JP6905414B2 - 平型ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、平型ケーブルに関する。
従来の平型ケーブルとして、例えば特許文献1は、ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)を開示する。
特開2011−228161号公報
上述のVVFのような複数の絶縁電線を横並びさせた状態で一括してシースで覆う平型ケーブルに対して、シースを除去する際の作業性の向上が望まれている。
VVFなどの平型ケーブル100は、図7に示すように、布設現場にて、カッターやストリッパーなどでシース300に切込みを入れ、シース300において切込み位置から平型ケーブル100の一端部までの箇所を除去して、絶縁電線200を露出させる。切込みは、絶縁電線200、特に導体201を覆う絶縁層250をキズつけない範囲で行う。図7に二点鎖線で仮想的に示すように、切込み線Cは、絶縁電線200の並列方向(図7では左右方向)に平行に、かつ絶縁電線200に接しない範囲で、絶縁電線200を上下から挟むように設けられる。作業者は上述のシース300の一端部側を引っ張ることで、シース300において、カッターなどで切断されずに繋がっている非切断箇所(図7では切込み線C,Cに挟まれる領域)を引き千切り、シース300の一端部側を除去する。上記非切断箇所が硬いとシース300を引き千切り難く、作業性の低下を招く。特に、上記非切断箇所において隣り合う絶縁電線200,200間に位置する領域(後述の図1、第一領域31参照)は、シース300の構成樹脂が入り込み、引き千切り難い。なお、図7は、平型ケーブル100をその軸方向に直交する平面で切断した横断面図である。
そこで、シースの除去作業性に優れる平型ケーブルを提供することを目的の一つとする。
本開示の平型ケーブルは、
導体の外周に絶縁層を備える複数の絶縁電線と、前記複数の絶縁電線の外周を一括して覆うシース部とを備える平型ケーブルであって、
前記シース部は、
前記複数の絶縁電線を横並びさせた状態で覆い、発泡樹脂からなる発泡領域を有し、
前記平型ケーブルの軸方向に直交する平面で切断した横断面における前記発泡領域について、隣り合う前記絶縁電線間に位置する第一領域に50μm以下の大きさの気泡を含む。
上記の平型ケーブルはシースの除去作業性に優れる。
実施形態1の平型ケーブルの一例を示す概略断面図である。 実施形態1の平型ケーブルの別例を示す概略断面図である。 実施形態2の平型ケーブルの一例を示す概略断面図である。 実施形態3の平型ケーブルの一例を示す概略断面図である。 実施形態4の平型ケーブルの一例を示す概略断面図である。 実施形態5の平型ケーブルの一例を示す概略断面図である。 従来の平型ケーブルを示す概略断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る平型ケーブルは、
導体の外周に絶縁層を備える複数の絶縁電線と、前記複数の絶縁電線の外周を一括して覆うシース部とを備える平型ケーブルであって、
前記シース部は、
前記複数の絶縁電線を横並びさせた状態で覆い、発泡樹脂からなる発泡領域を有し、
前記平型ケーブルの軸方向に直交する平面で切断した横断面における前記発泡領域について、隣り合う前記絶縁電線間に位置する第一領域に50μm以下の大きさの気泡を含む。
ここでの「気泡の大きさ」とは、上述の横断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、この観察像からとった測定用領域内に存在する各気泡の面積を求め、各気泡の面積に相当する円の直径を各気泡の大きさとする。測定方法の詳細は後述する。
上記の平型ケーブルにおける第一領域は、上述のように絶縁電線に接しない範囲でカッターなどで切込みを入れた場合に非切断箇所となるものの、50μm以下の気泡を含む。そのため、上記の平型ケーブルは、第一領域に気泡を含まない場合と比較して第一領域を引き千切り易い。従って、上記の平型ケーブルは、シース部の除去作業性に優れる。
また、上記の平型ケーブルは、絶縁電線を直接保持する第一領域に50μm以下といった微小な気泡を含むため、第一領域に粗大な気泡のみを含む場合に比較して、シース部内の所定の位置に絶縁電線を保持し易い。例えば、シース部の除去前に作業者が上記の平型ケーブルを引き回すなどしても、絶縁電線がシース部内で捩れたり、隣り合う絶縁電線同士が擦れ合ったりすることなどを防止して、絶縁電線を適切に保持し易い。
(2)上記の平型ケーブルの一例として、
前記横断面において、前記隣り合う絶縁電線の中心を繋ぐ直線Lcに平行な直線であって、前記絶縁電線の半径rの75%の地点のうち、前記直線Lcに直交する点を通る直線L75をとり、前記第一領域のうち、前記直線Lcから前記直線L75までの小領域に50μm以下の大きさの気泡を含む形態が挙げられる。
上記形態の小領域は、上述の非切断箇所のうち切込み線Cから離れており、より引き千切り難い箇所である。上記形態は、小領域に50μm以下の気泡を含むため、小領域を引き千切り易く、シース部の除去作業性により優れる。
(3)上記(2)の平型ケーブルの一例として、
前記小領域に含まれる気泡の大きさは50μm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、小領域を引き千切り易く、シース部の除去作業性に優れる上に、小領域に含まれる全ての気泡が50μm以下といった微小なものであるため、絶縁電線をより適切に保持し易い。
(4)上記の平型ケーブルの一例として、
前記発泡領域において、前記複数の絶縁電線の近傍領域に含まれる気泡の大きさは50μm以下である形態が挙げられる。
上記形態における複数の絶縁電線の近傍領域は、シース部において絶縁電線との剥離性が求められる領域である。上記形態は、上記近傍領域に50μm以下の気泡を含むため、上記近傍領域が非切断箇所であっても引き千切り易く、シース部の除去作業性により一層優れる。また、上記形態は、上記近傍領域に含まれる全ての気泡が50μm以下といった微小なものであるため、絶縁電線を囲む上記近傍領域によって、シース部内の所定の位置に絶縁電線をより適切に保持し易い。
(5)上記の平型ケーブルの一例として、
前記第一領域における単位面積当たりの気泡の存在割合は100個/mm以上600個/mm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、第一領域の気泡の存在割合が上記の特定の範囲を満たすため、第一領域を引き千切り易い上に、ある程度可撓性を有して作業者が扱い易いことからも、シース部の除去作業性に優れる。かつ、上記形態は、絶縁電線を適切に保持し易い。
(6)上記の平型ケーブルの一例として、
前記発泡領域は、前記複数の絶縁電線及び前記第一領域の外周を覆う第二領域を備え、
前記第二領域は、前記第一領域に含まれる50μm以下の気泡よりも大きい気泡を含む形態が挙げられる。
上記形態の第二領域は、上述のようにシース部に切込みを入れる場合に切断箇所に含まれる。上記形態は、第二領域に大きな気泡を含むため、切込み易いことからも、シース部の除去作業性に優れる。
(7)上記(6)の平型ケーブルの一例として、
前記第二領域に含まれる気泡の大きさは10μm以上100μm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、第二領域に含まれる気泡の大きさが上記の特定の範囲を満たすため、切込み易い上に、ある程度可撓性を有して作業者が取り扱い易いことからも、シース部の除去作業性に優れる。かつ、上記形態は、絶縁電線を適切に保持し易い。
(8)上記(6)又は(7)の平型ケーブルの一例として、
前記第二領域における単位面積当たりの気泡の存在割合が30個/mm以上300個/mm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、第二領域の気泡の存在割合が上記の特定の範囲を満たすため、切込み易い上に、ある程度可撓性を有して作業者が取り扱い易いことからも、シース部の除去作業性に優れる。かつ、上記形態は、絶縁電線を適切に保持し易い。
(9)上記(6)から(8)のいずれか一つの平型ケーブルの一例として、
前記第二領域における前記平型ケーブルの表面寄りに位置する外側領域は、前記第二領域における前記第一領域寄りに位置する内側領域に含まれる気泡よりも小さい気泡を含む形態が挙げられる。
上記形態は、第二領域のうち、ケーブル表面に近い外側領域に含まれる気泡が小さいため、外部からの衝撃を受けた際や外部と擦れた際などにシース部の表面(ケーブル表面でもある、以下同様)及びその近傍にキズがつき難い。また、上記形態は、第二領域のうち、絶縁電線に近い内側領域に含まれる気泡が大きいため、切込み易い。従って、上記形態は、切込み易さからシース部の除去作業性により優れる上に、シース部の表面及びその近傍にキズがつき難い。
(10)上記(9)の平型ケーブルの一例として、
前記外側領域に含まれる気泡の大きさは、50μm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、外側領域に含まれる全ての気泡が50μm以下であり、外部からの衝撃や外部との擦れなどでシース部の表面及びその近傍にキズがよりつき難い。従って、上記形態は、シース部の除去作業性に優れる上に、シース部の表面及びその近傍にキズがよりつき難い。
(11)上記(9)又は(10)の平型ケーブルの一例として、
前記外側領域における単位面積当たりの気泡の存在割合が100個/mm以上600個/mm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、外側領域の気泡の存在割合が上記の特定の範囲を満たすため、切込み易い上に、ある程度可撓性を有して作業者が取り扱い易いことからも、シース部の除去作業性に優れる。かつ、上記形態は、外部からの衝撃や外部との擦れなどを外側領域に受けても、シース部の表面及びその近傍にキズがつき難い。
(12)上記の平型ケーブルの一例として、
前記シース部は、前記発泡領域の外周を覆い、非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなるソリッド領域を含む形態が挙げられる。
上記形態は、発泡領域に比較して剛性に優れるソリッド領域を備えるため、外部からの衝撃や外部との擦れなどを受けても、発泡領域にキズがつき難い上に、シース部の表面側に配置されるソリッド領域自体にもキズがつき難い。従って、上記形態は、シース部の除去作業性に優れる上に、シース部にキズがつき難い。
(13)上記(12)の平型ケーブルの一例として、
前記ソリッド領域と、前記発泡領域における前記平型ケーブルの表面寄りに位置する外側領域とは色が異なる形態が挙げられる。
上記形態は、仮にシース部にキズがついても、そのキズが発泡領域に及んだか否かを容易に把握できる。従って、上記形態は、シース部の除去作業性に優れる上に、シース部の表面及びその近傍におけるキズの程度を把握し易い。
(14)上記(13)の平型ケーブルの一例として、
前記ソリッド領域は、顔料を含む形態が挙げられる。
上記形態は、顔料を用いて着色することでソリッド領域と発泡領域とを視覚的に区別し易く、上述のキズの程度をより容易に、より正確に把握し易い。
(15)上記(12)から(14)のいずれか一つの平型ケーブルの一例として、
前記ソリッド領域は、前記発泡領域との間に両者の界面を有する形態が挙げられる。
上記形態は、例えば異なる原料(代表的には発泡剤の有無)を用いて、非発泡樹脂からなるソリッド領域と発泡樹脂からなる発泡領域とを形成することが挙げられる。この場合、上記形態は、上述の顔料による着色が無くても、ソリッド領域と発泡領域との界面の露出の有無などを確認することでキズの程度を把握し易い。上述のように顔料を含むソリッド領域を備える場合には、色の違いによって界面を有し、上述のようにキズの程度を容易に把握できる。
(16)上記(12)から(15)のいずれか一つの平型ケーブルの一例として、
前記ソリッド領域は、前記シース部の周方向において局所的に厚い厚肉部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、ソリッド領域が局所的に厚いため、ソリッド領域全体が一様に厚い場合に比較して切込み易い上にシース部を引き千切り易く、シース部の除去作業性に優れる。また、上記形態は、厚肉部をキズがつき難い箇所とすることができ、シース部にキズがよりつき難い。
(17)上記(16)の平型ケーブルの一例として、
前記ソリッド領域は、前記第一領域に対応した位置に前記厚肉部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、シース部の除去作業性に優れる上に、後述するように外部と擦れ易い位置である、第一領域に対応した位置に厚肉部を備えるため、外部との擦れなどでキズがつき難い。
(18)上記(12)から(17)の平型ケーブルの一例として、
前記ソリッド領域において、並列される前記複数の絶縁電線群の両側に位置する側方部分の厚さは、前記第一領域に対応した位置に存在する中間部分の厚さよりも薄い形態が挙げられる。
上記の側方部分の多くは、上述のカッターなどで切込まれない非切断箇所に含まれる。上記形態は、上記側方部分の厚さが薄いため、非切断箇所であるものの引き千切り易く、シース部の除去作業性に優れる。また、代表的には、上述の中間部分の外周面は平坦な面で形成され、上述の側方部分の外周面は半円弧状の湾曲面で形成される。湾曲する上記側方部分は、平坦な上記中間部分に比較して外部と擦れ難く、厚さが薄くてもキズがつき難い。上記中間部分は相対的に厚いため、外部との擦れなどでキズがつき難い。従って、上記形態は、シース部の除去作業性に優れる上に、ソリッド領域の全体に亘ってキズがつき難い。
(19)上記の平型ケーブルの一例として、
更に、前記シース部に連結される接地線を備え、
前記接地線は、接地用導体と、前記接地用導体を覆う被覆層とを備える形態が挙げられる。
上記形態は、シース部の除去作業性に優れる接地付き平型ケーブルとして利用できる。
(20)上記(19)の平型ケーブルの一例として、
前記接地線は、前記複数の絶縁電線の並列方向の一端側に連結される形態が挙げられる。
更に、上記形態は、シース部から接地線を容易に分離できる。
(21)上記(19)又は(20)の平型ケーブルの一例として、
前記シース部は、前記被覆層との間に界面を有する形態が挙げられる。
更に、上記形態は、界面を分離面として、シース部から接地線を容易に分離できる。
(22)上記(19)から(21)のいずれか一つの平型ケーブルの一例として、
前記シース部は、前記複数の絶縁電線の並列方向の一端側に前記接地線を掴むホールド部を備える形態が挙げられる。
更に、上記形態は、シース部から接地線を分離するまでの間、ホールド部によって接地線を保持し易い。
(23)上記(19)から(22)のいずれか一つの平型ケーブルの一例として、
前記被覆層は、非発泡樹脂からなる形態が挙げられる。
更に、上記形態は、絶縁性に優れる接地線を備えることができる。
(24)上記(19)又は(20)の平型ケーブルの一例として、
前記被覆層は、前記接地用導体の直上に設けられ、発泡樹脂からなる内側被覆層と、前記内側被覆層の外周の少なくとも一部を覆い、非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなる外側被覆層とを備える形態が挙げられる。
更に、上記形態は、発泡樹脂からなる内側被覆層を備えるため柔軟性に優れ、シース部から接地線を分離し易い。また、非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなる外側被覆層は、内側被覆層に比較して剛性に優れるため、外部からの衝撃や外部との擦れなどで接地線の表面及びその近傍にキズがつき難い。加えて、上記形態は、二層構造の被覆層を備えるため、絶縁性にも優れる。
(25)上記(24)の平型ケーブルの一例として、
前記内側被覆層と前記外側被覆層とは色が異なる形態が挙げられる。
更に、上記形態は、仮に外側被覆層にキズがついても、そのキズが内側被覆層に及んだか否かを容易に把握でき、被覆層におけるキズの程度を把握し易い。
(26)上記(24)又は(25)の平型ケーブルの一例として、
前記発泡領域は、前記複数の絶縁電線及び前記第一領域の外周を覆う第二領域を備え、
前記内側被覆層は、前記第二領域に連続して形成される形態が挙げられる。
更に、上記形態は、連続する発泡樹脂によって、シース部の第二領域から接地線の内側被覆層に亘って一体に成形されている。そのため、上記形態は、シース部と接地線との分離前にはシース部から接地線が外れ難く、シース部から接地線を分離する際にはシース部と接地線との連結箇所が発泡樹脂からなるため、分離し易い。
(27)上記(24)から(26)のいずれか一つの平型ケーブルの一例として、
前記シース部は、前記発泡領域の外周を覆い、非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなるソリッド領域を含み、
前記外側被覆層は、前記ソリッド領域に連続して形成される形態が挙げられる。
更に、上記形態は、接地線を含めたケーブル全体として、その表面及びその近傍が非発泡樹脂又は未発泡樹脂という剛性が高い材料からなるため、上述のように外部からの衝撃や外部との擦れなどでキズがつき難い。
(28)上記の平型ケーブルの一例として、
前記導体の少なくとも一部は、銅又は銅合金からなる形態が挙げられる。
上記形態は、シース部の除去作業性に優れる上に、絶縁電線の導体が導電性に優れるため、電気配線に好適に利用できる。
(29)上記(28)の平型ケーブルの一例として、
前記導体は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体素線と、前記導体素線の外周の少なくとも一部を覆い、銅又は銅合金からなる銅被覆部とを備える複合線を含む形態が挙げられる。
更に、上記形態は、軽量化を図ることができる。
(30)上記の平型ケーブルの一例として、
前記発泡樹脂は、ポリ塩化ビニルを含む形態が挙げられる。
上記形態は、シース部の除去作業性に優れる上に、シース部が耐久性や耐疲労性に優れており、シース部の表面及びその近傍にキズがつき難い。
(31)上記の平型ケーブルの一例として、
前記発泡樹脂は、ポリエチレンを含む形態が挙げられる。
上記形態は、シース部の除去作業性に優れる上に、シース部に起因する環境負荷を低減できる。
(32)上記(31)の平型ケーブルの一例として、
前記発泡樹脂は、難燃剤を含む形態が挙げられる。
更に、上記形態は、難燃性にも優れる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る平型ケーブルを具体的に説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。図1から図6はいずれも、平型ケーブル1をその軸方向(長手方向)に直交する平面で切断した横断面図である。図1から図6では平型ケーブル1を模式的に示し、各要素の大きさ(厚さ、直径など)は実際の寸法と異なることがある。
[実施形態]
(概要)
実施形態の平型ケーブル1は、図1などに示すように、導体20の外周に絶縁層25を備える複数の絶縁電線2と、複数の絶縁電線2の外周を一括して覆うシース部3とを備える。図1などでは、複数(図1などでは2本)の絶縁電線2を互いに接して横並びさせた状態でこれらの外周をシース部3で一括して覆い、横断面がレーストラック状といった偏平な形状に成形されてなる平型ケーブル1を例示する。平型ケーブル1は、代表的には、600V平型ビニル絶縁ビニルシースケーブル、600V平型ポリエチレン絶縁ポリエチレンシースケーブルなどと呼ばれるケーブルに相当するものである。
実施形態の平型ケーブル1は、シース部3が発泡樹脂からなる発泡領域30を有し、図1などに示すようにその横断面における発泡領域30について、隣り合う絶縁電線2,2間に位置する第一領域31に50μm以下という微小な気泡p1を含む。図1では、隣り合う絶縁電線2,2間に位置する第一領域31として、隣り合う絶縁電線2,2の中心を繋ぐ直線Lcと、隣り合う絶縁電線2,2の共通外接線L1,L1と、両絶縁電線2,2の輪郭線であって互いに向かい合う部分とで囲まれる領域を例示する。ここでは、図2から図6の第一領域31についても、図1の第一領域31と同様としている。
平型ケーブル1のより具体的な形態として、図1から図6に例示する平型ケーブル1Aから1Eなどが挙げられる。
図1に示す実施形態1の平型ケーブル1Aは、シース部3Aが実質的に発泡領域30からなる。この発泡領域30は、複数の絶縁電線2及び第一領域31の外周を覆う第二領域32を備え、第二領域32は、第一領域31に含まれる50μm以下の気泡p1よりも大きい気泡p2を含む。
図2に示す平型ケーブル1Aは、実施形態1の別例であり、シース部3aが実質的に発泡領域30からなり、発泡領域30が第一領域31と第二領域32とを備える。更に、第二領域32における平型ケーブル1Aの表面寄りに位置する外側領域32oは、第二領域32における第一領域31寄りに位置する内側領域32iに含まれる気泡p2よりも小さい気泡p3を含む。
図3に示す実施形態2の平型ケーブル1Bでは、シース部3Bは、発泡領域30と、発泡領域30の外周を覆い、非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなるソリッド領域33とを含む。
図4に示す実施形態3の平型ケーブル1Cは、ソリッド領域33を備える形態であって、更に、シース部3Cに連結される接地線5を備える。
図5に示す実施形態4の平型ケーブル1Dは、ソリッド領域33を備えていない形態であって、シース部3Dに連結される接地線5を備える。
図6に示す実施形態5の平型ケーブル1Eは、絶縁電線2Eに備える導体20が芯部となる導体素線21と、導体素線21の外周の少なくとも一部を覆う銅被覆部22とを備える複合線を含む。
以下、平型ケーブル1の各構成を詳細に説明する。
(絶縁電線)
各絶縁電線2は、導電性材料からなる線材を主体とする導体20と、電気絶縁性材料からなる絶縁層25とを備える。導電性材料は、銅(純銅、以下同様)、銅合金、アルミニウム(純アルミニウム、以下同様)、アルミニウム合金などが挙げられる。導体20には、上記導電性材料からなる単線又は撚線を利用できる。図1から図5では単線の導体20を備える絶縁電線2Aを例示する。電気絶縁性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレン(PE)などの絶縁性、柔軟性、耐熱性、耐水性を有する樹脂などが挙げられる。導体20の外形、絶縁電線2の外形は、代表的には円形状である。
導体20の少なくとも一部は、銅又は銅合金からなることが挙げられる。銅や銅合金は、一般に導電率が高く、銅又は銅合金を含む導体20を備える絶縁電線2は、導電性に優れ、電気配線に好適に利用できる。例えば、銅からなる導体20は、JIS C 3102(1984)に適合する又はこれに準ずる電気用軟銅線(銅線の一例)の単線又は撚線であって、所定の導体断面積、線径を備えるものを利用できる。
図6に示す絶縁電線2Eでは、導体20が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体素線21と、導体素線21の外周を覆い、銅又は銅合金からなる銅被覆部22とを備える複合線を含む。アルミニウムやその合金は、銅や銅合金よりも導電率が低いものの軽量である。そのため、導体20に上記複合線を含む絶縁電線2Eは、銅被覆部22によって良好な導電性を確保しつつ、軽量な電気配線として好適に利用できる。導体素線21がアルミニウムからなると、導電性に優れる上に曲げなどの可撓性に優れ、アルミニウム合金からなると、強度などに優れる。アルミニウム合金は、各種の組成のものが利用できる。例えば、特開2010−067591号公報に記載されるFeを特定の範囲で含むアルミニウム合金などを利用できる。銅被覆部22が銅からなると、導電性に優れる上に曲げなどの可撓性に優れ、銅合金からなると、強度などに優れる。図6に示す絶縁電線2Eでは、導体20が単線の複合線を備える場合を示すが、導体20として複合線の撚線を備えることができる。複合線の横断面において、複合線全体に対する銅被覆部22が占める面積割合は、適宜選択できる。上記面積割合が大きいほど銅成分が多く導電性に優れ、小さいほどアルミニウム成分が多く軽量化を図ることができる。上記面積割合は、例えば10%以上30%以下が挙げられる。
絶縁層25は、上述の電気絶縁性材料を導体20の外周に押し出して、導体20の外周を所定の厚さで覆うことで形成される。絶縁層25は、各絶縁電線2を視覚的に識別し易いように着色することができる(例、一方を黒色、他方を白色など)。
各絶縁電線2は、公知のものを利用できる。また、図1などでは、絶縁電線2の本数を2本とするが、3本以上とすることができる。
(シース部)
<発泡領域>
シース部3は、複数の絶縁電線2を各軸が平行するように配列し、これらの周囲にシース部3を形成する原料を押し出して、これらの外周を所定の厚さで覆うことで形成される。シース部3は、横並びされる複数の絶縁電線2を直接覆う最内層として、発泡樹脂からなる発泡領域30を備える。
図1などでは、発泡領域30は、隣り合う絶縁電線2,2同士が実質的に線接触してなる電線群の輪郭に沿って電線群を覆い、その外形は電線群の輪郭とは異なる形状(レーストラック状)に成形されている場合を例示する。この場合、発泡領域30は、代表的には、各絶縁電線2をその周方向の全周に亘って覆うことで生じ得る、隣り合う絶縁電線2,2に挟まれる部分を実質的に有しない。但し、発泡領域30は、図1などに示すように、隣り合う絶縁電線2,2間に、隣り合う絶縁電線2,2の輪郭線において互いに向かい合う部分(図1では両絶縁電線2,2が近付く方向に位置する内側の半円部分)と、両絶縁電線2,2の共通外接線L1,L1とで囲まれる領域(第一領域31)を備える。図1から図6では、第一領域31が分かり易いように、実線のハッチングに加えて、二点鎖線のハッチングを重ねて付している。また、発泡領域30は、複数の絶縁電線2の輪郭線において互いに離れる側の部分(図1では両絶縁電線2,2が離れる方向に位置する外側の半円部分)と第一領域31の輪郭線(共通外接線L1,L1の一部)とでつくられるレーストラック状の領域の外周を覆う環状の第二領域32を備える。
≪構成材料≫
発泡樹脂とは、複数の気泡を内包する樹脂である。発泡領域30は、例えば、ベース樹脂と発泡剤(加熱によってガスを生じるもの)とを含む原料を押出原料として用いることで形成できる。発泡剤は、公知のものが利用できる。また、発泡剤を含むマスターバッチ(特許文献1参照)を利用できる。その他、上記原料には、可塑剤、安定剤、充填材、滑材、酸化防止剤、光安定剤などの各種の添加剤や改質剤などを含むことができる。
発泡樹脂のベース樹脂として、ポリ塩化ビニル(PVC)を含むことが挙げられる。PVCは、耐久性や耐疲労性、難燃性などに優れており、シース部3の構成材料に用いることで、シース部3の表面及びその近傍にキズがつき難かったり、シース部3が難燃性に優れたりする。絶縁電線2の絶縁層25もPVCからなる場合、耐久性や耐疲労性、難燃性に優れる平型ケーブル1とすることができる。
又は、発泡樹脂のベース樹脂として、ポリエチレン(PE)を含むことが挙げられる。PEは、環境負荷を軽減できるため、シース部3の構成材料に用いることで、シース部3に起因する環境負荷を軽減できる。PEと共に難燃剤を含むものをシース部3の構成材料に用いると、難燃性に優れる。絶縁電線2の絶縁層25もPEからなる場合、更に難燃剤を含む場合、平型ケーブル1をいわゆるエコケーブルとして好適に利用できる。難燃剤は、公知のものが利用できる。
≪気泡の存在状態≫
この項目は、平型ケーブル1の横断面を前提として説明する。気泡の大きさ、気泡の存在割合、特定の大きさの気泡の占有割合などの測定方法は後述する。
〈第一領域〉
発泡領域30は、発泡樹脂からなることで複数の気泡が存在する。実施形態の平型ケーブル1は、発泡領域30のうち、第一領域31に50μm以下の気泡p1を含む。第一領域31は、このような微小な気泡p1を含むため、シース部3を除去する際、シース部3における絶縁電線2に接触しない範囲、即ち第一領域31の境界線である共通外接線L1,L1に至らない範囲に切込み線C(図7)を設けても、シース部3を引き千切り易い。カッターなどで直接切込まれない非切断箇所に第一領域31を含むため、シース部3の非切断箇所を引き千切り易く、平型ケーブル1は、シース部3を除去し易い。
第一領域31は、気泡を多く含むとより引き千切り易い。一方、第一領域31は、絶縁電線2の周囲に存在して絶縁電線2を保持するため、気泡がある程度少ないと絶縁電線2を適切に保持し易い。例えば、第一領域31における単位面積当たりの気泡の存在割合が100個/mm以上600個/mm以下であることが挙げられる。第一領域31に100個/mm以上の割合で気泡を含むと気泡が多く、シース部3を引き千切り易い。上記存在割合が大きいほどシース部3を引き千切り易く、上記存在割合を150個/mm以上、更に200個/mm以上などとすることができる。第一領域31に600個/mm以下の割合で気泡を含むと気泡が多過ぎず、平型ケーブル1の搬送時や布設時などで、発泡領域30内で絶縁電線2が捩れたり、隣り合う絶縁電線2,2同士が擦れ合ったりすることなどを防止でき、絶縁電線2を適切に保持し易い。上記存在割合が小さいほど絶縁電線2を適切に保持し易く、上記存在割合を550個/mm以下、更に500個/mm以下などとすることができる。
第一領域31に50μm超の粗大な気泡を含むとシース部3をより引き千切り易いため、このような粗大な気泡を含んでいてもよい。但し、第一領域31に上記粗大な気泡が多過ぎると、絶縁電線2を適切に保持し難くなると考えられる。第一領域31に含まれる気泡のうち、50μm以下の気泡p1の占有割合が大きいほど、絶縁電線2を適切に保持しつつ、シース部3を引き千切り易い。気泡p1の占有割合は、例えば50%超、更に60%以上、70%以上が挙げられる。第一領域31において上述の気泡の存在割合(個/mm)が上述の範囲を満たすと共に、この気泡p1の占有割合(%)が50%超であると、シース部3を引き千切り易い上に絶縁電線2をより適切に保持し易い。絶縁電線2の大きさや発泡領域のベース樹脂の種類、製造条件などを調整することで、気泡p1の占有割合を実質的に100%とすること、つまり第一領域31に含まれる全ての気泡p1を50μm以下にできる場合がある。
第一領域31に含まれる気泡p1は50μm以下の範囲で大きいほどシース部3を引き千切り易い。例えば、第一領域31は、5μm以上、更に8μm以上、10μm以上の気泡p1を含むことが挙げられる。第一領域31に含まれる気泡p1の最小値が5μm以上であると、シース部3を更に引き千切り易い。一方、第一領域31に含まれる気泡p1は小さいほど、絶縁電線2を適切に保持し易い。例えば、第一領域31は、45μm以下、更に40μm以下、30μm以下の気泡p1を含むことが挙げられる。第一領域31において、上述の気泡の存在割合(個/mm)が上述の範囲を満たすと共に、上述の気泡p1の占有割合(%)が上述の範囲を満たし、更には気泡p1の最小値が5μm以上であると、シース部3をより引き千切り易く、絶縁電線2を適切に保持し易い。
上述の気泡の存在割合(個/mm)、気泡p1の占有割合(%)、気泡p1の大きさ(μm)に関する事項は後述の小領域310,近傍領域312についても同様に適用できる。
〈小領域〉
第一領域31のうち、切込み線Cから離れた領域に、50μm以下の気泡p1を含むことが好ましい。具体的には、隣り合う絶縁電線2,2の中心を繋ぐ直線Lcに平行な直線であって、絶縁電線2の半径rの75%の地点のうち、絶縁電線2の中心を通り、直線Lcに直交する直線との交点を通る直線L75をとり、第一領域31のうち、直線Lcから直線L75までの小領域310に50μm以下の大きさの気泡p1を含むことが好ましい。小領域310は、隣り合う絶縁電線2,2の輪郭線のうち、互いに向かい合う部分と直線L75,L75とで囲まれる比較的小さい領域である。図1では、小領域310が分かり易いように、実線のハッチングに加えて、第一領域31よりも間隔が狭い二点鎖線のハッチングを重ねて付している。小領域310に含まれる50μm以下の気泡p1の占有割合は、上述のように大きいほどシース部3を引き千切り易い上に絶縁電線2を適切に保持し易く、80%以上、更に85%以上、90%以上が挙げられる。小領域310に含まれる気泡の大きさが50μm以下であると、即ち上記気泡p1の占有割合が実質的に100%であると、シース部3をより引き千切り易い上に、絶縁電線2を適切に保持し易い。
〈絶縁電線の近傍領域〉
発泡領域30のうち、絶縁電線2に接する領域及びその近傍は、シース部3を有する状態では絶縁電線2の保持が求められ、シース部3の除去時には絶縁電線2との剥離性が求められる。上記領域及びその近傍は、第一領域31と同様に非切断箇所であることが多いため、気泡を内包すると引き千切り易い上にこの気泡が微細であれば絶縁電線2を適切に保持し易い。図1では、複数の絶縁電線2,2の近傍領域312として、発泡領域30において、隣り合う絶縁電線2,2の輪郭線と、各絶縁電線2,2の半径rの110%の円とで挟まれる領域であって、複数の輪が部分的に重複して横並びされた鎖状の領域を示す。より具体的には、絶縁電線2の同心円であって、絶縁電線2の半径rの110%の半径Rを有する仮想円をとり、各絶縁電線2の輪郭線と、各仮想円とで挟まれる8の字状の領域を近傍領域312とする。上記仮想円の一部は、第一領域31に重複する。上記仮想円同士の重複箇所は小領域310に重複し、小領域310は近傍領域312の一部を含む。そのため、近傍領域312のうち、小領域310との重複箇所である略V状の領域は、少なくとも50μm以下の気泡p1を含む。更に、発泡領域30において、複数の絶縁電線2の近傍領域312に含まれる気泡p1の大きさは、小領域310と同様に50μm以下であると、即ち近傍領域312に含まれる全ての気泡p1が50μm以下であると、シース部3を引き千切り易く、絶縁電線2とシース部3との剥離性にも優れる。また、微小な気泡p1を含む近傍領域312は、シース部3を有する状態において絶縁電線2を適切に保持し易い。
〈第二領域〉
発泡領域30のうち、複数の絶縁電線2及び第一領域31の外周を覆う第二領域32は、第一領域31に含まれる50μm以下の気泡p1よりも大きい気泡p2を含むと、上述のカッターなどで切込み易い上に、比較的大きな気泡p2の含有によって、ある程度可撓性を有して作業者が平型ケーブル1を取り扱い易い。一方、第二領域32に含まれる気泡p2が大き過ぎない場合には絶縁電線2を適切に保持し易い。例えば、第二領域32に含まれる気泡p2の大きさが10μm以上100μm以下であることが挙げられる(但しp1<p2)。第二領域32に含まれる気泡p2が大きいほど切込み易い上に可撓性に優れるため、第二領域32は15μm以上、更に20μm以上、30μm以上、50μm超、55μm以上の気泡p2を含むことが挙げられる。第二領域32に含まれる気泡p2が小さいほど絶縁電線2を適切に保持し易く、第二領域32は95μm以下、更に90μm以下、80μm以下の気泡p2を含むことが挙げられる。
第二領域32に100μm超の粗大な気泡を含むとより切込み易いため、このような粗大な気泡を含んでいてもよい。但し、第二領域32に上記粗大な気泡が多過ぎると、絶縁電線2を適切に保持し難い。例えば、第二領域32に含まれる全ての気泡の大きさが100μm以下であれば、絶縁電線2を適切に保持し易い。一方、第二領域32に50μm以下の微小な気泡を含むと絶縁電線2を保持し易いため、このような微小な気泡を含んでいてもよい。第二領域32のうち、絶縁電線2に近い領域、特に上述の近傍領域312は、上述のように50μm以下の微小な気泡p1を含むと、絶縁電線2を適切に保持し易い。また、第二領域32のうち、平型ケーブル1の表層寄りの領域(後述の外側領域32o、図2)が50μm以下の微小な気泡p3を含むと、シース部3の表面(図2ではケーブル表面)にキズがつき難い。
第二領域32は、気泡を多く含むとより切込み易く、可撓性にも優れる。一方、第二領域32は、気泡がある程度少ないと絶縁電線2を適切に保持し易い。例えば、第二領域32における単位面積当たりの気泡の存在割合が30個/mm以上300個/mm以下であることが挙げられる。第二領域32に30個/mm以上の割合で気泡を含むと気泡が多く、切込み易く可撓性にも優れる。上記存在割合が大きいほど切込み易く可撓性にも優れ、上記存在割合を40個/mm以上、更に50個/mm以上などとすることができる。第二領域32に300個/mm以下の割合で気泡を含むと気泡が多過ぎず、絶縁電線2を適切に保持し易い。上記存在割合が小さいほど絶縁電線2を適切に保持し易く、上記存在割合を290個/mm以下、更に280個/mm以下などとすることができる。第二領域32において、この気泡の存在割合(個/mm)が上述の範囲を満たすと共に、第二領域32に含まれる全ての気泡が10μm以上100μm以下であれば、より切込み易い上に、絶縁電線2を適切に保持し易い。
図2に示すように、第二領域32における平型ケーブル1の表面寄りに位置する外側領域32oは、第二領域32における第一領域31寄りに位置する内側領域32iに含まれる気泡p2よりも小さい気泡p3を含むことが挙げられる。図2では、外側領域32oを、第二領域32の表面から第二領域32の平均厚さt32の15%までの領域とし、内側領域32iはその残部とする場合を例示する。外側領域32oに微小な気泡p3を含むことで、平型ケーブル1が外部からの衝撃を受けた際や外部と擦れた際などにシース部3aの表面(平型ケーブル1Aの表面でもあり、第二領域32の表面でもある)及びその近傍にキズがつき難い。外側領域32oに含まれる気泡p3の大きさが50μm以下であると、即ち外側領域32oに含まれる全ての気泡p3が50μm以下の微小な気泡であると、キズがよりつき難い。全ての気泡p3が45μm以下、更に40μm以下、30μm以下であると、キズが更につき難い。一方、全ての気泡p3が5μm以上、更に8μm以上、10μm以上であれば、上述のように切込み易い。なお、外側領域32oに50μm超の粗大な気泡を含むことを許容するが、このような粗大な気泡が少ないほど、好ましくは50μm以下の気泡p3の占有割合が80%以上であると、上述のようにキズがつき難く好ましい。
上述の平均厚さt32とは、絶縁電線2の輪郭線から第二領域32の表面までの平均距離とする。この平均距離は、レーストラック状の第二領域32の外縁のうち第一領域31に対応した部分と、共通外接線L1とで挟まれる範囲において、等間隔に合計10点以上の測定点をとり、これらの測定点における距離の平均とする。
外側領域32oは、気泡がある程度少ないと上述のようにキズがつき難く、多く含むと切込み易い。例えば、外側領域32oにおける単位面積当たりの気泡の存在割合は100個/mm以上600個/mm以下であることが挙げられる。外側領域32oに100個/mm以上の割合で気泡を含むと気泡が多く、切込み易い。上記存在割合が大きいほど切込み易く、上記存在割合を150個/mm以上、更に200個/mm以上などとすることができる。外側領域32oに600個/mm以下の割合で気泡を含むと気泡が多過ぎず、キズをつき難くすることができる。上記存在割合が小さいほどキズがつき難く、上記存在割合を550個/mm以下、更に500個/mm以下などとすることができる。外側領域32oにおいて上述の気泡の存在割合(個/mm)が上述の範囲を満たすと共に、気泡p3の占有割合(%)が80%以上であると、切込み易い上にキズがつき難い。
第一領域31寄りの内側領域32iは、外側領域32oに含まれる気泡p3よりも大きい気泡p2を含んだり(特に10μm以上100μm以下、但しp3<p2)、このような大きめの気泡p2を30個/mm以上300個/mm以下といった存在割合で含むことで、切込み易く、可撓性にも優れる上に、絶縁電線2を適切に保持し易い。内側領域32iは、上述の近傍領域312を除いて、上述の大きめの気泡p2を上記存在割合で含むことが好ましい。
図1に示す実施形態1の平型ケーブル1Aの具体例として、小領域310及び近傍領域312に含まれる全ての気泡p1が50μm以下(例えば30μm以下)であり、第一領域31及び近傍領域312の気泡の存在割合が100個/mm以上600個/mm以下であり、第二領域32(近傍領域312を除く)に含まれる全ての気泡が気泡p1よりも大きいのものが挙げられる。
図2に示す実施形態1の平型ケーブル1Aの別の具体例として、小領域310及び近傍領域312に含まれる全ての気泡p1と、外側領域32oに含まれる全ての気泡p3とが50μm以下(例えば30μm以下)であり、第一領域31及び外側領域32oの気泡の存在割合が100個/mm以上600個/mm以下であり、内側領域32i(近傍領域312を除く)に含まれる全ての気泡p2が気泡p1,p3よりも大きく、気泡p2の存在割合が30個/mm以上300個/mm以下であるものが挙げられる。
〈測定方法〉
気泡の大きさは、以下のように測定する。
平型ケーブル1の横断面を平型ケーブル1の長手方向に5m以上の間隔をあけて、3つ以上とる。各横断面を走査型電子顕微鏡で観察し、観察像における第一領域31、小領域310、第二領域32、内側領域32i、外側領域32oから、一定の大きさの測定用領域(例えば、500μm程度×500μm程度、又は0.25mm程度)をとる。測定用領域に存在する全ての気泡(ここでは切断されて開気孔となったもの)を抽出して断面積を求め、各気泡の断面積に等しい面積を有する円の直径を各気泡の大きさとする。気泡の抽出、断面積の測定などは、画像処理装置を用いて行うと容易に行える。
上述の測定結果を利用して、「50μm以下の気泡の占有割合(%)」は、「一つの測定用領域に存在する全ての気泡の合計断面積Sallに対する50μm以下の気泡の合計断面積S50の割合=(S50/Sall)×100(%)」と表される。
「単位面積当たりの気泡の存在割合」とは、「一つの測定用領域の面積Sに対する、一つの測定用領域に存在する全ての気泡の個数N又は特定の大きさの気泡の個数Nの割合=N/S」と表される。
上述の3つの横断面からとった各測定用領域の上述の占有割合(S50/Sall)×100、存在割合N/Sを求め、3つの測定用領域の値の平均値を利用することが挙げられる。
「50μm以下の大きさの気泡を含む」とは、上述の3つの横断面からとった各測定用領域に50μm以下の気泡を含むことをいう。
「小領域310などに含まれる気泡の大きさが50μm以下である」とは、上述の3つの横断面からとった各測定用領域の気泡の最大直径が50μm以下であることをいう。
「第二領域32に含まれる気泡の大きさが10μm以上100μm以下である」とは、上述の3つの横断面からとった各測定用領域の気泡が全て10μm以上100μm以下であることをいう。
≪製造方法≫
実施形態の平型ケーブル1は、基本的には、複数の絶縁電線2を用意し、これらの外周にシース部3を形成する原料を押出機によって押し出し、押出材を水槽に導入して冷却することで製造することができる。押出機は、例えば、絶縁電線2の外周に発泡領域30を形成する押出ダイスと、絶縁電線2を案内するニップルとを備えるものが利用できる。押出機には、公知の構成のものを利用できる。上述の基本的な工程は、VVFの製造に利用される公知の製造方法を参照することができる。
特に、気泡の大きさ、特定の大きさの気泡の生成位置や個数などを調整するためには、例えば、押出機から出された押出材を水槽に導入するまでの時間を0.3秒以上4秒以下とすることが挙げられる。上述の導入までの時間を4秒以下とすることで、押出材を素早く冷却し易く、原料中の発泡剤が分解されて気泡が大きく成長する時間を短くし易い。その結果、全体的に気泡を小さくし易い。特に、押出材の最外側に近い第二領域32の外側領域32oに微小な気泡p3が存在する平型ケーブル1Aを製造し易い。一方、上述の導入までの時間を0.3秒以上とすることで、押出材を外部環境温度にある程度保持できる。そのため、押出材の内側に位置する第二領域32の内側領域32iなどに存在する気泡をある程度大きくし易い。
更に、第一領域31に微小な気泡p1を含む実施形態の平型ケーブル1を製造するには、絶縁電線2の外周に上述のベース樹脂と発泡剤とを含む原料を押し出す際、絶縁電線2の温度を低めにすることが挙げられる。具体的には絶縁電線2の温度を20℃以下とすることが挙げられる。低温の絶縁電線2によって、その外周に押し出される溶融状態にある上記原料を冷却することで、上述の気泡が大きく成長する時間をより短くし易く、気泡をより小さくし易い。発泡領域30における第一領域31や小領域310、絶縁電線2の近傍領域312は、絶縁電線2に直接接触する領域を含んでおり、上述の低温の絶縁電線2によって冷却され易い領域といえ、絶縁電線2の温度を調整することで上述の微小な気泡p1をより確実に含むことができる。第二領域32の内側領域32i、特に近傍領域312よりも外方に位置する領域は、上述の低温の絶縁電線2によって冷却され難い領域といえ、上述のように比較的大きな気泡p2を含むことができる。
絶縁電線2の温度が低いほど、上述の第一領域31などに微小な気泡p1を含み易く、上記温度を19℃以下、更に18℃以下、17℃以下とすることができる。但し、上記温度が低過ぎると発泡剤が分解しなかったり、分解し難かったりして、上述の第一領域31などに気泡を実質的に含まない可能性があるため、上記温度は5℃以上、更に8℃以上、10℃以上が好ましい。絶縁電線2の温度がより低いことで、近傍領域312よりも広い範囲に亘って微小な気泡p1を含むことができる場合がある。例えば、気泡p1を含む領域を絶縁電線2の半径rの115%までの範囲、更に半径rの125%までの範囲などとすることができる。
その他、ベース樹脂の種類(溶融状態の温度)や発泡剤の含有量などに応じて、上述の水槽に導入するまでの時間、絶縁電線2の温度を調整するとよい。
≪主要な効果≫
実施形態の平型ケーブル1は、シース部3の一部を除去する際、カッターなどで直接切込まれない第一領域31に50μm以下の気泡p1を含む。そのため、第一領域31を引き千切り易く、実施形態の平型ケーブル1は、シース部3の除去作業性に優れる。また、実施形態の平型ケーブル1は、絶縁電線2を直接保持する第一領域31に微小な気泡p1を含むため、粗大な気泡のみを含む場合に比較して、絶縁電線2を適切に保持し易い。
実施形態1の平型ケーブル1Aのように、シース部3Aの発泡領域30のうち、小領域310や絶縁電線2の近傍領域312にも微小な気泡p1を含むため、これらの領域がカッターなどで直接切込まれない非切断箇所であってもシース部3を引き千切り易い。そのため、平型ケーブル1Aは、シース部3の除去作業性により優れる上に、絶縁電線2を適切に保持し易い。また、実施形態1の平型ケーブル1Aは、シース部3の発泡領域30のうち、第二領域32(シース部3aでは内側領域32i)に比較的大きな気泡p2を含むため、カッターなどで切込み易い上に、可撓性にも優れて取り扱い易い。図2に示す平型ケーブル1Aのように、第二領域32の外側領域32oに微小な気泡p3を含むと、ケーブル表面にキズがつき難く、外観にも優れる。
<ソリッド領域>
実施形態の平型ケーブル1は、図1,図2に示すようにシース部3が実質的に発泡領域30からなるものとする他、図3に示す平型ケーブル1Bに備えるシース部3Bのように、発泡領域30の外周を覆うソリッド領域33を備えることができる。ソリッド領域33は、気泡を実質的に含まないため、複数の気泡を含む発泡領域30に比較して剛性に優れる。ソリッド領域33を備える平型ケーブル1Bは、外部からの衝撃や外部(例、地面)との擦れなどを受けても、発泡領域30にキズがつくことを防止できる。また、平型ケーブル1Bは、ケーブル表面を形成するソリッド領域33自体にもキズがつき難い。
≪構成材料≫
ソリッド領域33は、上述の発泡領域30の原料から発泡剤を省略したもの、即ち発泡剤を含まない非発泡樹脂からなる形態が挙げられる。この場合、ソリッド領域33と発泡領域30との間に両者の界面330を有する。仮にシース部3Bにキズがついても、界面330の露出の有無を確認することで、このキズがソリッド領域33の形成範囲か発泡領域30に至るものかを把握し易い。又は、ソリッド領域33は、ベース樹脂と発泡剤とを含む原料(発泡領域30の原料と同じでもよい)を用いて、その厚さや押出後の冷却条件などを調整することで実質的に発泡していない未発泡樹脂からなる形態が挙げられる。この場合、ソリッド領域33と発泡領域30とは、気泡が実質的に存在しない領域と気泡が存在する領域とで区別する。
≪色≫
ソリッド領域33は、発泡領域30における平型ケーブル1の表面寄りに位置する外側領域(例えば、上述の外側領域32o)とは色が異なる形態とすることができる。ソリッド領域33の色と発泡領域30全体の色とが異なる形態とすることもできる。両者の色が異なることで、仮にシース部3Bにキズがついても、このキズが発泡領域30に至るものか否かを容易に判断できる。シース部3は、通常、平型ケーブル1の長手方向の一端部側を除去し、他端部側を残存させて絶縁電線2を保持した状態で利用される。そのため、発泡領域30に至るキズがある場合、このキズがシース部3Bにおける除去箇所にある場合にはそのままとしてもよいが、シース部3Bにおける残存させる箇所にある場合にはキズ箇所を適宜補修することが挙げられる。
ソリッド領域33が非発泡樹脂からなる形態では、例えば、非発泡樹脂が顔料を含み、発泡領域30を形成する発泡樹脂が顔料を含まなかったり、色が異なる顔料を含んだりすることで、ソリッド領域33の色と発泡領域30の色とを容易に異ならせることができる。ソリッド領域33の色は、適宜選択できる。
ソリッド領域33が未発泡樹脂からなる形態では、ソリッド領域33に気泡が実質的に存在せず、発泡領域30に気泡が存在するために両者の透明度などが異なることで、両領域33,30を区別できる場合がある。この場合、上述のようにキズの程度を把握し易い。発泡領域30と同じ原料を用いて、未発泡樹脂からなるソリッド領域33とする場合、未発泡樹脂が顔料を含み、発泡領域30を形成する発泡樹脂が顔料を含まなかったり、色が異なる顔料を含んだりすることで、ソリッド領域33の色と発泡領域30の色とを容易に異ならせることができる。この場合、色の相違によって、ソリッド領域33と発泡領域30との間に界面330を容易に確認できる。
≪厚さ≫
ソリッド領域33は、発泡領域30の全周を覆って、代表的にはその厚さが発泡領域30の周方向に均一的であることが挙げられる。この場合、ソリッド領域33は、レーストラック状の環状体をなす。ソリッド領域33の平均厚さは、例えば、発泡領域30のうち、第二領域32の平均厚さt32の5%以上20%以下が挙げられる。ソリッド領域33の平均厚さは、上述の界面330、又は気泡が実質的に存在しない領域と気泡が存在する領域との境界からソリッド領域33の外縁までの距離を求め、その平均とすることが挙げられる。測定点は、ソリッド領域33の周方向に、等間隔に10点以上とることが挙げられる。
又は、ソリッド領域33は、部分的に厚さが異なる形態とすることができる。例えば、図3に示すようにソリッド領域33は、シース部3Bの周方向において局所的に厚い厚肉部335を備えることが挙げられる。厚肉部335は、代表的には、上述のソリッド領域33の平均厚さよりも厚い箇所であることが挙げられる。厚肉部335は、上述の外部からの衝撃や外部との擦れなどでキズがつき難い箇所とすることができる。また、厚肉部335を備えると、ソリッド領域33に相対的に薄い箇所が有っても、シース部3Bの強度や剛性を高められる場合が有る。例えば、図3に示すように対向位置に厚肉部335,335を備えると、両厚肉部335,335を貫通する方向(図3では上下方向)の衝撃などに対する耐性を高め易い。また、厚肉部335を局所的に備えることで、ソリッド領域33全体が一様に厚い場合に比較してシース部3を切込み易い上にシース部3を引き千切り易く、シース部3の除去作業性に優れる。図3に示す厚肉部335の個数や形成位置は、例示であり、適宜変更できる。
ソリッド領域33が第一領域31に対応した位置に厚肉部335,335を備えると、この位置は後述するように外部と擦れ易い位置であるものの、キズがつき難い。また、この形態は、以下の効果も期待できる。なお、第一領域31に対応した位置とは、例えば、図3に示すように第一領域31を覆う位置が挙げられる。
(1)シース部3Bを除去する際にソリッド領域33において第一領域31に対応した箇所をカッターなどで切断すると、カッターなどに押圧された厚肉部335が発泡領域30を局所的に押し付け、局所的に応力を付与すると考えられる。この応力によって、非切断箇所である第一領域31が破壊され易くなって、引き千切り易いと期待される。
(2)ソリッド領域33の表面において第一領域31に対応した箇所は、後述するように平面であるため、商品名や製造番号などの印刷、エンボス加工などによる刻印などを付す箇所として利用することがある。厚肉部335に刻印すれば、十分な深さの刻印を行え、長期に亘り、刻印を維持し易い。印刷よりも刻印の方が長期に亘り消え難い。
ソリッド領域33は、厚肉部335を備える他、相対的に薄い薄肉部を備えることができる。薄肉部は、代表的には上述のソリッド領域33の平均厚さよりも薄い箇所であることが挙げられる。薄肉部を備える一例として、ソリッド領域33において、並列される複数の絶縁電線2群の両側に位置する側方部分の厚さtsが、第一領域31に対応した位置に存在する中間部分の厚さ(図3では厚肉部335の厚さt335)よりも薄いことが挙げられる。上記側方部分の多くは、シース部3Bを除去する際にカッターなどで切込まれない非切断箇所に含まれるものの、側方部分の厚さtsが薄いため、引き千切り易い。また、この形態は、以下の理由により、ソリッド領域33全体として、キズがつき難い。ソリッド領域33において第一領域31に対応した箇所(ここでは上記中間部分)の外周面は、代表的には、直線Lcに平行な平坦な面で形成される。上記側方部分(図3では左右の領域)の外周面は、半円弧状の湾曲面で形成される。このような上記中間部分は、上記側方部分に比較して外部と擦れ易い箇所といえ、上記側方部分は、逆に擦れ難い箇所といえる。そのため、上記側方部分の厚さtsが薄くても、外部との擦れなどでキズがつき難い。上記中間部分は相対的に厚いことで、外部との擦れなどでキズがつき難い。上記中間部分が上述の厚肉部335であれば、キズが更につき難い。
上述の厚肉部335の厚さt335は、例えば、上述のソリッド領域33の平均厚さの100%超200%以下程度が挙げられる。上述の薄肉部の厚さや側方部分の厚さtsは、例えば上述のソリッド領域33の平均厚さの10%以上80%以下程度が挙げられる。図3では、ソリッド領域33における厚肉部335を除く部分の厚さが実質的に等しい場合を例示するが、二点鎖線で仮想的に示すように更に薄くすることができる。
≪製造方法≫
発泡領域30とソリッド領域33とを含むシース部3Bは、例えば、絶縁電線2の外周に発泡領域30を形成する内側押出ダイスと、発泡領域30の外周にソリッド領域33を形成する外側押出ダイスと、絶縁電線2を案内するニップルとを備える押出機を用いることで製造できる。発泡領域30の原料とソリッド領域33の原料とは同時に押し出すことが挙げられる。厚肉部335の厚さt335や形成位置、側方部分の厚さなどを予め設定し、この設定条件に適した形状のダイスを利用することで、厚肉部335や薄い側方部分を備える形態などを成形できる。
上述の製造方法において、ソリッド領域33を未発泡樹脂からなるものとする場合、例えば、上述の水槽に導入するまでの時間などを調整して、押出材の表面及びその近傍(ソリッド領域33の形成領域)を実質的に発泡させず、その内側の領域(発泡領域30、特に外側領域32o)ではある程度発泡させることが挙げられる。発泡領域30と同じ原料を用いて、未発泡樹脂からなるソリッド領域33を形成する場合、上述の外側押出ダイスを省略してもよい。顔料を含む未発泡樹脂を利用する場合、外側押出ダイスを利用するとよい。
後述するソリッド領域33を含むシース部3Cを備える実施形態3(図4)も上述の製造方法を参照できる。
≪主要な効果≫
実施形態2の平型ケーブル1Bのように、シース部3Bが発泡領域30とソリッド領域33とを備えるため、発泡領域30は勿論、ソリッド領域33自体もキズをつき難くすることができる。発泡領域30に、微小な気泡p3を含む外側領域32oを有しない場合でも、ソリッド領域33を備えることで、キズがつき難い。厚肉部335を備えると、キズをよりつき難くできる。上述の側方部分を相対的に薄くすると、上述のように非切断箇所を引き千切り易く、シース部3Bの除去作業性により優れる。
(接地線)
<構造>
実施形態の平型ケーブル1は、図4,図5に示すように、接地線5を備えることができる。接地線5は、接地用導体50と、接地用導体50を覆う被覆層55とを備える。代表的には、接地線5は、600Vビニル絶縁電線(IV)、600Vポリエチレン絶縁電線(IE)などに適合する又はこれに準ずるものが挙げられる。接地線5を備える平型ケーブル1C,1Dは、接地が求められる用途に利用できる。接地線5は、シース部3との連結箇所を引き千切ることで絶縁電線2と分離できる。
接地用導体50は、代表的には、上述の絶縁電線の項で説明した電気用軟銅線の単線又は撚線であって、所定の導体断面積、線径を備えるものを利用できる。図4,図5では、単線の接地用導体50を備える接地線5を例示する。
被覆層55は、上述の絶縁電線の項で説明したPVCやPEなどの電気絶縁性材料を接地用導体50の外周に押し出して、接地用導体50の外周を所定の厚さで覆うことで形成される。接地用導体50の外形、接地線5の外形は、代表的には円形状である。
被覆層55は、図5に示すように単層構造とすることもできるし、図4に示すように多層構造とすることもできる。図4に示す平型ケーブル1Cに備える接地線5Cは、二層構造の被覆層55Cを備える。被覆層55Cは、接地用導体50の直上に設けられる内側被覆層52と、内側被覆層52の外周の少なくとも一部を覆う外側被覆層53とを備える。内側被覆層52の構成材料と外側被覆層53の構成材料とを異ならせたり、色を異ならせたりすることができる。例えば、内側被覆層52を発泡樹脂からなるものとし、外側被覆層53を非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなるものとしたり、両層52,53を異種の非発泡樹脂からなるものとしたりすることが挙げられる。また、例えば、内側被覆層52と外側被覆層53とは色が異なるものとすることができる。発泡樹脂からなる内側被覆層52を備えると柔軟性に優れ、シース部3Cの除去前において、シース部3Cから接地線5Cを分離し易く、作業性に優れる。非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなる外側被覆層53を備えると、ソリッド領域の項で説明したように剛性に優れて、外部からの衝撃や外部との擦れなどで接地線5Cの表面及びその近傍にキズがつき難い。更に、接地線5Cは、二層構造の被覆層55Cを備えるため、絶縁性にも優れる。また、両層52,53の色が異なれば、仮に外側被覆層53にキズがついても、内側被覆層52の色が見えなければ、キズが内側被覆層52に及んでいないことが視覚的に容易に確認できる。シース部3Cの色と被覆層55C(特に外側被覆層53)の色とが異なると、分離作業性に優れる。外側被覆層53の色は適宜選択できる(例えば、緑色)。発泡樹脂、非発泡樹脂、未発泡樹脂の詳細は、発泡領域の項、ソリッド領域の項を参照するとよい。
図5に示す平型ケーブル1Dに備える接地線5Dは、単層の被覆層55Dを備える。この場合、被覆層55Dは非発泡樹脂からなると、絶縁性に優れる。このような接地線5Dは、公知のもの(上述のIV,IEに適合するものなど)を利用できる。
接地線5は、図4,図5に示すように、シース部3において複数の絶縁電線2の並列方向の一端側に連結されることが挙げられる。この場合、シース部3における接地線5の連結箇所を図4,図5に示すように小さく(細く)し易く、接地線5をシース部3から分離し易い。
上述のように被覆層55Cを二層構造とし、内側被覆層52を発泡樹脂、外側被覆層53を非発泡樹脂又は未発泡樹脂とする場合、例えば、図4に示すように内側被覆層52をシース部3Cにおいて発泡樹脂からなる発泡領域30、特に第二領域32に連続して形成されるものとすることができる。この場合、発泡領域30を形成する発泡樹脂によって、シース部3Cの第二領域32から接地線5Cの内側被覆層52に亘って一体に成形される。シース部3Cにおける接地線5Cとの連結箇所も、この発泡樹脂によって一体に成形されるため、シース部3Cから分離する前の接地線5Cは、シース部3Cから外れ難い。分離する際には、上記連結箇所が発泡樹脂からなるため、引き千切り易く、容易に分離できる。図4に示すように、上記連結箇所の厚さ(ここでは直線Lc(図1)と直交方向の大きさ)がシース部3Cの最大厚さ(同)及び接地線5Cの外径よりも十分に小さいと、より分離し易い。また、外側被覆層53をシース部3Cにおいて非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなるソリッド領域33に連続して形成されるものとすることができる。この場合、接地線5Cを含めた平型ケーブル1C全体として、上述のように外部からの衝撃や外部との擦れなどでキズがつき難い。また、平型ケーブル1Cの表面及びその近傍が一様な材料からなることで、外観にも優れる。外側被覆層53とソリッド領域33とが連続する場合でも、顔料の有無などによって、外側被覆層53とソリッド領域33とで色を異ならせることもできる。図4では外側被覆層53とソリッド領域33とが連続する場合であって、色が異なる場合を例示する。内側被覆層52、外側被覆層53の厚さはそれぞれ、絶縁特性などに応じて選択するとよい。
非発泡樹脂からなる被覆層55Dを備える場合、図5に示すようにシース部3Dは、被覆層55Dとの間に界面550を有する。非発泡樹脂からなる被覆層55Dと、発泡樹脂からなるシース部3Dとは異種の材料からなるためである。この界面550を分離面として、シース部3Dから接地線5Dを容易に分離できる。但し、界面550が有ることで、シース部3Dから外れ易いともいえる。そこで、シース部3Dは、複数の絶縁電線2の並列方向の一端側に接地線5Dを掴むホールド部35を備えることが好ましい。ホールド部35は、図5に示すように、シース部3D(発泡領域30)における上記並列方向の一端側から外方に突出し、接地線5Dの外周面に沿って設けられる円弧状の接触面(界面550を形成する面)を有する弓形の部分であり、平型ケーブル1Dの全長に亘って設けられる。ホールド部35と接地線5Dとは融着されている。接触面の円弧長(接地線5Dの外周面に沿った長さ)が長いほど、分離前のシース部3Cから接地線5Dが外れることを防止し易い。接触面の円弧長は、例えば、接地線5Dの外周長さ(円周長)の1/12以上6/12以下が挙げられる。
<製造方法>
図4に示す二層構造の被覆層55Cとシース部3Cとが連続した形態は、例えば、絶縁電線2の外周及び接地用導体50の外周に発泡領域30及び内側被覆層52をそれぞれ形成する内側押出ダイスと、発泡領域30の外周及び内側被覆層52の外周にソリッド領域33及び外側被覆層53をそれぞれ形成する外側押出ダイスと、絶縁電線2、接地用導体50をそれぞれ案内するニップルとを備える押出機を用いることで製造できる。上述の押出ダイスは、連結箇所も形成可能な形状のものとする。発泡領域30及び内側被覆層52の原料と、ソリッド領域33及び外側被覆層53の原料とは同時に押し出すことが挙げられる。その他の条件は、上述の実施形態1,2で説明した製造方法の項を参照するとよい。
図5に示す被覆層55Dとシース部3Dとが独立した形態は、例えば、ホールド部35を含むシース部3Dを形成した後、接地線5Dを融着することで製造できる。まず、絶縁電線2の外周にホールド部35を含むシース部3Dを形成する押出ダイスと、絶縁電線2を案内するニップルとを備える押出機を用いて、ホールド部35を含むシース部3Dを押し出す。このシース部3Dが半溶融状態にあるときに、シース部3Dの一端側に接地線5Dを縦添えするように案内して、ホールド部35に接地線5Dを接触させて融着する。
<主要な効果>
実施形態3,4の平型ケーブル1C,1Dは、接地線5を備えるため、接地が必要な用途の電気配線に利用できる。接地線5C,5Dはいずれも、シース部3C,3Dの除去前にシース部3C,3Dから容易に分離でき、シース部3の除去前の作業性にも優れる。実施形態3の平型ケーブル1Cであれば、シース部3Cの発泡領域30と接地線5Cの内側被覆層52とが連続しているため、分離前の搬送時などで接地線5Cが外れ難く、作業者が取り扱い易い。
(用途)
実施形態の平型ケーブル1は、例えば、低圧屋内電気配線などの電気配線に利用できる。接地線5C,5Dを備える形態では、接地を必要とする電気機械器具(エアコン、電気温水器、IHクッキングヒーターなど)の電気配線に利用できる。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、図4に示す平型ケーブル1Cでは厚肉部335を省略したり、図6に示す平型ケーブル1Eにソリッド領域33を備えたり、接地線5を備えたりなどすることができる。
1,1A,1B,1C,1D,1E,100 平型ケーブル
2,2A,2E,200 絶縁電線
20,201 導体
21 導体素線
22 銅被覆部
25,250 絶縁層
3,3A,3a,3B,3C,3D シース部
30 発泡領域
31 第一領域
310 小領域
312 近傍領域
32 第二領域
32i 内側領域
32o 外側領域
33 ソリッド領域
330 界面
335 厚肉部
35 ホールド部
5,5C,5D 接地線
50 接地用導体
55,55C,55D 被覆層
52 内側被覆層
53 外側被覆層
550 界面
300 シース
Lc 絶縁電線の中心を繋ぐ直線
L1 共通外接線
75 直線Lcに平行で、半径rの75%の地点を通る直線
C 切込み線
p1,p2,p3 気泡

Claims (15)

  1. 導体の外周に絶縁層を備える複数の絶縁電線と、前記複数の絶縁電線の外周を一括して覆うシース部とを備える平型ケーブルであって、
    前記シース部は、
    前記複数の絶縁電線を横並びさせた状態で覆い、発泡樹脂からなる発泡領域を有し、
    前記平型ケーブルの軸方向に直交する平面で切断した横断面における前記発泡領域について、隣り合う前記絶縁電線間に位置する第一領域に50μm以下の大きさの気泡を含み、
    前記横断面において、前記隣り合う絶縁電線の中心を繋ぐ直線Lcに平行な直線であって、前記絶縁電線の半径rの75%の地点のうち、前記直線Lcに直交する点を通る直線L 75 をとり、前記第一領域のうち、前記直線Lcから前記直線L 75 までの小領域に50μm以下の大きさの気泡を含む、
    平型ケーブル。
  2. 前記小領域に含まれる気泡の大きさは50μm以下である請求項に記載の平型ケーブル。
  3. 前記シース部は、前記発泡領域の外周を覆い、非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなるソリッド領域を含む請求項1又は請求項2に記載の平型ケーブル。
  4. 前記ソリッド領域と、前記発泡領域における前記平型ケーブルの表面寄りに位置する外側領域とは色が異なる請求項に記載の平型ケーブル。
  5. 導体の外周に絶縁層を備える複数の絶縁電線と、前記複数の絶縁電線の外周を一括して覆うシース部とを備える平型ケーブルであって、
    前記シース部は、
    前記複数の絶縁電線を横並びさせた状態で覆い、発泡樹脂からなる発泡領域と、前記発泡領域の外周を覆い、非発泡樹脂又は未発泡樹脂からなるソリッド領域とを有し、
    前記平型ケーブルの軸方向に直交する平面で切断した横断面における前記発泡領域について、隣り合う前記絶縁電線間に位置する第一領域に50μm以下の大きさの気泡を含み、
    前記ソリッド領域と、前記発泡領域における前記平型ケーブルの表面寄りに位置する外側領域とは色が異なる、
    平型ケーブル。
  6. 前記ソリッド領域は、顔料を含む請求項4又は請求項5に記載の平型ケーブル。
  7. 前記ソリッド領域は、前記発泡領域との間に両者の界面を有する請求項から請求項のいずれか1項に記載の平型ケーブル。
  8. 前記発泡領域において、前記複数の絶縁電線の近傍領域に含まれる気泡の大きさは50μm以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の平型ケーブル。
  9. 前記第一領域における単位面積当たりの気泡の存在割合は100個/mm以上600個/mm以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の平型ケーブル。
  10. 前記発泡領域は、前記複数の絶縁電線及び前記第一領域の外周を覆う第二領域を備え、
    前記第二領域は、前記第一領域に含まれる50μm以下の気泡よりも大きい気泡を含む請求項1から請求項のいずれか1項に記載の平型ケーブル。
  11. 前記第二領域に含まれる気泡の大きさは10μm以上100μm以下である請求項10に記載の平型ケーブル。
  12. 前記第二領域における単位面積当たりの気泡の存在割合が30個/mm以上300個/mm以下である請求項10又は請求項11に記載の平型ケーブル。
  13. 前記第二領域における前記平型ケーブルの表面寄りに位置する外側領域は、前記第二領域における前記第一領域寄りに位置する内側領域に含まれる気泡よりも小さい気泡を含む請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の平型ケーブル。
  14. 前記外側領域に含まれる気泡の大きさは、50μm以下である請求項13に記載の平型ケーブル。
  15. 前記外側領域における単位面積当たりの気泡の存在割合が100個/mm以上600個/mm以下である請求項13又は請求項14に記載の平型ケーブル。
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