JP2872588B2 - 電圧非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体の製造方法

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JP2872588B2
JP2872588B2 JP6250670A JP25067094A JP2872588B2 JP 2872588 B2 JP2872588 B2 JP 2872588B2 JP 6250670 A JP6250670 A JP 6250670A JP 25067094 A JP25067094 A JP 25067094A JP 2872588 B2 JP2872588 B2 JP 2872588B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化亜鉛を主成分とす
る焼結体から成り、例えば避雷器、サージアブゾーバな
どに好適に使用しうる電圧非直線抵抗体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、避雷器などに用いられる酸化亜鉛
を主成分とする電圧非直線抵抗体は、主成分である酸化
亜鉛に、電圧非直線性の発現に必須であるといわれてい
る酸化ビスマスをはじめ、電気特性の改善に有効な添加
物を添加した組成物を混合し、造粒、成形、焼成の各工
程を経た焼結体からなり、この焼結体に側面高抵抗層お
よび金属アルミニウムなどから成る電極を設けることに
よって電圧非直線抵抗体素子を製作している。
【0003】図3は一般的な電圧非直線抵抗体の結晶組
織の一部の微細構造を示す模式図であり、1は亜鉛およ
びアンチモンを主成分とするスピネル粒子、2は酸化亜
鉛粒子、3は酸化ビスマス、4は酸化亜鉛粒子内の双晶
境界である。即ち、亜鉛およびアンチモンを主成分とす
るスピネル粒子1には、酸化亜鉛粒子2に取り囲まれて
存在するものと、酸化亜鉛粒子の三重点(多重点)付近
に存在するものの2種類の存在状態があり、酸化ビスマ
ス3の一部分は多重点のみならず、酸化亜鉛粒子2の境
界に存在している場合もみられる。
【0004】酸化亜鉛を主成分とする粒子自身は単に抵
抗体として作用し、酸化亜鉛粒子2−酸化亜鉛粒子2の
境界部分で電圧非直線性を示すことは、ポイント電極を
用いた実験から明らかにされている{G.D.Mahan,L.M.Le
vinson & H.R.Philipp,“Theory of conduction in ZnO
varistors”,J.Appl.Phys.50[4],2799(1979)(以下文
献1という)}。また後述するように、この酸化亜鉛粒
子−酸化亜鉛粒子の境界部分(結晶粒界)の数がバリス
タ電圧を決定することが実験で確認されている{T.K.Gu
pta,“Application of Zinc Oxide Varistors”,J.Am.C
eram.Soc.,73[7]1817〜1840(1990)(以下、文献2とい
う)}。
【0005】図4は、上記微細構造を有する一般的な電
圧非直線抵抗体の電圧−電流特性(非直線性特性)を示
す特性図である。
【0006】優れた保護性能を有する酸化亜鉛系電圧非
直線抵抗体とは、図4中、大電流域Hにおける電圧VH
と小電流域Lにおける電圧VLとの比VH/VL(制限電
圧比:平坦率)が小さいものである。制限電圧比の改善
について論じる場合、大電流域における制限電圧比と小
電流域における制限電圧比を決定する要因が異なるため
に、各々に分離して論じる必要がある。それゆえ今後制
限電圧比VH/VLを、図4中のSにおける電圧VSを用
いて、大電流域平坦率VH/VSと小電流域平坦率VS
Lに分離して論じることとする。
【0007】大電流域平坦率VH/VSは、酸化亜鉛結晶
粒内部の電気抵抗率によって決まることが知られており
(文献1、2)、酸化亜鉛結晶粒内部の抵抗率が小さく
なる程VH/VSは小さくなる。一方、小電流域平坦率V
S/VLは酸化亜鉛結晶粒界の電気抵抗率によって決まる
と言われており(文献1、2)、酸化亜鉛結晶粒界の抵
抗率が大きくなる程VS/VLは小さくなる。従って、制
限電圧比VH/VLを改善するためには、酸化亜鉛結晶粒
内部の電気抵抗率を低減し、かつ酸化亜鉛結晶粒界の電
気抵抗率を高めればよいことが示される。
【0008】電圧非直線抵抗体では図4に示したVS
非直線性しきい値電圧を表す。このVS値は、避雷器が
適用される送電系統の系統電圧に対応して設定すること
が重要である。VSは、V1mA{素子に1mA通電した際
の素子の両端電極間電圧(V)}などを代表値として使
用することが多い。素子の大きさを勘案すると、1mA
の電流値は約30〜150μA/cm2程度の電流密度
に相当する。酸化亜鉛素子のVS値は素子の厚みに比例
する。
【0009】系統電圧の高い、例えばUHV100万ボ
ルト送電に使用される避雷器などでは、同一形状で従来
の素子と同等のVS値をもつ素子を積み上げた場合に
は、直列積層枚数が増加し、その結果、避雷器が大きく
なること、および直列接続方式が複雑化するため、電気
的、熱的、機械的設計上の問題点が多くなる。それゆ
え、VS値を素子の厚さで除して得られる単位長さ当た
りのVS値(例えばV1mA/mm:バリスタ電圧)の大き
い素子を使用できれば、素子1枚当たりの分担電圧が高
くなるため、素子の直列積層枚数を減らすことができ、
これらの問題点を解決することが可能となる。
【0010】従来の研究から、Vs値を制御しているの
は図3に示した素子の結晶組織中の酸化亜鉛2の結晶粒
径であることが知られている。1mA程度の電流領域
は、図4に示した電圧−電流特性における非直線領域で
あり、実験的には式(1)が成立する。
【0011】 V1mA /mm=k/D (1) 式(1)中、kは定数、Dは酸化亜鉛の平均粒子径であ
る。従って1/Dは単位長さ当たりに存在する酸化亜鉛
粒子間の結晶粒界の数Ngに相当し、式(1)を書き換
えれば式(2) V1mA /mm=k’・Ng (2) のように書き表すことができる。定数k’は酸化亜鉛素
子の1粒界当たりのバリスタ電圧を表していることがわ
かる(文献2)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上をまとめると、優
れた保護特性をもつための電気特性として(イ)制限電
圧比(VH/VL)が小さいこと、コンパクトな避雷器を
実現するに必要な電圧非直線抵抗体に要求される電気特
性として(ロ)バリスタ電圧を大きくすることが各々最
低限挙げられる。また素子の形状が従来と同一である場
合、素子のバリスタ電圧が大きくなると、大きなエネル
ギー耐量値を持つことも当然要求される。避雷器の保護
特性を決定する因子は(イ)であるので、電圧非直線抵
抗体の組成および製造プロセスを改善することによって
制限電圧比(VH/VL)を小さい値とすること、なおか
つ避雷器の大きさ等の構造を決定する因子は主に(ロ)
であるので、バリスタ電圧を大きい値とすることが強く
要求される。
【0013】例えば、特開平4−175259号公報
に、ZnOとBi23に希土類酸化物であるGd23
よびYb23を添加したものを焼成して得た電圧非直線
性抵抗体が報告されている。
【0014】上記公報において、電圧−電流非直線性の
指標としては式(3) α={log(I1/I2)}/{log(V1/V2)} (3) (式中、I1=1mA、I2=100μA V1、V2:I
1、I2におけるバリスタ電圧)に示すα値を用いてお
り、上記のように大電流域における制限電圧比と小電流
域における制限電圧比を決定する要因が異なることを考
慮して大電流域平坦率と小電流域平坦率に分離して述べ
てはいない。また上記公報に示したα値の評価電流域
は、上記小電流域平坦率の評価電流領域内にあり、α値
には上記大電流域平坦率は加味されておらず、例えば、
大電流域平坦率に係わる避雷器にサージが印加された際
の保護特性が考慮されていない。一般に、大電流域平坦
率を改善する手段が小電流域平坦率を多少悪化させるこ
とが多く、逆も同様である。それゆえ、両電流域を個別
に評価し論じることによって平坦率改善手段の有効性と
効果を正しく把握することが可能となる。また、バリス
タ電圧も200〜400V/mmという範囲を示し、必
ずしも高いとは言えない値を含有しているため、常にコ
ンパクト化を達成することができない。
【0015】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたもので、大電流域から小電流域にわたって、制限
電圧比が小さく平坦性に優れた電圧非直線抵抗体の製造
方法を得ることを目的とし、また、容易に大きなバリス
タ電圧を示す電圧非直線抵抗体を得ることを目的とし、
さらに、大電流域から小電流域にわたって、制限電圧比
が小さく平坦性に優れ、かつ大きなバリスタ電圧を有す
る電圧非直線抵抗体の製造方法を得ることを目的とす
る。また、大形の電圧非直線抵抗体でも生産性に優れた
製造方法を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の電圧非直線抵
抗体の製造方法は、酸化亜鉛を主成分とし酸化ビスマス
を含有し、かつ希土類元素(R)の酸化物をR23に換
算して0.05〜1.0mol%含有する電圧非直線抵
抗体組成物に、所定温度まで昇温する昇温過程、上記所
定温度域の保持温度に所定時間保持する温度保持過程お
よび上記保持温度から降温する降温過程を経る焼成を施
す製造方法であって、上記焼成の昇温過程から温度保持
過程の降温過程側にわたり降温過程へ移行する前まで
と、降温過程の600℃未満とが酸素含有量80%以上
の雰囲気で施され、のこりの過程が酸素含有量40%以
下の雰囲気で施される方法である。
【0017】請求項2の電圧非直線抵抗体の製造方法
は、上記請求項1において、焼成の降温過程のうち60
0℃以上の降温過程の少くとも一部を酸素含有量40%
以下の雰囲気とする方法である。
【0018】請求項3の電圧非直線抵抗体の製造方法
は、上記請求項1において、焼成の降温過程のうち80
0℃以上の降温過程の少くとも一部を酸素含有量40%
以下の雰囲気とする方法である。
【0019】請求項4の電圧非直線抵抗体の製造方法
は、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマスを含有し、か
つ希土類元素(R)の酸化物をR23に換算して0.0
5〜1.0mol%含有する電圧非直線抵抗体組成物に
第1の焼成過程を施した後、請求項1ないし3の何れか
に記載の焼成を施し、その保持温度が950℃以上、上
記第1の焼成の保持温度以下とする方法である。
【0020】請求項5の電圧非直線抵抗体の製造方法
は、上記請求項1ないし4の何れかにおいて、希土類元
素を、イオン結晶のイオン間距離から求めたイオン半径
が+3価、6配位状態において1.0Å以下の希土類元
素とする方法である。
【0021】
【作用】請求項1の発明において、上記焼成の昇温過程
から温度保持過程の降温過程側にわたり降温過程へ移行
する前までと、降温過程の600℃未満とを酸素含有量
80%以上の雰囲気とすることにより、焼成の全域を酸
素含有量80%以上の雰囲気とした時に得られる小電流
域平坦率に近づけることができる。また、電圧非直線抵
抗体組成物が希土類元素(R)の酸化物をR23に換算
して0.05〜1.0mol%含有するため、電圧非直
線抵抗体の大電流域平坦率VH/VSがさらに改善され非
直線性が向上する。
【0022】請求項2の発明において、請求項1の焼成
の降温過程のうち600℃以上の降温過程の少くとも一
部が酸素含有量40%以下の雰囲気であると、酸化亜鉛
結晶粒内における構成原子の拡散速度が十分に速い状態
において、酸素含有量40%以下の雰囲気とすることに
なり、焼成の全域を酸素含有量80%以上の雰囲気とし
た時に得られる小電流域平坦率と、全域が酸素含有量4
0%以下の雰囲気とした時に得られる大電流域平坦率と
に近づけることができる。
【0023】請求項3の発明において、焼成の降温過程
のうち800℃以上の降温過程の少くとも一部が酸素含
有量40%以下の雰囲気であると、焼成の全域を酸素含
有量80%以上の雰囲気とした時に得られる小電流域平
坦率と、全域を酸素含有量40%以下の雰囲気とした時
に得られる大電流域平坦率とにさらに近づけることがで
きる。
【0024】請求項4の発明において、酸化亜鉛を主成
分とし、酸化ビスマスを含有し、かつ希土類元素(R)
の酸化物をR23に換算して0.05〜1.0mol%
含有する電圧非直線抵抗体組成物に第1の焼成過程を施
した後、請求項1ないし3の何れかに記載の焼成を施
し、その保持温度が950℃以上、上記第1の焼成過程
の焼成温度以下であると、2段階焼成でも優れた非直線
性の電圧非直線抵抗体を得ることができるので、大形で
あっても優れた非直線性を有する電圧非直線抵抗体を量
産性良く製造することができる。
【0025】請求項5の発明において、請求項1〜4の
何れかにおいて、上記希土類元素が、イオン結晶のイオ
ン間距離から求めたイオン半径が、+3価、6配位状態
において、1.0Å以下である希土類元素であるので、
酸化亜鉛結晶の結晶粒成長が制御されるために単位長さ
当たりの結晶粒界の数が増加し、バリスタ電圧が大きい
電圧非直線抵抗体の製造方法を得ることができる。
【0026】
【実施例】本発明に係わる主成分となる酸化亜鉛は、電
圧非直線性の改善、耐量の向上および長寿命化の総合的
観点から、含有量は、ZnOに換算して原料中に90〜
97mol%、中でも92から96mol%含有される
ように調整することが望ましい。
【0027】本発明に係わる酸化ビスマスは、通常平均
粒子径が1〜10μmのものが用いられる。酸化ビスマ
スの配合量は、5mol%より多い場合には、酸化亜鉛
粒子の粒成長抑制効果に対して逆効果を呈するようにな
り、0.1mol%より少ない場合には、漏れ電流が増
加する(VL値が小さくなる)ため、電圧非直線抵抗体
の原料(以下、単に原料という)中に0.1〜5mol
%、特に0.2〜2mol%含有されるように調整する
ことが望ましい。
【0028】また、本発明の実施例の電圧非直線抵抗体
が、VS値を大きくする性質を有する酸化アンチモンを
含有しても良く、酸化アンチモンとしては、通常平均粒
子径が0.5〜5μmのものが用いられ、配合量は、5
mol%より多い場合には、酸化亜鉛との反応物のスピ
ネル粒子が多く存在するようになって通電パスが大きく
制限されるため、インパルスまたはエネルギー耐量が小
さくなって破壊しやすくなり、0.5mol%より少な
い場合には、酸化亜鉛粒子の粒成長抑制効果が充分に発
現されなくなるので、原料中に、0.5〜5mol%、
中でも0.75〜2mol%含有されるように調整する
ことが望ましい。
【0029】また、本発明の実施例の電圧非直線抵抗体
が、電圧非直線性を改善させるために、酸化クロム、酸
化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ケイ素
を含有しても良く、これらは、通常平均粒子径が10μ
m以下のものを用いることが望ましい。また充分な電圧
非直線性を得るためには、これらの成分の配合量は、そ
れぞれ原料中に、NiO、Co34、Mn34、SiO
2に換算して0.1mol%以上、なかでも0.2mo
l%以上含有されるように調整することが望ましいが、
5mol%より該配合量が多い場合には、スピネル相、
パイロクロア相(スピネル相生成反応の中間生成物)お
よびケイ酸亜鉛の量が多くなることから、エネルギー耐
量の減少や電圧非直線性が低下する傾向があるので、原
料中に0.1〜5mol%以下、中でも0.2〜2mo
l%以下含有されるように調整することが望ましい。
【0030】また、本発明の実施例の電圧非直線抵抗体
が、酸化亜鉛粒子の電気抵抗を下げ、電圧非直線性を改
善せしめるために0.001〜0.01mol%の硝酸
アルミニウムを含有しても良く、また酸化ビスマスをよ
り低融点化させ、その流動性をよくし、粒子間などに存
在する微細孔(ポア)を有効に減ぜしめる役割を果たさ
せるために、0.01〜0.1mol%のホウ酸を含有
してもよい。
【0031】また、本発明の実施例の電圧非直線抵抗体
が、希土類酸化物を少なくとも1種類以上、R2
3(R:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)に換
算して合計0.05〜1.0mol%含有することは、
得られる電圧非直線抵抗体の大電流域平坦率VH/VS
改善され非直線性が向上するため望ましい。なぜなら、
希土類元素は主にZnOの結晶粒界に偏析するが、その
わずかな部分がZnO結晶粒子内部に固溶すると、2価
のイオンであるZnを3価(Ce、Pr、Tb等ではそ
れ以上と推定される)のイオンである希土類イオンが置
換することによってその電子的効果によりZnO結晶粒
子内が低抵抗化し、その結果大電流域平坦率が改善され
ると考えられる。
【0032】また、本発明の実施例の電圧非直線抵抗体
が、+3価、6配位状態において1.0Å以下のイオン
半径をもつ希土類元素R(R:Y、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の
酸化物を少なくとも1種類以上、R23に換算して合計
0.05〜1.0mol%含有することは、バリスタ電
圧V1mA/mmが増加するため望ましい。
【0033】上記希土類酸化物としては、通常平均粒子
径が5μm以下のものが用いられる。概希土類酸化物の
配合量は、1.0mol%を越える場合には、V1mA
が高くなり、かつ酸化ビスマス−希土類酸化物の固溶部
が結晶粒界に多くなるため、実質的な耐量が小さくな
り、また0.05mol%未満の場合には、得られる電
圧非直線抵抗体のV1mA値が希土類酸化物を添加しない
場合と比較して有意の増加を示さず、かつ大電流域平坦
率VH/VSが大きくなるので、原料中における配合量が
0.05〜1.0mol%、中でも0.1〜0.5mo
l%となるように調整することが望ましい。
【0034】次に、前記原料から成る本発明の電圧非直
線抵抗体の製造方法について具体的に説明する。
【0035】上記原料の平均粒子径を適宜調整した後、
たとえばポリビニルアルコール水溶液などを用いてスラ
リーを形成した後、スプレードライヤーなどを用いて乾
燥・造粒し成形に適した顆粒を得る。
【0036】得られた顆粒にたとえば200〜500k
gf/cm2程度の加圧力で一軸加圧を施し、所定形状
の粉末成形体を作製する。粉末成形体からバインダー
(ポリビニルアルコール)を除去するために、該粉末成
形体を600℃程度の温度で予備加熱した後焼成する。
【0037】焼成は、昇温温度を5〜100℃/時とし
て昇温する昇温過程、保持温度を1000〜1300℃
として1〜10時間保持する温度保持過程の後、降温速
度を5〜100℃/時として室温まで冷却する降温過程
を経ることによって行う。本焼成条件は固相反応によっ
て焼成反応が均一かつ充分に進行し、素子を緻密化する
ための条件であり、X線回折装置、熱重量分析装置(T
G)、熱機械分析装置(TMA)などを用いて設定する
ことができる。
【0038】従来、焼成雰囲気は空気であったが、本発
明では、酸素含有量が80容量%以上の焼成雰囲気およ
び酸素含有量が80容量%以上の焼成雰囲気と酸素含有
量が40容量%以下の焼成雰囲気とを各焼成工程毎に組
み合わせて設定する。酸素分圧を指定した場合の残部の
主たるガス成分は窒素である。ここで、焼成を施す雰囲
気を制御すると、酸化亜鉛結晶粒内および結晶粒界にお
ける酵素欠陥濃度が独立に制御され、n型半導体のキャ
リヤである伝導電子密度が制御され、その結果結晶粒内
および結晶粒界の電気抵抗率が好適な値に設定されるた
めに大電流域平坦率および小電流域平坦率が改善され
る。
【0039】酸素含有量を80容量%以上に設定する過
程では望ましい酸素含有量は100容量%である。また
酸素含有量を40容量%以下に設定する過程では、望ま
しい酸素含有量は10〜30容量%である。この時、酸
素含有量を0%(窒素100%)と設定すると、原料中
に含まれる金属イオンの一部分が還元されて金属状とな
り耐量などの電気特性が悪化する場合がみられる。一般
に電圧非直線抵抗体を焼成する炉では、連続炉のみなら
ずバッチ炉においても、酸素含有量を短時間のうちに高
精度に切り替え、かつ安定した酸素含有量を維持するこ
とは容易ではない。それゆえ、酸素含有量を40容量%
以下に設定する過程では、20%の概空気雰囲気を目標
に10〜30容量%に設定することが望ましい。なお、
上記酸素含有量の設定許容範囲は下記表5に記した実施
、参考例および比較例から設定した。
【0040】以下に、本発明の電圧非直線抵抗体および
その製造方法を実施例、参考例および比較例に基づいて
さらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに
限定されるものではない。
【0041】酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケ
ル、酸化コバルト、酸化マンガンおよび酸化ケイ素の含
有量がそれぞれ0.5mol%、酸化アンチモンを1.
2mol%、微量添加物であるアルミニウムの含有量は
硝酸塩水溶液として0.004mol%、ホウ酸の含有
量は0.08mol%となるように調整した。希土類酸
化物を添加しないものおよび希土類酸化物をR23に換
算して表1〜4に示した量を添加したものを得た。残部
は酸化亜鉛である。
【0042】前記原料をボールミルを用いて混合粉砕し
た後、スプレードライヤーを用いて乾燥・造粒した。得
られた顆粒に200〜500kgf/cm2程度の加圧
力で一軸加圧成形し、直径40mm厚さ15mmの粉末
成形体を作製した。
【0043】得られた粉末成形体からバインダ(ポリビ
ニルアルコール)を除去するために、600℃で5時間
予備加熱した。
【0044】図2に示した焼成雰囲気となるように焼成
炉の酸素分圧制御装置にプログラム設定し、昇温速度7
5℃/時、保持温度1150℃にて5時間保持、降温速
度75℃/時の条件で焼成を行った。なお、上記以外の
温度パタンにおいても、以下に記すものと同様な雰囲気
制御および希土類元素種(イオン半径)の効果が得られ
た。
【0045】図2はこの発明の参考例、実施例および比
較例に係わる焼成過程と雰囲気制御パタンとの関係を示
す説明図で、図の下部は焼成炉の温度条件を示し、図の
上部は焼成炉の温度に対応する雰囲気を示し、温度条件
に対応した雰囲気変化をA〜Gの雰囲気制御パタンとし
て示している。図中実線は酸素含量100%の雰囲気、
点線は酸素含有量20%の雰囲気を示す。例えば、雰囲
気制御パタンAは全焼成過程を酸素含有量を80容量%
以上の雰囲気(図では酸素含有量は100容量%)とし
たもの、雰囲気制御パタンCは降温過程の800℃以上
(図では1150〜800℃)を酸素含有量を40容量
%以下の雰囲気(図では、酸素含有量20%)とし、焼
成過程の他の雰囲気を酸素含有量を80容量%以上の雰
囲気(図では酸素含有量は100容量%)としたもので
ある。
【0046】得られた電圧非直線抵抗体(焼結により直
径約32mmに収縮)を研磨、洗浄した後、アルミニウ
ム電極を形成し、各種電気特性を測定した。希土類酸化
物を添加しなかった場合、並びに酸化イットリウム、酸
化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネ
オジム、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、酸化ガド
リニウム、酸化テルビウム、酸化ディスプロシウム、酸
化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イ
ッテルビウムおよび酸化ルテチウムの一種を各々0.5
mol%添加した場合の、各雰囲気制御パタンにおける
小電流域制限電圧比および大電流域制限電圧比を表1〜
4に示す。表中、希土類酸化物の添加量はいずれもR2
3に換算した値であり、雰囲気制御パタンは図2に示
したものに相当する。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】制限電圧比の評価条件は以下のように設定
した。すなわち、小電流域制限電圧比はV1mA/V10μA
(素子に1mA通電した際の素子の両端電極間電圧を、
10μA通電した際の素子の両端電極間電圧で除した
値)として評価し、大電流域制限電圧比はV2.5kA/V
1mA(素子に2.5kA通電した際の素子の両端電極間
電圧を、1mA通電した際の素子の両端電極間電圧で除
した値)として評価した。
【0052】(1)Yb23を0.5mol%添加した
場合(参考例14、実施例5356、比較例34〜3
5、実施例63、比較例45〜46) Yb23を0.5mol%添加した組成物における例を
図1、2および表4中の参考例14、実施例53
、比較例34〜35並びに表5中の実施例63、比較
例45〜46について説明する。図1はこの発明の参考
例、実施例および比較例に係わる雰囲気制御パタンと小
電流域制限電圧比および大電流域制限電圧比の関係を示
す説明図であり、図の上部は小電流域制限電圧比V1mA
/V10μAについて示したものであり、下部は大電流域
制限電圧比はV2.5kA/V1mAについて示したものであ
る。焼成過程の全域を酸素含有量20%(雰囲気制御パ
タンF)に設定した場合、表4の比較例34に示すよう
に小電流域制限電圧比が1.263、大電流域制限電圧
比が1.585となる。同じ組成物を焼成過程の全域を
酸素含有量100%(雰囲気制御パタンA)に設定した
場合、表4の参考14に示すように小電流域制限電圧
比は1.167に減少し、非直線性が著しく改善され小
電流域での使用には適している。この場合、大電流域制
限電圧比は1.608が得られた。更に、同じ組成物を
雰囲気制御パタンC、すなわち図2に示したように昇温
過程および最高温度保持過程を酸素含有量100%に設
定した後、降温過程の800℃以上即ち降温過程の初期
である1150℃〜800℃の間を酸素含有量20%に
設定し、その後室温までの間を再度酸素含有量100%
に設定して焼成した場合、表4の実施例54に示すよう
に小電流域制限電圧比が1.186、大電流域制限電圧
比が1.588となる。この大・小電流域制限電圧比
を、全域を酸素含有量100%とした場合(参考
)と比較すると、小電流域制限電圧比を悪化させるこ
となく、大電流域制限電圧比を全域を酸素含有量20%
で焼成した場合と同等にまで改善したことになる。換言
すれば、雰囲気制御パタンCに従って焼成することによ
って、全域を酸素中で焼成した場合と同等の小電流域制
限電圧比と、全域を空気中で焼成した場合と同等の大電
流域制限電圧比とを合わせ持つ、非直線性に極めて優れ
た電圧非直線抵抗体が得られる。
【0053】酸素含有量を20%から100%に切り替
える温度については、表4中の実施例53に記したよう
に1000℃とした場合でも800℃とした場合と同等
の大・小電流域制限電圧比がえられた。またこの切り替
え温度を表4中の実施例55に記したように600℃ま
で下げると大電流域制限電圧比が多少の増加傾向が見ら
れる。この切り替え温度を600℃未満に下げると、小
電流域制限電圧比が急激に増加し、全域を空気中に焼成
した場合に近づいてしまう。異なる温度パタンを採用し
た場合においても許容温度範囲は同一である。この許容
温度範囲については次のように理解することができる。
Bi23系ZnO素子は、結晶粒界に存在するBi23
の融解相による液相焼結過程により焼結するものと考え
られている。1000℃以上では、結晶粒界相が液相で
あるのみならず、ZnO結晶粒内においても構成原子の
拡散速度が十分に速いため、この温度域において雰囲気
中の酸素含有量を20%に設定すると、ZnO結晶粒内
の酸素原子の組成が液相結晶粒界相を経由して雰囲気中
の酸素含有量との平衡状態に到達し、ZnO結晶粒内が
一層O2poorになる。1000℃以下では、ZnO結晶
粒内における構成原子の拡散速度が遅くなるため、Zn
O結晶粒内の酸素の組成は雰囲気中の酸素含有量の影響
を受けにくくなる。一方結晶粒界のBi23を主とした
液相の凝固点は、700〜800℃程度と推定される。
それゆえ1000℃以下であっても、結晶粒界に存在す
るBi23を主とした液相の凝固点以上の温度域におい
ては、結晶粒界相中の酸素の組成は雰囲気中の酸素含有
量の影響を受けやすく、この温度域において雰囲気中の
酸素含有量を再度100%に設定すると、結晶粒界相の
酸素原子の組成のみが雰囲気中の酸素含有量との平衡状
態に到達し、結晶粒界が再度O2richになる。600℃
未満になると結晶粒界相が固相となり、酸素原子の拡散
速度が格段に遅くなるために酸素含有量を100%に設
定した効果が現れにくくなる。なお、比較例34および
35は非直線性の改善は見られなかったが、以下に示す
バリスタ電圧の増加は見られた。
【0054】酸素含有量を100%から20%に切り替
える時期については、表4中の実施例56に記したよう
に最高温度保持過程から降温過程への切り替え点の2時
間前としても(雰囲気制御パタンE)大電流域制限電圧
比は増大せず小電流域制限電圧比の多少の増加傾向のみ
が見られた。この切り替え時期を、表4中の比較例35
に記したように昇温過程から温度保持過程への切り替え
点とすると(雰囲気制御パタンG)、小電流域制限電圧
比が大きく増加し、全域を空気中で焼成した場合(比較
例34)に近い値を示す。そこで、上記切り替え時期は
温度保持過程の降温過程側でしかも降温過程に移行する
前までで、降温過程にずれ込まない程度に降温側へ以降
した時期とする。異なる温度パタンを採用した場合でも
上記切り替え時期は同様である。
【0055】酸素含有量の設定許容範囲は表5に記した
参考例、実施例および比較例から設定した。表5に示す
希土類元素を含有する上記組成物および希土類元素を含
有しない上記組成物を焼成する焼成過程全域を100、
80、60、40、20容量%の各酸素含有量に設定し
て得られた素子の大・小電流域制限電圧比を各々参考
14実施例63、比較例45〜46、34として表5
に示した。
【0056】
【表5】
【0057】表によると、各制限電圧比は、酸素含有量
に対して直線的に依存して変化している。小電流域制限
電圧比は酸素含有量が高い方が小さい値が得られ、大電
流域制限電圧比は酸素含有量が低い方が小さい値が得ら
れ、両者の実用上有用である値を示す範囲としては、酸
素含有量が20容量%変動しても制限電圧比に大きな変
化は見られず、酸素含有量を100容量%とする過程で
は80容量%以上であれば十分であり、酸素含有量を2
0容量%とする過程では40容量%以下であれば十分で
ある。
【0058】雰囲気制御の効果は、Yb23の添加量が
0.1mol%、0.3mol%、1.0mol%等、
0.5mol%以外の場合においても有効である。Yb
23を0.3mol%添加した場合について、表6の
考例18、実施例7275、比較例51〜52に記し
た。
【0059】
【表6】
【0060】(2)希土類酸化物を添加しない場合(比
較例1〜7、38〜40) 表1中比較例1〜7に記すように、希土類酸化物を添加
しない組成物についてもYb23を0.5mol%添加
した組成物と同様な雰囲気制御パタン依存性を示す結果
が得られている。すなわち、表1中の比較例6に記した
全域を酸素含有量20%に設定して焼成した場合と比較
して、比較例1に記した全域を酸素含有量100%に設
定して焼成した場合の方が小電流域制限電圧比が著しく
改善される。さらに雰囲気制御パタンCに従って焼成時
の酸素含有量を設定すると、比較例3に記した大・小電
流域制限電圧比が得られる。この大・小電流域制限電圧
比を、全域を酸素含有量100%とした場合(比較例
1)と比較すると、小電流域制限電圧比を悪化させるこ
となく、大電流域制限電圧比を全域を酸素含有量20%
で焼成した場合と同等にまで改善したことになる。換言
すれば、雰囲気制御パタンCに従って焼成することによ
って、全域を酸素中で焼成した場合と同等の小電流域制
限電圧比と、全域を空気中で焼成した場合と同等の大電
流域制限電圧比とを合わせ持つ、非直線性に極めて優れ
た電圧非直線抵抗体が得られる。酸素含有量の切り替え
時期の許容範囲についてもYb23を0.5mol%添
加した場合と同様な結果が得られている。
【0061】希土類酸化物を添加しない場合もYb23
を0.5mol%添加した場合と同様、酸素含有量の設
定許容範囲は表5に記した比較例から設定した。焼成過
程全域を100、80、60、40、20容量%の各酸
素含有量に設定して得られた素子の大・小電流域制限電
圧比を各々比較例1、38〜40、6に記した。各制限
電圧比は、酸素含有量に対して直線的に依存して変化し
ている。小電流域制限電圧比は酸素含有量が高い方が小
さい値が得られ、大電流域制限電圧比は酸素含有量が低
い方が小さい値が得られ、両者の実用上有用である値を
示す範囲としては、酸素含有量が20容量%変動しても
制限電圧比に大きな変化は見られず、酸素含有量を10
0容量%とする過程では80容量%以上であれば十分で
あり、酸素含有量を20容量%とする過程では40容量
%以下であれば十分である。
【0062】(3)Y23を0.5mol%添加した場
合(参考例1、実施例1〜、比較例8〜9、実施例
、比較例41〜42) 表1中の参考例1、実施例1〜、比較例8〜9に記す
ように、Y23を0.5mol%添加した組成物につい
てもYb23を0.5mol%添加した組成物と同様な
雰囲気制御パタン依存性を示す結果が得られている。す
なわち、表1中の比較例8に記した全域を酸素含有量2
0%に設定して焼成した場合と比較して、参考例1に記
した全域を酸素含有量100%に設定して焼成した場合
の方が小電流域制限電圧比が著しく改善される。さらに
雰囲気制御パタンCに従って焼成時の酸素含有量を設定
すると、実施例に記した大・小電流域制限電圧比が得
られる。この大・小電流域制限電圧比を、全域を酸素含
有量100%とした場合(参考例1)と比較すると、小
電流域制限電圧比を悪化させることなく、大電流域制限
電圧比を全域を酸素含有量20%で焼成した場合と同等
にまで改善したことになる。換言すれば、雰囲気制御パ
タンCに従って焼成することによって、全域を酸素中で
焼成した場合と同等の小電流域制限電圧比と、全域を空
気中で焼成した場合と同等の大電流域制限電圧比とを合
わせ持つ、非直線性に極めて優れた電圧非直線抵抗体が
得られる。酸素含有量の切り替え時期の許容範囲につい
てもYb23を0.5mol%添加した場合と同様な結
果が得られている。なお、比較例8、9は非直線性の改
善は見られなかったが、以下に示すバリスタ電圧の増加
は見られた。
【0063】酸素含有量の設定許容範囲は、Yb23
0.5mol%添加した場合と同様、表5に記した参考
例、実施例および比較例から設定した。焼成過程全域を
100、80、60、40、20容量%の各酸素含有量
に設定して得られた素子の大・小電流域制限電圧比を各
参考例1、実施例61、比較例41〜42、8に記し
た。各制限電圧比は、酸素含有量に対して直線的に依存
して変化している。小電流域制限電圧比は酸素含有量が
高い方が小さい値が得られ、大電流域制限電圧比は酸素
含有量が低い方が小さい値が得られ、両者の実用上有用
である値を示す範囲としては、酸素含有量が20容量%
変動しても制限電圧比に大きな変化は見られず、酸素含
有量を100容量%とする過程では80容量%以上であ
れば十分であり、酸素含有量を20容量%とする過程で
は40容量%以下であれば十分である。
【0064】酸素含有量制御の効果は、Y23の添加量
が0.1mol%、0.3mol%、1.0mol%
等、0.5mol%以外の場合においても有効である。
23を0.3mol%添加した場合について表6の
考例16、実施例6467、比較例47、48に記し
た。
【0065】(4)La23を0.5mol%添加した
場合(参考例2、実施例62、比較例10〜1
1、43〜44) 表1中参考例2、実施例および比較例10、11
に記すように、La23を0.5mol%添加した組成
物についてもYb23を0.5mol%添加した組成物
と同様な雰囲気制御パタン依存性を示す結果が得られて
いる。すなわち、表1中の比較例10に記した全域を酸
素含有量20%に設定して焼成した場合と比較して、
に記した全域を酸素含有量100%に設定して焼
成した場合の方が小電流域制限電圧比が著しく改善され
る。さらに雰囲気制御パタンCに従って焼成時の酸素含
有量を設定すると、実施例に記した大・小電流域制限
電圧比が得られる。この大・小電流域制限電圧比を、全
域を酸素含有量100%とした場合(参考)と比較
すると、小電流域制限電圧比を悪化させることなく、大
電流域制限電圧比を全域を酸素含有量20%で焼成した
場合と同等にまで改善したことになる。換言すれば、雰
囲気制御パタンCに従って焼成することによって、全域
の酸素中で焼成した場合と同等の小電流域制限電圧比
と、全域を空気中で焼成した場合と同等の大電流域制限
電圧比とを合わせ持つ、非直線性に極めて優れた電圧非
直線抵抗体が得られる。酸素含有量の切り替え時期の許
容範囲についてもYb23を0.5mol%添加した場
合と同様の結果が得られている。
【0066】酸素含有量の設定許容範囲は、Yb23
0.5mol%添加した場合と同様、表5に記した参考
例、実施例および比較例から設定した。焼成過程全域を
100、80、60、40、20容量%の各酸素含有量
に設定して得られた素子の大・小電流域制限電圧比を各
参考実施例62、比較例43、44および10
に記した。各制限電圧比は、酸素含有量に対して直線的
に依存して変化している。小電流域制限電圧比は酸素含
有量が高い方が小さい値が得られ、大電流域制限電圧比
は酸素含有量が低い方が小さい値が得られ、両者の実用
上有用である値を示す範囲としては、酸素含有量が20
容量%変動しても制限電圧比に大きな変化は見られず、
酸素含有量を100容量%とする過程では80容量%以
上であれば十分であり、酸素含有量を20容量%とする
過程では40容量%以下であれば十分である。
【0067】酸素含有量制御の効果は、La23の添加
量が0.1mol%、0.3mol%、1.0mol%
等、0.5mol%以外の場合においても有効である。
La23を0.3mol%添加した場合について、表6
参考例17、実施例6871、比較例49、50に
記した。
【0068】(5)その他の希土類酸化物を添加した場
合 Yb23、Y23、La23以外の希土類酸化物を添加
した組成物についてもYb23を0.5mol%添加し
た組成物と同様な雰囲気制御パタン依存性を示す結果が
得られている。すなわち、表1〜4に記したCeO
2参考例3、実施例12、比較例12、13)、
またはPr611参考例4、実施例1316、比較
例14、15)、またはNd23参考例5、実施例
20、比較例16、17)、またはSm23参考
例6、実施例2124、比較例18〜19)、または
Eu23参考例7、実施例2528、比較例20〜
21)、またはGd23参考例8、実施例29
、比較例22〜23)、またはTb47参考例9、
実施例3336、比較例24〜25)、またはDy2
3参考例10、実施例3740、比較例26〜2
7)、またはHo23参考例11、実施例41
、比較例28〜29)、またはEr23参考例1
2、実施例4548、比較例30〜31)、またはT
23参考例13、実施例4952、比較例32〜
33)、またはLu23参考例15、実施例57
、比較例36〜37)をR23に換算して0.5mo
l%添加した場合、各々比較例12、16、18、2
0、22、24、26、28、30、32、36に記し
た全域を酸素含有量20%に設定して焼成した場合と比
較して、各々参考
11121315に記した全域を酸素含有量
100%に設定して焼成した場合の方が小電流域制限電
圧比が著しく改善される。さらに雰囲気制御パタンCに
従って焼成時の酸素含有量を設定すると、各々実施例
14182226303438
465058に記した大・小電流域制限電圧比
が得られる。この大・小電流域制限電圧比を、各々全域
を酸素含有量100%とした場合と比較すると、小電流
域制限電圧比を悪化させることなく、大電流域制限電圧
比を全域を酸素含有量20%で焼成した場合と同等にま
で改善したことになる。換言すれば、雰囲気制御パタン
Cに従って焼成することによって、全域を酸素中で焼成
した場合と同等の小電流域制限電圧比と、全域を空気中
で焼成した場合と同等の大電流域制限電圧比とを合わせ
持つ、非直線性に極めて優れた電圧非直線抵抗体が得ら
れる。酸素含有量の切り替え時期の許容範囲についても
Yb23を0.5mol%添加した場合と同様な結果が
得られている。
【0069】これらの希土類酸化物を添加した場合にお
ける大・小電流域制限電圧比の酸素含有量依存性につい
ては、焼成過程全域を100、80、60、40、20
容量%の各酸素含有量に設定して得られた試料の電圧−
電流特性を評価した結果、表5に示した希土類酸化物添
加系と同様に、酸素含有量に対して直線的な依存性が得
られている。小電流域制限電圧比は酸素含有量が高い方
が小さい値が得られ、大電流域制限電圧比は酸素含有量
が低い方が小さい値が得られ、両者の実用上有用である
値を示す範囲としては、酸素含有量が20容量%変動し
ても制限電圧比に大きな変化は見られず、酸素含有量を
100容量%とする過程では80容量%以上であれば十
分であり、酸素含有量を20容量%とする過程では40
容量%以下であれば十分である。
【0070】酸素含有量制御の効果は、これらの希土類
酸化物の添加量が0.1mol%、0.3mol%、
1.0mol%等、0.5mol%以外の場合において
も有効である。
【0071】(6)2段階焼成法(比較例53〜54、
参考例19〜21、実施例7678) 表7中の参考21および実施例78に記すように、
14および実施例54のYb23を0.5mol%
添加した上記組成物をあらかじめ大気雰囲気中にて、1
150℃で5時間第1段階の焼成を行った後、図2に記
した雰囲気制御パタンAまたはCに設定して第2段階の
焼成を行った場合、各々参考例14および実施例54
ほぼ同等の大・小電流域制限電圧比が得られる。
【0072】
【表7】
【0073】この場合、第2段階の最高焼成温度(保持
温度)は第1段階の焼成温度より低い、この場合105
0〜1100℃に設定している。第2段階の最高焼成温
度を第1段階の焼成温度から50℃以内の範囲の温度に
設定すると、第2段階の焼成過程において酸化亜鉛結晶
が粒成長し、その結果素子のバリスタ電圧が低下する。
一方第2段階の最高焼成温度が1000℃以下になる
と、素子内部における酸素の拡散速度が低下するため第
2段階における雰囲気制御の効果が現れにくくなり、9
50℃未満では見られない。
【0074】以上のような2段階焼成法で焼成しても、
上記参考例、実施例に示した1段階で焼成したものと同
等の優れた非直線性が得られるので、特に素子の直径が
100mm以上例えば105mmのように大形な場合に
も、優れた非直線性を備えた電圧非直線抵抗体を生産性
良く製造することが可能となる。すなわち大形素子で
は、エネルギー耐量を向上させるためなどの理由によっ
て素子内部の均一性を良好に保つために、950℃程度
以上の昇温過程の温度勾配を小さく設定する必要があ
る。しかし、高精度な雰囲気制御が可能な焼成炉は一般
に生産効率がトンネル炉より劣る。それゆえ、950℃
程度以上の昇温過程の温度勾配が小さく設定されるため
に、長時間を要する第1段階の昇温過程を大気雰囲気の
トンネル炉にて行った後に、高精度な雰囲気制御の下に
第2段階の焼成を行うことによって、優れた非直線性を
備えた電圧非直線抵抗体を生産性良く製造することが可
能となる。
【0075】上記2段階焼成法は、Yb23以外の希土
類酸化物が添加された場合にも有効である。表7中参考
例19〜20、実施例7677に記すように、Y23
やLa23等、表1に記載した希土類酸化物を添加した
場合にも、各々参考例1、実施例参考例2および
施例6と同等の大・小電流域制限電圧比をもった素子が
得られる。その他の希土類元素においても同様の効果が
みられる。比較例53および54に記すように、希土類
酸化物が添加されていない場合においても同様に有効で
あり、各々比較例1および3と同様の大・小電流域制限
電圧比をもった素子が得られる。希土類酸化物の添加量
が0.1mol%、0.3mol%、1.0mol%
等、0.5mol%以外の場合においても有効である。
【0076】希土類酸化物をR23に換算して0.5m
ol%添加して得られた素子のバリスタ電圧を表8に示
す。
【0077】
【表8】
【0078】参考に記した酸化ランタンL
23、酸化セリウムCeO2、酸化プラセオジムPr6
11、を添加した場合には、比較例1に記した希土類酸
化物を添加しなかった素子と比較してバリスタ電圧は大
きな変化は示さなかった。一方参考例1、
1011121314および15に記
した酸化イットリウムY23、酸化ネオジムNd23
酸化サマリウムSm23、酸化ユーロピウムEu23
酸化ガドリニウムGd23、酸化テルビウムTb47
酸化ディスプロシウムDy23、酸化ホルミウムHo2
3、酸化エルビウムEr23、酸化ツリウムTm
23、酸化イッテルビウムYb23および酸化ルテチウ
ムLu23の一種をR23に換算して0.5mol%添
加した場合には、比較例1に記した希土類酸化物を添加
しなかった素子と比較してバリスタ電圧は大きく増大
し、概ね400V/mm以上、少なくとも380V/m
m以上となった。また、表8には雰囲気制御パタンA〜
Eの雰囲気制御の代表例として全焼成過程を酸素中で行
った場合の値を示したが、上記参考例に用いた組成物を
上記のような雰囲気制御パタンと異なる雰囲気で焼成し
た場合(比較例8、9、16、17、18、19、2
0、21、22、23、24、25、26、27、2
8、29、30、31、32、33、34、35、3
6、37、実施例61、比較例41、42、実施例
、比較例45、46)のバリスタ電圧も表8と同様の
値を示した。
【0079】バリスタ電圧の増大を上記(1)式との関
連で把握するために、上記の試料における酸化亜鉛結晶
の平均粒子径を評価した。評価にあたっては、素子の微
細構造をSEM(走査型電子顕微鏡)によって撮影し、
1素子から数ケ所を任意に選び出して拡大図を作成し、
画像処理装置により平均粒子径を算出した。本発明で使
用した画像処理装置では、上記拡大図のうち、図3に示
したスピネル粒子1および酸化ビスマス3の領域を酸化
亜鉛2と識別すべく前処理した後、各酸化亜鉛結晶粒子
の面積を計測し、各酸化亜鉛結晶粒子の面積と等しい面
積をもつ円の直径(等価円直径)を算出し、この等価円
直径の相加平均値をもって酸化亜鉛粒子の平均粒子径と
した。この際、SEM像の撮影倍率および拡大・前処理
段階におけるSEM像の拡大率を画像処理装置に入力
し、逆算することは述べるまでもない。
【0080】表8に記したように、希土類酸化物を無添
加の試料および酸化ランタン、酸化セリウムおよび酸化
プラセオジムの一種を添加した試料では平均粒子径が
6.5μm以上であったが、酸化イットリウム、酸化ネ
オジム、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、酸化ガド
リニウム、酸化テルビウム、酸化ディスプロシウム、酸
化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イ
ッテルビウムおよび酸化ルテチウムの一種を添加した試
料では平均粒子径が概ね5.5μm程度となっていた。
このことから、バリスタ電圧の増加は酸化亜鉛の平均粒
子径の減少によるものであることが明確になり、避雷器
の小形化に有効であるおよそ400V/mm以上のバリ
スタ電圧をもった電圧非直線抵抗体を得るためには、酸
化イットリウム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化
ユーロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸
化ディスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウ
ム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウムおよび酸化ルテ
チウムの少なくとも一種を添加し、得られた素子の平均
粒子径を概ね6μm以下に制御することが必要であるこ
とが理解される。
【0081】希土類元素種による酸化亜鉛結晶の結晶粒
成長抑制効果の違いと、表9に記した希土類イオンの基
本的な性質の1つであるイオン半径との関連を図5に示
した。
【0082】
【表9】
【0083】図5はこの発明の実施例、参考例に係わる
添加した希土類イオンのイオン半径と電圧非直線抵抗体
のバリスタ電圧の関係を示す特性図である。イオン半径
値はイオンの電荷および結晶中における配位数に依存す
るが、バリスタの結晶組織中における希土類イオンの正
確な電荷および配位数が現時点では不明であるので、代
表的なイオン半径値の1つである+3価・6配位におけ
る値を採用した。図5から、酸化亜鉛結晶粒の粒成長抑
制効果をもつもの、すなわち図5において約380V/
mm以上のバリスタ電圧を与えるものは、上記イオン半
径が1.0Å以下の希土類元素、すなわちY、Nd、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Luであることが判明した。
【0084】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、酸化亜鉛を主
成分とし酸化ビスマスを含有し、かつ希土類元素(R)
の酸化物をR23に換算して0.05〜1.0mol%
含有する電圧非直線抵抗体組成物に、所定温度まで昇温
する昇温過程、上記所定温度域の保持温度に所定時間保
持する温度保持過程および上記保持温度から降温する降
温過程を経る焼成を施す製造方法であって、上記焼成の
昇温過程から温度保持過程の降温過程側にわたり降温過
程へ移行する前までと、昇温過程の600℃未満とが酸
素含有量80%以上の雰囲気で施され、のこりの過程
素含有量40%以下の雰囲気で施されるので、小電流
域の制限電圧比が小さく平坦性に優れた電圧非直線抵抗
体の製造方法を得ることができ、例えば、避雷器の保護
性能の向上を達成することができる。また、電圧非直線
抵抗体組成物が希土類元素(R)の酸化物をR23に換
算して0.05〜1.0mol%含有しているので、上
記効果に加えてさらに大電流平坦率が改善された電圧非
直線抵抗体の製造方法を得ることができる。
【0085】請求項2の発明によれば上記焼成の降温過
程のうち600℃以上の降温過程の少くとも一部が酸素
含有量40%以下の雰囲気であるので、大電流域から小
電流域にわたって、制限電圧比が小さく平坦性に優れた
電圧非直線抵抗体の製造方法を得ることができる。
【0086】請求項3の発明によれば上記焼成の降温過
程のうち800℃以上の降温過程の少くとも一部が酸素
含有量40%以下の雰囲気であるので、大電流域から小
電流域にわたって、制限電圧比がより小さくさらに平坦
性に優れた電圧非直線抵抗体の製造方法を得ることがで
きる。
【0087】請求項4の発明によれば酸化亜鉛を主成分
とし酸化ビスマスを含有し、かつ希土類元素(R)の酸
化物をR23に換算して0.05〜1.0mol%含有
する電圧非直線抵抗体組成物に第1の焼成過程を施した
後、請求項1ないし3の何れかに記載の焼成を施し、そ
の保持温度が950℃以上、上記第1の焼成過程の焼成
温度以下であるので、大形であっても、優れた非直線性
を備えた電圧非直線抵抗体の生産性の良い製造方法を得
ることができる。
【0088】請求項5の発明によれば、上記請求項1〜
4の発明における希土類元素が、イオン結晶のイオン間
距離から求めたイオン半径が+3価、6配位状態におい
て1.0Å以下の希土類元素であるので、上記効果に加
えてさらにバリスタ電圧の大きい電圧非直線抵抗体の製
造方法を得ることができ、例えばコンパクトな避雷器を
得ることができる。
【0089】なお、酸化亜鉛を主成分とし、イオン結晶
のイオン間距離から求めたイオン半径が+3価、6配位
状態において1.0Å以下である希土類元素(R)の酸
化物をR23に換算して0.05〜1.0mol%と、
酸化ビスマスとを含有する電圧非直線抵抗体は、酸化亜
鉛結晶の結晶粒成長が抑制されるため単位長さ当たりの
結晶粒界の数が増加し、バリスタ電圧の大きい電圧非直
線抵抗体となる。
【0090】また、酸化亜鉛を主成分とし酸化ビスマス
を含有し、等価円直径法によって求めた酸化亜鉛結晶粒
の平均結晶粒径が6μm以下であり、平均粒子径が小さ
い電圧非直線抵抗体は、式(1)からもわかるようにバ
リスタ電圧の大きい電圧非直線抵抗体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の参考例、実施例および比較例に係
わる雰囲気制御パタンと小電流域制限電圧比および大電
流域制限電圧比の関係を示す説明図である。
【図2】 この発明の参考例、実施例および比較例に係
わる焼成過程と雰囲気制御パタンとの関係を示す説明図
である。
【図3】 一般的な電圧非直線抵抗体の結晶組織の一部
の微細構造を示す模式図である。
【図4】 一般的な電圧非直線抵抗体の電圧−電流特性
を示す特性図である。
【図5】 この発明の実施例、参考例に係わる希土類イ
オンのイオン半径と電圧非直線抵抗体のバリスタ電圧の
関係を示す特性図である。
【符号の説明】
2 酸化亜鉛粒子、3 酸化ビスマス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 秀城 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 中條 博史 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 小林 正洋 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 伊丹製作所内 (72)発明者 藤原 幸雄 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭49−85591(JP,A) 特開 昭53−86497(JP,A) 特開 昭50−102895(JP,A) 特開 昭51−9297(JP,A) 特開 平4−245603(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とし酸化ビスマスを含
    有し、かつ希土類元素(R)の酸化物をR23に換算し
    て0.05〜1.0mol%含有する電圧非直線抵抗体
    組成物に、所定温度まで昇温する昇温過程、上記所定温
    度域の保持温度に所定時間保持する温度保持過程および
    上記保持温度から降温する降温過程を経る焼成を施す製
    造方法であって、上記焼成の昇温過程から温度保持過程
    の降温過程側にわたり降温過程へ移行する前までと、降
    温過程の600℃未満とが酸素含有量80%以上の雰囲
    気で施され、のこりの過程が酸素含有量40%以下の雰
    気で施されることを特徴とする電圧非直線抵抗体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のものにおいて、焼成の
    降温過程のうち600℃以上の降温過程の少くとも一部
    が酸素含有量40%以下の雰囲気であることを特徴とす
    る電圧非直線抵抗体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のものにおいて、焼成の
    降温過程のうち800℃以上の降温過程の少くとも一部
    が酸素含有量40%以下の雰囲気であることを特徴とす
    る電圧非直線抵抗体の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化亜鉛を主成分とし酸化ビスマスを含
    有し、かつ希土類元素(R)の酸化物をR23に換算し
    て0.05〜1.0mol%含有する電圧非直線抵抗体
    組成物に第1の焼成過程を施した後、請求項1ないし3
    の何れかに記載の焼成を施し、その保持温度が950℃
    以上、上記第1の焼成過程の焼成温度以下である電圧非
    直線抵抗体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載のもの
    において、希土類元素が、イオン結晶のイオン間距離か
    ら求めたイオン半径が+3価、6配位状態において1.
    0Å以下の希土類元素であることを特徴とする電圧非直
    線抵抗体の製造方法。
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