JP2874228B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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潤二 尾崎
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健司 倉貫
康弘 小畑
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、固体電解コンデンサに関するものである。
従来の技術 近年、電子機器の電源回路の高周波化に伴い、そこに
用いられる電解コンデンサについても高周波特性の優れ
たものが要求されている。これに対して、高周波領域で
の低インピーダンスを実現するために、電解重合により
得られる高電導度の導電性高分子を固体電解質として用
いた固体電解コンデンサが提案されている。
導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コン
デンサでは、第3図に示すように、直線状の陽極リード
線1および陰極リード線2を、平板状弁金属陽極体3お
よび銀塗料層4に接続し、まっすぐに引き出した構造が
提案されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、前述したように、陽極リード線1およ
び陰極リード線2が直線状でまっすぐに引き出されてい
ると、陽極および陰極リード線1,2への機械的ストレス
が内部のコンデンサ素子に直接伝わるため、自動実装時
の衝撃に弱く、漏れ電流が劣化しやすいという欠点があ
った。また、従来の構造では、寸法の大きな大容量素子
においては、陽極リード線1と陰極リード線2間のピッ
チを長くせざるを得ないため、自動実装機を使用できな
いという欠点があった。
本発明はこのような課題を解決するもので、高信頼性
で自動実装が可能な固体電解コンデンサを提供すること
を目的とするものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、陽極酸化皮膜を
形成した平板状弁金属陽極体の表面の一部に固体電解質
層を形成し、かつこの固体電解質層の表面にカーボン塗
料層および銀塗料層を形成したコンデンサ素子と、前記
平板状弁金属陽極体に接続されたL字型陽極リード線
と、前記銀塗料層に接続されたL字型陰極リード線とを
具備し、前記L字型陽極リード線の平板状弁金属陽極体
との接続部およびL字型陰極リード線の銀塗料層との接
続部をコンデンサ素子のプリント基板と接する面と平行
になるように構成したものである。
作用 上記した本発明の構成によれば、内部のコンデンサ素
子からのリード引出しが、L字型リード線によって行な
われるため、リード線に加わる機械的ストレスはリード
線の屈曲部で緩衝されることになり、その結果、コンデ
ンサ素子の劣化を引き起こすことはなくなるため、自動
実装時の衝撃に強く、かつ信頼性の高い固体電解コンデ
ンサが得られる。また、製品寸法にかかわらず、リード
線間のピッチを自由に設定できるため、自動実装に適し
た製品形状とすることができる。
実施例 以下、本発明の一実施例を第1図a,bおよび第2図a,
b,cにもとづいて説明する。
第1図a,bは本発明の一実施例における固体電解コン
デンサの正面図および断面図を示したものである。すな
わち、アルミニウム板の表面にエッチング処理を施し、
かつ陽極酸化皮膜を形成した平板状弁金属陽極体11の表
面の一部に、固体電解質を構成するピロール重合体より
なる導電性高分子層12を形成し、かつこの導電性高分子
層12の表面にカーボン塗料層13および銀塗料層14を形成
してコンデンサ素子15を構成し、さらに前記平板状弁金
属陽極体11の露出部にL字型陽極リード線16を溶接によ
り接続するとともに、前記銀塗料層14の表面にL字型陽
極リード線17を導電性接着剤もしくは半田付けにより接
続している。このとき、前記L字型陽極リード線16の平
板状弁金属陽極体11との接続部およびL字型陰極リード
線17の銀塗料層14との接続部はコンデンサ素子15のプリ
ント基板18と接する面15aと平行になるように、また陽
極および陰極リード線16,17間のピッチは5mmとなるよう
に構成しているものである。そしてまた、前記L字型陰
極リード線17と前記平板状弁金属陽極体11の接触を防ぐ
ために絶縁体19を挿入している。また前記L字型陽極お
よび陰極リード線16,17は第2図a,b,cに示すように、先
端部16a,17aを偏平にしたものを用いている。そしてこ
れらのリード線16,17を接続した後、エポキシ樹脂で外
装を行なっているものである。
第1表は、本発明の実施例における固体電解コンデン
サの落下衝撃試験(1mの高さから樫板上へ50回落下した
後の漏れ電流を測定する。試験個数は50個)の結果を従
来例と比較して示したものである。
第1表から明らかなように、本発明の実施例における
固体電解コンデンサでは、従来例に比べて落下衝撃試験
後の漏れ電流の劣化がなく、耐衝撃性が改善されてい
る。
なお、上記実施例においては、陽極体11を構成する弁
金属としてアルミニウムを、また固体電解質を構成する
導電性高分子層12としてピロール重合体を用いた場合に
ついて説明したが、陽極体11を構成する弁金属としてタ
ンタルを、また固体電解質を構成する導電性高分子層12
としてピロール誘導体またはチオフェン,フランおよび
それらの誘導体を用いた場合でも同様に実施できるもの
である。
発明の効果 上記実施例の説明から明らかなように本発明によれ
ば、内部のコンデンサ素子からのリード引出しを、L字
型リード線によって行なうようにしているため、リード
線に加わる機械的ストレスはリード線の屈曲部で緩衝さ
れることになり、その結果、コンデンサ素子の劣化を引
き起こすことはなくなるため、自動実装時の衝撃に強
く、かつ信頼性の高い固体電解コンデンサを得ることが
できる。また、製品寸法にかかわらず、リード線間のピ
ッチを自由に設定できるため、自動実装に適した製品形
状とすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における固体電解コンデンサ
を示したもので、aは正面図、bはaのA−A′線断面
図、第2図は同固体電解コンデンサにおけるL字型リー
ド線を示したもので、aは正面図、bはaのB−B′線
断面図、cはaのC−C′線断面図、第3図は従来の固
体電解コンデンサを示す正面図である。 11……平板状弁金属陽極体、12……導電性高分子層、13
……カーボン塗料層、14……銀塗料層、15……コンデン
サ素子、16……L字型陽極リード線、17……L字型陰極
リード線、18……プリント基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小畑 康弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−60118(JP,A) 特開 平2−132815(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 9/012 H01G 9/028

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極酸化皮膜を形成した平板状弁金属陽極
    体の表面の一部に導電性高分子層を形成し、かつこの導
    電性高分子層の表面にカーボン塗料層および銀塗料層を
    形成したコンデンサ素子と、前記平板状弁金属陽極体に
    接続されたL字型陽極リード線と、前記銀塗料層に接続
    されたL字型陰極リード線とを具備し、前記L字型陽極
    リード線の平板状弁金属陽極体との接続部およびL字型
    陰極リード線の銀塗料層との接続部をコンデンサ素子の
    プリント基板と接する面と平行になるように構成したこ
    とを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】導電性高分子は、ピロールまたはピロール
    誘導体,チオフェンまたはチオフェン誘導体,フランま
    たはフラン誘導体のいずれかの重合体からなる特許請求
    の範囲第1項記載の固体電解コンデンサ。
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