JP2875634B2 - カルボニル化合物の製造方法 - Google Patents

カルボニル化合物の製造方法

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JP2875634B2
JP2875634B2 JP2400450A JP40045090A JP2875634B2 JP 2875634 B2 JP2875634 B2 JP 2875634B2 JP 2400450 A JP2400450 A JP 2400450A JP 40045090 A JP40045090 A JP 40045090A JP 2875634 B2 JP2875634 B2 JP 2875634B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生理活性物質やアミノ酸
製造時の原料として重要なカルボニル化合物を2級水酸
基を有する多価アルコールから効率良く製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カルボ
ニル化合物であるジヒドロキシアセトン(又はその2量
体)、ヒドロキシピルビン酸、ヒドロキシアセトン、ピ
ルビン酸、グリセリルアルデヒド(又はその2量体)、
グリセリン酸及び乳酸等は、生理活性物質やアミノ酸を
製造する際の中間体として極めて重要である。これらの
中間体はその基本骨格から、2級水酸基を有するグリセ
リンや 1,2−プロピレングリコール、もしくはそれらの
誘導体からの誘導が考えられる。
【0003】従来よりグリセリンを酸化して、グリセリ
ン酸化物に誘導するための種々の方法が提案されてい
る。例えば、グリセリン酸の合成にグリセリンと硝酸を
混合して3〜4日放置する方法がある。また、グリセリ
ルアルデヒドはグリセリンを硫酸鉄の存在下、室温で硝
酸酸化することにより合成される。また、グリセリンの
2級水酸基が酸化されたジヒドロキシアセトンはアセト
バクター (AcetobacterSp) を用いる酵素反応によって
製造されている。また、ピルビン酸は乳酸の気相酸化反
応によって製造されている。これらの酸化生成物又はそ
の2量体は熱的に不安定であり、pHによっても容易に異
性化するため、温和な条件下で反応条件を厳密に管理し
て合成する必要がある。しかし、温和な条件下での反応
は長時間を要するという欠点がある。また、原料多価ア
ルコールの分子会合による反応疎外を緩和するためにも
低濃度で反応を行う必要があり、生産性の点でも満足の
いくものではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は2
級水酸基を有する多価アルコールを効率良く対応するカ
ルボニル化合物に接触酸化するにあたり、生成したカル
ボニル化合物の他物質への副反応を極力抑制することを
目的に、酸化反応を低温で且つ主に酸性雰囲気で進行さ
せ、更に高速に進行させるべく鋭意研究した結果、特定
の触媒組成物を使用することによりそれを達成すること
に成功し本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、グリセリン又はプロピレ
ングリコールから選ばれる2級水酸基を有する多価アル
コールを下記の触媒組成物の存在下に酸化剤にて接触酸
化することを特徴とする対応するカルボニル化合物であ
るジヒドロキシアセトン、ヒドロキシピルビン酸、グリ
セリルアルデヒド、グリセリン酸、ピルビン酸、ヒドロ
キシアセトン、乳酸又はそれらの混合物の製造方法を提
供するものである。
【0006】 <触媒組成物> 白金及びパラジウムから成るA群から選ばれる1種以上
の元素を触媒第1成分とし、更にビスマスを触媒第2成
分とし、希土類元素から成るC群から選ばれる1種以上
の元素を触媒第3成分とし、 (イ)触媒第1成分と触媒第2成分、又は (ロ)触媒第1成分と触媒第3成分 のいずれかの組み合わせからなる担持触媒。
【0007】本発明で使用する2級水酸基を有する多価
アルコールとしては、2級水酸基と1級水酸基をそれぞ
れ1個以上有するグリセリン及び1,2 −プロピレングリ
コールである
【0008】従ってこれらの多価アルコールの酸化によ
って得られるカルボニル化合物としては以下の4種の形
態が考えられる。 2級水酸基の酸化によるケトンの
生成。 1級水酸基の酸化によるアルデヒド基の生
成。 アルデヒド基の酸化によるカルボキシル基の生
成。 2級及び1級水酸基の酸化によるα−ケト酸の
生成。
【0009】従って、従来の酸化反応が専ら1級水酸基
の酸化によるカルボキシル基の生成を目的としていたの
に対して、本発明においては、2級水酸基のケトン基へ
の酸化、又は1級水酸基と2級水酸基のα−ケト酸へ
酸化を目的としている。
【0010】従来より、1級アルコールを酸化して対応
するカルボン酸に変換することはよく研究されてきた。
表−1にこれらの研究についての従来の公開公報をまと
めて示した。
【0011】
【表1】
【0012】しかるに、これらの公開公報においてはい
ずれもカルボン酸を得ることを目的にしているため、酸
化反応を塩基性雰囲気で行うという共通点がある。塩基
性雰囲気で酸化反応を行うことの利点は、生成したカル
ボン酸を中和し酸化反応を促進することにある。
【0013】従って、塩基性雰囲気で酸化反応を行った
場合には、2級水酸基よりも1級水酸基の方が選択的に
酸化される。
【0014】例えば、特開昭52−116415号公報にはパラ
ジウムカーボン触媒を使用するグリセリンの接触酸化に
よるマロン酸の製造方法が記載されているが、この場
合、酸化反応を塩基性雰囲気で行っているため生成物は
オキシマロン酸であり、グリセリンの2級水酸基は酸化
されないと記載されている。
【0015】一方、1級水酸基を酸化して対応するカル
ボン酸に変換するにあたり、従来より白金カーボン触媒
(Pt/C)やパラジウムカーボン触媒(Pd/C)が知られて
いる。これらの触媒を用いて1級水酸基を対応するカル
ボン酸に酸化する場合、反応速度を維持する目的で一般
に塩基性雰囲気で行うが、Pt/C 触媒の場合には酸性雰
囲気でも酸化反応が進行しやすいという特徴を有してい
る。本発明者等はPt/C 触媒のこの特性に着目して、そ
れを多価アルコールの1級水酸基より、むしろ2級水酸
基の酸化に適用すべく鋭意研究した。その結果、2級及
び1級水酸基を有する多価アルコールであるグリセリン
や1,2 −プロピレングリコールを、従来の触媒主元素の
みのPd/C やPt/C 触媒を用いて接触酸化すると、塩基
性雰囲気では専ら1級水酸基が酸化されて対応するカル
ボン酸を生成するのに対して、酸性雰囲気では、特にPt
/C 触媒の場合、2級水酸基が酸化されて対応するケト
ンが微量生成することを見い出した。しかしながら、こ
の段階では2級水酸基の酸化は皆無に等しく実用的では
なかった。
【0016】一般にPd/C やPt/C 触媒を使用する1級
水酸基のカルボキシル基への接触酸化においては、原料
ガスである酸素による自己被毒が観測され、それが触媒
失活の原因の一つになっている。この酸素による自己被
毒現象は触媒主元素であるPtやPdの酸化状態と密接に関
連しており、これが酸素の吸着平衡を支配し、被酸化物
の触媒表面への吸着に影響を与えている。そこで、この
ような触媒失活現象を抑制する目的で本発明者等が開発
した多元触媒を用いてグリセリンと1,2 −プロピレング
リコールを酸性雰囲気で接触酸化を行ったところ、驚く
べきことに、従来より進行しないという固定観念があっ
たグリセリンの2級水酸基が効率良く酸化されてジヒド
ロキシアセトンに、1,2 −プロピレングリコールの2級
水酸基が効率良く酸化されてヒドロキシアセトンに変換
されることを見い出した。更に、酸素の吸着平衡、もし
くは反応促進を目的として、超音波照射下に酸化反応を
行うと反応速度がかなり向上することも観測している。
【0017】このように、酸化反応を行う時の反応系の
pHを酸性雰囲気にすることによって2級水酸基が酸化さ
れることを見い出し、更に従来の触媒主元素のみのPd/
C やPt/C 触媒では触媒失活のため本反応を実用的に進
行させ得なかったものを、本発明者等の開発した多元担
持触媒を適用することによって、酸化反応時の触媒失活
を飛躍的に回避でき、本発明における多価アルコールの
2級水酸基を効率的に酸化して対応するカルボニル化合
物を高収率で得ることに成功したのである。
【0018】ここで、2級水酸基を有する多価アルコー
ルとしてグリセリンと 1,2−プロピレングリコールの場
合について、それらの酸化経路について説明する。
【0019】 <グリセリンの酸化経路> グリセリンの酸化は下記経路に示すように、初めに2級
水酸基が酸化されるか、1級水酸基が酸化されるかで、
ジヒドロキシアセトン経由のルートとグリセリルアルデ
ヒド経由のルートの2つがある。
【0020】グリセリンの酸化経路
【0021】
【化1】
【0022】即ち、このルートは以下の5つの過程から
なっている。 グリセリンの酸化によるジヒドロキシアセトンの生
成。 ジヒドロキシアセトンの酸化によるヒドロキシルピ
ルビン酸の生成。 グリセリンの酸化によるグリセリルアルデヒドの生
成。 グリセリルアルデヒドの酸化によるグリセリン酸の
生成。 グリセリン酸の酸化によるヒドロキシピルビン酸の
生成。
【0023】ここで本発明の生成物であるグリセリルア
ルデヒドとジヒドロキシアセトンについて説明する。上
記に示したようにこれらの化合物はそれぞれ2量体とし
てのグリセリルアルデヒド2量体、ジヒドロキシアセト
ン2量体との平衡混合物として存在しているため、濃度
調製もしくはpH調製等によって単量体の平衡をづらすこ
とが出来る。
【0024】 < 1,2−プロピレングリコールの酸化経路> 1,2−プロピレングリコールの酸化も、下記経路に示す
ように、最初に2級水酸基が酸化されるか、1級水酸基
が酸化されるかで、ヒドロキシアセトン経由のルート
と、乳酸経由のルートの2つがある。
【0025】1,2−プロピレングリコールの酸化経路
【0026】
【化2】
【0027】即ち、このルートは以下の4つの過程から
なっている。 1,2 −プロピレングリコールの酸化によるヒドロシ
キアセトンの生成。 ヒドロキシアセトンの酸化によるピルビン酸の生
成。 1,2 −プロピレングリコールの酸化による乳酸の生
成。 乳酸の酸化によるピルビン酸の生成。
【0028】次に、本発明で使用する多元担持触媒組成
物について説明する。 <本発明で使用する触媒組成物> 本発明で使用する触媒組成物は、触媒成分として白金
びパラジウムから成るA群から選ばれる1種以上の元素
を触媒第1成分とし、更にビスマスを触媒第2成分と
し、希土類元素から成るC群から選ばれる1種以上の元
素を触媒第3成分とし、(イ)触媒第1成分と触媒第2
成分、又は(ロ)触媒第1成分と触媒第3成分のいずれ
かの組み合わせからなる担持触媒である。
【0029】この場合において、触媒第1成分と触媒第
2成分の比率R1(第2成分/第1成分)が原子比で0.01
〜5.0 であり、触媒第1成分と触媒第3成分の比率R
2(第3成分/第1成分)が0.001 〜5であることが好
ましい。
【0030】本発明に用いられる触媒担体としては通常
の担体、例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ・
アルミナ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、石綿等が
挙げられるが、特に活性炭、アルミナ、モレキュラーシ
ーブ等が有効である。又、触媒の第3成分としてはセリ
ウムとランタンが有効である。更に触媒成分として、各
群から選ばれる元素はそれぞれ1種である必要はなく、
複数個併用することによって複合機能を発現できること
がある。又、触媒成分を担持した触媒前駆体はホルマリ
ン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、水素等で還
元処理して使用する。特に水素化ホウ素ナトリウムは有
効である。
【0031】 <pHの影響> 本発明の反応を水中で行った場合のpHの影響について説
明する。前記グリセリンを酸化して得られるカルボニル
化合物のうち、グリセリルアルデヒドとジヒドロキシア
セトンは塩基性下では乳酸に容易に異性化したり、D−
フルクトースやD−ソルボースに2量化しやすい。従っ
て、これらグリセリルアルデヒドやジヒドロキシアセト
ンは酸性雰囲気下に存在させるのがよく、酸化反応時の
pHは1〜12が好ましい。この場合において、2級水酸基
のみを主に酸化する場合にはpHは1〜7が好ましく、一
方、1級水酸基及び2級水酸基の双方を酸化する場合に
はpHは6〜12が好ましい。
【0032】 <反応温度の影響> 本発明において生成したカルボニル化合物は熱的に不安
定なものが多いので反応は出来るだけ低温で実施するの
が良い。しかし、あまり低温になると、特にグリセリン
の場合には反応混合物の粘度が増大して反応効率が大幅
に低下するため、反応温度としては−10℃から200 ℃、
好ましくは10℃から90℃、更に好ましくは20℃から70℃
が良い。
【0033】 <反応圧力の影響> 本発明の反応は脱水反応であるため、反応を無水系で行
う場合には減圧で実施するのが好ましい。即ち、0.1 to
rrから常圧、好ましくは375 torrから常圧、更に好まし
くは600 torrから常圧が良い。酸化反応を水溶液系で実
施する場合には700 torrから900 torrが好ましい。
【0034】 <反応溶媒> 本反応は無水系でも進行させることが出来るが、特にグ
リセリンを出発原料にした場合には反応系の粘度が極め
て高く、特に気液接触効率の点で問題がある。従って、
出発原料がグリセリンの場合に限らず、他の出発原料の
場合にも水溶液系で反応させる方が有効な場合がある。
この場合、出発原料水溶液の出発原料の濃度は0.2 から
99.8重量%、好ましくは1から40重量%、更に好ましく
は3から20重量%がよい。また、水以外の反応溶媒とし
ては、官能基を有さない不活性な炭化水素溶媒、例えば
ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ヘプタン等
が挙げられる。
【0035】 <反応ガスの供給法> 反応ガスとしての酸素を反応系に供給する場合には、ガ
ス導入管の先端部もしくはガス導入管の液界面の周囲
を、ガラス製又素焼き製の多孔質材料で作成するか、も
しくはそのような材質のものを装着させるのが良い。こ
れにより気液接触が大幅に向上して反応効率が増大す
る。この場合、伊勢化学工業から市販されているMPG
(シラス台地の火山灰を一次原料にした多孔質焼結ガラ
ス)は2000Å〜10700Åという極微小の気泡を形成出来
るため、反応速度の向上の点で極めて有効な場合があ
る。
【0036】また、反応ガスは反応原料、触媒及び反応
溶媒からなる混合物中に導入してもよいが、反応原料、
反応溶媒中に予め溶解させておき、それを触媒部に導入
してもよい。
【0037】 <反応形式> 反応は回分式でもよく、多段触媒層から成る多段カラム
型反応器による連続式、もしくは触媒を懸濁させた攪拌
槽型反応器による連続式でもよい。
【0038】 <酸化剤> 本発明で実施する酸化反応時の酸化剤としては、酸素、
空気、もしくは酸素と窒素等の不活性ガスとの混合物が
挙げられる。
【0039】
【実施例】以下に本発明の内容を実施例をもって説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また触媒組成物の製造例を参考例として示す。尚、
例中の%は特記しないかぎり重量基準である。
【0040】 参考例 2%Bi・5%Pd/C 触媒は以下のようにして調製した。
塩化パラジウム0.83g、塩化ビスマス0.23g を1規定−
塩酸10mlに均一溶解させる。一方、活性炭9.3gを100ml
のイオン交換水に浸漬させておき、これに先に調製した
Bi、Pd溶液を添加し、含浸法によって5時間吸着処理を
行う。その後1規定水酸化ナトリウムを25ml、37%ホル
マリン水溶液を2ml添加して、80℃で20分還元処理を行
う。
【0041】還元終了後、イオン交換水で洗浄すると含
水率50%の2%Bi・5%Pd/C が約20g 得られた。他の
触媒も同様の方法により調製した。
【0042】 実施例1 ガス導入管、廃ガス排出ライン、TIC 、pH電極、試料抜
き出し管、タービン翼マグネティックスターラーをセッ
トした内容積1lのセパラブルフラスコ(又はジャーフ
ァメンター)に、10%グリセリン水溶液500g、触媒とし
て2%Bi・5%Pd/C 触媒を乾燥品に換算して5g 仕込
んだ。撹拌下、40℃で酸素ガスを5l/時で反応系にバ
ブリング導入した。反応の進行とともに反応系のpHが6.
8 〜3.5まで低下した。
【0043】一方、1時間毎に試料を抜き出し、触媒濾
別後、濾液のUVスペクトルを測定した。269mμにジヒ
ドロキシアセトンの特性吸収帯が、340mμにヒドロキシ
ピルビン酸の特性吸収帯が観測された。これらのジヒド
ロキシアセトン及びヒドロキシピルビン酸は試薬のUV
スペクトルからもその存在が示唆された。更に13C-NMR
スペクトルの測定からも、グリセリルアルデヒド、グリ
セリン酸、ジヒドロキシアセトンの存在を確認した。ヒ
ドロキシピルビン酸の更に酸化されたオキシマロン酸の
存在は、本反応条件下では生成していなかった。以上の
ことから、グリセリンの2級水酸基が酸化されているこ
とが分かる。更にヒドロキシピルビン酸の存在からグリ
セリンの1級水酸基と2級水酸基の両方が酸化された種
が存在することも分かった。
【0044】反応3時間目のグリセリン基準の反応混合
物の組成は、ジヒドロシキアセトン15%、グリセリン酸
20%、グリセリルアルデヒド 0.5%、ヒドロキシピルビ
ン酸8%、残りは未反応グリセリンであった。
【0045】 実施例 触媒が2%Bi・5%Pt/C である以外は実施例1と同様
に酸化反応を行った。反応3時間目のグリセリン基準の
反応混合物の組成は、ジヒドロキシアセトン65%、グリ
セリン酸5%、グリセリルアルデヒド0%、ヒドロキシ
アセトン0%、残りは未反応グリセリンであった。pHは
2.5 まで低下していた。
【0046】 実施例 触媒が2%Bi・ 2.5%Pd・ 2.5%Pt/C であること以外
は実施例1と同様に酸化反応を行った。反応3時間目の
グリセリン基準の反応混合物の組成は、ジヒドロキシア
セトン70%、グリセリルアルデヒド0%、グリセリン酸
7%、ヒドロキシピルビン酸4%、残りは未反応グリセ
リンであった。
【0047】 実施例 実施例1の反応装置を用い、 1,2−プロピレングリコー
ルの10%水溶液500g、2%Bi・5%Pt/C 触媒を乾燥品
に換算して5g 仕込んだ。実施例1と同様に酸化反応を
行った。反応3時間目の 1,2−プロピレングリコール基
準の反応混合物の組成はヒドロキシアセトン55%、ピル
ビン酸5%、残りは未反応の 1,2−プロピレングリコー
ルであった。
【0048】 実施例 実施例においてpH10で酸化反応を行った。反応3時間
目の 1,2−プロピレングリコール基準の反応混合物の組
成は、ヒドロキシアセトン13%、ピルビン酸25%、不明
物20%、残りは未反応の 1,2−プロピレングリコールで
あった。
【0049】 実施例 実施例1の反応装置を用い、グリセリンの10%水溶液50
0g、 0.4%Bi・1%Pt/C 触媒を乾燥品に換算して5g
仕込んだ。撹拌下、40℃で酸素を5l/時で供給した。
酸化反応をpH 6.5〜5.5 で行った。反応 0.5時間目で反
応速度が激減し、触媒が一次被毒を受けていることが分
かった。反応3時間目のグリセリン基準の反応混合物の
組成は、ジヒドロキシアセトン 0.5%であった。その
後、反応系に超音波照射を行った。照射後4時間目のグ
リセリン基準の反応混合物の組成はジヒドロキシアセト
ン12%、ヒドロキシピルビン酸5%、グリセリン酸 3.5
%、残りは未反応グリセリンであった。
【0050】 比較例1 実施例1の反応装置を用い、10%グリセリン水溶液500
g、表−2に示す種々の触媒を乾燥品換算で5g 仕込
み、酸素供給速度5l/時で、40℃でpH3〜6.5 の範囲
で酸化反応を行った。表−2に種々の触媒の反応3時間
目のグリセリン基準の反応混合物の組成をまとめた。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】生理活性物質やアミノ酸の中間原料とし
て重要なカルボニル化合物、例えばジヒドロキシアセト
ン、ヒドロキシピルビン酸、ピルビン酸、グリセリルア
ルデヒド、グリセリン酸等は、酵素や菌体を使う生物的
手法か、特殊な原料を使って長時間を要する化学的手
法、もしくは低濃度で行う電気、化学的手法があるが、
工業化、実用化の点において、多くの問題を含んでい
る。それに対して、本発明は安価な原料を使用して、金
属触媒を使用する接触酸化法により目的とするカルボニ
ル化合物を高速、高濃度で製造出来、その効果は、はな
はだ大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 45/39 C07C 49/17 A 49/17 51/245 51/245 59/08 59/08 59/10 59/10 59/19 59/19 59/215 59/215 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/64 104X (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 47/19 B01J 23/656 B01J 23/68 C07C 45/39 C07C 49/17 C07C 51/245 C07C 59/08 - 59/215 C07B 61/00 300 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリン又はプロピレングリコールか
    ら選ばれる2級水酸基を有する多価アルコールを下記の
    触媒組成物の存在下に酸化剤にて接触酸化することを特
    徴とする対応するカルボニル化合物であるジヒドロキシ
    アセトン、ヒドロキシピルビン酸、グリセリルアルデヒ
    ド、グリセリン酸、ピルビン酸、ヒドロキシアセトン、
    乳酸又はそれらの混合物の製造方法。 <触媒組成物> 白金及びパラジウムから成るA群から選ばれる1種以上
    の元素を触媒第1成分とし、更にビスマスを触媒第2成
    分とし、希土類元素から成るC群から選ばれる1種以上
    の元素を触媒第3成分とし、 (イ)触媒第1成分と触媒第2成分、又は (ロ)触媒第1成分と触媒第3成分 のいずれかの組み合わせからなる担持触媒。
  2. 【請求項2】 酸化剤が酸素、空気、もしくは窒素と酸
    素の混合ガスであることを特徴とする請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 pHが1〜12である2級水酸基を有する多
    価アルコールの水溶液中で反応を行う請求項1又は2
    載の製造方法。
  4. 【請求項4】 担持触媒の触媒担体が活性炭、シリカ、
    アルミナ、シリカ・アルミナ、ゼオライト、モレキュラ
    ーシーブ、石綿、もしくはそれらの混合物であることを
    特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の製造方
    法。
JP2400450A 1990-12-05 1990-12-05 カルボニル化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP2875634B2 (ja)

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