JP2873673B2 - 帯締め補助具及び帯締め補助具を用いた帯締め方法 - Google Patents

帯締め補助具及び帯締め補助具を用いた帯締め方法

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JP2873673B2 JP17275995A JP17275995A JP2873673B2 JP 2873673 B2 JP2873673 B2 JP 2873673B2 JP 17275995 A JP17275995 A JP 17275995A JP 17275995 A JP17275995 A JP 17275995A JP 2873673 B2 JP2873673 B2 JP 2873673B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、和服の着用者が帯を一
人で締めるために使用する帯締め補助具及び帯締め補助
具を用いた帯締め方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、女性が和服を着上げた後で帯を締
める場合には、帯を締める位置に幅の狭い単帯を伊達巻
きし、この外周面に帯を所定の長さ周回して巻付け、そ
の後で帯の着用者の後部側で各種の帯飾りを結び形成し
ながら帯締めを行っている。この帯締め作業は、帯飾り
が華やかである程、その結び方が複雑であるため着用者
自身で帯締めを行うことは無理であり、熟練した補助者
が必要となる。そこで、近年、着用者の後部側で帯に装
着しながら楽に帯飾りを形成して帯締めを行う帯結び具
が実開昭61ー150821号公報に提案されている。
この帯結び具は、基部に軸着された2個の挟持片を有
し、一方の挟持片の上端部に他の挟持片の端部を係止す
る細長いリング状に周回された抑え部が固定され、更に
抑え部の上面に枕部が挟持片に対してT形に固定されて
おり、着用者の後部側で、周回させた帯を2個の挟持片
で係止して帯の上端側に枕部を配置し、帯の端部側を抑
え部に通係して枕部に巻掛けながらお太鼓等の帯飾りを
形成しながら帯締めを行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、前記
帯結び具を使用するにしても、着用者自身で帯飾りを形
成しながら帯締めを行うことはできず、必ず補助者が着
用者の後部側で帯結び具を装着して帯締めをおこなわね
ばならず、対価を生じさせて経費を要するという問題が
あった。また、前記帯結び具には枕部が固定されている
ため、重量が増加して嵩張り、着用者の後部側に帯飾り
を密着できず、また、華やかで大きな帯飾りや自分の好
みに合った帯飾り等を形成できない等の問題があった。
【0004】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、(1)着物に締め込んだ
帯の着用者が補助者を要することなく、着用者自身で帯
締めを至極容易に行える。(2)帯の両端側の垂れ部や
手先部等を結ぶことなく、単に折り込みながらゴム紐等
で係止し膨らますだけで本人の好みの帯飾りを素早く形
成できる。(3)華やかで、大きな帯飾り等も自由に形
成しながら有効に一人着付けを行うことができる等を特
徴とした帯締め補助具及び帯締め補助具を用いた帯締め
方法を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、請求項1に係る発明は、着用者Mの胴部に周回状
に装着する帯板12の外周面に巻付ける帯14に装着さ
れ、該帯14の両端側となる垂れ部Gや手先部F等を係
止する係止支持台16と、この係止支持台16に上下回
動自在に設けられ、前記垂れ部Gや手先部F等で形成す
る任意形状の帯飾り18を保持する上下可動台20とを
備えて成る帯締め補助具10から構成される。
【0006】また、請求項2に係る発明では、前記係止
支持台16は、前記帯14の内面側に挿入配置するため
の基台22と、該基台22に中折れ状に一体連設され、
前記上下可動台20を支持すると共に、前記帯14の垂
れ部Gや手先部F等を弾性的に挟持する挟持部24とを
有して成ることとしてもよい。
【0007】また、請求項3に係る発明では、前記挟持
部24は、端部がループ30を形成して閉鎖状に前記基
台に圧接するフック体32から成ることとしてもよい。
【0008】また、請求項4に係る発明では、前記基台
22は、下方へ鋭角状に突出された中空の逆三角形枠2
8から成ることとしてもよい。
【0009】また、請求項5に係る発明では、前記上下
可動台20は、前記係止支持台16の挟持部24に係脱
自在に係合する係脱部34を有すると共に、前記帯14
の両端部側となる垂れ部Gや手先部F等を或る程度まと
め得る本体枠部36を備え、この本体枠部36には、前
記係止支持台16に対して倒伏した状態で着用者の前側
から後部側へ変位させた際に、この本体枠部36を起立
させる引止紐38との連結部40が設けられて成ること
としてもよい。
【0010】また、請求項6に係る発明では、前記本体
枠部36は、中空台形枠42に形成されて成ることとし
てもよい。
【0011】また、請求項7に係る発明では、前記中空
台形枠42には、その上面に角状に突設された帯飾りの
止め受け部48が設けられて成ることとしてもよい。
【0012】次に、請求項8に係る発明は、胴部に周回
係止した帯板12の外周面に帯14を巻付け、該帯14
を巻付けた着用者Mの前側に装着される係止支持台16
と、この係止支持台16に支持され、着用者Mの前方に
対して起立、倒伏自在に設けられた上下可動台20とを
備えた帯締め補助具10を着用者の前側に装着させ、こ
の状態で、帯14の両端側の垂れ部Gや手先部Fにより
任意形状の帯飾り18を形成して前記上下可動台20に
係止させ、該上下可動台20を倒伏させた状態で周回さ
せた帯と共に回動させて前記帯飾り18が着用者Mの略
後部側に位置する様に配置させ、前記倒伏させた状態の
上下可動台20を引止紐38を用いて起立させ、締着固
定することを特徴として成る帯締め補助具を用いた帯締
め方法から構成される。
【0013】
【作用】本発明の請求項1に係る帯締め補助具において
は、着用者の前側で、周回させた帯に係止支持台を装着
して帯や、帯の両端側の垂れ部や手先部を係止する。こ
の係止支持台に上下可動台を装着して帯び飾りを形成し
て上下回動台に保持させ、その後で、上下可動台を前方
へ倒伏させ、この倒伏状態で帯飾りを上下可動台や係止
支持部並びに帯びと共に着用者の後部側へ回動させ、上
下回動台を紐等で起立させて締着固定する。これによ
り、着物に締め込んだ帯の着用者が補助者を要すること
なく、帯締めを至極容易に行え、本人の好みの帯飾りを
素早く形成でき、特に、華やかで、大きな帯飾りを形成
したい場合でも有効に一人着付けを行うことができる。
【0014】また、請求項2によれば、前記係止支持台
は、前記帯の内面側に挿入配置するための基台と、該基
台に中折れ状に一体連設され、前記上下可動台を支持す
ると共に、前記帯の垂れ部や手先部等を弾性的に挟持す
る挟持部と、を有して成ることにより、着用者に周回し
た帯を、係止支持台の基台と挟持部で挟持しながら強固
に係止し、帯締め状態を長時間にわたり保持できる。ま
た、基台と挟持部で強制的に帯等を挟み込むので、単に
帯の内側に差し込むだけで簡単に帯の垂れ部や手先部等
を挟持でき、装着も短時間で迅速に行える。また、帯の
解けを心配することなく、係止支持台に支持した上下可
動台を利用して帯飾りを任意形状に、しかも安定した状
態に形成できる。
【0015】また、請求項3によれば、前記挟持部は、
端部がループを形成して閉鎖状に前記基台に圧接するフ
ック体から成ることにより、基台とこの基台に圧接する
フック体とで着用者の胴部に周回した帯並びに垂れ部や
手先部等を強固に係止して帯の解けを防止し、この状態
で垂れ部や手先部等で任意形状の帯飾りを素早く形成で
きる。また、基台とフック体で強制的に帯等を挟み込む
ので、単に帯の内側に差し込むだけで簡単に帯の垂れ部
や手先部等を挟持でき、装着も短時間で迅速に行える。
また、帯飾りを係止した上下可動台をループに簡単に係
止させることができ、更に、このループに沿って倒伏ま
たは起立させることができる。
【0016】また、請求項4によれば、前記基台は、下
方へ鋭角状に突出された中空の逆三角形枠から成ること
により、帯の内面側に逆三角形枠の鋭角部をあてがって
押圧したとき、基台と帯との摩擦抵抗が小さく、帯の内
面側に基台を容易に挿入できる。また、中空の逆三角形
枠は、軽量であるため帯への装着、離脱等の操作がし易
く、装着時に着用者が違和感を感じることもない。
【0017】また、請求項5によれば、 前記上下可動
台は、前記係止支持台の挟持部に係脱自在に係合する係
脱部を有すると共に、前記帯の両端部側となる垂れ部や
手先部等を或る程度まとめ得る本体枠部を備え、この本
体枠部には、前記係止支持台に対して倒伏した状態で着
用者の前側から後部側へ変位させた際に、この本体枠部
を起立させる紐との連結部が設けられて成ることによ
り、上下可動台を係止支持台と分離した状態で携帯で
き、携帯時に嵩張ることがない。また、帯に装着した係
止支持台に上下可動台を装着し、この上下可動台の本体
枠部に帯の垂れ部や手先部等で帯飾りを形成して係止で
き、着用者の後部側へ倒伏状態で回動した本体枠部を、
連結部に連結した止め紐を操作しながら着用者側へ起立
保持して帯飾りを着用者の後部側に的確に締着固定でき
る。
【0018】また、請求項6によれば、前記本体枠部
は、中空台形枠に形成されて成ることにより、本体枠部
が軽量で、係止支持台に対する装着、離脱等の操作がし
易く、係止支持台に連結した状態で倒伏、起立作動を的
確に行える。
【0019】また、請求項7によれば、前記中空台形枠
には、その上面に角状に突設された帯飾りの止め受け部
が設けられて成ることにより、着用者が一人で帯の垂れ
部や手先部等を折り曲げながら輪ゴムや細紐等でまと
め、その際にそれらの輪ゴムや細紐を止め受け部に簡単
に係止できるので現実の帯締め作業時の紐等の掛り部と
して有効に機能し得る。
【0020】次に、請求項8に係る帯締め補助具を用い
た帯締め方法によれば、胴部に周回係止した帯板の外周
面に帯を巻付け、該帯を巻付けた着用者の前側に装着さ
れる係止支持台と、この係止支持台に支持され、着用者
の前方に対して起立、倒伏自在に設けられた上下可動台
と、を備えた帯締め補助具を着用者の前側に装着させ、
この状態で、帯の両端側の垂れ部や手先部により任意形
状の帯飾りを形成して前記上下可動台に係止させ、該上
下可動台を倒伏させた状態で周回させた帯と共に回動さ
せて前記帯飾りが着用者の略後部側に位置する様に配置
させ、前記倒伏させた状態の上下可動台を紐等を用いて
起立させ、締着固定することを特徴として成ることによ
り、帯の着用者が補助者を要することなく、着用者が一
人で、帯締めを容易に行える。また、帯を結ぶことな
く、折り込みながら上下可動台に係止して本人の好みの
帯飾りを短時間で、簡易に形成できる。
【0021】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実
施例を説明する。図1ないし図4には、本発明の実施例
に係る帯締め補助具10が示されている。図より明らか
な様に、前記帯締め補助具10は、着用者Mの胴部に周
回状に装着する帯板12の外周面に巻付ける帯14に装
着され、該帯14の両端側となる垂れ部や手先部等を係
止する係止支持台16と、この係止支持台16に上下回
動自在に設けられ、前記垂れ部や手先部等で形成する任
意形状の帯飾り18を保持する上下可動台20とを備え
ている。
【0022】帯締めの下地となる帯板12は、厚紙等を
芯板として表面側に絹の様な滑り易い布地を、裏面側に
は通常の綿織布地等を配置して縫着されている。また、
帯板12の両端側には相互に係着する面ファスナー等の
係止具を設け、胴部に周回して素早く面ファスナーで係
止できる様に形成されている。
【0023】図1、図3に示す様に、係止支持台16
は、プラスチック等の硬質合成樹脂や軽金属等を素材と
し、着物に周回した帯板12の表面側で着物に締め込ん
だ帯14の内面側に挿入配置するための基台22と、該
基台22に中折れ状に一体連設され、前記上下可動台2
0を支持すると共に、前記帯14の垂れ部や手先部等を
弾性的に挟持する挟持部24とを有している。これによ
り、着用者Mの胴部に周回した帯14を、係止支持台1
6の基台22と挟持部24で挟持しながら強固に係止
し、帯締め状態を長時間にわたり保持できる。また、基
台22と挟持部24で強制的に帯14等を挟み込むの
で、単に帯の内側に差し込むだけで簡単に帯14の垂れ
部や手先部等を挟持できる。また、装着も短時間で迅速
に行える。また、帯の解けを心配することなく、係止支
持台16に支持した上下可動台20を利用して帯飾り1
8を任意形状に、しかも安定した状態に形成できる。
【0024】図3に示す様に、基台22は、鋭角部を下
方へ向けた逆三角板内に外周に沿った孔26を打ち抜い
た中空の逆三角形枠28に形成されている。これによ
り、帯14の内面側に逆三角形枠28の鋭角部をあてが
って押圧したとき、帯との摩擦抵抗が小さく、帯の内面
側に容易に挿入できる。また、中空の逆三角形枠28
は、軽量であるため帯への装着、離脱等の操作がし易
く、装着時に着用者Mが違和感を感じることもない。
【0025】また、挟持部24は、逆三角形枠28の上
辺部の両側位置に設けられており、逆三角形枠28と略
同一厚みの角形杆を逆三角形枠28の上辺側に一体的に
連設して端部にループ30を形成して閉鎖状に逆三角形
枠28に圧接する左右2個のフック体32、32から形
成されている。
【0026】これにより、逆三角形枠28から成る基台
22と、この基台22に圧接するフック体32とで着用
者の胴部に周回した帯14並びに垂れ部や手先部等を強
固に係止して帯14の解けを防止し、この状態で垂れ部
や手先部等で任意形状の帯飾り18を素早く形成でき
る。また、基台22とフック体32で強制的に帯14等
を挟み込むので、単に帯の内側に基台22を差し込むだ
けで簡単に帯の垂れ部や手先部等を挟持でき、装着も短
時間で迅速に行える。また、同時に、帯飾り18を係止
した上下可動台20をループ30に簡単に係止させるこ
とができ、更に、このループ30に沿って上下可動台2
0を倒伏または起立させることができる。
【0027】なお、前記フック体32から成る挟持部2
4は、基台22の上端部側に、図3に示す様に、左右2
個設けられているが、これに限ることなく、基台22の
上端部の中央位置に、広幅な長板で1個のフック体32
を形成することとしてもよい。この場合においても、逆
三角形枠28とフック体32で帯14を強圧に係止でき
ることとなる。
【0028】図1、図2に示す様に、上下可動台22
は、係止支持台16と同様にプラスチック等の硬質剛性
樹脂や軽金属を素材として形成され、係止支持台16の
挟持部24、24の上端側のループ30、30に係脱自
在に係合する係脱部34を有し、更に、着用者Mに締込
んだ帯14の両端部側となる垂れ部や手先部等を或る程
度まとめ得る本体枠部36を備えている。この本体枠部
36には、前記係止支持台16に対して倒伏した状態で
着用者の前側から後部側へ変位させた際に、この本体枠
部36を起立させる引止紐38、38の連結部40、4
0が設けられている。
【0029】これにより、上下可動台22を係止支持台
16と分離した状態で携帯でき、携帯時に嵩張ることが
ない。また、着用者Mの前側で帯14に装着した係止支
持台16に上下可動台20を装着し、この上下可動台2
0の本体枠部36に帯14の垂れ部や手先部等で帯飾り
18を形成してゴム紐等で係止でき、着用者の後部側へ
倒伏状態で回動した本体枠部36を、連結部40、40
に連結した引止紐38、38を操作しながら着用者側へ
起立保持して帯飾りを着用者の後部側に的確に固定でき
る。従って、着物に締込んだ帯の着用者Mが補助者を要
することなく、着用者自身が前側で、本人の好みの帯飾
りを素早く形成し、これを帯と共に後部側へ回動させて
帯締めを至極容易に行える。また、華やかで、大きな帯
飾りを形成したい場合でも、有効に一人着付けを行うこ
とができる。
【0030】図2に示す様に、本体枠部36は、係止支
持部16の基台22の厚みと略同一の厚みを有した角型
杆で中空台形枠42に形成されている。この中空台形枠
42は、その下端部が切欠開口44され、この切欠開口
44の両端側に前記係脱部34が設けられている。この
係脱部34は、係止支持台14の2個のループ30、3
0に内側から係着し得る様に折曲されたフック46、4
6を有している。
【0031】これにより、中空台形枠42の両側部を押
圧しつつ切欠開口44を閉縮させ、係止支持台16の左
右挟持部24、24の間隔にフック46、46を挿入し
た後で押圧を解除することによりフック46、46はル
ープ30、30に簡易に係着されて上下可動台20を係
止支持台16に容易に係脱できる。また、ループ30、
30に沿ってフック46、46を移動させて上下可動台
20を容易に倒伏、起立させ得ることとなる。また、中
空台形枠42から成る本体枠部36は軽量で、係止支持
台16に対する装着、離脱等の操作がし易く、係止支持
台16に連結した状態で倒伏、起立作動を的確に行え、
倒伏状態で着用者の脇下を容易に通過させて後部側へ回
動できることとなる。また、本体枠部36は、係止支持
台16の逆三角形枠28と共に中空体であるため材料費
を節約でき、製造コストも安価となる。
【0032】図1、図2に示す様に、中空台形枠42に
は、その上面に角状に突設された帯飾りの止め受け部4
8が設けられている。この止め受け部48は、中空台形
枠20の上面の両側位置に前面側へ突出された2個の逆
L形杆50、50を有している。この逆L形杆50、5
0の端部には、その端部下方へ係止片52、52が折曲
され、端部上面側には滑止用凹凸溝54、54が設けら
れている。また、前記引止紐38、38の連結部40、
40は、前記逆L形杆50、50の基部を利用し得る様
に、中空台形枠42の上部側の両端部に設けられてい
る。
【0033】これにより、着用者Mの前側で、周回した
帯に係止支持台16を係止し、この係止支持台16に上
下可動台20を装着し、着用者が一人で帯の垂れ部や手
先部等を折り曲げながら輪ゴムや細紐等でまとめ、その
際にそれらの輪ゴムや細紐を本体枠部36の止め受け部
48に簡単に係止しながら好みの帯飾り18を素早く形
成できることとなる。この帯飾り18を係止支持台16
や上下回動台20と共に倒伏状態で着用者の背面側へ回
動させ、その後で引き止め紐を操作して帯飾り18を起
立させて固定して帯締めを終了する。
【0034】次に、本発明に係る帯締め具の作用を、帯
締め具を用いた帯締め方法と共に説明する。図5から図
15までには、帯締め具を用いた帯締め方法が示されて
いる。図5に示す様に、和服を着上げた着用者Mの胴部
に周回係止した帯板12の外周面に帯14を巻付け、着
用者Mの前側で、巻付けた帯14の前部下方にクリップ
56を係止し、帯14の内面側となる手先部Fを肩へ止
め掛け、帯の外面側となる垂れ部Gを斜に半分に折り、
図7に示す様にクリップ56で垂れ部Gを帯14に係止
し、肩に止め掛けていた手先部Fを肩から下方へ落と
す。
【0035】そこで、係止支持台16と、この係止支持
台16に係脱自在に支持され、着用者の前方に対して起
立、倒伏自在に設けられた上下可動台20とを備えた帯
締め補助具10のうち、係止支持台16を手先部Fの上
方から、基台22を帯14の内面へ、挟持部24が手先
部Fに当接する様に挿入して巻付けた帯14、手先部
F、垂れ部Gを強圧に係止する。
【0036】そこで、再び手先部Fを、図8にに示す様
に、基台22と挟持部24、24で挟持した状態で二つ
折りして肩へ止め掛ける。この状態でクリップ56を取
り外す。この時、係止支持台16の基台22と挟持部2
4で帯14並びに手先部F、垂れ部Gは強圧に係止され
て解けることがない。次に、図9に示す様に、上下可動
台20の係脱部34を、帯14を挟着している挟持部2
4に係着させ、上下可動台20の左右の連結部40、4
0に連結している引止紐38、38を着用者の背中へ廻
して結び止める。これで帯飾りを形成する準備ができた
こととなる。
【0037】図11、図12に示す様に、折り重ねてい
る垂れ部Gを広げ、襞付けして折り込みながら羽根飾り
H1、H2、H3を形成し、これらを輪ゴムやゴム紐5
4で上下可動台20の本体枠部36に係止し、帯揚げ5
8を各羽根飾りH1、H2、H3の下方で帯14の外周
面に結び付ける。更に、肩に止め掛けた手先部Fを下方
へ降ろして帯締め紐60で係止し、各羽根飾りH1、H
2、H3を本人の好みの形に仕上げて帯飾り18を形成
する。
【0038】そこで、上下可動台20の引止紐38、3
8を緩め、図13、図14に示す様に、上下可動台20
を係止支持台16の挟持部24のループ30に沿って着
用者Mの前方へ倒伏させる。この倒伏状態で、帯14と
係止支持台16、上下可動台20を帯板12の外周面で
回動させ、帯飾り18が着用者の略後部側に位置する様
に配置させる。そこで、倒伏させた状態の上下可動台2
0を引止紐38、38を締付け結着して帯飾り18を起
立させ、着用者Mの背中に締着固定する。
【0039】これにより、帯の着用者Mが補助者を要す
ることなく、着用者Mが一人で、帯締めを容易に行え
る。また、帯を結ぶことなく、折り込みながら上下可動
台20に係止して本人の好みの帯飾り18を短時間で、
簡易に形成できる。また、上下可動台に引き止めている
帯飾りが下方へずれることなく、長時間にわたり帯飾り
の美観を保持でき、帯を締め直す必要もない。
【0040】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1に係る帯締
め補助具によれば、着用者の胴部に周回状に装着する帯
板の外周面に巻付ける帯に装着され、該帯の両端側とな
る垂れ部や手先部等を係止する係止支持台と、この係止
支持台に上下回動自在に設けられ、前記垂れ部や手先部
等で形成する任意形状の帯飾りを保持する上下可動台と
を備えて成ることにより、着物に締め込んだ帯の着用者
が補助者を要することなく、着用者自身が前側で帯飾り
を形成し、これを着用者の後部側へ回動して締着固定し
て帯締めを至極容易に行え、逆に帯を解くのも着用者自
身で簡単に行える。また、帯の垂れ部や手先部を折り込
みながら上下可動台にゴム紐等で係止し膨らますだけ
で、本人の好みの帯飾りを素早く形成できる。特に、華
やかで、大きな帯飾りを形成したい場合でも、有効に一
人着付けを行うことができる。
【0041】また、請求項2によれば、前記係止支持台
は、前記帯の内面側に挿入配置するための基台と、該基
台に中折れ状に一体連設され、前記上下可動台を支持す
ると共に、前記帯の垂れ部や手先部等を弾性的に挟持す
る挟持部と、を有して成ることにより、着用者に周回し
た帯を、係止支持台の基台と挟持部で挟持しながら強固
に係止し、帯締め状態を長時間にわたり保持できる。ま
た、基台と挟持部で強制的に帯等を挟み込むので、単に
帯の内側に差し込むだけで簡単に帯の垂れ部や手先部等
を挟持できる。また、装着も短時間で迅速に行える。ま
た、帯の解けを心配することなく、係止支持台に支持し
た上下可動台を利用して帯飾りを任意形状に、しかも安
定した状態に形成できる。
【0042】また、請求項3によれば、前記挟持部は、
端部がループを形成して閉鎖状に前記基台に圧接するフ
ック体から成ることにより、基台とこの基台に圧接する
フック体とで着用者の胴部に周回した帯並びに垂れ部や
手先部等を強固に係止して帯の解けを防止し、この状態
で垂れ部や手先部等で任意形状の帯飾りを素早く形成で
きる。また、基台とフック体で強制的に帯等を挟み込む
ので、単に帯の内側に差し込むだけで簡単に帯の垂れ部
や手先部等を挟持でき、装着も短時間で迅速に行える。
また、同時に、帯飾りを係止した上下可動台をループに
簡単に係止させることができ、更に、このループに沿っ
て倒伏または起立させることができる。
【0043】また、請求項4によれば、前記基台は、下
方へ鋭角状に突出された中空の逆三角形枠から成ること
により、帯の内面側に逆三角形枠の鋭角部をあてがって
押圧したとき、基台と帯との摩擦抵抗が小さく、帯の内
面側に基台を容易に挿入できる。また、中空の逆三角形
枠は、軽量であるため帯への装着、離脱等の操作がし易
く、装着時に着用者が違和感を感じることもない。
【0044】また、請求項5によれば、前記上下可動台
は、前記係止支持台の挟持部に係脱自在に係合する係脱
部を有すると共に、前記帯の両端部側となる垂れ部や手
先部等を或る程度まとめ得る本体枠部を備え、この本体
枠部には、前記係止支持台に対して倒伏した状態で着用
者の前側から後部側へ変位させた際に、この本体枠部を
起立させる紐との連結部が設けられて成ることにより、
上下可動台を係止支持台と分離した状態で携帯でき、携
帯時に嵩張ることがない。また、帯に装着した係止支持
台に上下可動台を装着し、この上下可動台の本体枠部に
帯の垂れ部や手先部等で帯飾りを形成して係止でき、着
用者の後部側へ倒伏状態で回動した本体枠部を、連結部
に連結した止め紐を操作しながら着用者側へ起立保持し
て帯飾りを着用者の後部側に的確に締着固定できる。
【0045】また、請求項6によれば、前記本体枠部
は、中空台形枠に形成されて成ることにより、本体枠部
が軽量で、係止支持台に対する装着、離脱等の操作がし
易く、係止支持台に連結した状態で倒伏、起立作動を的
確に行える。また、係止支持台の逆三角形枠と共に中空
体であるため材料費を節約でき、製造コストも安価とな
る。
【0046】また、請求項7によれば、前記中空台形枠
には、その上面に角状に突設された帯飾りの止め受け部
が設けられて成ることにより、着用者が一人で帯の垂れ
部や手先部等を折り曲げながら輪ゴムや細紐等でまと
め、その際にそれらの輪ゴムや細紐を止め受け部に簡単
に係止できるので現実の帯締め作業時の紐等の掛り部と
して有効に機能し得る。
【0047】次に、請求項8に係る帯締め補助具を用い
た帯締め方法によれば、胴部に周回係止した帯板の外周
面に帯を巻付け、該帯を巻付けた着用者の前側に装着さ
れる係止支持台と、この係止支持台に支持され、着用者
の前方に対して起立、倒伏自在に設けられた上下可動台
と、を備えた帯締め補助具を着用者の前側に装着させ、
この状態で、帯の両端側の垂れ部や手先部により任意形
状の帯飾りを形成して前記上下可動台に係止させ、該上
下可動台を倒伏させた状態で周回させた帯と共に回動さ
せて前記帯飾りが着用者の略後部側に位置する様に配置
させ、前記倒伏させた状態の上下可動台を紐等を用いて
起立させ、締着固定することを特徴として成ることによ
り、帯の着用者が補助者を要することなく、着用者が一
人で、帯締めを容易に行える。また、帯を結ぶことな
く、折り込みながら上下可動台に係止して本人の好みの
帯飾りを短時間で、簡易に形成できる。また、上下可動
台に引き止めている帯飾りが下方へずれることなく、長
時間にわたり帯飾りの美観を保持でき、帯を締め直す必
要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る帯締め補助具の斜視図である。
【図2】帯締め補助具を構成する上下可動台の斜視図で
ある。
【図3】同じく帯締め補助具を構成する係止支持台の斜
視図である。
【図4】帯びの着用者の前側に帯締め補助具を装着して
帯び飾りを形成し、これを起立状態から倒伏させた断面
説明図である。
【図5】着用者に帯びを巻付け始めた状態の正面説明図
である。
【図6】垂れ部を折込み、手先部を肩へ掛け止めた正面
説明図である。
【図7】手先部を前方へ落とし、係止支持台を帯に装着
した正面説明図である。
【図8】係止支持台を帯に装着し、手先部を肩へ掛け止
めた正面説明図である。
【図9】帯に沿う装着した係止支持台に上下可動台を装
着した正面説明図である。
【図10】垂れ部を広げ、羽根飾りを形成して上下可動
台に係止する状態の正面説明図である。
【図11】羽根飾りを上下可動台に係止し、その下方に
帯揚げを装着した正面説明図である。
【図12】手先部を肩から降ろし、帯締め紐で帯飾りの
形を整えた状態の正面説明図である。
【図13】上下可動台を帯飾りと共に前方へ倒伏させた
状態の側面説明図である。
【図14】倒伏させた上下可動台を帯飾りと共に着用者
の後部側へ回動中の正面説明図である。
【図15】帯締めを終了し、着用者の背中側に締着固定
された帯び飾りを示した背面説明図である。
【符号の説明】
10 帯締め補助部 12 帯板 14 帯 16 係止支持台 18 帯飾り 20 上下可動台 22 基台 24 挟持部 28 逆三角形枠 30 ループ 32 フック体 34 係脱部 36 本体枠部 38 引止紐 40 連結部 42 中空台形枠 48 止め受け部 F 手先部 G 垂れ部 H 飾り羽根 M 着用者

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着用者の胴部に周回状に装着する帯板の
    外周面に巻付ける帯に装着され、該帯の両端側となる垂
    れ部や手先部等を係止する係止支持台と、 この係止支持台に上下回動自在に設けられ、前記垂れ部
    や手先部等で形成する任意形状の帯飾りを保持する上下
    可動台と、を備えて成る帯締め補助具。
  2. 【請求項2】 前記係止支持台は、前記帯の内面側に挿
    入配置するための基台と、 該基台に中折れ状に一体連設され、前記上下可動台を支
    持すると共に、前記帯の垂れ部や手先部等を弾性的に挟
    持する挟持部と、を有して成る請求項1記載の帯締め補
    助具。
  3. 【請求項3】 前記挟持部は、端部がループを形成して
    閉鎖状に前記基台に圧接するフック体から成る請求項2
    記載の帯締め補助具。
  4. 【請求項4】 前記基台は、下方へ鋭角状に突出された
    中空の逆三角形枠から成る請求項2記載の帯締め補助
    具。
  5. 【請求項5】 前記上下可動台は、前記係止支持台の挟
    持部に係脱自在に係合する係脱部を有すると共に、前記
    帯の両端部側となる垂れ部や手先部等を或る程度まとめ
    得る本体枠部を備え、 この本体枠部には、前記係止支持台に対して倒伏した状
    態で着用者の前側から後部側へ変位させた際に、この本
    体枠部を起立させる紐との連結部が設けられて成る請求
    項1ないし3のいずれかに記載の帯締め補助具。
  6. 【請求項6】 前記本体枠部は、中空台形枠に形成され
    て成る請求項5記載の帯締め補助具。
  7. 【請求項7】 前記中空台形枠には、その上面に角状に
    突設された帯飾りの止め受け部が設けられて成る請求項
    5または6記載の帯締め補助具。
  8. 【請求項8】 胴部に周回係止した帯板の外周面に帯を
    巻付け、 該帯を巻付けた着用者の前側に装着される係止支持台
    と、この係止支持台に支持され、着用者の前方に対して
    起立、倒伏自在に設けられた上下可動台と、を備えた帯
    締め補助具を着用者の前側に装着させ、 この状態で、帯の両端側の垂れ部や手先部により任意形
    状の帯飾りを形成して前記上下可動台に係止させ、 該上下可動台を倒伏させた状態で周回させた帯と共に回
    動させて前記帯飾りが着用者の略後部側に位置する様に
    配置させ、 前記倒伏させた状態の上下可動台を紐等を用いて起立さ
    せ、締着固定することを特徴として成る帯締め補助具を
    用いた帯締め方法。
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