JP2575022B2 - ヒトモチリン前駆体、該前駆体含有クローン化dna、その調製法並びに該クローン化dnaが組込まれたプラスミド - Google Patents

ヒトモチリン前駆体、該前駆体含有クローン化dna、その調製法並びに該クローン化dnaが組込まれたプラスミド

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はヒトモチリン前駆体、該前躯体含有クローン
化DNA、その調製法並びに上記のクローン化DNAが組込ま
れたプラスミドに係る。
(従来の技術) モチリンはブラウン等によりブタの上部小腸粘膜から
初めて単離され、構造決定がなされた物質であってペプ
チドホルモンの一種である [“Gastroenterology"第62巻第401−404頁(1972年)
及び“Can.J.Biochem."第52巻第7−10頁(1974
年)]。
これらの文献に記載のブタモチリンは何れも抽出によ
り得られたものであり、22個のアミノ酸からなってお
り、分子量は約2700である。ブタモチリンの生理作用と
しては消化管運動亢進作用及び消化管平滑筋収縮作用が
良く知られている。消化管運動亢進作用としては例えば
胃排出時間を短縮する作用が報告され[“Gastroentero
logy"第80巻第456−460頁(1981年)]、消化管平滑筋
収縮作用としては神経経路に依存せずにウサギやヒトの
胃前庭部及び十二指腸に対して強い収縮作用を有してい
ることが知られている。従ってモチリンは、胃腸運動亢
進により術後等と胃腸障害における治療や、或いはこれ
を利用した胃腸障害の診断に有用であると考えられてき
た。
(発明が解決しようとする問題点乃至発明の目的) 従来技術によるモチリンはブタ由来のものであり、抽
出によって得られており、従って大量生産が極めて困難
である点に問題があった。尚、ヒトモチリンの構造は、
従来技術においては明らかにされていなかった。即ち、
モチリンは胃腸障害治療薬としての有用性が期待される
にも拘らず、その生産がネックとなって臨床治療に応用
されるに至っていないのである。
それ故に、本発明の基本的課題は、所謂バイオテクノ
ロジーを応用してヒトモチリン及びその関連物質の工業
的生産方法にアプローチすることにある。
本発明の主たる目的は、ヒトモチリン前駆体を含むク
ローン化DNAを提供することにある。
本発明の付随的目的は、ヒトモチリン前駆体を含むク
ローン化DNAを調製する方法を提供することにある。
本発明の他の付随的目的は、ヒトモチリン前駆体を含
むクローン化DNAを微生物又は動物細胞において発現さ
せ大量生産するために、該クローン化DNAが組込まれた
プラスミドを提供することにある。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者等は鋭意研究の結果、ヒトモチリン前駆体DN
Aのクローン化に初めて成功し、その構造決定をなし、
これによって上記の基本的な問題点を解決するに至った
のである。
即ち、本発明によれば、ヒトモチリン前駆体を構成す
るヌクレオチド配列を包含するDNA領域は下記の通りで
あり、564個のヌクレオチドを有している。
(式中においてA、C、G及びTは、それぞれアデニ
ン、シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキ
シリボヌクレオチドを意味し且つ上記の式はアミノ酸に
対応するコドン毎の配列として示されている) 上記のDNAにおいて、ヒトモチリン前駆体を構成するD
NAは、式 (式中においてA、C、G及びTは、上記の意味を有し
ている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
が指定する下記のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を
指定する他のヌクレオチド配列を有している。
上記のヌクレオチド配列を有している、又は上記のア
ミノ酸配列をコードしているヒトモチリン前駆体のDNA
によれば、ヒトモチリンは開始コドンであるATGが指定
するメチオニン(Met)残基から数えて26−47番目の領
域にコードされており、コドンGCCが指定するアラニン
(Ala)残基及びAAGが指定するリジン(Lys)残基によ
り両端が仕切られていることが判る。尚、Metから始ま
る最初の約25個のアミノ酸はその構造に鑑みて分泌に関
与するシグナルペプチドに相当するものと考えらえる。
本発明方法によれば、ヒトモチリン前駆体を含むクロ
ーン化二本鎖DNAはヒト上部小腸由来のRNAをpoly(A)
RNAに変じ、このpoly(A)RNAとベクタプライマDNAと
を用いて、cDNAライブラリを作成して大腸菌株の変質転
換を行い、一方既知のブタモチリンのアミノ酸配列にお
けるN末端から1−8番目の配列である。
Phe−Val−Pro−Ile−Phe−Thr−Tyr−Gly に相当するmRNAと相補的な式 にて示される23個のデオキシリボヌクレオチドからなる
24種類の混合物(但しA,G,T,Cの4種類のすべての可能
性があるヌクレオチドの部位はイノシン[I]を用いて
合成した)を予め調製しておき、上記の式(A)ので示
される合成オリゴデオキシリボヌクレオチドの5′末端
に標識を施し、これをプローブとして上記の形質転換細
胞をハイブリダイゼーションによりスクリーニングして
ハイブリダイズするポジティブクローンを得ることによ
り調製することができる。上記においてプローブとして
のオリゴデオキシリボヌクレオチド(A)に関してはブ
タモチリンのアミノ酸のN末端から1−8番目の配列に
相当するものが選択され、又イノシンがA,G,T,Cすべて
の可能性があるところに用いられた理由はブタとヒトで
配列の差が多少生じても対応でき且つこれらのアミノ酸
に対応する合成オリゴデオキシリボヌクレオチドの種類
をできる限り少なくなすためである。ヒトモチリンを含
むクローン化一本鎖DNAは、得られた上記のクローン化
二本鎖DNAを自体公知の方法で処理することにより、例
えば90℃で約3分間処理し、次いで氷冷することにより
調製することができる。
上記のクローン化一本鎖又は二本鎖のヒトモチリン前
駆体を含むDNAは自体周知の手法を用いて、例えば適当
な制限酵素を用いて断片を作成し接合して、又これによ
って作成できなかった部分については自体周知の方法で
合成し前記の接合断片に接合することによりヒトモチリ
ン領域のみ、ヒトモチリン領域以外の生理活性領域等か
らなるDNA断片となすことが可能である。
尚、上記のクローン化二本鎖ヒトモチリン前駆体を含
むDNA又はこのDNA断片は自体公知の手法を用いてプラス
ミドに組込むことができる。即ち、例えば大腸菌からプ
ラスミドを取出して精製し、このプラスミドに制限酵素
を作用させて特定の塩基位置でプラスミドを切断し、上
記のモチリン前駆体を含むDNA又はその断片をDNAリガー
ゼにより結合させることによりプラスミドに組込むこと
ができる。
(発明の効果) 本発明によるヒトモチリン前駆体を含む二本鎖DNA又
はその断片を組込んだプラスミドを微生物又は動物細胞
に取込ませて培養することによりモチリン前駆体、モチ
リン自体、更には他の生理活性物質を大量生産すること
ができる。従って、本発明は医薬原料等としてこれらを
用いる途を開くと云う効果を有している。尚、モチリン
部分以外のアミノ酸配列部分をコードしたDNA断片は新
たな生理活性物質の検索に用いることができる。
(実施例等) 次に、製造例及び構造決定のための試験例に関連して
本発明を更に詳細に説明する。
製造例1 (a)ヒトモチリンのmRNAを含むpoly(A)RNAの調製 ヒトモチリンは上部小腸等に存在していることがラジ
オイムノアッセイ等によって明らかにされている(“Sc
and.J.Gastroenterol."第11巻第47−52頁1976年)。従
って、外科的手術により取出された上部小腸を原料と
し、チルグウィン等の方法(“Biochemistry"第18巻第5
294−5299頁1979年)に準じ4M−グアニジニウムチオシ
アネートにより全RNA(1.2mg)を抽出し、0.5M−KC1を
含有する10mM−トリス−塩酸バッファ(pH7.5)を結合
バッファとしてオリゴdTセルロースに結合させ、次にKC
Iを含有しないバッファで溶出させることによって、pol
y(A)RNAを約150μg得た。
このRNAを電気泳動により分析した結果、18S及び28S
のRNAバンドに鑑みて分解されていないことが確認され
た。
(b)ヒトモチリンのアミノ酸配列に相当するmRNAと相
補的なDNAの合成既知のブタモチリンのアミノ酸配列に
おけるN末端から1−8番目の配列である Phe−Val−Pro−Ile−Phe−Thr−Tyr−Gly に相当するmRNAと相補的な式 にて示される26個のデオキシリボヌクレオチドからなる
24種類の混合物(但しA,G,T,Cの4種類のすべての可能
性があるヌクレオチドの部位はイノシン[I]を用いて
合成した)を調製した。これらのヌクレオチドはそれぞ
れ可能性があるアミノ酸配列をすべて網羅している。
尚、各デオキシリボヌクレオチドの調製は、ファルマシ
ア社製のDNA合成装置「ジーンアセンブラー」を用いて
行われた。
(c)cDNAライブラリの作成 Okayama−Bergの方法(「Mol.Cell.Bio.」第2巻第16
1−170頁1982年)に従って約30μgの上記poly(A)RN
Aと4.3μgのベクタプライマDNAとを用いてcDNA(プラ
スミド)を合成し、モリソン等の方法(“Methods in E
nzymol.″第68巻第326−331頁1979年)に従って大腸菌
(HB101株)に形質転換を行った。50μg/mlのアンピシ
リンを含有するLB−寒天培地を用いて形質転換細胞をス
クリーニングした処、アンピシリン耐性を示す形質転換
細胞が1μgのpoly(A)RNA当り約10000個、計約30万
個得られた。
(d)クローニング クローニングは、「Gene」第10巻第63−67頁1980年に
記載の方法に従って行われた。
即ち、上記の(c)に記載の方法により得られ、アン
ピシリン耐性を示す約30万個の計質転換細胞の内で約5
万個の計質転換細胞を対象としてニトロセルロースフィ
ルタにレプリカし、50μg/mlのアンピシリンを含有する
寒天プレート上で3−4時間培養した後に、更に、500
μg/mlのクロラムフェニコールを含有するLB−寒天プレ
ートに移し37℃で一夜培養した。フィルタ上に生じたコ
ロニーを0.5N−NaOHによりフィルタに固定した後に中和
してpH7.5となし、次いで1.5M−NaClを含有するトリス
−塩酸バッファ(pH7.5)に上記のフィルタ浸漬して菌
体の残渣を除去した。その後にフィルタを風乾し、80℃
で2時間ベーキングしてスクリーニング用の被験フィル
タとした。
一方、形質転換細胞のスクリーニングはグルンシュタ
イン等の方法(“Proc.Natl.Acad.Sci.USA“第72巻第39
61−3965頁1975年)に準じ下記のようにして行われた。
即ち、上記(b)に記載の方法で合成され且つ式Aで
示される各オリゴデオキシリボヌクレオN末端に[
32P]ATPとT4キナーゼで標識を施してスクリーニング用
プローブとなした。これらの各オリゴデオキシリボヌク
レオチドの比活性は1−2×106cpm/pmolであった。
上記の被験フィルタ上の形質転換細胞を、このプロー
ブにて50℃でのハイブリダイゼーションによりスクリー
ニングし、オートラジオグラムでの感光により判定した
処、約5万個の形質転換細胞の内で唯1個がハイブリダ
イズするポジティブクローンであった。
このポジティブクローン、即ちヒトモチリン前駆体含
有クローンを電気泳動により解析した結果、poly(dA)
(dT)及びpoly(dG)(dC)のテイル部分を含み約650b
pのcDNA挿入部位を含んでいることが判明した。このcDN
Aは二本鎖DNAであり、後記の試験例において示されてい
るように、塩基配列が解明されたので、適当な制限酵素
断片及び一部合成したDNAを用いることによりヒトモチ
リン前駆体部分、ヒトモチリン部分、又は生理活性を示
す他の部分からなるDNA断片となすことができる。尚、
このような二本鎖DNA及び二本鎖DNA断片を90℃で約3分
間処理し、次いで氷冷すれば分離して一本鎖のものとな
る。
試験例 (クローン化ヒトモチリン前駆体の塩基配列決定及び
相当するアミノ酸配列) クローン化ヒトモチリンのcDNA挿入部位の塩基配列決
定はマキサム及びギルバートの方法(“Methods in Enz
ymol."第65巻第499−560頁1980年)及び変性プラスミド
を用いる服部等のダイデオキシ法(“Anal.Biochem."第
152巻第232−238頁1986年)に従ってクローン化ヒトモ
チリン前駆体を制限酵素で切断した断片をpUC19プラス
ミドのサブクローニングして行った。
第1図にはヒトモチリン前駆体含有クローンのcDNA領
域と、塩基配列決定に用いられた制限酵素と、塩基配列
決定のストラテジーとが示されている。最上段の数字
は、中段において枠で仕切られたヒトモチリン前駆体領
域を基準として示した塩基の番号であり、Pvull等は用
いられた制限酵素名であり、括弧内の数字は切断部位乃
至塩基配列決定の開始位置(塩基の番号)であり、枠で
仕切られた上記のヒトモチリン前駆体領域の内でS領域
はシグナルペプチドに相当するものと思われる領域を示
し、「モチリン」と表示されている領域はヒトモチリン
に相当するものと思われる領域を示している。第1図の
下段において、水平な矢印はそれぞれの制限酵素による
塩基配列決定の方向と範囲を示しており、矢印の末端に
垂直線が付されているのは5′末端を放射標識したもの
でその位置を示し、矢印の末端に丸印が付されているの
は上記の服部等のダイデオキシ法に従って行われたもの
であって丸印が塩基配列決定開始位置を示している。
第2図には、このようにして決定されたヒトモチリン
前駆体含有クローンのcDNAにおける塩基配列(cDNAと相
補的配列)及びヒトモチリン前駆体部分の塩基配列に相
当するアミノ酸配列が示されている。第2図において塩
基配列の上側に付された数字は第1図におけると同様に
ヒトモチリン前駆体領域を基準として示した塩基の番号
であり、アミノ酸配列の下側に付された数字はヒトモチ
リン前駆体領域におけるアミノ酸残基の番号であり、実
線で枠組みした領域は既知のブタモチリンと同一の塩基
配列を有する領域であってヒトモチリンに相当すると思
われる領域を示し、破線で枠組みした領域は既述の実施
例で形質転換細胞のスクリーニング用プローブとして用
いた領域をそれぞれ示している。
ヒトモチリン前駆体部分は開始コドンであるATGから
始まり終止コドンであるTGAで終了する長い翻訳可能配
列(オープンリーディングフレーム)として存在し、そ
の内に既知のブタモチリンと同一のアミノ酸をコードし
ている塩基配列が認められ、この塩基配列は実線で枠組
みされているようにメチオニン(Met)を1とするアミ
ノ酸番号において26番目のフェニルアラニン(Phe)か
ら47番目のグルタミン(Gln)迄に位置していた。ヒト
モチリン前駆体領域の始めの部分、即ち第1番目のMet
から第25番目のAla迄はその構造に鑑みて、殊に第6番
目のAlaから第25番目のAla迄は比較的疎水性に富んだア
ミノ酸が並んでいるので分泌蛋白質に一般的に見られる
シグナル配列と考えられ(第1図のS領域)、又上記の
モチリン領域に相当する部分の後端は塩基性アミノ酸で
あるリジン(Lys)が二つ並んだ構造により仕切られて
いるので、モチリンは前駆体の形で分泌された後に血中
等におけるプロテアーゼにより切断されてメイチュアー
なモチリンになるものと考えられる。
製造例2 (ヒトモチリン組込みプラスミドの製造) 本製造例については、殊に第3図を参照しつつ説明す
る。先ず、第1及び2図に示されるようなヒトモチリン
前駆体のcDNAクローンを制限酵素Hinfl及びBallにより
切断して約490bpのフラグメントを得た。次に、このフ
ラグメントのHinfl断点にNhelリンカーを付加し、又Bal
l断点にXholリンカーを付加した(これらのリンカーは
何れもファルマシア社製のDNA合成装置を用いて調製さ
れた)。
一方、動物細胞での発現に用いる市販のプラスミド
(ファルマシア社製の「pMSG」)を制限酵素Nhel及びXh
olにより切断し、上記のリンカー結合ヒトモチリン前駆
体フラグメントを、上記プラスミドの断点の接着末端と
結合させることによりヒトモチリン前駆体の組込まれた
プラスミドを得た。
このプラスミドは、第3図の末尾に示されるように、
マウスマンマリー腫瘍ウィルスのロングターミナルリピ
ート(MMTV−LTR)である強力なプロモータの下流にヒ
トモチリン前駆体のcDNAクローンを有している。
従って、このプラスミドをL細胞やCHO細胞に導入す
ることによって、動物細胞でヒトモチリン前駆体を容易
に且つ大量に発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるクローン化ヒトモチリン前駆体を
含むcDNA領域並びに該領域の塩基配列決定のために用い
られた制限酵素と、塩基配列決定のストラテジーとを示
す図面、第2図は決定されたヒトモチリン前駆体含有ク
ローンのcDNAにおける塩基配列及びヒトモチリン前駆体
部分の塩基配列に相当するアミノ酸配列と示す図面、第
3図はヒトモチリン前駆体組込みプラスミドを調製する
工程を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 健一 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 高橋 治雄 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 三谷 隆彦 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 黒野 昌庸 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (56)参考文献 Chem.Pharm.Bull., vol.26,No.1,P.101−107 (1978)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸配列である をコードしていることを特徴とする、クローン化一本鎖
    DNA又はこの一本鎖DNAと相補DNAとからなるクローン化
    二本鎖DNA。
  2. 【請求項2】式 (式中において、A、C、G及びTは、それぞれアデニ
    ン、シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキ
    シリボヌクレオチドを意味し且つ上記の式はアミノ酸に
    対応するコドン毎の配列として示されている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
    が指定するアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を指定す
    る他のヌクレオチド配列を有していることを特徴とす
    る、特許請求の範囲第1項に記載のクローン化一本鎖DN
    A又はこの一本鎖DNAと相補DNAとからなるクローン化二
    本鎖DNA。
  3. 【請求項3】式 (式中において、A、C、G及びTは、それぞれアデニ
    ン、シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキ
    シリボヌクレオチドを意味し且つ上記の式はアミノ酸に
    対応するコドン毎の配列として示されている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
    が指定するアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を指定す
    る他のヌクレオチド配列を有していることを特徴とす
    る、クローン化一本鎖DNA又はこの一本鎖DNAと相補一本
    鎖DNAとからなるクローン化二本鎖 DNA。
  4. 【請求項4】式 (式中において、A、C、G及びTは、それぞれアデニ
    ン、シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキ
    シリボヌクレオチドを意味し且つ上記の式はアミノ酸に
    対応するコドン毎の配列として示されている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
    が指定するアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を指定す
    る他のヌクレオチド配列を有していることを特徴とす
    る、クローン化一本鎖DNAと相補一本鎖DNAとからなる二
    本鎖DNAが組込まれているプラスミド。
  5. 【請求項5】ヒト上部小腸由来のRNAをpoly(A)RNAに
    変じ、このpoly(A)RNAとベクタプライマDNAとを用い
    て、cDNAライブラリを作成して大腸菌株の形質転換を行
    い、一方既知のブタモチリンのアミノ酸配列におけるN
    末端から1−8番目の配列である Phe−Val−Pro−Ile−Phe−Thr−Tyr−Gly に相当するmRNAと相補的な式 にて示される23個のデオキシリボヌクレオチドからなる
    24種類の混合物(但しA,G,T,Cすべての可能性があるヌ
    クレオチドの部位はイノシン[I]を用いて合成)の
    5′末端に標識を施し、これをプローブとして上記の形
    質転換細胞をハイブリダイゼーションによりスクリーニ
    ングしてハイブリダイズするポジティブクローンとして
    クローン化二本鎖DNAを得、必要に応じ常法により一本
    鎖DNAに解離させることを特徴とする、 式 (式中においてA、C、G及びTは、それぞれアデニ
    ン、シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキ
    シリボヌクレオチドを意味し且つ上記の式はアミノ酸に
    対応するコドン毎の配列として示されている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
    が指定するアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を指定す
    る他のヌクレオチド配列を有しているクローン化一本鎖
    DNAと相補DNAとからなるクローン化二本鎖DNAの調製
    法。
JP62109757A 1987-05-07 1987-05-07 ヒトモチリン前駆体、該前駆体含有クローン化dna、その調製法並びに該クローン化dnaが組込まれたプラスミド Expired - Lifetime JP2575022B2 (ja)

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US07/190,849 US4985356A (en) 1987-05-07 1988-05-06 Cloning of DNA encoding human motilin precursor and expression of the precursor

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