JP2897777B2 - 3―イソチアゾロン組成物の製造法 - Google Patents

3―イソチアゾロン組成物の製造法

Info

Publication number
JP2897777B2
JP2897777B2 JP1232595A JP23259589A JP2897777B2 JP 2897777 B2 JP2897777 B2 JP 2897777B2 JP 1232595 A JP1232595 A JP 1232595A JP 23259589 A JP23259589 A JP 23259589A JP 2897777 B2 JP2897777 B2 JP 2897777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
isothiazolone
hydrochloride
carbon atoms
isothiazolin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1232595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0395103A (ja
Inventor
喜雄 五十嵐
哲也 鈴木
幸宏 知久
敏政 角田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ICHIKAWA GOSEI KAGAKU KK
Original Assignee
ICHIKAWA GOSEI KAGAKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ICHIKAWA GOSEI KAGAKU KK filed Critical ICHIKAWA GOSEI KAGAKU KK
Priority to JP1232595A priority Critical patent/JP2897777B2/ja
Publication of JPH0395103A publication Critical patent/JPH0395103A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2897777B2 publication Critical patent/JP2897777B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はニトロソアミン成分およびその先駆物質を低
減した3−イソチアゾロン類の製造方法に関する。
(従来技術) 3−イソチアゾロン類は、カビ類,細菌類,藻類等に
対して成長抑制および殺生物性を有する活性物質である
ことが知られており、以下の一般式(1) (式中RおよびR′は個別に水素、ハロゲンまたは炭素
原子数1〜4個のアルキル基であり、Yは炭素原子数5
または6個のシクロアルキル基、炭素原子数8個以下の
アラルキル基、または炭素原子数6個のアリール基もし
くは置換アリール基である)で表わすことができる。特
にYが低級アルキル基であり、R,R′の少なくとも一方
がハロゲンである場合、3−イソチアゾロンは水溶性が
高く、水系での殺菌剤として極めて有効である。しかし
ながら水溶液や極性溶媒中では安定性が低下し、分解に
よって効果が低下することが知られている。
このため、安定性を高める目的で、カルシウム,銅,
マンガン,マグネシウム,ニッケル,亜鉛,コバルト等
の硝酸塩をイソチアゾロン溶液に添加することが特公昭
54−23968号に開示されている。
一方、3−イソチアゾロンの安定化を目的として、こ
れらの硝酸塩を添加した場合、以下の反応式 のように3−イソチアゾロン合成の中間体として用いる
(2)に示されるジスルフィドアミド中に不純物として
含まれるニトロソアミン先駆物質である、N−メチル−
3−(N′−メチルアミノ)プロピオンアミドが、ニト
ロソ化条件にさらされることによりN−メチル−3−
(N′−メチル−N′ニトロソ)アミノプロピオンアミ
ドに転化し、3−イソチアゾロン組成物中に混入するこ
とが、特開昭59−31772号に開示されている。ニトロソ
アミン類は一般に発ガン性の疑いがあることが知られて
おり、人間、動物等に悪影響を及ぼすことを避けるため
に可能な限り除去することが望ましい。
特開昭59−31772号においては、3−イソチアゾロン
組成物中のニトロソアミン成分を低減させるために、式
(2)に示される中間体のジスルフィドアミドを合成し
たのち、(a)再結晶法によるニトロソアミン先駆物質
の除去、(b)イオン交換樹脂によるニトロソアミン先
駆物質の除去、あるいは(c)メルカプタン反応経路を
用いたイソチアゾロンの合成、(d)求核性スキャベン
ジャーの使用によるニトロソアミン先駆物質の除去等の
方法によっている。しかしながら(a)の再結晶法を用
いる場合、熱過や再々結晶を行っているために作業が
はん雑な上、再結晶収率で66.6%、再々結晶後の収率に
いたっては49.0%と極めて低く、経済性に問題がある。
(b)のイオン交換法を用いる場合には、中間体(2)
を20wt%メタノール溶液にする必要があり、処理量が増
加し、かつ乾燥樹脂10gに対し、中間体(2)は、63gし
か処理できず、工業的な処理法としては問題がある。
(c)のメルカプタン反応経路を用いた場合、原料に悪
臭があり、取り扱いに問題があり、かつ、クロル化閉環
反応において必要塩素量が多くなるために製造コストが
増加するという問題がある。また、(d)の求核性スキ
ャベンジャーを用いる場合、(c)と同様にメルカプタ
ンを用いるために、悪臭の問題が依然としてあるし、求
核付加した物質の不純物としての混入の問題がある。さ
らに(b),(c),(d)の方法を用いて中間体のジ
スルフィドアミドの精製あるいは製造を行っても、ニト
ロソアミン先駆物質が依然として残存している。すなわ
ち、ニトロソアミン先駆物質を低減することは可能であ
るが、完全除去することは極めて困難であることが容易
に推察できる。
(発明が解決しようとする課題) 前述したように従来技術においては、粗ジスルフィド
アミドを精製するか反応経路を変えることによりニトロ
ソアミン先駆物質を低減を行っているが、いずれの方法
も、工業化するには種々の問題があった。本発明はニト
ロソアミン成分を低減した3−イソチアゾロン組成物を
経済的に工業規模で製造することを課題とする。
(課題を解決するための手段) 前記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を進
めた結果、クロル化閉環反応後の粗3−イソチアゾロン
塩酸塩を有機溶媒に分散し、加熱した場合、3−イソチ
アゾロン塩酸塩が、容易に塩酸を脱離して遊離の3−イ
ソチアゾロンとなり、溶媒に溶解するのに対し、ニトロ
ソアミン前駆物質である、N−メチル−3−(N′−メ
チルアミノ)プロピオンアミド塩酸塩は塩酸の脱離が生
じ難く、溶媒不溶の塩酸塩としてその大部分が結晶とし
て残存することを見いだした。混合物を固液分離するこ
とによって、ニトロソアミン先駆物質の塩酸塩であるN
−メチル−3−(N′−メチルアミノ)プロピオンアミ
ド塩酸塩の大部分はケーキとして除去され、有機溶媒に
溶解した3−イソチアゾロンは液として得られる。
液から、溶媒を留去し、特願平1−14627号に開示され
ている非プロトン性安定化用溶媒を用いれば、ニトロソ
アミン先駆物質を低減した3−イソチアゾロン組成物が
得られる。この組成物は、ニトロソアミン先駆物質が低
減されているために、さらに硝酸塩による希釈を要する
ような利用分野で、硝酸塩水溶液による希釈を行っても
ニトロソアミン成分の生成量を低減できる。液を濃縮
し、公知の方法に従って硝酸塩処理を行えば、ニトロソ
アミン成分を低減した3−イソチアゾロン組成物が得ら
れる。
これまで、クロル化閉環反応後の3−イソチアゾロン
塩酸塩からの塩酸の除去は特公昭45−38330号に示され
ているように、a)ピリジン,トリエチルアミンのよう
な第3有機塩基を加える方法、b)水で処理する方法、
さらに特開昭59−31772号に示されているように、c)
酸化マグネシウムのような弱い無機塩基で処理する方法
が知られていた。先駆物質であるN−メチル−3−
(N′−メチルアミノ)プロピオンアミド塩酸塩を含む
粗3−イソチアゾロン塩酸塩を、a)あるいはc)の方
法で中和した場合、先駆物質の塩酸塩も同時に遊離化す
るために、後工程において、分離が困難となるし、b)
の方法で処理した場合、特公昭45−38330号に示されて
いるように、最も有効であり水溶性を有する5−クロロ
−2−メチルイソチアゾロンは、十分な遊離化が不可能
である。
本発明者は、有機溶媒中で、粗3−イソチアゾロン塩
酸塩を加熱すると3−イソチアゾロンが容易に塩酸脱離
することを見い出した。同様の処理をニトロソアミン先
駆物質の塩酸塩で行うと、塩酸の脱離はきわめて少な
い。これは3−イソチアゾロンのN原子が環状イミドの
ため、塩基性が小さいのに対し、先駆物質のN原子は2
級アミンのため塩基性が大きいためである。
本発明をさらに具体的に説明する。
クロル化閉環反応終了後得られた粗3−イソチアゾロ
ン塩酸塩を塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素等
の有機塩素系溶媒、あるいは、酢酸エチル,酢酸プロピ
ル,酢酸ブチル等のエステル系溶媒、あるいはベンゼ
ン,トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶媒に分
散させる。
これらの溶媒の使用量は粗3−イソチアゾロン塩酸塩
に対して5倍量〜30倍量(重量)が好ましい。これより
少ないと、スラリーの撹拌が十分ではなく塩酸が脱離し
にくく、これより多いと、ニトロソアミン先駆物質の塩
酸塩の有機溶媒への溶解量が増加し、好ましくないから
である。次いで分散後の粗3−イソチアゾロン塩酸塩の
スラリーを常圧あるいは減圧下で加熱還流する。還流温
度は、40〜80℃が好ましい。40℃より低い温度では、塩
酸の脱離が起こりにくく、80℃以上では、先駆物質であ
るN−メチル−3−(N′−メチル)アミノプロピオン
アミドの塩酸塩からの塩酸の脱離が生じ易くなり、かつ
3−イソチアゾロンの分解が加速し、収率が低下するた
めに好ましくない。
常圧において、好ましい温度範囲に沸点を有する溶媒
は、そのまま常圧下に還流を行えばよい。常圧で80℃以
上の沸点を有する溶媒を用いる場合は、減圧状態で還流
温度を80℃以下に調節する。さらに、比較的塩酸ガスの
溶解度の大きい溶媒を用いる場合は、チッ素等の不活性
ガスを吹き込みながら還流することで塩酸の脱離を速め
ることも可能である。
加熱還流を続けていくと塩酸の脱離が進行し、3−イ
ソチアゾロン塩酸塩は遊離し、徐々に有機溶媒に溶解す
るため、スラリー量は減少していく。塩酸脱離の進行
は、塩酸ガスの発生量と、有機溶媒中の3−イソチアゾ
ロン含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等で追
跡していき、ガスの発生が無くなり、溶媒中の3−イソ
チアゾロン含量の増加の認められなくなったところを終
了とする。発生した塩酸は水、あるいは希アルカリ等で
除去できる。
加熱処理終了後は混合物を冷却する。冷却温度は室温
以下が好ましい。温度が高いと先駆物質の塩酸塩の溶解
度が増加するために好ましくない。冷却した混合物は、
過,遠心分離,デカンテーション等の固液分離を行
い、液すなわち、3−イソチアゾロン溶液を得る。
クロル化閉環反応を、特公昭45−38330号に示されて
いる有機溶媒を用いて行い、塩酸塩を分離することなし
に、反応終了後そのまま本発明の方法を用いて3−イソ
チアゾロン塩酸塩の遊離化を行うことも可能である。
遊離化を終了したのち、有機溶媒を留去し、安定化用
非プロトン性溶媒を用いて溶解,希釈すればニトロソア
ミン先駆物質を低減した3−イソチアゾロン組成物が得
られるし、公知の方法で硝酸塩処理を行えば、3−イソ
チアゾロン組成物が得られる。
本発明者は、3−イソチアゾロン中のニトロソアミン
成分の低減をめざして、さらに検討を重ねた結果、硝酸
塩処理を行う際に、系に発生するガス状の酸化窒素化合
物(NOx)を除去することにより、ニトロソ化条件が緩
和され、3−イソチアゾロン組成物中のニトロソアミン
成分が、低減できることを見いだした。ガス状のNOx
除去は、硝酸塩処理中にチッ素ガスのような不活性ガス
を液中に吹き込むか、あるいは硝酸塩処理を弱い減圧下
でおこなうことにより可能である。
(発明の効果) 本発明の製造法で得られた3−イソチアゾロン類及び
その組成物は、ニトロソアミン先駆物質とニトロソアミ
ン成分の含有量が大幅に低減されている。本発明の産業
上の利用価値は極めて大きいものである。
(実施例) 以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明す
る。
なお、実施例1は本発明の特許請求の範囲第1項及び
第2項の技術的範囲には含まれないものとする。
試験例1(比較例 従来の製造法の説明,特開昭59−31
772号の実施例1および2に記載された方法と同様に行
った。) 段階1:N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンア
ミド中間体の合成(アミド化) 撹拌器,温度計,ガス分配管をとりつけた1000mlフラ
スコにジメチル−3,3′−ジチオジプロピオネート(43
3.2g、1.82モル)、トルエン(214g)およびメタノール
(22g)を入れた。
装置の窒素でパージして、混合物を10℃に冷却した。
10〜20℃で撹拌しながらモノメチルアミン(138.5g、4.
47モル)をガス分配管によって2時間を要し添加した。
モノメチルアミン添加終了後、混合物の内温を20℃に調
節し、20時間撹拌して反応を完了させた。淡黄色スラリ
ーを約100mmHgで減圧蒸留して未反応のモノメチルアミ
ンおよび溶媒を留去した。乾燥粗N,N′−ジメチル−3
−,3′−ジチオプロピオンアミド中間体(425.1g、99.9
%収率)は、ニトロソアミン先駆物質であるN−メチル
−3−(N′−メチル)アミノプロピオンアミドを1140
0ppm含有していた。
段階2:塩素化 5−クロロ−2−メチル−4−イソリアゾリン−3−
オン塩酸塩と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン塩酸塩の混合物の合成。
段階1で得られた粗N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオ
ジプロピオンアミド(150g、0.54モル)のスラリーをト
ルエンで希釈し、塩素化して5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩および母液を含有す
るスラリーを生成した。
段階3:過および乾燥 段階2の塩素化スラリーを過し、ケーキを減圧乾燥
して5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−塩
酸塩と2−メチル−4−イソチアゾリン−塩酸塩の混合
物132gを乾燥粉末として得た。この乾燥粉末には、遊離
体換算で5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンが66.2重量%、2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンが9.5重量%含まれており、ニトロソア
ミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′−メチル)
アミノプロピオンアミドが遊離体換算で8080ppm含まれ
ていた。
段階4:中和,配合および加熱処理(安定化) 段階3で得られた乾燥体の5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物30gを水に
溶解し、酸化マグネシウムスラリーを徐々に添加してpH
4.5に中和した。これに塩酸を加えてpH2.9に調製し、水
溶液65.7gを得た。この水溶液中には、5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが26.5重量
%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが5.6
重量%含まれていた。
これに硝酸マグネシウム・6水和物52.7gおよび水55.
6gを添加し、溶解した。この混合物を撹拌器,温度計を
取り付けた500ml 3ツ口丸底フラスコに移し、95℃で4
時間加熱した。室温に冷却した後、自然過して、生成
物173gを得た。分析の結果、生成物は5−クロロ−2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを10.1重量%、
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを2.0重量
%、ニトロソアミン成分であるN−メチル−3−(N′
−メチル−N′−ニトロソ)アミノプロピオンアミドを
495ppm含有していた。
実施例1 硝酸塩加熱処理の際の窒素吹込みの効果 試験例1の段階3で得られた5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物20gを水
に溶解し、酸化マグネシウムスラリーを添加してpH4.5
に中和した。これに塩酸を加えてpHを7.9に調製し、水
溶液49.3gを得た。この水溶液中には、5−クロロ−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オンが26.7重量%、2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが5.6重量%
含まれていた。
この水溶液に硝酸マグネシウム・6水和物40g、水42.
8gを加えて溶解し、液中に窒素ガスを導入しながら95℃
で4時間加熱処理した。室温に冷却後、自然過し、生
成物132gを得た。分析の結果、生成物は5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを10.0重量
%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを2.0
重量%、ニトロソアミン成分であるN−メチル−3−
(N′−メチル−N′−ニトロソ)アミノプロピオンア
ミドを230ppm含有していた。この結果から、硝酸塩添加
後の加熱処理の際に窒素吹込みにより、ニトロソアミン
成分の生成を低減できることがわかる。
実施例2〜6 イソチアゾロン塩酸塩の有機溶媒中にお
ける加熱による遊離化とニトロソアミン先駆物質の低減
化 試験例1の段階3で得られた5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物(ニトロ
ソアミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′−メチ
ル)アミノプロピオンアミドを8080ppm含有する)を各
種有機溶媒に分散後、常圧で加熱還流した。加熱終了後
の反応液を減圧下に留去し、得られた濃縮残部を分析し
て5−クロロ−2−メチルイソリアゾリン回収率および
ニトロソアミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′
−メチル)アミノプロピオンアミド(MMAP)濃度を求め
た。表1に結果を示した。
この結果、本発明の効果が認められた。
実施例7〜16 ニトロソアミン先駆物質を低減した3−
イソチアゾロンを使用しての硝酸塩加熱処理 実施例2〜6で得られた濃縮残部を用い、試験例1の
段階4に示した方法で中和,配合,加熱処理を行った。
得られた組成物を分析して5−クロロ−2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン濃度とニトロソアミン成分
であるN−メチル−3−(N′−メチル−N′−ニトロ
ソ)アミンプロピオンアミド(MMNP)濃度を求めた。表
2に結果を示した。加熱処理の際に実施例1と同様に窒
素吹込みを行ったものをあわせて示した。
この結果、本発明の効果が認められた。
実施例17〜21 ニトロソアミン先駆物質を低減した3−
イソチアゾロンを用いての非プロトン性安定化溶媒溶液
の調製 実施例6で得られた濃縮残部を非プロトン性安定化溶
媒に溶解希釈した後、不溶物を減圧過により除去して
ニトロソアミン先駆物質を低減し、安定化された溶液を
調製した。表3に結果を示した。この結果、安定化用溶
媒を含む3−イソチアゾロン組成物中のニトロソアミン
先駆物質は大きく低減されることがわかった。
実施例22 イソチアゾロン塩酸塩の有機溶媒中における
加熱による遊離化と先駆物質およびニトロソアミン成分
を低減した3−イソチアゾロン組成物の製造 試験例1の段階3で得られたニトロソアミン先駆物質
であるMMAP塩酸塩(遊離のMMAPとして8080ppm)を含む
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オ
ン塩酸塩と2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オン
塩酸塩の混合物25.0gを、還流冷却器,温度計,撹拌機
を取り付けた100ml 3ツ口フラスコに仕込み、酢酸エチ
ル375gを加えて撹拌、分散した。窒素ガスを吹き込みな
がら、加熱還流を78℃、常圧下で4.5時間行った。室温
まで冷却した後、不溶結晶1.6gを減圧過で除去し、
液を減圧濃縮して、黄褐色のオイル20.1gを得た。この
オイルは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンを13.0g、2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンを2.1g、N−メチル−3−(N′−メチル)
アミノプロピオンアミド(MMAP)を1110ppm含有してい
た。このオイル20gの試験例1の段階4と同様に処理す
ると、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オンを8.5重量%、2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オンを1.7重量%含有する3−イソチアゾロン
組成物103.5gを得た。この組成物中にはニトロソアミン
成分であるN−メチル−3−(N′−メチル−N′−ニ
トロソ)プロピオンアミド(MMNP)が82ppmしか含有さ
れておらず、本発明の効果が認められた。
実施例23 クロル化閉環反応からの連続処理によるニト
ロソアミン先駆物質およびニトロソアミン成分を低減し
た3−イソチアゾロン組成物の製造 試験例の段階1で得られた3−イソチアゾロン中間体
であるN,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンア
ミド28gの乾燥体をトルエンで希釈して塩素と同時に100
0ml 3ツ口反応フラスコに供給して塩素化した。塩素化
スラリーをそのまま還流温度が60℃になるように減圧状
態にし、徐々に加温した。発生する塩酸ガスは、吸収用
トラップで吸収した。還流を4時間続けると、スラリー
の大部分はトルエンに溶解した。室温に冷却後不溶物1.
5gを別し、液を濃縮すると黄色オイル19.3gを得
た。このオイルは5−クロロ−2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンを13.0g、2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンを3.0g含有していた。またニトロソ
アミン先駆物質であるMMPAの濃度は607ppmであった。こ
のオイルを水に24g溶解したところpHは3.86であった。
酸化マグネシウムによる中和を行わずにそのまま塩酸で
pH2.9にし、硝酸マグネシウム処理による安定化を行な
い、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン9.7重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン2.4重量%を含有する3−イソチアゾロン組成
物102.0gを得た。この組成物中には、ニトロソアミン成
分が5.7ppmしか含有されておらず、本発明の効果が認め
られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 43/80 C07D 275/02 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粗3−イソチアゾロン塩酸塩を中和処理す
    ることなく有機溶媒中で加熱して塩酸を脱離させた遊離
    の粗3−イソチアゾロンとした後、固形分を除去するこ
    とを特徴とする、ニトロソアミンおよびその先駆物質を
    低減した、 式 (式中、RおよびR′は個別に水素、ハロゲンおよび炭
    素原子数1〜4個のアルキル基からなる群より選択され
    た基であり、Yは炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭
    素原子数5もしくは6個のシクロアルキル基、炭素原子
    数8個以下のアラルキル基および炭素原子数6個のアリ
    ール基もしくは置換アリール基からなる群より選択され
    た基である)で表される生物学的に活性な3−イソチア
    ゾロンの少なくとも1種の生物的有効量を含有する組成
    物の製造法。
  2. 【請求項2】前記固形分を除去した後の液を硝酸塩処理
    することを特徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】前記硝酸塩処理を減圧下もしくは不活性ガ
    ス存在下に行うことを特徴とする請求項2記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】前記有機溶媒として、前記粗3−イソチア
    ゾロン塩酸塩を得るために用いた溶媒を用い、前記粗3
    −イソチアゾロン塩酸塩を分離することなく、そのまま
    加熱することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記
    載の製造法。
  5. 【請求項5】粗3−イソチアゾロン塩酸塩を減圧下もし
    くは不活性ガス存在下に硝酸塩処理することを特徴とす
    る、ニトロソアミンおよびその先駆物質を低減した、 式 (式中、RおよびR′は個別に水素、ハロゲンおよび炭
    素原子数1〜4個のアルキル基からなる群より選択され
    た基であり、Yは炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭
    素原子数5もしくは6個のシクロアルキル基、炭素原子
    数8個以下のアラルキル基および炭素原子数6個のアリ
    ール基もしくは置換アリール基からなる群より選択され
    た基である)で表される生物学的に活性な3−イソチア
    ゾロンの少なくとも1種の生物的有効量を含有する組成
    物の製造法。
  6. 【請求項6】5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
    リン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3
    −オンの水性溶液を硝酸マグネシウム処理する際に、不
    活性ガスを導入することによりニトロソアミンを低減し
    た生物学的に活性な5−クロロ−2−メチル−4−イソ
    チアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリ
    ン−3−オンの生物的有効量を含有する組成物の製造
    法。
JP1232595A 1989-09-07 1989-09-07 3―イソチアゾロン組成物の製造法 Expired - Fee Related JP2897777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1232595A JP2897777B2 (ja) 1989-09-07 1989-09-07 3―イソチアゾロン組成物の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1232595A JP2897777B2 (ja) 1989-09-07 1989-09-07 3―イソチアゾロン組成物の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0395103A JPH0395103A (ja) 1991-04-19
JP2897777B2 true JP2897777B2 (ja) 1999-05-31

Family

ID=16941824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1232595A Expired - Fee Related JP2897777B2 (ja) 1989-09-07 1989-09-07 3―イソチアゾロン組成物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2897777B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4291487T1 (de) * 1991-05-10 1994-05-05 Sunkyong Ind Ltd Verfahren zur Herstellung von 4-Isothiazolin-3-on
US5466818A (en) * 1994-03-31 1995-11-14 Rohm And Haas Company 3-isothiazolone biocide process
SI0774207T1 (en) * 1995-11-17 2001-06-30 Thor Gmbh Method for the preparation of biocidal or biostatic 3-isothiazolinone compositions
KR100469064B1 (ko) * 2002-09-09 2005-02-02 주식회사 한서켐 2-메틸-4-이소티아졸린-3-온 염의 정제 방법
WO2011074815A2 (ko) * 2009-12-16 2011-06-23 에스케이케미칼주식회사 N,n'-디알킬-3,3'-디티오디프로피온아미드의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0395103A (ja) 1991-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI78813B (fi) Biocida eller biostatiska blandningar innehaollande 3-isotiazoloner, foerfarande foer framstaellning av dem och deras anvaendning.
US5312827A (en) Nitrosamine-free-3-isothiazolones and process
DE69534190T2 (de) Verfahren zur Herstellung von 1,2-Benzisothiazol-3-onen
DE69214911T2 (de) Bromat als Hemmer der Nitrosamin-Bildung in Nitrat-stabilisierten Isothiazolonen
JP2897777B2 (ja) 3―イソチアゾロン組成物の製造法
AU2021265358A1 (en) A fungicidal compound and process of preparation thereof
US5068338A (en) Process for nitrosamine-free sabilized isothiazolones
KR100212963B1 (ko) 안정화된 이소티아졸론 조성물과 이소티아졸론 혼합물의 제조방법
JPH07101890A (ja) 包接化合物
JP2022514909A (ja) アントラニルアミドの調製プロセス
US5420290A (en) Nitrosamine-free 3-isothiazolones and process
SU164281A1 (ja)
KR20070114343A (ko) 비칼루타미드의 제조 방법
SK285660B6 (sk) Spôsob výroby N-alkyl-2-benztiazolylsulfénimidov a spôsob ich čistenia
KR100616098B1 (ko) 1,2-벤즈이소티아졸린-3-온의 제조방법
RU2033411C1 (ru) Сернокислая соль 2-n-метиламино-5-хлорбензгидрилмочевины, проявляющая противосудорожную активность
EA046007B1 (ru) Способ получения антраниламидов
JPH09278717A (ja) 包接化合物
JP4708548B2 (ja) 6−クロロニコチン誘導体の塩基性不純物除去方法
SI9500190A (sl) Postopek pridobivanja zmesi 2-metil-izotiazolona in 5-kloro derivata v vodni raztopini
KR19990001747A (ko) 이소티아졸론 무수용액 제조 방법
JPH05310682A (ja) ポリヨードアルキルアリールスルホン類の精製方法
BE664212A (ja)
PL92250B1 (ja)
BE589920A (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees