JPH08271A - 新規なポリペプチド、その製造方法、そのポリペプチドをコードするdna、そのdnaからなるベクター、そのベクターで形質転換された宿主細胞、そのポリペプチドの抗体、およびそのペプチドまたは抗体を含有する薬学的組成物 - Google Patents

新規なポリペプチド、その製造方法、そのポリペプチドをコードするdna、そのdnaからなるベクター、そのベクターで形質転換された宿主細胞、そのポリペプチドの抗体、およびそのペプチドまたは抗体を含有する薬学的組成物

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JPH08271A
JPH08271A JP6164860A JP16486094A JPH08271A JP H08271 A JPH08271 A JP H08271A JP 6164860 A JP6164860 A JP 6164860A JP 16486094 A JP16486094 A JP 16486094A JP H08271 A JPH08271 A JP H08271A
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Shiro Shibayama
史朗 柴山
Junji Hirano
淳史 平野
Hiroyuki Ono
博之 大野
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Ono Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒトグリア芽細胞腫細胞株が産生する、48
3アミノ酸からなる新規なポリペプチド、その製造方
法、そのポリペプチドをコードするDNA、そのDNA
配列に選択的にハイブリダイズするフラグメント、その
DNAからなる複製または発現ベクター、そのベクター
で形質転換された宿主細胞、そのポリペプチドの抗体、
およびそのペプチドまたは抗体を含有する薬学的組成
物。 【効果】 本発明のポリペプチドは、グリア、ニューロ
ンまたは造血系細胞の発育不全または異常増殖、免疫系
または神経系機能の低下または亢進に関する疾患(炎症
性疾患、骨髄移植後の造血幹細胞の減少症、放射線治療
後または化学療法剤投与後の白血球、血小板、B細胞ま
たはT細胞の減少症、貧血、感染症、ガン、AIDS
等)の予防または治療剤、あるいは組織修復剤(筋融解
治療剤、筋肉損傷後の組織修復剤等)として用いること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ある種のグリア芽細胞
腫細胞株が産生する新規なポリペプチド、その製造方
法、そのポリペプチドをコードするDNA、そのDNA
からなるベクター、そのベクターで形質転換された宿主
細胞、そのポリペプチドの抗体、およびそのペプチドま
たは抗体を含有する薬学的組成物に関する。
【0002】
【発明の背景】脳を構成する細胞には、大別して神経細
胞とグリア細胞が存在する。神経細胞は、脳内情報の伝
達、処理の主役である。一方、グリア細胞は神経細胞の
働きを支持する。具体的には神経細胞の保護および支持
作用、ミエリン鞘の形成、血液脳関門の形成、神経細胞
への栄養補給、神経伝達物質の代謝、さらには脳発育過
程における神経細胞の増殖および分化作用の制御等が考
えられている。グリア細胞には多種多様な細胞が含まれ
る。中枢神経系ではアストロサイト、オリゴデンドロサ
イト、ミクログリアなどがあり、末梢神経系にはシュワ
ン(Schwann )細胞、マントル(mantle)細胞などがあ
り、また脳室内皮に存在するエペンダイマル(ependyma
l )細胞もグリア細胞のひとつである。
【0003】
【従来の技術】近年、神経細胞やグリア細胞の分化、増
殖および成長に係わる多くの液性因子が見出されている
が、そのうち、大部分はグリア細胞または癌化したグリ
ア細胞(以下、まとめてグリア細胞等という。)から産
生されるものである。
【0004】例えば、神経細胞のみに作用する因子とし
て知られている神経成長因子(NGF、分子量約13.5k
d(ヒト))、脳由来神経栄養因子(BDNF、分子量
約13.5kd(ヒト))、神経芽細胞腫増殖抑制因子(N
GIF、分子量約5kd(ヒト))およびグリア由来神
経発育因子(分子量約500kdのものと約110kd
のものがある(いずれもラット))、およびグリア細胞
のみに作用するグリア細胞由来グリア細胞増殖抑制因子
(GdGGIF、分子量約100kd以上(ラット))
および血小板由来成長因子(PDGF、分子量約32k
d(ヒト))、さらに、神経突起伸展促進作用とグリア
細胞の増殖促進作用を併せ持つグリア由来神経突起伸展
因子(GdNTF、分子量約43kd(ラット))、神
経突起伸展促進作用とグリア芽細胞の増殖と分化を促進
するグリア細胞成長因子(GMF、分子量約16.5kd
(ウシ))、神経節細胞の生存維持作用、交感神経節細
胞の増殖抑制および分化促進作用、およびアストロサイ
トの分化促進作用を有する毛様体神経発育因子(CNT
F、分子量約23kd(ウサギおよびラット))および
神経細胞とアストロサイトに対して増殖促進活性を有す
る線維芽細胞成長因子(FGF、分子量約16〜17k
d(ヒト))は、いずれもアストロサイトから産生され
る。さらに神経細胞に作用するシュワン細胞由来神経発
育因子(SchNTF、分子量8kd以上(ラット))
はシュワン細胞から産生される[詳細については、蛋白
質核酸酵素,36(No.7),260 (1991)参照のこと]。
【0005】また、これまでは、免疫系の細胞が主に分
泌すると考えられていたインターロイキン類(IL−
1、IL−6等)がグリア細胞からも分泌されているこ
とが知られるようになった。また、繊維芽細胞成長因子
やトランスフォーミング成長因子β(TGFβ:分子量
12.5 Kd)のように初期胚の発生過程における分化誘
導に関与する因子もグリア細胞は産生している。これら
の因子は、既に大部分アミノ酸配列の解明がなされてお
り、現在では単に研究対象としてだけでなく、医薬への
応用に向けた開発研究がなされている。
【0006】
【発明の目的】前記したように、グリア細胞等からは、
神経細胞やグリア細胞の分化、増殖および成長に関連し
た多くの液性因子および免疫に関連した液性因子あるい
は外胚葉、中胚葉、内胚葉由来器官の分化および増殖を
調節する液性因子、間葉系、上皮系細胞の分化および増
殖を調節する液性因子が産生されている。これらの事実
は、上記以外にも同様の作用を有するいくつかの因子が
グリア細胞等から産生されている可能性を示唆してい
る。
【0007】本発明者らはこの点に注目し、ヒトグリア
芽細胞種細胞株4種のうち最も多種類の既知のサイトカ
インおよび成長因子類が認められたT98Gセルライン
を用いて新規な因子(ポリペプチド)を見出すべく鋭意
検討を行なった。
【0008】従来、ある特定のポリペプチドまたはそれ
をコードするDNAを得ようとする場合、組織や細胞培
養液中に目的とする生物活性を確認し、次いでポリペプ
チドの単離精製を経て、遺伝子をクローニングするとい
う方法、あるいはその生物活性を指標として遺伝子を発
現クローニングする方法が一般的に用いられていた。し
かし、生体内生理活性ポリペプチドは多様な生物活性を
有している場合が多いので、あるひとつの活性を指標に
して遺伝子をクローニングした結果、それが既知のポリ
ペプチドと同一であることが後になって判明するという
事例が増えている。また、グリア細胞が産生する因子は
いずれもごく微量であり、そのことが単離、精製および
生物活性の確認を困難なものとしている。
【0009】一方、cDNAの作製技術やシークエンス
技術は急速に発展し、大量のcDNAのシークエンスを
迅速に行なうことができるようになった。また、遺伝子
からその遺伝子の機能を同定するリバース・ジェネティ
クス(Reverse Genetics)の諸方法の発展も著しい。そ
こで、本発明者らは、この方法を用いて新規なポリペプ
チドを見出すことにした。すなわち、グリア細胞等から
mRNAを単離し、これを出発材料としてcDNAを
得、その塩基配列を決定し、アミノ酸配列を推定した。
その結果、まったく新規なポリペプチドおよびそれをコ
ードするDNAを見出すことに成功し、本発明を完成し
た。
【0010】スイスプロット(Swiss Prot Release 2.
0)に登録されている既知のポリペプチドのアミノ酸配
列を調査したが、本発明のポリペプチドのそれと同一あ
るいは相同性の高い配列を有しているものはまったく無
かった。さらに、ジーンバンク(GenBank Release 70.
0)に登録されているヌクレオチド配列も調査したが、
本発明のポリペプチドをコードするcDNAと同一ある
いは相同性の高い配列を有しているものはまったく無か
った。また、本発明のポリペプチドをコードするcDN
Aの3′非翻訳領域に、多くのサイトカイン類に認めら
れるmRNA不安定化配列ATTTA[Cell, 46, 659-
667 (1986)]が1ヶ所認められた。さらに、その配列に
類似したATリッチな領域が8ヶ所認められた。
【0011】よって、本発明のポリペプチドはまったく
新規なサイトカイン様のものであることが確認された。
また、本発明のポリペプチドの組織特異性をノーザン
(Northern) 解析により検討したところ骨格筋に多く存
在することが確認された。(実施例7)
【0012】
【発明の構成】本発明は、実質的に純粋な形である配列
番号1で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
そのホモローグ、その配列のフラグメントおよびそのホ
モローグに関する。本発明はさらにそれらのポリペプチ
ドをコードするDNAに関する。より具体的には、配列
番号2または3で示される塩基配列を有するDNA、お
よび配列番号2または3で示される塩基配列に選択的に
ハイブリダイズするフラグメントを有するDNAに関す
る。
【0013】特に本発明は、(1)配列番号1で示され
るアミノ酸配列からなるポリペプチド、(2)前記
(1)に記載したポリペプチドをコードするDNA、
(3)配列番号2で示される塩基配列を有するDNA、
および(4)配列番号3で示される塩基配列を有するD
NAに関する。
【0014】実質的に純粋な形である配列番号1で示さ
れるアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、一般に、
生産時のポリペプチドの90%以上、例えば、95、9
8または99%が配列番号1で示されるアミノ酸配列を
有するポリペプチドであることを意味する。
【0015】配列番号1で示されるアミノ酸配列からな
るポリペプチドのホモローグとは、一般に少なくとも2
0個、好ましくは少なくとも30個、例えば40、60
または100個の連続したアミノ酸領域で、少なくとも
70%、好ましくは少なくとも80または90%、より
好ましくは95%以上相同性であるものであり、そのよ
うなホモローグは、以後本発明のポリペプチドとして記
載される。さらに、配列番号1で示されるアミノ酸配列
からなるポリペプチドのフラグメント、またはそれらの
ホモローグのフラグメントとは、少なくとも10アミノ
酸、好ましくは少なくとも15アミノ酸、例えば20、
25、30、40、50または60アミノ酸部分を意味
する。
【0016】配列番号2または3で示される塩基配列を
有するDNAに選択的にハイブリダイズするDNAと
は、一般に、少なくとも20個、好ましくは少なくとも
30個、例えば40、60または100個の連続した塩
基配列領域で、少なくとも70%、好ましくは少なくと
も80または90%、より好ましくは95%以上相同性
であるものであり、そのようなDNAは、以後本発明の
DNAとして記載される。配列番号2または3で示され
る塩基配列を有するDNAのフラグメントとは、少なく
とも10塩基、好ましくは少なくとも15塩基、例えば
20、25、30または40塩基部分を意味し、そのよ
うなフラグメントも本発明のDNAに含まれる。
【0017】さらに、本発明には、本発明のDNAから
なる複製または発現ベクターが含まれる。ベクターとし
ては、例えば、ori領域と、必要により上記DNAの
発現のためのプロモーター、プロモーターの制御因子な
どからなるプラスミド、ウィルスまたはファージベクタ
ーが挙げられる。ベクターはひとつまたはそれ以上の選
択的マーカー遺伝子、例えばアンピシリン耐性遺伝子を
含んでいてもよい。ベクターは、イン・ビトロ (in vit
ro) に於いて例えば、DNAに対応するRNAの製造、
宿主細胞の形質転換に用いることができる。
【0018】さらに、本発明には、配列番号2または3
で示される塩基配列、またはそれらのオープンリーディ
ングフレームを有するDNAを含む本発明のDNAを複
製または発現させるためのベクターで形質転換された宿
主細胞も含まれる。細胞としては、例えば細菌、酵母、
昆虫細胞または哺乳動物細胞が挙げられる。さらに、本
発明には、本発明のポリペプチドを発現させるための条
件下で、本発明の宿主細胞を培養することからなる本発
明のポリペプチドの製造方法も含まれる。加えて、本発
明のポリペプチドが発現し、宿主細胞より製造される条
件下で行われることが好ましい。
【0019】本発明のDNAは、上記のようなベクター
のアンチセンス領域に挿入することでアンチセンスRN
Aを製造することもできる。このようなアンチセンスR
NAは、細胞中の本発明のポリペプチドのレベルを制御
することに用いることもできる。本発明は、本発明にお
けるポリペプチドのモノクローナルまたはポリクローナ
ル抗体も含む。さらに本発明におけるポリペプチドのモ
ノクローナルまたはポリクローナル抗体の製造方法も含
む。モノクローナル抗体は、本発明のペプチドまたは、
その断片を抗原として用い、通常のハイブリドーマの技
術により製造することができる。ポリクローナル抗体
は、宿主動物(例えば、ラットやウサギ等)に本発明の
ポリペプチドを接種し、免疫血清を回収する、通常の方
法により製造することができる。
【0020】本発明には、本発明のポリペプチド、その
抗体と薬学的に許容される賦形剤および/または担体を
含有する薬学的組成物も含まれる。ほとんどのサイトカ
インや成長因子類、また多くの膜蛋白質は、N末端にシ
グナルペプチドを有することが知られている。シグナル
ペプチドは、翻訳開始Metのすぐ後ろの疎水性に富ん
だ領域である。本ポリペプチドの場合、配列番号1で示
されるアミノ酸配列中、1番目のMetから20番目の
Alaまであることが推察された。(実施例5)
【0021】生物活性を発現する本質はシグナルペプチ
ドを除いた部分(成熟蛋白部分)にあり、シグナルペプ
チドは活性に関与しない。本発明のポリペプチドとして
は、配列番号1で示されたアミノ酸配列を有するもの以
外にその一部が欠損したもの(例えば、配列番号1中、
生物活性の発現に必須な部分だけから成るポリペプチ
ド)、その一部が他のアミノ酸と置換したもの(例え
ば、物性の類似したアミノ酸に置換したもの)、および
その一部に他のアミノ酸が付加または挿入されたものも
含まれる。よく知られているように、ひとつのアミノ酸
をコードするコドンは1〜6種類(例えば、Metは1
種類、Leuは6種類)知られている。従って、ポリペ
プチドのアミノ酸配列を変えることなくDNAの塩基配
列を変えることができる。
【0022】(2)で特定される本発明のDNAには、
(1)の配列番号1で示されるポリペプチドをコードす
るすべての塩基配列群が含まれる。塩基配列を変えるこ
とによって、ポリペプチドの生産性が向上することがあ
る。(3)で特定されるDNAは、(2)で示されるD
NAの一態様であり、天然型配列を表わす。(4)に示
されるDNAは、(3)で特定されるDNAに天然の非
翻訳部分を加えた配列を示す。
【0023】配列番号3で示される塩基配列を有するD
NAの作製は、以下の方法に従って行なわれる。すなわ
ち、(i )本発明のポリペプチドを産生する細胞、例え
ば、ヒトグリア芽細胞腫細胞株からmRNAを分離し、
(ii)該mRNAからファーストストランド(1本鎖D
NA)、次いでセカンドストランド(2本鎖DNA)を
合成し(cDNAの合成)、(iii )該cDNAを適当
なプラスミドベクターに組み込み、(iv)得られた組み
換えベクターで宿主細胞を形質転換し(cDNAライブ
ラリーの作製)、(v )得られたcDNAライブラリー
より、大量のクローニングおよび5′側から平均300
ベースのシークエンシングを行ない、(vi)塩基配列の
新規なクローンについて、その全長をシークエンスする
ことによって作製することができる。
【0024】より詳細に説明すると、工程(i )は、ヒ
トグリア芽細胞腫細胞株を適当な刺激剤(例えば、IL
−1等)で刺激した後、Okayama, H. 等の方法[Method
s in Enzymology, 154 , 3 (1987) に記載]に従って行
なわれる。本ポリペプチドを産生する細胞としては、好
ましくはヒトグリア芽細胞腫細胞株T98G(ATCC
株番号、CRL−1690)が挙げられる。(ii)、(iii)
および(iv)の工程はcDNAライブラリー作製の工程
であり、改変した Gubler &Hoffman 法[Gene, 25, 26
3 (1983)に記載]に準じて行なわれる。
【0025】(iii )の工程で用いられるプラスミドベ
クターとしては大腸菌内で機能するもの(例えば、pB
R322)や枯草菌内で機能するもの(例えば、pUB
110)が多数知られているが、好適には、大腸菌内で
機能するpGEM−3Zf(+)[3199bp、プロ
メガ社より販売。]より作製したpVfCS−1(後記
実施例に詳しく記載されている。)が用いられる。(i
v)の工程で用いられる宿主細胞は既に多くのものが知
られており、いずれを用いてもよいが、好ましくはDH
5のコンピテントセル[Gene, 96, 23 (1990) 記載の方
法により調製される。]である。
【0026】工程(v )のクローニングは公知の方法に
より行なわれる。またシークエンシングはマキサム・ギ
ルバート(Maxam-Gilbert )法やジデオキシ・ターミネ
ーター法により行なわれる。(vi)の工程は、Molecula
r Cloning [Sambrook, J., Fritsch, E. F. および M
aniatis, T. 著,Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s より1989年に発刊]に記載の方法に従って行なわれ
る。
【0027】このようにして得られたDNAは、(I )
DNAシークエンスを可能なフレームにおいてアミノ酸
配列に変換し、(II)変換されたアミノ酸配列よりハイ
ドロフォビシティープロファイル(Hydrophobicity pro
file)を作製し、翻訳開始コドン(ATG)の直後に疎
水性に富んだ部分が存在することを確認し(分泌蛋白質
はそのN末端に疎水性に富んだシグナルペプチドを有し
ている。)、さらに(III )該DNAが全長あるいはほ
ぼ全長であることを確認する必要がある。これらの確認
は、工程(vi)の後に行なってもよいが、(v )の工程
と(vi)の工程の間に行なうとより効率的である。
【0028】上記の検討中、(II)は、Kyte, J.および
Doolittle, R. F. のハイドロテーブルを用いて、既存
のソフトウエア、例えばDNASIS(日立ソフトウエ
アエンジニアリング製)でコンピューター解析すること
によって行なわれる。(III)はノーザン (Northern)
解析により行なわれる。
【0029】配列番号2および3で示される塩基配列
が、一旦確定されると、その後は、化学合成によって、
またはPCR(Polymerase Chain Reaction )法によっ
て、あるいは該塩基配列の断片をプローブとしてハイブ
リダイズさせることにより、本発明のDNAを得ること
ができる。さらに、本DNAを含有するベクターDNA
を適当な宿主に導入し、これを増殖させることによっ
て、目的とする本発明DNAを必要量得ることができ
る。
【0030】本発明のポリペプチドを取得する方法とし
ては、(1)生体または培養細胞から精製単離する方
法、(2)ペプチド合成する方法、または(3)遺伝子
組み換え技術を用いて生産する方法、などが挙げられる
が、工業的には(3)に記載した方法が好ましい。
【0031】遺伝子組み換え技術を用いてポリペプチド
を生産するための発現系(宿主−ベクター系)として
は、例えば、細菌、酵母、昆虫細胞および哺乳動物細胞
の発現系が挙げられる。例えば、大腸菌で発現させる場
合には、配列番号3で示される塩基配列をコードするD
NAのうち成熟蛋白質(シグナルペプチドを除いた部
分)をコードする部分の5′末端に開始コドン(AT
G)を付加し、得られたDNAを、適当なプロモーター
(例えば、trpプロモーター、lacプロモーター、
λpLプロモーター、T7プロモーター等)の下流に接
続し、大腸菌内で機能するベクター(例えば、pBR3
22、pUC18、pUC19等)に挿入して発現ベク
ターを作製する。次に、この発現ベクターで形質転換し
た大腸菌(例えば、E. Coli DH1、E. Coli JM10
9、E. Coli HB101株等)を適当な培地で培養し
て、その菌体より目的とするポリペプチドを得ることが
できる。また、バクテリアのシグナルペプチド(例え
ば、pelBのシグナルペプチド)を利用すれば、ペリ
プラズム中に目的とするポリペプチドを分泌することも
できる。さらに、他のポリペプチドとのフュージョンプ
ロテイン(fusion protein)を生産することもできる。
【0032】また、哺乳動物細胞で発現させる場合に
は、例えば、配列表3で示される塩基配列をコードする
DNAを適当なベクター(例えば、レトロウイルスベク
ター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウイル
スベクター、SV40系ベクター等)中の適当なプロモ
ーター(例えば、SV40プロモーター、LTRプロモ
ーター、メタロチオネインプロモーター等)の下流に挿
入して発現ベクターを作製する。次に、得られた発現ベ
クターで適当な哺乳動物細胞(例えば、サルCOS−7
細胞、チャイニーズハムスターCHO細胞、マウスL細
胞等)を形質転換し、形質転換体を適当な培地で培養す
ることによって、その細胞中に目的とするポリペプチド
が生産される。以上のようにして得られたポリペプチド
は、一般的な生化学的方法によって単離精製することが
できる。
【0033】
【発明の効果】本発明のポリペプチドはヒトグリア芽細
胞腫細胞株から生産されるものであるので、グリア、ニ
ューロンまたは造血系細胞の分化、増殖、成長または生
存維持に関連した生物活性、免疫系または神経系の機能
に関連した生物活性、腫瘍の増殖、成長あるいは炎症に
関連した生物活性、また骨代謝に関連した生物活性を有
している。
【0034】例えば、B細胞、T細胞、肥満細胞の増
殖、免疫グロブリンのクラススイッチ促進によるクラス
特異的誘導、B細胞の抗体産生細胞への分化、顆粒球前
駆細胞の増殖または分化、単球・マクロファージ前駆細
胞の増殖または分化、好中球、単球・マクロファージ、
好酸球、好塩基球の増殖または機能亢進、巨核球前駆細
胞の増殖、好中球前駆細胞の増殖または分化、Bまたは
T前駆細胞の増殖または分化、赤血球の産生促進、赤血
球、好中球、好酸球、好塩基球、単球・マクロファー
ジ、肥満細胞、巨核球前駆細胞の増殖支持、好中球、単
球・マクロファージ、BまたはT細胞の遊走促進、胸腺
細胞の増殖、脂肪細胞の分化抑制、ナチュラルキラー細
胞の増殖、造血幹細胞の増殖、幹細胞および各種造血前
駆細胞の増殖抑制、各種神経伝達物質作動性神経細胞へ
の分化ならびにそれらの生存維持、グリア細胞の増殖促
進、神経突起の伸展、神経節細胞の生存維持、アストロ
サイトの増殖または分化促進、末梢神経の増殖または生
存維持、シュワン細胞の増殖、運動神経の増殖または生
存維持、単球から破骨細胞への分化促進による骨吸収の
促進、間葉系幹細胞からの骨芽細胞への分化促進または
増殖、あるいは破骨細胞の活性化の作用を本ポリペプチ
ドのみで、あるいは他のサイトカインと相乗的に働くこ
とにより有する可能性がある。
【0035】またこれら以外にも、本ポリペプチドは初
期胚の発生過程において、外胚葉誘導作用による表皮、
脳、背骨、神経の器官形成、中胚葉誘導作用による背索
結合組織(骨、筋肉、腱)、血球細胞、心臓、腎臓、生
殖巣の器官形成、あるいは内胚葉誘導作用による消化器
系臓器(胃、腸、肝臓、膵臓)、呼吸器系(肺、気管)
の形成に促進的または抑制的に作用する可能性があると
ともに、生体においても上記器官の増殖あるいは増殖抑
制作用を有する可能性がある。
【0036】従って、本発明のポリペプチドはそれ自身
で、グリア、ニューロンまたは造血系細胞の発育不全ま
たは異常増殖、免疫系または神経系機能の低下または亢
進に関する疾患、例えば、炎症性疾患(リウマチ、潰瘍
性大腸炎等)、骨髄移植後の造血幹細胞の減少症、ガ
ン、白血病に対する放射線照射または化学療法剤投与後
の白血球、血小板、B細胞またはT細胞の減少症、貧
血、感染症、ガン、白血病、AIDS、各種変性疾患
(アルツハイマー病、多発性硬化症等)、あるいは神経
損傷の治療薬として用いることが期待される。
【0037】また本ポリペプチドは、外胚葉、中胚葉ま
たは内胚葉由来器官の分化または増殖作用を有する可能
性があるので、各器官(表皮、骨、筋肉、腱、心臓、腎
臓、胃、腸、肝臓、膵臓、肺、気管等)の組織修復剤と
して用いることも期待される。特に本ポリペプチドは、
骨格筋に多く存在することより、筋細胞の分化、増殖ま
たは収縮、弛緩に関する生物活性を有する可能性があ
る。従って本発明のポリペプチドは、筋細胞の機能低下
または亢進に関与する疾患の治療剤、例えば溶連菌感染
による筋融解の治療剤、筋肉損傷後の組織修復剤として
用いることが期待される。
【0038】また、該ポリペプチドのポリクローナル抗
体またはモノクローナル抗体を用いて、生体における該
ポリペプチドの定量が行なえ、これによって該ポリペプ
チドと疾患との関係の研究あるいは疾患の診断等に利用
することができる。ポリクローナル抗体およびモノクロ
ーナル抗体は該ポリペプチドあるいはその断片を抗原と
して用いて常法により作製することができる。
【0039】本発明のDNAは、多大な有用性が期待さ
れる本発明のポリペプチドを生産する際の重要かつ必須
の鋳型となるだけでなく、遺伝病の診断や治療(遺伝子
欠損症の治療またはアンチセンスDNA(RNA)によ
って、ポリペプチドの発現を停止させることによる治療
等)に利用できる。また、本発明のDNAをプローブと
してジェノミック(genomic )DNAを分離できる。同
様にして、本発明DNAと相同性の高いヒトの関連ポリ
ペプチドの遺伝子、またヒト以外の生物における本発明
ポリペプチドと相同性の高いポリペプチドの遺伝子を分
離することも可能である。
【0040】
【医薬品への適用】本発明の目的または、グリア、ニュ
ーロンまたは造血系細胞の発育不全や異常増殖、神経系
機能の亢進や低下、免疫系機能の亢進や低下に関する疾
患、例えば炎症性疾患(リウマチ、潰瘍性大腸炎等)、
骨髄移植後の造血幹細胞の減少症、放射線治療後または
化学療法剤投与後の白血球、血小板、B細胞またはT細
胞の減少症、貧血、感染症、ガン、白血病、AIDS、
各種変性疾患(アルツハイマー病、多発性硬化症等)、
または神経損傷の予防または治療、あるいは組織修復等
のために本発明のポリペプチドは通常、全身的又は局所
的に、一般的には経口または非経口の形で投与される。
好ましくは、経口投与、静脈内投与および脳室内投与で
ある。
【0041】投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、
投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人
あたり、一回につき、100μgから100mgの範囲
で、一日一回から数回経口投与されるかまたは、成人一
人当り、一回につき、10μgから100mgの範囲
で、一日一回から数回非経口投与される。もちろん前記
したように、投与量は、種々の条件により変動するの
で、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、ま
た範囲を越えて必要な場合もある。
【0042】本発明化合物を投与する際には、経口投与
のための固体組成物、液体組成物およびその他の組成
物、非経口投与のための注射剤、外用剤、座剤等として
用いられる。経口投与のための固体組成物には、錠剤、
丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセ
ルには、ソフトカプセルおよびハードカプセルが含まれ
る。
【0043】このような個体組成物においては、一つま
たはそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な
希釈剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロー
ス、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アル
ミン酸マグネシウム等)と混合される。組成物は、常法
に従って、不活性な希釈剤以外の添加物、例えば、潤滑
剤(ステアリン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グ
リコール酸カルシウム等)、安定化剤(ヒト血清アルブ
ミン、ラクトース等)、溶解補助剤(アルギニン、アス
パラギン酸等)を含有していてもよい。
【0044】錠剤または丸剤は、必要により白糖、ゼラ
チン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート等の胃溶性あるいは腸
溶性のフィルムで皮膜してもよいし、また2以上の層で
皮膜してもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる
物質のカプセルも包含される。経口投与のための液体組
成物は、薬学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、
シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般に用いられる
不活性な希釈剤(例えば、精製水、エタノール等)を含
んでいてもよい。この様な組成物は、不活性な希釈剤以
外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、
芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0045】経口投与のためのその他の組成物として
は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体
公知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。こ
の組成物は不活性な希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウム
のような安定剤と等張性を与えるような安定化剤、塩化
ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のよ
うな等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方
法は、例えば米国特許第2,868,691 号および同第3,095,
355 号明細書に詳しく記載されている。
【0046】本発明による非経口投与のための注射剤と
しては、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳
濁剤を包含する。水性または非水性の溶液剤、懸濁剤と
しては、一つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも
一つの不活性な希釈剤と混合される。水性の希釈剤とし
ては、例えば注射用蒸留水および生理食塩水が挙げられ
る。非水性の希釈剤としては、例えばプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植
物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベー
ト80(登録商標)等が挙げられる。
【0047】このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ヒト血清アル
ブミン、ラクトース等)、溶解補助剤(例えば、アルギ
ニン、アスパラギン酸等)のような補助剤を含んでいて
もよい。これらはバクテリア保留フィルターを通す濾
過、殺菌剤の配合または照射によって無菌化される。こ
れらはまた無菌の固体組成物を製造し(例えば、凍結乾
燥法等により)、使用前に無菌の注射用蒸留水または他
の溶媒に溶解して使用することもできる。非経口投与の
ためのその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上
の活性物質を含み、常法により処方される外用液剤、軟
コウ、塗布剤、直腸内投与のための坐剤およびペッサリ
ー等が含まれる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものでは
ない。 実施例1:cDNAライブラリー作製用ベクターの構築 プラスミドベクターpGEM−3Zf(+)[3199
bp、プロメガ社(Promega Corp. )より販売]をHi
nd IIIで切断後、Klenow処理して再円環化した。この
プラスミドで大腸菌を形質転換してプラスミドを回収し
た。次に、回収されたプラスミドのAat II −Nde
I断片を切り取り、直鎖プラスミドの末端をT4ポリメ
ラーゼを用いて平滑末端とした。この末端にHind I
IIリンカーをライゲーションし、Hind III切断後、
再び円環化し、大腸菌に形質転換してプラスミドを回収
した。得られたプラスミドのポリリンカー中のSacI
からPstIの部分を下記の合成ポリリンカー、
【0049】
【化1】
【0050】と入れ換えた。このようにして構築したプ
ラスミドベクター(図1に示す。)をpVfCS−1と
命名した。pVfCS−1は多目的プラスミドベクター
として以下のような特徴を有する。 1.岡山− Berg 法および Gubler & Hoffman 法が適用
できる。 2.培養菌当りのプラスミド収量が多い。 3.一本鎖DNAも調製することができる。 4.cDNAインサートの切り出しが容易である。 5.シークエンスのためのデレーション・ミュータント
(Deletion mutant )の作製が容易である。 6.イン・ビトロでの転写が可能である。
【0051】実施例2:mRNAの分離精製 ヒトグリア芽細胞腫細胞株T98G(ATCC株番号、
CRL−1690)3×107 個を100ユニット/mlの
ヒトIL−1βで4時間刺激した後、Okayama,H. 等の
方法[Methods in Enzymology, 154 , 3 (1987) に記
載]に従って、mRNAを分離した。すなわち、5.5 M
GTC溶液(5.5 Mグアニジンチオシアネート,25
mMクエン酸ナトリウム,0.5 %ソジウムラウリルサル
コシン(sodium lauryl sarcosine )で細胞を可溶化し
た後、セルライゼート(cell lysate )を密度1.51のセ
シウムトリフルオロアセテート(CsTFA)溶液のク
ッション上に載せて超遠心(120,000 ×g,20時間)
して、沈殿中に1.26mgの全RNAを回収した。これ
を、オリゴdTセルロースカラムに2回通して46μg
のpoly(A)+ RNAを精製回収した。
【0052】実施例3:cDNAライブラリーの作製 cDNAライブラリーは、Gubler&Hoffman 法[Gene,
25, 263 (1983)に記載]の変法にて作製した。実施例2
で作製したpoly(A)+ RNA(5μg)から、N
otIサイトを持つオリゴdTプライマーを用いて、逆
転写酵素により、ファーストストランドを合成した。続
いて、セカンドストランドを合成し、SalIアダプタ
ーのライゲーションおよびNotI消化を行なった後、
ゲルろ過カラムクロマトグラフィー[Sephacryl S-500H
R (Pharmacia 社より販売)カラムを用いた。]によ
り、アダプターとプライマーを除いて、820ngのc
DNAフラクションを回収した。
【0053】以上のcDNA合成ステップは、スーパー
スクリプトシステム(Super ScriptSystem 、BRL社
より販売)のキットを用いて行なった。一方、ベクター
の調整は、実施例1で作製したpVfCS−1をNot
Iにより完全消化後さらにSalIで消化し、0.8 %ア
ガロース電気泳動にてバンドを切り出し、ガラス・パウ
ダー法のためのキット[GENECLEAN II(BIO101社
より販売)]を用いて精製することにより行なった。
【0054】それぞれ作製したcDNAとベクターをラ
イゲーションした後、Inoue, H. 等の方法[Gene, 96,
23 (1990) に記載]で調製したDH5のコンピテントセ
ルに形質転換した。その結果、平均長 1.5kb、インデ
ィペンデントクローン数6×105 個のcDNAライブ
ラリーが得られた。
【0055】実施例4:クローニングとシークエンシン
グ 実施例3で作製したcDNAライブラリーより、直径1
0cmのLBプレートに約300個のコロニー/プレー
トの密度でクローンを播き、コロニー群からランダムに
ピックアップしてクローニングを行なった。1コロニー
から3mlのLB培養液で一晩培養後、培養液200μ
lに7%ジメチルスルホキオシド(DMSO)を加え
て、−80℃で保存した。残りの培養液から菌を分離
し、常法によりプラスミドを分離精製した。
【0056】プラスミドは図2で示される構造となって
いるので、T7をプライマーとしてシークエンスする
と、クローニングされたcDNAの5′側からヌクレオ
チド配列を読むことができる。DNAのシークエンシン
グは、Sanger, F.等のジデオキシ・ターミネーター法に
基づいた、ABI社(Applied Biosystems Inc. )の蛍
光ダイ−ターミネーターを用いるサイクルシークエンス
法により行なった。また、シークエンスの読み取りに
は、ABI社のDNAシークエンサー(Model 373
A)を用いた。こうして、各クローンの5′側から平均
300ベースの長さのヌクレオチド配列が得られた。
【0057】実施例5:パーシャルシークエンスデータ
の解析 実施例4で得られたヌクレオチドシークエンスは、Lipm
an, D. J. のBLASTプログラムを用いて、既知デー
タベース(GenBank およびEMBL)に含まれるすべて
のヌクレオチド配列に対するホモロジーサーチを行なっ
た。これにより、シークエンスしたクローン群の中から
未知シークエンスを持つクローンを同定した。同定され
たクローンのヌクレオチド配列を可能な3つのフレーム
でアミノ酸配列に変換した。
【0058】次に、Kyte, J. および Doolittle, R.
F. のハイドロテーブルを用いて、コンピューターによ
り、3つのフレームに相当するアミノ酸配列の疎水性お
よび親水性のプロファイルを計算し図式化させた(コン
ピューターソフトウエアはDNASIS(日立ソフトウ
エアエンジニアリング製)を用いた。)。
【0059】ほとんどのサイトカインや成長因子類、ま
た多くの膜蛋白質は、N末端にシグナルペプチドを有す
ることが知られている。シグナルペプチドは、翻訳開始
Metのすぐ後ろの疎水性に富んだ領域である。ヌクレ
オチド配列では、コーディング領域で開始コドン(AT
G)のすぐ後ろにある。そこで、未知シークエンスを有
するクローンのオープンリーディングフレームのデータ
およびアミノ酸配列の疎水性、親水性のデータより、シ
グナルペプチドを持つ蛋白質をコードする可能性のある
cDNAを探索した結果、目的のクローン(クローン番
号TG1999)を見出した。
【0060】このクローンは、アミノ酸配列の3つの可
能なフレームのひとつにシグナルペプチドの特徴を有し
ていた(図4参照。ただし、図4は全アミノ酸配列に対
するハイドロフォビシティープロファイルである。図
中、+側はハイドロフォビシティーの強い領域であり、
−側はハイドロフォビシティーの弱い領域であることを
示している。)。しかし、クローニングされたcDNA
クローンのすべてが、mRNAの全長をカバーしている
とは限らない。全長でなければ、N末端のアミノ酸配列
部分を含んでいる可能性は少ない。
【0061】そこで、得られたTG1999のクローン
が全長か否かを決めるために、ノーザン (Northern) 解
析を行なった。すなわち、グリア芽細胞腫細胞株より抽
出精製したpoly(A)+ RNAを電気泳動後、ナイ
ロンメンブレン上にブロッティングした。TG1999
のcDNAインサートをプローブとしてハイブリダイズ
させると、約3800bpと約2600bpの位置に2本のバン
ドが観察された。TG1999クローンのインサートの
大きさは約2600bpであったので、今回得られたTG1
999は2600bpのmRNA相当する全長のcDNAで
あることが確かめられた。3800bpに相当するcDNA
は、TG1999の塩基配列を含むオルターナティブ・
スプライシングにより生じたサブタイプであると推察さ
れる。
【0062】実施例6:cDNA全長のシークエンスと
オープンリーディングフレームの決定 cDNAの全長のシークエンスは、Molecular Cloning
[Sambrook, J., Fritsch, E. F.および Maniatis, T.
著、Cold Spring Harbor Laboratory Press より1989年
に発刊]に記載の方法に従って、ランダムシークエンシ
ングを行なって決定した。
【0063】すなわち、TG1999クローンよりプラ
スミドを回収し、cDNAインサートを分離精製した。
これをライゲーションおよびフラグメンテーションし、
T4ポリメラーゼによりDNA断片の末端を平滑化し、
400bp付近の長さのDNA断片をアガロース電気泳
動法を用いて回収した。得られたDNA断片をプラスミ
ドベクター、 BLUESCRIPT II(Stratagene社より販売)
のSmaIサイトにクローニングした後、大腸菌(E. C
oli )に形質転換した。90個のコロニーをランダムに
ピックアップし、プラスミドDNAを調製後、これら9
0個のプラスミド(これらはすべてTG1999のcD
NAの断片をインサートとして持っている。)のDNA
シークエンシングを行なった。DNAのシークエンシン
グとシークエンスの読み取りは実施例4に記載した方法
により行なった。TG1999cDNA断片のシークエ
ンスデータは、DNASISのDNAシークエンス連結
プログラムを用いて、連続したシークエンスに編集し、
配列番号3に示す塩基配列を得た。このcDNA全長シ
ークエンスデータからオープンリーディングフレームを
決定し、さらにアミノ酸配列に翻訳して、配列番号1に
示す配列を得た。配列表4にTG1999cDNAの全
塩基配列とこれにコードされるTG1999蛋白質のア
ミノ酸一次配列を示した。
【0064】実施例7:TG1999の組織特異性の検
討 ヒト臓器(16種)のRNAをブロティングされたフィ
ルター(human MTN-I,II フィルター;Clonetech 社)
を用いて、TG1999全長cDNAをプローブとして
Northern解析を行った。すべての臓器に3800bpおよび
2600bpの2本のバンドが認められた。2600bpのバン
ドは、特に骨格筋に強く認められた。
【0065】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:483 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Lys Ala Phe His Thr Phe Cys Val Val Leu Leu Val Phe Gly Ser 5 10 15 Var Ser Glu Ala Lys Phe Asp Asp Phe Glu Asp Glu Glu Asp Ile Val 20 25 30 Glu Tyr Asp Asp Asn Asp Phe Ala Glu Phe Glu Asp Val Met Glu Asp 35 40 45 Ser Val Thr Glu Ser Pro Gln Arg Val Ile Ile Thr Glu Asp Asp Glu 50 55 60 Asp Glu Thr Thr Val Glu Leu Glu Gly Gln Asp Glu Asn Gln Glu Gly 65 70 75 80 Asp Phe Glu Asp Ala Asp Thr Gln Glu Gly Asp Thr Glu Ser Glu Pro 85 90 95 Tyr Asp Asp Glu Glu Phe Glu Gly Tyr Glu Asp Lys Pro Asp Thr Ser 100 105 110 Ser Ser Lys Asn Lys Asp Pro Ile Thr Ile Val Asp Val Pro Ala His 115 120 125 Leu Gln Asn Ser Trp Glu Ser Tyr Tyr Leu Glu Ile Leu Met Val Thr 130 135 140 Gly Leu Leu Ala Tyr Ile Met Asn Tyr Ile Ile Gly Lys Asn Lys Asn 145 150 155 160 Ser Arg Leu Ala Gln Ala Trp Phe Asn Thr His Arg Glu Leu Leu Glu 165 170 175 Ser Asn Phe Thr Leu Val Gly Asp Asp Gly Thr Asn Lys Glu Ala Thr 180 185 190 Ser Thr Gly Lys Leu Asn Gln Glu Asn Glu His Ile Tyr Asn Leu Trp 195 200 205 Cys Ser Gly Arg Val Cys Cys Glu Gly Met Leu Ile Gln Leu Arg Phe 210 215 220 Leu Lys Arg Gln Asp Leu Leu Asn Val Leu Ala Arg Met Met Arg Pro 225 230 235 240 Val Ser Asp Gln Val Gln Ile Lys Val Thr Met Asn Asp Glu Asp Met 245 250 255 Asp Thr Tyr Val Phe Ala Val Gly Thr Arg Lys Ala Leu Val Arg Leu 260 265 270 Gln Lys Glu Met Gln Asp Leu Ser Glu Phe Cys Ser Asp Lys Pro Lys 275 280 285 Ser Gly Ala Lys Tyr Gly Leu Pro Asp Ser Leu Ala Ile Leu Ser Glu 290 295 300 Met Gly Glu Val Thr Asp Gly Met Met Asp Thr Lys Met Val His Phe 305 310 315 320 Leu Thr His Tyr Ala Asp Lys Ile Glu Ser Val His Phe Ser Asp Gln 325 330 335 Phe Ser Gly Pro Lys Ile Met Gln Glu Glu Gly Gln Pro Leu Lys Leu 340 345 350 Pro Asp Thr Lys Arg Thr Leu Leu Phe Thr Phe Asn Val Pro Gly Ser 355 360 365 Gly Asn Thr Tyr Pro Lys Asp Met Glu Ala Leu Leu Pro Leu Met Asn 370 375 380 Met Val Ile Tyr Ser Ile Asp Lys Ala Lys Lys Phe Arg Leu Asn Arg 385 390 395 400 Glu Gly Lys Gln Lys Ala Asp Lys Asn Arg Ala Arg Val Glu Glu Asn 405 410 415 Phe Leu Lys Leu Thr His Val Gln Arg Gln Glu Ala Ala Gln Ser Arg 420 425 430 Arg Glu Glu Lys Lys Arg Ala Glu Lys Glu Arg Ile Met Asn Glu Glu 435 440 445 Asp Pro Glu Lys Gln Arg Arg Leu Glu Glu Ala Ala Leu Arg Arg Glu 450 455 460 Gln Lys Lys Leu Glu Lys Lys Gln Met Lys Met Lys Gln Ile Lys Val 465 470 475 480 Lys Ala Met 483
【0066】配列番号:2 配列の長さ:1449 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 ATGAAAGCCT TCCACACTTT CTGTGTTGTC CTTCTGGTGT TTGGGAGTGT CTCTGAAGCC 60 AAGTTTGATG ATTTTGAGGA TGAGGAGGAC ATAGTAGAGT ATGATGATAA TGACTTCGCT 120 GAATTTGAGG ATGTCATGGA AGACTCTGTT ACTGAATCTC CTCAACGGGT CATAATCACT 180 GAAGATGATG AAGATGAGAC CACTGTGGAG TTGGAAGGGC AGGATGAAAA CCAAGAAGGA 240 GATTTTGAAG ATGCAGATAC CCAGGAGGGA GATACTGAGA GTGAACCATA TGATGATGAA 300 GAATTTGAAG GTTATGAAGA CAAACCAGAT ACTTCTTCTA GCAAAAATAA AGACCCAATA 360 ACGATTGTTG ATGTTCCTGC ACACCTCCAG AACAGCTGGG AGAGTTATTA TCTAGAAATT 420 TTGATGGTGA CTGGTCTGCT TGCTTATATC ATGAATTACA TCATTGGGAA GAATAAAAAC 480 AGTCGCCTTG CACAGGCCTG GTTTAACACT CATAGGGAGC TTTTGGAGAG CAACTTTACT 540 TTAGTGGGGG ATGATGGAAC TAACAAAGAA GCCACAAGCA CAGGAAAGTT GAACCAGGAG 600 AATGAGCACA TCTATAACCT GTGGTGTTCT GGTCGAGTGT GCTGTGAGGG CATGCTTATC 660 CAGCTGAGGT TCCTCAAGAG ACAAGACTTA CTGAATGTCC TGGCCCGGAT GATGAGGCCA 720 GTGAGTGATC AAGTGCAAAT AAAAGTAACC ATGAATGATG AAGACATGGA TACCTACGTA 780 TTTGCTGTTG GCACACGGAA AGCCTTGGTG CGACTACAGA AAGAGATGCA GGATTTGAGT 840 GAGTTTTGTA GTGATAAACC TAAGTCTGGA GCAAAGTATG GACTGCCGGA CTCTTTGGCC 900 ATCCTGTCAG AGATGGGAGA AGTCACAGAC GGAATGATGG ATACAAAGAT GGTTCACTTT 960 CTTACACACT ATGCTGACAA GATTGAATCT GTTCATTTTT CAGACCAGTT CTCTGGTCCA 1020 AAAATTATGC AAGAGGAAGG TCAGCCTTTA AAGCTACCTG ACACTAAGAG GACACTGTTG 1080 TTTACATTTA ATGTGCCTGG CTCAGGTAAC ACTTACCCAA AGGATATGGA GGCACTGCTA 1140 CCCCTGATGA ACATGGTGAT TTATTCTATT GATAAAGCCA AAAAGTTCCG ACTCAACAGA 1200 GAAGGCAAAC AAAAAGCAGA TAAGAACCGT GCCCGAGTAG AAGAGAACTT CTTGAAACTG 1260 ACACATGTGC AAAGACAGGA AGCAGCACAG TCTCGGCGGG AGGAGAAAAA AAGAGCAGAG 1320 AAGGAGCGAA TCATGAATGA GGAAGATCCT GAGAAACAGC GCAGGCTGGA GGAGGCTGCA 1380 TTGAGGCGTG AGCAAAAGAA GTTGGAAAAG AAGCAAATGA AAATGAAACA AATCAAAGTG 1440 AAAGCCATG 1449
【0067】配列番号:3 配列の長さ:2139 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GGGCTACGTG AAGAGAGGCG CGGCGTGACT GAGCTACGGT TCTGGCTGCG TCCTAGAGGC 60 ATCCGGGGCA GTAAAACCGC TGCGATCGCG GAGGCGGCGG CCAGGCCGAG AGGCAGGCCG 120 GGCAGGGGTG TCGGACGCAG GGCGCTGGGC CGGGTTTCGG CTTCGGCCAC AGCTTTTTTT 180 CTCAAGGTGC AATGAAAGCC TTCCACACTT TCTGTGTTGT CCTTCTGGTG TTTGGGAGTG 240 TCTCTGAAGC CAAGTTTGAT GATTTTGAGG ATGAGGAGGA CATAGTAGAG TATGATGATA 300 ATGACTTCGC TGAATTTGAG GATGTCATGG AAGACTCTGT TACTGAATCT CCTCAACGGG 360 TCATAATCAC TGAAGATGAT GAAGATGAGA CCACTGTGGA GTTGGAAGGG CAGGATGAAA 420 ACCAAGAAGG AGATTTTGAA GATGCAGATA CCCAGGAGGG AGATACTGAG AGTGAACCAT 480 ATGATGATGA AGAATTTGAA GGTTATGAAG ACAAACCAGA TACTTCTTCT AGCAAAAATA 540 AAGACCCAAT AACGATTGTT GATGTTCCTG CACACCTCCA GAACAGCTGG GAGAGTTATT 600 ATCTAGAAAT TTTGATGGTG ACTGGTCTGC TTGCTTATAT CATGAATTAC ATCATTGGGA 660 AGAATAAAAA CAGTCGCCTT GCACAGGCCT GGTTTAACAC TCATAGGGAG CTTTTGGAGA 720 GCAACTTTAC TTTAGTGGGG GATGATGGAA CTAACAAAGA AGCCACAAGC ACAGGAAAGT 780 TGAACCAGGA GAATGAGCAC ATCTATAACC TGTGGTGTTC TGGTCGAGTG TGCTGTGAGG 840 GCATGCTTAT CCAGCTGAGG TTCCTCAAGA GACAAGACTT ACTGAATGTC CTGGCCCGGA 900 TGATGAGGCC AGTGAGTGAT CAAGTGCAAA TAAAAGTAAC CATGAATGAT GAAGACATGG 960 ATACCTACGT ATTTGCTGTT GGCACACGGA AAGCCTTGGT GCGACTACAG AAAGAGATGC 1020 AGGATTTGAG TGAGTTTTGT AGTGATAAAC CTAAGTCTGG AGCAAAGTAT GGACTGCCGG 1080 ACTCTTTGGC CATCCTGTCA GAGATGGGAG AAGTCACAGA CGGAATGATG GATACAAAGA 1140 TGGTTCACTT TCTTACACAC TATGCTGACA AGATTGAATC TGTTCATTTT TCAGACCAGT 1200 TCTCTGGTCC AAAAATTATG CAAGAGGAAG GTCAGCCTTT AAAGCTACCT GACACTAAGA 1260 GGACACTGTT GTTTACATTT AATGTGCCTG GCTCAGGTAA CACTTACCCA AAGGATATGG 1320 AGGCACTGCT ACCCCTGATG AACATGGTGA TTTATTCTAT TGATAAAGCC AAAAAGTTCC 1380 GACTCAACAG AGAAGGCAAA CAAAAAGCAG ATAAGAACCG TGCCCGAGTA GAAGAGAACT 1440 TCTTGAAACT GACACATGTG CAAAGACAGG AAGCAGCACA GTCTCGGCGG GAGGAGAAAA 1500 AAAGAGCAGA GAAGGAGCGA ATCATGAATG AGGAAGATCC TGAGAAACAG CGCAGGCTGG 1560 AGGAGGCTGC ATTGAGGCGT GAGCAAAAGA AGTTGGAAAA GAAGCAAATG AAAATGAAAC 1620 AAATCAAAGT GAAAGCCATG TAAAGCCATC CCAGAGATTT GAGTTCTGAT GCCACCTGTA 1680 AGCTCTGAAT TCACAGGAAA CATGAAAAAC GCCAGTCCAT TTCTCAACCT TAAATTTCAG 1740 ACAGTCTTGG GCAACTGAGA AATCCTTATT TCATCATCTA CTCTGTTTGG GGTTTGGGGT 1800 TTTACAGAGA TTGAAGATAC CTGGAAAGGG CTCTGTTTCA AGAATTTTTT TTTCCAGATA 1860 ATCAAATTAT TTTGATTATT TTATAAAAGG AATGATCTAT GAAATCTGTG TAGGTTTTAA 1920 ATATTTTAAA AATTATAATA CAAATCATCA GTGCTTTTAG TACTTCAGTG TTTAAAGAAA 1980 TACCGTGGAA ATTTATAGGT AGATAACCAG ATTGTTGCTT TTTGTTTAAA CCAAGCAGGT 2040 GAAATGGCTA TAAAGACTGA CTCTAAACCA AGATTCTGCA CATAATGATT GGAATTGCAC 2100 AATAAACATT GCTTGATGGT GTTCTTGTAT GTCTACATT 2139
【0068】配列番号:4 配列の長さ:2139 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:Homo sapiens セルライン:T98G 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:192..1640 特徴を決定した方法:P 特徴を表わす記号:sig peptide 存在位置:192..251 特徴を決定した方法:S 特徴を表わす記号:mat peptide 存在位置:252..1640 特徴を決定した方法:S 配列 GGGCTACGTG AAGAGAGGCG CGGCGTGACT GAGCTACGGT TCTGGCTGCG TCCTAGAGGC 60 ATCCGGGGCA GTAAAACCGC TGCGATCGCG GAGGCGGCGG CCAGGCCGAG AGGCAGGCCG 120 GGCAGGGGTG TCGGACGCAG GGCGCTGGGC CGGGTTTCGG CTTCGGCCAC AGCTTTTTTT 180 CTCAAGGTGCA ATG AAA GCC TTC CAC ACT TTC TGT GTT GTC CTT CTG GTG 230 Met Lys Ala Phe His Thr Phe Cys Val Val Leu Leu Val 1 5 10 TTT GGG AGT GTC TCT GAA GCC AAG TTT GAT GAT TTT GAG GAT GAG GAG 278 Phe Gly Ser Val Ser Glu Ala Lys Phe Asp Asp Phe Glu Asp Glu Glu 15 20 25 GAC ATA GTA GAG TAT GAT GAT AAT GAC TTC GCT GAA TTT GAG GAT GTC 326 Asp Ile Val Glu Tyr Asp Asp Asn Asp Phe Ala Glu Phe Glu Asp Val 30 35 40 45 ATG GAA GAC TCT GTT ACT GAA TCT CCT CAA CGG GTC ATA ATC ACT GAA 374 Met Glu Asp Ser Val Thr Glu Ser Pro Gln Arg Val Ile Ile Thr Glu 50 55 60 GAT GAT GAA GAT GAG ACC ACT GTG GAG TTG GAA GGG CAG GAT GAA AAC 422 Asp Asp Glu Asp Glu Thr Thr Val Glu Leu Glu Gly Gln Asp Glu Asn 65 70 75 CAA GAA GGA GAT TTT GAA GAT GCA GAT ACC CAG GAG GGA GAT ACT GAG 470 Gln Glu Gly Asp Phe Glu Asp Glu Gly Thr Gln Glu Gly Asp Thr Glu 80 85 90 AGT GAA CCA TAT GAT GAT GAA GAA TTT GAA GGT TAT GAA GAC AAA CCA 518 Ser Glu Pro Tyr Asp Asp Glu Glu Phe Glu Gly Tyr Glu Asp Lys Pro 95 100 105 GAT ACT TCT TCT AGC AAA AAT AAA GAC CCA ATA ACG ATT GTT GAT GTT 566 Asp Thr Ser Ser Ser Lys Asn Lys Asp Pro Ile Thr Ile Val Asp Val 110 115 120 125 CCT GCA CAC CTC CAG AAC AGC TGG GAG AGT TAT TAT CTA GAA ATT TTG 614 Pro Ala His Leu Gln Asn Ser Trp Glu Ser Tyr Tyr Leu Glu Ile Leu 130 135 140 ATG GTG ACT GGT CTG CTT GCT TAT ATC ATG AAT TAC ATC ATT GGG AAG 662 Met Val Thr Gly Leu Leu Ala Tyr Ile Met Asn Tyr Ile Ile Gly Lys 145 150 155 AAT AAA AAC AGT CGC CTT GCA CAG GCC TGG TTT AAC ACT CAT AGG GAG 710 Asn Lys Asn Ser Arg Leu Ala Gln Ala Trp Phe Asn Thr His Arg Glu 160 165 170 CTT TTG GAG AGC AAC TTT ACT TTA GTG GGG GAT GAT GGA ACT AAC AAA 758 Leu Leu Glu Ser Asn Phe Thr Leu Val Gly Asp Asp Gly Thr Asn Lys 175 180 185 GAA GCC ACA AGC ACA GGA AAG TTG AAC CAG GAG AAT GAG CAC ATC TAT 806 Glu Ala Thr Ser Thr Gly Lys Leu Asn Gln Glu Asn Glu His Ile Tyr 190 195 200 205 AAC CTG TGG TGT TCT GGT CGA GTG TGC TGT GAG GGC ATG CTT ATC CAG 854 Asn Leu Trp Cys Ser Gly Arg Val Cys Cys Glu Gly Met Leu Ile Gln 210 215 220 CTG AGG TTC CTC AAG AGA CAA GAC TTA CTG AAT GTC CTG GCC CGG ATG 902 Leu Arg Phe Leu Lys Arg Gln Asp Leu Leu Asn Val Leu Ala Arg Met 225 230 235 ATG AGG CCA GTG AGT GAT CAA GTG CAA ATA AAA GTA ACC ATG AAT GAT 950 Met Arg Pro Val Ser Asp Gln Val Gln Ile Lys Val Thr Met Asn Asp 240 245 250 GAA GAC ATG GAT ACC TAC GTA TTT GCT GTT GGC ACA CGG AAA GCC TTG 998 Glu Asp Met Asp Thr Tyr Val Phe Ala Val Gly Thr Arg Lys Ala Leu 255 260 265 GTG CGA CTA CAG AAA GAG ATG CAG GAT TTG AGT GAG TTT TGT AGT GAT 1046 Val Arg Leu Gln Lys Glu Met Gln Asp Leu Ser Glu Phe Cys Ser Asp 270 275 280 285 AAA CCT AAG TCT GGA GCA AAG TAT GGA CTG CCG GAC TCT TTG GCC ATC 1094 Lys Pro Lys Ser Gly Ala Lys Tyr Gly Leu Pro Asp Ser Leu Ala Ile 290 295 300 CTG TCA GAG ATG GGA GAA GTC ACA GAC GGA ATG ATG GAT ACA AAG ATG 1142 Leu Ser Glu Met Gly Glu Val Thr Asp Gly Met Met Asp Thr Lys Met 305 310 315 GTT CAC TTT CTT ACA CAC TAT GCT GAC AAG ATT GAA TCT GTT CAT TTT 1190 Val His Phe Leu Thr His Tyr Ala Asp Lys Ile Glu Ser Val His Phe 320 325 330 TCA GAC CAG TTC TCT GGT CCA AAA ATT ATG CAA GAG GAA GGT CAG CCT 1238 Ser Asp Gln Phe Ser Gly Pro Lys Ile Met Gln Pro Glu Gly Gln Pro 335 340 345 TTA AAG CTA CCT GAC ACT AAG AGG ACA CTG TTG TTT ACA TTT AAT GTG 1286 Leu Lys Leu Pro Asp Thr Lys Arg Thr Leu Leu Phe Thr Phe Asn Val 350 355 360 365 CCT GGC TCA GGT AAC ACT TAC CCA AAG GAT ATG GAG GCA CTG CTA CCC 1334 Pro Gly Ser Gly Asn Thr Tyr Pro Lys Asp Met Glu Ala Leu Leu Pro 370 375 380 CTG ATG AAC ATG GTG ATT TAT TCT ATT GAT AAA GCC AAA AAG TTC CGA 1382 Leu Met Asn Met Val Ile Tyr Ser Ile Asp Lys Ala Lys Lys Phe Arg 385 390 395 CTC AAC AGA GAA GGC AAA CAA AAA GCA GAT AAG AAC CGT GCC CGA GTA 1430 Leu Asn Arg Glu Gly Lys Gln Lys Ala Asp Lys Asn Arg Ala Arg Val 400 405 410 GAA GAG AAC TTC TTG AAA CTG ACA CAT GTG CAA AGA CAG GAA GCA GCA 1478 Glu Glu Asn Phe Leu Lys Leu Thr His Val Gln Arg Gln Glu Ala Ala 415 420 425 CAG TCT CGG CGG GAG GAG AAA AAA AGA GCA GAG AAG GAG CGA ATC ATG 1526 Gln Ser Arg Arg Glu Glu Lys Lys Arg Ala Glu Lys Glu Arg Ile Met 430 435 440 445 AAT GAG GAA GAT CCT GAG AAA CAG CGC AGG CTG GAG GAG GCT GCA TTG 1574 Asn Glu Glu Asp Pro Glu Lys Gln Arg Arg Leu Glu Glu Ala Ala Leu 450 455 460 AGG CGT GAG CAA AAG AAG TTG GAA AAG AAG CAA ATG AAA ATG AAA CAA 1622 Arg Arg Glu Gln Lys Lys Leu Glu Lys Lys Gln Met Lys Met Lys Gln 465 470 475 ATC AAA GTG AAA GCC ATG TAA AGCCATCCCA GAGATTTGAG TTCTGATGCC 1673 Ile Lys Val Lys Ala Met 480 483 ACCTGTAAGC TCTGAATTCA CAGGAAACAT GAAAAACGCC AGTCCATTTC TCAACCTTAA 1733 ATTTCAGACA GTCTTGGGCA ACTGAGAAAT CCTTATTTCA TCATCTACTC TGTTTGGGGT 1793 TTGGGGTTTT ACAGAGATTG AAGATACCTG GAAAGGGCTC TGTTTCAAGA ATTTTTTTTT 1853 CCAGATAATC AAATTATTTT GATTATTTTA TAAAAGGAAT GATCTATGAA ATCTGTGTAG 1913 GTTTTAAATA TTTTAAAAAT TATAATACAA ATCATCAGTG CTTTTAGTAC TTCAGTGTTT 1973 AAAGAAATAC CGTGGAAATT TATAGGTAGA TAACCAGATT GTTGCTTTTT GTTTAAACCA 2033 AGCAGGTGAA ATGGCTATAA AGACTGACTC TAAACCAAGA TTCTGCACAT AATGATTGGA 2093 ATTGCACAAT AAACATTGCT TGATGGTGTT CTTGTATGTC TACATT 2139
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラスミドベクターpVfCS−1の構築図
である。
【図2】 ヒトグリア芽細胞腫細胞株T98G由来のc
DNAが挿入された組み換えDNAの構築図である。
【図3】 本発明のポリペプチドの3′非翻訳領域であ
る。
【図4】 本発明のポリペプチドのハイドロフォビシテ
ィープロファイルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ACC ADU ADY ADZ 39/395 E T C07K 14/52 8318−4H 16/24 8318−4H C12N 1/21 8828−4B C12P 21/02 C 9282−4B //(C12N 1/21 C12R 1:91) A61K 37/02 ABY ACC ADU ADY ADZ (54)【発明の名称】 新規なポリペプチド、その製造方法、そのポリペプチドをコードするDNA、そのDNAからな るベクター、そのベクターで形質転換された宿主細胞、そのポリペプチドの抗体、およびそのペ プチドまたは抗体を含有する薬学的組成物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に純粋な形である配列番号1で示
    されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、そのホモロ
    ーグ、そのフラグメントまたはそのフラグメントのホモ
    ローグ。
  2. 【請求項2】 配列番号1で示されるアミノ酸配列から
    なる請求項1記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたポリペプチドをコ
    ードするDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号2で示される塩基配列を有する
    請求項3記載のDNA、またはその配列に選択的にハイ
    ブリダイズするフラグメント。
  5. 【請求項5】 配列番号3で示される塩基配列を有する
    請求項3記載のDNA、またはその配列に選択的にハイ
    ブリダイズするフラグメント。
  6. 【請求項6】 請求項3から5のいずれかの項に記載の
    DNAからなる複製または発現ベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の複製または発現ベクター
    で形質転換された宿主細胞。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載されたポリペプ
    チドを発現させるための条件下で請求項7記載の宿主細
    胞を培養することからなる該ポリペプチドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1または2に記載されたポリペプ
    チドのモノクローナルまたはポリクローナル抗体。
  10. 【請求項10】 請求項1または2に記載されたポリペ
    プチドまたは請求項9記載の抗体および薬学的に許容さ
    れる賦形剤および/または担体を含有することを特徴と
    する薬学的組成物。
JP6164860A 1994-06-24 1994-06-24 新規なポリペプチド、その製造方法、そのポリペプチドをコードするdna、そのdnaからなるベクター、そのベクターで形質転換された宿主細胞、そのポリペプチドの抗体、およびそのペプチドまたは抗体を含有する薬学的組成物 Pending JPH08271A (ja)

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JP6164860A Pending JPH08271A (ja) 1994-06-24 1994-06-24 新規なポリペプチド、その製造方法、そのポリペプチドをコードするdna、そのdnaからなるベクター、そのベクターで形質転換された宿主細胞、そのポリペプチドの抗体、およびそのペプチドまたは抗体を含有する薬学的組成物

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100655244B1 (ko) * 2005-08-24 2006-12-08 현대자동차주식회사 일방향 클러치 기능을 가진 니들 롤러 베어링

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