JP2866958B2 - 自動２輪車の収納構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） この発明は自動２輪車の収納構造に関する。

（従来の技術） 第３図に示すようなオンロードタイプの自動２輪車
は、車体がパイプフレームで構成されており、この車体
フレームは一般的に第５図に示すフレーム構造がとられ
ている。すなわち車体フレームはメインフレーム１の後
方に左右のシートレールを兼ねるアッパチューブ（アッ
パフレーム）2,2、ボディチューブ（ボディフレーム）
3,3、およびサイドチューブ（サイドフレーム）4,4を有
し、これらチューブで囲まれて形成される逆三角形状の
スペース５内にバッテリ、エアクリーナ、電装品、ツー
ルホルダ等の装備機器が収められる取付け用のスペース
として使用される。これらの機器を隠蔽するように十分
な大きさの逆三角形状のサイドカバー６が取付けられる
ようになっている。

このサイドカバー６は、前記の機器全体を隠すため大
型になり、それ故サイドカバー６が目立たぬように車体
のデザインに合せて車体の色と合せた上半部分6aと黒色
の下半部分6bとに色分けされている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら従来の自動２輪車の収納構造によると、
車体フレーム１のスペース５に内蔵された機器を全てカ
バーするためにはサイドカバー６が逆三角形の大型部品
となり、下半部分6bを目立たぬように黒色にするなど車
体の色に合せて塗り分けしなければならないので塗装費
が嵩み、かつ成形用の型が大型となるため制作費が高く
なるという問題があった。さりとて下半部分6bを下方に
延長しないと第５図示のように隙間ができて内蔵機器が
外から見えてしまい、外観が悪くなる。

この発明は、上述した事情を考慮してなされたもの
で、サイドカバーを有効に機能させると同時にサイドカ
バーが大型部品となることを防ぎ、外観的にも２部品で
ありながら一体感を持ち、車体フレームの逆三角形状ス
ペースの側面を完全に隠蔽することができ、ツートンカ
ラーに塗り分ける必要をなくすることができる自動２輪
車の収納構造を提供することを目的とするものである。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記従来技術が有する課題を解決するために、この発
明に係る自動２輪車の収納構造は、車体フレームのアッ
パフレームとボディフレームとサイドフレームとで逆三
角形状のスペースを形成し、上記逆三角形状スペースの
下部に取付けられ、物品収納庫を備えた備えた収納装置
と、前記逆三角形状スペースの上方部を側方から覆うサ
イドカバーとを組み合せて構成し、上記サイドカバーは
収納装置の物品収納庫の開口部を覆う一方、前記収納装
置は、逆三角形状スペースの下方部を覆う下部カバー部
が物品収納庫の下方に一体に成形されたものである。

（作用） 上記の構成により、収納装置は車体フレームの逆三角
形状スペースの下部に取付けられているのでサイドカバ
ーを外すと物品収納庫の開口部が開放され、この物品収
納庫内に収納物を収納することができる。収納後サイド
カバーを車体フレームの逆三角形状スペースの側面に取
付ければ、車体フレームの逆三角形状スペースが覆われ
ると同時に物品収納庫の開口部も閉鎖され、外部からは
サイドカバーと収納装置が一体物に見え、両者の色を予
め車体デザインに合せた色としておくことにより色を塗
り分けることなく車体デザインにマッチングされる。

（実施例） 以下この発明の実施例を第１図および第２図により第
５図と共通する部材には同一符号を付して説明する。

第１図は自動２輪車の収納構造の一実施例を示すもの
で、この自動２輪車の車体フレームはフレーム構造が採
用される。車体フレームはメインフレーム１の後方にシ
ートレールを兼ねるアッパチューブ（アッパフレーム）
２とボディチューブ（ボディフレーム）３とサイドチュ
ーブ（サイドフレーム）４とから逆三角形状のスペース
５が形成される。逆三角形状スペース５はバッテリ、エ
アクリーナ、電装品、ツールホルダ等の装備機器が納め
られる取付用スペースとして使用される。

車体フレームの逆三角形状スペース５の下部に収納装
置７が取付けられる。収納装置７は、横長箱状の物品収
納庫８を有し、この物品収納庫８の一端は開口されてお
り、この開口部９の下部に車体フレームの逆三角形状の
スペース５の下方の三角部分を埋めることができる逆三
角形状の下部カバー部10と側方に張出した取付座11とが
一体に形成されている。

サイドカバー12は、前記逆三角形状スペース５の上方
部を覆う逆台形状を有するもので、その内面側の下部に
前記物品収納庫８の開口部９の端部が嵌合する嵌合部13
を有している。

これら収納装置７およびサイドカバー12は、いずれも
合成樹脂で成形され、車体デザインに合せて所要の色彩
の着色成形材料で形成されている。

このようにサイドカバー12と収納装置７とを車体に合
う色の材料で成形することにより、後から色分けして塗
装する手間が省け、製造コストを大幅に低減することが
できる。

上記収納装置７は、取付穴14,14…と車体フレーム１
の取付穴15,15…とを合せてこれに通す固定具として例
えばビス16,16…によって固着され、サイドカバー12は
車体フレーム１および収納装置７の取付穴18、17に通す
ピン19,19…を有し、このピン19,19にグロメット20を着
脱可能に嵌合して取付けられる。21は収納装置７の内端
の位置決め用のピン、22はリヤーサスペンション取付け
ボス、23はシート、24は収納物を示す。

したがって、サイドカバー12は随時引張ることにより
取外すことができ、サイドカバー12を取外すことにより
物品収納庫８の開口９が開放されてこの物品収納庫８内
に収納物24を出し入れすることができる。収納物収納
後、サイドカバー12を取付ければ、逆三角形状スペース
５に取付けられた装備機器を側方から覆う一方、物品収
納庫８の開口部９は閉鎖される。この閉鎖により、サイ
ドカバー12は物品収納庫８のキャップとして機能し、外
部からは物品収納庫８の存在が隠される。

また、収納装置７の一部に取付座11を設け、この取付
座11にサイドカバー12を合せて取付けたので、サイドカ
バー12と収納装置７との合せが確実にでき、サイドカバ
ー12を装着したとき、サイドカバー12は下部カバー部10
に、第２図に示すように、ほぼ面一に装着される。さら
に、サイドカバー12と収納装置７の下部カバー部10とで
車体フレーム１の逆三角形状スペース５の側面が完全に
覆われた形態となり、下部カバー部10で逆三角形状スペ
ース５の下方部を覆ったので、ボディチューブ３とサイ
ドチューブ４の接合部が覆われ、溶接痕をカバーするこ
とができ、外観性が向上するので、外観上車体のデザイ
ンにマッチしたものとなって見える。

〔発明の効果〕

以上のようにこの発明によれば、車体フレームの逆三
角形状スペーの側面を収納装置とサイドカバーとの組合
せ構造で覆ったので、サイドカバーなどの各構造部品が
小型化され、金型も小型になって型費用が著しく安価に
なる。

また収納装置の物品収納庫が逆三角形状スペース内に
設けられるので、小物収納物の収納に便利であり、しか
もその物品収納庫の開口部はサイドカバーで覆われるの
で風雨から収納物を保護することができ、外部からも全
く見えなくなり、体裁もよい。

さらに、収納装置は下部カバー部を一体に備え、この
下部カバー部で逆三角形状スペースの下方部を覆うよう
にしたので、ボディフレームとサイドカバーの接合部を
カバーすることができ、接合部の溶接痕の露出を防止
し、外観性や商品性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す分解斜視図、第２図
は同取付時の半部断面図、第３図はこの発明を適用する
自動２輪車の一例を示す側面図、第４図は従来のサイド
カバーを示す斜視図、第５図は同不具合を示す斜視図で
ある。 １……メインフレーム、５……逆三角形状スペース、７
……収納装置、８……物品収納庫、９……開口部、10…
…下部カバー部、12……サイドカバー。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体フレームのアッパフレームとボディフ
   レームとサイドフレームとで逆三角形状のスペースを形
   成し、上記逆三角形状スペースの下部に取付けられ、物
   品収納庫を備えた備えた収納装置と、前記逆三角形状ス
   ペースの上方部を側方から覆うサイドカバーとを組み合
   せて構成し、上記サイドカバーは収納装置の物品収納庫
   の開口部を覆う一方、前記収納装置は、逆三角形状スペ
   ースの下方部を覆う下部カバー部が物品収納庫の下方に
   一体に形成されたことを特徴とする自動２輪車の収納構
   造。