JP2879226B2 - ステップモータを駆動源としたカメラ用駆動機構の位置検出装置 - Google Patents

ステップモータを駆動源としたカメラ用駆動機構の位置検出装置

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JP2879226B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明はステップモータを駆動源としたカムラ用駆動
機構の位置検出装置に関する。
【従来の技術】
近年では,オートフォーカス機構やシャッタ機構等の
カメラ用駆動機構をステップモータを駆動源として駆動
する様にした装置が広く普及している。 ステップモータを使用したオープンループ制御におい
て,信頼できる位置制御を行うためには,動作開始時に
ステップモータが正常な動作を行い得る所定の初期位置
にあることを確認することが必要であり,又,撮影動作
の終了時にはステップモータが所定の初期位置に復帰し
たことを確認することが必要であるので,一般的には,
光電センサやリミットスイッチ等を使用した位置センサ
によってステップモータ自身やステップモータにより駆
動される部材の初期位置を検出する様になされている。 オートフォーカス機構やシャッタ機構等のカメラ用の
機構部材は撮影者がシャッタボタンを押した後に撮影者
自身の体感としては瞬時に作動を完了することが要望さ
れるものであるので,これらをステップモータを駆動源
として作動させる場合には,ステップモータを短周期の
パルスで駆動することが必要になり,特に単一のステッ
プモータを使用してレンズ駆動機構とシャッタ駆動機構
を作動させる場合には,レンズ駆動機構とシャッタ駆動
機構の時間順次の作動のために尚更パルス周期を短くす
る必要性が高まる。 しかしながら,短周期のパルスでステップモータを駆
動した場合には,初期位置確認用の位置センサのチャタ
リングやステップモータのステップ回転時の減衰特性の
ために,上記位置センサが正常な検出動作をなし得ない
危険性があるため,一般的には位置センサのオン・オフ
が反転する反転領域において,ステップモータを相対的
に長周期のパルスで駆動することにより,位置センサの
誤動作を防止する様にしていた。
【発明が解決しようとする問題点】
ところで,レンズ駆動機構やシャッタ駆動機構等の極
めて狭小なスペースに実装されるカメラ用の機構部材の
位置センサとして十分な精度を確保するために,更に
は,初期位置に誤差が生じていた場合に誤動作を防止し
得る十分な空走領域を確保するために,初期位置検出用
の位置センサのオン・オフが反転する反転領域は,ステ
ップモータの回転ステップ数にして数ステップ分を確保
することが通例である。従って,上記の様に位置センサ
の反転領域全域に渡って駆動パルスの周期を延長した場
合には,撮影者によるシャッタレリーズ操作から実際に
シャッタが作動するまでのタイムラグが長くなってしま
うという問題は残る。 勿論,位置センサの反転領域のステップ数を少なくす
れば,上記のタイムラグは短縮できるものであるが,そ
の様にした場合には,ステップモータやこれによって駆
動される部材が極めて僅かな範囲を走行する間に位置セ
ンサが反転する為に,極めて高精度のセンサを使用しな
い限り,位置センサが誤動作する危険性が高まり,又,
初期位置に誤差が生じていた場合には,誤動作を防止し
得る十分な空走領域を確保することができなくなるとい
う問題が生じる。
【問題点を解決するための手段】
本発明はこの様な問題点に鑑みてなされたものであ
り,位置センサのオン・オフが反転する反転領域を十分
に確保しながら,シャッタレリーズ操作から実際にシャ
ッタが作動するまでのタイムラグを短縮できる様にした
ステップモータを駆動源としたカメラ用駆動機構の位置
検出装置を提供することを目的とする。 要約すれば本発明は:順序付けられて供給されるパル
スに対応して回転するステップモータと:前記ステップ
モータに対して供給されるパルスを制御する駆動パルス
制御手段(例えば後述の実施例における制御回路30)
と:該ステップモータにより初期位置から駆動されると
ともに,自身の初期位置から少なくとも数ステップを走
行した後に有効作動領域に達する駆動部材(例えば後述
の実施例における主駆動リング4)と:該駆動部材が初
期位置から有効作動領域に達するまでの領域内を反転領
域としてオン・オフの2状態が反転する位置センサ(例
えば後述の実施例におけるスプリングスイッチ18)と:
該位置センサの出力によって前記駆動部材の初期位置を
検出する初期位置認識手段(例えば後述の実施例におけ
る制御回路30)とを具備するステップモータを駆動源と
したカメラ用駆動機構の位置検出装置を前提として:前
記駆動パルス制御手段は前記反転領域中の最終段のパル
ス時間を該反転領域中の他のパルス時間と比較して相対
的に延長するとともに,前記初期位置認識手段は前記最
終段のパルス時間内において前記位置センサの出力を読
み込む様になされたものである。
【作用】
即ち,本発明のステップモータを駆動源としたカメラ
用駆動機構の位置検出装置では,ステップモータはパル
スの供給によって回転し,駆動部材はステップモータに
よって初期位置から駆動される。この駆動部材は初期位
置から少なくとも数ステップの領域を走行した後に有効
作動領域に達して例えば焦点調節用レンズの繰り出し
や,シャッタレリーズ等を行う。 駆動部材が数ステップの領域を通過する間に位置セン
サは反転するが,駆動部材が初期位置から有効作動領域
に達するまでの領域自体は短縮されていないので,セン
サの出力が反転する反転領域は十分に確保でき,特別に
高精度のセンサを使用しなくても確実な位置検出を行え
る。又,センサの出力が反転する間にチャタリング等が
発生しても,反転領域の最終段のパルス時間までにはチ
ャタリングは収拾しているので,チャタリング等の影響
を受けることなく読み込みがなされる。又,この読み込
みは上記の反転領域の最終段のパルス時間内に行われ,
このパルス時間は相対的に延長されているので,ステッ
プモータの振動等も収まり,確実な読み込み動作が行わ
れる。更に,読み込み時間以外のパルス時間は延長され
ていないので,特に問題となる様なタイムラグの増大も
生じない。
【実施例】
以下図面を参照して,レンズ駆動機構及びシャッタ駆
動機構の双方の駆動源として単一のステップモータを使
用した駆動機構に本発明を適用した実施例を説明する。 第1図は本発明の1実施例に係る機構の初期状態にお
ける平面図であり,第2図は第1図に示すピニオン1を
駆動するためのステップモータの構成図である。 第2図に示す様にステップモータ2はS極・N極が90
度間隔で交互に配設された4磁極のロータ2aを有してお
り,ロータ2aの両側には馬蹄形ステータ2b・2cが配設さ
れている。各ステータ2b・2cが各々有する磁極はロータ
2aの回転角に換算して90度の間隔を有しており,ステー
タ2b・2cは一方の磁極が45度の間隔で他方の磁極が135
度の間隔を保って固定されている。 各ステータ2b・2cにはコイル2d・2eが捲着されてお
り,コイル2dに加えるパルスを第1パルス,コイル2eに
加えるパルスを第2パルスと定義した場合には,コイル
2d・2eに対して〔H・H〕〔H・L〕〔L・L〕〔L・
H〕で1巡するパルス列(正転パルス)を順次供給する
ことによりロータ2aは正転(反時計廻り)し,この正転
パルスとは位相順序が異なる〔L・H〕〔L・L〕〔H
・L〕〔H・H〕で1巡するパルス列(逆転パルス)を
順次供給することによりロータ2aは逆転(時計廻り)す
る。 ロータ2aの回転軸は第1図に示すピニオン1に連結さ
れており,ピニオン1は大径車3aと小径車3bとによって
構成される2段歯車3の大径車3aと噛合している。 4は露出用アパーチュアの周囲を旋回自在に支持され
た主駆動リングであり,主駆動リング4の外縁部の一部
に形成されたラック4aは2段歯車3の小径車3bと係合し
ている。しかして,ピニオン1の回転運動は2段歯車3
を介して主駆動リング4に伝達され,主駆動リング4は
ピニオン1と同方向に旋回する。 5は主駆動リング4と同様に露出用アパーチュアの周
囲を旋回自在に支持されたレンズ駆動リングである。レ
ンズ駆動リング5の外縁部に突出して形成されたバネ掛
け5aには初期位置復帰用のスプリング6が掛けられてお
り,レンズ駆動リング5はスプリング6から右旋習性を
与えられているが,バネ掛け5aの裏面に植設されたスト
ッパピン5bが図外のシャッタ地板に形成された図外のス
トッパ部材に当接して,第1図に示す位置で右旋を規制
される。 又,主駆動リング4の外縁部にはレンズ駆動リング5
を係合するための曲げ部4bが図面上で手前に向けて立ち
曲げる様に形成されており,レンズ駆動リング5の外縁
部には上記曲げ部4bの左旋経路上に突出した係合突片5c
が形成されている。 そして,第1図に示す初期位置にある主駆動リング4
がステップモータ2に加えられる正転パルス列に換算し
て2巡相当左旋した後(即ち,主駆動リング4が8ステ
ップ相当左旋した後)に曲げ部4bと係合突片5cが係合す
る様に初期位置における曲げ部4bと係合突片5cの間隔が
設定されている。 しかして,レンズ駆動リング5は,主駆動リング4が
初期位置から8ステップ相当左旋した後に主駆動リング
4の曲げ部4bに係合突片5cが係合されて,左旋する様に
なされている。 レンズ駆動リング5の手前側面(レンズ側面)には12
0度間隔で3点の凸部5dが形成されており,この3点の
凸部5bには図外の焦点調節用レンズ群を内挿した鏡胴の
フィルム面側に向かって形成された同一形状の3箇所の
傾斜カム面が各々当接している。そして図外の上記鏡胴
は旋回運動をしない様に例えばガイド溝やガイドポール
等によって規制されており,レンズ駆動リング5が旋回
すると,図外の焦点調節用レンズ群は光軸方向に繰り出
される様になされている。 更に,レンズ駆動リング5の外縁部にはレンズ駆動リ
ング5自体の位置決めをするためにラチェットギア5eが
形成されており,ラチェットギア5eの外側部に植設され
た軸7にはラチェットギア5eを係合するラチェットレバ
ー8が旋回自在に支持されている。ラチェットレバー8
はラチェットギア5eと係合するためのクリック8aを有し
ており,スプリング9から常時左旋習性を受けている
が,初期状態においてはカム面8bと連続してラチェット
レバー8に形成された棚部8cが曲げ部4bの外側面に乗り
上げて,スプリング9による左旋を規制されている。 次に,10は図外のシャッタ羽根を開閉するための開閉
レバーであり,開閉レバー10は地板上の軸11に揺動自在
に支持されている。 この開閉レバー10の裏面には図外のシャッタ羽根と係
合される羽根駆動ピン10aが植設されており,開閉レバ
ー10が軸11を中心に右旋すると,図外のシャッタ羽根は
開口方向に作動する様に関連付けられている。 開閉レバー10を右旋するための駆動力はスプリング12
から与えられるが,初期状態においては主駆動リング4
の外縁部に形成されたホールド突片4cが開閉レバー10に
当接して,開閉レバー10をシャッタ閉鎖位置でホールド
している。 又,13は主駆動リング4が左旋した後に開閉レバー10
を閉鎖位置で係止するための係止レバーであり,係止レ
バー13は地板上の軸13cに枢支されるとともに,開閉レ
バー10に対して右旋習性を与えるためのスプリング12よ
りも力量の大きなスプリング15から右旋習性を与えられ
ている。この係止レバー13に形成された切欠部13aは開
閉レバー10の手前面に突出して形成された角ダボ10bと
係合し,スプリング15から係止レバー13に与えられる右
旋習性によって開閉レバー10の右旋を規制する。 又,係止レバー13上の軸14には係止レバー13による開
閉レバー10の係止を解除して開閉レバー10を作動させる
カムレバー16が枢支されている。 カムレバー16の作動アーム16aと係止レバー13に植設
されたダボ13b間にはスプリング17が掛けられており,
カムレバー16は作動アーム16aがダボ13bに当接した状態
で係止レバー13に対する相対的な左旋を規制されている
が,スプリング17の張力以上の右旋力を受けた場合には
右旋可能である。 カムレバー16の他端には山型のトリガアーム16bが形
成されており,トリガアーム16bは主駆動リング4の外
周部に形成された台形カム4dの左旋経路上に侵入してい
る。 従って,主駆動リング4の左旋時に台形カム4dの左側
斜面がトリガアーム16bに当接した時にはカムレバー16
はスプリング17の張力に抗して右旋し,主駆動リング4
の右旋時に台形カム4dの右側斜面がトリガアーム16bに
当接した時にはカムレバー16は係止レバー13とともに軸
13cを中心にして左旋する。 次に,18は本実施例の特徴となる導電性のスプリング
スイッチであり,図外の部材に固着されたダボ19の周囲
に捲着されている。 又,20・21も図外の部材に固着された導電子であり,
スプリングスイッチ18の固定端18aは導電子20に係合さ
れており,スプリングスイッチ18の自由端18bが導電子2
1に接触すると導電子20・21間はスプリングスイッチ18
を介して導通する。 しかしながら,スプリングスイッチ18の自由端18bは
初期状態においてレンズ駆動リング5の表面に形成され
た絶縁性突起5fに係合されており,レンズ駆動リング5
が左旋動作を行うと,スプリングスイッチ18自身の弾性
により自由端18bが導電子21に接触する。 即ち,スプリングスイッチ18はレンズ駆動リング5が
初期位置にある事や初期位置に復帰したことを検出する
位置センサとして作用する。 本実施例における特徴点として絶縁性突起5fと導電子
21の相互位置は,レンズ駆動リング5が初期位置から正
転用のパルス列に換算して1巡相当(即ち,レンズ駆動
リング5が初期位置から4ステップ相当)左旋する間
に,自由端18bが導電子21に当接する様に関係付けられ
ている。 尚,このレンズ駆動リング5の4ステップ相当の走行
領域を本明細書ではステップスイッチ18の反転領域と定
義している。 次に,第3図は本発明の制御システムのブロック図で
あり,2は既述のステップモータ2,4は既述の主駆動リン
グ4,5は既述のレンズ駆動リング5,18は既述のスプリン
グスイッチ18,20・21は既述の導電子を各々示し,機構
的な連結は点線で示している。 又,30はプログラム制御される制御回路,31は公知のレ
リーズスイッチ,32は公知の自動露出制御回路(以下AE
回路と略称する。),33はシャッタ羽根の作動後AE回路3
2を起動するまでの遅延時間を設定したAEディレータイ
マである。 次に上記事項,第4図のタイムチャート,第5図の制
御用フローチャート及び第6図乃至第8図の平面図を参
照して本実施例の動作を説明する。 尚,第6図はレンズ駆動リングを最大ストロークであ
る30ステップ相当左旋させた状態を示す平面図,第7図
は主駆動リング4の復帰過程においてカムレバー16のト
リガアーム16bが台形カム4dに乗り上げて図外の羽根を
開口させた状態を示す平面図,第8図は主駆動リング4
が初期領域まで復帰してラチェットレバー8によるラチ
ェットギア5eの係合を解除した直後の状態を示す平面図
であり,これらの図面においてはステップモータ2の回
転を主駆動リング4に伝達するためのギアトレインは省
略されている。 又,本動作例においてはステップモータ2は基本的に
3msのパルス時間のパルスによって駆動されるととも
に,スイッチ18の読み込み時には上記パルス時間が15ms
に延長されるものとする。 先ず,正常な初期状態において全ての機構は第1図に
示す状態にあり,スプリングスイッチ18はオフ状態にあ
る。 レリーズスイッチ31がメークすることによりプログラ
ムは実行され,制御回路30はスプリングスイッチ18の状
態を読み込み,スイッチ18がオフであるとステップモー
タ2の駆動パルスを初期位相である〔H・H〕にし,そ
の状態を例えば15ms維持する。(フローチャートのステ
ップ1・2・3−ステップ13・14及びタイムチャートの
ポイントP1) 通常は上記のプログラムステップを経由する筈である
が,この時何らかの原因によってスイッチ18がオンであ
ると,ステップモータ2を例えば25パルス相当逆転せし
めて,再度スイッチ18の状態を読み込み,それでもスイ
ッチ18がオンのままである場合には修理や調整等が必要
なものとしてロック動作を行う。(ステップ4〜ステッ
プ12) 駆動パルスを〔H・H〕にした後ステップ14で15msが
経過すると制御回路30はスイッチ18の状態を再度読み込
む。(ステップ15) このスイッチ18の読み込み動作はステップモータ2が
初期位置で安定した状態にあることを確認するための動
作であり,ステップモータ2が初期位置で安定した状態
であればスイッチ18はオフになっている。 そこで,この時点でスイッチ18がオンである場合には
ステップモータ2を8パルス相当逆転せしめて再度スイ
ッチ18の状態を読み込み,それでもスイッチ18がオンの
ままである場合には修理等が必要なものとしてロック動
作を行う。(ステップ16〜ステップ21) 尚,この場合においてステップモータ2を8パルス相
当逆転させるのは次の様な理由による。 即ち,本実施例ではステップモータ2に加えるパルス
列は4パルスで一巡し,主駆動リング4が初期位置から
2巡相当(即ち,8パルス分)左旋した時点でレンズ駆動
リング5が左旋を開始し,レンズ駆動リング5の左旋に
よってスイッチ18がオンするので,フローチャートのス
テップ13で駆動パルスを〔H・H〕にしたことによって
スイッチ18がオンした場合には,ステップ13における
〔H・H〕のパルスによって主駆動リング4がレンズ駆
動リング5を係合し得る位置(即ち,初期位置よりも8
ステップ相当左旋した位置)まで作動したと考えられ
る。そこで,ステップモータを8ステップ相当逆転させ
ても未だスイッチ18がオンしている場合には修理等が必
要なものとしてロック動作を行う。 さて,ステップ16でスイッチ18がオフであると制御回
路30はステップモータ2に3ms周期の正転パルスを3パ
ルス与え,3パルス目のパルス状態(初期位置に対応した
〔H・H〕を1パルス目と数えると4パルス目になり,
パルス状態は〔L・H〕である)で15ms待機する。(ス
テップ22〜25) 尚,第5図のフローチャートのステップ25では12ms待
機となっているが,3パルス目の3msのパルス時間(ステ
ップ23)と上記12msの待機時間を加算した場合には〔L
・H〕のパルス状態は15msになる。 この様にして正転パルスを与えることによりステップ
モータ2は回転し,ステップモータ2の回転はピニオン
1−2段歯車3−ラック4aの伝達列を介して主駆動リン
グ4に伝達され,主駆動リング4は左旋する。尚,ステ
ップモータ2が初期位置からスタートした場合には,ス
テップモータ2の上記の回転動作によって主駆動リング
4は初期領域の最終ステップまで前進することになる。
(第4図のポイントP2)又,主駆動リング4の左旋によ
ってラチェットレバー8に形成された棚部8cは主駆動リ
ング4に形成された曲げ部4bの外側面から解放され,ラ
チェットレバー8はスプリング9によって左旋する。 正転パルスが〔L・H〕の状態で15ms待機した後に制
御回路30はスイッチ18の状態を読み込み,判別する。
(ステップ27〜28) 正転パルスが最初の〔L・H〕になった第4図のポイ
ントP2の時点では,主駆動リング4は初期領域の最終ス
テップにあり,レンズ駆動リング5を係合するには至っ
ていないので,スイッチ18は未だオフ状態にある。 そこで,制御回路30はステップモータ2を更に4ステ
ップ相当正転させ,この4ステップ目の〔L・H〕のパ
ルス状態で15ms待機した後に再度スイッチ18の状態を読
み込む。(ステップ28〜27) この正転動作によって主駆動リング4は更に4ステッ
プ左旋し,4ステップ目で主駆動リング4に形成された曲
げ部4bがレンズ駆動リング5に形成された係合突片5cと
当接する空走領域の最終ステップに至るが(第4図のポ
イントP3),レンズ駆動リング5を左旋させるには至っ
ていないので,スイッチ18はオフ状態にある。 そこで,制御回路30はステップモータ2を更に4ステ
ップ相当正転させ,この4ステップ目の〔L・H〕のパ
ルス状態で15ms待機した後に再度スイッチ18の状態を読
み込む。(スイッチ28〜27) この4ステップを1巡とする正転動作が3巡目になる
と,主駆動リング4は曲げ部4bがレンズ駆動リング5の
係合突片5cを係合した状態で左旋するので,レンズ駆動
リング5はスプリング6に抗して左旋する。 従って,レンズ駆動リング5に形成された絶縁性突起
5fも左旋し,スイッチ18の自由端18bも自身の弾性によ
り図面上で左に移動し,この3巡目の正転動作の最終ス
テップである第4図のポイントP4までには反転領域を通
過してスイッチ18はオンになっている。そして,制御回
路30はスイッチ18がオンになったことを確認すると,フ
ローチャートのステップ38以降の動作に移行する。 尚,本実施例では,このステップモータ2の3巡目の
正転動作が完了した第4図のポイントP4において,レン
ズ駆動リング5は図外の焦点調節用レンズ群が無限縁位
置に達する様になされている。 又,本実施例ではスイッチ18が反転する反転領域とし
てステップモータ2の回転ステップ数に換算して4ステ
ップ分の領域を確保するとともに,上記4ステップの領
域の最終ステップでスイッチ18の状態を読み込む様にな
されているので,スイッチ18や導電子20・21の取付位置
に多少の誤差が生じていたり,又,スイッチ18にチャタ
リングが発生したりしていても,スイッチ18の状態を読
み込むタイミングではスイッチ18の状態は安定してい
る。更に,このスイッチ18の読み込み動作は15msの待機
時間が経過した後に行われるので,この待機時間中にス
テップモータ18の振動等も収まり,確実な読み込み動作
が行われる。 これまでの主駆動リング4の左旋過程において,開閉
レバー10は主駆動リング4に形成されたホールド突片4c
から解放されている。又,主駆動リング4に形成された
台形カム4dはカムレバー16のトリガアーム16bの位置を
通過するが,カムレバー16の右旋動作によってトリガア
ーム16bは台形カム4dを乗り越えるので,開閉レバー10
は角ダボ10bが係止レバー13の切欠部13aに係合された状
態で停止し,図外のシャッタ羽根は閉鎖状態を維持して
いる。 一方,3巡目の正転動作の完了した後にもスイッチ18が
オフのままであると,ステップモータ2を例えば24パル
ス相当逆転した後に修理等が必要なものとしてロック動
作を行う。(ステップ28−ステップ33〜37) さて,第4図のポイントP4まで主駆動リング4が正転
してスイッチ18のオンを確認すると,制御回路30はフロ
ーチャートのステップ38〜40において3ms周期の正転パ
ルスをステップモータ2に加えて主駆動リング4及びレ
ンズ駆動リング5を所望の合焦位置まで左旋させ,合焦
位置までレンズ駆動リング5が左旋すると,その時のパ
ルス状態を15ms維持し,合焦位置が安定化するのを待
つ。(ステップ41) 第6図はこの様にしてレンズ駆動リング5が本実施例
の最大ステップである30ステップ左旋した状態を示して
おり,又,第4図のポイントP5がこれに相当する。 さて,フローチャートのステップ41で15ms待機した後
に制御回路30はステップモータ2に3ms周期の逆転パル
スを加え主駆動リング4を右旋させる。(ステップ42〜
44) 主駆動リング4を右旋させると,レンズ駆動リング5
の係合突片5cは主駆動リング4の曲げ部4bから解放され
るが,ラチェットレバー8のクリック8aにラチェットギ
ア5eが係合されるので,レンズ駆動リング5は上記設定
位置で停止している。 さて,フローチャートのステップ42〜44における逆転
動作は,主駆動リング4がレンズの設定段数に5を加算
したステップ数だけ右旋動作をなすまで行われる。尚,
レンズの設定段数は第4図のポイントP4から起算される
ので,上記の逆転動作によって主駆動リング4は第4図
のポイントP6まで右旋する。 この主駆動リング4の右旋動作が第4図のポイントP6
で完了した時点では,第7図に示す様にカムレバー16の
トリガアーム16bは主駆動リング4に形成された台形カ
ム4dの右側斜面から頂上部に乗り上げており,カムレバ
ー16は作動アーム16aが係止レバー13に植設されたダボ1
3bを係合しながら軸13cを中心に左旋する。 従って,開閉レバー10に植設された角ダボ10bは係止
レバー13の切欠部13aによる係合から解放されるのでス
プリング12の付勢力によって右旋し,図外のシャッタ羽
根を開口させる。 又,制御回路30は主駆動リング4を第4図のポイント
P6まで右旋させるとAEディレータイマ33を作動させ,そ
の設定時間が経過したタイムチャートのポイントP7でAE
回路33を起動する。(ステップ46〜48) AE制御回路33が被写界輝度に対応したポイントP8のタ
イミングで露出終了信号を発生すると制御回路30は3ms
周期の逆転パルスを更に6ステップ相当ステップモータ
2に加え,主駆動リング4は更に6ステップ相当右旋す
る。(ステップ49〜52) このポイントP8からの主駆動リング4の右旋過程にお
いてカムレバー16のトリガアーム16bは主駆動リング4
に形成された台形カム4dの左側斜面を下るので,係止レ
バー13はスプリング15の張力によってカムレバー16を伴
いながら右旋する。この時開閉レバー10は主駆動リング
4に形成されたホールド突片4cに跳ね上げられながらス
プリング12に抗して左旋し,図外のシャッタ羽根を閉鎖
させる。(ポイントP9) 又,ポイントP8からの主駆動リング4の右旋過程にお
いて3ステップ相当右旋したポイントP10において主駆
動リング4に形成された曲げ部4bはラチェットレバー8
に形成されたカム面8bに当接し,次のポイントP11のタ
イミングで曲げ部4bは棚部8cに乗り上げるので,ラチェ
ットレバー8によるラチェットギア5eの係合が解除され
る。 第4図からも明らかな様に,ポイントP11では主駆動
リング4はステップモータの回転ステップ数に換算して
初期位置から2ステップ目まで復帰しており,ラチェッ
トギア5eがラチェットレバー8から解放された時点では
主駆動リング4及びステップモータ2は初期領域内には
復帰していることになる。 第8図はラチェットレバー8によるラチェットギア5e
の係合が解除された直後の状態を示したものであり,こ
の状態からレンズ駆動リング5はスプリング6の付勢力
による右旋動作をすることになる。 一方,制御回路30は,ポイントP8からの6ステップの
右旋過程がポイント12で終了すると,その時のパルス状
態〔H・H〕を30ms維持した後にスイッチ18の状態を読
み込む。(ステップ53・54) 機構が正常に作動する限り,上記30msの待機時間中に
レンズ駆動リング5はスプリング6の付勢力による右旋
動作によって自身の初期位置まで復帰し,レンズ駆動リ
ング5が初期位置まで復帰する過程においてレンズ駆動
リング5に形成された絶縁性突起5fはスイッチ18の自由
端18bを係合して導電子21から離反させる。 従って,上記30msの時間が経過した時に制御回路30が
スイッチ18の状態を読み込むとスイッチ18は通常はオフ
しており,スイッチ18がオフであることを確認すると,
制御回路30は正常な初期復帰動作がなされたものと確認
し,全ての通電を遮断して撮影動作を終了する。(ステ
ップ55−ステップ61・62) 又,この時にスイッチ18がオンのままであると,制御
回路30は3ms周期の逆転パルスをステップモータ2に対
して供給し,この逆転パルスを8パルス相当供給しても
スイッチ18がオンのままであると,レンズ駆動リング5
の復帰不良等のトラブルが生じたものとして全ての機構
をロックする。(ステップ56〜60) 以上の説明からも明らかな様に,本実施例は直接的に
はレンズ駆動リング5の初期復帰動作を確認するもので
あり,主駆動リング4やステップモータ2の初期復帰動
作を検出するものではない。 しかしながら,上記実施例においては主駆動リング4
が正確な初期位置から2ステップ目まで復帰したことを
前提条件としてレンズ駆動リング5が初期位置に復帰す
る様になされているので,レンズ駆動リング5の初期復
帰の確認は,その前提条件として主駆動リング4が正確
な初期位置から2ステップ以内まで復帰したことを示し
ている。即ち,主駆動リング4は十分に初期領域内には
復帰していることになる。 次回の撮影においては上述の通り,ステップモータ2
に対して供給する正転パルスは〔H・H〕からスタート
させるが,主駆動リング4が初期領域にある限り,正転
パルスが〔H・H〕からスタートした場合には,この
〔H・H〕の正転パルスが加えられた時に主駆動リング
4は第4図のポイントP1かポイントP2の何れかに移行す
ることになる。 主駆動リング4が第4図のポイントP1に移行した場合
には既に説明した様に,〔H・H〕に引き続く正転パル
ス列によって,主駆動リング4は初期領域及び空走領域
を通過してポイントP3からレンズ駆動リング5を左旋さ
せる。 又,主駆動リング4が第4図のポイントP2に移行した
場合には,〔H・H〕に引き続く正転パルス列によっ
て,主駆動リング4は直ちに空走領域を通過してポイン
トP3からレンズ駆動リング5を左旋させるが,レンズ駆
動リング5の正転に伴うスイッチ18の作動を起点として
その後のシーケンスが制御されるので,主駆動リング4
がポイントP3から走行したとしてもレンズの位置決め精
度等には影響を与えないことになる。 尚,上記においては,単一のステップモータを駆動源
としてレンズ機構及びシャッタ機構を駆動する機構に対
して本発明を適用するとともに,位置センサはレンズ鏡
胴を繰り出すためのカム機構を備えるレンズ駆動リング
の初期位置を検出する様にした例を示したが,シャッタ
駆動機構やレンズ駆動機構が各々独立したステップモー
タによって駆動される場合にも,その駆動機構の初期位
置検出用に本発明は各々適用できるものである。
【効果】
以上説明した様に,本発明によれば,ステップモータ
によって駆動される駆動部材は自身の初期位置から数ス
テップ分の領域を走行した後に有効に作動領域に到達
し,位置センサは駆動部材が初期位置から有効作動領域
に達するまでの数ステップの領域を走行している間に状
態が反転する様になされているので,位置センサの反転
領域自体は十分に確保されることになり,従って,高精
度の位置センサを使用しなくても確実な検出動作を行え
るとともに,初期位置の誤差に対しても誤動作を防止す
るためのプログラムを実行するための時間を確保でき
る。 又,位置センサの状態が反転する反転領域の最終ステ
ップにおいて,位置センサの読み込みを行うので,位置
センサにチャタリングが生じていても,センサ出力の読
み込みタイミングまでにはチャタリングは収まってい
る。 更に,位置センサの読み込みタイミングでは駆動パル
スのパルス時間が相対的に延長されているので,ステッ
プモータの減衰特性も収束しており,安定した読み込み
動作が保証されるとともに,パルス時間の相対的な延長
はこの読み込みタイミングの時のみであるので,シャッ
タレリーズ操作がなされてから実際にシャッタがレリー
ズされるまでのタイムラグは特に長くなることもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用したレンズ駆動機構を兼用したレ
ンズシャッタ駆動機構の初期状態における平面図,第2
図は第1図の機構に使用されるステップモータの構造
図,第3図は本発明の制御システムのブロック図,第4
図は上記実施例のタイムチャート,第5図は上記実施例
の制御用フローチャート,第6図は本実施例の機構にお
いてレンズ駆動リングを最大ストロークした状態を示す
平面図,第7図は本実施例の機構において開閉レバーが
開口方向に作動した状態を示す平面図,第8図は本実施
例の機構においてレンズ駆動リングの係合が解除された
直後の状態を示す平面図。 2……ステップモータ 4……主駆動リング、4b……曲げ部 5……レンズ駆動部材、5c……係合突片 5d……突起、5e……ラチェットギア 5f……絶縁性突片 8……ラチェットレバー、8a……クリック 8b……カム面、8c……棚部 10……開閉レバー 18……スプリングスイッチ 20・21……導電子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】順序付けられて供給されるパルスに対応し
    て回転するステップモータと, 前記ステップモータに対して供給されるパルスを制御す
    る駆動パルス制御手段と, 該ステップモータにより初期位置から駆動されるととも
    に,自身の初期位置から少なくとも数ステップを走行し
    た後に有効作動領域に達する駆動部材と, 該駆動部材が初期位置から有効作動領域に達するまでの
    領域内を反転領域としてオン・オフの2状態が反転する
    位置センサと, 該位置センサの出力によって前記駆動部材の初期位置を
    検出する初期位置認識手段とを具備するステップモータ
    を駆動源としたカメラ用駆動機構の位置検出装置におい
    て, 前記駆動パルス制御手段は前記反転領域中の最終段のパ
    ルス時間を該反転領域中の他のパルス時間と比較して相
    対的に延長するとともに,前記初期位置認識手段は前記
    最終段のパルス時間内において前記位置センサの出力を
    読み込む様にしたことを特徴とするステップモータを駆
    動源としたカメラ用駆動機構の位置検出装置。
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