JP3237722B2 - 新規抗生物質Mer−NF8054AおよびMer−NF8054X並びにそれらの製造方法 - Google Patents
新規抗生物質Mer−NF8054AおよびMer−NF8054X並びにそれらの製造方法Info
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- JP3237722B2 JP3237722B2 JP32145492A JP32145492A JP3237722B2 JP 3237722 B2 JP3237722 B2 JP 3237722B2 JP 32145492 A JP32145492 A JP 32145492A JP 32145492 A JP32145492 A JP 32145492A JP 3237722 B2 JP3237722 B2 JP 3237722B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な抗真菌性抗生物
質およびその製造方法に関する。
質およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より抗真菌性物質として、アンフォ
テリシンB、ナイスタチン、トリコマイシン等のポリエ
ン系物質、ミコナゾール、ケトコナゾール等のイミダゾ
ール系物質、フルコナゾール等のトリアゾール系物質が
知られていたが、これらの抗真菌性物質は、選択毒性、
薬効等において問題があり真菌感染症の治療剤として未
だ十分であるとは言えない。さらに高齢者や基礎疾患を
有する患者に発症がみられる、日和見感染としての深在
性真菌症であるアスペルギルス症に対しては有効な治療
法がなく、感染症治療分野で大きな問題となっている。
テリシンB、ナイスタチン、トリコマイシン等のポリエ
ン系物質、ミコナゾール、ケトコナゾール等のイミダゾ
ール系物質、フルコナゾール等のトリアゾール系物質が
知られていたが、これらの抗真菌性物質は、選択毒性、
薬効等において問題があり真菌感染症の治療剤として未
だ十分であるとは言えない。さらに高齢者や基礎疾患を
有する患者に発症がみられる、日和見感染としての深在
性真菌症であるアスペルギルス症に対しては有効な治療
法がなく、感染症治療分野で大きな問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、このような問
題を克服するため、当分野では常に新規骨格を有し、新
しい生物活性を示す抗生物質、あるいは誘導体調製のた
めの新たな母核が求められている。本発明は、病原性を
有する真菌に対して強い抗菌力を有する新規な抗真菌性
抗生物質を提供するものである。
題を克服するため、当分野では常に新規骨格を有し、新
しい生物活性を示す抗生物質、あるいは誘導体調製のた
めの新たな母核が求められている。本発明は、病原性を
有する真菌に対して強い抗菌力を有する新規な抗真菌性
抗生物質を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な抗
真菌性物質の探索を目的として種々の土壌から菌株を分
離し、その生産する代謝産物について研究を重ねた結
果、新たに分離したアスペルギルス(Aspergillus)属に
属する菌株が、培養液中にアスペルギルス症の原因菌で
あるアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigat
us)に対して抗菌活性を示す物質を生産していることを
見出した。該培養液から有効物質を分離精製し、その理
化学的性質を調べたところ、該有効物質は、いかなる既
知物質とも相違し、かつ優れた抗真菌活性を有すること
を見出し、本発明を完成した。
真菌性物質の探索を目的として種々の土壌から菌株を分
離し、その生産する代謝産物について研究を重ねた結
果、新たに分離したアスペルギルス(Aspergillus)属に
属する菌株が、培養液中にアスペルギルス症の原因菌で
あるアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigat
us)に対して抗菌活性を示す物質を生産していることを
見出した。該培養液から有効物質を分離精製し、その理
化学的性質を調べたところ、該有効物質は、いかなる既
知物質とも相違し、かつ優れた抗真菌活性を有すること
を見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、下記一般式(I)で
示される新規な抗真菌性抗生物質およびそれらの生理学
的に許容される塩を提供するものである。
示される新規な抗真菌性抗生物質およびそれらの生理学
的に許容される塩を提供するものである。
【化4】
【0006】 これらの抗生物質は、エルゴスタン(e
rgostane)型ステロイド(steroid)関
連の基本骨格を有する従来の文献に未載の新規化合物で
ある。本発明者らは、一般式(I)で示される化合物を
Mer−NF8054群抗生物質と命名し、そのうち、
それぞれ式
rgostane)型ステロイド(steroid)関
連の基本骨格を有する従来の文献に未載の新規化合物で
ある。本発明者らは、一般式(I)で示される化合物を
Mer−NF8054群抗生物質と命名し、そのうち、
それぞれ式
【化5】 で示される抗生物質をMer−NF8054A 式
【化6】 で示される抗生物質をMer−NF8054Xと命名し
た。
た。
【0007】さらに本発明は、アスペルギルス(Aspergi
llus)属に属し、一般式(I)で示されるMer-NF8054群
抗生物質を生産する能力を有する微生物を培養し、培養
物から該抗生物質を採取する該抗生物質の製造方法を提
供するものである。
llus)属に属し、一般式(I)で示されるMer-NF8054群
抗生物質を生産する能力を有する微生物を培養し、培養
物から該抗生物質を採取する該抗生物質の製造方法を提
供するものである。
【0008】本発明に使用される微生物は、アスペルギ
ルス(Aspergillus)属に属し、一般式(I)で示される
抗生物質を生産する能力を有する菌株であればよい。例
えば、小笠原諸島父島の土壌から分離されたMer-NF8054
a、Mer-NF8054b、Mer-LF1019、Mer-PF1003株の各菌株を
挙げることができるが、これらの菌株に限らず、アスペ
ルギルス(Aspergillus)属に属し、一般式(I)で示さ
れるMer-NF8054群抗生物質を生産する能力を有する菌株
であれば、それらの変異株も含めてすべて本発明に使用
することができる。
ルス(Aspergillus)属に属し、一般式(I)で示される
抗生物質を生産する能力を有する菌株であればよい。例
えば、小笠原諸島父島の土壌から分離されたMer-NF8054
a、Mer-NF8054b、Mer-LF1019、Mer-PF1003株の各菌株を
挙げることができるが、これらの菌株に限らず、アスペ
ルギルス(Aspergillus)属に属し、一般式(I)で示さ
れるMer-NF8054群抗生物質を生産する能力を有する菌株
であれば、それらの変異株も含めてすべて本発明に使用
することができる。
【0009】以下にこれらの菌株の菌学的性状を説明す
る。 1.Mer-NF8054a株 (1) 各種培地上での生育形態 培養は全て26℃で行い、寒天平板培地上での生育形態を
記載した。 (1-1)ポテトデキストロース寒天培地 生育は中程度であり、26℃、10日間の培養でコロニーの
直径は、44mmである。コロニーは茶色でビロード状に生
育して多くの分生子を形成し、成熟するとコロニー全面
に(特に周縁部に多く)白色の菌糸塊(直径3mm以下)
が点在するようになる。コロニーの裏面は白色〜うす黄
色である。 (1-2)ツアペック寒天培地 生育は中程度であり、26℃、10日間の培養でコロニーの
直径は、46mmである。コロニーは白色でビロード状に生
育し、後に茶灰色になり、分生子の形成は少ない。コロ
ニーの裏面は白色〜うす黄色である。有性生殖器官、厚
膜胞子、液滴の形成は認められない。
る。 1.Mer-NF8054a株 (1) 各種培地上での生育形態 培養は全て26℃で行い、寒天平板培地上での生育形態を
記載した。 (1-1)ポテトデキストロース寒天培地 生育は中程度であり、26℃、10日間の培養でコロニーの
直径は、44mmである。コロニーは茶色でビロード状に生
育して多くの分生子を形成し、成熟するとコロニー全面
に(特に周縁部に多く)白色の菌糸塊(直径3mm以下)
が点在するようになる。コロニーの裏面は白色〜うす黄
色である。 (1-2)ツアペック寒天培地 生育は中程度であり、26℃、10日間の培養でコロニーの
直径は、46mmである。コロニーは白色でビロード状に生
育し、後に茶灰色になり、分生子の形成は少ない。コロ
ニーの裏面は白色〜うす黄色である。有性生殖器官、厚
膜胞子、液滴の形成は認められない。
【0010】(2) 形態的性質 ポテトデキストロース寒天培地での培養で認められる菌
糸塊中には、非常に細胞壁が厚く伸長し、さらに湾曲し
た形態のヒューレ細胞(hulle cells)が多く含まれる。
分生子柄の幅は4.8〜5.5μm、長さは150〜300μmでその
先端に直径14〜22μmの球〜半球状の頂のうを形成す
る。分生子柄の表面は平滑状である。頂のうの上に2段
に梗子を形成するが、第1梗子、第2梗子ともに表面は
平滑状で、その大きさは第1梗子が幅2.0〜2.5μm×長
さ3.3〜5.2μm、第2梗子が幅1.9〜2.8μm×長さ4.5〜
6.9μmである。分生子は、第2梗子の先端より連鎖して
形成され、主に放射状まれに円柱状の分生子塊となる。
分生子は、直径2.5〜3.0μmの球形で、表面にいぼ状の
突起がある。
糸塊中には、非常に細胞壁が厚く伸長し、さらに湾曲し
た形態のヒューレ細胞(hulle cells)が多く含まれる。
分生子柄の幅は4.8〜5.5μm、長さは150〜300μmでその
先端に直径14〜22μmの球〜半球状の頂のうを形成す
る。分生子柄の表面は平滑状である。頂のうの上に2段
に梗子を形成するが、第1梗子、第2梗子ともに表面は
平滑状で、その大きさは第1梗子が幅2.0〜2.5μm×長
さ3.3〜5.2μm、第2梗子が幅1.9〜2.8μm×長さ4.5〜
6.9μmである。分生子は、第2梗子の先端より連鎖して
形成され、主に放射状まれに円柱状の分生子塊となる。
分生子は、直径2.5〜3.0μmの球形で、表面にいぼ状の
突起がある。
【0011】以上の菌学的性状から本菌株は、アスペル
ギルス(Aspergillus)属の菌であり、レイパーとフェン
ネル(Raper & Fennell)の「ザ・ジーナス・アスペルギ
ルス」[1965]("THE GENUS Aspergillus") を参考に既知
菌種を検索したところ、アスペルギルス・ウスツス(Asp
ergillus ustus)の性状と一致した。本発明者らは、本
菌株をアスペルギルス・ウスツス Mer-NF8054a(Aspergi
llusustus Mer-NF8054a) として、平成4年11月4日付け
で工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第1323
6号(FERM P-13236)として寄託している。
ギルス(Aspergillus)属の菌であり、レイパーとフェン
ネル(Raper & Fennell)の「ザ・ジーナス・アスペルギ
ルス」[1965]("THE GENUS Aspergillus") を参考に既知
菌種を検索したところ、アスペルギルス・ウスツス(Asp
ergillus ustus)の性状と一致した。本発明者らは、本
菌株をアスペルギルス・ウスツス Mer-NF8054a(Aspergi
llusustus Mer-NF8054a) として、平成4年11月4日付け
で工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第1323
6号(FERM P-13236)として寄託している。
【0012】2.Mer-NF8054b 株 (1) 各種培地上での生育形態 培養は全て26℃で行い、寒天平板培地上での生育形態を
記載した。 (1-1)ポテトデキストロース寒天培地 生育は中程度であり、26℃、10日間の培養でコロニーの
直径は、53mmである。コロニーは明るい茶色で綿毛状に
生育し、成熟するにつれ中心部がオリーブ灰色がかる。
分生子の形成は良好で、コロニーの裏面は明るい茶色で
ある。有性生殖器官、厚膜胞子、液滴の形成は認められ
ない。 (1-2)ツアペック寒天培地 生育は中程度であり、26℃、10日間の培養でコロニーの
直径は、49mmである。コロニーは橙色でビロード状に生
育し、同心円状に溝がいくつかできる。後に外側は茶色
になり、内側には綿毛状の菌糸が生育してくる。外側の
部分で分生子がよく形成され、内側の部分は非常に少な
い。コロニーの裏面は茶色で、中央部ほど色が濃くなっ
ている。有性生殖器官、厚膜胞子の形成は認められない
が、うす黄色の液滴が形成される。
記載した。 (1-1)ポテトデキストロース寒天培地 生育は中程度であり、26℃、10日間の培養でコロニーの
直径は、53mmである。コロニーは明るい茶色で綿毛状に
生育し、成熟するにつれ中心部がオリーブ灰色がかる。
分生子の形成は良好で、コロニーの裏面は明るい茶色で
ある。有性生殖器官、厚膜胞子、液滴の形成は認められ
ない。 (1-2)ツアペック寒天培地 生育は中程度であり、26℃、10日間の培養でコロニーの
直径は、49mmである。コロニーは橙色でビロード状に生
育し、同心円状に溝がいくつかできる。後に外側は茶色
になり、内側には綿毛状の菌糸が生育してくる。外側の
部分で分生子がよく形成され、内側の部分は非常に少な
い。コロニーの裏面は茶色で、中央部ほど色が濃くなっ
ている。有性生殖器官、厚膜胞子の形成は認められない
が、うす黄色の液滴が形成される。
【0013】(2) 形態的性質 ポテトデキストロース寒天培地での培養で、分生子柄の
幅は3.3〜4.5μm、長さが100〜200μmとなり、その先端
に直径6.5〜9.0μmの球〜半球状の頂のうを形成する。
分生子柄の表面は平滑状である。頂のうの上に2段に梗
子を形成するが、第1梗子、第2梗子ともに表面は平滑
状で、その大きさは第1梗子が幅2.0〜2.5μm×長さ3.3
〜5.2μm、第2梗子が幅1.9〜2.8μm×長さ4.5〜6.9μm
である。気菌糸から、ペニシリアに類似した構造で少数
の梗子が形成される特異な分生子形成形態も認められ
る。分生子は、梗子の先端より連鎖して形成され、円柱
状の分生子塊となる。分生子は、直径2.5〜3.3μmの球
形で、表面にいぼ状の突起がある。
幅は3.3〜4.5μm、長さが100〜200μmとなり、その先端
に直径6.5〜9.0μmの球〜半球状の頂のうを形成する。
分生子柄の表面は平滑状である。頂のうの上に2段に梗
子を形成するが、第1梗子、第2梗子ともに表面は平滑
状で、その大きさは第1梗子が幅2.0〜2.5μm×長さ3.3
〜5.2μm、第2梗子が幅1.9〜2.8μm×長さ4.5〜6.9μm
である。気菌糸から、ペニシリアに類似した構造で少数
の梗子が形成される特異な分生子形成形態も認められ
る。分生子は、梗子の先端より連鎖して形成され、円柱
状の分生子塊となる。分生子は、直径2.5〜3.3μmの球
形で、表面にいぼ状の突起がある。
【0014】以上の菌学的性状から本菌株は、アスペル
ギルス(Aspergillus)属の菌であり、レイパーとフェン
ネル(Raper & Fennell)の「ザ・ジーナス・アスペルギ
ルス」[1965]("THE GENUS Aspergillus") を参考に既知
菌種を検索したところ、アスペルギルス・バーシカラー
(Aspergillus versicolor)の性状と一致した。本発明者
らは、本菌株をアスペルギルス・バーシカラー Mer-NF8
054b(Aspergillus versicolor Mer-NF8054b)として平成
4年11月4日付けで工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第13238号(FERM P-13238)として寄託してい
る。
ギルス(Aspergillus)属の菌であり、レイパーとフェン
ネル(Raper & Fennell)の「ザ・ジーナス・アスペルギ
ルス」[1965]("THE GENUS Aspergillus") を参考に既知
菌種を検索したところ、アスペルギルス・バーシカラー
(Aspergillus versicolor)の性状と一致した。本発明者
らは、本菌株をアスペルギルス・バーシカラー Mer-NF8
054b(Aspergillus versicolor Mer-NF8054b)として平成
4年11月4日付けで工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第13238号(FERM P-13238)として寄託してい
る。
【0015】3.Mer-PF1003株 (1) 各種培地上での生育形態 培養は全て26℃で行い、寒天平板培地上での生育形態を
記載した。 (1-1)ポテトデキストロース寒天培地 生育は遅く、26℃、 7日間の培養でコロニーの直径は、
14mmである。コロニーはオリーブ緑色でビロード状に生
育し、後に黄茶色の綿毛状の菌糸が伸びてくる。分生子
の形成は多い。コロニーの裏面は赤茶色で、同じ色の水
溶性色素を培地中に溶出する。有性生殖器官、厚膜胞
子、液滴の形成は認められない。 (1-2)ツアペック寒天培地 生育は中程度であり、26℃、 7日間の培養でコロニーの
直径は、11mmである。コロニーは黄色で綿毛状に生育
し、外周は白色である。コロニーの裏面は赤色を帯びた
黄色から後に赤茶色となる。有性生殖器官、厚膜胞子の
形成は認められないが、うす橙色の液滴を形成する。
記載した。 (1-1)ポテトデキストロース寒天培地 生育は遅く、26℃、 7日間の培養でコロニーの直径は、
14mmである。コロニーはオリーブ緑色でビロード状に生
育し、後に黄茶色の綿毛状の菌糸が伸びてくる。分生子
の形成は多い。コロニーの裏面は赤茶色で、同じ色の水
溶性色素を培地中に溶出する。有性生殖器官、厚膜胞
子、液滴の形成は認められない。 (1-2)ツアペック寒天培地 生育は中程度であり、26℃、 7日間の培養でコロニーの
直径は、11mmである。コロニーは黄色で綿毛状に生育
し、外周は白色である。コロニーの裏面は赤色を帯びた
黄色から後に赤茶色となる。有性生殖器官、厚膜胞子の
形成は認められないが、うす橙色の液滴を形成する。
【0016】(2) 形態的性質 ポテトデキストロース寒天培地での培養で、分生子柄の
幅は3.0〜4.2μm、長さが400〜600μmとなり、その先端
に直径7〜10μmの球〜半球状の頂のうを形成する。分生
子柄の表面は平滑状である。頂のうの上に2段に梗子を
形成するが、第1梗子、第2梗子ともに表面は平滑状
で、その大きさは第1梗子が幅2.5〜3.0μm×長さ4.2〜
6.2μm、第2梗子が幅1.8〜2.4μm×長さ4.8〜6.2μmで
ある。また気菌糸から、ペニシリアに類似した構造で少
数の梗子が形成される特異な分生子形成形態も認められ
る。分生子は、梗子の先端より連鎖して形成され、放射
状の分生子塊となる。分生子は、直径2.0〜2.5μmの球
形または亜球形で、表面にいぼ状の突起がある。
幅は3.0〜4.2μm、長さが400〜600μmとなり、その先端
に直径7〜10μmの球〜半球状の頂のうを形成する。分生
子柄の表面は平滑状である。頂のうの上に2段に梗子を
形成するが、第1梗子、第2梗子ともに表面は平滑状
で、その大きさは第1梗子が幅2.5〜3.0μm×長さ4.2〜
6.2μm、第2梗子が幅1.8〜2.4μm×長さ4.8〜6.2μmで
ある。また気菌糸から、ペニシリアに類似した構造で少
数の梗子が形成される特異な分生子形成形態も認められ
る。分生子は、梗子の先端より連鎖して形成され、放射
状の分生子塊となる。分生子は、直径2.0〜2.5μmの球
形または亜球形で、表面にいぼ状の突起がある。
【0017】以上の菌学的性状から本菌株は、アスペル
ギルス(Aspergillus)属の菌であり、レイパーとフェン
ネル(Raper & Fennell)の「ザ・ジーナス・アスペルギ
ルス」[1965]("THE GENUS Aspergillus") を参考に既知
菌種を検索したところ、アスペルギルス・バーシカラー
(Aspergillus versicolor)の性状と一致した。本発明者
らは、本菌株をアスペルギルス・バーシカラー Mer-PF1
003(Aspergillus versicolor Mer-PF1003)として平成4
年11月4日付けで工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第13239号(FERM P-13239)として寄託してい
る。
ギルス(Aspergillus)属の菌であり、レイパーとフェン
ネル(Raper & Fennell)の「ザ・ジーナス・アスペルギ
ルス」[1965]("THE GENUS Aspergillus") を参考に既知
菌種を検索したところ、アスペルギルス・バーシカラー
(Aspergillus versicolor)の性状と一致した。本発明者
らは、本菌株をアスペルギルス・バーシカラー Mer-PF1
003(Aspergillus versicolor Mer-PF1003)として平成4
年11月4日付けで工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第13239号(FERM P-13239)として寄託してい
る。
【0018】4.Mer-LF1019株 (1) 各種培地上での生育形態 培養は全て26℃で行い、寒天平板培地上での生育形態を
記載した。 (1-1)ポテトデキストロース寒天培地 生育は速く、26℃、 7日間の培養でコロニーの直径は、
66mmである。コロニーは白色で綿毛状に生育し、全面に
直径1mm以下で白色の閉子器(Cleistothecia)を多く作
り、分生子の形成は少ない。コロニーの裏面も白色であ
る。厚膜胞子、液滴の形成は認められない。 (1-2)ツアペック寒天培地 生育は中程度であり、26℃、7日間の培養でコロニーの
直径は、43mmである。コロニーは白色で短い綿毛状に生
育し、分生子の形成は非常に少ない。有性生殖器官、厚
膜胞子、液滴の形成は認められない。
記載した。 (1-1)ポテトデキストロース寒天培地 生育は速く、26℃、 7日間の培養でコロニーの直径は、
66mmである。コロニーは白色で綿毛状に生育し、全面に
直径1mm以下で白色の閉子器(Cleistothecia)を多く作
り、分生子の形成は少ない。コロニーの裏面も白色であ
る。厚膜胞子、液滴の形成は認められない。 (1-2)ツアペック寒天培地 生育は中程度であり、26℃、7日間の培養でコロニーの
直径は、43mmである。コロニーは白色で短い綿毛状に生
育し、分生子の形成は非常に少ない。有性生殖器官、厚
膜胞子、液滴の形成は認められない。
【0019】(2) 形態的性質 ポテトデキストロース寒天培地での培養で認められる閉
子器の中には非常に多くの子のうが存在する。子のう
は、楕円形で12〜16×14〜18μmの大きさである。子の
うの中には、8個の子のう胞子が入っており、その形
は、紡錘型で赤道部がやや隆起している。大きさは、4.
7〜6.5×6.0〜8.0μmで表面は平滑状である。分生子柄
は、幅3.5〜5.5μm、長さ150〜300μmで、その先端に直
径7.5〜10.5μmの半球状の頂のうを形成する。頂のうの
上に1段に梗子を形成し、その大きさは幅1.7〜2.0μm
×長さ4.5〜7.0μmである。分生子柄と梗子の表面は平
滑状である。分生子は、梗子の先端より連鎖して形成さ
れ、円柱状の分生子塊となる。分生子は、楕円形で1.7
〜2.0×1.8〜2.5μmの大きさで、表面はわずかにしわ状
である。
子器の中には非常に多くの子のうが存在する。子のう
は、楕円形で12〜16×14〜18μmの大きさである。子の
うの中には、8個の子のう胞子が入っており、その形
は、紡錘型で赤道部がやや隆起している。大きさは、4.
7〜6.5×6.0〜8.0μmで表面は平滑状である。分生子柄
は、幅3.5〜5.5μm、長さ150〜300μmで、その先端に直
径7.5〜10.5μmの半球状の頂のうを形成する。頂のうの
上に1段に梗子を形成し、その大きさは幅1.7〜2.0μm
×長さ4.5〜7.0μmである。分生子柄と梗子の表面は平
滑状である。分生子は、梗子の先端より連鎖して形成さ
れ、円柱状の分生子塊となる。分生子は、楕円形で1.7
〜2.0×1.8〜2.5μmの大きさで、表面はわずかにしわ状
である。
【0020】以上の菌学的性状から本菌株は、アスペル
ギルス(Aspergillus)属の菌であり、レイパーとフェン
ネル(Raper & Fennell)の「ザ・ジーナス・アスペルギ
ルス」[1965]("THE GENUS Aspergillus")を参考に既知
菌種を検索したところ、アスペルギルス・フィシェリ・
バール・グラバー(Aspergillus fischeri var. glaber)
の性状と一致した。本発明者らは、本菌株をアスペルギ
ルス・フィシェリ・バール・グラバー Mer-LF1019(Aspe
rgillus fischeri var. glaber Mer-LF1019)として平成
4年11月4日付けで工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第13237号(FERM P-13237)として寄託してい
る。
ギルス(Aspergillus)属の菌であり、レイパーとフェン
ネル(Raper & Fennell)の「ザ・ジーナス・アスペルギ
ルス」[1965]("THE GENUS Aspergillus")を参考に既知
菌種を検索したところ、アスペルギルス・フィシェリ・
バール・グラバー(Aspergillus fischeri var. glaber)
の性状と一致した。本発明者らは、本菌株をアスペルギ
ルス・フィシェリ・バール・グラバー Mer-LF1019(Aspe
rgillus fischeri var. glaber Mer-LF1019)として平成
4年11月4日付けで工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第13237号(FERM P-13237)として寄託してい
る。
【0021】本発明のMer-NF8054群抗生物質は上記菌株
を栄養培地に接種し、好気的に培養することにより製造
される。上記菌株の培養方法は、原則的には一般微生物
の培養方法に準ずるが、通常は液体培養による振とう培
養、通気攪拌培養などの好気的条件下で行うのが好適で
ある。
を栄養培地に接種し、好気的に培養することにより製造
される。上記菌株の培養方法は、原則的には一般微生物
の培養方法に準ずるが、通常は液体培養による振とう培
養、通気攪拌培養などの好気的条件下で行うのが好適で
ある。
【0022】培養に用いられる培地としては、アスペル
ギルス(Aspergillus)属に属する微生物が利用できる栄
養源を含有する培地であればよく、各種の合成培地、半
合成培地、天然培地などいずれも用いることができる。
培地組成としては炭素源としてのグルコース、シューク
ロース、フルクトース、グリセリン、デキストリン、澱
粉、糖蜜などを単独または組合わせて用いることができ
る。窒素源としてはファーマメディア、ペプトン、肉エ
キス、大豆粉、カゼイン、アミノ酸、酵母エキス、尿素
などの有機窒素源、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウム
などの無機窒素源を単独または組合わせて用いることが
できる。その他、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸
カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リ
ン酸カリウム、塩化コバルトなどの塩類、重金属類塩、
ビタミンB、ビオチンなどのビタミン類も必要に応じて
添加することができる。なお、培養中発泡が著しいとき
は公知の各種消泡剤を適宜培地中に添加することもでき
る。消泡剤の添加にあたっては、目的物質の生産に悪影
響を与えない濃度とする必要があり、例えば、使用濃度
として0.05%以下で使用することが好ましい。
ギルス(Aspergillus)属に属する微生物が利用できる栄
養源を含有する培地であればよく、各種の合成培地、半
合成培地、天然培地などいずれも用いることができる。
培地組成としては炭素源としてのグルコース、シューク
ロース、フルクトース、グリセリン、デキストリン、澱
粉、糖蜜などを単独または組合わせて用いることができ
る。窒素源としてはファーマメディア、ペプトン、肉エ
キス、大豆粉、カゼイン、アミノ酸、酵母エキス、尿素
などの有機窒素源、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウム
などの無機窒素源を単独または組合わせて用いることが
できる。その他、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸
カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リ
ン酸カリウム、塩化コバルトなどの塩類、重金属類塩、
ビタミンB、ビオチンなどのビタミン類も必要に応じて
添加することができる。なお、培養中発泡が著しいとき
は公知の各種消泡剤を適宜培地中に添加することもでき
る。消泡剤の添加にあたっては、目的物質の生産に悪影
響を与えない濃度とする必要があり、例えば、使用濃度
として0.05%以下で使用することが好ましい。
【0023】培養条件は、上記菌株が良好に生育してMe
r-NF8054群抗生物質を生産し得る範囲内で適宜選択すれ
ばよい。例えば、培地のpHは、5〜9程度、通常中性付近
とすることが好ましい。培養温度は、微生物が良好に生
育する温度、通常20〜40℃、好ましくは28〜35℃に保つ
のがよい。培養時間は、2〜8日間程度でよく、好ましく
は3〜5日間である。もちろん上述した各種の培養条件
は、使用微生物の種類や特性、外部条件などに応じて適
宜変更でき、またそれに応じて上記範囲から最適条件を
選択、調整できる。
r-NF8054群抗生物質を生産し得る範囲内で適宜選択すれ
ばよい。例えば、培地のpHは、5〜9程度、通常中性付近
とすることが好ましい。培養温度は、微生物が良好に生
育する温度、通常20〜40℃、好ましくは28〜35℃に保つ
のがよい。培養時間は、2〜8日間程度でよく、好ましく
は3〜5日間である。もちろん上述した各種の培養条件
は、使用微生物の種類や特性、外部条件などに応じて適
宜変更でき、またそれに応じて上記範囲から最適条件を
選択、調整できる。
【0024】培養中の抗生物質Mer-NF8054AおよびMer-N
F8054Xの蓄積量は、検定菌として、例えばアスペルギル
ス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)を用いたディ
スク(Disc)拡散法による抗菌力アッセイにより定量でき
る。上記培養に蓄積されたMer-NF8054群抗生物質は、濾
過、遠心分離等の一般的固液分離手段によって菌体を分
離し、濾液、上澄液および菌体からの抽出により、回収
可能である。
F8054Xの蓄積量は、検定菌として、例えばアスペルギル
ス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)を用いたディ
スク(Disc)拡散法による抗菌力アッセイにより定量でき
る。上記培養に蓄積されたMer-NF8054群抗生物質は、濾
過、遠心分離等の一般的固液分離手段によって菌体を分
離し、濾液、上澄液および菌体からの抽出により、回収
可能である。
【0025】抗生物質Mer-NF8054AおよびMer-NF8054Xの
分離、精製は、公知の種々の方法を選択、組み合わせて
行うことができる。例えば、酢酸エチル、n-ブタノール
等を用いた溶媒抽出や、アンバーライトXAD(ローム・ア
ンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP-20(三菱化成工業
社製)等のポリスチレン系吸着樹脂、シリカゲル、アル
ミナ、活性炭などの担体を用いるカラムクロマトグラフ
ィーによる方法を用いることができる。これらの担体か
ら目的物質を溶出させる方法は、担体の種類、性質によ
って異なるが、一例として、ポリスチレン系吸着樹脂の
場合には、溶出溶媒として、含水アルコール、含水アセ
トン等を用いることができる。さらにセファデックスLH
-20(ファルマシア社製)、バイオ・ゲルP-2(バイオ・ラ
ッド社製)等によるゲル濾過、シリカゲル、アルミナ等
による薄層クロマトグラフィー、順相あるいは逆相カラ
ムを用いた分取用高速液体クロマトグラフィー(分取HPL
C)等を用いることができ、これらの方法を単独または適
宜組合せて、場合によっては反復使用することにより、
分離、精製することができる。
分離、精製は、公知の種々の方法を選択、組み合わせて
行うことができる。例えば、酢酸エチル、n-ブタノール
等を用いた溶媒抽出や、アンバーライトXAD(ローム・ア
ンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP-20(三菱化成工業
社製)等のポリスチレン系吸着樹脂、シリカゲル、アル
ミナ、活性炭などの担体を用いるカラムクロマトグラフ
ィーによる方法を用いることができる。これらの担体か
ら目的物質を溶出させる方法は、担体の種類、性質によ
って異なるが、一例として、ポリスチレン系吸着樹脂の
場合には、溶出溶媒として、含水アルコール、含水アセ
トン等を用いることができる。さらにセファデックスLH
-20(ファルマシア社製)、バイオ・ゲルP-2(バイオ・ラ
ッド社製)等によるゲル濾過、シリカゲル、アルミナ等
による薄層クロマトグラフィー、順相あるいは逆相カラ
ムを用いた分取用高速液体クロマトグラフィー(分取HPL
C)等を用いることができ、これらの方法を単独または適
宜組合せて、場合によっては反復使用することにより、
分離、精製することができる。
【0026】 以上のようにして得られる抗生物質Me
r−NF8054AおよびMer−NF8054Xは以
下に示す物理化学的性質を有する。本発明の抗生物質M
er−NF8054Aの理化学的性状は、次の通りであ
る。 1.色および形状:白色粉末 2.分子式:C28H44O4 3.マススペクトル(FAB−HS、マトリックス;
2,2’−ジチオジエタノール): ポジティブ;427[(M+H−H2O)+],409
[(M+H−2H2O)+],391[(M+H−3H
2O)+] ネガティブ;597[(M−H+DTDE)−],44
3[(M−H)−] 4.融点:105.107℃5.比旋光度:[α] 27 D −9.86゜(c0.3
6、メタノール)
r−NF8054AおよびMer−NF8054Xは以
下に示す物理化学的性質を有する。本発明の抗生物質M
er−NF8054Aの理化学的性状は、次の通りであ
る。 1.色および形状:白色粉末 2.分子式:C28H44O4 3.マススペクトル(FAB−HS、マトリックス;
2,2’−ジチオジエタノール): ポジティブ;427[(M+H−H2O)+],409
[(M+H−2H2O)+],391[(M+H−3H
2O)+] ネガティブ;597[(M−H+DTDE)−],44
3[(M−H)−] 4.融点:105.107℃5.比旋光度:[α] 27 D −9.86゜(c0.3
6、メタノール)
【0027】 6.紫外線吸収スペクトル:図1に示
す。 λMeOHmax(nm):247.2(ε21,70
0) 7.赤外線吸収スペクトル(KBr法):図2に示す。
また主要な吸収を以下に示す。 (cm−1):3385(br),295,1655,
1462,1447,1410,1383,1341,
1277,1188,1146,1073,997,9
65,947,872,791 8.溶解性:酢酸エチル、アセトン、メタノール、アセ
トニトリル、クロロホルムに溶け、水に溶けない。 9.呈色反応:リンモリブデン酸試薬、リーベルマン−
ブルカード試薬で呈色する。ニンヒドリン試薬には呈色
しない。 10. 薄層クロマトグラフィーのRf値:メルク社製
シリカゲルプレートF−254にて0.29 (展開溶媒;トルエン:酢酸エチル=1:4)0.46 (展開溶媒;トルエン:アセトン=1:1)0.38 (展開溶媒;クロロホルム:メタノール=1
0:1)
す。 λMeOHmax(nm):247.2(ε21,70
0) 7.赤外線吸収スペクトル(KBr法):図2に示す。
また主要な吸収を以下に示す。 (cm−1):3385(br),295,1655,
1462,1447,1410,1383,1341,
1277,1188,1146,1073,997,9
65,947,872,791 8.溶解性:酢酸エチル、アセトン、メタノール、アセ
トニトリル、クロロホルムに溶け、水に溶けない。 9.呈色反応:リンモリブデン酸試薬、リーベルマン−
ブルカード試薬で呈色する。ニンヒドリン試薬には呈色
しない。 10. 薄層クロマトグラフィーのRf値:メルク社製
シリカゲルプレートF−254にて0.29 (展開溶媒;トルエン:酢酸エチル=1:4)0.46 (展開溶媒;トルエン:アセトン=1:1)0.38 (展開溶媒;クロロホルム:メタノール=1
0:1)
【0028】11.1H-NMRスペクトル(400MHz、CD3OD):図
3に示す。また主要なピークを以下に示す。 δTMS(ppm):0.86(3H,d,J=6.6Hz),0.93(3H,d,J=6.6Hz),
0.94(3H,d,J=6.6Hz),1.01(3H,d,J=7.3Hz),1.10(3H,m),
1.20(1H,dd,J=12.5,4.4Hz),1.26(3H,s),1.34(1H,tdlik
e,J=3.7,11.7Hz),1.39(1H,dd like,J=10.3,3.7Hz),1.47
(1H,td like,J=10.3,3.7Hz),1.60(1H,octet,J=7.3Hz),
1.63-1.81(7H,m),2.14(1H,td,J=8.8,3.7Hz),2.18(1H,
m),2.29(1H,m),2.39(1H,m),2.46(1H,q,J=7.1Hz),2.55(1
H,ddd,J=15.4,7.3,2.9Hz),3.40(1H,m),3.78(1H,dd,J=1
0.3,1.5Hz),5.44(1H,d,J=10.3Hz),6.28(1H,d,J=10.3Hz)
3に示す。また主要なピークを以下に示す。 δTMS(ppm):0.86(3H,d,J=6.6Hz),0.93(3H,d,J=6.6Hz),
0.94(3H,d,J=6.6Hz),1.01(3H,d,J=7.3Hz),1.10(3H,m),
1.20(1H,dd,J=12.5,4.4Hz),1.26(3H,s),1.34(1H,tdlik
e,J=3.7,11.7Hz),1.39(1H,dd like,J=10.3,3.7Hz),1.47
(1H,td like,J=10.3,3.7Hz),1.60(1H,octet,J=7.3Hz),
1.63-1.81(7H,m),2.14(1H,td,J=8.8,3.7Hz),2.18(1H,
m),2.29(1H,m),2.39(1H,m),2.46(1H,q,J=7.1Hz),2.55(1
H,ddd,J=15.4,7.3,2.9Hz),3.40(1H,m),3.78(1H,dd,J=1
0.3,1.5Hz),5.44(1H,d,J=10.3Hz),6.28(1H,d,J=10.3Hz)
【0029】12.13C-NMRスペクトル(100MHz、CD3OD):
図4に示す。また主要なピークを以下に示す。 δTMS(ppm):10.19q,10.81q,14.76q,21.53q,21.71q,25.9
1t,30.71t,31.25t,31.69d,32.10t,32.74t,36.47t,36.54
t,37.84d,44.31d,44.75s,45.99t,47.82d,52.72s,56.53
d,68.53d,73.08d,74.49s,72.70s,126.55d,127.61s,131.
35d,153.99s 信号の多重性に関するデータは、DEPT試験によって得
た。 13. 中性、酸性、塩基性の区別:中性
図4に示す。また主要なピークを以下に示す。 δTMS(ppm):10.19q,10.81q,14.76q,21.53q,21.71q,25.9
1t,30.71t,31.25t,31.69d,32.10t,32.74t,36.47t,36.54
t,37.84d,44.31d,44.75s,45.99t,47.82d,52.72s,56.53
d,68.53d,73.08d,74.49s,72.70s,126.55d,127.61s,131.
35d,153.99s 信号の多重性に関するデータは、DEPT試験によって得
た。 13. 中性、酸性、塩基性の区別:中性
【0030】 本発明の抗生物質Mer−NF8054
Xの理化学的性状は、次の通りである。 1.色および形状:白色粉末 2.分子式:C28H42O5 3.マススペクトル(FAB−MS、マトリックス;グ
リセリン): ポジティブ;441[(M+H−H2O)+],423
[(M+H−2H2O)+],405[(M+H−3H
2O)+] ネガティブ;549[(M−H+Gly)−],457
[(M−H)−] 4.融点:109−111℃5.比旋光度:[α] 27 D +171.8°(c0.1
1、メタノール)
Xの理化学的性状は、次の通りである。 1.色および形状:白色粉末 2.分子式:C28H42O5 3.マススペクトル(FAB−MS、マトリックス;グ
リセリン): ポジティブ;441[(M+H−H2O)+],423
[(M+H−2H2O)+],405[(M+H−3H
2O)+] ネガティブ;549[(M−H+Gly)−],457
[(M−H)−] 4.融点:109−111℃5.比旋光度:[α] 27 D +171.8°(c0.1
1、メタノール)
【0031】 6.紫外線吸収スペクトル:図5に示
す。 λMeOHmax(nm):241.2(ε16,90
0) 7.赤外線吸収スペクトル(KBr法):図6に示す。
また主要な吸収を以下に示す。 (cm−1):3425(br),3030,295
5,2874,1707,1661,1632,147
0,1447,1422,1385,1275,123
6,1188,1143,1078,1009,96
3,949,877,824,793,552 8.溶解性:酢酸エチル、アセトン、メタノール、アセ
トニトリル、クロロホルムに溶け、水に溶けない。 9.呈色反応:リンモリブデン酸試薬、リーベルマン−
ブルカード試薬で呈色する。ニンヒドリン試薬には呈色
しない。 10.薄層クロマトグラフィーのRf値:メルク社製シ
リカゲルプレートF−254にて0.27 (展開溶媒;トルエン:酢酸エチル=1:4)0.45 (展開溶媒;トルエン:アセトン=1:1)0.41 (展開溶媒;クロロホルム:メタノール=1
0:1)
す。 λMeOHmax(nm):241.2(ε16,90
0) 7.赤外線吸収スペクトル(KBr法):図6に示す。
また主要な吸収を以下に示す。 (cm−1):3425(br),3030,295
5,2874,1707,1661,1632,147
0,1447,1422,1385,1275,123
6,1188,1143,1078,1009,96
3,949,877,824,793,552 8.溶解性:酢酸エチル、アセトン、メタノール、アセ
トニトリル、クロロホルムに溶け、水に溶けない。 9.呈色反応:リンモリブデン酸試薬、リーベルマン−
ブルカード試薬で呈色する。ニンヒドリン試薬には呈色
しない。 10.薄層クロマトグラフィーのRf値:メルク社製シ
リカゲルプレートF−254にて0.27 (展開溶媒;トルエン:酢酸エチル=1:4)0.45 (展開溶媒;トルエン:アセトン=1:1)0.41 (展開溶媒;クロロホルム:メタノール=1
0:1)
【0032】11.1H-NMRスペクトル(400MHz、CD3OD):図
7に示す。また主要なピークを以下に示す。 δTMS(ppm):0.84(3H,d,J=6.6Hz),0.91(3H,d,J=7.0Hz),
0.92(3H,d,J=6.6Hz),0.97(1H,q,J=6.2Hz),1.01(3H,d,J=
7.3Hz),1.18(3H,s),1.25(2H,m),1.28(1H,m),1.38(1H,t
d,J=12.8,3.7Hz),1.50(1H,td,J=12.8,3.3Hz),1.58(1H,q
d,J=6.6,1.5Hz),1.67(1H,m),1.71(1H,m),1.72(1H,t,J=1
1.7Hz),1.79(1H,ddd,J=12.5,4.8,1.8Hz),1.88(1H,m),2.
17(1H,m),2.30-2.42(2H,m),2.48(1H,q,J=7.3Hz),2.61(2
H,ABq,J=12.1Hz),2.63(1H,ddd,J=16.1,7.0,3.3Hz),3.42
(1H,m),3.72(1H,dd,J=10.3,1.5Hz),5.58(1H,d,J=10.3H
z),6.31(1H,d,J=10.3Hz),
7に示す。また主要なピークを以下に示す。 δTMS(ppm):0.84(3H,d,J=6.6Hz),0.91(3H,d,J=7.0Hz),
0.92(3H,d,J=6.6Hz),0.97(1H,q,J=6.2Hz),1.01(3H,d,J=
7.3Hz),1.18(3H,s),1.25(2H,m),1.28(1H,m),1.38(1H,t
d,J=12.8,3.7Hz),1.50(1H,td,J=12.8,3.3Hz),1.58(1H,q
d,J=6.6,1.5Hz),1.67(1H,m),1.71(1H,m),1.72(1H,t,J=1
1.7Hz),1.79(1H,ddd,J=12.5,4.8,1.8Hz),1.88(1H,m),2.
17(1H,m),2.30-2.42(2H,m),2.48(1H,q,J=7.3Hz),2.61(2
H,ABq,J=12.1Hz),2.63(1H,ddd,J=16.1,7.0,3.3Hz),3.42
(1H,m),3.72(1H,dd,J=10.3,1.5Hz),5.58(1H,d,J=10.3H
z),6.31(1H,d,J=10.3Hz),
【0033】12.13C-NMRスペクトル(100MHz、CD3OD):
図8に示す。また主要なピークを以下に示す。 δTMS(ppm):10.05q,10.47q,15.07q,21.45q,21.66q,26.2
9t,30.37t,31.16t,31.65d,33.49t,38.30d,38.54t,43.88
d,44.35s,45.33t,47.92d,54.58t,55.72d,55.95s,67.79
d,72.71d,74.50s,81.04s,125.12d,127.99s,133.32d,15
3.26s,212.80s 信号の多重性に関するデータは、DEPT試験によって得
た。 13.中性、酸性、塩基性の区別:中性
図8に示す。また主要なピークを以下に示す。 δTMS(ppm):10.05q,10.47q,15.07q,21.45q,21.66q,26.2
9t,30.37t,31.16t,31.65d,33.49t,38.30d,38.54t,43.88
d,44.35s,45.33t,47.92d,54.58t,55.72d,55.95s,67.79
d,72.71d,74.50s,81.04s,125.12d,127.99s,133.32d,15
3.26s,212.80s 信号の多重性に関するデータは、DEPT試験によって得
た。 13.中性、酸性、塩基性の区別:中性
【0034】本発明の抗生物質Mer-NF8054AおよびMer-N
F8054Xは、アスペルギルス症の原因菌であるアスペルギ
ルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)の生育を低
濃度で抑制する。次に本発明の抗生物質Mer-NF8054Aお
よびMer-NF8054Xの病原性真菌に対する最小発育阻止濃
度(MIC、μg/ml)を表1に示す。測定培地はYNBG(グル
コース添加イーストナイトロゲンベース:ディフコ社
製)を用い、35℃で40時間培養後にMIC(最小発育阻止濃
度)を判定した。
F8054Xは、アスペルギルス症の原因菌であるアスペルギ
ルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)の生育を低
濃度で抑制する。次に本発明の抗生物質Mer-NF8054Aお
よびMer-NF8054Xの病原性真菌に対する最小発育阻止濃
度(MIC、μg/ml)を表1に示す。測定培地はYNBG(グル
コース添加イーストナイトロゲンベース:ディフコ社
製)を用い、35℃で40時間培養後にMIC(最小発育阻止濃
度)を判定した。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、抗生物質Mer-NF
8054AおよびMer-NF8054Xは、アスペルギルス症の原因菌
であるアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumig
atus)の生育を低濃度で抑制した。
8054AおよびMer-NF8054Xは、アスペルギルス症の原因菌
であるアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumig
atus)の生育を低濃度で抑制した。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、これによって本発明が限定されるものでは
ない。なお、培地におけるパーセント(%)は、特に断り
のない限り、重量/容量パーセントを示す。
説明するが、これによって本発明が限定されるものでは
ない。なお、培地におけるパーセント(%)は、特に断り
のない限り、重量/容量パーセントを示す。
【0038】実施例1 Mer-NF8054a株の斜面培地(ポテト・デキストロース寒
天培地)から1白金耳ずつを100mlの種培地(グリセリ
ン4%、馬鈴薯澱粉2%、グルコース1%、大豆粉2%、リ
ン酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、pH無
調整)を入れた500ml容の三角フラスコ3本に接種し、28
℃で3日間回転攪拌機上で培養して種培養液を得た。こ
の種培養液300mlを上記と同じ組成の培地5リットルを含
む10リットル容ジャーファーメンター3基に接種して、2
8℃で88時間通気攪拌培養(通気量5リットル/分、攪拌
300rpm)を行った。培養終了後、培養液(約15リットル)
を濾過により菌体と上清に分離し、約12リットルの培養
上清と約2リットルの菌体を回収した。
天培地)から1白金耳ずつを100mlの種培地(グリセリ
ン4%、馬鈴薯澱粉2%、グルコース1%、大豆粉2%、リ
ン酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、pH無
調整)を入れた500ml容の三角フラスコ3本に接種し、28
℃で3日間回転攪拌機上で培養して種培養液を得た。こ
の種培養液300mlを上記と同じ組成の培地5リットルを含
む10リットル容ジャーファーメンター3基に接種して、2
8℃で88時間通気攪拌培養(通気量5リットル/分、攪拌
300rpm)を行った。培養終了後、培養液(約15リットル)
を濾過により菌体と上清に分離し、約12リットルの培養
上清と約2リットルの菌体を回収した。
【0039】こうして得た菌体にメタノール5リットル
を加えて抽出した後、メタノールを濃縮除去し、水で5
リットルに希釈した後、酢酸エチル5リットルで抽出し
た。培養上清は、10リットルの酢酸エチルで抽出した。
得られた両酢酸エチル抽出液を混合し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水乾燥した後、減圧下に濃縮乾固して固形物41
gを得た。
を加えて抽出した後、メタノールを濃縮除去し、水で5
リットルに希釈した後、酢酸エチル5リットルで抽出し
た。培養上清は、10リットルの酢酸エチルで抽出した。
得られた両酢酸エチル抽出液を混合し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水乾燥した後、減圧下に濃縮乾固して固形物41
gを得た。
【0040】これをクロロホルム50mlに溶かし、あらか
じめクロロホルムで充填したシリカゲルカラム(メルク
社製、Art.7734、3φ×47cm)に吸着させ、クロロホルム
100mlで洗浄後、クロロホルム/メタノール混液(50:1)8
00mlとクロロホルム/メタノール混液(20:1)800mlで展
開し、溶出液を約10mlずつ分取した。抗生物質Mer-NF80
54AおよびMer-NF8054Xの検出は、各フラクションのペー
パーディスク法による抗菌活性(検定菌:アスペルギル
ス・フミガタス(Aspergillus fumigatus))とトルエン/
アセトン混液(1:1)を展開溶媒とするシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー(メルク社製、Art.5715、リンモリブ
デン酸発色、Rf0.45)で行い、活性を示すフラクション
を集め、減圧下に濃縮乾固した。この乾固物をトルエン
/アセトン混液(2:1)5mlに溶かし、再びシリカゲルクロ
マトグラフィーを行った。
じめクロロホルムで充填したシリカゲルカラム(メルク
社製、Art.7734、3φ×47cm)に吸着させ、クロロホルム
100mlで洗浄後、クロロホルム/メタノール混液(50:1)8
00mlとクロロホルム/メタノール混液(20:1)800mlで展
開し、溶出液を約10mlずつ分取した。抗生物質Mer-NF80
54AおよびMer-NF8054Xの検出は、各フラクションのペー
パーディスク法による抗菌活性(検定菌:アスペルギル
ス・フミガタス(Aspergillus fumigatus))とトルエン/
アセトン混液(1:1)を展開溶媒とするシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー(メルク社製、Art.5715、リンモリブ
デン酸発色、Rf0.45)で行い、活性を示すフラクション
を集め、減圧下に濃縮乾固した。この乾固物をトルエン
/アセトン混液(2:1)5mlに溶かし、再びシリカゲルクロ
マトグラフィーを行った。
【0041】さらにトルエン/アセトン混液(2:1)の展
開液で充填したシリカゲルカラム(メルク社製、Art.773
4、3φ×50cm)に吸着させ、同じ組成の展開液800mlで展
開し、溶出液を約10mlずつ分取した。活性を示すフラク
ションを集め、減圧下に濃縮乾固した。これをメタノー
ル2mlに溶かし、あらかじめメタノールで充填したセフ
ァデックスLH-20カラム(ファルマシア社製、1.5φ×75c
m)に付し、メタノールで展開し、溶出液を5mlずつ分取
した。活性画分を集め、減圧下にメタノールを除去し
た。
開液で充填したシリカゲルカラム(メルク社製、Art.773
4、3φ×50cm)に吸着させ、同じ組成の展開液800mlで展
開し、溶出液を約10mlずつ分取した。活性を示すフラク
ションを集め、減圧下に濃縮乾固した。これをメタノー
ル2mlに溶かし、あらかじめメタノールで充填したセフ
ァデックスLH-20カラム(ファルマシア社製、1.5φ×75c
m)に付し、メタノールで展開し、溶出液を5mlずつ分取
した。活性画分を集め、減圧下にメタノールを除去し
た。
【0042】その後、あらためてメタノール2mlに溶か
し、これを1mlずつ2回に別けて分取用HPLCに付した。カ
ラムとしてYMC-Pack S-343 I-15 ODS,2φ×25cmを用
い、移動相:50%(v/v)アセトニトリル、流速:7.0ml/mi
n、検出:UV254nmの条件で溶出し、保持時間26.4分と16.
0分にそれぞれピークを持つ2つの活性物質Mer-NF8054A
とMer-NF8054Xを分取した。分取した画分は、減圧下に
アセトニトリルを除いた後、それぞれ等量の酢酸エチル
で抽出し、減圧下に乾固させて、Mer-NF8054AとMer-NF8
054Xをそれぞれ0.8mg、1.1mg得た。
し、これを1mlずつ2回に別けて分取用HPLCに付した。カ
ラムとしてYMC-Pack S-343 I-15 ODS,2φ×25cmを用
い、移動相:50%(v/v)アセトニトリル、流速:7.0ml/mi
n、検出:UV254nmの条件で溶出し、保持時間26.4分と16.
0分にそれぞれピークを持つ2つの活性物質Mer-NF8054A
とMer-NF8054Xを分取した。分取した画分は、減圧下に
アセトニトリルを除いた後、それぞれ等量の酢酸エチル
で抽出し、減圧下に乾固させて、Mer-NF8054AとMer-NF8
054Xをそれぞれ0.8mg、1.1mg得た。
【0043】実施例2 Mer-NF8054b株を実施例1で示したMer-NF8054a株と同様
の条件で培養した。得られた培養液15リットルを実施例
1と同様の操作により、精製し、Mer-NF8054AとMer-NF8
054Xをそれぞれ1.2mg、0.8mg得た。
の条件で培養した。得られた培養液15リットルを実施例
1と同様の操作により、精製し、Mer-NF8054AとMer-NF8
054Xをそれぞれ1.2mg、0.8mg得た。
【0044】実施例3 Mer-LF1019株を実施例1で示したMer-NF8054a株と同様
の条件で培養した。得られた培養液15リットルを実施例
1と同様の操作により、精製し、Mer-NF8054AとMer-NF8
054Xをそれぞれ1.5mg、0.3mg得た。
の条件で培養した。得られた培養液15リットルを実施例
1と同様の操作により、精製し、Mer-NF8054AとMer-NF8
054Xをそれぞれ1.5mg、0.3mg得た。
【0045】実施例4 Mer-PF1003株の斜面培地(ポテト・デキストロース寒天
培地)から1白金耳ずつを100mlの種培地(グリセリン4
%、馬鈴薯澱粉2%、グルコース1%、大豆粉2%、リン
酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、pH無調
整)を入れた500ml容の三角フラスコ3本に接種し、28℃
で3日間回転攪拌機上で培養して種培養液を得た。この
種培養液300mlを15リットルの培地(グルコース10%、ポ
リペプトン5%、酵母エキス3%、マルトエキス3%、消
泡剤(商品名:アデカノール、旭電化工業社製)0.5
%、pH6.5)を含む30リットル容ジャーファーメンターに
接種して、28℃で88時間通気攪拌培養(通気量7.5リット
ル/分、攪拌200rpm)を行った。
培地)から1白金耳ずつを100mlの種培地(グリセリン4
%、馬鈴薯澱粉2%、グルコース1%、大豆粉2%、リン
酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、pH無調
整)を入れた500ml容の三角フラスコ3本に接種し、28℃
で3日間回転攪拌機上で培養して種培養液を得た。この
種培養液300mlを15リットルの培地(グルコース10%、ポ
リペプトン5%、酵母エキス3%、マルトエキス3%、消
泡剤(商品名:アデカノール、旭電化工業社製)0.5
%、pH6.5)を含む30リットル容ジャーファーメンターに
接種して、28℃で88時間通気攪拌培養(通気量7.5リット
ル/分、攪拌200rpm)を行った。
【0046】培養終了後、培養液(約30リットル)を濾過
により菌体と上清に分離し、約25リットルの培養上清と
約3リットルの菌体を回収した。
により菌体と上清に分離し、約25リットルの培養上清と
約3リットルの菌体を回収した。
【0047】こうして得た菌体にメタノール7リットル
を加えて抽出した後、メタノールを濃縮除去し、水で5
リットルに希釈した後、酢酸エチル5リットルで抽出し
た。培養上清は、25リットルの酢酸エチルで抽出した。
得られた両酢酸エチル抽出液を混合し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水乾燥した後、減圧下に濃縮乾固して固形物30
g を得た。
を加えて抽出した後、メタノールを濃縮除去し、水で5
リットルに希釈した後、酢酸エチル5リットルで抽出し
た。培養上清は、25リットルの酢酸エチルで抽出した。
得られた両酢酸エチル抽出液を混合し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水乾燥した後、減圧下に濃縮乾固して固形物30
g を得た。
【0048】これをトルエン/アセトン混液(4:1)30ml
に溶かし、あらかじめ同液で充填したシリカゲルカラム
(メルク社製、Art.7734、3φ×40cm)に吸着させ、トル
エン/アセトン混液(4:1)1000mlとトルエン/アセトン
混液(2:1)1000mlで展開し、溶出液を約15mlずつ分取し
た。
に溶かし、あらかじめ同液で充填したシリカゲルカラム
(メルク社製、Art.7734、3φ×40cm)に吸着させ、トル
エン/アセトン混液(4:1)1000mlとトルエン/アセトン
混液(2:1)1000mlで展開し、溶出液を約15mlずつ分取し
た。
【0049】実施例1と同様の方法で活性物質を検出
し、活性を示すフラクションを集め、減圧下に濃縮乾固
した。この乾固物をメタノール10mlに溶かし、あらかじ
めメタノールで充填したセファデックスLH-20カラム(フ
ァルマシア社製、4φ×45cm)に付し、メタノールで展開
し、溶出液を15mlずつ分取した。抗菌活性およびシリカ
ゲル薄層クロマトグラフィーでMer-NF8054Aを検出し、
シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で単一スポットを
示す活性画分を集め、減圧下にメタノールを除去した。
し、活性を示すフラクションを集め、減圧下に濃縮乾固
した。この乾固物をメタノール10mlに溶かし、あらかじ
めメタノールで充填したセファデックスLH-20カラム(フ
ァルマシア社製、4φ×45cm)に付し、メタノールで展開
し、溶出液を15mlずつ分取した。抗菌活性およびシリカ
ゲル薄層クロマトグラフィーでMer-NF8054Aを検出し、
シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で単一スポットを
示す活性画分を集め、減圧下にメタノールを除去した。
【0050】得られた乾固物をクロロホルム/メタノー
ル混液(40:1)5mlに溶かし、あらかじめクロロホルム/
メタノール混液(40:1)で充填したシリカゲルカラム(メ
ルク社製、Art.9385、3φ×30cm)に吸着させ、クロロホ
ルム/メタノール混液(40:1)600mlとクロロホルム/メ
タノール混液(20:1)600mlで展開し、溶出液を約10mlず
つ分取した。活性を示すフラクションを集め、減圧下に
濃縮乾固し、乾固物13mg得た。この乾固物をメタノール
2mlに溶かし、あらかじめメタノールで充填したセファ
デックスLH-20カラム(ファルマシア社製、1.5φ×76cm)
に付し、メタノールで展開し、溶出液を5mlずつ分取し
た。抗菌活性およびシリカゲル薄層クロマトグラフィー
でMer-NF8054Aを検出し、シリカゲル薄層クロマトグラ
フィー上で単一スポットを示す活性画分を集め、減圧下
に濃縮乾固し、抗生物質Mer-NF8054Aを7.2mg得た。
ル混液(40:1)5mlに溶かし、あらかじめクロロホルム/
メタノール混液(40:1)で充填したシリカゲルカラム(メ
ルク社製、Art.9385、3φ×30cm)に吸着させ、クロロホ
ルム/メタノール混液(40:1)600mlとクロロホルム/メ
タノール混液(20:1)600mlで展開し、溶出液を約10mlず
つ分取した。活性を示すフラクションを集め、減圧下に
濃縮乾固し、乾固物13mg得た。この乾固物をメタノール
2mlに溶かし、あらかじめメタノールで充填したセファ
デックスLH-20カラム(ファルマシア社製、1.5φ×76cm)
に付し、メタノールで展開し、溶出液を5mlずつ分取し
た。抗菌活性およびシリカゲル薄層クロマトグラフィー
でMer-NF8054Aを検出し、シリカゲル薄層クロマトグラ
フィー上で単一スポットを示す活性画分を集め、減圧下
に濃縮乾固し、抗生物質Mer-NF8054Aを7.2mg得た。
【0051】
【発明の効果】本発明の抗生物質Mer-NF8054AおよびMer
-NF8054Xは、表1に示した通り、アスペルギルス症の原
因菌であるアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus f
umigatus)に対して抗真菌活性を有し、また従来の抗真
菌性抗生物質に見られない新規な骨格を有するのが特徴
である。これらの性質に基づき本発明の抗生物質Mer-NF
8054AおよびMer-NF8054Xは、医薬、農薬あるいはそれら
への変換素材としての有用性が期待できる。
-NF8054Xは、表1に示した通り、アスペルギルス症の原
因菌であるアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus f
umigatus)に対して抗真菌活性を有し、また従来の抗真
菌性抗生物質に見られない新規な骨格を有するのが特徴
である。これらの性質に基づき本発明の抗生物質Mer-NF
8054AおよびMer-NF8054Xは、医薬、農薬あるいはそれら
への変換素材としての有用性が期待できる。
【0052】
【図1】抗生物質Mer-NF8054Aのメタノール中での紫外
線吸収スペクトルを示す。
線吸収スペクトルを示す。
【図2】抗生物質Mer-NF8054Aの KBr法での赤外線吸収
スペクトルを示す。
スペクトルを示す。
【図3】抗生物質Mer-NF8054Aの重メタノール溶液中で
の400MHz1H-NMRスペクトルを示す。
の400MHz1H-NMRスペクトルを示す。
【図4】抗生物質Mer-NF8054Aの重メタノール溶液中で
の100MHz13C-NMRスペクトルを示す。
の100MHz13C-NMRスペクトルを示す。
【図5】抗生物質Mer-NF8054Xのメタノール中での紫外
線吸収スペクトルを示す。
線吸収スペクトルを示す。
【図6】抗生物質Mer-NF8054Xの KBr法での赤外線吸収
スペクトルを示す。
スペクトルを示す。
【図7】抗生物質Mer-NF8054Xの重メタノール溶液中で
の400MHz1H-NMRスペクトルを示す。
の400MHz1H-NMRスペクトルを示す。
【図8】抗生物質Mer-NF8054Xの重メタノール溶液中で
の100MHz13C-NMRスペクトルを示す。
の100MHz13C-NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:70) C12R 1:70) (C12P 33/00 (C12P 33/00 C12R 1:66) C12R 1:66) (72)発明者 吉岡 武男 神奈川県綾瀬市上土棚1959グリーンハイ ツ3−3102 (72)発明者 木岡 知之 神奈川県平塚市松風町1−6 審査官 鈴木 恵理子 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、 Xは-CH2-または-CO-を表わす)で示される抗
真菌性抗生物質またはそれらの生理学的に許容される
塩。 - 【請求項2】 式 【化2】 で示される抗真菌性抗生物質Mer-NF8054Aまたはその生
理学的に許容される塩。 - 【請求項3】 式 【化3】 で示される抗真菌性抗生物質Mer-NF8054Xまたはその生
理学的に許容される塩。 - 【請求項4】 アスペルギルス(Aspergillus)属に属す
る抗生物質Mer-NF8054A生産菌を培養し、培養物から抗
生物質Mer-NF8054Aを採取することを特徴とする抗生物
質Mer-NF8054Aの製造法。 - 【請求項5】 アスペルギルス(Aspergillus)属に属す
る抗生物質Mer-NF8054X生産菌を培養し、培養物から抗
生物質Mer-NF8054Xを採取することを特徴とする抗生物
質Mer-NF8054Xの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32145492A JP3237722B2 (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 新規抗生物質Mer−NF8054AおよびMer−NF8054X並びにそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32145492A JP3237722B2 (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 新規抗生物質Mer−NF8054AおよびMer−NF8054X並びにそれらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145194A JPH06145194A (ja) | 1994-05-24 |
JP3237722B2 true JP3237722B2 (ja) | 2001-12-10 |
Family
ID=18132747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32145492A Expired - Fee Related JP3237722B2 (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 新規抗生物質Mer−NF8054AおよびMer−NF8054X並びにそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3237722B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107860839B (zh) * | 2017-11-02 | 2020-08-11 | 重庆华邦制药有限公司 | Hplc法分离测定萘替芬酮康唑乳膏中两种药物及抑菌剂的方法 |
-
1992
- 1992-11-06 JP JP32145492A patent/JP3237722B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06145194A (ja) | 1994-05-24 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |