって構成
されており、ダイス11内に芯金14を嵌合設置してあ
る。この芯金14の設置されたダイス11に図示してい
ない押出機のスクリューシリンダから溶融樹脂(シース
材)が連続的に供給される。この溶融樹脂20は、ポリ
塩化ビニル等のビニル系樹脂に発泡剤を配合し、押出機
のスクリューシリンダ内において加熱することによって
ビニル系樹脂を溶融させると共に発泡剤を発泡させて、
溶融ビニル系樹脂内部に、発泡セル21が分散した状態
になっている。発泡剤には、アゾ系、ニトロソ系、ヒド
ラゾ系、炭酸塩などがある。この溶融ビニル系樹脂内部
に分散した発泡セル21による気泡占有率は、5.0%
〜20.0%となっている。
【0027】この溶融樹脂20は、クロスヘッド10の
先端から押し出され、芯金14内を走行する2本の絶縁
導体4の上に引落し押出被覆される。引落しによる押出
被覆は、次のようにして行われる。すなわち、発泡セル
21の分散された溶融するビニル系樹脂からなる溶融樹
脂20をダイス11と芯金14との間から所定量連続的
に押し出す。すると、走行する2本の絶縁導体4に被覆
され、この2本の絶縁導体4の走行によって被覆された
溶融樹脂20が引っ張られて引き伸ばされ、所定の被覆
厚に被覆される。すなわち、2本の絶縁導体4の表面に
押出し被覆された溶融樹脂20の断面積が、クロスヘッ
ド10の先端から吐出される溶融樹脂20の断面積より
小さく引っ張って落とされる。このように溶融樹脂20
は、先に絶縁導体4に被覆された樹脂に絶縁導体4の走
行力によって引き伸ばされ、溶融するビニル系樹脂の中
に分散された発泡セル21のアスペクト比が大きくな
る。このアスペクト比が大きくなると、引き裂き荷重は
小さくなり、引き裂きが容易となる。この引き裂きは、
長さ方向の引き裂き容易性が重要で、長さ方向に直交す
る方向に引き裂けては使用に耐えない。
【0028】この引落し比は、図8に示す如きクロスヘ
ッド10の先端の溶融樹脂20が押出される開口する断
面積D1と、図9に図示のビニルシースケーブル1のシ
ース断面積D2との比で表され、 引落し比=D1/D2 と表される。
【0029】この2本の絶縁導体4の上に押出し被覆す
るときの引落し比は、3.8〜10.4とするのが最適
である。この引落し比に対するアスペクト比、引裂荷
重、引張強さが表2に示されている。
【0030】表 2 表2において、発泡セル21のアスペクト比は、各引落
し比で製造したビニルシースケーブルのシースをサンプ
リングして切り取り、各サンプルについて100個前後
の発泡セル21について、そのアスペクト比を求め、平
均値を求めたものである。
【0031】長さ方向の引裂荷重は、ビニルシースケー
ブルのシースに長さ方向の切り込みを入れて、この切り
込みの両端を把持し、左右に引張って荷重を掛けていき
長さ方向への引き裂きが開始されたときの荷重(N/mm
2 )を求めたものである。したがって、長さ方向の引き
裂き性は、長さ方向の引裂荷重の値が小さいほど良いこ
とになる。また、横方向(長さ方向に直交する方向)の
引裂荷重は、ビニルシースケーブルのシースに横方向の
切り込みを入れて、この切り込みの両端を把持し、左右
に引張って荷重を掛けていき横方向への引き裂きが開始
されたときの荷重(N/mm2 )を求めたものである。こ
の横方向の引裂荷重の値が長さ方向の引裂荷重の値より
も小さいと、長さ方向への引き裂くよりも前に横方向に
引き裂かれてしまう結果となる。したがって、横方向の
引裂荷重の値は、長さ方向の引裂荷重の値よりも大きい
ことが重要となる。
【0032】長さ方向の引張強さは、ビニルシースケー
ブルのシースの端部を持って長さ方向に引張って、シー
スが引き千切れるまでの値(MPa)を求めたものであ
る。この引張強さは、通常10.0以上ないとビニルシ
ースケーブルのシースとして使用するに耐えない。
【0033】表2から明らかなように、比較例は、引張
強さについては12.1と10.0以上の値を示してお
り、引張強さについては問題がない。しかしながら、比
較例は、いずれも横方向引裂荷重が長さ方向引裂荷重と
同じとなっており、長さ方向へ引き裂くときに、長さ方
向へ引き裂かれる前に横方向に引き裂かれることにな
り、本願発明の目的とするところから外れてしまう。す
なわち、比較例は、長さ方向への引き裂くときの容易性
が欠けている。
【0034】これに対し、実施例1、実施例2、実施例
3、実施例4は、引張強さが12.0、12.4、1
3.1、13.9となっており、いずれもが基準となる
10.0以上の値を示しており、引張強さにおいては問
題がない。また、実施例1、実施例2、実施例3、実施
例4のいずれもが長さ方向の引裂荷重が横方向の引裂荷
重より小さくなっており、長さ方向へ引き裂くときに、
長さ方向へ引き裂かれる方が早く、長さ方向へ引き裂か
れる前に横方向に引き裂かれるようなことがない。
【0035】実施例1の引落し比1.7のとき、アスペ
クト比が平均2.0となり、このときの長さ方向の引裂
荷重が0.36(N/mm2 )と、比較例の長さ方向の引
裂荷重0.38(N/mm2 )を下回り、横方向の引裂荷
重が比較例よりも高くなっている。また、実施例4の引
落し比10.4のときアスペクト比が平均5.0とな
り、このときの長さ方向の引裂荷重が0.19(N/mm
2 )と、比較例の長さ方向の引裂荷重0.38(N/mm
2 )を大きく下回り、長さ方向への引き裂き容易性が改
善されている。また、実施例4の横方向の引裂荷重は、
0.45(N/mm2 )となっており、比較例の横方向の
引裂荷重0.38(N/mm2 )を大きく上回り、長さ方
向への引き裂き容易性が向上しているのが判る。この実
施例4の長さ方向の引裂荷重の0.19(N/mm2 )に
対して、横方向の引裂荷重が、0.45(N/mm2 )と
大きな差を持たせることができ、小さな力で長さ方向へ
の引き裂きが可能となり、長さ方向へ引き裂くときに、
長さ方向へ引き裂かれる方が早く、長さ方向へ引き裂く
力で横方向に引き裂かれるようなことはない。
【0036】したがって、2本の絶縁導体4の上に押出
し被覆するときの引落し比は、3.8〜10.4とする
のが最適である。なお、本実施例において、ポリ塩化ビ
ニル樹脂等のビニル系樹脂の発泡を、化学発泡剤を配合
して押出機のスクリューシリンダ内で加熱することによ
って発泡させるようにしてあるが、押出機のスクリュー
シリンダ内にスクリューシリンダの途中に外部より不活
性ガスを圧入して溶融樹脂の内部に気泡を形成する方法
を用いてもよい。この不活性ガスとしては、炭酸ガス、
窒素ガス、フロンガス等がある。
【0037】図10には、本発明に係るビニル電線及び
その製造方法の一実施例が示されている。
【0038】図において、50はビニル電線である。こ
のビニル電線50は、低圧の電気工作物電路及び電気機
器内低圧回路の固定配線等に用いられる。
【0039】51は導体で、52は導体2の上に絶縁を
目的として被覆される絶縁体(ポリ塩化ビニル等のビニ
ル系樹脂)である。この絶縁体52には、図10に示す
如く、発泡セル53が多数設けられている(発泡セル形
成率5.0%〜20%)。この発泡セル53は、アスペ
クト比が2.0〜5.0となっており、導体2の長さ方
向に対して平行に配設されている。アスペクト比は、図
4に示す如くビニシースケーブル1において説明したの
と同一である。
【0040】絶縁体52にアスペクト比2.0〜5.0
の発泡セル53を導体2の長さ方向に対して平行に形成
すると、絶縁体52に導体2の長さ方向に細かい亀裂を
多数設けた状態となる。したがって、施工時に絶縁体5
2を剥離する際、カッターナイフを用い絶縁体52の1
ヶ所に少し切れ目を入れ、その切れ目を開くように手で
引き裂くと容易に引き裂くことができる。
【0041】このビニル電線50の製造は、図10に示
す如きクロスヘッド30によって行われる。すなわち、
クロスヘッド30は、ランド部32を有するダイス31
とランド部33を有する芯金34とによって構成されて
おり、ダイス31内に芯金34を嵌合設置してある。こ
の芯金34の設置されたダイス31に図示していない押
出機のスクリューシリンダから溶融樹脂(絶縁材)が連
続的に供給される。この溶融樹脂40は、ポリ塩化ビニ
ル等のビニル系樹脂に発泡剤を配合し、押出機のスクリ
ューシリンダ内において加熱することによってビニル系
樹脂を溶融させると共に発泡剤を発泡させて、溶融ビニ
ル系樹脂内部に、球状に形成される気泡41が分散した
状態になっている。発泡剤には、アゾ系、ニトロソ系、
ヒドラゾ系、炭酸塩などがある。この溶融ビニル系樹脂
内部に分散した球状の気泡41による気泡占有率は、
5.0%〜20.0%となっている。
【0042】この溶融樹脂40は、クロスヘッド30の
先端から押し出され、芯金34内を走行する1本の導体
51の上に引落し押出被覆される。引落しによる押出被
覆は、次のようにして行われる。すなわち、球状の気泡
41の分散された溶融するビニル系樹脂からなる溶融樹
脂40をダイス31と芯金34との間から所定量連続的
に押し出す。すると、走行する1本の導体51に被覆さ
れ、この2本の導体51の走行によって被覆された溶融
樹脂40が引っ張られて引き伸ばされ、所定の被覆厚に
被覆される。すなわち、1本の導体51の表面に押出し
被覆された溶融樹脂40の断面積が、クロスヘッド30
の先端から吐出される溶融樹脂40の断面積より小さく
引っ張って落とされる。このように溶融樹脂40は、先
に導体51に被覆された樹脂に導体51の走行力によっ
て引き伸ばされ、溶融するビニル系樹脂の中に分散され
た球状の気泡41が長さ方向に引き伸ばされ、棒状にな
って発泡セル53を形成し、発泡セル53のアスペクト
比が大きくなる。このアスペクト比が大きくなると、引
き裂き荷重は小さくなり、引き裂きが容易となる。この
引き裂きは、長さ方向の引き裂き容易性が重要で、長さ
方向に直交する方向に引き裂けては使用に耐えない。
【0043】この引落し比は、図11に示す如きクロス
ヘッド30の先端の溶融樹脂40が押出される開口する
断面積D3と、図12に示すビニル電線50の絶縁体5
2の断面積D4との比で表され、 引落し比=D3/D4 と表される。
【0044】1本の導体51の上に押出し被覆するとき
の引落し比は、ビニルシースケーブル1を製造するとき
の引落し比同様、3.8〜10.4にするのが最適であ
る。なお、本実施例において、ポリ塩化ビニル樹脂等の
ビニル系樹脂の発泡を、化学発泡剤を配合して押出機の
スクリューシリンダ内で加熱することによって発泡させ
るようにしてあるが、押出機のスクリューシリンダ内に
スクリューシリンダの途中に外部より不活性ガスを圧入
して溶融樹脂の内部に気泡を形成する方法を用いてもよ
い。この不活性ガスとしては、炭酸ガス、窒素ガス、フ
ロンガス等がある。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0046】ビニル絶縁体を被覆した導体を2本以上合
わせて構成される絶縁導体の上にビニルシースを被覆し
てなるビニルシースケーブルのビニルシースに、アスペ
クト比が2.0〜5.0の発泡セルをケーブル長さ方向
に平行に配設して構成しているため、2本の絶縁導体を
露出する際に剥離する長さ分カッターナイフで切り込ま
なくても、シースの端部の一部をカッターナイフで切り
裂き、後は手で容易にシース引き裂くことができる。
【0047】また、ビニル絶縁体を被覆した導体を2本
以上合わせて構成される絶縁導体の上に発泡した塩化ビ
ニル樹脂をアスペクト比が2.0〜5.0になるように
引き落としによる押出し被覆をしているため、2本の絶
縁導体を露出する際に剥離する長さ分カッターナイフで
切り込まなくても、シースの端部の一部をカッターナイ
フで切り裂き、後は手で容易にシース引き裂くことがで
きる。
【0048】2本以上並べて構成される導体の上に塩化
ビニル樹脂絶縁体を被覆してなるビニル電線の塩化ビニ
ル樹脂絶縁体に、アスペクト比が2.0〜5.0の発泡
セルをケーブル長さ方向に平行に配設して構成されてい
るため、2本の絶縁導体を露出する際に剥離する長さ分
カッターナイフで切り込まなくても、絶縁体の端部の一
部をカッターナイフで切り裂き、後は手で絶縁体を容易
に引き裂くことができる。
【0049】2本以上並べて構成される導体の上に発泡
した塩化ビニル樹脂絶縁体をアスペクト比が2.0〜
5.0になるように引き落としによる押出被覆をするよ
うになっているため、2本の絶縁導体を露出する際に剥
離する長さ分カッターナイフで切り込まなくても、絶縁
体の端部の一部をカッターナイフで切り裂き、後は手で
絶縁体を容易に引き裂くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビニルシースケーブルの実施例を
示す斜視図である。
【図2】図1に図示のビニルシースケーブルの正面図で
ある。
【図3】図1に図示のビニルシースケーブルのシースの
一部を切り出して拡大した斜視図である。
【図4】発泡セルのアスペクト比を説明するための図で
ある。
【図5】図1に図示のビニルシースケーブルのシースを
剥離するときのシースの引き裂け状態を示す図である。
【図6】図1に図示のビニルシースケーブルのシースに
2つの切り込みを設けてシースを剥離するときのシース
の引き裂け状態を示す図である。
【図7】本発明に係るビニルシースケーブルの製造方法
の実施例を示すクロスヘッドの断面図である。
【図8】図7に図示のクロスヘッドの樹脂押出し開口面
積を示す図である。
【図9】図7に図示のビニルシースケーブルの断面図で
ある。
【図10】本発明に係るビニル電線及びその製造方法の
実施例を示すクロスヘッドの断面図である。
【図11】図10に図示のクロスヘッドの樹脂押出し開
口面積を示す図である。
【図12】図10に図示のビニル電線の断面図である。
【図13】従来のVVFの断面図である。
【図14】図13に図示の従来のVVFの製造方法を示
す図である。
【図15】従来のVVFのシースを剥離するときのシー
スの引き裂き方法を示す図である。
【符号の説明】
1……………………………………………………………ビ
ニルシースケーブル 2,51……………………………………………………導
体 3,52……………………………………………………絶
縁体 4……………………………………………………………絶
縁導体 5……………………………………………………………シ
ース 6,53……………………………………………………発
泡セル 10,30…………………………………………………ク
ロスヘッド 11,31…………………………………………………ダ
イス 14,34…………………………………………………芯
金 20,40…………………………………………………溶
融樹脂 50…………………………………………………………ビ
ニル電線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル絶縁体を被覆した導体を2本以上
    合わせて構成される絶縁導体の上にビニルシースを被覆
    してなるビニルシースケーブルにおいて、上記ビニルシ
    ースに、アスペクト比2.0〜5.0の発泡セルをケー
    ブル長さ方向に平行に配設したことを特徴とするビニル
    シースケーブル。
  2. 【請求項2】 ビニル絶縁体を被覆した導体を2本以上
    合わせて構成される絶縁導体の上に発泡した塩化ビニル
    樹脂をアスペクト比が2.0〜5.0になるように引き
    落としによる押出し被覆をするようにしたことを特徴と
    するビニルシースケーブルの製造方法。
  3. 【請求項3】 2本以上並べて構成される導体の上に塩
    化ビニル樹脂絶縁体を被覆してなるビニル電線におい
    て、上記塩化ビニル樹脂絶縁体に、アスペクト比2.0
    〜5.0の発泡セルをケーブル長さ方向に平行に配設し
    たことを特徴とするビニル電線。
  4. 【請求項4】 2本以上並べて構成される導体の上に発
    泡した塩化ビニル樹脂絶縁体をアスペクト比が2.0〜
    5.0になるように引き落としによる押出し被覆をする
    ようにしたことを特徴とするビニル電線の製造方法。
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