JP2878641B2 - 電子レンジの空気流動構造 - Google Patents

電子レンジの空気流動構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子レンジに関する
もので、より詳しくはキャビティの一側に設置された送
風ファンの駆動による冷却空気の流動により電子レンジ
駆動部品としての高電圧変圧器及びマグネトロンの冷却
を遂行する一方、キャビティ内部の飲食物の匂いを除去
する空気流動構造の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子レンジは高周波を発生させる
マグネトロンとマグネトロンに高電圧を供給する高電圧
変圧器(High Voltage Transformer)等の電気部品で発
生される高熱を冷却させるための冷却システムを備えて
いる。このような電子レンジの冷却システムはキャビテ
ィ一側の外部ハウジングで取り囲まれた空間内に位置す
るマグネトロンと高電圧変圧器等の発熱源一側に冷却フ
ァンを装着して、冷却ファンの駆動により外部から流入
された冷却空気がこれら発熱源側に流動するようにする
ことにより、これら発熱部品の冷却が達成されるように
構成されている。
【0003】従来の電子レンジ冷却システムの代表的な
一形態としては、図1の電子レンジ内部構造に対する斜
視図に示すように、キャビティ1の一側外面に装着され
たマグネトロンと、外部ハウジングの底面に装着された
高電圧変圧器3の後方に送風ファン4が設置された構造
が知られている。このような冷却システムでは、外部ハ
ウジングの背面板内側の吸入空気案内板5に装着された
送風ファン4の作動により、背面板の空気流入孔1aを
通じて外部の冷たい空気が流入され、送風ファン前方の
マグネトロン2と高電圧変圧器3側に流動することによ
り、これら部品の冷却を遂行することになる。
【0004】この際に、マグネトロン2を経た空気はエ
アーダクト6に案内され、キャビティ1の一側面上に形
成された吸入孔1bを通じて庫(キャビティ1)内に流
入され、キャビティ1内部の飲食物で発生された匂いを
含有した空気とともにキャビティ1の他側面に形成され
た排出孔1cに排出される。一方、高電圧変圧器3側に
流動された空気は高電圧変圧器3の前方底面上に形成さ
れている排出孔1dを通じて機器下部の前方に排出され
る。
【0005】一方、図1に示したものとは他の形態の従
来の電子レンジの冷却システムとして図2に示す冷却シ
ステムでは、外部ハウジングの底面板に装着された高電
圧変圧器3の上部に空気の流れを案内するブラケット7
が設置され、その上部に送風ファン4と送風ファン4か
らの空気の流れをマグネトロン2に誘導するためのエア
ーダクト8が装着された構造を取っている。このような
構造の冷却システムは、送風ファン4の駆動により底面
板に形成された空気吸入孔に外部の空気が吸入されブラ
ケット7によりガイドされて高電圧変圧器3を冷却さ
せ、エアーダクト8に沿ってマグネトロン2を冷却させ
た後、外部ハウジングの背面板に形成された排出孔を通
じて外部へ排出されるように構成されている。
【0006】このような冷却システムによって、電子レ
ンジのマグネトロン2及び高電圧変圧器3を冷却するこ
とができる。また、図1のシステムによれば、キャビテ
ィ1内において飲食物から発生された匂いを含有した空
気を外部に排出することもできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1に
示した冷却システムは、冷却空気がマグネトロン2を経
た後にエアーダクトに案内ダクトに案内され庫内部に流
入される構造を取るため、エアーダクト6により流速が
低下して庫内の飲食物の匂いを効果的に排出させること
ができないという問題点がある。また、マグネトロン2
を冷却させた空気が庫内に流入されるため、庫内の飲食
物が非衛生的になるという問題もある。さらに、エアー
ダクト6の屈曲のため空気の流動が円滑でなくなり、エ
アーダクト6に流入された空気の逆流現象が発生してマ
グネトロン2の冷却効率を低下させるという欠点を有し
ている。
【0008】これに加えて、高電圧変圧器3を経ながら
昇温された高温の空気がコントローラーの回路基板にぶ
つかって回路部品の温度を上昇させることにより、機器
の誤動作を招来する等、信頼性を低下させる問題点があ
る。また、送風ファン4に電力を供給するために、送風
ファン4に連結されているリードワイヤー(図示せず)
が高温状態のマグネトロン2の上部を通るため、リード
ワイヤーが溶融されて切断される等の問題点もある。
【0009】なお、回路基板は、外部ハウジングの前面
板(キャビティ1の側方で送風ファン4に対向する位
置)の裏面に配置されており、排出孔1dに向かう高温
の空気流の一部が回路基板にぶつかる。また、送風ファ
ン4への電力供給を行うリードワイヤーは、この回路基
板から送風ファンへ伸びている。
【0010】一方、図2に示す形態の冷却システムで
は、円滑な空気の流れを得るために、別の部品としての
ブラケット7とエアーダクト8が設置される。このよう
な部品の増加により生産性が低下し、製造費用が上昇す
る等の欠点が指摘されている。従って、本発明の1つの
目的は、送風ファンの駆動により流動する外部空気がマ
グネトロンを経ず、直接キャビティ内部に流入されるよ
うにして、庫内の飲食物の衛生を阻害する要因を除去す
るようにした電子レンジの空気流動構造を提供すること
にある。
【0011】本発明の他の目的は、マグネトロンと高電
圧変圧器を冷却した空気がすぐハウジングの外部へ排出
されるようにして、より効率的な冷却が達成されるよう
にした空気流動構造を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、送風ファンの
駆動により流動する冷却空気が機器の前方側外部から内
部に流入されてから機器の背面に排出されるように構成
して、電子レンジの高温空気が使用者に向けて排出され
ることを防止することにより、使用者の便宜を図った空
気流動構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明の電子レンジの空気流動構造は、送風フ
ァンをマグネトロンと高電圧変圧器の前方に設置し、外
部ハウジングの底面板の送風ファン設置位置前方側に空
気吸入孔を形成するとともに外部ハウジングの背面板上
に空気排出孔を形成した。このため、送風ファンの駆動
時、機器の前面下部から内部に流入された冷却空気が送
風ファンを通りマグネトロンと高電圧変圧器を冷却させ
てから背面板の空気排出孔を通じて機器の後方に排出さ
れる。
【0014】特に、送風ファンは、空気吸入孔が配置さ
れる部分とマグネトロンと高電圧変圧器の配置される部
分を仕切る空気案内板に取り付けた。従って、前方側底
部から吸入した空気をマグネトロン及び高電圧変圧器に
供給でき、ここで得られた高温の空気は、背面側のその
まま排出できる。従って、空気の流れがスムーズで、マ
グネトロン及び高電圧変圧器を効果的に冷却することが
できる。
【0015】また、高温の排気は、背面側から排出され
るため、利用者が高温の排気を不快に思うことが防止で
きる。さらに、制御用の回路基板は、前面側の外部ハウ
ジングの裏面に取り付けられる場合が多いが、ここには
空気吸入孔から流入してくる外気が供給されるため、排
気に曝されるという問題がない。また、送風ファンへの
電力供給用の電線に対する悪影響も排除できる。
【0016】そして、本発明では、送風ファンとマグネ
トロン間のキャビティの一側面にはキャビティの内部に
直接空気が流入されるようにする空気流入孔が形成さ
れ、キャビティの他側面または上面には空気排出孔が形
成されており、またキャビティ内部に流入される空気量
とマグネトロン及び高電圧変圧器側に供給される空気量
は送風ファンの方向調整により調節される。
【0017】従って、空気案内板上に設置された送風フ
ァンの駆動により底面板の空気流入孔を介して内部に流
入される外部空気は一部がマグネトロンと高電圧変圧器
を冷却させてからすぐ背面板の空気排出孔を介して外部
へ排出され、残り一部がキャビティの側面に形成された
空気流入孔を介してキャビティの内部に流入されてから
空気排出孔を介して外部へ排出される。このように、送
風ファンから送風される空気が、直接キャビティ内に流
通される。従って、マグネトロンを経た空気により、キ
ャビティ内の被加熱物(飲食物)が汚染されることを防
止できる。そして、送風ファンの方向調整により、キャ
ビティ内部へ流入される空気量とマグネトロン及び高電
圧変圧器側に供給する空気量を調整することができる。
従って、1つのファンからの送風空気の分配を簡単な手
段で容易にかつ適切に調整することができる。
【0018】また、本発明では、送風ファンを取り付け
る空気案内板をキャビティの一側壁と外部ハウジングの
側壁間の全幅にわたって、かつキャビティの高さと同高
さを持つように構成した。これによって、マグネトロン
や高電圧変圧器によって加熱された排気が、前面側に循
環してくることを効果的に防止して、冷却効果を高める
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図3は本発明の一実施例による電
子レンジの空気流動構造を示す斜視図である。同図に示
すように、本発明の空気流動構造は、キャビティ11の
一側(図における手前側)の外部ハウジング(側面及び
上面は図示せず)で取り囲まれた空間(機器収容空間)
内部にマグネトロン12と高電圧変圧器13がそれぞれ
設置され、これら部品の前方に送風ファン14が設置さ
れた構成を取っている。送風ファン14はキャビティ1
1の高さと同高さを有すると共にキャビティ11の側面
と外部ハウジングの側面間の全幅にわたって垂直に立設
される空気案内板15上に装着される。即ち、送風ファ
ン14が備えられた空気案内板15はマグネトロン12
と高電圧変圧器13の前方に設置される。
【0020】また、この空気案内板15は、図示のよう
に、長方形状で、キャビティ11の側部空間を2つに仕
切っている。そして、空気案内板15の上部に、円形の
開口が形成され、ここに送風ファン14が配置されてい
る。
【0021】一方、外部ハウジングの底面板のうち、空
気案内板15の前方には空気吸入孔11aが形成され、
外部ハウジングの背面板上には空気排出孔11bが形成
されている。そして、送風ファン14とマグネトロン1
2間のキャビティの一側面上にはキャビティ11の内部
に空気が直接流入されるようにする空気流入孔11cが
形成されると共にキャビティ11の他側面上には空気排
出孔11dが形成されている。なお、空気案内板15の
上端は、外部ハウジングの上面まで伸びていてもよい。
【0022】このように構成された本発明の実施例によ
る空気の流動を説明すると次のようである。
【0023】先ず、電源が印加されて送風ファン14が
駆動すると、空気案内板15の前方下部の空気吸入孔1
1aを介して外部空気が流入されて送風ファン14を通
り、その一部はマグネトロン12と高電圧変圧器13側
に移動してこれら部品を冷却させてからその後方の背面
板上に形成された空気排出孔11bを介して外部へ排出
される。
【0024】そして、送風ファン14の前方に送風され
た冷却空気の残り一部はキャビティ11の側面の空気流
入孔11cを介して庫(キャビティ11)の内部に流入
され、キャビティ11の内部を通過し空気排出孔11d
を介して排出される過程により、庫内の飲食物から発生
された匂いを除去することになる。
【0025】一方、前記送風ファン14により送風され
た冷却空気のうち、キャビティ11の内部に流入される
量とマグネトロン12及び高電圧変圧器13を冷却させ
る空気の量は空気案内板15上に設置される送風ファン
14の方向を調節することにより調節することができ
る。
【0026】すなわち、空気流入孔11cは、送風ファ
ン14に近い側方にあるため、送風ファン14の排出空
気流の方向をキャビティ11側にすることによって、キ
ャビティ11内に流入される量を多くできる。このよう
な調整は、空気案内板15の開口内に配置される送風フ
ァン14を開口内で回転位置調整自在に固定するとよ
い。例えば、送風ファン14のモータ部分の上下端を開
口内で回転可能に軸支すると共に、適宜位置で固定可能
にすることなどが好適である。
【0027】そして、送風ファン14により後方に送風
された冷却空気は、空気案内板15が遮断壁として作用
することにより、再び空気案内板15の前方に逆流され
ることが防止される。なお、この例では、送風ファン1
4のモータ部を空気案内板15の開口内に支持し、羽根
を背面側に配置したが、羽根を前面側に配置してもよ
い。
【0028】なお、この例では、キャビティ11の他側
の側面に空気排出孔11dを設けたが、この空気排出孔
11dは、キャビティ11の上面に設けてもよい。この
場合、空気流入孔11cからなるべく遠い側の上面が好
ましく、図示の空気排出孔11dに近い位置が好適であ
る。この構成によってもキャビティ11内に空気を流通
し匂いを効果的に排除できる。なお、この場合、排気
は、キャビティ11の上面上を流れる空気流と共に、他
面側の上方または側方に排出するとよい。
【0029】このように、本発明の電子レンジの空気流
動構造によると、送風ファン14により供給された冷却
空気の一部はマグネトロン12と高電圧変圧器13を冷
却させた直後に機器の外部へ排出されるので、発熱部品
に対する効率的冷却が達成される。又、送風ファン14
により供給された冷却空気の残り一部は従来のようにマ
グネトロン12を経なく速い流速を維持してすぐキャビ
ティ11の内部に流入されるので、飲食物の衛生に悪い
影響を及ぼさなくキャビティ11内部の飲食物の匂いを
除去し得る利点がある。
【0030】又、本発明による電子レンジの空気流動構
造は、従来の冷却システムで使用されているエアーダク
ト及びブラケットの使用を排除して、所要部品数の減少
により製造費用を節減し得る効果があり、発熱部品を冷
却させた高温の排出空気が電子レンジの前方側に排出さ
れなく後方に排出されるようにして使用者の便利を図る
利点を有する。
【0031】そして、本発明による電子レンジの空気流
動構造は、図に示すように、キャビティ11の上面(キ
ャビティの上面板の上側)にも冷却空気が供給される形
態を取るので、ヒーターを使用する複合機種の電子レン
ジに適用する時はヒーターの発熱による外部ハウジング
上面板の加熱を減少させる効果も有する。
【0032】終わりに、本発明による電子レンジの流動
構造は、コントローラーの回路基板設置部側(空気案内
板15の前側空間)に、送風ファンに向く外部から吸入
された空気の流路が形成されるので、高電圧変圧器等の
発熱部品を経た高温の空気がコントローラーの回路基板
にぶつかるおそれを排除して、高温による回路部品の不
良を除去し得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の電子レンジの冷却システムの内部構造
を示す斜視図である。
【図2】 従来の他の電子レンジの冷却システムの内部
構造を示す斜視図である。
【図3】 本発明による電子レンジの空気流動構造の内
部構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 キャビティ、1a 空気流入孔、1b 吸入孔、1
c 排出孔、1d 排出孔、2 マグネトロン、3 高
電圧変圧器、4 送風ファン、6 エアーダクト、7
ブラケット、8 エアーダクト、11 キャビティ、1
1b 空気排出孔、11c 空気流入孔、11d 空気
排出孔、12 マグネトロン、13 高電圧変圧器、1
4 送風ファン、15 空気案内板。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側面に空気流入孔が形成され、他側面
    又は上面に空気排出孔が形成されたキャビティと、 キャビティの一側底面板上に空気流入孔が形成され、キ
    ャビティの一側背面板上に空気排出孔が形成された外部
    ハウジングと、 キャビティの一側面と外部ハウジングで取り囲まれた空
    間に設置され、前記キャビティの一側面に形成された空
    気流入孔の後方に位置するマグネトロンと、 キャビティの一側面と外部ハウジングで取り囲まれた空
    間に設置され、前記外部ハウジングの底面板に形成され
    た空気流入孔の後方に位置する高電圧変圧器と、 キャビティの一側面と外部ハウジングで取り囲まれた空
    間に設置され、外部ハウジングの空気流入孔とマグネト
    ロン及び高電圧変圧器との間に位置する空気案内板と、 空気案内板上に装着され、キャビティ一側面の空気流入
    孔とマグネトロン及び高電圧変圧器側に冷却空気を供給
    する送風ファンと、 を有し、 キャビティ内部に流入される空気量とマグネトロン及び
    高電圧変圧器側に供給される空気量は送風ファンの方向
    調整により調節されることを特徴とする電子レンジの空
    気流動構造。
  2. 【請求項2】 空気案内板はその高さがキャビティの高
    さと同じであり、その幅はキャビティの一側面と外部ハ
    ウジング間の幅と同じに形成されて、送風ファンを通過
    した冷却空気の逆流を防止するように構成されることを
    特徴とする請求項1に記載の電子レンジの空気流動構
    造。
  3. 【請求項3】 前記送風ファンは、前記空気案内板の上
    部に取り付けられていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の電子レンジの空気流動構造。
  4. 【請求項4】 前記キャビティの一側面に形成された空
    気流入孔は、キャビティの後方側に位置し、前記他側面
    または上面に形成された空気排出孔は、キャビティの前
    方側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1つに記載の電子レンジの空気流動構造。
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