JPH07203970A - チモポイエチン - Google Patents

チモポイエチン

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JPH07203970A
JPH07203970A JP4056473A JP5647392A JPH07203970A JP H07203970 A JPH07203970 A JP H07203970A JP 4056473 A JP4056473 A JP 4056473A JP 5647392 A JP5647392 A JP 5647392A JP H07203970 A JPH07203970 A JP H07203970A
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JP
Japan
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thymopoietin
clone
sequence
dna
cdna clone
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JP4056473A
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English (en)
Inventor
Jacob Shoham
ショーハム ジャコブ
Dina Sonkin-Zevin
ソンキン−ゼビン ディナ
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Bar Ilan University
Original Assignee
Bar Ilan University
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/575Hormones
    • C07K14/66Thymopoietins

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウシチモポイエチンmRNAの少なくとも一部分
に相当する配列を含むウシチモポイエチン又はチモポイ
エチン様cDNAクローン、本発明のcDNAクローンのヌクレ
オチド配列に相当するヌクレオチド配列を有するウシチ
モポイエチンmRNA種、それらのmRNA種の翻訳可能部分に
従って推定されたタンパク質配列、及びそれらから推定
される任意の生物活性開裂断片が提供される。 【構成】 本発明のcDNAクローンの例としては、下記ヌ
クレオチド配列: 【化1】が741 ヌクレオチドの転写解読枠中に含まれて
いるウシチモポイエチンcDNAクローン、又は前記配列が
323 ヌクレオチドの転写解読枠中に含まれており、そし
て前記転写解読枠の3′末端の45ヌクレオチド配列が上
記のウシチモポイエチンcDNAクローンのそれと異なって
いる部分的ウシ胎児チモポイエチンcDNAクローンを挙げ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウシチモポイエチンcD
NAクローン、子ウシ胎児チモポイエチンcDNAクローン、
子ウシ胎児チモポイエチン様cDNAクローン、ウシチモポ
イエチンmRNA、子ウシ胎児チモポイエチンmRNA、子ウシ
胎児チモポイエチン様mRNA、それらのmRNAの翻訳可能部
分に従って推定されたタンパク質配列、およびそれらか
ら推定される生物活性開裂断片、並びにウシチモポイエ
チン遺伝子配列を含む単離されたDNA クローンおよび本
発明のクローンからハイブリダイゼーションにより製造
されるcDNAまたはDNA クローンに関する。
【0002】
【従来の技術】胸腺は免疫系の中心器官であり、幾つか
の体液性因子を分泌することによりその活性の大部分を
媒介する。それらの因子の1つであるチモポイエチン
(TP)と名付けられた因子は、子ウシ胸腺から単離され
た(Goldstein, G., Nature, 1974, 247:11-14) 。TPの
配列は最初は次のように記載された(Schlesinger, D.
H.およびGoldstein, G., Cell, 1975, 5:361-5):
【0003】
【化3】
【0004】その後の研究(例えばAudhya, T., Schles
inger, D.H. およびGoldstein, G.,Biochemistry, 198
1, 20:6195-6200 )は、限定数のアミノ酸において構造
的相違が認められるような、それぞれTP-I, TP-II およ
びTP-IIIと称する下記の3つの分子種を開示した。
【0005】TP-I:
【化4】
【0006】TP-II:
【化5】
【0007】TP-III:
【化6】
【0008】Goldstein,G.らは、Science, 1979, 204:1
309-11において、活性部位がアミノ酸配列32〜36に存す
ることを発見し、そしてチモペンチンと命名されたこの
ペンタペプチドを合成した。チモペンチンの試験管内活
性は分子全体のそれと同様であった。34位のアスパラギ
ン酸の代わりにグルタミン酸を含むTP-IIIも脾臓で生産
され(Audhya, T., Scheid, M.P.およびGoldstein,G.,
P.N.A.S., 1984, 81:2847-9 )、スプレニンと命名され
ている。スプレニンはリンパ系細胞に対する非特異的な
作用を有し、即ち、それはT細胞とB細胞の両方におい
て分化表面マーカーを誘導する。一方、チモポイエチン
IとIIはT細胞に特異的である。従って、TP-IIIは上記
の他の分子種と構造が類似しているけれども、真正の胸
腺因子とはみなされない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】チモポイエチンおよび
チモペンチンは免疫系において重要な影響を有し、特に
免疫不全、癌、感染症および自己免疫疾患の状態におい
て有効な臨床的効果を有すると思われる。他方、胸腺因
子に対する有意な不利な反応は全く報告されていない。
従って、それらの因子は正常な生理的機構に基づく治療
アプローチを意味し、広域スペクトルの潜在的臨床用途
を与え、そして望ましくない副作用を持たない。
【0010】しかしながら、胸腺因子の実際的使用には
多数の欠点がある。天然源からの抽出および精製または
化学合成による一般的臨床用のチモポイエチンの調製は
不経済的である。また、チモペンチンは経済的に且つ多
量に化学合成することができるが、生体内に注入すると
非常に短い半減期を有することが示されている。従っ
て、安定性にはチモポイエチン分子全体が必要であり、
それが入手可能になれば、この剤を治療に使用すること
が最も好ましいであろうと思われる。本発明の目的は、
チモポイエチンが経済的に得られる手段を提供すること
である。本発明の他の目的は下記の記載から明らかであ
ろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、ウシ
チモポイエチンmRNAの少なくとも一部分に相当する配列
を含むウシチモポイエチンまたはチモポイエチン様cDNA
クローンであって、それが下記配列中の少なくともアミ
ノ酸18〜49に相当する連続ヌクレオチドを含んで成るこ
とを特徴とするウシチモポイエチンまたはチモポイエチ
ン様cDNAクローンを提供する。
【0012】
【化7】
【0013】そのようなcDNAクローンとしては、上記の
アミノ酸1〜49に相当するヌクレオチド配列の全部、例
えば前記アミノ酸1〜49に相当するヌクレオチド配列が
741ヌクレオチドの転写解読枠中に含まれているウシチ
モポイエチンcDNAクローン、または前記アミノ酸1〜49
に相当するヌクレオチド配列が323 ヌクレオチドの転写
解読枠中に含まれており、そして前記転写解読枠の3′
末端の45ヌクレオチド配列が上記のウシチモポイエチン
cDNAクローンのそれと異なっている部分的ウシ胎児チモ
ポイエチンcDNAクローンを挙げることができる。
【0014】本発明の別の態様によれば、本発明のcDNA
クローンは、例えば、N末端部分がチモポイエチンのア
ミノ酸18〜49を含む179 アミノ酸ポリペプチドに相当す
る537 ヌクレオチドの転写解読枠を含む、ウシ胎児チモ
ポイエチン様cDNAクローンであることができる。本発明
は、本明細書において定義されるような本発明のcDNAク
ローンのヌクレオチド配列に相当するヌクレオチド配列
を有するウシチモポイエチンmRNA種も提供する。また、
それらのmRNA種の翻訳可能部分に従って推定されたタン
パク質配列、およびそれらから推定される任意の生物活
性開裂断片も本発明により提供される。
【0015】更に、ウシチモポイエチン遺伝子配列を含
み、そして下記配列:
【化8】 を含んで成る、単離・精製されたDNA クローンが本発明
により提供される。
【0016】更に、前記節において定義されたような本
発明のcDNAクローンまたは単離・精製されたDNA クロー
ンからハイブリダイゼーションにより製造されるcDNAお
よびDNA も本発明により提供される。
【0017】
【具体的説明】オリゴヌクレオチドプローブとのハイブ
リダイゼーション チモポイエチンペプチドの異なる部分をコードする表1
に記載のオリゴヌクレオチド配列は、Weizmann Institu
te, Rehovot のO.Goldberg博士により、自動DNA 合成装
置を使って合成された。各配列は記号{/}により指摘
される選択肢の混合物である。それらの合成オリゴヌク
レオチドは、対応するタンパク質をコードする遺伝子を
探る際のハイブリダイゼーションプローブとして使用す
ることができる。遺伝暗号の縮重から生じる問題を回避
するために、コドンのあいまいさにより4つのヌクレオ
チドが許容される各位置にデオキシイノシン(I)を挿
入した。
【0018】
【表1】
【0019】λ47.1L ベクターのBamHI 部位にSau3A で
部分消化したDNA をクローニングすることによりホルス
タイン種のウシの肝臓から調製したゲノムDNA ライブラ
リー(B. Vellan 博士により提供)を、20枚のペトリ皿
(直径15cm)上の大腸菌(E.coli.)LE392 細胞を使っ
て平板培養し(1×106 プラーク形成単位)、ニトロセ
ルロースフィルターコピーを作製し、そしてTP-CDiオリ
ゴヌクレオチドプローブを使ってスクリーニングした。
ハイブリダイゼーション反応混合物は0.9M NaCl, 0.09M
クエン酸三ナトリウム, 0.1% BSA, 0.1% Ficoll, 0.1%
ポリビニルピロリドン, 2mM EDTA, 100 μg/mlのニシン
変性DNA および 5×106 dpm/mlの32P 末端 標識TP-CDi
(比活性1 ×107 dpm/ピコモル)を含んだ。このハイブ
リダイゼーション反応混合物を振盪し、次いで42℃で16
時間インキュベートした。Woodら(P.N.A.S., 1977, 74:
5463-7) に記載されたようにして0.45M NaClと0.045Mク
エン酸三ナトリウムの混合物で、次に 2×3M Me4N + Cl
- で、42℃にて6時間に渡り数回フィルターを洗浄し
た。更に2回の富化平板培養の後、12個の陽性クローン
が単離された。それらのクローンからDNA を単離し、TP
-CDi, TP-ABicDNAまたはTP-DEiオリゴヌクレオチドとの
ハイブリダイゼーションを試みた。TP-DEiとハイブリダ
イズしたクローンはなく、そして2つのクローン(152B
および157A)がTP-CDiおよびTP-ABiプローブとハイブリ
ダイズした。クローン152Bおよび157Aの更なる特徴付け
を行った。
【0020】ハイブリダイズ可能なクローン152Bおよび
157Aの制限分析 それらのクローンから単離したDNA をEcoRI, BamHI, Hi
ndIII, XhoI およびそれらの組合せで消化した。制限断
片をアガロースゲル電気泳動により分離し、DNA 結合用
ナイロンに移行し、そして32P 末端標識TP-CDiとハイブ
リダイズせしめた。その結果を図1(AおよびB)に示
す。
【0021】図1Aは、各2μg をEcoRI, BamHI, Hind
III, XhoI およびそれらの指摘の組合せで消化した152B
および157Aの制限消化物の電気泳動後のUV写真である。
制限断片を、Tris−ホウ酸緩衝液中1μg/mlの臭化エチ
ジウムを含む1%アガロースゲル上でサイズマーカーと
してλ−HindIII およびφX174−HaeIII断片を使って分
離した(Maniatisら、Molecular Cloning: A Laborator
y Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spri
ng Harbor, N.Y., U.S.A., 1982 )。ベクターλ47.1L
のBamHI アーム上の関連酵素部位の位置は次のようであ
る。 左アーム:EcoRI 21.7 kb 右アーム:HindII
I 2.24 kb HindIII 23 kb EcoRI 2.83 kb 全長 23.6 kb 全長
10.43 kb
【0022】図1Bは、32P 標識TP-CDiとハイブリダイ
ズした152Bおよび157A断片のオートラジオグラムであ
る。図1AのDNA 断片を1N NaOH 中でNEW Gene Screen
膜に移行せしめ、その膜を風乾した。ライトボックステ
ーブル上での5分間のUV暴露によりDNA をナイロンに結
合させ、1.5M NaCl を含む0.5M Tris, pH 7.4 中で中和
し、そして32P 標識TP-CDiとハイブリダイズせしめた。
0.45M NaCl, 0.045Mクエン酸三ナトリウムおよび0.5% S
DSの混合物で50℃にて膜を洗浄し、次いでX線映像強化
膜を使って−70℃にて3時間 AGFA RP-2フィルムに暴露
した。単独と組合せの両方において追加の制限酵素をDN
A 消化に使い、得られた制限地図を図2に示す。
【0023】結果は次のことを示す:(a) 関連断片の長
さの合計により評価した時の挿入DNA 断片の全長は、15
2Bについては約11 kb 、そして157Aについては約12 kb
である;(b)TP-CDi とハイブリダイズする断片は152Bと
157Aとで同じサイズのものであり、即ち、約6kb EcoRI
断片、約8.5kb HindIII 断片、3.2kb BamHI 断片並びに
二重EcoRI およびBamHI 消化により2.1 kb断片が得られ
た;(c) 2つのゲノムクローンは異なる制限部位におい
てサブクローニングされた同一遺伝子を表す。2.1 kb断
片(152B の) を単離し、そして反復DNA 配列(例えばAl
u 群等)のない断片を見つけるためにAluI, HaeIIIまた
はPstIのうちの一つで更に切断した。TP-CDiとハイブリ
ダイズするPstI消化により得られた300bp 断片は、明ら
かに反復DNA を持たず、よってcDNAクローン探査用プロ
ーブとして働くのに適当であった。このPstI断片をチェ
ーンターミネーション法によるDNA 配列決定のために、
T3およびT7プロモーターを含みそして一本鎖M13 様ファ
ージとして増殖することができる多目的プラスミドベク
ターBluescript SKM13(+) (Stratagene)中にサブクロー
ニングした。
【0024】152Bおよび157Aの一部分のDNA 配列 152Bと157Aの両方についての二本鎖DNA 挿入断片のDNA
配列分析(アミノ酸22-44 )は、逆転写酵素(Zagursky
ら、Gene and Tech, 1985, 2:89-94) およびプライマー
としてTP-ABi mRNA オリゴヌクレオチドを使って、Sang
erら(P.N.A.S.,1977, 74:5463-7) のジデオキシチェー
ンターミネーション法によって行った。152Bクローンの
325bp PstI断片の組換えBluescript SKM13(+) サブクロ
ーン(152B-13) からの一本鎖DNA を、Pol I のクレノウ
断片およびT7プロモーター−プライマー(NE Biolabs N
o. 1227) を使って配列決定した。DNA 配列および推定
ペプチド配列を図3に示す。チモポイエチンのアミノ酸
1〜42をコードする配列に下線が引かれている。開始ア
ミノ酸として働くことができるメチオニンは太ボールド
字で示されており、星印は終結コドンを表す。カルボキ
シ末端の7アミノ酸をコードする配列はPstI消化により
このクローンから切り出した。発表されたチモポイエチ
ンのアミノ酸配列と比較した、クローン152-13から推定
されるチモポイエチンペプチド配列は次のようである。
【0025】
【化9】
【0026】152B DNAの配列決定部分は157A DNAの配列
決定部分(アミノ酸22-44 )と同一であり、セリンの代
わりにヒスチジン(TP I と同様) である43位を除いてTP
II の最初の44アミノ酸と同じペプチドをコードする。
我々の配列中の38位はグルタミンであり、幾つかの従来
技術に記載されているようなグルタミン酸ではない。
【0027】子ウシ胸腺上皮mRNAからのcDNAライブラリ
ーの調製 mRNAの構造を研究するためそしてこのmRNAに活性前駆体
および/または他の胸腺刺激因子が存在するかどうかを
調べるために、チモポイエチンをコードする全長DNA ク
ローンが必要である。このために、上皮細胞に富む子ウ
シ胸腺から出発してcDNAライブラリーを調製した。生後
4か月の子ウシの胸腺を細かい篩上で細砕し、これを通
過させることにより大部分の胸腺細胞を除去した。残り
の組織を、グアニジンチオシアネート/LiCl法 (Cathal
a ら、DNA, 1983, 2:329-335) を使ったRNA 抽出に使用
した。オリゴ−dTセルロースカラムに2回結合させるこ
とによりmRNAを単離した。次の方法でAmersham cDNA 合
成キットを使って二本鎖相補的DNA を合成した。まず、
プライマーとしてのオリゴ−dTと逆転写酵素とを用いて
cDNAの第一鎖をmRNA鋳型上で合成した。RNアーゼH での
mRNAの消化により生成したRNA 断片をプライマーとして
用いて大腸菌ポリメラーゼIを使って第二鎖を合成し
た。EcoRI リンカーを使ってλ-ZAPファージDNA (Strat
agene)の EcoRI部位中に二本鎖cDNAを連結せしめた。二
本鎖cDNAの平均サイズは、アガロースゲル電気泳動によ
り評価すると約700 bpであった(DNA の大部分は300-12
00 bp の範囲で移動する)。Stratagene Giga-Gold試験
管内パッケージング用抽出物を使って二本鎖λ-ZAP DNA
をパッケージングし、そして大腸菌BB4 上で平板培養し
た。全収量は2 μg のポリアデニル化RNA から4.6 ×10
6 の独立的組換え体であった。個々の組換え体間の競争
および選択を最小にするために、まだ単離されたプラー
クが存在するような条件下で寒天プレート上でこのライ
ブラリーを1回増幅させた。
【0028】チモポイエチンをコードする子ウシcDNAク
ローンの単離および特徴付け 大腸菌BB4 を使って子ウシ胸腺上皮cDNAライブラリー
(1 ×106 プラーク形成単位)を調製し、そのニトロセ
ルロース複製フィルターコピーを32P 標識した325 bpの
PstIゲノムDNA 断片(クローン152B-13 から単離したも
の)とハイブリダイズせしめた。ハイブリダイゼーショ
ンは0.9M NaCl, 0.09Mクエン酸三ナトリウム, 0.1% BS
A, 0.1% Ficoll, 0.1% ポリビニルピロリドン, 2mM EDT
A, 0.5% SDS, 100 μg/mlのニシン変性DNA および5 ×1
06 dpm/mlの32P 標識DNA プローブ(比活性7.5 ×108 d
pm/μg )中で65℃にて一晩行った。該DNA はランダム
プライマー伸長法(Feinberg ら、Anal. Biochem., 198
3, 132:6-13) により標識した。フィルターを15mM NaCl
と1.5mM クエン酸三ナトリウムの混合物で50℃にて洗
浄した。106 の1つのクローン(No. 230) のみが陽性で
あった。このクローンを2回の富化平板培養およびプロ
ーブとのハイブリダイゼーヨンにより精製した。cDNAラ
イブラリーのクローニング用ベクターとして使用したλ
-ZAPファージは、増殖条件に依存して、一本鎖Bluescri
pt SKM13(-) ファージかまたはBluescript SKM13(-) プ
ラスミドに変換可能であるという利点を有し、よって、
制限分析およびDNA 配列決定による組換えクローンの迅
速な特徴付けを可能にする。
【0029】230 クローンのDNA 配列 クローン230 からDNA を単離し、そしてBluescript SKM
13(-) プラスミドに変換した。Stratagene Bluescript
Exo/Mungキット(Stratagene, No.200300) の取扱説明書
に従って、Bluescriptのポリリンカー中のBstX部位から
始まるExoIIIエキソヌクレアーゼでの230 DNA の限定消
化により、重複している欠失サブクローンの系列を誘導
した。反対鎖の配列を得るために、完全な挿入断片をBl
uescriptSKM13(+) ベクター中にサブクローニングし、
ポリリンカー中のKpnI部位から始まるその欠失サブクロ
ーンを同様に製造した。T7 DNAポリメラーゼ(Sequenase
キット, USB No. 70700)またはTaq DNA ポリメラーゼ(T
aq Track, Promega No. Q5560)のいずれかを使って、SK
M13(+)についてはT7プロモーターそしてSKM13(-)につい
てはT3プロモータープライマーから出発して、ジデオキ
シチェーンターミネーション法(Sanger,F.ら、P.N.A.
S., 1977, 74:5963-7)により一本鎖DNA を配列決定し
た。クローン230 の制限地図および配列決定方法を表す
スキームを図4に示す。図中の矢印は配列決定領域の方
向と長さを表し;転写解読枠とチモポイエチン配列の位
置も示されている。
【0030】図5および6は、図2に関して記載された
ようにして得られ確認された230 挿入DNA の1306 bp ヌ
クレオチド配列を示す。ヌクレオチドは 5′から 3′方
向において番号付けされており、推定アミノ酸配列は対
応するヌクレオチド配列の下側に示されている。連続し
て下線が引かれているのは、ウシチモポイエチンIIに相
当する49アミノ酸であり、一方太ボールド字はチモポイ
エチンと異なるか(Arg47 とAsn 48) 、または他のチモ
ポイエチンと一致する(チモポイエチンI およびIII と
同じHis 43) か、または文献中で議論されている(Gln
38は幾つかの刊行物においてGlu と報告されている)ア
ミノ酸を示す。イタリック体は翻訳イニシエーターとし
て働くことができるMet を表し、そして星印は終結コド
ンを表す。
【0031】より詳細に図5および6を参考にすると、
230 DNA は転写解読枠中に247 アミノ酸のポリペプチド
をコードし得る741 ヌクレオチドを含む。チモポイエチ
ンペプチドは推定上の前駆体タンパク質のN末端付近で
ある。202 位と220 位にフレーム内の2つの翻訳開始コ
ドン(ATG) を有し、後者はチモポイエチン配列のすぐ前
にある。チモポイエチンペプチドはヌクレオチド223-36
9 によりコードされ、これは次の3点を除いて発表され
たウシチモポイエチンIIの配列(Audhya, T.ら、Bioche
mistry, 前掲)と同じである: (a)43 位のアミノ酸がTP-IとTP-IIIのようにHis であ
り、TP-II のようにSer ではない; (b)47 位と48位において、発表されたようなLeu Val の
代わりにクローン230 はArg Asn をコードする;および (c) 38位のアミノ酸がGlu であると報告している刊行物
もあればGln と報告している刊行物も有るが、38位のア
ミノ酸がGln である。
【0032】ゲノムおよびcDNAライブラリーが異なる子
ウシから調製されたという事実にもかかわらず、230 DN
A 配列およびそれの対応するペプチド配列がウシゲノム
クローン152Bの配列決定部分と同じであることも興味深
い。
【0033】チモポイエチンまたはチモポイエチン様ペ
プチドをコードする子ウシ胎児cDNAク ローンの単離および特徴付け 子ウシ胎児胸腺cDNAライブラリー(Clontech, 1×106
ラーク形成単位)を作製し、そしてウシチモポイエチン
のアミノ酸1 〜42をコードする126 bpを含むクローン化
ウシcDNA断片とのハイブリダイゼーションによりスクリ
ーニングした。この断片は、cDNAクローン230 の配列決
定に使用したサブクローンの1つからSacI-PstI 消化に
より製造した。実験手順は子ウシ胸腺上皮cDNAライブラ
リーについて上述したものと同じであった。9つのクロ
ーンを単離し、制限消化により分析した。それらのクロ
ーンのうち7つが同一のまたは重複している制限パター
ンを示し、他の2つ(401 および416 と命名)は相違を
示し、これをクローン230について上述したのと同じア
プローチによりファジミドBluescriptベクター中でのDN
A 配列決定にかけた。
【0034】子ウシ胎児チモポイエチンクローン416 の
DNA 配列 クローン416 のDNA 配列およびそれから推定されるペプ
チド配列を図7に示す。49アミノ酸のチモポイエチンペ
プチドに従った配列に下線が引かれている。この配列
は、クローン230 によりコードされるものと同じである
(His 43, Arg 47およびAsn 48を含む)。両クローンは
発表されたウシTP II とこの点で異なる。このクローン
は539 bpを含み、その323 bpが転写解読枠中にあり、10
8 アミノ酸に相当し、そして 3′末端の翻訳終結コドン
の欠損により判断されるように不完全である。クローン
416 のヌクレオチド204-493 はクローン230 のヌクレオ
チド207-496 と同一であり、クローン416 のヌクレオチ
ド178-345 はゲノムサブクローン152-13のヌクレオチド
158-325 と同一であり、ヌクレオチド155-177 はゲノム
サブクローンのヌクレオチド135-157 と部分的に同じで
あり、一方クローン416 の 5′非翻訳領域のヌクレオチ
ド1-154 と転写解読枠のヌクレオチド494-539は互いに
異なる。胎児クローン416 が完全なチモポイエチンおよ
び子ウシ乳児から単離されたcDNAから推定されたチモポ
イエチン前駆体の一部をコードするDNA配列を含むとい
うことを考慮すると、本発明者らはクローン416 がチモ
ポイエチン前駆体の胎児変異体に相当すると仮定する。
【0035】チモポイエチン様タンパク質をコードする
子ウシ胎児クローン401 のDNA 配列 子ウシ胎児cDNAクローン401 のDNA 配列を図8および9
に示す。該クローンは、5 ′非翻訳領域中の302 bp、転
写解読枠としての537 bp(179アミノ酸前駆体タンパク質
をコードすることができる)および 3′非翻訳領域中の
351 bpを包含する1191 bp を含む。クローン230 および
116 から推定されるウシチモポイエチンのアミノ酸18-4
9 と同じである32アミノ酸に下線が引かれている。クロ
ーン401のヌクレオチド309-531 はクローン230 のヌク
レオチド274-496 と同一であり、そしてクローン401 の
ヌクレオチド309-575 はクローン416 のヌクレオチド27
1-539 と同一であり(クローン230 のものとは異なるク
ローン416 の3 ′末端の45ヌクレオチドを含む)。クロ
ーン401 の 5′非翻訳部分はクローン230, 416および15
2-13の対応部分とは異なる。クローン401 の3 ′部分は
長く、クローン416の対応配列を越えて延びているの
で、クローン401 の3 ′部分については結論を引き出す
ことができない。
【0036】上記で報告した4つのクローン、即ちcDNA
クローン230, cDNA クローン401, cDNA クローン416 並
びにゲノムクローン152Bおよび157Aは全て、クローンご
とに異なる配列に連結した同一のDNA 配列の「ブロッ
ク」を共有するという事実を考慮に入れると、種々のcD
NAクローンが同一遺伝子の示差的スプライシングにより
生じるのかもしれず、そしてそのような示差的スプライ
シングが発生的に制御されることによって、胎児特異的
チモポイエチン前駆体を生じるのかもしれないと仮定さ
れる。
【0037】本発明の特定の態様を今まで記載してきた
が、発明の投入を要求しない多数の改良および変更を当
業者が行うことができるので、本発明はそのような態様
に限定されないと理解されよう。従って、本発明の概
念、精神および範囲は特許請求の範囲の観点から良く理
解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは、2つのウシゲノムDNA クローンの電
気泳動した制限消化物を表す図面に変わるUV写真であ
る。図1Bは、放射性TP-CDiへのハイブリダイゼーショ
ン後の2つのウシゲノムDNA クローンの制限断片のオー
トラジオグラムである。
【図2】図2は、2つの単離されたウシゲノムDNA クロ
ーンの制限地図を示す。
【図3】図3は、ウシチモポイエチンゲノムクローンの
断片のDNA 配列と推定タンパク質配列を示す。
【図4】図4は、ウシチモポイエチンcDNAクローンの制
限地図および配列決定計画を示す。
【図5】図5は、ウシチモポイエチンcDNAクローンのDN
A 配列およびチモポイエチン前駆体の推定アミノ酸配列
を示す。
【図6】図6は、図5の続きのウシチモポイエチンcDNA
クローンのDNA 配列およびチモポイエチン前駆体の推定
アミノ酸配列を示す。
【図7】図7は、ウシ胎児チモポイエチンcDNAクローン
のDNA 配列およびウシ胎児チモポイエチン前駆体の一部
の推定アミノ酸配列を示す。
【図8】図8は、ウシ胎児チモポイエチン様cDNAクロー
ンのDNA 配列および対応するタンパク質の推定アミノ酸
配列を示す。
【図9】図9は、図8の続きのウシ胎児チモポイエチン
様cDNAクローンのDNA 配列および対応するタンパク質の
推定アミノ酸配列を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) C12R 1:91)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウシチモポイエチンmRNAの少なくとも一
    部分に相当する配列を含むウシチモポイエチンまたはチ
    モポイエチン様cDNAクローンであって、それが下記配列
    中の少なくともアミノ酸18〜49に相当する連続ヌクレオ
    チドを含んで成ることを特徴とするcDNAクローン。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記配列中のアミノ酸1〜49に相当する
    ヌクレオチド配列全部を含んで成る、請求項1に記載の
    cDNAクローン。
  3. 【請求項3】 前記アミノ酸1〜49に相当するヌクレオ
    チド配列が741 ヌクレオチドの転写解読枠中に含まれて
    いる、請求項2に記載のcDNAクローンであるウシチモポ
    イエチンcDNAクローン。
  4. 【請求項4】 前記アミノ酸1〜49に相当するヌクレオ
    チド配列が323 ヌクレオチドの転写解読枠中に含まれて
    おり、そして前記転写解読枠の 3′末端の45ヌクレオチ
    ド配列が請求項3のcDNAクローン中の対応する配列と異
    なっている、請求項2に記載のcDNAクローンである部分
    的ウシ胎児チモポイエチンcDNAクローン。
  5. 【請求項5】 N末端部分が請求項1に記載のチモポイ
    エチンのアミノ酸18〜49を含む179 アミノ酸ポリペプチ
    ドに相当する537 ヌクレオチドの転写解読枠を含む、請
    求項1に記載のcDNAクローンであるウシ胎児チモポイエ
    チン様cDNAクローン。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載のcD
    NAクローンのヌクレオチド配列に相当するヌクレオチド
    配列を有するウシチモポイエチンmRNA種。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のmRNA種の翻訳可能部分
    に従って推定されたタンパク質配列。
  8. 【請求項8】 ウシチモポイエチン遺伝子配列を含み、
    そして下記配列: 【化2】 を含んで成る、単離・精製されたDNA クローン。
  9. 【請求項9】 ハイブリダイゼーションにより請求項1
    〜5のいずれか一項に記載のクローンから製造されるcD
    NAまたはDNA クローン。
  10. 【請求項10】 ハイブリダイゼーションにより請求項
    8に記載のクローンから製造されるcDNAまたはDNA クロ
    ーン。
JP4056473A 1991-02-11 1992-02-10 チモポイエチン Pending JPH07203970A (ja)

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