JP2862870B2 - 新規ペプチド - Google Patents

新規ペプチド

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JP2862870B2
JP2862870B2 JP61215088A JP21508886A JP2862870B2 JP 2862870 B2 JP2862870 B2 JP 2862870B2 JP 61215088 A JP61215088 A JP 61215088A JP 21508886 A JP21508886 A JP 21508886A JP 2862870 B2 JP2862870 B2 JP 2862870B2
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dna
leu
motilin
peptide
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伸吉 本多
達也 西
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    • C07K2319/75Fusion polypeptide containing domain for protein-protein interaction containing a fusion for binding to a cell surface receptor containing a fusion for activation of a cell surface receptor, e.g. thrombopoeitin, NPY and other peptide hormones

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、モチリンの13位メチオニン(Met)をロイ
シン(Leu)に置換した新規ペプチド、該ペプチドをコ
ードするDNA、該DNAを含む組換え体DNAおよびこれらの
製造法に関する。 本発明の新規ペプチド(以下13Leu−モチリンとい
う)は、天然のモチリンと同等の活性を有するので医薬
品としての用途が期待できる。 従来技術 モチリン(Motilin)は哺乳類の血中に存在する生理
活性ペプチドで腸管蠕動を活発にする作用を持つことが
知られている〔W.Y.CheyおよびK.Y.Lee,クリニックス・
イン・ガストロエンテロロジイ(Clinics in Gastroent
erology,,645(1980)〕。開腹手術を受けた患者の血
中モチリン濃度は低下する。術後の血中モチリン濃度の
正常値への復帰は患者の腸管の蠕動運動の回復と相関関
係があり、術後にモチリンを投与すると腸の蠕動運動が
活発化することが知られている。 発明が解決しようとする問題点 天然のモチリンは動物臓器から抽出する方法で得るこ
とができるが、この方法では量的に不十分である。そこ
で、現在用いられているモチリンは大部分がペプチド化
学合成法で作られたものである。しかし、この方法で
は、モチリンがアミノ酸22個からなる比較的長鎖のペプ
チドであるため高価にならざるをえない。従って、モチ
リンの活発を有する物質を安価に大量に供給することが
望まれている。 問題点を解決するための手段 モチリンの13位アミノ酸はMetであって、これは酸化
されやすく、酸化されてスルホキシド体になるとモチリ
ンの活性は低下する〔M.Fujinoら、ケミカル・ファーマ
シューティカル・ブリテン(Chem.Pharm.Bull.),26,1
01(1978)〕。 本発明者は、活性低下を防ぐ方法について研究を行っ
た結果、モチリンの13位MetをLeuに変換したペプチド(
13Leu−モチリン)がモチリンと同等の活性を有し、酸
化による活性の低下がないことを見出した。 さらにこの13Leu−モチリンを安価に大量に供給する
方法について研究した結果、遺伝子組換え技法で供給す
ることができることを見出した。 遺伝子組換え技法で小分子のペプチドを大量生産する
ことは一般に困難とされている。その理由は、微生物な
どの宿主細胞中で作られた小分子のペプチドは細胞中で
酵素作用により容易に分解されてしまうためであると考
えられている。この分解を防ぐために、他の蛋白質と目
的ペプチドとを融合させ高分子量の融合蛋白質として生
産させ、ついでこれを酵素的または化学的方法で分解し
て目的のペプチドを得る方法が報告されている〔三国俊
亮ら、生化学、57,854(1985)〕。 しかし、この方法では、生産される融合蛋白質中の目
的ペプチドはごく一部分であるため、目的ペプチドの生
産量は低くならざるを得ない。 本発明者は、目的ペプチドをコードする遺伝子を複数
個連結してベクターに組み込み、得られる組換え体DNA
を大腸菌に入れ、形質転換体を培養する方法によれば、
目的ペプチドが重合した高分子ペプチドとして得られ、
この重合ペプチドを切断することにより目的ペプチドを
製造することができることを見出した。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明は下記式1のアミノ酸配列を有する新規ペプチ
ド(13Leu−モチリン)を提供する。 (式中、記号は下記アミノ酸残基を示す。 Phe:フェニルアラニン、Val:バリン、Pro:プロリン、Il
e:イソロイシン、Phe:フェニルアラニン、Thr:スレオニ
ン、Tyr:チロシン、Gly:グリシン、Glu:グルタミン酸、
Leu:ロイシン、Gln:グルタミン、Arg:アルギニン、Lys:
リジン、Asn:アスパラギン以下同じ) 13Leu−モチリンは、ペプチド固相合成法〔G.Barang
ら、ザ・ペプチド:アナリシス・シンセシス・バイオロ
ジイ(“The Peptide:Analysis,Synthesis,Biolog
y")、E.GrossおよびJ.Meienhofen編、Vol.2,pl,Academ
ic Press(1982)〕によりペプチド自動合成機(Beckma
n 990B型)を用いて合成することができる。 遺伝子組換え法による13Leu−モチリンの製造は下記
のとおり行うことができる。 工程1(第1図参照) まず、下記式3,4,5および6で示されるDNAを化学合成
する。 (式中、A,T,G,Cはそれぞれヌクレオチド中の塩基アデ
ニン、チミン、グアニン、シトシンを示す。以下同じ) これらDNAの合成は、リン酸アミダイド法による固相
合成法に従い、DNA自動合成機により行う。 式3で示されるDNA(以下DNA3という)と式4で示さ
れるDNA(以下DNA4という)および式5で示されるDNA
(以下DNA5という)と式6で示されるDNA(以下DNA6と
いう)から形成される二重鎖DNA断片をリガーゼで結合
して下記式2で示される二重鎖DNA断片(以下遺伝子2
という)を造成する。 (式中Cla I、Bgl II、BamH I、Sac Iに向かう引き出し
線は、これら制限酵素による切断部位を示す。) この遺伝子2は13Leu−モチリンのアミノ末端側にア
スパラギン酸(Asp)−グルタミン(Gln)−イソロイシ
ン(Ile)−フェニルアラニン(Phe)−メチオニン(Me
t)が、カルボキシル末端側にアルギニン(Arg)−イソ
ロイシン(Ile)−ロイシン(Leu)が結合した30個のア
ミノ酸からなるペプチドをコードする塩基配列を持って
いる。このアミノ末端側およびカルボキシル末端側に結
合したアミノ酸をコードするDNAには、遺伝子2を用い
13Leu−モチリン重合体をコードする遺伝子を作るた
めに制限酵素Bgl IIとBamH Iの認識部位が配置されてい
る。またその遺伝子により生産される重合体中の13Leu
−モチリン単量体間はArg−Ile−Phe−Metの4アミノ酸
からなるペプチド(スペーサーペプチド)で連結するよ
うに設計されている。このスペーサーペプチドは臭化シ
アン、カルボキシペプチターゼAおよびBで順次処理す
ることにより除去され、13Leu−モチリン単量体を与え
る。遺伝子2の両端には、ベクターへの導入のため制御
酵素Cla IとSac Iの認識部位を配置してある。遺伝子2
のDNAコドンは、大腸菌で大量に生産される蛋白質の遺
伝子に高頻度で出現するコドン〔M.Gougら、Nucleic Ac
ids Res.)10 7055(1982)〕を主として用いてある。
また、遺伝子2はDNA3とDNA4との二重鎖DNA断片およびD
NA5とDNA6との二重鎖DNA断片をリガーゼで結合して合成
するが、この結合反応が効率よく進行するように遺伝子
2の塩基配列にある長さ以上の同一の配列が存在しない
ように設計してある。 工程2(第1図参照) 遺伝子2を含むプラスミドの造成: プラスミドpTrS20(参考例1の方法で製造)を制限酵
素Cla IとSac Iとで切断後、大きい方のDNA断片(以下D
NA7という)を単離する。DNA7と工程1で得た遺伝子を
リガーゼで結合してプラスミドpMTA1を造成する。 工程3(第2図参照)13 Leu−モチリン遺伝子を2個含むプラスミドの造成: プラスミドpMTA1を制限酵素Pst IとBgl IIで切断し、
13Leu−モチリン遺伝子を含むDNA断片8(以下DNA8とい
う)を単離する。別にpMTA1をPst IとBamH Iで切断し、
13Leu−モチリン遺伝子を含むDNA断片9(以下DNA9とい
う)を単離する。DNA8とDNA9とをリガーゼで結合するこ
とにより13Leu−モチリン遺伝子を2個含むプラスミドp
MTA2を得る。制限酵素Bgl IIとBamH Iとは同一の切断末
端を生じるため結合することができるが、結合部位(第
2図中Bg/Bamと表示)は両制限酵素の認識部位と異なる
塩基配列となるため、いずれの制限酵素でも切断されな
い。 工程4(第3図参照)13 Leu−モチリン遺伝子を4個含むプラスミドの造成: pMTA2をPst IとBgl IIで切断する。前述のとおりBg/B
amの部位は切断されないので2個の13Leu−モチリン遺
伝子を含むDNA断片が得られる。別にpMTA2をPst IとBam
H Iで切断して同様に13Leu−モチリン遺伝子2個を含む
DNA断片が得られる。両DNA断片をリガーゼで結合すると
13Leu−モチリン遺伝子を4個含むプラスミドpMTA4が得
られる。 pMTA2からpMTA4を作製するのと同様の方法で13Leu−
モチリン遺伝子を8個、16個、32個含むプラスミドpMTA
8、pMTA16およびpMTA32を得る。これらを以下pMTAと総
称する。 工程5(第4図参照)13 Leu−モチリン遺伝子の蛋白質発現用ベクターへの組
み込み: シロザケ成長ホルモン(SGH)遺伝子の発現に用いた
プラスミドpsGHIM1(参考例2の方法で製造)を制限酵
素Bgl IIとSac Iで切断し、大きい方のDNA断片(以下DN
A10という)を単離する。別にプラスミドpMTA4をBgl II
とSac Iで切断し、13Leu−モチリンを4個含むDNA断片
(以下DNA11という)を単離する。DNA10とDNA11とをリ
カーゼで結合して発現プラスミドpMTK4を得る。 pMTA4に替えてpMTA8またはpMTA16を用いて同様に行う
ことにより13Leu−モチリン遺伝子を8個または16個含
む発現プラスミドpMTK8またはpMTK16を得ることができ
る。これらを以下pMTKと総称する。 工程6(第5図参照) 発現プラスミドへのターミネーターの導入: プラスミドpsGHIM1を制限酵素Pst IとBamH Iで切断し
てプロモーターを含むDNA断片を得る。別にプラスミドp
GHD7(参考例4)をPst IとBamH Iで切断してターミネ
ーターを含むDNA断片を得る。両DNA断片をリガーゼで結
合して、ターミネーターの下流に制限酵素Bgl IIの認識
部位を持たず、Mlu Iの認識部位を持つプラスミドpsGHI
ME1を造成する。 psGHIME1をBgl IIとSac Iで切断して得た大きい方のD
NA断片とプラスミドpMTA4をBgl IIとSac Iで切断して得
13Leu−モチリン遺伝子を含むDNA切断とをリガーゼで
結合して13Leu−モチリン遺伝子を4個含むプラスミドp
MTL4を得る。pMTA4に替えてpMTK8またはpMTK16を用いて
同様に行い、13Leu−モチリン遺伝子を8個または16個
有するプラスミドpMTL8またはpMTL16を得る。これらを
以下pMTLと総称する。 プラスミドpMTKおよびpMTLには各々トリプトファンプ
ロモーターの下流にシロザケ成長ホルモンのアミノ末端
から104個のアミノ酸をコードする遺伝子があり、この
遺伝子の下流に13Leu−モチリン遺伝子を含む遺伝子が
連結している。また13Leu−モチリン遺伝子の下流にリ
ポ蛋白質遺伝子のターミネーターが導入されている。プ
ラスミドpMTKとpMTLとの相違は、pMTKはターミネーター
の下流に制限酵素Bgl IIの認識部位を持つがpMTLはこれ
を持たないことにある。 工程713 Leu−モチリン遺伝子の発現: 13Leu−モチリン遺伝子発現プラスミドpMTKおよびpMT
Lを大腸菌に導入する。形質転換株は、13Leu−モチリン
の4,8または16量体とシロザケ成長ホルモンとの融合蛋
白質を生産する。これら融合蛋白質は、いずれも大腸菌
内で顆粒として存在している。13Leu−モチリンの4量
体の融合蛋白の生産量が最も多く、全菌体蛋白質の約10
%程度である。顆粒中の13Leu−モチリンの割合はそれ
ぞれpMTL4:42%、pMTL8:56%pMTL16:68%である。 工程8(第6図参照)13 Leu−モチリン生産量の向上(1): プラスミドpMTKおよびpMTLを用いる上記方法において
は、シロザケ成長ホルモンの104個アミノ酸からなる蛋
白質との融合蛋白質として生産される。このシロザケ成
長ホルモン部分はより小さいことが望まれる。下記の方
法によってシロザケ成長ホルモン部分をより小さくした
プラスミドを造成し、13Leu−モチリンの製造を行うこ
とができる。 下記式13で示されるデオキシオリゴヌクレオチド(以
下DNA13という)と式14で示されるデオキシオリゴヌク
レオチド(以下DNA14という)を化学合成する。合成は
リン酸アミダイト法による固相合成法に従い、DNA自動
合成機により行う。 両DNAを混合して下記式12で示されるリンカー12を造
成する。 リンカー12はシロザケ成長ホルモンのアミノ末端から
8番目までのアミノ酸をコードする遺伝子とこの遺伝子
の両側に制限酵素Hind IIIとBgl IIの切断末端を持って
いる。 13Leu−モチリン遺伝子4個を持つプラスミドpMTL4を
制限酵素Pst IとBgl IIで切断し、13Leu−モチリン遺伝
子を含むDNA断片(以下DNA15という)を単離する。別に
pMTL4を制限酵素Pst IとHind IIIで切断し、プロモータ
ーを含むDNA断片(以下DNA16という)を単離する。DNA1
5,DNA16およびリンカー12をリガーゼで結合してプラス
ミドpMTN4を造成する。 pMTL4に替えてpMTL8を用いて上記と同様に行い、pMTL
8を作製する。プラスミドpMTN4とpMTN8はともに13Leu−
モチリン重合体のアミノ末端にMel−Ile−Gln−Asn−Gl
n−Arg−Leu−Phe−Gln−Ile−Phe−Metの12個のアミノ
酸が結合した蛋白質をコードする遺伝子を持ち、pMTN4
13Leu−モチリン遺伝子を4個、pMTN8は13Leu−モチ
リン遺伝子を8個持つ。プラスミドpMTN4およびpMTN8を
大腸菌に導入する。これら形質転換株はプラスミドpMTK
またはpMTLを含む形質転換株と同程度の蛋白質を生産す
る。これら蛋白質は大腸菌中で顆粒の状態で存在し、こ
の顆粒中の13Leu−モチリンの含量は77−80%でpMTKお
よびpMTLを含む形質転換株の生産量を大きく越えてい
る。 工程8(第7図参照)13 Leu−モチリン生産量の向上(2): プラスミドpMTK、pMTL、pMTNを大腸菌に導入して13Le
u−モチリンを大量に生産することができるが、プラス
ミド中の一部のDNAを除去することによりさらに高生産
できる方法を下記に示す。 プラスミドpMTLは13Leu−モチリン遺伝子の下流にタ
ーミネーターを持つ。このターミネーターと13Leu−モ
チリンの間にある非翻訳領域のDNAを除去したプラスミ
ドを造成する。 プラスミドpArg4(参考例5)を制限酵素Pst IとBamH
Iで切断してプロモーターを含むDNA断片を得る。別に
プラスミドpGHD7をPst IとBamH Iで切断してターミネー
ターを含むDNA断片を得る。両DNA断片をリガーゼで結合
して、ターミネーターの下流にBgl IIの認識部位を持た
ないプラスミドpArgE1を造成する。 pArgE1をPst IとEcoR Vで切断してターミネーターを
含むDNA断片(以下DNA17という)を単離する。 プラスミドpMTK4を制限酵素Sac Iで切断し、切断部分
の一本鎖領域をDNAポリメラーゼIのKlenowフラグメン
トを用いて加水分解し、平滑末端(Blunt end)とす
る。さらにこのDNA断片をPst Iで切断後、13Leu−モチ
リン遺伝子を含むDNA断片(以下DNA18という)を単離す
る。DNA17とDNA18をリガーゼで結合してプラスミドpMTM
4を得る。 プラスミドpMTK4の代わりにpMTL4を用いて同様に行っ
てpMTM4が得られる。 pMTK4に替えてpMTL8を用いて同様に行って13Leu−モ
チリン遺伝子8個を有するプラスミドpMTM8が得られ
る。 pMTA4からpMTA8を作製したのと同様の方法でpMTM4か
らpMTM8を造成することができる。すなわち、pMTM4を制
限酵素Pst IとBgl IIで切断して13Leu−モチリン遺伝子
を含むDNA断片を単離し、このDNA断片をpMTM4をPst Iと
BamH Iで切断して得られる13Leu−モチリン遺伝子を含
むDNA断片とリガーゼで結合してpMTM8を得る。 さらにプラスミドpArgE1に替えてpArg4を用いて、pMT
M4、pMTM8の造成と同様に行ってプラスミドpMTm4、pMTm
8を造成する。pMTMとpMTmの相違は、pMTMはターミネー
ターの下流に制限酵素Bgl IIの認識部位を持つがpMTmは
これを持たないことである。 工程9 pMTMを用いる13Leu−モチリン遺伝子の発現: プラスミドpMTMとpMTmはpMTKおよびpMTLのターミネー
ター上流の非翻訳領域の遺伝子が約160塩基対(以下bp
という)除去された構造を持つ。 pMTM4を大腸菌HB101に導入した場合、13Leu−モチリ
ン重合体の蛋白質量は全蛋白質量の17%を占める。 工程10(第8図参照)13 Leu−モチリン生産の向上(3): プラスミドpMTNは13Leu−モチリン遺伝子の下流にタ
ーミネーターを持つ。このターミネーターと13Leu−モ
チリンの間にある非翻訳領域の遺伝子を除去したプラス
ミドを以下の通り作製する。 プラスミドpArgE1をPst IとEcoR Vで切断してターミ
ネーターを含むDNA断片(以下DNA19という)を単離す
る。プラスミドpMTN4を制限酵素Sac Iで切断し、切断末
端の一本鎖領域をDNAポリメラーゼIのKlenowフラグメ
ントを用いて加水分解して平滑末端とし、さらに制限酵
素Pst Iで切断後、13Leu−モチリンを含むDNA断片(以
下DNA20という)を単離する。両DNA断片をリガーゼで結
合することによりプラスミドpMTO4を得る。 pMTN4に替えてpMTN8を用いて同様に行うことによりpM
TO8を造成する。pMTO8はpMTM8と同様に、pMTA4からpMTA
8を造成した方法でも作れる。 pArgE1に替えてpArg4を用いて同様に行いpMToを造成
する。pMTOとpMToとの違いは、pMToはターミネーターの
下流に制限酵素Bgl IIの認識部位を持つが、pMTOはこれ
を持たないことにある。 プラスミドpMTOとpMToはpMTNのターミネーター上流の
非翻訳領域の遺伝子が約160bp除去された構造を持って
いる。pMTO4を大腸菌に導入して蛋白質を発現させる。
形質転換株は、pMTN4を用いる場合と同程度の大量の蛋
白質を生産する。該蛋白質は形質転換株中で顆粒の状態
で存在し、顆粒中の13Leu−モチリン含量は77%であ
る。 工程11 プロモーターの変換 プラスミドpMTO4はシャイン−ダルガノ(SD)配列と
開始コドン(ATG)の距離(SD−ATG)が10塩基で二連結
のトリプトファンプロモーター(Ptrp×2)を持ってい
る。プラスミドpMTO4を制限酵素Hind IIIとPst Iで切断
して13Leu−モチリンを含むDNA断片(以下DNA21とい
う)を単離する。別にプラスミドpKYP10(特開昭58−11
0600)を制限酵素Hind IIIとPst Iで切断してプロモー
ターを含むDNA断片(以下DNA22という)を単離する。DN
A21とDNA22とをリガーゼで結合してプラスミドpMTO I 4
を得る(第9図参照)。プラスミドpMTO I 4は一つのト
リプトファンプロモーター(Ptrp)とSD−ATG間が14塩
基である。 プラスミドpKYP10にかえてプラスミドpGEL1(特開昭6
1−93197、FERMBP−612)を制限酵素Hind IIIとPst Iで
切断してプロモーターを含むDNA断片(以下DNA23とい
う)を単離する。プラスミドpMTO4より得たDNA21とDNA2
3をリガーゼで結合してプラスミドpMTO II 4を得る(第
10図参照)。プラスミドpMTO II 4はプロモーターPrtp
×2を持ちSD−ATG間は14塩基である。 プラスミドpGELにかえてプラスミドpGHA2(特開昭60
−221091、IGHA2 FERM BP−400)を制限酵素Hind IIIと
Pst Iで切断してプロモーターを含むDNA断片(以下DNA2
4という)を単離する。プラスミドpMTO4より得たDNA21
とDNA24をリガーゼで結合してプラスミドpMTO III 4を
得る(第11図)。プラスミドpMTO III 4はレットプロモ
ーター(Plet)を持ちSD−ATG間は14塩基である。 以上の遺伝子組換え手法を用いて多量に生産された13
Leu−モチリン重合体は菌体内に顆粒として蓄積してい
る。菌体を粉砕後、遠心分離にかけると膜成分と可溶性
画分から顆粒が容易に分離され、13Leu−モチリン重合
体が高純度で収率良く得られる。この13Leu−モチリン
重合体の顆粒を臭化シアンで分解するとスペーサーペプ
チドのメチオニンの部分で切断され、13Leu−モチリン
単量体のカルボキシル側にArg−Ile−Phe−Hse〔メチオ
ニンが分解してホモセリン(Hse)に変換した〕の結合
した26アミノ酸からペプチド25が得られる。このペプチ
ド25をカルボキシペプチダーゼAで消化するとカルボキ
シル側から順次水解されHse,Phe,Ileが除去され13Leu−
モチリンのカルボキシル基末端にArgの結合したペプチ
ド26が単一の生成物として得られる。 次にペプチドをカルボキシペプチダーゼBで消化する
とArgが除去され13Leu−モチリン(式2)が単一の生成
物として高収率で得られる。 以上の如く本発明の製造法により13Leu−モチリンが
遺伝子組換え手法により極めて高い生産量で製造され
る。本発明の製造法は化学的、酵素的に除去できるスペ
ーサーペプチドを介して目的のペプチドを連結したペプ
チド重合体をコードする遺伝子を作製し、この遺伝子を
有効なプロモーターとターミネーターを持ったプラスミ
ドに挿入し、このプラスミドを微生物に導入してペプチ
ド重合体を著量生産させ、得られたペプチド重合体を化
学的、酵素的に処理して高収率で単量体ペプチドに変換
する方法である。スペーサーペプチドの除去に本発明で
は臭化シアン、カルボキシペプチダーゼAおよびBを用
いたが、生産を目的とするペプチドを分解しない方法で
あればいかなる除去法も用いることができる。化学的分
解法としては例えばギ酸を用いるとAsp−Pro結合が切断
され、ヒドロキシルアミンでAsn−X(XはGly,Leu,Al
a)結合が切断される。酵素的分解法としてはエンテロ
キナーゼによる(Asp)n−Lys(n=2〜4)の切断、
コラゲナーゼによるPro−X−Gly−Pro(Xは任意のア
ミノ酸残基)、カリクレインBによるPhe−Arg結合の切
断が例としてあげられる。本発明のスペーサーペプチド
はこれらの切断法のうち生産を目的とするペプチドを分
解しない切断法により切断される構造を持ち、その結果
生じたスペーサーペプチドの断片を別の方法で除去しう
る構造であれば良い。ペプチドを連結した重合体を生産
し、これを切断してペプチド単量体を得る製造法におい
て一般にスペーサーペプチドは必須である。スペーサー
ペプチドを必要としない場合は生産しようとするペプチ
ドのアミノ末端とカルボキシル末端のアミノ酸の間を切
る選択的な切断法がある場合で、例えばアミノ末端がPr
oでカルボキシル末端がAspであればこのペプチド重合体
は単量体がAsp−Proで連結しているのでギ酸で処理すれ
ば単量体が得られるが、このような構造を持ったペプチ
ドは極めて稀である。従ってスペーサーペプチドが一般
に必須であり、その設計は切断と除去が高収率で容易に
行なえるものでなくてはならない。本発明に用いたスペ
ーサーペプチドはメチオニンを含有しない全てのペプチ
ドの生産に用いることができる。すなわち目的ペプチド
のカルボキシル末端のアミノ酸が塩基性アミノ酸以外の
場合には本発明のスペーサーペプチドを用いることがで
き、切断、除去も本発明の方法で実施される。ペプチド
のカルボキシル末端のアミノ酸が塩基性アミノ酸Lsyま
たはArgの場合には本発明のスペーサーペプチド中の塩
基性アミノ酸Argは不要で臭化シアンによる切断後のス
ペーサーペプチドの除去反応はカルボキシペプチダーゼ
AのみでよくBは必要ない。本発明のスペーサーペプチ
ドをコードする遺伝子には制限酵素Bgl IIとBamH Iの認
識部位があり、この同一の切断末端を生じる酵素を用い
た遺伝子を多数個連結する方法の有用性が実証された。
遺伝子を多数個連結する際に用いる制限酵素は本発明Bg
l IIとBamH Iの組合せの他に多数の酵素の利用が可能
で、上記の切断と除去の条件を満足するスペーサーペプ
チドをコードする塩基配列にそれらの制限酵素の切断部
位を作ることができれば良い。本発明では13Leu−モチ
リン遺伝子が1,2,4,8,16,32個と2n(n=0〜5)個連
結した遺伝子の製造法を例示したが、本発明の方法を用
いたペプチドをコードする遺伝子を任意の個数連結する
ことが容易なことは明らかである。本発明で13Leu−モ
チリン重合体の遺伝子はシロザケ成長ホルモンのアミノ
末端側の一部の遺伝子やIFN−γのアミノ末端側の一部
の遺伝子の下流に連結し、融合型の蛋白質として生産さ
せたが、シロザケ成長ホルモンやIFN−γの一部の遺伝
子は目的とする13Leu−モチリン重合体の生産に必須で
はない。 しかし、遺伝子の開始コドン、ATG周辺の塩基配列が
蛋白質の生産量に大きな影響を与えるため高い生産量が
得られているシロザケ成長ホルモン遺伝子の開始コドン
のATG周辺の塩基配列を持った遺伝子を用いて13Leu−モ
チリン重合体遺伝子を高発現させることができる。この
方法は13Leu−モチリン以外のペプチド重合体の遺伝子
を用いても高発現が可能で一般性の高い製造法である。 上記組換え技法における反応の条件は、一般的に下記
のとおりである。 DNAの制限酵素による消化反応は、通常0.1〜20μgの
DNAを2〜200mM(好ましくは10〜40mM)のトリス−HCl
(pH6.0〜9.5好ましくはpH7.0〜8.0)、0〜200mMのNaC
lまたはKCl、2〜30mM(好ましくは5〜10mM)のMgC
l2、0〜20mMのメルカプトエタノールを含む反応液中
で、制限酵素0.1〜100単位(好ましくは1μgのDNAに
対して1〜3単位)を用い、20〜70℃(至適温度は用い
る制限酵素により異なる)において、15分間〜24時間行
う。 制限酵素消化によって生じたDNA断片の精製は、LGT法
やポリアクリルアミドゲル電気泳動法などによって行
う。 DNA断片の結合反応は、2〜200mM(好ましくは10〜40
mM)のトリス−HCl(pH6.1〜9.5、好ましくはpH7.0〜8.
0)、2〜20mM(好ましくは5〜10mM)のMgCl2、0.1〜1
0mM(好ましくは0.5〜2.0mM)のATP、1〜50mM(好まし
くは5〜10mM)のジチオスレイトールを含む反応液中
で、T4DNAリガーゼ0.3〜10単位を用い、1〜37℃(好ま
しくは3〜20℃)で15分間〜72時間(好ましくは2〜20
時間)行う。 結合反応によって生じた組換え体プラスミドDNAは、
必要によりコーエンらの形質転換法〔エス・エヌ・コー
エン(S.N.Cohen)ら:プロシーディング・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミイ・オブ・サイエンス(Proc.Nat
l.Acad.Sci.)、USA,69,2110(1972)〕によって、大腸
菌に導入する。 組換え体プラスミドDNAを持つ大腸菌から該DNAの単離
は、セシウム・クロライド−エチジウム・ブロミド密度
勾配超遠心法〔ディー・ビー・クレウェル(D.B.Clewel
l)ら:プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミイ・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sc
i.)、USA、62,1159(1969)〕あるいはバーンボイム
(Birnboim)らの方法〔エイチ・シー・バーンボイム
(H.C.Birnboim)ら:ヌクレイック・アシド・リサーチ
(Nucleic Acids Res.),1513(1979)〕などを用い
て行う。 プラスミドDNAを制限酵素で消化後アガロースゲル電
気泳動あるいはポリアクリルアミドゲル電気泳動により
切断部位を調べる。さらにDNAの塩基配列を決定する必
要がある時はマキサム・ギルバート法〔プロシーディン
グ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミイ・オブ・サイエ
ンス(Proc.Natl.Acad.Sci.),74,560(1977)〕また
はM13ファージを用いたサンガー(Sanger)法〔サンガ
ー(Sanger)ら:プロシーディング・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミイ・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Aca
d.Sci.),USA,74,5463(1977):アマーシャム(Amersh
am)社M13クローニング・アンド・シークエンシング・
ハンドブック(cloning and sequencing handbook)〕
によって決定する。 本発明のペプチドは以下のとおりに製造できる。 すなわち、プラスミドを用いて大腸菌K−12c600やHB
101を形質転換させ、アンピシリン耐性のコロニーの中
からプラスミドを有する大腸菌を選びだす。プラスミド
を有する大腸菌を培地に培養することにより培養物中に
ペプチドを生成させることができる。 ここで用いる培地としては大腸菌の生育ならびにペプ
チドの生産に好適なものならば合成培地、天然培地のい
ずれも使用できる。 炭素源としては、グルコース、フラクトース、ラクト
ース、グリセロール、マンニトール、ソルビトールなど
が、窒素源としては、NH4Cl、(NH42SO4、カザミノ
酸、酵母エキス、ポリペプトン、肉エキス、バクトトリ
プトン、コーン・スティープ・リカーなどが、その他の
栄養源としては、K2HPO4、KH2PO4、NaCl、MgSO4、ビタ
ミンB1、MgCl2などが使用できる。 培養はpH5.5〜8.5、温度18〜40℃で通気撹拌培養によ
り行われる。 培養5〜90時間で培養菌体中にペプチドが蓄積するの
で、培養物から菌体を集菌し、菌体をリゾチーム処理
後、凍結、融解を繰り返して菌体を破砕し、遠心して得
られる上清から通常のペプチドの抽出方法に従ってペプ
チドを採取する。 また該ペプチドの検出は培養菌体を直接レムリ(Laem
mli)のサンプルバッファー〔レムリ(Laemmli)、ネイ
チャー(Nature),227,680(1970)〕に加熱、溶解
後、SDS−ポリアクリルアミドゲル〔レムリ(Laemmli)
の方法:同上文献〕にかけ、クマシブリリアントブルー
(Coomassie Brilliant Blue)色素〔バイオ・ラッド
(Bio−Rad)社製)を用いて染色して行った。 以下に本発明の実施例を示す。 実施例1. DNA3〜6、13および14の製造: DNA3〜6、13および14の合成はリン酸アミダイド法に
よる固相合成法〔S.L.Beaucageら、テトラヘドロン・レ
ターズ〔Tetrahedron Lett.)22,1859(1981)、L.J.Mc
Brieら、同24,245(1983)〕に従い、アプライドバイオ
システム社のDNA自動合成機380Aを用いて下記のとおり
行った。 シリカゲルを固相担体とし、これに3′水酸基を介し
て結合したヌクレオチドの5′の水酸基に(1)ヌクレ
オチドをリン酸アミダイド法で縮合し、(2)縮合した
ヌクレオチドの亜リン酸結合を沃素で酸化してリン酸結
合にし、(3)縮合したヌクレオチドの5′水酸基上の
保護基をトリフルオロ酢酸で除去した。次に(1)の工
程に戻って次のヌクレオチドを同様に縮合した。こうし
て(1)〜(3)の工程が繰り返されてDNAが担体上に
合成された。合成終了後、DNAの結合した担体をチオフ
ェノール溶液中に室温で1時間放置してリン酸の保護基
を除去した後、濃アンモニア水中に室温で1時間放置し
てDNAを担体から遊離させた。DNAを含む濃アンモニア水
を密封容器中60℃にて12時間加熱して塩基上の保護基を
除去した。 DNA3を例にとると、1μMのヌクレオチドの結合した
担体を用いて合成を行い通算収率81%で縮合反応を完了
し、次いで保護基の除去と固相からの遊離反応を行って
DNA3の粗生成物242O.D.単位(260nmで測定)を得た。こ
の粗生成物の22 O.D.単位を7M尿素を含むトリス−硼酸
緩衝液(pH8)を用いて10%ポリアクリルアミドゲル(2
mm厚、13cm×13cm)の電気泳動で精製し、DNA3を含むゲ
ルの領域をとり、0.2M炭酸トリエチルアミン緩衝液(pH
8)(以下TEABという)1mlでDNA3を18時間かけて抽出
し、ついでその抽出液をセファデックスDE52のカラム
(径6mm、長さ5mm)に通してDNA3を吸着させた。2M TEA
B2mlで溶出して3.9 O.D.単位のDNA3の純品を得た。 DNA3以外のDNAも同程度の収率で合成された。 これらDNAの5′水酸基をファージT4ポリヌクレオチ
ドキナーゼと〔γ−32P〕ATPを用いる常法〔A.M.Maxam
ら、メソッヅ・イン・エンチモロジイ(“Methods in E
nzymology")Vol.65,Part I,p.499,Academic Press(19
80)〕でリン酸化して放射性ラベルをつけた。ラベルを
つけたDNAを7M尿素を含むトリス−硼酸緩衝液で20%ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動を行い、DNAの純度と鎖
長を確認した。さらにラベルをつけたDNAの塩基配列を
マキサム−ギルバート(Maxam−Gilbert)法(前記文
献)で決定し、各DNAが所望の塩基配列を持つことを確
認した。 実施例2. プラスミドpMTA1の作製: プラスミドpTrS20 2μgを制限酵素Cla I(ベーリン
ガー・マンハイム社製)10単位、Sac I(宝酒造社製)1
5単位を含む溶液〔10mMトリス−HCl(pH7.5)、7mM MgC
l2、6mM 2−メルカプトエタノール〕30μに溶解し、3
7℃2時間消化反応を行った。この反応液をエチジウム
ブロミドを含むアガロースゲル電気泳動にかけ、紫外線
(波長302nm)で検出して約3.8kbのDNA7を含むゲル片を
切り出した。ゲル片にフェノール0.5mlを加えて凍結・
溶解し、水層をクロロホルム洗浄後、エタノール沈澱に
よりDNA7を回収した。 DNA3〜6各10pmoleを各々T4ポリヌクレオチドキナー
ゼ反応用緩衝液〔50mM トリス−HCl(pH7.5)、10mM Mg
Cl2、5mMジチオスレイトール(以下DTTと略記する)、1
mM ATP、0.1mMスペルミジン、0.1mM EDTA〕30μに溶
解し、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造社製)3単
位を加え、37℃40分間にリン酸化反応を行った後、65℃
で15分間加熱して酵素を失活させた。この反応液を4μ
ずつ混合し、上記で得たDNA7 0.08pmoleを加え、28mM
トリス−HCl(pH7.5)、9mM MgCl2、10mM DTT、0.03mM
EDTA、0.7mM ATP、0.03mM スペルミジンの組成になる
よう調整し、T4DNAリガーゼ(宝酒造社製)2単位を加
え、50μとした。4℃で16時間結合反応を行った。 この反応液を用いて大腸菌HB101株〔ボリバー(Boliv
ar)ら;ジーン(Gene)、、75(1977)〕をCohenら
の方法〔エス・エヌ・コーエン(S.N.Cohen)ら;プロ
シーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミイ・オ
ブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.)、USA 69,2110
(1972)〕により形質転換し、アンピシリン耐性(A
pr)のコロニーを得た。このコロニーよりアルカリ処理
法〔マニアティス(Maniatis)ら編;モレキュラー・ク
ローニング(Molecular Cloning)、P.368,コールド・
スプリングハーバー(Cold Spring Harbor)社刊〕によ
ってプラスミドDNAを回収し、pMTA1を得た。pMTA1の構
造は、Bgl II、Pst I、Sac I、BamH Iで切断してアガロ
ースゲル電気泳動により確認した。制限酵素の切断反応
は10mMトリス−HCl(pH7.5)、7mM MgCl2、6mM 2−メル
カプトエタノールの組成の溶液に各酵素の至適濃度にな
るよう0〜200mM NaClあるいはKClを加えて反応液(制
限酵素用反応液、以下NaClまたはKClの濃度だけを示
す。)とした。 さらに、文献〔A.J.H.Smith、メソッヅ・イン・エン
チモロジイ(“Methods in Enzymology")、ed.by L.Gr
ossmen and K.Moldave Vol.65,p.560(1980)、Academi
c Press)記載の方法によって、DNA3〜6に由来する部
分を含む115塩基の配列を決定して、目的とする13Leu−
モチリン遺伝子を確認した。 実施例3. プラスミドpMTA2の作製: 実施例2で得たプラスミドpMTA1 0.2μgを実施例2
に示した制限酵素用反応液(100mM NaCl)15μに溶解
し、Pst I(宝酒造社製)6単位、Bgl II(東洋醸造社
製)6単位を加え37℃で2時間消化反応を行った。これ
を実施例2と同様のアガロースゲル電気泳動で分画し、
約2.8kbのDNA断片(DNA8)を得た。 別にpMTA1 0.2μgを制限酵素用反応液(100mM KCl)
15μに溶解し、Pst I 6単位、BamH I(宝酒造社製)
6単位を加え37℃で2時間消化反応を行った。アガロー
スゲル電気泳動によりこれを分画し、約1.2kbのDNA断片
(DNA9)を得た。 こうして得たDNA8とDNA9を各々50ngずつ混合し、T4DN
Aリガーゼ用反応液〔20mM トリス−HCl(pH7.5)、10mM
MgCl2、10mM DTT、0.3mM ATP〕30μに溶解し、T4DNA
リガーゼ(宝酒造社製)1単位を加えて4℃18時間結合
反応を行った。この反応液を用いて大腸菌HB101株を形
質転換し、Aprのコロニーを得た。このコロニーよりプ
ラスミドDNAを回収し、pMTA2を得た。このプラスミドの
構造は、Pst I、BamH I、Bgl IIで切断し、アガロース
ゲル電気泳動により確認した。 実施例4. プラスミドpMTA4の作製: 実施例3で得たプラスミドpMTA2 0.2μgを実施例3
と同様に実施例2に示した制限酵素用反応液(100mM Na
Cl)15μに溶解し、Pst I 6単位、Bgl II 6単位を加
え37℃で2時間消化し、アガロースゲル電気泳動で分画
し約2.8kbのDNA断片を得た。また、pMTA2 0.2μgを制
限酵素用反応液(100mM KCl)15μに溶解し、Pst I 6
単位、BamH I 6単位を加え37℃で2時間消化し、アガロ
ースゲル電気泳動により分画して約1.3kbのDNA断片を得
た。 これらのDNA断片を各々0.2pmoleずつ混合し、T4DNAリ
ガーゼ用反応液30μに溶解し、T4DNAリガーゼ1単位
を加えて4℃18時間結合反応させた。この反応液で大腸
菌HB101株を形質転換し、Aprのコロニーを得、プラスミ
ドDNAを回収しpMTA4を得た。このプラスミドの構造はPs
t I、BamH I、Bgl IIで切断し、アガロースゲル電気泳
動により確認した。 実施例5. プラスミドpMTL4の作製: プラスミドpsGHIM1 1μgを制限酵素用反応液(100mM
KCl)30μに溶解し、Pst I 6単位、BamH I 6単位を
加え、37℃2時間消化反応させ、アガロースゲル電気泳
動で約2.1kbのDNA断片を分画して回収した。 プラスミドpGHD7 1μgをpsGHIM1と同様にPst I、Bam
H Iで消化し、約1.7kbのDNA断片を回収した。 これらのDNA断片を0.03pmoleずつ混合し、T4DNAリガ
ーゼ用反応液30μに溶解し、T4DNAリガーゼ1単位を
加えて4℃18時間結合反応させ、この反応液で大腸菌HB
101株を形質転換し、Aprのコロニーを得てプラスミドDN
Aを回収しpsGHIME1を得た。 こうして得たプラスミドpsGHIME1 0.5μgを制限酵素
用反応液(NaCl、KClは加えない)30μに溶解し、Sac
I(宝酒造社製)50単位を加え、37℃で2時間消化反応
させた。次に2M NaClを2μ添加し、Bgl II 15単位を
加え37℃で2時間消化反応を続けた。これをアガロース
ゲル電気泳動で分画し、約3.2kbのDNA断片を回収した。 実施例4で得たpMTA4 0.5μgをpsGHIME1と全く同様
にSac I消化後Bgl II消化し、アガロースゲル電気泳動
で約0.3kbのDNA断片を回収した。 これらのDNA断片を0.03pmoleずつ混合し、T4DNAリガ
ーゼ用反応液30μに溶解し、T4DNAリガーゼ1単位を
加えて4℃15時間結合反応を行い、この反応液で大腸菌
HB101株を形質転換しAprのコロニーを得てプラスミドDN
Aを回収しpMTL4を得た。 実施例6. プラスミドpMTN4の作製: 実施例5で得たプラスミドpMTL4の1.5μgを制限酵素
用反応液(100mM NaCl)20μに溶解し、Pst I 8単
位、Bgl II 7単位を加え、37℃で2時間消化反応させ、
アガロースゲル電気泳動で分画して約2.2kbのDNA断片
(DNA15)を回収した。また、pMTL4を制限酵素用反応液
(100mM NaCl)20μに溶解し、Pst I 8単位とHind II
I(宝酒造社製)6単位を加えて37℃で2時間消化反応
させ、アガロースゲル電気泳動で分画し約1.0kbのDNA断
片(DNA16)を回収した。 DNA15とDNA16の各21pmoleを実施例2に示したT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼ反応用緩衝液50μに溶解し、T4
ポリヌクレオチドキナーゼ4単位を加え、37℃40分間リ
ン酸化反応を行った後、65℃で15時間加熱して酵素を失
活させた。この反応液2μずつを混合し、DNA15およ
び16を加え、28mMトリス−HCl(pH7.5)、9mM MgCl2、1
0mM DTT、0.03mM EDTA、0.7mM ATP、0.03mMスペルミジ
ンの組成になるよう調整し、T4DNAリガーゼ2単位を加
え、40μとした。4℃で16時間結合反応を行った。こ
の反応液を用いて大腸菌HB101株を形質転換し、Aprコロ
ニーを得てプラスミドDNAを回収し、pMTN4を得た。 実施例7. プラスミドpMTO4の作製: プラスミドpMTN4 2.5μgをTritonX 0.01%を含む制
限酵素用反応液(NaCl、KClは加えない)40μに溶解
し、Sac I 12単位を加え、37℃2時間消化反応を行っ
た。この反応液をフェノール−クロロホルム抽出後エタ
ノール沈澱によりSac I切断したpMTN4を回収し、20mMト
リス−HCl(pH7.8)、7mM MgCl2、6mM 2−メルカプトエ
タノール、dNTP(dATP、dTTP、dCTP、dGTP)各0.25mMの
組成の溶液40μに溶解し、大腸菌DNAポリメラーゼI K
lenowフラグメント(宝酒造社製)4単位を加えて20℃,
1時間反応を行った。この反応液をフェノール−クロロ
ホルム抽出後、エタノール沈澱でポリメラーゼ処理した
pMTN4断片を回収した。これを制限酵素用反応液(100mM
NaCl)30μに溶解し、Pst I 5単位を加え2時間消化
反応を行い、アガロースゲル電気泳動により分画して約
1.3kbのDNA断片(DNA20)を得た。 プラスミドpArgE1 2μgを制限酵素用反応液(150mM
NaCl)20μに溶解し、Pst I 10単位、EcoR V(宝酒造
社製)10単位を加えて37℃2時間消化反応を行い、アガ
ロースゲル電気泳動により分画して約1.7kbのDNA断片
(DNA19)を得た。 このDNA19とDNA20を各々0.06pmole混合し、T4DNAリガ
ーゼ用反応液25μに溶解し、T4DNAリガーゼ3単位を
加え4℃20時間結合反応させた。この反応液を用いて大
腸菌HB101株を形質転換し、Aprのコロニーを得た。この
コロニーよりプラスミドDNAを回収し、pMTO4を得た。pM
TO4の構造はPst I、EcoR I、Hind III、Sal I、Bgl I
I、Mlu Iで切断して確認した。 実施例8. プラスミドpMTO I 4の作製: プラスミドpMTO4 2μgを制限酵素反応液(100mM NaC
l)30μに溶解し、Hind III 6単位、pst I 6単位を加
え、37℃2時間消化反応させた、アガロースゲル電気泳
動で分画し、13Leu−モチリン重合体遺伝子を含む約3.0
kbのDNA断片(DNA21)を回収した。また、プラスミドpK
YP10(特開昭58−110600)3μgを制限酵素反応液(10
0mM NaCl)30μに溶解し、Hind III 9単位およびPst
I 9単位を加え、37℃2時間消化反応を行い、アガロー
スゲル電気泳動で分画し、プロモーターを含む約1.1kb
のDNA断片(DNA22)を回収した。これらのDNA断片約0.1
μgずつをT4DNAリガーゼ用反応液30μに溶解し、T4D
NAリガーゼ1単位を加えて4℃18時間結合反応させた。
この反応液で大腸菌HB101株を形質転換し、得られたApr
のコロニーからプラスミドDNAを回収し、トリプトファ
ンプロモーターをもつ13Leu−モチリン重合体発現プラ
スミドpMTO I 4を得た。pMTO I 4の構造は、Pst I、Ban
III、Hind III、Mlu Iで切断して確認した。 第9図参照 実施例9. プラスミドpMTO II 4の作製: プラスミドpMTO4 2μgを制限酵素反応液(100mM NaC
l)30μに溶解し、Hind III 6単位およびPst I 6単位
を加え、37℃2時間消化反応させた。アガロースゲル電
気泳動で分画し、13Leu−モチリン重合体遺伝子を含む
約3.0kbのDNA断片(DNA21)を回収した。また、プラス
ミドpGEL1(特開昭61−93197)3μgを制限酵素反応液
(100mM NaCl)30μに溶解し、Hind III 9単位および
Pst I 9単位を加え、37℃2時間消化反応を行った。ア
ガロースゲル電気泳動で分画し、プロモーターを含む約
1.1kbのDNA断片(DNA23)を回収した。これらのDNA断片
約0.1μgずつをT4DNAリガーゼ用反応液30μに溶解
し、T4DNAリガーゼ1単位を加えて4℃18時間結合反応
させた。この反応液で大腸菌HB101株を形質転換し、得
られたAprのコロニーからプラスミドDNAを回収し、2連
結トリプトファンプロモーターをもちSD配列とATG開始
コドンの間の距離が14塩基の13Leu−モチリン重合体発
現プラスミドpMTO II 4を得た。pMTO II 4の構造は、Ps
t I、Ban III、Hind III、Mlu Iで切断して確認した。
第10図参照。 実施例10. プラスミドpMTO III 4の作製: プラスミドpMTO4 2μgを制限酵素反応液(100mM NaC
l)30μに溶解し、Hind III 6単位およびPst I 6単位
を加え、37℃2時間消化反応させ、アガロースゲル電気
泳動で分画し、13Leu−モチリン重合体遺伝子を含む約
3.0kbのDNA断片を回収した。また、プラスミドpGHA2
(特開昭60−221091)3μgを制限酵素反応液(100mM
NaCl)30に溶解し、Hind III 9単位およびPst I 9単位
を加え、37℃2時間消化反応を行った。アガロースゲル
電気泳動で分画し、プロモーターを含む約0.9kbのDNA断
片を回収した。これらのDNA断片約0.1μgずつをT4DNA
リガーゼ用反応液30μに溶解し、T4DNAリガーゼ1単
位を加えて4℃18時間結合反応させた。この反応液で大
腸菌HB101株を形質転換し、得られたAprのコロニーから
プラスミドDNAを回収し、1etプロモーターをもつ13Leu
−モチリン重合体発現プラスミドpMTO III 4を得た。pM
TO III 4の構造は、pst I、Ban III、Hind III、Mlu
I、Bgl IIで切断して確認した。第11図参照。 実施例11. プラスミドpMTO4を用いた大腸菌による13Le
u−モチリン重合体蛋白質の生産: 実施例7で得られたpMTO4を用いて大腸菌W3110 strA
株(FERM BP−732)を形質転換した。得られたAprコロ
ニーを8mlのLG培地(1%バクトトリプトン、0.5%酵母
エキス、0.5%NaCl、0.1% グルコース、50μg/mlトリ
プトファン、50μg/ml アンピシリン、pH7.5)に接種
し、30℃16時間培養した。この培養液400μを10mlのM
CG培地(0.6% Na2HPO4、0.3% KH2PO4、0.5% NaCl、
0.1% NH4Cl、0.5%グルコース、0.5%カザミノ酸、1mM
MgSO4、4μg/ml ビタミンB1、pH7.2)に50μg/mlトリ
プトファンおよび50μg/mlのアンピシリンを添加した培
地に接種し、30℃で培養した。培養液の濁度(OD550
を測定し0.9に達した時点(約4時間後)で、インドー
ル酢酸200μgを加え、さらに培養を4時間継続した。
培養液を7,000rpm、5分間遠心して菌体を回収した。こ
の菌体をレムリらの方法〔レムリ(Laemmli)ら;ネイ
チャー(Nature),227,680(1970)〕におけるサンプ
ルバッファーに溶解、加熱後、同法に従ってSDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動を行い、クマシーブリリア
ントブルーを用いて染色した結果、分子量約15,000の部
位にポリペプチドバンドを検出した。pMTO4を含まない
大腸菌W3110 strA株には相当するバンドは存在しなかっ
たのでpMTO4を保有する大腸菌W3110 strAがシロザケ成
長ホルモンの一部分と融合した13Leu−モチリン重合体
蛋白質を生産していることが明らかになった。 実施例12. プラスミドpMTO I 4を用いた大腸菌による
13Leu−モチリン重合体蛋白質の生産: 実施例8で得られたpMTO I 4を用いて大腸菌W3110 st
rA株を形質転換した。得られたAprコロニーを実施例11
と同様の培養方法で培養し、培養液を7,000rpm5分間遠
心して菌体を回収した。この菌体をレムリらの方法にお
けるサンプルバッファーに溶解、加熱後、同法に従って
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、クマシ
ーブリリアントブルーを用いて染色した結果、分子量約
15,000の部位にポリペプチドバンドを検出した。pMTO I
4を含まない大腸菌W3110 strA株には相当するバンドは
存在しなかったので、pMTO4を保有する大腸菌W3110 str
Aがシロザケ成長ホルモンの一部分と融合した13Leu−モ
チリン重合体蛋白質を生産していること明らかになっ
た。 実施例13. プラスミドpMTO II 4を用いた大腸菌による
13Leu−モチリン重合体蛋白質の生産: 実施例9で得られたpMTO II 4を用いて大腸菌W3110 s
trA株を形質転換した。得られたAprコロニーを実施例12
と同様の培養方法で培養し、培養液を7,000rpm5分間遠
心して菌体を回収した。この菌体をレムリらの方法にお
けるサンプルバッファーに溶解、加熱後、同法に従って
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、クマシ
ーブリリアントブルーを用いて染色した結果、分子量約
15,000の部位にポリペプチドバンドを検出した。pMTO I
I 4を含まない大腸菌W3110 strA株には相当するバンド
は存在しなかったので、PMTO4を保有する大腸菌W3110 s
trAがシロザケ成長ホルモンの一部分と融合した13Leu−
モチリン重合体蛋白質を生産していることが明らかにな
った。 実施例14. プラスミドpMTO III 4を用いた大腸菌によ
13Leu−モチリン重合体蛋白質の生産: 実施例11で得られたpMTO III 4を用いて大腸菌W3110
strA株を形質転換した。得られたAprコロニーを実施例1
2と同様の培養方法で培養し、培養液を7,000rpm5分間遠
心して菌体を回収した。この菌体をレムリらの方法にお
けるサンプルバッファーに溶解、加熱後、同法に従って
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、クマシ
ーブリリアントブルーを用いて染色した結果、分子量約
15,000の部位にポリペプチドバンドを検出した。pMTO I
II 4を含まない大腸菌W3110 strA株には相当するバンド
は存在しなかったので、pMTO4を保有する大腸菌W3110 s
trA株がシロザケ成長ホルモンの一部分と融合した13Leu
−モチリン重合体蛋白質を生産していることが明らかに
なった。 実施例15. プラスミドpMTN4を用いた大腸菌による13Le
u−モチリン重合体蛋白質の生産と精製: 実施例6によって得られたpMTN4を用いて大腸W3110 s
trA株を形質転換した。得られたAprのコロニーを8mlのL
G培地に接種し、30℃で8時間培養し、この一部を10ml
のLG培地に接種し、30℃で16時間培養した。これを1
のMCG培地に100μg/mlのトリプトファンおよび50μg/ml
のアンピシリンを添加した培地に接種し、ジャーファー
メンターで30℃48時間培養した。 この培養液100mlをとり、7,000rpmで遠心して菌体を
回収した。この菌体をPSG(97mMリン酸二ナトリウム、
1.5mM リン酸二水素カリウム、137mM NaCl、2.7mM KC
l)で洗浄した後60mlのPBSに溶解し、超音波(30分間)
により菌体を破砕した。10,000rpmで40分間遠心して沈
澱をとり、20mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)3.4
8mlに溶し、蒸留水3ml、1.5M NaCl 3.6ml、パーコール
(ファルマシア・ファイン・ケミカルズ社製)25mlを加
え、15分間17,000rpmで遠心した。沈澱はパーコールの
密度勾配に従い2つに分画されるので、密度の高い分画
を回収した。これに蒸留水を5倍量加えて11,000rpmで
7分間遠心し沈澱を得、さらに蒸留水で洗浄し47mgの顆
粒を得た。蛋白質はプロテイン・アッセイキット(バイ
オ・ラッド社製)を用いて定量した。 実施例16. 13Leu−モチリン単量体の製造: 実施例9で得たモチリン重合体の顆粒約5mgを70%ギ
酸2.0mlに溶解し、これに42mgの臭化シアンを70%ギ酸
0.4mlに溶解した溶液を加え37℃で一日放置した。再び4
2mgの臭化シアンを含む70%ギ酸溶液0.4mlを加えた後、
更に37℃で一夜放置した。生成したスペーサーペプチド
の結合した13Leu−モチリン単量体(ペプチド25)を高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)により単離した。単
離したペプチド25の一部約100μgを0.2MのN−エチル
モルホリン・酢酸緩衝液(pH8.0)0.4mlに溶解し37℃で
21時間放置してペプチド25のカルボキシル末端のホモセ
リンのラクトン環を開裂させた後、2μgのカルボキシ
ペプチターゼA(Sigma社)を加え37℃で30分放置して
13Leu−モチリンのカルボキシル末端にアルギニンの結
合したペプチド26を得た。このペプチド26の一部約22μ
gを0.2M N−エチルモルホリン・酢酸緩衝液(pH8.0)
0.2mlに溶解しカルボキシペプチダーゼB(Sigma社)1
μgを加え37℃で10分間放置した後、0.1%トリフルオ
ロ酢酸溶液0.2mlを加えて反応を停止して定量的収率で
13Leu−モチリンを得た。この13Leu−モチリンの構造は
アミノ酸配列の決定と質量分析により確認した。 実施例16.13 Leu−モチリンの腸管収縮作用 体重2.3〜2.8kgの雄性ウサギを放血致死させてから十
二指腸を約1.5cm摘出した。これを30mlのマグヌス(Mag
nus)槽中に懸垂し、下端を等張性トランスデューサー
(isotonictransducer)(日本光電、TD−112S)に結
び、十二指腸の収縮反応を記録計(YOKOGAWA HOKUSHIN
ELECTRIC、Type 3066)上に記録した。十二指腸には張
力1gを負荷した。 実験は、栄養液としてTyrode氏液(NaCl 8.0g/、KC
l 0.2g/、CaCl2 0.2g/、MgCl2 0.1g/、NaH2PO4
0.05g、NaHCO3 1.0g/、グルコース1.0g/)を用い、
温度28±1℃で、95%O2と5%CO2との混合ガスを通気
して行った。 13Met−モチリンおよび13Leu−モチリンの収縮作用
は、これらを10-9〜3×10-7g/mlまでの濃度で累積的に
Tyrode液に添加して得られる収縮張力を測定し、この測
定値とアセチルコリン10-5g/mlを添加したときの収縮張
力とを比較し、後者を100%として算出した。結果を第1
7図に示す。この結果、13Leu−モチリンは天然型ウシモ
チリンと同等の腸管収縮活性を示すことがわかった。 参考例1. ATGベクターpTrS20の造成: 第12図に示した手順に従い、SD配列とATG開始コドン
の間の距離が14塩基で、かつATGコドンの直後にSac Iサ
イトを有するATGベクターpTrS20を造成した。 まず、特開昭58−110600号公報記載の方法で調製した
pKYP10 3μgをY−100緩衝液30μに溶かし、制限酵
素Ban IIIと制限酵素Nru I(ニューイングランド・バイ
オラブズ社製)をそれぞれ6単位ずつ加え、37℃で3時
間切断反応を行った。この反応液からLGT法によりPtrp
を含む約3.8kbのDNA断片(Ban III−Nru I断片)約0.5
μgを得た。 一方、Ptrpの下流にATG開始コドンを付与するために
下記のDNAリンカーをリン酸トリエステル法により合成
した。 19−merと17−merの合成DNA(各々10pmoleずつ)を50
mM トリス−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、5mMジチオスレ
イトール、0.1mM EDTAおよび1mM ATPを含む全量20μ
の溶液に溶かし、T4ポリヌクレオチドキナーゼ3単位
(宝酒造社製)を加えて、37℃で60分間リン酸化反応を
行った。 次に上記で得たpKYP10由来のBan III−Nru I断片(約
3.8kb)0.1μgと上記のDNAリンカー約0.5pmoleをT4リ
ガーゼ緩衝液20μに溶かし、さらにT4DNAリガーゼ2
単位を加え、4℃で18時間結合反応を行った。 得られた組換え体プラスミドの混合物を用いて大腸菌
HB101株〔ボリバー(Boliver)ら:ジーン(Gene),7
5(1977)〕を形質転換し、Aprのコロニーを得た。この
コロニーの培養菌体からプラスミドDNAを回収した。得
られたプラスミドの構造は制限酵素EcoR I、Ban III、H
ind III、Sac I、Nru Iで切断後、アガロースゲル電気
泳動により確認した。このプラスミドをpTrS20と名付け
た。pTrS20のBan III、Hind IIIサイト付近の塩基配列
は下記のとおりであることをM13ファージを用いたディ
デオキシ・シークエンス法を用い確認した。 参考例2. サケ成長ホルモン発現プラスミド psGHIM1の造成(第15、16図): pGEL1(約3.4kb)3μgを20mMトリス−HCl(pH7.
5)、10mM MgCl2および100mM NaClを含む溶液(以下
“Y−100緩衝液”と略記する)40μに溶かし、Ban I
II(東洋紡績社製)5単位を加え37℃、3時間消化反応
を行った。該反応液をフェノール抽出し、エタノール沈
澱にてBan III部位一ケ所で切断されたpGEL1約2.4μg
を得た。このDNA断片約2.4μgを50mMトリス−HCl(pH
7.8)、7mM MgCl2および6mMメルカプトエタノールを含
む溶液(以下“DNAポリメラーゼ緩衝液”と略記する)5
0μに溶かし、dATP、dTTPをそれぞれ1mMになるように
加え、さらに5単位のDNAポリメラーゼI(ニューイン
グランド・バイラブズ社製)を加えて、37℃、30分間反
応させて、突出末端を削った。フェノール抽出、エノー
ル沈澱により、DNA断片約2.0μgを回収した。該DNA断
片1μgを20mMトリス−HCl(pH7.6)、10mM MgCl2、10
mMジチオスレイトールおよび1mM ATPを含む緩衝液(以
下“T4リガーゼ緩衝液I"と略記する)30μに溶かし、
2単位のT4DNAリガーゼ(宝酒造社製:以下同じ)を加
え4℃、18時間結合反応を行った。該反応液を用い、大
腸菌HB101株〔Boliver et.al.:Gene,,75(1977)〕を
Cohenらの方法〔S.N.Cohen et.al:Proc.Natl.Acad.Sci.
USA.69,2110(1972)〕により形質転換し、Aprのコロニ
ーを得た。この形質転換株よりプラスミドDNAを公知の
方法〔H.C.Birnboim et.al.:Nucleic Acids Res.,151
3(1979)〕に従って分離し、pGEL10(約3.4kb)を得
た。pGEL10の構造はEcoR I、Pst I、Hind III、BamH I
で切断してアガロースゲル電気泳動にて確認した。また
trpプロモーター下流のSD配列からインターフェロン−
γ遺伝子の翻訳開始コドンATGに至る塩基配列はマキサ
ム・ギルバート法〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,74,560
(1977)〕により決定し、 であることが確認された。 上記で得たpGEL10 5μgをY−100緩衝液40μに溶
かし、Hind III、BamH I各々10単位を加え37℃3時間切
断反応を行った。該反応液からtrpプロモーター部分お
よび複製開始点、リポプロテインターミネータを含む約
2.7kbのDNA断片約2μgを凍結融解法にて回収した。 別にpsGHIB2〔参考例3の方法で製造〕(約3.8kb)約
5μgを40μのY−100緩衝液に溶かし10単位のBamH
Iを加え37℃3時間反応を行い、完全に切断し、さらにH
ind III 1単位を加え37℃30分間反応を行いHind IIIに
よる部分切断を行った。該反応液より凍結融解法による
成熟型サケ成長ホルモンをコードする約1.1kbのDNA断片
約0.7μgを回収した。 上記のように回収したpGEL10のDNA断片約0.1μgとps
GHIB2のDNA断片約0.2μgとを30μのT4リガーゼ緩衝
液Iに溶かし、2単位のT4DNAリガーゼを加え、4℃、1
8時間結合反応を行った。該反応液を用いて大腸菌HB101
株を形質転換し、得られたコロニーよりプラスミドDNA
を回収し、psGHIM1を得た。psGHIM1の構造はEcoR I、Hi
nd III、BamH I、Pst Iで切断してアガロースゲル電気
泳動にて確認した。 参考例3. 成熟サケ成長ホルモンをコードする組換え体
プラスミドpsGHIB2の造成: サケ成長ホルモンをコードするDNAを含むプラスミドp
sGH1(特開昭61−15699記載の方法で製造)5μgを20m
Mトリス−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2および10mM NaClを
含む溶液(以下“Y−10緩衝液”と略記する)40μに
溶かし、制限酵素Mbo II〔ニューイングランド・バイオ
ラブス(New England Bio Labs)社製〕10単位を加え37
℃、3時間消化反応を行った。つづいて該溶液のNaCl濃
度を175mMとなるよう調製し、Sal I 10単位を加え、37
℃、3時間消化反応を行った。この反応液からLGT法に
より、N末端付近に相当する163bpのDNA断片約0.2μg
を得た。 次にpsGH1の5μgをY−100緩衝液40μに溶かし、
BamH I 10単位を加え、37℃、3時間消化反応を行っ
た。つづいて該反応液のNaCl濃度を175mMに調整し、Sal
I 10単位を加え37℃、3時間消化反応を行った。該反
応液からLGT法により、C末端側と3′−非翻訳領域を
含む約900bpのDNA断片約0.5μgを得た。 別にpGEL1 5μgを40μのY−100緩衝液に溶かし、
BamH IとHind IIIとを各々10単位加え、30℃、3時間消
化反応を行った。この反応液からトリプトファンプロモ
ーターを含む約2.7kbのDNA断片約1μgを得た。 一方成熟サケ成長ホルモンをコードするDNAの発現に
必要な翻訳開始コドンATGを付加し、さらにベクターDNA
と上記DNAとを連結する目的で下記のDNAリンカーを合成
した。 まず一本鎖DNA、17−merと12−merを通常のトリエス
テル法〔アール・クレア(R.Crea)ら:プロシーディン
グ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミイ・オブ・サイエ
ンス(Proc.Natl.Acad.Sci)USA.,75,5765(1978)〕に
より合成した。17−merおよび12−merの一本鎖DNA各々1
2pmoleを50mMトリス−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、10mM
ジチオスレイトールおよび1mM ATPを含む溶液20μに
溶かし、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造社製)6
単位を加え、37℃、60分間リン酸化反応を行った。 上記で得たpsGH1由来のMbo II−Sal I断片(163bp)
0.1pmole、Sal I−BamH I断片(約900bp)0.06pmole、p
GEL1 のHind III−BamH I断片(約2.7kb)0.02pmoleを5
0mMトリス−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、10mMジチオス
レイトールおよび1mM ATPを含む溶液30μに溶かし、
これに上記の合成DNAリン酸化反応液5μを加えた。
この混合液にT4リガーゼ(宝酒造社製)6単位を加え、
4℃、18時間結合反応を行った。 該反応液を用いて大腸菌HB101株を形質転換しAprのコ
ロニーを得、このコロニーよりプラスミドDNAを回収
し、第16図に示したpsGHIB2を得た。psGHIB2の構造はEc
oR I、Hind III、Cla I、Bgl II、Sal I、BamH Iで切断
してアガロースゲル電気泳動にて確認した。psGHIB2中
のサケ成長ホルモンをコードするDNAのN末端付近の配
列は であることをM13ファージを用いたサンガー(Sanger)
法に従って決定した。その結果psGHIB2は成熟型サケ成
長ホルモンポリペプチドをコードするDNAを含むことが
わかった。プラスミドpsGHIB2を含む大腸菌はEscherich
ia coli ESGHIB2(EFRM BP−612)として昭和59年9月2
0日付で工業技術院微生物工業技術研究所(微工研)に
寄託されている。 参考例4. プラスミドpGHD7の造成(第13図): 1ec Iプロモーター(特開昭60−221091参照)、大腸
菌リポプロテイン遺伝子(1pp)のターミネーター、ヒ
トインターフェロン−γcDNAを運ぶプラスミドpGHB3
〔特開昭60−221091(IGHB3 FERM BP−403)〕約2μg
を30μのY−50緩衝液〔10mM トリス−HCl(pH7.
5)、50mM NaCl、7mM MgCl2および6mM 2−メルカプトエ
タノールを含む緩衝液〕に溶かし、8単位のPvu IIを加
え、37℃で2時間消化反応を行った。 次いでNaClを150mMとなるように加え、8単位のSal I
を加えて37℃でさらに2時間消化反応を行った。続い
て、フェノールおよびクロロホルム抽出とエタノール沈
澱の後、DNA断片を全量30μの50mM トリス−HCl(pH
7.6)、7mM MgCl2、6mM 2−メルカプトエタノール、0.2
5mM dATP、0.25mM dCTP、0.25mM dGTPおよび0.25mM dTT
Pを含む緩衝液に溶かし、4単位の大腸菌DNAポリメラー
ゼI、Klenow断片(宝酒造社製)を加え、15℃で2時間
反応させ、生じた突出末端を平坦末端に変えた。65℃、
10分間の熱処理後、低融点アガロースゲル電気泳動法を
用い、大きい方のDNA断片(3.6kb)を精製した。 このようにして得たDNA断片(約0.1μg)を20mM ト
リス−HCl(pH7.6)、10mM MgCl2、10mM ジチオスレイ
トールおよび0.5mM ATPを含む緩衝液(以下この緩衝液
を“T4DNAリガーゼ緩衝液II"と略称する)20μ中、2
単位のT4DNAリガーゼにより、4℃で18時間結合反応を
行った。 このようにして得られた組換えプラスミドDNAで大腸
菌HB101株を形質転換し、アンピシリン耐性株を得た。
この形質転換株よりプラスミドDNAを単離し、その構造
解析を行ったところ、目的の構造を有するプラスミドpG
HD7が造成されたことを確認した。 参考例5. プラスミドpArg4の造成(第14図): trpポータブル・プロモーターを持つpKYP100プラスミ
ド〔T.Nishiら:Agric.Biol.Chem.48,669−675(198
4)〕約3μgを30μの緩衝液〔10mM トリス−HCl(p
H7.5)、50mM NaCl、7mM MgCl2および6mM 2−メルカプ
トエタノールを含む緩衝液〕に溶かし、10単位のPst I
と10単位のHind IIIを加え、37℃で2時間消化反応を行
った。65℃、10分間の熱処理後、低融点アガロースゲル
電気泳動を用い、小さい方のDNA断片(0.88kb)を精製
した。 さらに、ヒトインターフェロン−γ発現プラスミドpG
EL1〔FERM BP−612、特開昭61−93197〕約3μgを30μ
のY−100緩衝液に溶かし、10単位のPst Iと10単位の
Nco Iを加え、37℃で2時間消化反応を行った。65℃、1
0分間の熱処理後、低融点アガロースゲル電気泳動を用
い、大きい方のDNA断片(1.7kb)を精製した。 次に、上で精製した2つのDNA断片を連結するためのD
NAリンカー(EcoR VサイトとSal Iサイト内部に有す
る)をデザインした。 上図に示した2種の一本鎖DNA(それぞれ36−mer)を
通常のトリエステル法〔R.Creaら:Proc.Natl.Acad.Sc
i.,755765(1978)〕により合成した。続いて各々20pmo
leを50mM トリス−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、5mMジチ
オスレイトール、0.1mM EDTAおよび1mM ATPを含む全量2
0μの溶液に溶かし、T4ポリヌクレオチドキナーゼ4
単位を加えて、37℃で30分間リン酸化反応を行った。こ
れらの一本鎖DNAを等量ずつ混合し、65℃で5分間加熱
後、室温で徐冷することにより、上記の構造を有するDN
Aリンカーを得た。 このDNAリンカー(1pmole)と上で精製した2種のDNA
断片(それぞれ0.1μgずつ)を前記T4リガーゼ緩衝液I
I 20μ中、2単位のT4DNAリガーゼにより、4℃で18
時間結合反応を行った。 このようにして得られた組換えプラスミドDNAで大腸
菌HB101株を形質転換し、アンピシリン耐性株を得た。
この形質転換株よりプラスミドDNAを単離し、その構造
解析を行ったところ、目的の構造を有するプラスミドpA
rg4が造成されたことを確認した。
【図面の簡単な説明】 第1図はプラスミドpMTA1の造成工程を示す。 第2図はプラスミドpMTA2の造成工程を示す。図中Bg、B
am、PはそれぞれBgl II、BamH I、Pst Iの認識部位を
示す。MTは13Leu−モチリン遺伝子を示す。以下同じ。 第3図はプラスミドpMTA4の造成工程を示す。 第4図はプラスミドpMTK4の造成工程を示す。図中SGHは
シロザケ成長ホルモン遺伝子を示す。以下同じ。 第5図はプラスミドpMTL4の造成工程を示す。図中T1pp
はリポプロテインターミネーターを示す。Trpはトリプ
トファンプロモーターを示す。 第6図はプラスミドpMTN4の造成工程を示す。 第7図はプラスミドpMTM4の造成工程を示す。 第8図はプラスミドpMTO4の造成工程を示す。 第9図はプラスミドpMTO I 4の造成工程を示す。 第10図はプラスミドpMTO II 4の造成工程を示す。 第11図はプラスミドpMTO III 4の造成工程を示す。 第12図はプラスミドpTrS20の造成工程を示す。 第13図はプラスミドpGHD7の造成工程を示す。 第14図はプラスミドpArg4の造成工程を示す。 第15図はプラスミドpGEL10の造成工程を示す。 第16図はプラスミドpsGHIM1の造成工程を示す。 第17図は13Met−モチリンおよび13Leu−モチリンの腸管
収縮作用を示す。図中○は13Leu−モチリン、●は13Met
−モチリンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) 合議体 審判長 徳廣 正道 審判官 田中 倫子 審判官 田中 久直 審判官 佐伯 裕子 審判官 郡山 順 (56)参考文献 特開 昭52−46068(JP,A) Scand.J.Gastroen t.,Vol.11,p.199−203 (1976) Bio/Technology,Vo l.4,p.565−568(1986)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.下記式1のアミノ酸配列を有する新規ペプチド。 (式中、記号は下記アミノ酸残基を示す。) Phe:フェニルアラニン、Val:バリン、 Pro:プロリン、Ile:イソロイシン、 Thr:スレオニン、Tyr:チロシン、 Gly:グリシン、Glu:グルタミン酸、 Leu:ロイシン、Gln:グルタミン Arg:アルギニン、Lys:リジン Asn:アスパラギン以下同じ) 2.式1のアミノ酸配列を有するペプチドをコードする
    DNAを組み込んだ組換え体DNAを含む微生物を培地に培養
    し、培養物中に式1のアミノ酸配列を有するペプチドを
    蓄積させ、該培養物から該ペプチドを採取することを特
    徴とする式1のアミノ酸配列を有するペプチドの製造
    法。 3.下記式7のアミノ酸配列を有する新規ペプチド。4.式7のアミノ酸配列を有するペプチドをカルボキシ
    ペプチダーゼAおよびカルボキシペプチダーゼBで分解
    することによる式1のアミノ酸配列を有するペプチドの
    製造法。
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