JP2871439B2 - 積層型磁気ヘッド - Google Patents
積層型磁気ヘッドInfo
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Description
層が積層された浮上式などの磁気ヘッドに係り、特に接
合作業を容易にし、しかも機械的強度が高く、また熱膨
張係数を比較的自由に選択できる磁性基板を使用できる
ようにした積層型磁気ヘッドに関する。
ハードディスク装置などに使用される浮上式磁気ヘッド
を示す斜視図である。この浮上式磁気ヘッドはスライダ
1とコア2とを有し、コア2にコイル(図示せず)が巻
かれている。スライダ1では、非磁性基板aと非磁性基
板bの間に金属磁性層Mが挟まれている。コア2も非磁
性基板cと非磁性基板dとの間に金属磁性層Mが挟まれ
ている。そして、スライダ1とコア2のそれぞれの金属
磁性層どうしの対向部に磁気ギャップGが形成されてい
る。
を拡大して示した断面図である。従来の積層型磁気ヘッ
ドにおける非磁性基板a〜dは、いずれもチタン酸カル
シウムなどのセラミック材料により形成されている。ス
ライダ1では、セラミック材料の非磁性基板aの表面
に、接合および金属磁性層の拡散防止のための下地膜m
1が形成され、これに高飽和磁束密度の金属磁性層Mが
積層され、さらに拡散防止のための下地膜m2が積層さ
れている。これに、ガラスまたは接着剤などの接着層g
1を介して非磁性基板bが接着固定されている。その積
層工程としては、非磁性基板aに、下地膜m1、金属磁
性層M、下地膜m2、接着層g1をスパッタリングによ
り順に積層し、その後に非磁性基板bを接合し、加圧し
て接着層g1の熱硬化温度に加熱し、接着作業を行って
いる。コア2においても同様であり、非磁性基板c、下
地膜m1、金属磁性層M、下地膜m2、接着層g1およ
び非磁性基板dの順に積層されている。そしてスライダ
1とコア2とがガラス材料g2を介して積層され、金属
磁性層Mどうしの対向部に磁気ギャップGが形成されて
いる。
ドの構造は、非磁性基板a〜dとしてチタン酸カルシウ
ムなどの接着性のないセラミック材料が使用されていた
ため、図6に示すように非磁性基板bおよびdを接着接
合するために、接着層g1を設けなければならなかっ
た。前述のように接着層g1は例えばガラスをスパッタ
リングすることにより形成しているため、その積層工程
が多くなり、製造コストが高くなっている。また接着層
g1の膜の厚さがばらつくことにより、接着強度に差が
生じることがあり、接着力が弱くなって剥がれるなどの
問題が生じるおそれがあった。
あり、非磁性基板の接合のための接着層を不要にして接
着作業を簡単にし、また充分な接着強度を得ることがで
きるようにし、しかも機械的強度が高い非磁性基板を使
用できるようにした積層型磁気ヘッドを提供することを
目的としている。
金属磁性層が積層された積層型磁気ヘッドにおいて、前
記非磁性基板が結晶化ガラスにより形成されていること
を特徴とし、
する積層型磁気ヘッドにおいて、少なくとも一方の非磁
性基板が結晶化ガラスにより形成されていることを特徴
とし、
金属磁性層が介在するヘッドブロックと、金属磁性層を
含まないスライダブロックとが接合されていることを特
徴とするものである。
ガラスとの間に下地膜を形成することが可能である。
ラス中に核形成剤を溶融させ、再加熱により結晶を析出
成長させたもの、あるいは粉末にしたガラスを軟化点以
上の温度で加熱して、結晶を析出成長させたものであ
る。
イ酸塩系、ホウ酸塩系、ホウケイ酸塩系、リンケイ酸塩
系などであり、具体的には、Li2O−Al2O3−Si
O2、Na2O−Al2O3−SiO2、MgO−Al2O3
−SiO2、Na2O−CaO−MgO−SiO2、Pb
O−ZnO−B2O3、ZnO−B2O3−SiO2系など
である。
その形状を変えることなく接着性を呈する性質に着目し
たものである。積層型磁気ヘッドの非磁性基板そのもの
を結晶化ガラスによって形成することにより、この非磁
性基板と金属膜との接合、または他のブロックとの接合
などの際に接着層を介在させる必要がなくなる。すなわ
ち結晶化ガラスの非磁性基板を金属膜や他のブロックに
突き当て、加圧して加熱することにより、充分な強度に
て接着を完了できる。
うに、接着強度のばらつきや接着不良が生じにくくな
る。さらに結晶化ガラスは機械的強度が高く、熱膨張係
数を低くでき、さらに切断や研磨などの機械加工が可能
な材料であるため、磁気ヘッドの基板として充分な機能
を発揮でき、また浮上式磁気ヘッドのスライダなどのよ
うな複雑な形状も比較的簡単に加工できる。
る。図1と図2は本発明の積層型磁気ヘッドの一例とし
て、浮上式磁気ヘッドの構造を示す斜視図である。図1
に示すものは、磁気ヘッドブロック11とスライダブロ
ック12とが接合されたものである。磁気ヘッドブロッ
ク11は、スライダコア13と接合コア14とから構成
されている、図1に示す磁気ヘッドの外形形状は、図2
および図7に示すものと同じである。
ある。スライダコア13は、共に結晶化ガラスにより形
成された非磁性基板AとBの間に、金属磁性層Mが密着
して介装されている。同様に接合コア14も、共に結晶
化ガラスにより形成された非磁性基板CとDの間に金属
磁性層Mが密着して介装されている。この金属磁性層M
は、高飽和磁束密度の磁性材料であり、例えばFe−T
a−C系の微結晶材料などである。そしてスライダコア
13と接合コア14とがガラス材料(これも結晶化ガラ
スなどが使用される)g2により接合され、金属磁性層
Mどうしの接合部に磁気ギャップGが形成されている。
図4は図1のIV部分の拡大断面図である。スライダブ
ロック12は、チタン酸カルシウムなどの従来と同じセ
ラミック材料により形成されている。そしてスライダコ
ア13を構成する結晶化ガラスの非磁性基板AとBがこ
のスライダブロック12に直接に接着接合されている。
明する。まず、非磁性基板Aとなる結晶化ガラスのブロ
ックの表面に磁性金属層Mをスパッタリングにより形成
し、次に非磁性基板Bとなる結晶化ガラスのブロックを
突き当て、両ブロックを加圧しながら所定温度に加熱す
る。この加圧・加熱により、金属磁性層Mと、非磁性基
板Bとなる結晶化ガラスブロックとが接着され、さらに
金属磁性層Mと、非磁性基板Aとなる結晶化ガラスの密
着も強くなる。またこれと同時にあるいはこれとは別の
工程にて、スライダブロック12となるセラミック材料
に非磁性基板AとBとなる結晶化ガラスのブロックを突
き当て、加圧し加熱して結晶化ガラスとセラミック材料
とを直接に接着する。
うしおよびセラミック材料のブロックとが接合されたも
のを機械加工し、図1に示すスライダブロック12とス
ライダコア13とが一体化されたものを切り出す。接合
コア14も同様の工程により製造され、結晶化ガラスの
非磁性基板Cと金属磁性層Mおよび結晶化ガラスの非磁
性基板Dとが強固に接着接合されたものとなる。そして
この接合コア14がガラス材料g2によりスライダコア
13に接合され、磁気ギャップGを有する磁気ヘッドの
製造が完了する。
示すように、非磁性基板AとBの間、および非磁性基板
CとDの間に、金属磁性層Mが一層介在しているだけで
あるため、積層構造が従来に比べて簡単になり、製造コ
ストを低減できる。また非磁性基板A,B,C,Dその
ものが加熱により接着性を呈するため、従来の薄膜の接
着層を使用したものに比べて、接着品質を均一にでき、
接着不良の発生を防止できる。さらに図4に示すよう
に、スライダコア13とスライダブロック12との接合
部にも接着層を設ける必要がなく、加圧および加熱によ
り、チタン酸カルシウムなどのスライダブロック12
に、結晶化ガラスの非磁性基板AおよびBを充分な接着
強度にて接着接合できる。
まないスライダブロック12を接合しているため、金属
磁性層Mが短くなり、金属磁性層Mの面積および体積が
小さくなっている。よって金属磁性層Mに外部ノイズに
対する影響が少なくなり、記録再生機能に外部ノイズに
よる悪影響が及ぶことが少なくなる。なお、図1におい
て、スライダブロック12を結晶化ガラスにより形成し
てもよい。同様に各部の材料の組み合わせは種々考えら
れ、例えば非磁性基板Aをチタン酸カルシウムなどの接
着性のないセラミック材料により形成し、その表面に下
地膜を介して金属磁性層Mを積層し、これに結晶化ガラ
ス製の非磁性基板Bを接着接合してもよい。接合コア1
4においても同じであり、非磁性基板CとDの一方がチ
タン酸カルシウムなどの非磁性材料で、他方が結晶化ガ
ラスであってもよい。
ア21と接合コア22とから成るものである。スライダ
コア21は非磁性基板EとFとの間に、金属磁性層Mが
密着して介装され、接合コア22は、非磁性基板HとJ
との間に、金属磁性層Mが密着して介装されている。図
3に示したのと同様に、非磁性基板EとFは共に結晶化
ガラスにより形成され、両基板間に金属磁性層Mが介装
され、加圧・加熱により互いに接着されたものとなって
いる。非磁性基板HとJも結晶化ガラスである。この場
合においても、例えば非磁性基板EとHをチタン酸カル
シウムなどのセラミック材料とし、非磁性基板FとJを
結晶化ガラスにより形成するなど、その組み合わせは自
由である。すなわち、非磁性基板の一方のみを結晶化ガ
ラスとした場合でも、チタン酸カルシウムなどのセラミ
ックの非磁性基板に下地膜を介して金属磁性層Mをスパ
ッタリングなどにより積層すれば、これに対し接着層を
設けることなく結晶化ガラスの非磁性基板を接着でき、
同様に接着層をなくす効果を得ることができる。
る非磁性基板AとBの間に、金属による下地膜m1とm
2とで挟まれた金属磁性層Mを介装してもよい。この構
造により、金属磁性層M内の金属原子または分子の結晶
化ガラス内への拡散を防止できる。この場合であって
も、接着層は不要であり、加圧・加熱により結晶化ガラ
スの非磁性基板A,Bと下地膜m1,m2とが充分な強
度にて接着される。なお、本発明は上記の浮上式磁気ヘ
ッドに限られるものではなく、非磁性基板に一層または
多層の金属磁性層が積層されるものであればどのような
用途のものであっても実施可能である。
ガラスの非磁性基板を使用することにより、この非磁性
基板と金属膜との接合、または非磁性基板と他の部分と
の接合の際に、接着層を介在させる必要がなくなる。よ
って接着層を積層するための工程が不要になって製造コ
ストが低減される。また従来のように接着層の層の厚さ
のばらつきなどによる接着強度の低下が生じないため、
接着品質も高くできる。
膨張係数が比較的自由に選択できるため、磁気ヘッド用
の基板として最適である。また結晶化ガラスは切削や研
磨などの機械加工が可能であるため、例えば結晶化ガラ
スの基板を、浮上式磁気ヘッドのスライダの形状にする
ことも容易である。
磁気ヘッドを示す斜視図、
接合部の拡大断面図、
気ヘッドを示す斜視図、
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性基板に金属磁性層が積層された積
層型磁気ヘッドにおいて、前記非磁性基板が結晶化ガラ
スにより形成されていることを特徴とする積層型磁気ヘ
ッド。 - 【請求項2】 非磁性基板の間に金属磁性層が介在する
積層型磁気ヘッドにおいて、少なくとも一方の非磁性基
板が結晶化ガラスにより形成されていることを特徴とす
る積層型磁気ヘッド。 - 【請求項3】 結晶化ガラスの非磁性基板の間に金属磁
性層が介在するヘッドブロックと、金属磁性層を含まな
いスライダブロックとが接合されていることを特徴とす
る積層型磁気ヘッド。 - 【請求項4】 金属磁性層と結晶化ガラスとの間に下地
膜が形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載
の積層型磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35081293A JP2871439B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 積層型磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35081293A JP2871439B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 積層型磁気ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07192424A JPH07192424A (ja) | 1995-07-28 |
JP2871439B2 true JP2871439B2 (ja) | 1999-03-17 |
Family
ID=18413048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35081293A Expired - Fee Related JP2871439B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 積層型磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2871439B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP35081293A patent/JP2871439B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07192424A (ja) | 1995-07-28 |
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