JP3665894B2 - 帯結び補助具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯結びに使用する帯結び補助具に関し、より詳しくは、文庫結び、蝶結び、花結び等の飾り結びが容易にできるところの帯結び具に関わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯結びを行うには「帯の一方をもう片方にくぐらせて巻き付け、締め付ける。」といった作業が必要なため、これら帯相互の摺り合わせや結び目によって、帯に傷が付いたりして、帯の耐用年数を縮めていた。
【0003】
一方、文庫結び、蝶結びその他の飾り結びについては、飾りを形成する作業が難しく、一人ではこれらの結びを形成できず他の人の手を煩わせていた。また、他人の帯を文庫結び、蝶結びその他の飾り結びをする場合であっても、大変な作業労力が必要であった。さらに、四十肩等で力を入れられない人にとっては帯を結ぶ作業は苦痛でもある。
【0004】
また、体型にあった補正をする必要性から、ウェストとヒップの段差をうめるために、タオル等を用いて補正されたりしている。このようにタオル等を利用して腰枕を形成するとすれば、帯結びの作業が繁雑となり、かつ別体であるが故にずれたりする不都合がある。
【0005】
飾り結びに使用される帯枕は通常別体で使用されているが、別体の帯枕を利用する場合には、安定な装着が困難である。特に帯結び作業を腹側で行ってから、これを背側へ回動させる場合にあっては、帯に安定的に帯枕を固定することは困難である。
【0006】
上記のように文庫結び、蝶結び等の飾り結びをするに当たって、多くの問題があり、もっと容易に帯結びが出来る方法の出現が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、帯を傷めることがなく、単独でも容易に、かつ綺麗に飾り結びができる帯結び補助具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、文庫結びや蝶結びなどの飾り結びが容易にできる帯結び補助具の作成に成功した。
【0009】
請求項1に記載の発明は、三重紐の役割を奏する帯結び補助具であって、板状部材の表面中央部の上部長さ方向に板状部材との間に帯を挿通可能に設けた第1の係止部材と、この第1の係止部材に重ねられ、一方の端部を第1の係止部材に対して固定可能な自由端部とすることにより第1の係止部材との間に帯を挿通可能に取着された第2の係止部材とを備え、さらに第2の係止部材の略中央部に紐部材を装着したことを特徴とする帯結び補助具である。帯のてを第1の係止部材に通してから、第2の係止部材にたれ側を押さえ通すことによって、結ばないで帯を安定させることができる。また、第2の係止部材に取着された紐部材によって飾り結びを簡単に固定することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、板状部材の裏面に帯枕や飾り結び用の帯板を固定するポケットを有することを特徴とする請求項1に記載の帯結び補助具である。板状部材の裏面にポケットを設けることによって、ポケットに帯枕、帯板を挿入するだけでこれらを簡単に安定的に装備することができ、かつ、文庫結びや花結等の飾り結びを容易に行うことができて、さらに、帯結びをした後で帯結び補助具を背面に回したときにずれない。
【0011】
請求項3に記載の発明は、板状部材の裏面に腰枕と板状部材の両側に補助板状部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯結び補助具である。板状部材の裏面に腰枕と板状部材の両側に補助板状部材を取着したことによって、帯結びした後に帯結び補助具の板状部材を背面に回したときに、従来の腰回りの補正具相当の空間ができることによって、腰回りの補正をしなくても、補正した状態となる。
【0012】
【本発明の実施の形態】
以下に本発明の帯結び補助具について、図面を用いて詳細に説明するが、本発明は要旨に含まれる限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0013】
本実施例における帯結び補助具100は、図1に示すように、三重紐の役割を奏する部材を備えた帯結び具100であって、板状部材11の表面中央部の上部長さ方向に板状部材との間に帯を挿通可能に設けた第1の係止部材21が張設され、この第1係止部材21に重ねられ、一方の端部を第1の係止部材に対して固定可能な自由端部とすることにより第1の係止部材との間に帯を挿通可能に取着された第2の係止部材22とを備え、さらに第2の係止部材22の略中央部に紐部材24を装着している。第1の係止部材21に重ねて取着された自由端を有する第2の係止部材22の当該自由端には鉤ホック25が取着されており、第1の係止部材21の一方端の係止部26に固定可能となっている。
【0014】
本実施例では第1の係止部材21、及び第2の係止部材22には幅約2.0cm、長さ約12cmの伸縮性を有する係止部材を係着した。また、第2の係止部材22の中央部に取着した紐部材24としては、約18cmのゴム紐を取着した。さらに、本実施例では、この板状部材11に第3の係止部材23として幅2.0cm、長さ14cmの伸縮性を有する係止部材23の両端を板状部材11の幅方向の中央部に張設した。この第3の係止部材23に最初に帯のてを通すことにより、帯の固定動作が容易になる。各係止部材21、22、23及び紐部材の幅、長さはこれらに限定されるものではなく、伸縮性部材の材質、強度等を考慮して、帯を挟んで安定に保つことができる幅と長さであればよい。使用される各係止部材21、22、23、及び紐部材24は伸縮性のある部材を使用することによって、異なる幅を有する帯を係止部材の間に挟み、又は飾り結びが可能となる。
【0015】
また、本実施例においては、第2の係止部材22の自由端に鉤ホックを取着して開閉自在としたが、第2の係止部材22のみならず、第1の係止部材21、第3の係止部材23の一方端にそれぞれ鉤ホックや面ファスナー等を取着して、それぞれの係止部材の一方端を開閉できるようにしても良い。
【0016】
板状部材11の裏面は図2に示すように、その中央部にポケット28を設けて、図5,図6に示す帯枕31や飾り結び用の帯板32を差し込める部位を付設する。ポケット28の下部に腰枕29を着設する。本実施例でのポケット28の大きさは幅が10cm、深さが12cmであるが、特にこの大きさに限定されることなく、帯枕31が安定に挿入固定できる幅と深さがあればよい。腰枕29は中に綿、布などを入れて膨らませて腰部に当接したときに、丁度よい高さと大きさであることが望ましい。本実施例においては中に綿を入れて幅約2.5cm、長さ20cmの腰枕29としたが、この大きさに限定されるものではなく、腰枕29は使用時に帯結び補助具100が安定に腰部に当接する大きさであればよい。この腰枕29と板状部材11と補助板状部材12、13により、従来の腰回りの補正具相当の空間ができることによって、腰回りの補正をしなくても、補正した状態となる。
【0017】
板状部材11の形状は楕円形状、矩形状、台形状等いずれの形状であってもよく、その形状は特に限定されるものではなく、腰部に装着したときに違和感が少ない形状が望ましい。その材質もまたどのようなものであっても良い。例えば、腰部に装着した時に、腰部に沿って湾曲し、帯結び後の形状を維持し、帯枕31を挿入したときに変形しない程度の硬度を有する合成樹脂板を用いることができる。本実施例においては、図3、図4に示す板状部材11は縦幅約14cm、横幅約30cmであるが、これらに限定されるものではない。なお、本実施例においては、図3に示すように、板状部材11を腰回りに着設するために、板状部材11を腰部に装着可能なベルトとして、板状部材11の両側に補助板状部材12,13を伸縮性を有する連結部材14としてゴム等の伸縮性のある部材を介して連設した。補助板状部材12、13は板状部材11と同様の材質で良く、この実施例の補助板状部材12,13には空気の流通を良くするために、穴が設けられている。また、図3、図4に示すように補助板状部材12と13の中程に面ファスナー27の雄、雌をそれぞれ相対して着設することにより、帯結び補助具100の着脱を容易にすることができる。補助板状部材12、13の大きさ、材質は特に限定されるものではなく、板状部材11を腰部に固定できる強度のもであればよいが、しっかりと固定するためには、板状部材11と略同一の幅と、かつ、重ならない大きさを有することが望ましい。
【0018】
また、補助板状部材12、13には幅約2.5cm、長さ約15cmの面ファスナーをそれぞれ上下2本設けたが、特に2本でなくとも、太い面ファスナー1本でも良く、帯結び補助具100を腰部で安定に固定する面ファスナーで、着脱の容易なものが望ましい。
【0019】
板状部材11と補助板状部材12、13を連結するための連結部材14は、帯結び補助具100を装着したときに締めつけすぎず、緩すぎない程度の強度を有する伸縮性のあるものであればよい。この連結部材14によって、帯結び補助具100の締め付け具合、体格などで自由に調節することができる。さらに、一人で体の前で帯結びをした後、体の後に簡単にまわすことができる。
【0020】
板状部材11の裏面のポケット28は図5に示す帯枕31の脚部31b、あるいは図6に示す帯板32を挿入することが出来、これら31と32については帯結びの形によって任意に代えることが可能である。帯枕31は長時間着用していても疲れない軽いウレタン製のもの等であっても良い。帯板32も長時間着用して疲れず、帯を支える強度を有する軽量の合成樹脂板等であってもよい。
【0021】
帯枕31には帯の形を形成固定するための紐31aが付設されている。帯枕31は市販の帯枕を購入して紐31aを着設しても良い。
【0022】
帯板32は帯の形を形成固定するための紐を通す穴が上部に2〜4箇所設けられていることが望ましく、その穴は帯板33のように紐が固定できれば、帯板33に示すように紐が係止できるように帯板の横に切欠を設けても良い。
【0023】
次いで、半巾の帯を着用するために、本実施例の帯結び補助具100を用いた帯の結び方を図面を用いて説明する。図7の7ー1に示すように本実施例の帯結び補助具100の板状部材11が体の前にくるようにして補助板状部材12,13の面ファスナーで固定する。帯のて先41を第1の係止部材21を通して7−2のように肩に担ぎ、次いで7−3に示すように、帯を2回程胴を回して、7−4に示すようにたれ43を第2の係止部材22で係止する。次に7−5のようにたれ先43で蝶の型を作り、ダーツを取った真ん中を紐部材24で結ぶ。この結び目を覆うようにして、7−6に示すようにて41で先に形作られた蝶の中心を巻いてて先42を帯の下から出せば出来上がる。最後に、帯結び補助具上に形作った結び目を体の後に回して終わる(7−7)。
【0024】
今までは結んだ後に手の端を胴の中に入れていたが、本実施例の帯結び補助具は三重紐の役割をする部材を備えているので、胴の中に入れなくても緩んでこない効果がある。また、飾り結びの形が自由にできやすく、胴に入れ込む分が表側に使用した結び方もできるので、帯結びのバリエーションも増えて、より華やかな結び方が可能となる。
【0025】
文庫結びをする場合は、図8の8−1に示すように帯結び補助具100を胴回りに付けて、袋帯、名古屋帯等の柄を調節するため、て先42を第3の係止部材23に通して挟み、次いで、第1の係止部材21にて先42を通して止める。次いで、胴に2回程巻いて、たれ側を第2係止部材22に通せば、8−2に示すように結んだのと同様の効果が得られる。帯枕31の足部分31bを帯を跨ぐようにして裏面のポケット28に挿入して固定する(8−3)。次に、帯枕31の上で帯を文庫形に整えて、帯枕31に着設された紐31aで文庫形の中心を結んで帯枕31に固定する(8−4)。肩に掛けていたて41で文庫形の着いた帯枕31の中心を包んで(8−5)、残余部分は帯に差し込んでも良いし、帯締めで止めても良い(8−6)。帯結びが終ったら後に回して、帯揚げ、帯締め等で形を整えて出来上がる(8−7)。
他の飾り結びをする場合には、帯板32,33を使用すると帯が止まりやすい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の帯結び補助具を使用することによって、一人で鏡を見ながら、文庫結び、蝶結び等の帯結びを行うことができる。また、人に結んであげるのにも容易であり、帯結び補助具上で帯を結んでいるために安定感があり、着崩れを起こさない効果を有している。また、板状部材の裏面の腰枕と板状部材の両側に着設した補助板状部材によって、帯結びした後に帯結び補助具の板状部材を背面に回したとき、従来の腰回りの補正具相当の空間ができることによって、腰回りの補正をしなくても、補正した状態となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯結び補助具の正面図
【図2】帯結び補助具の背面図
【図3】帯結び補助具に補助板状部材を着設した正面図
【図4】帯結び補助具に補助板状部材を着設した背面図
【図5】帯枕の斜視図
【図6】帯板の斜視図
【図7】帯結び補助具の使用説明図
【図8】帯結び補助具の使用説明図
【符号の説明】
100:帯結び補助具
11:板状部材
12:補助板状部材
13:補助板状部材
14:連結部材
21:第1の係止部材
22:第2の係止部材
23:第3の係止部材
24:紐部材
25:鉤ホック
26:鉤ホック係止部
27:面ファスナー
28:ポケット
29:腰枕
31:帯枕
31a:紐部材
31b:帯枕の脚部
32:帯板
33:帯板
41:て
42:て先
43:たれ先
Claims (3)
- 三重紐の役割を奏する帯結び補助具であって、板状部材の表面中央部の上部長さ方向に板状部材との間に帯を挿通可能に設けた第1の係止部材と、この第1の係止部材に重ねられ、一方の端部を第1の係止部材に対して固定可能な自由端部とすることにより第1の係止部材との間に帯を挿通可能に取着された第2の係止部材とを備え、さらに第2の係止部材の略中央部に紐部材を装着したことを特徴とする帯結び補助具。
- 板状部材の裏面に帯枕や飾り結び用の帯板を固定するポケットを有することを特徴とする請求項1に記載の帯結び補助具。
- 板状部材の裏面に腰枕と板状部材の両側に補助板状部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯結び補助具。
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