JP3149419B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサの製造方法Info
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Description
の製造方法に関し、特に有機導電性化合物を利用したチ
ップ形の固体電解コンデンサにかかる。
への実装の効率化等の要請から電子部品のチップ化が進
められている。これに伴い、電解コンデンサのチップ
化、低背化の要請が高まっている。
CNQ)、ポリピロール等の有機導電性化合物を固体電
解コンデンサに応用したものが提案されている。これら
の有機導電性化合物を使用した固体電解コンデンサは、
従来の二酸化マンガン等の金属酸化物半導体からなる固
体電解質と比較して電導度が高く、特にポリピロールは
電解質がポリマー化しているため耐熱性にも優れること
から、チップ化に最適と言われている。
合、電解重合あるいは気相重合等によって陽極体表面に
生成されている。ところが、ポリピロール自体の機械的
強度は弱く、電極の引き出し構造によっては、接続工程
中にリード線等が電解質層を破壊してしまうことがあっ
た。あるいは、接続工程の後にリード線にかかる機械的
なストレスが電解質層に影響を与え、所望の特性を得る
ことが困難になることがあった。
質層及び導電層を生成し、導電層の表面に帯状の陰極体
を載置して、製造工程における電解質層へのストレスを
軽減することが考えられている。
うに陽極体の表面に電解質層等を形成した固体電解コン
デンサを製造する場合には、生産効率の向上を図るた
め、板状の金属からなる基体に酸化皮膜層、電解質層及
び導電層を形成し、これを所望箇所で打抜き、あるいは
切断して個々の陽極体を形成している。
電解質層に及び、所定の電気的特性を得ることが困難に
なってしまうことがあった。また打抜き工程でのストレ
スが大きい場合は、電解質層のみならず酸化皮膜層まで
もが破壊され、漏れ電流の増大等の不都合を招いてい
た。
の電気的特性が変動し易くなる傾向がある。そのため、
ポリピロールからなる電解質層は外気から密封する必要
がある。このような課題は、コンデンサ本体の外表面
を、ディプ、インジェクション成形等の手段により、合
成樹脂層で被覆すれば解決できるが、外装樹脂層により
固体電解コンデンサの小型化、低背化が阻害されてしま
う。
極体を載置して電解質層を密封する手段が有効となる。
しかし、板状の基体から個々の陽極体を打抜き等の手段
で形成する場合、そのストレスによって陽極体の表面が
変形し、陰極体を載置しても内部の電解質層等を充分に
密封することができなくなる場合があった。
電解コンデンサにおいて、陽極体表面の電解質層等の破
損を抑制するとともに、内部の密封性を良好にし、信頼
性の高い薄形の固体電解コンデンサを製造することにあ
る。
よび導電層が表面に順次生成された陽極体に、帯状の陰
極体を載置した固体電解コンデンサにおいて、板状の金
属からなる基体に、予め複数の貫通孔を一定間隔で設
け、複数の陽極体が枝状片で連結された状態とするとと
もに、陽極体上の所望の箇所に固体電解質からなる電解
質層を形成したのち、枝状片を切断して陽極体を形成す
ることを特徴としている。
個々の陽極体1となる基体20の所望の箇所に電解質層
3を形成する前に、予め基体20に複数の貫通孔21を
設け、陽極体1を枝状片23で連結された状態とし、電
解質層3を形成した後に、枝状片を切断して陽極体1を
得ている。そのため、電解質層3を生成する重合工程
を、連続した基体20上で行うことができると同時に、
個々の陽極体1に切断する工程では、枝状片23を切断
するだけなので、陽極体1に生成された酸化皮膜層、電
解質層3へのストレスを最小限に抑制できる。
レス等で平坦にし、密封性能を向上させる場合、従来で
あれば板状の基体20からの打抜いたのち、すなわち電
解質層3を生成する前後にこの工程を行う必要があっ
た。しかし、電解質層3を生成したのちではローラー等
のストレスが電解質層3に悪影響を及ぼし、電解質層3
を生成する前でも微細な陽極体1を移送し、その表面を
平坦にすることは容易ではなかった。
基体20によって連結した状態となるるため、ローラー
等により一括して陽極体1の表面を平坦に整形したの
ち、電解質層3を生成する工程に移行させることが容易
になる。そしてまた、枝状片23の切断により個別の陽
極体1を形成するため、切断による凹凸の形成が最小限
に抑制される。
する。図1及び図2は、この発明による固体電解コンデ
ンサの製造方法を説明する工程図、図3は実施例により
得られた固体電解コンデンサを示す斜視図である。また
図4はこの発明の実施例により得られた固体電解コンデ
ンサの概念構造を示す断面図、図5はこの発明の他の実
施例で使用する基体を示す平面図である。
ルミニウム等の弁作用金属からなり、この基体20の所
望の箇所に、図1(b)に示すように、貫通孔21を一
定間隔で設け、陽極体1が枝状片23で連結された状態
とする。この実施例で貫通孔21は打抜きにより十字形
に形成した。次いでこの基体20の表面をローラーによ
り平坦状に整形し、基体20の残余部分の表面に、表面
積を拡大するためにエッチング処理、例えば電解エッチ
ング処理を施して粗面部を形成する。
化成処理を施して酸化皮膜層を形成する。酸化皮膜層
は、アルミニウムからなる基体20の表層が酸化した酸
化アルミニウムからなり、陽極体1の誘電体となる。
皮膜層上にポリピロールからなる電解質層3を生成す
る。この電解質層3であるポリピロール層は、基体20
を酸化剤を含有するピロール溶液中に浸漬し、表面に化
学重合によるピロール薄膜を形成し、次いで基体20を
ピロールを溶解した電解重合用の電解液中に浸漬すると
ともに電圧を印加して生成しており、生成されたポリピ
ロールの厚さは数μmないし数十μmとなる。
クリーン印刷する。その結果基体20の表面は、図4に
示したような、電解質層3及び導電層4が順次生成され
た積層構造となる。導電層4は、カーボンペースト及び
銀ペーストからなる多層構造、もしくは導電性の良好な
金属粉を含有する導電性接着剤からなる単層構造の何れ
でもよい。
基体20を枝状片23の部分において、打抜き等の手段
で切断し、図2(a)に示したような個別の陽極体1を
得る。この切断においては、通常の打抜きの他に、レー
ザーにより切断すると加工精度がより向上する。
示すように、陰極体5を載置する。この陰極体5は、平
板状のアルミニウムもしくはその合金からなり、導電層
4と当接する表面周端には、エポキシ樹脂等の耐熱性合
成樹脂からなる絶縁層7が形成され、中央部には陰極体
5が露出した凹部を形成している。また陰極体5の端部
には半田付け可能な金属層、例えば銅等からなる陰極端
子6が接合されている。陽極体1と陰極体5とは、陽極
体1の電解質層3及び導電層4が陰極体5の凹部に収納
されるよう配置される。その結果、図4にも示したよう
に、陽極体1と陰極体5は絶縁層7を介して接合され、
電解質層3は導電層4を介して陰極体5と当接すること
になる。
用の陽極端子2を溶接している。陽極端子2は、その断
面形状がL字形に形成されており、この実施例において
は、プリント基板の配線パターンに臨む先端部分に半田
付け可能な金属、例えば銅等を配置し、陽極体1と当接
する部分にアルミニウムを配置して接合したクラッド合
金を用い、陽極体1の側面にレーザー溶接した。
耐熱性の合成樹脂、例えばエポキシ樹脂を基体とするプ
リプレグからなるフィルム10を巻回し、その端部を陽
極体2の両端面から僅かに突出させるとともに、エポキ
シ樹脂等の合成樹脂層11を充填、固化させる。そし
て、フィルム10の開口端に配置した合成樹脂層11の
表面から突出している陽極端子2及び陰極端子6を、陽
極体1の側面及び底面に沿って折り曲げて、陽極体1の
底面に密着させて、図3に示したような固体電解コンデ
ンサ30を得る。
デンサ30では、少なくとも陽極体1の電解質層3を、
基体20に貫通孔が設けられたのちに生成するため、貫
通孔21を形成する工程でのストレスによる悪影響が電
解質層3に及ぶことがなくなる。また、各貫通孔21に
よって形成された枝状片23を切断する場合には、枝状
片23の幅手方向のわずかな部分を切断するだけなの
で、その切断によるストレスも最小限となる。また、こ
の実施例のように、基体20に貫通孔21を設けたのち
に化成工程を施した場合は、基体20上の酸化皮膜層の
破損も最小限に抑制することができる。
導電層4を介して陰極体5と表面において電気的に接触
させている。そのため、従来のようにリード線等による
ボンディング等の手段によらず接続させることができ、
この接続工程でのストレスも抑制できるようになる。ま
た、電解質層3及び導電層4は、陰極体5と表面におい
て電気的に接続されると同時に、陰極体5及び陰極体5
の絶縁層7によって外部から密封されることになる。
1を形成する工程は、基体20にエッチング処理を施し
て粗面部を形成する工程の前後いずれであってもよい。
また陽極体1は、図示しないが、陰極体5の両面に配置
してもよく、この場合、陰極体5の両面に絶縁層7を設
け、それぞれの凹部に各陽極体1の電解質層3等を収納
することになる。このように陰極体5の両面に複数の陽
極体1を配置した場合は、静電容量が倍加するととも
に、両面に陽極体1が配置されることになるので、機械
的強度、密封性が更に向上する。
極体1を基体20から分離切断するのに適した形状に枝
状片を形成できるならば、他にどのような形状でもよ
い。例えば、図5(a)に示したように、基体20に短
冊状の貫通孔22を設け、図5(b)に示すように、こ
の貫通孔22によって囲まれた所望の部分に電解質層3
等を形成する。その後、枝状片24で切断し、個々の陽
極体1(図面破線部分)を得る。この実施例によれば、
電解質層3を形成した後の基体20は、個々の陽極体1
の角部となる部分において切断されることになる。そし
て、この陽極体1の角部における切断工程のストレスは
2方向に分散される。そのため、先の実施例と比較して
電解質層3へのストレスがさらに軽減される。
電解質層及び導電層が表面に順次生成された陽極体に帯
状の陰極体を載置した固体電解コンデンサの製造方法に
おいて、板状の金属からなる基体に、予め複数の貫通孔
を一定間隔で設け、複数の陽極体が枝状片で連結された
状態とするとともに、陽極体上の所望の箇所に固体電解
質からなる電解質層を形成したのち、枝状片を切断して
陽極体を形成することを特徴としているので、少なくと
も基体から個々の陽極体を切断する工程では枝状片を切
断するのみとなり、その機械的ストレスが電解質層もし
くは酸化皮膜層に及ぼす影響を最小限に抑制することが
できる。そのため、電解質層、酸化皮膜層の破損が少な
くなり、電気的特性を向上させることができる。またこ
の切断工程による陽極体表面の変形も少なくなり、陽極
体の密封精度も向上する。
質層を形成するので、電解質層を形成する前に、基体の
寸法精度を高めるために表面の凹凸を整形しても、電解
質層への影響はない。そのため、切断した陽極体に陰極
体を載置すれば、電解質層等を密封することができ、所
望の電気的特性を長期にわたり維持することができるよ
うになる。
る工程は、非貫通孔によって連結された基体上で一括し
て行うことができる。そのため、個々の微細な陽極体を
移送する必要がなく、生産性が向上する。
を説明する工程図。
を説明する工程図。
す斜視図。
サの概念構造を示す断面図。
面図。
Claims (1)
- 【請求項1】酸化皮膜層、電解質層および導電層が表面
に順次生成された陽極体に、帯状の陰極体を載置した固
体電解コンデンサにおいて、 板状の金属からなる基体に、予め複数の貫通孔を一定間
隔で設け、陽極体が枝状片で連結された状態とするとと
もに、陽極体上の所望の箇所に固体電解質からなる電解
質層を形成したのち、枝状片を切断して陽極体を形成す
ることを特徴とした固体電解コンデンサの製造方法。
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