JP2866840B2 - 殺生物用水溶性3−イソチアゾロン組成物 - Google Patents

殺生物用水溶性3−イソチアゾロン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はニトロソアミン不純
物を殆んど又は全く含有しない特に化粧品又は薬剤用に
適する3−イソチアゾロン組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】3−イソチアゾロン類はカビ類、細菌、
藻類、粘液菌、フジツボ、ベト病菌等のような動物およ
び植物の多数疫病に対して生物機能停止作用および/ま
たは殺生物作用を有する生物学的に活性な殺菌剤の大き
なグループを構成している(米国特許第3,761,4
88号参照)。この化合物は次の一般式で表わすことが
できる: 【0003】 【化1】 【0004】式中、RおよびR′は個別に水素、ハロゲ
ンまたは炭素1〜4原子のアルキル基から選択され;Y
は炭素1〜8原子のアルキル基、炭素3〜6原子のシク
ロアルキル基、炭素8原子以下のアラルキル基、または
炭素6原子のアリール基もしくは置換アリール基であ
る。 【0005】3−イソチアゾロンはY(上記式参照)が
低級アルキルであり、そしてRおよびR′の少なくとも
1方がハロゲンである(他方は、通常Rは水素である)
とき、この化合物は水に殆んど制限なく可溶性である有
効な工業用殺菌剤である(米国特許第4,105,43
1号参照)。水溶性がもっと低い、高級アルキル3−イ
ソチアゾロンは一般に有機溶液やエマルジョン製品例え
ばペイント状の殺ベト病菌剤や殺カビ剤として有用であ
る。また、高級アルキルイソチアゾロンはエタノール、
イソプロパノール、アセトン等のような種々の有機溶剤
に可溶である。このような溶液は水で容易に増量するこ
とができる。また、イソチアゾロン類は固形状でも使用
され、好ましくは粒状キャリヤ上または中に吸収され
る。あいにく、3−イソチアゾロン類の溶液特に水溶液
またはアルコールのような極性有機溶剤の溶液は不安定
であり、生物学的効果が低下する。これは特に低級アル
キル系の場合、即ち、上記YがC1 〜C4 アルキルまた
は脂環基である場合にそうである。不安定性はイソチア
ゾロン環の開裂によって環化合物と同じ生物学的性質を
有さない鎖状化合物が生成される結果である。開環を防
止するため、硝酸塩特にカルシウム、銅、マグネシウ
ム、マンガン、ニッケルおよび亜鉛のような多価金属の
硝酸塩をイソチアゾロン溶液に添加することができる。
従って、水または有機溶剤またはそれ等混合液を含有す
る溶液状の3−イソチアゾロン殺菌剤の多くは3−イソ
チアゾロンの分解防止用硝酸塩安定剤を配合することが
今日商業的に望ましい(米国特許第3,870,795
号参照)。 【0006】3−イソチアゾロン殺菌剤は非常に低い使
用量で有効であることから、さらに例えば化粧品のよう
な人間との接触を意図した製品に応用することが奨励さ
れ、従って以前工業的用途に必要とされていたよりも高
い純度の必要性が生ずる。3−イソチアゾロン類の製造
に使用されている現行の工業的方法はジスルフィドのア
ミド化およびその後のジスルフィドアミドのハロゲン化
環化を包含する: 【0007】 【化2】 【0008】 【化3】【0009】式中、XおよびZ〔上記一般式におけるR
およびR′(但し後で付着するハロゲンを除く)であ
る〕は水素または低級アルキルであり、そしてYは上記
一般式において説明したものと同じである。 【0010】環化はアミドをハロゲン化剤と接触させる
ことによって行われる。代表的なハロゲン化剤は塩素、
臭素、塩化スルフリル、臭化スルフリル、N−クロロス
クシンイミド、N−ブロモスクシンイミド等を包含す
る。塩素および塩化スルフリルが好ましいハロゲン化剤
である。大概の工業的目的のためには、ジスルフィド中
間体(以後、「ジスルフィド」と称す)のアミド化によ
ってアミド中間体(以後、「アミド」と称す)が生成さ
れ、そして終局的に比較的高純度の3−イソチアゾロン
化合物が生成される。上記反応式(A)および(B)に
従って製造された場合、3−イソチアゾロン類は一般に
2種以上のイソチアゾロン活性成分(Al)と一緒に今
迄その性質が明らかにされていなかったアミンを包含す
る種々の副生成物を含有する混合物として生成される。
本願において用語「イソチアゾロン」は個々のものを指
すため又は生物学的に活性な化合物の複数からなる反応
混合物をまとめて指すために使用されている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】今度、発明者等によっ
て、従来のジスルフィド中間体を使用して生成された特
定の3−イソチアゾロン殺菌剤はニトロソ化条件にさら
したときにニトロソ化合物に転化し得る第2または第3
アミン基を有する副生成不純物を含有していると云うこ
とが解明された。グループとして、ニトロソ化合物は一
般に発癌物質の可能性があると思われる。従って、特に
人間または動物と接触すると予想される分野に使用され
る製品にとっては、ニトロソアミンを生ずる先駆物質と
して作用するこれ等副生成不純物の極微量をも除去する
手段が見い出されることが望まれる。 【0012】ニトロソアミンの問題は3−イソチアゾロ
ン組成物が硝酸塩の添加を必要とする場合(米国特許第
4,067,878号参照)又は別のニトロソ化剤がイ
ソチアゾロン中に存在する溶液状、即ち水溶液または有
機溶剤のいずれかまたはその混合液の状態で配合されて
いる場合に一層悪くなる。安定剤として金属硝酸塩が存
在する場合、3−イソチアゾロン反応混合物中に存在す
る副生成第2または第3アミン化合物は発癌物質と思わ
れるニトロソ化合物にニトロソ化されやすい。「ニトロ
ソアミン先駆物質」または単に「先駆物質」が意味する
ところはニトロソアミンに転化し得る第2アミン(およ
び、もし存在するならば、第3アミン)副生成物化合物
を意図している。 【0013】本発明の目的はニトロソアミン先駆物質ま
たはニトロソアミンを含有しない特定の3−イソチアゾ
ロン組成物を提供することである。本発明の別の目的は
ニトロソアミンまたはニトロソアミン化合物に転化し得
るニトロソアミン先駆物質を実質的に含有しない3−イ
ソチアゾロン水溶液を提供することである。さらに本発
明の目的はニトロソアミン先駆物質の生成を阻止するた
め又はニトロソ化条件にさらされる前にニトロソアミン
先駆物質を除去するために使用できる3−イソチアゾロ
ン類を提供することである。それ以上の目的は以下の記
述から明らかになろう。別に断わらない限り、パーセン
トは全て重量による。 【0014】 【課題を解決するための手段】通常のジスルフィド中間
体(例えばジメチル−3,3−ジチオジプロピオネー
ト)のアミド化による工業用殺菌剤の製造において、発
明者等はアミド生成物(アミド)中に約0.5重量%
(5,000ppm)〜約1.1重量%(11,000
ppm)のニトロソアミン先駆物質が典型的に存在する
ことを解明した。アミド化された中間体を塩素化し、濾
過し、中和し、金属硝酸塩安定剤と一緒に水に溶解し、
それから副生成不純物を除去するために加熱処理した後
の最終生成物中には、ニトロソアミンが(元々の先駆物
質の)約6〜16重量%含有されている、即ち、元々の
先駆物質含有量が5,000ppmの場合、最終生成物
中には概して750ppmのニトロソアミンが含有され
ていることが判明した。工業的用途においては高度に希
釈するため、使用条件下ではニトロソアミンが10億分
の1の単位以上の濃度で存在することはめったにない。 【0015】中でも細菌の生長を阻止するために最も有
効な殺菌剤は主として5−クロロ−2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンとからなる3−イソチアゾロン混合物
(塩素化条件に依存した混合物)であり、その場合、塩
素化された物は全体の活性成分(Al)の60重量%〜
90重量%を構成している。この製造方法は次のような
ものを包含する: 【0016】 【化4】 【0017】 【化5】 【0018】 【化6】 【0019】上記第1の反応式(1)はモノ−、ジ−お
よびトリ−チオジアミド約95%とメタノールを含有す
る混合物を生成する。ジスルフィドの分裂によって(ア
ミド化中)、N−メチルアクリルアミド副生成物が生ず
ると思われる。この分裂副生成物にモノメチルアミンが
共役付加することによって、主なニトロソアミン先駆物
質N−メチル−3−(N′−メチルアミノ)プロピオン
アミドの生成が下記の推定反応式に従って起る: 【0020】 【化7】【0021】また、上記反応式(4)によって生成され
たMMAPに対してN−メチルアクリルアミドは理論的
に下記に従って付加する: 【0022】 【化8】 【0023】上記ニトロソアミン先駆物質は両方ともジ
スルフィド出発物質のアミド化時に生成された中間体ア
ミド中に存在するものとして同定された。ニトロソアミ
ン先駆物質はAlと一緒に塩素化、中和および3−イソ
チアゾロン組成物の配合段階を通して金属硝酸塩が添加
される迄残存し、その添加時にニトロソ化が起って(主
に加熱処理中)ニトロソアミンを生ずる、例えば: 【0024】 【化9】 【0025】アミド化反応(1)は有機溶剤、脂肪族ま
たは芳香族どちらかまたはそれ等混合液中で行われる。
使用される溶剤の具体例はメタノール、トルエンおよび
ラクタン(Laktane)である。ラクタンは市販
(Exxon)の炭化水素溶剤であって引火点−3.9
℃(25°F)、沸点範囲102〜108℃を有し、そ
して次の組成を有する: パラフィン 28%w/w シクロパラフィン 54%w/w トルエン 18%w/w アミド化によって得られるジスルフィドアミド反応混合
物は高固形分を有する。濾過したアミド混合物を環状3
−イソチアゾロン塩酸塩混合物にするための塩素化
(2)は有機溶剤例えばトルエン、パークロロエチレ
ン、酢酸エチルまたは酢酸トリブチル中の濃厚スラリ状
態のアミドによって実施される。この反応は好ましくは
反応容器中のアミドスラリに対して塩素ガスを適当なモ
ル比で(アミド1モル当り3〜6モル好ましくは5モル
のCl2 )同時供給することを包含する。 【0026】濾過された3−イソチアゾロン塩酸塩反応
混合物を中和して工業用等級の生成物を得るためには酸
化マグネシウムの水性スラリを使用してもよい。次い
で、最終加熱処理段階の前に、この工業級生成物に金属
硝酸塩安定剤化合物が添加される。熱処理は副生成物の
除去又は分解に有効である。その他、市販の3−イソチ
アゾロン殺菌剤の製造における望ましい工程は次の実施
例中に説明されており、また、ここに引用した先行特許
特に米国特許第3,849,430号中に明らかにされ
ている。 【0027】発明者等は、(I)アミド中間体反応混合
物からニトロソアミン先駆物質を除去することによって
又は(II)アミド化反応中にニトロソアミン先駆物質
が生成されないように防止することによって、3−イソ
チアゾロン生成物からニトロソアミンを有効に無くする
ことができることを明らかにした。(I)および(I
I)の各に対して種々の態様を開発した。本発明の方法
によって製造できる安定化された3−イソチアゾロン組
成物はニトロアミン先駆物質およびニトロソアミンを実
質的に含有しない、即ち、その組成物はかかる物質を約
100ppm以下、好ましくは50ppm以下含有す
る。殆んど希釈しないで使用しなければならない感じや
すい用途のためには20ppm以下の先駆物質およびニ
トロソアミンを含有する組成物がより一層好ましい。後
で示されるように、ニトロソアミンまたは先駆物質の化
合物が検出されない組成物を生成することさえ可能であ
る。 【0028】アミド中間体からの先駆物質の除去または
一部除去は(a)イオン交換、(b)結晶化もしくは再
結晶化、または(c)溶剤抽出(濾過および洗浄)のよ
うな分離技術またはこれらの分離技術の組合せによって
行ってもよい。これ等技術は従来の工業的方法に従って
ジスルフィド中間体から生成されたアミド反応混合物に
対して有効であり、またニトロソアミン先駆物質の生成
を防止するための本願に(下記に)開示されている代替
方法と併用する場合に有効である。3−イソチアゾロン
生成物が本質的にニトロソアミンを含有してはならない
場合、例えば化粧品のような場合、2つの技術の組合わ
せはしばしば好ましい。 【0029】2−プロパノールからのN,N′−ジメチ
ル−3,3′−ジチオジプロピオンアミドの再結晶化は
ジスルフィドとメチルアミンとの反応混合物からニトロ
ソアミン先駆物質N−メチル−3−(N′−メチルアミ
ノ)プロピオンアミドを有効に除去する。濾過および
N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオプロピオンアミ
ド湿潤濾滓のメタノール洗浄は、先駆物質N−メチル−
3−(N′−メチルアミノ)プロピオンアミドの量を5
000ppmから400ppmに低下させる。反応混合
物の選択的イオン交換によるニトロソアミン先駆物質の
除去も有効である。 【0030】N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジ
プロピオンアミドのメタノール溶液をスルホン酸カチオ
ン交換樹脂(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRo
hm& Hass社の商標Amberlyst 15)
で処理することによって、ジスルフィドとモノメチルア
ミンとの反応混合物(上記反応式1参照)からN−メチ
ル−3−(N′−メチルアミノ)プロピオンアミドを良
好に除去することができる。この樹脂はメタノール塩酸
で再生できる。イオン交換プロセスは次のように表わす
ことができる: 【0031】 【化10】 【0032】イオン交換処理した中間体から製造された
最終生成物3−イソチアゾロンはニトロソアミン含量が
大巾に低下している。 【0033】 【発明の実施の形態】ニトロソアミン先駆物質の生成は
アミド化反応においてアミド化反応用に別の中間体を選
択することによって防止できる。大概の脂肪族および芳
香族メルカプタンは、主なニトロソアミン先駆物質の生
成の原因となる反応性化合物であるN−アルキルアクリ
ルアミド中間体(上記反応式4および5参照)に対する
付加反応に有効である。他のマイクル付加反応体例えば
アルコールのナトリウムまたはカリウム塩は他の出発物
質と高反応性であるため一般に望ましくない。 【0034】 【化11】【0035】アミド化反応において通常のジスルフィド
中間体の代りにメルカプタン中間体を選択した場合、ニ
トロソアミン先駆物質の生成が独自に回避されると云う
ことは重要であり、予測できなかった本発明による解明
である。好ましいメルカプタン中間体は式 【0036】 【化12】 【0037】(式中、XおよびZは先に示した意味を有
する)を有する。この中間体はアミド化反応に使用した
従来のジスルフィド反応体の本質的に半分である(上記
反応式A参照)が、驚くべきことは求核性スキャベンジ
ャーについて上記に仮定したと多分同じ機能によってニ
トロソアミン先駆物質が大巾に少ない生成物を生ずる。
上記(反応式1〜5参照)に説明したイソチアゾロン殺
菌剤混合物の場合、使用可能なメルカプタンは式HSC
2 CH2 COOCH3 を有しており、これはMMP
(メチル−3−メルカプトプロピオネート)として既知
である。通常のジスルフィドの代りにMMPを使用した
ときのアミド中のニトロソアミン先駆物質の顕著な減少
は次の表に示されている: 【0038】 【表1】 【0039】 【表2】【0040】メルカプタン中間体(例えばMMP)を使
用することのその他の利点はメルカプタンとアミンとの
反応生成物のなかにも見い出すことができる。MMPの
場合、アミドはジスルフィド中間体による場合のような
固体ではなくむしろ液体である(実施例1参照)。従っ
て、取扱い、攪拌、吸上げおよび反応において通常遭遇
する困難を回避できる。さらに、メルカプタン中間体の
使用はアミドの環化に必要なハロゲン(塩素)の量を通
常の中間体1モル当りの3.0〜6.0モルから中間体
1モル当り2.8〜3.4モル好ましくは3.0モルに
低下させる。 【0041】アミド化反応のニトロソアミン先駆物質副
生成物は最終生成物に残るが、生成物のAlの希釈によ
ってより低い濃度になる。従って、最終の安定化された
3−イソチアゾロン組成物は通常、アミド中に存在する
先駆物質の濃度の約15%のニトロソアミン濃度を有す
る。第2表は本発明によってMMP出発物質から生成さ
れたアミド中の主なニトロソアミン先駆物質(MMA
P)の種々濃度と、それに対応する安定化された(硝酸
塩添加/熱処理)生成物〔5−クロロ−2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンを(Alとして)含有する混合物〕
中のニトロソアミン(MMNP)とを比較して示してい
る。 【0042】 【表3】【0043】上記MMP方式におけるニトロソアミン減
少の機構はアミド中のニトロソアミン先駆物質N−メチ
ル−3−(N′−メチル)アミノプロピオンアミド(M
MAP)の減少に帰するものと思われる。仮定のN−メ
チルアクリルアミド中間体(上記反応式4参照)を生ず
るアミドジスルフィド源は少量の反応副生成物をもたら
さざるをえない。また、MMP出発物質およびN−メチ
ル−3−メルカプトプロピオンアミドはうまくモノメチ
ルアミンと対向してN−メチルアクリルアミドを消費す
るので、MMAPの生成が避けられるものと思われる。
このように推定された反応経路は次の通りである: 【0044】 【化13】 【0045】真の効果はMMAPの量がジスルフィド方
式における約5000〜11000ppmからMMP方
式における約<100ppmに減少することである。 【0046】 【実施例】次の特定の実施例は本発明を説明するための
ものであり、本発明を制限することを意図するものでは
ない。 【0047】比較例1(従来状態の説明) 段階1:N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロ
ピオンアミド中間体のアミド化合成 蒸気の漏れない反応容器にジメチル−3,3−ジチオジ
プロピオネート(37.7kg(101ポンド)0.4
24モル)、ラクタン(48.7kg(131ポン
ド))およびメタノール(1887g(5.06ポン
ド))を装入した。混合物を攪拌しながら15〜20℃
に冷却した。15〜20℃および351.6〜703k
g/m2 (5〜10psi)で攪拌しながら反応混合物
の表面の内側にモノメチルアミン(12.2kg(3
2.8ポンド)、1.06モル)を2時間かけて添加し
た。モノメチルアミン添加完了後、混合物を15〜20
℃で10時間攪拌した。粘稠な淡黄色スラリが得られ
た。この時点で混合物から未反応モノメチルアミンとメ
タノール副生成物を〜100mmHgで蒸留除去した。
蒸留後、黄色スラリを回転真空乾燥し、そして洗浄せず
に単離してN−メチル−3−(N′−メチル)アミノプ
ロピオンアミド5000ppmを含有する乾燥粗N,
N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンアミド
(100ポンド、100%収率)を得た。 【0048】段階2:塩素化(酸化環化) 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン塩酸塩と2−メチル−4−イソタゾリン−3−オン塩
酸塩の混合物の合成。 段階1の粗N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプ
ロピオンアミド反応生成物のスラリをトルエンで希釈し
そして塩素化して5−クロロ−2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン塩酸塩および母液を含有するスラリを
生成した。 【0049】段階3:濾過および中和 段階2の塩素化スラリを濾過しそして酸化マグネシウム
スラリで中和して工業級生成物を得た。 【0050】段階4:配合および加熱処理(安定化) 段階3で製造された工業用生成物に硝酸マグネシウム6
水和物を添加することによって配合し、そして攪拌器と
還流冷却器を具備した加熱処理反応容器にその混合物を
移した。この生成物を4時間加熱処理しそれから室温に
冷却した。このバッチを濾過して少量の懸濁固体を除去
した。これによって、次のようなAl分析結果を有する
生成物が得られた: 【0051】成 分 重量% 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 9.8 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 6.0 ニトロソアミン〔N−メチル−3−(N′−メチル−N′ −ニトロソ)アミノプロピオンアミド(MMNP)〕 750ppm 【0052】比較例2(従来状態および濾過による除
去) 段階1:アミド化 機械的攪拌器、温度計、ガス分配管および窒素流入アダ
プターを有するドライアイス冷却器を具備した3リット
ルの4つ口フラスコ内にジメチル−3,3′−ジチオジ
プロピオネート(1,062.5g、4.46モル)、
トルエン(535.0g)およびメタノール(55.0
g)を入れた。装置を窒素でパージして、混合物を10
℃に冷却した。10〜20℃で攪拌しながら、モノメチ
ルアミン(346.0g、11.14モル)をガス分配
管によって2時間かけて添加した。モノメチルアミン添
加完了後、混合物を20℃で20時間攪拌して反応を完
了させた。粘稠な淡黄色スラリが得られた。この時点
で、混合物から未反応モノメチルアミンとメタノール副
生成物を〜100mmHgで蒸留除去した。乾燥粗N,
N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンアミド
中間体(1,022.4g、97%収率)は11,00
0ppmのN−メチル−3−(N′−メチル)アミノプ
ロピオンアミドを含有していた。中間体スラリの一部を
濾過し、トルエンで洗浄し、そして乾燥した。この乾燥
中間体は8,000ppmのN−メチル−3−(N′−
メチル)アミノプロピオンアミドを含有していた。 【0053】段階2:塩素化 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン塩酸塩と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
塩酸塩の混合物の合成。 1リットルの3つ口丸底フラスコに頭上攪拌器、供給ラ
イン(流出口)、および乾燥管を有する冷却器を装備し
た。このフラスコ中にN,N′−ジメチル−3,3′−
ジチオジプロピオンアミド(8,000ppmの先駆物
質を含有する)のトルエンスラリを入れて攪拌した。1
リットルの5つ口樹脂反応容器(即ち、塩素化器)に攪
拌器、Cl2 流入フリットガラスガス分配管、温度計、
排ガススクラバーと結合した冷却器、および中間スラリ
用供給ライン流入口を装備した。この反応容器は氷水循
環用ジャケットを備えていた。この冷却システムで塩素
化バッチを25〜30℃に維持した。この塩素化器に1
08gのトルエンをヒールとして装入し、そして攪拌器
をスタートさせた。スラリとCl2 を同時にモル供給比
5.2で供給した。従って、約8.2g/分の速度でス
ラリ453gが55分間かけて装入され、他方検量フロ
ーメーターによってCl2 (ガス)227gが速度約
4.1g/分で供給された。 【0054】段階3:濾過および中和 攪拌されている塩素化スラリに水20gを徐々に添加し
た。攪拌10分後、このバッチを沈降させ、そしてディ
ップスティックを使用しながら母液をサイフォンで吸い
出した。さらに水45gを加え、さらに母液を除去し
た。塩酸塩の湿潤濾滓に水116gを加えた。混合物に
MgOの水スラリを徐々に添加することによってpH
4.5に中和した。この中和された物質を分離漏斗に移
し、そして有機相から水性の工業級生成物469gを分
離した:活性成分(工業級) 重量% 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 17.1 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 5.5 【0055】段階4:配合および加熱処理(安定化) 上記工業級生成物のpHを2.9に調整してから、Al
100gに対して硝酸マグネシウム6水和物46.5
gおよび水7.24gを攪拌しながら添加して次の組成
の溶液を得た:成 分 呼称濃度(重量%) 全Al 15.2 Mg(NO3 2 17.4 頭上攪拌器、水冷冷却器、およびサーモウオッチと加熱
マントル支持空気ポットリフターアセンブリに結合して
いる温度計を具備した500ml3つ口丸底フラスコ内
に、上記配合生成物を移した。 【0056】配合生成物を95℃で4時間加熱処理し
た。極微量の固形物を除去するため生成物153.7g
を濾過し、そして分析した。 分析結果: 成 分 重量% 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 10.1 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 5.0 ニトロソアミン* 1200ppm ──────────────────────────────────── 【0057】 【化14】 【0058】実施例1 (メルカプタン反応経路による先駆物質の除去) 段階1:N−メチル−3−メルカプトプロピオンアミド
(MMPA)の合成 機械的攪拌器、温度計、ガス分配管、および窒素流入ア
ダプターを有するドライアイス冷却器を具備した1リッ
トルの4つ口フラスコ中にメチル−3−メルカプトプロ
ピオネート(MMP、504.7g、4.20モル)を
装入した。反応容器を窒素をパージして、液体を10℃
に冷却した。10〜20℃で攪拌しながら、モノメチル
アミン(163.0g、5.25モル)をガス分配管に
よって1時間かけて添加した。添加完了後、混合物を2
0℃で20時間攪拌して反応を終了させた。この時点で
混合物からメタノール副生成物と未反応モノメチルアミ
ンを〜100mmHgで蒸留除去した。得られた混合物
を回転蒸発させて、N−メチル−3−(N′−メチル)
アミノプロピオンアミドを30ppm未満含有する粗N
−メチル−3−メルカプトプロピオンアミド(500.
8g、100%収率)を得た。 【0059】段階2:塩素化 N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンア
ミドの代りにN−メチル−3−メルカプトプロピオンア
ミド(MMPA)を使用することによって実施例2に記
載の方法を改善した。こうして、トルエン中のN−メチ
ル−3−メルカプトプロピオンアミドの31%溶液およ
びCl2 を約3.2のモル供給比で同時に供給した。ト
ルエンヒール59.5gに対して、31%MMPA溶液
398.9gを速度7.1g/分で55分間かけて添加
し、他方220gのCl2 を供給速度4.0g/分で同
時供給した。 【0060】段階3:濾過および中和 上記のように製造した塩素化スラリを、実施例2に記載
されている手順に従って処理しそして中和して次の組成
の工業級の3−イソチアゾロン355gを得た。 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 16.0% 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 5.3% 段階4:配合および加熱処理(安定化) 上記のように製造した工業級材料の一部200gに実施
例2の手順に従って87.7g Mg(NO3 2 ・6
2 Oおよび2.1gの水を添加して配合した。この配
合生成物を加熱処理し、冷却し、そして濾過して次の組
成の3−イソチアゾロン生成物289gを得た。 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 12.2% 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 3.9% ニトロソアミン 3.9ppm 【0061】実施例2〔メルカプタン反応経路によるN
−(n−オクチル)−3−メルカプトプロピオンアミド
の合成〕 磁気的攪拌器とガス流入口を具備した複数口の小さな反
応容器内にイソプロパノール(2ml)、メチル−3−
メルカプトプロピオネート(2.0g、16.64ミリ
モル)、およびn−オクチルアミン(2.19g、1
6.94ミリモル)を装入した。この反応容器はメルカ
プタン蒸気を捕獲するためのブリーチ含有トラップに連
結されており、反応物を反応温度30〜35℃に維持し
ながら19.5時間攪拌した。塩化メチレンを添加し、
そして粗生成物を丸底フラスコに移した。減圧下で溶剤
を蒸発させて粗N−(n−オクチル)−3−メルカプト
プロピオンアミドを油状の白色固体として本質的に定量
収率で生成した。実施例2のN−(n−オクチル)−3
−メルカプトプロピオンアミドは実質的にニトロソアミ
ンおよびニトロソアミン先駆物質を含有しない反応2−
n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンに転化するこ
とができる。 【0062】実施例3(メルカプタン反応経路によるN
−プロピル−3−メルカプトプロピオンアミドの合成) 磁気的攪拌器、還流冷却器、およびガス流入口を具備し
た複数口の小さな反応容器内にイソプロパノール(2m
l)、n−プロピルアミン(1.00g、16.92ミ
リモル)、およびメチル−3−メルカプトプロピオネー
ト(2.0g、16.64ミリモル)を装入した。この
反応容器はブリーチ含有トラップと連結しており、そし
て反応物を30〜35℃で19.5時間攪拌した。粗反
応混合物を減圧下で濃縮して過剰アミン、溶剤およびメ
タノールを除去した。明るい黄色液体が得られたが、そ
れは本質的に全てN−プロピル−3−メルカプトプロピ
オンアミドであった。実施例3のN−プロピル−3−メ
ルカプトプロピオンアミドは実質的にニトロソアミンお
よびニトロソアミン先駆物質を含有しない対応N−プロ
ピル−イソチアゾリン−3−オンに転化することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラメツシユ バルブハイ ペテイガラ アメリカ合衆国ペンシルバニア州ハツト フイールド スチュワート ドライブ 2185 (56)参考文献 米国特許4150026(US,A) 米国特許3849430(US,A) 連邦官報第43巻第189号第516040頁 (1977) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 43/80 WPI(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.ニトロソアミン不純物およびニトロソアミン先駆物
    質を100ppm(重量による)以下含有する安定化さ
    れた殺生物用水溶性3−イソチアゾロン組成物であっ
    て、該3−イソチアゾロン組成物が(a)メチル−3−
    メルカプトプロピオネートのアミド化により得られる実
    質的にニトロソアミン先駆物質を含まない中間体アミド
    を、塩素化剤で環化させてなる3−イソチアゾロンと、
    (b)該3−イソチアゾロンを安定化するのに充分な量
    硝酸マグネシウムとからなる、前記組成物。 2.中間体アミドが、メチル−3−メルカプトプロピオ
    ネートをメチルアミンでアミド化し得られたN−メチル
    −3−メルカプトプロピオンアミドである、請求項1に
    記載の3−イソチアゾロン組成物。 3.3−イソチアゾロン組成物が、60〜90重量%の
    5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オ
    ンと、40〜10重量%の2−メチル−4−イソチアゾ
    ロン−3−オンの混合物である、請求項1又は2に記載
    の3−イソチアゾロン組成物。 4.ニトロソアミン不純物及びニトロソアミン先駆物質
    20ppm(重量による)以下含有する、請求項1〜
    のいずれか1項に記載の3−イソチアゾロン組成物。 5.ニトロソアミン不純物及びニトロソアミン先駆物質
    が検出されない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    3−イソチアゾロン組成物。
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