JP2870763B2 - 抗菌剤 - Google Patents

抗菌剤

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JP2870763B2
JP2870763B2 JP63189833A JP18983388A JP2870763B2 JP 2870763 B2 JP2870763 B2 JP 2870763B2 JP 63189833 A JP63189833 A JP 63189833A JP 18983388 A JP18983388 A JP 18983388A JP 2870763 B2 JP2870763 B2 JP 2870763B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規抗生物質バーミスポリン又はその塩を有
効成分とする抗菌剤に関するものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
従来、種々の抗生物質が、医薬品、化粧料、動物用薬
品、農薬等の分野で実用化されている。しかしながら、
例えば、嫌気性細菌に対して有効な抗菌活性を示す物質
が未だそれ程多く見出されていないため、嫌気性細菌に
起因する日和見感染症、皮膚病等の医薬分野においては
新規の抗菌抗生物質の出現が常に要望されている。
本発明者らは、以上のような点に着目し、新規な抗菌
抗生物質を提供するとともに、特に嫌気性細菌に起因す
る感染症の治療又は予防法を確立することによって、こ
れを解決しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上述の期待にこたえるべく、抗菌活性
を有する物質の探索を続けていたところ、オフイオボル
ス属に属するある菌株の培養物中に、抗菌活性、特に嫌
気性菌に対して強い抗菌活性を有する物質が生産されて
いることを見い出し、有効物質バーミスポリンを単離
し、その理化学的性状を確定し、かかるバーミスポリン
又はその塩が、嫌気性菌に起因する日和見感染症、皮膚
病等に有効であることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨は、下記の理化学的性質を有す
る新規抗生物質バーミスポリン又はその塩を有効成分と
する抗菌剤に存する。
(イ)元素分析値: 炭素 70.18% 水素 8.73% 窒素 3.10% (ロ)分子量: 415(HR−MS m/Z415.2719,M+) (ハ)分子式: C25H37NO4 (ニ)比旋光度: ▲〔α〕20 D▼=+73.8°(C1.0,クロロホルム) (ホ)紫外部吸収スペクトル: メタノール溶液中で測定したスペクトルは第1図に示
す通りである。
(ヘ)赤外部吸収スペクトル: クロロホルム溶液中で測定したスペクトルは第2図に
示す通りである。
(ト)水素核核磁気共鳴スペクトル: 重クロロホルム溶液中で測定した400MHz水素核核磁気
共鳴スペクトルは第3図に示す通りである。
(チ)炭素核核磁気共鳴スペクトル: 重クロロホルム溶液中で測定した100MHz炭素核核磁気
共鳴スペクトルは第4図に示す通りである。
(リ)溶解性: クロロホルム、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エ
チル、メタノール及びエタノールに可溶。n−ヘキサン
及び水に不溶。
(ヌ)呈色反応: 10%硫酸及びモリブデン酸試薬に陽性。グレイグ・リ
ーバック試薬及びニンヒドリン試薬に陰性。
(ル)薄層クロマトグラフィー: メルク社製シリカゲル薄層(Art5714)を使用し、展
開溶媒がクロロホルム−メタノール(30:1)の場合Rf値
が0.63、同薄層を使用し、展開溶媒がトルエン−アセト
ン(2:1)の場合Rf値が0.52。
(ヲ)外観: 無色油状であることを特徴とする。
以下本発明を詳細に説明する。
紫外部吸収スペクトルのλmaxのパターンから、本発
明のバーミスポリンはテヌアゾ酸骨格を有することが推
定され、上述した理化学的性状および後述の第2表に示
す生物学的性状と本発明化合物に類似する既知のテヌア
ゾ酸骨格を有する抗生物質のそれとを比較すると、該当
する物質はなく、バーミスポリン(Vermisporin)は新
規な抗生物質と判断された。
上述の本発明の新規な抗生物質バーミスポリンの生産
菌は、オフイオボルス属(Ophiobolus属)に属する微生
物であって、その培養物中に採取するに充分な量の抗生
物質バーミスポリンを生産する能力を有するものであれ
ばいかなるものであってもよい。このような菌株の例と
しては、本発明者らにより草本性植物体より新たに分離
された小房子嚢菌綱に属するL−8菌株がある。L−8
菌株の菌学的性状は下記の通りである。
形態学的特徴 子嚢果は宿主植物上に散在〜群生する,はじめ植物表
皮下に埋没して生じる,のちに表皮を破り乳頭状に突出
した頸部を生じる,球形〜亜球形、直径230〜450μm,高
さ300〜420μm;頸部は直径110〜155μm,長さ130〜180μ
m,頸部孔口内面に無色のペリフイシスを有する;殻壁は
厚さ25〜40μm,5〜10層の多角形〜長方形の細胞からな
り、外側は黒褐色,厚膜,内側では淡色,薄膜となる。
子嚢は多数生じる,円筒形〜こん棒形,100〜135×10〜1
5μm,基部に向かって細まる,頂端は丸く,厚膜,二重
壁,8胞子性;偽側系は糸状,隔壁を有する。子嚢胞子は
子嚢内に平行状あるいはラセン状にねじれて束状に配列
する,こん棒形〜長円筒形,90〜110×5〜7μm,無色,
ほぼまっすぐまたはやや彎曲する,通常7隔壁を有す
る;各細胞は顕著な膨大細胞を欠く,また狭窄した細胞
も欠く,各細胞には1〜3個の油滴状含有物が存在す
る;胞子両極にゼラチン様の付属体を有する。
各種培地上における培養上の特徴 (イ)ジャガイモ・ブドウ糖寒天培地(PDA)上27℃,10
日間の培養 コロニーは10日間で直径2〜3cmに拡がる。色調は,
はじめ明るいオリーブ灰色を呈し,のちに暗いオリーブ
灰色になる。基底菌糸は放射状に伸長し,分枝する,巾
4.0〜7.0μmに至る,隔壁を有する。気生菌糸を豊富に
形成する。寒天培地上では完全世代及び不完全世代の生
殖器官の形成は認められない。
(ロ)麦芽寒天培地(MA)上,27℃,10日間の培養 本培地上での培養上の特徴は上記PDA上での性質と一
致する。
生理的性質 (イ)最適生育条件 最適pH:6〜7(LCA液体培地中,14日間培養) 最適温度:27〜30℃(PDA寒天培地上,14日間培養) (ロ)生育の範囲 pH:4〜10(LCA液体培地中,14日間培養) 温度:20℃〜30℃(PDA寒天培地上,14日間培養) 分類学的考察 (イ)高次の分類学上の位置 本菌株(L−8)は,草本性植物体上に着生して生
じ,フラスコ型の子嚢果を形成する。永続性の偽側糸
(pseudoparaphysis)の間に子嚢を形成する。子嚢は二
重壁構造を持つ。子嚢胞子は多隔壁である等の主な特徴
を持つことから,L.Holm,Symb.Botan.Upsal.,14(3),1
−188(1957);Luttrell,Loculoascomycetes,The Fung
i,Vol.4A(ed.G.C.Ainsworth et al.),135−219(197
3);J.A.von Arx & E.Mller,Stud.Mycol.,9,1−159
(1975)等によって分類されている小房子嚢菌綱(ロキ
ュロアスコミセイテス,Loculoascomycetes)−プレオス
ポラ目(Pleosporales)−ブレオスポラ科(Pleosporac
eae)に帰属される。
(ロ)属レベルの同定 J.A.von Arx & E.Mller,Stud.Mycol.,9,1−159(1
975)のプレオスポラ科(Pleosporaceae)に関する分類
学的文献によれば,本科には77属が含まれている。77属
中細長い円筒形〜糸状の子嚢胞子を持つ属菌として,オ
フイオボルス(Ophiobolus)属,ノドウロスファエリア
(Nodulosphaeria)属,コクリオボルス(Cochliobolu
s)属が挙げられる。これらの属は1)子嚢果外面の剛
毛の有無,2)頸部孔口内面の剛毛の有無,3)子嚢胞子各
細胞の膨大細胞の有無,4)培養に基づいた分生子世代の
有無等から,それぞれ識別されている。
本菌株(L−8)は,1)子嚢果外面に剛毛を欠く,2)
頸部孔口内面に剛毛を欠く,3)子嚢胞子は細長い円筒
形,膨大細胞を欠く,4)各種培地上で分生子世代を形成
しない等の特徴を持つ。
これらの特徴から、本菌株(L−8)はオフイオボル
ス(Ophioblus)属菌と同定された。
(ハ)種レベルの同定 R.A.Shoemaker,Can.J.Bot.,54,2365−2404(1976)の
オフイオボルス(Ophiobolus)属に関する分類学的文献
によれば,本属には,31種が記載されている。これらの
種は,それぞれ子嚢胞子の諸性質,即ち,胞子の形,大
きさ,隔壁数,膨大細胞の有無,分節の有無,付属体の
有無,色調等によって区別されている。
本菌株(L−8)は,1)子嚢胞子は細長い円筒形〜こ
ん棒形,100〜135×10〜15μmの大きさ,2)7隔壁を有
する,3)膨大細胞を欠く,4)各細胞は永続的に分節する
ことはない,5)胞子両極にゼラチン状の付属体を有す
る,6)胞子は無色等の特徴を有することから,R.A.Shoem
aker,Can.J.Bot.,54,2393(1976)に記載されているオ
フイオボルス・バーミスポオルス(Ophiobolus vermisp
orus)の性質と一致した。
従って本菌株(L−8)はOphiobolus vermisporusと
同定された。
L−8株は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研
条寄第1636号(FERM BP−1636)として寄託されてい
る。
一般に,オフイオボルス属(Ophiobolus属)菌は、他
の菌類の場合にみられるようにその性状が変化しやす
い。たとえば,L−8株の,またはこの株に由来する突然
変異株(自然発生または誘発性),形質接合体または遺
伝子組換え体であっても,抗生物質バーミスポリンの生
産能を有するものはすべて本発明の方法に使用すること
ができる。
本発明においては、前記の菌を通常の微生物が利用し
うる栄養物を含有する培地で培養する。栄養源として
は、グルコース、水あめ、デキストリン、シュークロー
ス、澱粉、糖密、動・植物油等を使用できる。また窒素
源として、大豆粉、小麦はい芽、コーンスティーブ・リ
カー、綿実粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸
アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素等を使用できる。その
他、必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、
マグネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸及びその他
のイオンを生成することのできる無機塩類を添加するこ
とは有効である。また菌の生育を助け、抗生物質バーミ
スポリンの生産を促進するような有機及び無機物を適当
に添加することができる。
培養法としては、好気的条件での培養法、特に深部培
養法が最も適している。培養に適当な温度は20〜30℃で
ある。
バーミスポリンの生産は培地や培養条件により異なる
が、振とう培養、タンク培養とも通常3〜10日の間でそ
の蓄積が最適に達する。培養物中のバーミスポリンの蓄
積量が最高になった時に培養を停止し、培養液から目的
物質を単離精製する。
本発明のバーミスポリンは、脂溶性物質であるので、
培養物からバーミスポリンの単離、精製にあたっては、
その特性を利用して行なうことができる。すなわち、ア
ンバーライトXAD−2(ローム・アンド・ハース社
製)、ダイヤイオンHP−20(三菱化成社製)等の合成吸
着剤、セファデックスLH−20(フアルマシア社製)、ト
ヨパールHW−40(東洋曹達社製)等のゲル過剤、酢酸
エチル、クロロホルム等による溶媒抽出法;シリカゲ
ル、アルミナ等によるカラムクロマトグラフィー;さら
にシリカゲルを担体とした分取薄層クロマトグラフィー
等が有効である。
以上のような方法により、あるいはこれらを適宜組合
わせることにより、前述の理化学的性質を有する高純度
のバーミスポリンが得られる。
また、本発明のバーミスポリンの塩、例えば、Na塩、
K塩、NH4塩、Ca塩、Mg塩等は、上述のようにして得ら
れたバーミスポリンから常法に従って容易に得ることが
できる。
尚、各精製工程におけるバーミスポリンの検定にあた
っては、検定菌として、バクテロイデス・フラジリス
(Bacteroides fragilis)2271を用い、ペーパーディス
ク法によって行なう。ペーパーディスク法による寒天培
地上の生育阻止円径は20〜700μg/mlにおいて、濃度の
対数と直線関係を示し、15〜23mmの阻止円を与える。
本発明のバーミスポリン又はその塩は、後述の表2及
び表3に示したように各種嫌気性菌を特異的に阻止す
る。嫌気性菌は産婦人科領域、歯科領域、消化管感染症
あるいは日和見感染症を含む重症感染症の起因菌として
臨床上問題になっており、該嫌気性菌に対して有効な抗
菌活性を有する本発明のバーミスポリン又はその塩は、
これらの治療又は予防のための医薬品として有効に使用
し得る。
さらに、本発明のバーミスポリン又はその塩は、後述
の表2に示すように、アクネ(尋常性座瘡)原因菌とさ
れるプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibact
erium acnes)に対して有効な抗菌力を示す。座瘡は思
春期に突発的に発症し、大部分は20〜25才の間に自然に
退行する多形の皮膚病である。座瘡はそれに感染した個
々人において、額、顔面、鼻翼、上半身、背中などのよ
うな皮脂腺の多い領域に発症するが、とくに顔は発症し
やすい場所であり、美観上非常に重要な問題になってお
り、本発明のバーミスポリン又はその塩はその治療薬と
して、或いは、化粧料として有効に使用し得る。
本発明のバーミスポリン又はその塩を医薬として使用
する場合、本剤を単独で使用してもよいし、適当な担体
と混合して使用することができる。固体担体としては、
ワックス類(例えば、ポリエチレングリコール、鯨蝋、
木蝋など)が用いられる。液体担体としては、水、アル
コール類(メチルアルコール、エチルアルコール、グリ
コール、グリセリンなど)、グリコールエーテル類(エ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コール、モノメチルエーテルなど)、及び油脂類(オリ
ーブ油など)が挙げられる。さらに必要に応じて、希釈
液、増量剤、安定化剤等の公知添加剤を添加してもよ
い。剤型としては、粉末状、粒剤、乳剤、軟膏剤等の種
々の形態をとり得る。
また、本発明のバーミスポリン又はその塩を化粧料と
して使用する場合、本剤に加えて、化粧料基剤として化
粧料のタイプに応じて、油分、水などを配合することが
でき、さらに必要に応じて界面活性剤、保湿剤、低級ア
ルコール、増粘剤、香料、酸化防止剤、キレート剤、色
素、防腐防黴剤などの化粧料に用いられる慣用成分を配
合することができる。
化粧料の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化
系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系な
ど、どのような剤型でも構わない。
また、本発明の化粧料の用途も任意であり、化粧水、
乳液、クリーム、軟膏、パック等のフェーシャル化粧
料、ファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキ
ャップ化粧料やボディー化粧料、芳香化粧料等にも用い
ることができる。
本発明の医薬品としての有効成分は、数100mg〜数g/
人の範囲で使用し得る。また化粧料としての有効成分は
化粧料全量中に、0.01〜1重量%の範囲で配合し得る。
〔発明の効果〕
新規抗生物質バーミスポリンは、良好な抗菌活性、特
に、グラム陽性細菌ならびに嫌気性細菌に対して良好な
抗菌活性を有しており、抗菌剤としての有用性が期待さ
れる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によってさらに詳細に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
よって限定されるものではない。
参考例1 (培養) 水あめ2.0%、大豆油0.3%、大豆粉1.2%、小麦はい
芽1.2%、Na2SO4 0.02%、FeSO4・7H2O 0.0005%、CoC
l2・6H2O 0.0005%、及びCaCO3 0.1%を含有する培地
(pH 6.0)を40mlずつ200ml三角フラスコ20本に分注
し、121℃において20分間高圧滅菌する。
これにバーミスポリン生産株、オフイオボルス・バー
ミスポオルス(Ophiobolus vermisporus)L−8株を1
白金耳ずつ植菌し、26℃において4日間、210回転にて
振とう培養する。別に上記と同一組成から成る培地を調
製し、その80mlを500ml三角フラスコ100本に分注し、12
1℃において20分間高圧滅菌する。この主発酵培地に前
記種培養液を4mlずつ接種し26℃において5日間、210回
転にて振とう培養する。得られた培養物を遠心分離し
て、培養上清液と培養菌体を得た。
上記で得られた培養上清液4.7lと、菌体を70%アセト
ン水1.5lで室温/時間抽出し、過して菌体を除いた菌
体抽出液を濃縮して得られた菌体抽出液0.3lとを合わ
せ、5lとし、同量の酢酸エチルにて抽出した。抽出液
は、水洗後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下濃縮
し、7.12gの油状物質を得た。得られた油状物質を珪そ
う土7.5gにまぶし、一夜減圧下乾燥後、クロロホルムで
充填したシリカゲルC−200(和光純薬工業社製)300ml
の塔の上にのせ、クロロホルムで洗浄後、クロロホルム
−メタノール混液(100:1)、次いでクロロホルム−メ
タノール混液(50:1)にて展開するクロマトグラフィー
を行なった。活性画分を集め、減圧下濃縮乾固し、1.29
gの油状物質を得た。この油状物質は、再度、シリカゲ
ルC−200を用いたクロマトグラフィーに付し、クロロ
ホルムで洗浄後、クロロホルム−メタノール混液(100:
1)にて展開し、活性画分を得た。得られた活性画分を
減圧下濃縮乾固し、709mgの油状物質を得た。この油状
物質を少量のメタノールに溶解し、メタノールにて充填
したセファデックスLH−20(フアルマシア社製)1の
塔にのせ、メタノールにて展開した。12mlフラクション
でフラクションNo.38〜44に有効物質が溶出した。この
活性フラクションを集め、減圧下濃縮乾固すると481mg
の油状物質が得られた。このうち、220mgをシリカゲル
プレート(メルク社製)を用いた分取薄層クロマトグラ
フィー(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=30:1)
に付し、活性画分をメタノールで抽出後、減圧下メタノ
ールを除去し、66mgの油状物質を得た。この油状物質を
少量のメタノールに溶解し、メタノールにて充填したセ
ファデックスLH−20300mlの塔にのせ、メタノールにて
展開した。5.5mlフラクションでフラクションNo.31〜36
に有効物質が溶出した。この活性フラクションを集め、
減圧下濃縮乾固し、31mgの粗バーミスポリンを油状物質
として得た。この粗バーミスポリンを10mlのクロロホル
ムに溶解し、同量のpH2の酸性水で洗浄、さらに水洗、
無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下濃縮乾固すると、
精製されたバーミスポリン28mgが無色油状物質として得
られた。本物質の理化学的性質は前記の通りである。
尚、各精製工程において活性画分は、前述のバクテロ
イデス・フラジリス2271を検定菌として用いたペーパー
ディスク法によって測定した。
また、得られた精製バーミスポリンを常法に従いマウ
スの腹腔内に投与して測定した急性毒性(LD50)は、10
0mg/kg以上であった。
実施例1 日本化学療法学会標準法に従い、種々の濃度の被験薬
バーミスポリン(アセトンに溶解)を含んだ寒天培地
(日水製薬社製)を用い、第1表に示した被験菌106CFU
/mlを37℃で18時間好気培養した後生育有無を観察し、
各被験菌に対する本発明のバーミスポリンの最小発育阻
止濃度を求めた。その結果を第1表に示した。
実施例2 実施例1と同様にして第2表に示した被験菌を、バー
ミスポリンを含んだGAM寒天培地を用い、37℃で48時間
嫌気培養した後生育有無を観察し、各被験菌に対する本
発明のバーミスポリンの最小発育阻止濃度を求めた。そ
の結果を第2表に示した。
実施例3 実施例1と同様にして第3表に示した被験菌を、バー
ミスポリンを含んだGAM寒天培地を用い、37℃で48時間
嫌気培養した後生育有無を観察し、各被験菌に対する本
発明のバーミスポリンのNa塩の最小発育阻止濃度を求め
た。その結果を第3表に示した。
製剤例1(カプセル剤) これらを均一に混合し、250mg(力価)/カプセルと
なるようにカプセルに充填した。
製剤例2(軟膏) バーミスポリンを流動パラフィンに研和したのち、徐
々に滅菌した白色ワセリンを加え、十分練りあわせ、均
一な軟膏を作成した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、バーミスポリンのメタノール溶液中濃度20μ
g/mlでの紫外部吸収スペクトル図である。 第2図は、バーミスポリンのクロロホルム溶液中での赤
外部吸収スペクトル図である。 第3図は、バーミスポリンの重クロロホルム溶液中での
水素核核磁気共鳴スペクトル図である。 第4図は、バーミスポリンの重クロロホルム溶液中での
炭素核核磁気共鳴スペクトル図である。
フロントページの続き (72)発明者 大岸 治行 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐藤 吉和 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治 製菓株式会社薬品研究所内 (72)発明者 宮道 慎二 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治 製菓株式会社薬品研究所内 (72)発明者 瀬崎 正次 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治 製菓株式会社薬品研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/40 C12P 1/02 C07D 405/08 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(DERWENT)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の理化学的性質を有する新規抗生物質
    バーミスポリン又はその塩を有効成分とする抗菌剤。 (イ)元素分析値: 炭素 70.18% 水素 8.73% 窒素 3.10% (ロ)分子量: 415(HR−MS,m/z 415.2719,M+) (ハ)分子式: C25H37NO4 (ニ)比旋光度: ▲〔α〕20 D▼=+73.8°(C1.0,クロロホルム) (ホ)紫外部吸収スペクトル: メタノール溶液中で測定したスペクトルは第1図に示す
    通りである。 (ヘ)赤外部吸収スペクトル: クロロホルム溶液中で測定したスペクトルは第2図に示
    す通りである。 (ト)水素核核磁気共鳴スペクトル: 重クロロホルム溶液中で測定した400MHz水素核核磁気共
    鳴スペクトルは第3図に示す通りである。 (チ)炭素核核磁気共鳴スペクトル: 重クロロホルム溶液中で測定した100MHz炭素核核磁気共
    鳴スペクトルは第4図に示す通りである。 (リ)溶解性: クロロホルム、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチ
    ル、メタノール及びエタノールに可溶。n−ヘキサン及
    び水に不溶。 (ヌ)呈色反応: 10%硫酸及びモリブデン酸試薬に陽性。 グレイグ・リーバック試薬及びニンヒドリン試薬に陰
    性。 (ル)薄層クロマトグラフィー: メルク社製シリカゲル薄層(Art5714)を使用し、展開
    溶媒がクロロホルム−メタノール(30:1)の場合Rf値が
    0.63、同薄層を使用し、展開溶媒がトルエン−アセトン
    (2:1)の場合Rf値が0.52。 (ヲ)外観:無色油状
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