JP2670001B2 - ヒト−レラキシン遺伝子 - Google Patents

ヒト−レラキシン遺伝子

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、分子クローニング及
びヒト−レラキシンをコードする遺伝子配列の特徴付け
に関する。この発明はさらに、ヒト−レラキシン、プロ
レラキシン及びプレプロレラキシンを製造するための組
換DNA技法に関する。 【0002】さらに詳しくは、この発明は、分離されそ
して精製された(クローン化された)、プロレラキシン、
プレプロレラキシン、及びヒト−レラキシンのA及び/
又はB及び/又はCペプチド鎖をコードするヒト−遺伝
子、該遺伝子の分離及び精製方法、並びに該遺伝子を宿
主細胞に移入しそして該宿主細胞中で複製せしめる方法
に関する。クローン化された遺伝子は、宿主−発現性の
原核性又は真核性遺伝子と融合した場合、宿主細胞によ
り発現される。従って、この遺伝子は、治療用ヒト−レ
ラキシンの製造に有用である。 【0003】この発明はさらに、ペプチドたるヒト−レ
ラキシン、プロレラキシン及びプレプロレラキシン、こ
れらの配列を構成する個々のペプチド鎖、並びにこれら
のペプチドの変形に関する。 【0004】この発明はさらに、個々のレラキシン鎖及
び上記のその変形をコードする変形された遺伝子に関す
る。 【0005】この明細書において(番号)により引用した
文献は後にまとめて記載してある。 【0006】 【従来の技術】ヒサウ(Hisaw)(1)の先駆的な研究によ
り、哺乳動物のペプチドホルモンであるレラキシンの重
要な役割が、その恥骨結合弛緩作用及びこの作用に基く
分娩促進作用により示唆された。レラキシンは、妊娠中
に卵巣の黄体中で合成されここに貯蔵され、そして分娩
に先立って血流中に放出される。卵巣を得ることによ
り、豚(2,3)、ラット(4)、及びサメ(5)のレラキシ
ンの分離及びアミノ酸配列の決定が可能となった。生物
学的に活性なホルモンは、ジスルフィド結合により結合
された2つのペプチド鎖(A鎖及びB鎖)から成り、この
ジスルフィド結合は、2つの鎖間結合と1つの鎖内結合
から成る。従って、この構造はジスルフィドの配置にお
いてインスリンに非常に類似しており、このことからこ
れらのホルモンの遺伝子は先祖を共通にすると推定され
る。 【0007】ラットレラキシン及び豚レラキシンのいず
れについてもcDNAクローンの分離に組換DNA技法
が適用された(6)。なお、オーストラリア特許出願第1
1834/83(PF2696/82)を参照のこと。ア
ミノ酸配列情報を基礎にして調製された合成11連ヌク
レオチドが、卵巣組織から誘導されたライブラリー中の
レラキシンcDNAクローンを同定するためのcDNAプ
ローブを合成するためのプライマーとして使用された。
該プローブはレラキシンcDNA配列に関し非常に濃縮
されたものである。レラキシン構造遺伝子は、全体構造
においてプレプロインスリンに類似する単鎖前駆体、す
なわちシグナルペプチド/B鎖/Cペプチド/A鎖をコ
ードすることが見出された。 【0008】豚及びラットのプレプロレラキシンは、約
30残基のCペプチドを有するラットのインスリンと比
較して、それぞれ105残基及び104残基の予想外に
大きな連結ペプチドを含有する。ラット及び豚のレラキ
シンのC−ペプチドにおける配列の高度な相同性によ
り、単にA鎖及びB鎖の正しいジスルフィド結合の形成
を確保するのみならず他の機能が存在することが示唆さ
れる。発明者等は、進化の過程における配列構造の変化
に対して制約が加えられた結果、ヒトのレラキシン遺伝
子においても同様に、C−ペプチド領域が高度な配列の
相同性を有すると予想した。後記のごとく、発明者等
は、ヒトのレラキシン遺伝子の選択においてはラットの
レラキシンのC−ペプチド領域ではなく豚のレラキシン
のC−ペプチド領域を基礎にしたプローブを使用した。
これは、蓄積された蛋白質の配列データにより、一般に
ヒト蛋白質はラットの蛋白質よりも豚のそれに近いこと
が示されている(8)からである。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】幾つかのグループが、
ヒト−レラキシンの構造を決定し、そしてこれを難産の
症例において臨床的に使用する途を確立することを長期
目標としてきたが、妊娠中のヒトの卵巣を入手するのに
限界があるためアミノ酸配列を直接決定することができ
なかった。発明者等の研究方法は、プローブとして豚の
レラキシンcDNAの領域を用いてゲノムライブラリー
から直接的にヒト−レラキシン遺伝子を選択することで
あった。この方法によりゲノムクローンの同定に成功
し、このクローンからプレプロレラキシン全コード領域
の構造が決定された。 【0010】発明者等が「H1」と称してこの明細書に記
載する遺伝子及び発明者等の係属中の出願第PF724
7/82号に記載されている「H2」遺伝子はいずれもレ
ラキシン様活性を有するペプチドを発現するから、これ
らの一方又は両者はヒトの生殖組織、例えば卵巣及び胎
盤、及び/又は腸、脳及び皮膚を含む他の組織(これら
に限定されない)中で発現されると信じられる。 【0011】卵巣の黄体、並びに脱落膜組織及び胎盤組
織が、レラキシン関連遺伝子が発現する可能性が最も高
い部位である。しかしながら、多くのペプチドホルモン
が広い範囲に分布していることから考えて、レラキシン
遺伝子が脳及び胃腸管を含む非生殖組織においても発現
する可能性が強い。レラキシンは生長因子としての一般
的性質を有し、そして結合組織の性質を変え、平滑筋の
収縮に影響を与えることができる。発明者等は、この明
細書に記載する遺伝子構造及び係属中の特許出願第PF
7247/82号に記載されている遺伝子構造の両者又
は一方が体内に広く分布しているものと信ずる。発明者
等は、これらの遺伝子により発現されるレラキシンペプ
チドが、生殖中のよく知られているホルモン機能のほか
に重要な生理的役割を演ずることを示唆する。 【0012】 【課題を解決するための手段】この明細書においては次
の略号を用いる。 H1 : この明細書に記載するレラキシン遺伝子で
あって、ゲノムクローンに由来する。 H2 : 係属中の出願第PF7247/82号に記
載されているレラキシン遺伝子であって、cDNAに由
来する。 DNA : デオキシリボ核酸 RNA : リボ核酸 cDNA : 相補的(コンプレメンタリー)DNA(mRN
A配列から酵素的に合成される。) mRNA : メッセンジャーRNA A : アデニン T : チミン G : グアニン C : シトシン U : ウラシル 【0013】DNA中のヌクレオチド配列と蛋白質中の
アミノ酸配列とのコード関係は遺伝コードとして全面的
に知られており、次にこれを示す。 【表1】【0014】上の表1中に使用するアミノ酸の略号は次
の意味を有する。 【表2】 フェニルアラニン(Phe) ヒスチジン (His) ロイシン (Leu) グルタミン (Gln) イソロイシン (Ile) アスパラギン (Asn) メチオニン (Met) リジン (Lys) バリン (Val) アスパラギン酸(Asp) セリン (Ser) グルタミン酸 (Glu) プロリン (Pro) システイン (Cys) スレオニン (Thr) トリプトファン(Try) アラニン (Ala) アルギニン (Arg) チロシン (Tyr) グリシン (Gly) 【0015】表中に示した各3文字コードン、例えばA
UG、CAU(デオキシヌクレオチドトリプレット又は
ヌクレオチドトリプレットとしても知られている)は、m
RNAのトリヌクレオチドに対応し、左側に5'末端を
有し、右側に3'末端を有する。文字は、ヌクレオチド
配列を形成するプリン塩基又はピリミジン塩基を示す。
この明細書に記載するすべてのDNA配列は鎖状を成し
ており、その配列はmRNA配列に対応し、但し、ウラ
シル(U)の代りにチミン(T)を含んでいる。 【0016】遺伝子材料の採取源はヒト−ゲノムクロー
ンのライブラリーである。豚のレラキシンcDNAプロ
ーブを用いるこのライブラリーのスクリーニングにより
ヒト−レラキシンのコード配列を含有する2つのクロー
ンが得られた。 【0017】図2〜図3及び図4〜図7に示すmRNA
配列は後に記載する方法により決定された。3.4kbの
1個のイントロンが連結(C)ペプチドのコード領域を中
断していることが明らかであろう。ヒト−プレプロレラ
キシンの構造を、豚及びラットのレラキシンの相同構造
と比較することによりゲノム配列から推定した。A及び
Bペプチド鎖の構造を、合成、及び子宮収縮試験におい
て生物学的に活性である物質を生成する鎖連結(試験管
内)により確認した。 【0018】プレプロレラキシンの生体内プロセシング
の態様は十分には解明されていないが、豚レラキシンの
ジクナルペプチドの切断から類推して、Ala-1−Lys1
結合において生ずると予想される。同様に、Cペプチド
の切り離しはLeu32−Ser33、及びArg136
Arg137において生じ、これにより、それぞれ32残基
及び24残基のB鎖及びA鎖が生ずると予想される。 【0019】豚レラキシンについての発明者等の研究に
よれば、豚レラキシンB鎖及びA鎖中に、生物学的活性
のために必須のすべての要素を含有するコアー配列が存
在する。ヒト−レラキシン鎖についての発明者等の合成
研究においても同様の結果が得れた。これは、後に詳細
に記載する。 【0020】この発明の1つの観点に従えばヒト−プレ
プロレラキシン発現遺伝子が提供される。さらに詳しく
は、この発明のこの観点に従えば、図2〜図3に示す完
全mRNA(コードン−25〜160)配列に対応するコ
ード鎖及び相補鎖を含んで成る、ヒト−プレプロレラキ
シンの発現のための二重鎖DNA断片が提供される。 【0021】この発明はさらに、この明細書に記載する
プレプロレラキシン遺伝子配列の任意のサブユニット、
又は該配列もしくはそのサブユニットの同等物を含む。
これらのサブユニットの中には、非コード領域を含まな
い遺伝子、例えば図4〜図7に示す遺伝子、シグナルペ
プチド、及びヒト−プレプロレラキシンのA、B、及び
C鎖(図4〜図7)をコードする個々の構造遺伝子を含む
遺伝子、並びにこれらの鎖の任意の組合わせをコードす
る遺伝子、例えばA及びBペプチド鎖を別個に発現する
遺伝子、又は(C鎖と共に)プロレラキシンとして発現す
る遺伝子が含まれる。 【0022】この発明の他の観点に従えば、ヒト−プロ
レラキシンを発現する遺伝子が提供される。さらに詳し
くは、この発明の上記の観点に従えば、図2〜図3に示
すmRNA配列の1〜160のコードンに対応するコー
ド鎖及び相補鎖を含んで成るヒト−プロレラキシンを発
現する二重鎖DNA断片が提供される。 【0023】この発明の他の観点に従えば、ヒト−レラ
キシンのA、B及びC鎖、又はこれらの鎖の2以上の任
意の組合わせを別個に発現する遺伝子が提供される。さ
らに詳しくは、この発明の上記の観点に従えば、図2〜
図3に示すmRNA配列の1〜32、33〜136、及
び137〜160のコードンに対応するコード配列及び
相補配列を含んで成り、ヒト−レラキシンのA鎖及び/
又はB鎖及び/又はC鎖を個別に発現する二重鎖DNA
断片が提供される。 【0024】上記の遺伝子は、特定されたコードンのほ
かに適当な「開始」コードン及び「停止」コードン、すなわ
ち、それぞれAUG及びUGA(図2〜図3における−
26及び161のコードン)を含むであろう。 【0025】当業者はこれらの遺伝子の多形(polymorph
icforms)が存在することを認めるであろう。このような
多形もこの発明に含まれる。 【0026】この発明はさらに、前記の配列、サブユニ
ット又は同等物、及び対応するRNA配列、サブユニッ
ト又は同等物の相補体をも包含する。 【0027】この発明の他の観点に従えば、前記の遺伝
子に対応するデオキシヌクレオチド配列を含んで成るD
NA移転ベクターが提供される。 【0028】前記のごとく、遺伝コードは重複性を有す
る。すなわち、あるアミノ酸は複数のコードンによりコ
ードされる。従って、この発明は、図に示したコードン
が同じアミノ酸をコードする他のコードンによって置き
換えられているデオキシヌクレオチド配列を包含する。 【0029】さらに、すでに記載したごとく、天然レラ
キシンのB鎖及び/又はA鎖と構造を異にし、レラキシ
ン活性を有するペプチドを製造することができる。この
構造の差異には、天然鎖中の1個又は複数個のアミノ酸
の除去及び/又は付加及び/又は置換が含まれる。 【0030】従って、この発明はさらに、天然コードン
が除去されておりそして/又は天然コードンによってコ
ードされるアミノ酸と異るアミノ酸をコードするコード
ンにより置き換えられておりそして/又は天然配列に追
加のコードンが付加されている前記の遺伝子及びDNA
移転ベクターをも包含する。 【0031】この発明の移転ベクターはさらに、特に、
宿主細胞に移入された場合に自己の複製を保障する遺伝
情報を含有する。この宿主細胞には、例えば原核微生物
の細胞及び真核細胞、例えば細菌、酵母、糸状菌の細
胞、哺乳動物の細胞、及びセルラインが含まれる。 【0032】細菌遺伝学において一般に使用される移転
ベクターの例にはプラスミド及びある種のバクテリオフ
ァージのDNAが含まれる。この発明においてはファー
ジDNA及び細菌プラスミドの両者を使用した。しかし
ながら他のタイプの移転ベクターを使用することができ
ることが理解できよう。このような移転ベクターを形成
し、そしてこれを微生物に導入する一般的な方法はよく
知られている。 【0033】この発明はさらに前記の移転ベクターのい
ずれかにより形質転換された原核細胞及び真核細胞を包
含する。非常に親しまれているエッセリヒアコリ(Es
cherichia coli)が好ましい微生物の1つであるが、他
の任意の適当な微生物を使用することもできる。 【0034】この発明の他の観点に従えば、ヒト−プレ
プロレラキシンをコードするデオキシヌクレオチド配列
を、制限酵素によって移転ベクターを切断することによ
り調製されたDNA分子と連結することを特徴とする、
ヒト−プレプロレラキシンをコードするデオキシヌクレ
オチド配列を維持しそして複製するために使用するDN
A移転ベクターの製造方法が提供される。 【0035】同様にして、適当なデオキシヌクレオチド
から、ヒト−プロレラキシンをコードするデオキシヌク
レオチド配列、並びにヒト−レラキシンのA鎖及びB鎖
をコードするデオキシヌクレオチド配列を維持し、そし
て複製するために使用するDNA移転ベクターを調製す
ることができる。 【0036】Aペプチド鎖及びBペプチド鎖、並びにプ
ロレラキシン及びプレプロレラキシンは、通常の遺伝子
発現方法により、すなわち適切に導入された移転ベクタ
ーを含有する細胞を増殖せしめ、そして該細胞により生
産された目的ペプチドを分離し、そして精製することに
より製造することができる。 【0037】この発明はさらに、上記の方法により調製
された、ヒト−プレプロレラキシンをコードするデオキ
シヌクレオチドを含んで成る発現移転ベクターにより形
質転換された細胞を培養することを特徴とする、C末端
配列としてヒト−プレプロレラキシンのアミノ酸配列を
含みそしてN末端配列として真核性又は原核性蛋白質の
一部分を含んで成る融合蛋白質の製造方法を包含する。 【0038】同様にして、ヒト−プロレラキシン、並び
にヒト−レラキシンのA鎖及びB鎖を含んで成る融合蛋
白質を製造することができる。こうして得られた融合ペ
プチド生成物は、所望のペプチドが宿主に特異的な原核
性又は真核性蛋白質の一部に連結された融合蛋白質の形
で存在するであろう。このような融合蛋白質も又この発
明を構成する。 【0039】この発明はさらに、前記の方法により調製
された前記のヒト−プロレラキシンをコードするデオキ
シヌクレオチド配列を含んで成る発現移転ベクターによ
り形質転換された細胞を、ヒト−プロレラキシンをコー
ドする前記の配列の発現に適する条件下で培養し、そし
て前記細胞の分解物又は培養液からヒト−プロレラキシ
ンを精製することを特徴とする、Cペプチドにより相互
に分離されたAペプチド及びBペプチドを含んで成るヒ
ト−プロレラキシンの合成方法をも包含する。 【0040】任意の適当な公知の切断法により、融合生
成物から目的ペプチドを回収することができる。 【0041】すでに記載したごとく、コードンの除去/
置換/付加により移転ベクターを変形することができ、
このような変形により変形された融合ペプチドが生ず
る。このようにして適当な変形を行うことにより、融合
ペプチドの切断、例えばB/CもしくはC/A鎖結合部
における切断を促進し、又は次に行う化学的もしくは生
物学的処理の間におけるペプチド鎖の挙動を変えること
ができる。 【0042】前記のごとく、この発明はさらにヒト−レ
ラキシン、プロレラキシン及びプレプロレラキシンを提
供する。 【0043】レラキシンは、インスリンの製造のために
現在知られている任意の方法により別々のA鎖及びB鎖
を直接結合することにより製造することができる。又、
インスリンの場合と同様に、前記のようにして製造され
たレラキシンのAペプチド及びBペプチド上のスルヒド
リル基を酸化するか、又は他の方法で転換して該Aペプ
チド及びBペプチド間にジスルフィド架橋を形成させ、
そして次にCペプチドを除去することにより、例えばC
ペプチドとA及びBペプチドとの間の結合に特異的な酵
素的加水分解により除去することにより、プロレラキシ
ンからレラキシンを製造することができる。 【0044】従って、この発明はさらに、レラキシンの
A鎖及びB鎖(完全な長さにおいて、又は短縮されたも
しくは変形された形において)を、ヒト−インスリンの
A鎖及びB鎖の結合のために知られている方法によって
結合せしめることから成るヒト−レラキシンの合成方法
を提供する。この方法の1つは、S−スルホン化された
A鎖及びB鎖の混合物を還元し、そして次にこの混合物
を空気中で酸化することから成る。 【0045】発明者等はさらに、A鎖及びB鎖の一方又
は両方がS−スルホ形ではなくS−チオエチル−cys誘
導体の形である場合に上記方法の効率が改良されること
を見出した。 【0046】発明者等は、オーストラリア特許出願第1
5413/83号(PF4385/82)において、生物
学的活性の有意な喪失を伴わないでレラキシンのA鎖及
びB鎖の一方又は両者のアミノ末端及び/又はカルボキ
シ末端を短縮することができ、これにより結合収率を改
良することができることを示した。 【0047】この発明の他の観点に従えば、短縮されそ
して/又は変形された天然Bペプチド鎖及びAペプチド
鎖により本質上構成されるヒト−レラキシン類似体が提
供される。 【0048】この発明の上記の観点に従えば、短縮され
そして/又は変形されたBペプチド鎖及び/又はAペプ
チド鎖を形成し、そして次に上記の任意の方法によって
前記のペプチド鎖を結合せしめる段階を含んで成るヒト
−レラキシン類似体の製造方法が提供される。 【0049】発明者等の研究により、レラキシン活性は
A(10〜24)から成る短いA鎖及びB(10〜22)か
らなる短いB鎖により生ずることが示された。もっと
も、実際的に予想される最小鎖はA(4〜24)及びB
(4〜23)である。 【0050】一般に、A鎖はA(1〜24)ないしA(1
0〜24)の範囲で変化することができ、B鎖はB(1〜
32)ないしB(10〜22)の範囲で変化することがで
きる。 【0051】好ましい組合わせは、 【化17】 から誘導される。 【0052】この発明におけるB鎖及び/又はA鎖の変
形は、前記の「遺伝的」変形、及びこの発明の結合に先立
つB鎖及び/又はA鎖の化学的変形(完全な長さにおけ
る又は短縮された形における)が含まれる。2つのタイ
プの変形を単独で又は組合わせて用いることができる。 【0053】第1のタイプの変形は、天然の又は短縮さ
れたB鎖及び/又はA鎖における1個又は複数個のアミ
ノ酸の変形に関する。一般にこのような変形にはそれ自
体公知の方法による1個又は複数個のアミノ酸上の活性
基の保護が含まれ、そして所望により、保護基は(変形
された)A鎖及びB鎖の結合の後除去される。 【0054】このようなタイプの変形の例には、N末端
アミノ基を含む遊離アミノ基のアセチル化、ホルミル化
もしくはこれらと同様の保護、C末端基のアミド化、又
はヒドロキシル基もしくはカルボキシル基のエステル形
成が含まれる。ホルミル基が容易に除去しうる保護基の
代表例である。 【0055】第2のタイプの変形には、B鎖及び/又は
A鎖中の1個又は複数個の天然アミノ酸の他のアミノ酸
(D−型の天然アミノ酸を含む)による置換が含まれる。
また、このタイプの変形には鎖からの天然アミノ酸の除
去、又は鎖への1個もしくは複数個の余分のアミノ酸の
付加が含まれる。 【0056】このような変形の目的は、生成物、すなわ
ちレラキシンもしくはその類似体の活性を維持しながら
A鎖及びB鎖の結合収率を上昇せしめること、又は所定
の結合収率において生成物の活性を上昇せしめ又は変え
ることにある。このような変化は、レラキシン遮断効果
又はレラキシン拮抗効果を有する合成類似体の製造にも
適用することができよう。 【0057】第1のタイプの変形の特定の例はホルミル
基の付加によるB2のトリプトファン残基の変形であ
る。 【0058】第2のタイプの変形の特定の例は、B24
のメチオニンのノルロイシン(Nle)、バリン(Val)、ア
ラニン(Ala)、グリシン(Gly)、セリン(Ser)又はホモ
セリン(Homo Ser)による置換である。 【0059】上記の観点において、この発明は、この発
明に従って上記のごとく変形された天然の又は短縮され
たB鎖及び/又はA鎖から形成されるヒト−レラキシン
を包含する。 【0060】Aペプチド鎖及びBペプチド鎖、並びにさ
らにプロレラキシン及びプレプロレラキシンは通常の遺
伝子発現法により、すなわち適当に形成された移転ベク
ターを含有する微生物を増殖せしめ、そして該微生物に
より生産された目的ペプチドを分離しそして精製するこ
とにより製造することができる。 【0061】こうして得られたペプチド生成物は、目的
ペプチドが原核性蛋白質の一部と連結されている融合蛋
白質の形で存在することができる。 【0062】 【実施例】次に、実験方法及びそれにより得られた結果
を記載することによりこの発明をさらに具体的に説明す
る。 【0063】A.実験方法 (i) 細菌及びファージの株 すでに記載されている(7)ように、豚−レラキシンcD
NA挿入部を含有する組換プラスミド(pBR322)の
細菌宿主として.コリRR1を使用した。ヒト−ゲノ
ムクローンのライブラリーはT.マニアチス(Maniatis)
氏から入手した。ヒト−DNAのHaeIII/AluI部分
分解により得られた約15〜20kbのゲノムDNA断片
(9)をリンカーによりλファージCharon4A(10)に
クローニングし、そして.コリLE392細胞中で増
加せしめた。ファージDNA(クローン選択の後)は、1
lの培養液中.コリDP50supFの溶菌の後に調製し
た。DNA小断片(ファージDNAの分解により得られ
たもの)を、配列分析のためにM13バクテリオファー
ジベクターmp7.1、mp8及びmp9[J.メッシング(Mes
sing)教授から入手]にサブクローニングし、そして.
コリJM101細胞に導入して形質転換した。 【0064】(ii) ハイブリド形成プローブ(豚DNA)
の調製 牛胸腺DNAの変性されたランダムプライマー(3又は
4塩基)を用いて種々のDNA断片上でプライム合成を
行うことにより放射性標識プローブを調製した(11)。
豚−DNAテンプレート(100〜200ng)をランダム
プライーと共に20μlの水中で2分間煮沸することに
より変性した。50mMトリス−HCl(pH8.0)、50
mM NaCl、1mM DTT、10mM MgCl2、5ユニ
ット(U)の.コリDNAポリメラーゼ1、それぞれ5
00μMずつのdCTP、dGTP、dTTP、及び0.3
μM α−[32P]−dATP[約3000Ci/mmol、アマ
ーシャム(Amersham)]を含有する反応混合物30μlを
加えることにより合成を開始した。37℃にて30分間
インキュベートした後、0.3M NaCl、10mMトリ
ス−HCl(pH8.0)、1mM EDTAを含有する緩衝
液300μlにより稀釈することにより反応を停止し、
そして同じ緩衝液中セファデックス−G50カラム(1c
m×5cm)を通過せしめる。放射性標識プローブをボイド
ボリウム(void volume)におけるピーク分画から集め、
そして担体としてtRNA(10μg)を用いながら2容量
のエタノールにより、−20℃にて2時間沈澱せしめ
た。 【0065】(iii) スクリーニング法 ゲノムDNA断片を含有するλファージをソフトアガー
上、直径13cmのプレート当り約105ファージの密度
で増殖せしめ、そしてベントン(Benton)及びデービス
(Davis)の方法(12)によりニトロセルロース濾紙[シ
ュライカ−アンドシュル(Schleicher&Schull)BA8
5]に移した(12)。濾紙を、5×SSC及び25%ホ
ルムアミドを含有する改変されたデンハート(Denhart)
の溶液中で40℃にて18時間、放射性標識プローブと
共にハイブリド形成せしめた(13)。濾紙を、2×SS
C中で30℃にて1時間洗浄し、その後で24時間にわ
たりX−線フィルム(コダックXS−5)を露光せしめ
た。プレートのハイブリド形成陽性の領域を培養し、そ
して単一の陽性プラグが得られるまで再スクリーニング
を行った。1lの培養液中の.コリIDP50supF細
胞が溶菌した後にファージを回収し、そしてマニアチス
(10)、及びヤマモト及びアルバート(Alberts)(14)
の方法に従ってDNAを調製した。 【0066】(iv) DNA配列分析 選択された組換ファージの制限断片を、ファージM13
mp8のEcoRI、PstI又はSmaI部位に直接サブクロ
ーニングした。10mMトリス−HCl(pH8.0)、10
mM MgCl2、1mM DTT、1mM ATP、1UのT
4 DNA リガーゼ、DNA(100ng)及びM13ファ
ージベクター(50ng)を含有する反応液20μl中で連
結を行った。40℃にて一夜インキュベートした後、組
換DNAを.コリJM101細胞に形質転換した(1
5)。ゲノムスクリーニングについて前記したのと同様
にしてコード領域を含有するプラクを選択した。但し、
M13ファージを低い密度(103ファージ/9cm直径の
プレート)でプレートした。陽性プラクを増殖せしめ、
単鎖テンプレート形又は複製可能な二重鎖形(rf)を調製
した(15)。単鎖テンプレートの配列を、M13−特異
的プライマー(コラボラティブリザーチ)又はコード領域
の種々の配列に相補的な合成プライマーを用いてサンガ
ー(Sanger)等の方法(16)に従って直接決定した。サ
ブクローンの完全配列分析は、種々の制限酵素を用いて
rf形を複数の部位で切断し、次に平滑末端連結によりM
13にサブクローニングし(15)、あるいは断片を直接
に末端標識し、そしてマクサム及びジルバートの方法
(17)により配列決定することにより行った。DNA配
列を分析し、そしてコンピュータを用いて豚及びラット
のレラキシン配列と比較した(18)。 【0067】B.結果 次に、図面を用いて検討する。図1はゲノムクローンの
制限酵素地図の概略を示す。大きさをキロ・塩基対(kb)
で示し、そして切断部位をEcoRI(R)、PstI(P)、
及びHpaII(H)として示す。ゲノムクローンλH5はC
ペプチド(エクソンII)中のAluI部位(図1中のA*)に
付加されたEcoRIリンカーに末端を有する。コード領
域を含む最終的なヌクレオチド配列は、ゲノムクローン
λH7から次のようにして編集した。すなわち、EcoR
I及びPstI断片をM13mp8にサブクローニングし、
そして次に(1) M13テンプレート上で直接配列決定
する[図1中、破線(---)で示されている]、(2) 合成ヌ
クレオチドプライマーを用いて直接配列決定する[点線
(・・・)で示されている]、(3) DNA断片を末端標識
し、そして化学的分解により配列決定する[実線(−)で
示されている]、のいずれかを行う。配列決定に使用し
たプライマーは(a)5'TTCGCAATAGGCA及び
(b)5'GCACACAATTAGCTである。 【0068】図2〜図3はヒト−レラキシン遺伝子のコ
ード領域を示す。ヒト−プレプロレラキシンのアミノ酸
配列及びmRNA配列(上段)と豚−レラキシンの配列(下
段)との比較を図4〜図7に示す。同一部分が最大にな
るように配列を配置してあり、ヌクレオチドが同一であ
る部分がスター印により示されており、そしてアミノ酸
が同一である部分が箱で囲んである。アミノ酸にはB鎖
の出発部位から番号が付してある。エクソン/イントロ
ン/エクソン境界におけるイントロン配列は小文字でD
NA表記されている。 【0069】(i) ゲノムクローンの分離及び特色付け 図4〜図7に示すCペプチド中のアミノ酸45〜95に
対応する豚レラキシンcDNAクローンの短い(150b
p)断片から作られたプローブ(7)によりライブラリーを
スクリーニングすることによりヒト−ゲノムクローンを
同定した。この断片を、HpaII及びHinfIによる分解
によってクローンから切り出し、そしてラット及び豚の
レラキシン配列の間で最大の相同性のある領域(ヌクレ
オチドレベルにおいて71%)と対応した。ゲノムクロ
ーンバンクからλH5及びλH7と称する強い陽性を示
すファージを分離した。これらの陽性クローンを、それ
ぞれ5'及び3'エクソン領域(エクソンI及びエクソンI
Iと称する)に特異的な2つの別々の豚−レラキシンcD
NAの断片をプローブとして使用して制限酵素分析によ
りさらに特徴付けを行った。2つの断片は、相同のラッ
ト−レラキシン遺伝子(6)におけるイントロン領域に対
応する(数塩基以内)単一のHpaII部位において豚レラキ
シンcDNAクローンを切断することにより生じた。λ
H5及びλH7のサザン・ブロット分析により、ヒト−
レラキシン遺伝子のコード領域は3.4kbの単一のイン
トロンにより中断されていることが示された(図1参
照)。 【0070】(ii) ゲノムクローンの配列分析 λH5及びλH7の完全制限酵素分解物をM13ベクタ
ーにサブクローンし、そしてエクソンI及びエクソンII
に特異的な豚−レラキシンプローブを用いてスクリーニ
ングした。陽性のサブクローンの配列を、方法の部[前
記A(iv)]に記載した技法を組合わせて用いることによ
り決定した。λH7クローンのエクソンII領域は、Cペ
プチドのEcoRI部位から始まりA鎖の全コード領域を
通って停止コードンに続く2.0kb EcoRI断片に含ま
れていた(図1参照)。A鎖付近の領域に特異的なヌクレ
オチドプライマーを合成することによりこの断片の配列
決定は相当に容易になった。このプライマーは、全2.
0kb断片を含有するM13テンプレート上に直接プライ
ムするのに使用した。エクソンII中の残りの53bpのC
ペプチドを含有するサブクローンされたEcoRI断片は
プローブとして豚cDNAを用いて同定することができ
なかった。この領域を含む配列は、完全なエクソンII領
域を含むλH7からのサブクローンされたPstI断片に
より決定した。 【0071】λH5のエクソンII領域の配列決定によ
り、これが、λH7と同一のCペプチド中のEcoRI部
位から始まるが(図1参照)、ゲノムライブラリーの作成
中にもとのゲノムDNA中のAluI部位に付加したEco
RIリンカーにおいて終るきわめて短い70bpの断片で
あることが判明した。従ってλH5はレラキシン遺伝子
の不完全なクローンであることが明らかとなり、以後分
析を行わなかった。エクソンIの配列分析は、シグナル
ペプチド中にEcoRI部位が存在するためわずかに複雑
となり、2つのEcoRI断片のサブクローンの配列を別
々に決定する必要があった。EcoRI部位の重複が、重
複配列を含むλH7からのAluI断片のサブクローンの
同定により支持された。 【0072】C.変性されたヒト−レラキシン(hRL
X)A(1〜24)−B(1〜25)の合成 (i) ヒト−レラキシンA鎖、hRLX A(1〜24)の合
前記の遺伝子クローンのヌクレオチド配列から推定され
たヒト−レラキシンA鎖の1〜24の残基に対応するア
ミノ酸配列を、メリフィールド(Merrifield)[例えば、
バラニー(Barany) G.及びメリフィールド R.B.,T
he Peptides,E.Gross及びJ.Meienhofer,アカデミ
ック・プレス,ニューヨーク,1-284頁,1980年]により記
載された一般的原理による固相法により合成した。 【0073】N−α−tert−ブチルオキシカルボニル*
−4−メチルベンジル−L−システイン(*BOCと略
す)を、タム(Tam)等の方法(Synthesis 12, 955-957,19
79年)を用いて、フェニルアセトアミドメチル(PAM)
結合を介して1%架橋ポリエチレン樹脂に、0.30ミ
リモル/g樹脂のレベルでカップリングせしめた。BO
C−L−CYS−PAM樹脂(8.0g)を、ベックマンモ
デル990ペプチドシンセタイザーの反応容器に入れ、
そしてそれぞれ適当な保護アミノ酸を段階的に付加する
ことによって残基23から1までのアミノ酸配列を組み
立てた。各アミノ酸のアミノ末端BOC保護基は、塩化
メチレン中35%トリフルオロ酢酸により30分間樹脂
を処理し、そして次に、塩化メチレン中5%ジイソプロ
ピルエチルアミンにより15分間中和することにより除
去した。それぞれの処理の後、塩化メチレンにより樹脂
を十分に洗浄した。配列中の次のアミノ酸(α−アミノ
基がBOC基により適当に保護されており、必要により
側鎖官能基が適当に保護されている、)を、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(DCC)を使用しながら樹脂にカ
ップリングせしめた。樹脂を塩化メチレン中アミノ酸と
共に10分間撹拌し、その後で塩化メチレンに溶解した
DCCを導入した。各カップリングのために2.5モル
の過剰量(6.0ミリモル)のアミノ酸及びDCCを使用
した。1時間撹拌した後、反応混合物から樹脂のサンプ
ルを取り出し、そしてカイゼル(Kaiser)等のニンヒド
リン法(Anal.Biochem., 34, 595-598, 1970年)を用いて
遊離アミノ基の存在を試験した。ニンヒドリン反応が陰
性であってカップリングが完結したことが示されれば、
BOC脱保護、中和及び次のアミノ酸のカップリングに
よって反応サイクルを継続した。ニンヒドリン試験陽性
の場合には追加のアミノ酸及びDCCを用いてカップリ
ング反応を反復した。 【0074】側鎖官能基を有するアミノ酸は次の保護誘
導体として使用した。すなわち、N−α−BOC−2,
6−ジクロロベンジル−L−チロシン、N−α−BOC
−ξ−クロロベンジルオキシカルボニル−L−リジン、
N−α−BOC−L−セリンO−ベンジルエステル、N
−α−アミルオキシカルボニル−NG−トシル−L−ア
ルギニン、N−α−BOC−L−スレオニンO−ベンジ
ルエーテル、N−α−BOC−S−エチルメルカプト−
L−システイン(A−鎖配列位置15、11及び10の
システイン)、N−α−BOC−L−グルタミン酸−γ
−ベンジルエステルである。 【0075】1〜24ペプチド配列の組立てに続き、ア
ミノ末端アルギニン上の最後のBOC基を、脱保護中和
サイクルを用いて除去し、そして真空中でペプチド樹脂
を乾燥した(ペプチド−樹脂の重量17.0g)。ペプチド
−樹脂−の一部分(2g)を、アニソール(2ml)の存在下
で0℃にて30分間無水弗化水素(HF)により処理し
た。オイルポンプ真空下でHFを急速に除去することに
より、樹脂−ペプチドと弗化水素(HF)との合計接触時
間を最小(70分以下)に保持した。次に、樹脂−ペプチ
ドを酢酸エチルにより数回洗浄することにより過剰のア
ニソールを除去し、1M酢酸によりペプチドを抽出し、
そして溶液を凍結乾燥した。粗ペプチド(10、11及
び15位のシステインはなおS−チオエチル誘導体とし
て保護されている)の収量は440mgであった。粗ペプ
チドの最初の精製は0.1M酢酸中バイオゲルP10を
用いるゲル濾過により行った。分子量約3000に対応
する位置でカラムから溶出した最大ピークを示す分画を
集め、そして凍結乾燥した。このペプチドのサンプルの
アミノ酸分析により、1〜24配列のすべてのアミノ酸
が正しい比率で存在することが示された。 【0076】[S−チオエチルCys10,11,15]−hRLX
A(1〜24)ペプチドの前記以後の精製は、ウオーター
ズC−18ボンダパックカラムを用いる調製用逆相HP
LCにより、0.1%TFA−水/アセトニトリル溶剤
系を用いて行った。 【0077】ゲル濾過により精製したペプチドのサンプ
ル(160mg)を、ドゥ−(Du)等[Scientia Sinica, 10
I, 84-104(1961年)]に記載された方法に従って、亜硫酸
ナトリウム及びナトリウムテトラチオネートの混合物を
用いて(合計反応時間を3時間として)S−スルホン化し
た。S−スルホン化中に生成した沈澱を濾過し、そして
沈澱及び上澄液の両者を4℃にて48時間蒸留水に対し
て透析した。透析袋の内容物を凍結乾燥することによ
り、上澄液から81.4mg、S−スルホン化反応中に生
じた沈澱から53.2mgのペプチドを得た。「可溶性」[S
−スルホCys10,11,15,24]hRLX A(1〜24)ペプチ
ドのサンプルをトリス−HCl緩衝液(pH8.3)中DE
AE−セルロースを用いるイオン交換クロマトグラフィ
ーにより精製した。トリス−HCl緩衝液中NaCl直線
勾配(導電率範囲3.0mS〜85.0mS)によりカラムか
らペプチドを溶出した。導電率20〜30mSにおいて
イオン交換カラムから溶出する大ピークを示す分画を透
析し、そして凍結乾燥によりペプチドを回収した。 【0078】(ii) 短縮されたヒト−レラキシンB−
鎖、hRLXB(1〜25)の合成 ヒト−レラキシンB−鎖の1〜25の配列に対応するア
ミノ酸配列を前記の方法に従って合成した。この合成
は、0.1ミリモルSer/gの負荷量のN−α−tert−ブ
チルオキシカルボニル−O−ベンジル−L−セリン−フ
ェニルアセトアミド−メチルポリスチレン樹脂7.0gを
用いて開始した。A鎖の合成において使用した側鎖保護
基を、B鎖の合成にも使用した。これには10及び22
位の両システインのS−エチル誘導体が含まれる。4及
び5位のアスパラギン酸はN−α−BOCξ−ベンジル
エステル誘導体として加えた。18位のグルタミンはD
MF中のN−α−BOC−L−グルタミン−p−ニトロ
フェニルエステルを用いる活性エステル法によりカップ
リングせしめた。2位のトリプトファンのカップリング
の後、トリフルオロ酢酸脱保護剤及びこれに次いで用い
る塩化メチレン洗浄液に0.1%インドールを加えた。 【0079】アミノ末端リジン残基からBOC基を除去
しそして真空乾燥した後のペプチド−樹脂の最終重量は
12.2gであった。ペプチド−樹脂の一部(5g)を、ア
ニソール(2ml)の存在下、0℃にて30分間無水弗化水
素で処理し、そしてA鎖について前記した方法を用いて
B鎖ペプチドを分離した。粗[S−チオエチルCy
s10,22]hRLXB(1〜25)(1.40g)を、0.1M酢
酸中バイオゲルP10によりゲル濾過することにより精
製し、次に調製用HPLCにより処理した。 【0080】ゲル濾過により精製したペプチドのサンプ
ル(150mg)を、pH8.3において3時間S−スルホン
化し、反応混合物を濾過し、そして沈澱及び上澄液を蒸
留水に対して透析した。凍結乾燥後、92mgの「可溶性」
ペプチド及び55mgの「不溶性」ペプチドが回収された。
S−スルホン化B鎖ペプチドを、C−18逆相カラム及
び0.1%TFA−水−アセトニトリル溶剤系を用いる
調製用HPLCによりさらに精製した。 【0081】(iii) 鎖の結合 合成hRLX A(1〜24)及びhRLX B(1〜25)
ペプチドを、チャンス(Chance)及びホフマン(Hoffman
n)によりインスリンについて記載された方法(オースト
ラリア特許出願第68844/81号)を用いて結合せ
しめた。この方法においては、S−スルホン化ペプチド
を、A:B=2:1の比率で、ペプチドの濃度をグリシン
緩衝液(pH10.5)中10mg/mlとして混合した。次
に、グリシン緩衝液中ジチオスレイトールを、各S−ス
ルホ基について合計1.0のスルヒドリル基が生ずる量
において加えた。次に、反応混合物を開放容器中で24
時間撹拌した。 【0082】発明者等は、この方法の前記以外の変法と
して、ペプチド鎖の一方又は好ましくは両方を、インス
リンの場合についてチャンス及びホフマンにより記載さ
れたS−スルホ形(前記)ではなくS−チオエチル−Sys
誘導体として使用することにより、生物学的に活性なレ
ラキシンを生成せしめるための鎖結合反応を効果的に行
うことができることを見出した。S−チオエチルCysペ
プチドの使用により、ペプチドをS−スルホ誘導体に転
換するのに必要な反応及び精製段階が必要でなくなる。
発明者等の経験によれば、レラキシンペプチドのS−ス
ルホン化反応にはS−スルホペプチドの精製を困難にす
る傾向を有する副反応が伴い、これにより収量が低下す
る。 【0083】上記の条件を使用すれば、ウイックビスト
(Wiqvist)及びパウル(Paul)(ActaEndocrinol., 29, 1
35-136, 1958)のラット子宮収縮測定における生物学的
活性により測定した場合0.24〜3.1%の鎖結合収率
が達成された。 【0084】鎖結合反応の例 ヒト−レラキシン[S−チオエチルCys10,11,15]A(1
〜24)(乾燥重量3.60mg、アミノ酸分析によるペプ
チド量2.0mg、0.68μモル)を、3mlのプラスチッ
ク製蓋付き遠心チューブ中で200μlの0.1Mグリシ
ン緩衝液(pH10.5)に溶解した。ヒト−レラキシン
[S−スルホCys10,11]B(1〜25)(1.89mg、アミ
ノ酸分析によるペプチド量1.0mg、0.33μモル)を
100μlの0.1Mグリシン緩衝液(pH10.5)中に溶
解し、そしてこれを前記の溶液に加え、そして混合物を
撹拌した。0.1Mグリシン緩衝液(pH10.5)中に調
製したジチオスレイトール(DTT)のストック溶液(1
0ml中1.15μモルDTT)のアリコート(15.2μ
l、1.73μモルDTT)をペプチド溶液に加え、そし
て短時間撹拌した後、反応混合物を空気に開放して4℃
にて24時間静置した。次に混合物を遠心分離し、そし
て上澄液のアリコートのレラキシン生物学的活性をラッ
ト子宮収縮測定により測定した。反応混合物のアリコー
トは、投与量に依存してラットの子宮の自発収縮を阻害
した。75μlのアリコートにより子宮収縮が完全に阻
害され、これは、天然豚−レラキシンA22B31標準
と比較した場合0.70%の鎖結合収率に相当する。 【0085】HI−遺伝子配列に基づく他の合成ヒトレ
ラキシンペプチド 次表中に掲げた合成レラキシンペプチドを、図2〜図3
に示したHIヒトレラキシン遺伝子配列から誘導される
A鎖およびB鎖に対するアミノ酸配列から調製した。別
々のペプチド鎖を調製し次いでA(1−24)およびB
(1−25)ペプチドに対し先に説明した手順に従って精
製した。B(3−25)アミドおよびB(1−25)アミド
ペプチドに対し、これらの手順の変法を用いたが、この
際PAM樹脂結合をベンズヒドリルアミン(BHA)ポリ
スチレン樹脂に置き代えた。BHA樹脂を用いると、遊
離カルボキシ形よりもむしろアミド形のC−末端を有す
るペプチドが形成する。特に言及しない限り、鎖結合反
応はS−チオエチルCys誘導体としてのA−鎖及びS−
スルホCys誘導体としてのB−鎖を用いて先に説明した
如く行った。 【0086】次表中の全ての合成同族体は、ラットの子
宮収縮測定においてレラキシン−様生物学的作用を示し
た。別々のペプチド鎖の結合収率は、基準として天然の
豚レラキシンA(1−22)−B(1−31)を用いるバイ
オアッセイの結果から計算した。 【表3】 結合収率 合成HIヒトレラキシン同族体 (B−鎖量基準) A(1−24)+B(1−23) 0.24% A(1−24)+B(1−25) 0.70% A(1−24)+[Ala24]B(1−26) 0.92% A(1−24)+B(1−32) 2.00% A(1−24)+B(1−25)アミド 0.80% 鎖結合反応のために両鎖がS−チオエチル形 を有するA(1−24)+B(1−25)アミド 3.10% A(1−24)+B(3−25)アミド 0.68% A(1−24)+[N−ホルミルTRP2]B(2−25) 0.43% 【0087】文 献 1.Hisaw,F.L., Proc.Soc.Exp.Biol.Med. 23, 661-663
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9)。
【図面の簡単な説明】 【図1】 2つのゲノムクローンの制限酵素地図を示す
模式図である。 【図2】 ヒト−レラキシン遺伝子のコード領域のmR
NA配列及びヒト−プレプロレラキシンのアミノ酸配列
を示す配列図である(その1)。 【図3】 ヒト−レラキシン遺伝子のコード領域のmR
NA配列及びヒト−プレプロレラキシンのアミノ酸配列
を示す配列図である(その2)。 【図4】 ヒト−プレプロレラキシン及びmRNAと豚
−プレプロレラキシンの対応する配列との比較を示す配
列図である(その1)。 【図5】 ヒト−プレプロレラキシン及びmRNAと豚
−プレプロレラキシンの対応する配列との比較を示す配
列図である(その2)。 【図6】 ヒト−プレプロレラキシン及びmRNAと豚
−プレプロレラキシンの対応する配列との比較を示す配
列図である(その3)。 【図7】 ヒト−プレプロレラキシン及びmRNAと豚
−プレプロレラキシンの対応する配列との比較を示す配
列図である(その4)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (72)発明者 ジョン シーン オーストラリア国,オーストラリアン キャピタル テリトリー,スウィンガー ヒル,バーネット クローズ107 (72)発明者 ヒュー デイビット ナイアル オーストラリア国,ビクトリア,エルウ ッド,ベンディゴ アベニュ3 (72)発明者 ジェフリー ウイリアム トリーガー オーストラリア国,ビクトリア,オース オールン,オースオールン グローブ62 (56)参考文献 特開 昭56−127315(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1. (a)以下の配列を有するヒトH1-レラキシンのA
    鎖: 【化1】 および (b)以下の配列を有するヒトH1-レラキシンのB鎖: 【化2】において、A鎖がアミノ末端の9個以下のアミノ酸の除
    去により短縮されており、そして/またはB鎖がアミノ
    末端の9個以下のアミノ酸および/またはカルボキシ末
    端の9個以下のアミノ酸の除去により短縮されているヒ
    トH1−レラキシンのA鎖およびB鎖を含有する、レラ
    キシン活性を有する実質的に純粋なポリペプチド(A鎖
    およびB鎖の両方が短縮されていないものを除く)。 2.A鎖がアミノ末端の4個以下のアミノ酸の除去によ
    り短縮されており、そして/またはB鎖がカルボキシ末
    端の9個以下のアミノ酸の除去により短縮されている請
    求項1に記載のポリペプチド。 3.遊離のアミノ、カルボキシまたはヒドロキシ基に保
    護基を付加することによりレラキシンのA鎖および/ま
    たはB鎖が修飾されている請求項1または2に記載のポ
    リペプチド。 4.被修飾体がレラキシン活性を有するという条件のも
    と、天然アミノ酸の1個以上を別のアミノ酸で置換する
    ことによりヒトH1-レラキシンのA鎖および/または
    B鎖が修飾されている請求項1に記載のポリペプチド。 5.B(24)のMet残基を、バリン、アラニン、グリシ
    ンおよびセリンからなる群から選ばれる残基で置換する
    ことによりB鎖が修飾されている請求項1または2に記
    載のポリペプチド。 6.(1)以下の配列を有するヒトH1−レラキシンの
    A鎖: 【化3】 および、以下の配列を有するヒトH1−レラキシンのB
    鎖: 【化4】 において、A鎖は短縮されず、B鎖はアミノ酸番号1〜
    23のアミノ酸配列に短縮されているヒトH1−レラキ
    シンのA鎖およびB鎖よりなるポリペプチド、 (2)A鎖は短縮されず、B鎖はアミノ酸番号1〜25
    のアミノ酸配列に短縮されているヒトH1−レラキシン
    のA鎖およびB鎖よりなるポリペプチド、 (3)A鎖は短縮されず、B鎖はアミノ酸番号1〜26
    のアミノ酸配列に短縮され、かつアミノ酸番号24のメ
    チオニンがアラニンに置換されているヒトH1−レラキ
    シンのA鎖およびB鎖よりなるポリペプチド、 (4)A鎖は短縮されず、B鎖はアミノ酸番号1〜25
    のアミノ酸配列に短縮され、かつC末端のカルボキシル
    基はアミド化されているヒトH1−レラキシンのA鎖お
    よびB鎖よりなるポリペプチド、 (5)A鎖は短縮されず、B鎖はアミノ酸番号3〜25
    のアミノ酸配列に短縮され、かつC末端のカルボキシル
    基はアミド化されているヒトH1−レラキシンのA鎖お
    よびB鎖よりなるポリペプチド、 および、 (6)A鎖は短縮されず、B鎖はアミノ酸番号2〜25
    のアミノ酸配列に短縮され、かつアミノ酸番号2のトリ
    プトファンはN−ホルミル化されているヒトH1−レラ
    キシンのA鎖およびB鎖よりなるポリペプチド、 よりなる群から選択される請求項3〜5のいずれかに記
    載のポリペプチド。 7. (a)以下の配列を有するヒトH1-レラキシンのA
    鎖: 【化5】 および (b)以下の配列を有するヒトH1-レラキシンのB鎖: 【化6】 において、A鎖がアミノ末端の9個以下のアミノ酸の除
    去により短縮されており、そして/またはB鎖がアミノ
    末端の9個以下のアミノ酸および/またはカルボキシ末
    端の9個以下のアミノ酸の除去により短縮されているヒ
    トH1-レラキシンのA鎖およびB鎖を含有する、レラ
    キシン活性を有するポリペプチド(A鎖およびB鎖の両
    方が短縮されていないものを除く)の製造方法であっ
    て、 S-スルホン化および/またはS-チオアルキル化したA
    鎖とB鎖の混合物を還元し、該混合物を空気中で酸化
    し、そして得られたポリペプチド産物を回収することか
    らなる方法。
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