JP2763026B2 - ヒトb細胞分化因子をコードする遺伝子系 - Google Patents

ヒトb細胞分化因子をコードする遺伝子系

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JP2763026B2 JP8206192A JP20619296A JP2763026B2 JP 2763026 B2 JP2763026 B2 JP 2763026B2 JP 8206192 A JP8206192 A JP 8206192A JP 20619296 A JP20619296 A JP 20619296A JP 2763026 B2 JP2763026 B2 JP 2763026B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトB細胞分化因
子をコードするDNA、該DNAを含んで成るベクタ
ー、及び該ベクターにより形質転換された宿主細胞に関
する。 【0002】 【従来の技術】B細胞分化因子(B cell differentiati
on Factor : BCD F : 特にマウスではT cell Replacing
Factor (TRF)ともよばれ、また最近はIL−5と
も呼ばれている)は、T細胞系列から産生され、B細胞
に直接作用し、これを抗体産生細胞に分化・誘導するポ
リペプチドからなる因子である。 【0003】抗体は、生体に侵入する細菌、ウイルスあ
るいは癌細胞などの生体異物と反応し、これらを不活性
化したり排除したりする機能をもっている。B細胞分化
因子は、特定抗原(生体異物)に特異的なB細胞クロー
ン即ち特定抗原に感作されたB細胞クローンを抗体産生
細胞に誘導して、該抗原に対する抗体を産生させること
から、BCDFは、種々の感染症および癌の治療の面か
ら有用な物質である。即ち、BCDFは、この因子の生
体内での過少によってひきおこされると考えられる自己
免疫疾患や免疫不全症等の診断、治療のみならず種々の
感染症や癌の治療に利用できることが期待される。 【0004】BCDFの活性には、種特異性があるとい
われている。従って本因子をヒトにおける上記のような
疾患、感染症、癌などの診断あるいは治療に用いるため
には、ヒト由来のBCDFを使用することが望まれる。
これまで、BCDFあるいはTRFに関していくつかの
研究がなされている。まず、マウスのBCDF(もしく
はTRF)については、R.W.Duttonら(Prog.Immunol.,
, 355 (1971)) およびA.Schimpl およびE.WecKer
(Nature, 237 ,15 (1972))によって報告された。その
後、ヒトにおいてもマウスのBCDF(もしくはTR
F)に相当する物質の存在がGeha, R.S.ら(J.Exp.Me
d., 138 , 1230(1973)), Fauci, A.S. ら(J.Immunol.,
117 , 2100 (1976))およびHirano, T.ら(J.Immunol.,
119 , 1235 (1977))によって報告されているが、以下
に述べるように構造についても不明な点が多く、また、
関与する遺伝子も不明のため、混沌とした状態である
(Kishimoto, T., Ann.Rev.Immunol., , 133 (198
5)) 。 【0005】従来、ヒトBCDFを得るには、ヒト末梢
血より分離した正常ヒトT−細胞をマイトゲン刺激して
培養することにより、その培養上清から得る方法がとら
れている(Hirano, T.ら、J.Immunol., 126 , 517 (198
1)およびRalph, P. ら、J.Immunol. 132 , 1858 (198
4))。上記のRalph, P. らは、マイトゲン刺激した正常
ヒトT細胞の3lの培養上清から、硫安沈澱、DEAE
セルロースカラムクロマトグラフィー(DE−52)、
ウルトロゲルカラムクロマトグラフィー(AcA4
4)、ブルーアガロースおよびレッドアガロースによる
アフィニティークロマトグラフィー、逆相高速液体クロ
マトグラフィーなどにより約11,000倍まで精製
し、ゲル濾過法による分子量が約20,000であるこ
とを測定したが、純粋なBCDFを得るまでには至って
おらず、また得られた量も極微量(3lの培養上清から
4.2μg)であった。 【0006】また、Okada, M. ら(J.Exp.Med., 157 ,
583 (1983)) は、正常ヒトT細胞とヒトT細胞株CEM
−AGR とを融合して得たヒトT細胞融合株の培養液か
らヒトBCDFを得る方法を報告しているが、一般にヒ
ト融合細胞株は、継代培養中に物質の産生能が低下する
傾向があり、実用面での物質生産には不向きと考えられ
る。ヒトBCDFには、BCDFIとBCDFIIの二種
類があり、各々の性質は下記の様に報告されている(Te
ranishi, T. らJ.Immunol., 128 , 1903 (1982) および
Hirano, T.ら、J.Immunol. 132 , 229 (1984)) 。即
ち、 【0007】BCDFI: 分子量:20,000(ゲル濾過法) PI:6.5〜8.0 作用:スタフィロコッカス アウレウス コワンI(St
aphylococcus aureusCowan I(SAC))刺激B細胞
(ブラスト化B細胞)を免疫グロブリン(Ig)産生細
胞に分化・誘導する。 BCDFII: 分子量:22,000、36,000(ゲル濾過法) PI:5〜6 作用 1)EBウイルスでトランスフォームさせたBリ
ンパ芽球様細胞(B−LCL)にIgG産生を誘導す
る。 2)BCDFI存在下にSACで刺激されたB細胞のI
g産生細胞への分化を増強する(BCDFII単独ではこ
の作用はない)。 【0008】最近、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTL
V)によりトランスフォームされたヒトT細胞の1株V
T−1を用いたヒトBCDFの生産方法が報告されてい
る(岸本忠三、平野俊夫、特開昭61−115024お
よび特開昭61−115025号)。これらの出願の発
明者らは、VT−1細胞の無血清培養上清10lより、
限外濾過、AcA−34ゲル濾過カラムクロマトグラフ
ィー、クロマトフォカシング、逆相クロマトグラフィー
を用いて、1042倍まで精製し(収率1.8%)、ヒ
トBCDFの分子量は3.5±0.5×104 ダルトン
(ゲル濾過法)または2.2±0.2×104 ダルトン
(SDSポリアクリルアミド電気泳動法)、等電点は
4.9〜5.1、またN末端部分のアミノ酸配列は、Pr
o-Val-Pro-Pro-Gly-Glu-Asp-Ser-Lys-Asp-Val-Ala-Ala-
であると報告している。 【0009】この精製BCDFは、その活性をEBウイ
ルスでトランスフォームさせた細胞であるCESSのI
gG生産量を指標にして精製している点および分子量や
PI値などからBCDFIIと考えられる。一方、前記の
Ralph, p. らが報告したヒトBCDFの分子量はゲル濾
過法で20,000ダルトンである。これはBCDFI
と考えられるが、その構造やその他の物理化学的性質は
明らかにされていない。また、上記のVT−1細胞を用
いたBCDFの生産方法は、既述のヒト末梢血からの細
胞やヒトT融合細胞を用いた方法に比べ改善はされてい
るが、多量の培養上清から得られるBCDF量は極微量
であり、またHTLV感染細胞を出発原料としている点
からも医薬を目的とする工業的生産には向いていない。
このように、ヒトB細胞分化因子(BCDF)に関して
は、その構造が明らかにされていないばかりか、物理化
学的性質ならびに機能について不明な点が多い。また、
それを大量に生産し実用に供することは従来の技術では
不可能であった。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、遺伝子組み
換え技術を駆使し、これらの問題を解決しようとするも
のである。即ち、本発明はヒトBCDF高生産細胞から
BCDF mRNAを単離し、BCDF生産を支配する
BCDF遺伝子(即ちDNA配列)、あるいはまた染色
体由来のBCDF遺伝子を明らかにすると共に、BCD
F分子の構造(アミノ酸配列)を明らかにすることによ
り、組み換えDNA技術でBCDFの大量生産および医
薬などへの応用の可能性を提供しようとするものであ
る。尚、本発明におけるヒトB細胞分化因子はBCDF
Iに相当するものであるが、本発明と同様な手法により
他のBCDFの構造も明らかにすることも出来よう。 【0011】 【課題を解決するための手段】ヒトBCDF遺伝子の調製と塩基配列の決定 本発明のヒトBCDF cDNAは、既に本発明者らに
よって調製されたマウスのB細胞分化因子の遺伝子(c
DNA)がクローニングされたプラスミドpSP6K−
mTRF23(特願昭61−157227号明細書)の
BamHI−AccI断片(マウスのB細胞分化因子の
遺伝子の全コーディング領域を含んでいる)をプローブ
として以下に述べるようにして得ることができる。尚、
プラスミドpSP6K−mTRF23が導入されている
大腸菌(HB101/pSP6K−mTRF23)は、
SBM285と命名され、微工研にFERM P−88
28の受託番号を得て寄託されている。 【0012】先ず、ヒト染色体DNAに、マウスのB細
胞分化因子遺伝子とハイブリダイズする配列が存在する
かどうかを確かめるため、例えば正常ヒト胎盤細胞より
抽出したDNAをPvuIIあるいはPstIで消化し、
上記のプラスミドpSP6K−mTRF23のBamH
I−AccI断片をニックトランスレイション法により
32Pでラベル後、これをプローブとしてサザーンブロッ
トハイブリダイゼイション(Southern blot hybridizat
ion )を行う。ヒト胎盤からのDNAをPvuIIで消化
した場合は3.0kbのDNA断片が、またPstIで消
化した場合は4.1kbのDNA断片が上記プローブとハ
イブリダイズすることが認められ、ヒト染色体にマウス
のB細胞分化因子遺伝子と類似の配列をもつDNAが存
在することが確認される。この結果は、上記のプローブ
を用いてヒトのBCDF cDNAをクローニングでき
ることを示すものである。 【0013】次に上記知見をもとにヒトBCDFのcD
NAライブラリーを調製する。先ず、Maeda, M. ら(J.
Exp.Med., 162 , 2169 (1985))によって確立されている
ヒトT細胞株ATL−2の培養細胞から常法(Nikaido,
T. ら、Nature, 311 , 631(1984)) に従い、ポリ
(A)+ RNAを調製し、pCDベクターを用いるOkay
ama-Berg法(Okayama, H. 及びBerg, P., Mol.cell.Bio
l., , 280 (1983)) に準じ、cDNAライブラリーを
調製する。 【0014】次にこのcDNAライブラリーをいくつか
の群に分け、それらからプラスミドDNAを分離し、S
alIまたはBamHIで消化したのち、上記のプロー
ブ( 32PでラベルされたBamHI−AccI DNA
断片)とサザーンブロットハイブリダイゼイション(So
uthern, E.M., J.Mol.Biol., 98, 503 (1975)) を行
い、マウスのB細胞分化因子の遺伝子とハイブリダイズ
するDNA断片をもつ群を選択する。続いて、ポジティ
ブとなった群の各クローンについて、上記のプローブを
用いて同様にサザーンブロットハイブリダイゼイション
を行うことにより、上記プローブとハイブリダイズする
クローンを選択する。 【0015】このポジティブなクローンには、ヒトBC
DFのcDNA遺伝子をもつプラスミドが含まれている
と考えられる。このようにして得られるポジティブなク
ローンの一つ(ph−IL−5−30)がもつプラスミ
ドはpCDVTRFと命名され、またそのプラスミドを
大腸菌HB101株へ導入した形質転換体(HB101
/pCDVTRF)はSBM286と命名され、微工研
にFERM BP−1171の受託番号を得て寄託され
ている。次にポジティブなクローンのプラスミドについ
て、制限酵素解析および上記プローブとのハイブリダイ
ゼーションにより、確かにマウスB細胞分化因子遺伝子
と類似したヒトBCDF cDNAがクローン化されて
いることを確認し、以下に記すようにそのDNAの塩基
配列を決定するとともに、そのDNAがヒトBCDF活
性を有する蛋白質(ポリペプチド)を生産する遺伝子で
あるかを調べる。 【0016】先ず、常法に従いそのクローンのプラスミ
ド(例えば、ph−IL−5−30)の制限酵素切断マ
ップを調べた後、ph−IL−5に挿入されているcD
NA(ヒトBCDF cDNA遺伝子を含む)を一旦p
UC18等の適当なプラスミドのBamHIサイトにク
ローニングしなおし、ジデオキシ法(Sanger, F.ら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci. USA, 74, 5463 (1977))に従って、
上記cDNAの塩基配列をきめる。本発明者らの実験に
よれば、上記方法によって、ヒトBCDFのcDNAを
含む図1のcDNA塩基配列が得られた。 【0017】ヒトB細胞分化因子をコードする領域の決
上記で得られたcDNA塩基配列にヒトB細胞分化因子
をコードする領域が含まれることは、次のようにして決
定した。即ち、この塩基配列のオープンリーディングフ
レームを探すとともに、既に本発明者らによって決定さ
れているマウスB細胞分化因子遺伝子の塩基配列と比較
することにより、ヒトB細胞分化因子(ヒトBCDF)
ポリペプチドをコードする領域とアミノ酸配列を決定す
る(図2)。そして、そのコーディング領域のアミノ酸
配列およびヒトBCDFが細胞外に分泌される蛋白質で
あることから、ヒトBCDFの前駆体ポリペプチドは、
N末端側に19個のアミノ酸からなるシグナルペプチド
(リーダー配列)を含む134個のアミノ酸からなるポ
リペプチドであることが分かった(図3参照)。即ち、
図3のアミノ酸配列のうち20〜134番目が成熟ヒト
BCDFポリペプチドである。 【0018】前駆体のアミノ酸配列中には、2ヵ所N−
グリコシル化可能部位(47番および90番のAsn)
および後述するとおり少なくとも1ケ所のO−グリコシ
ル化可能部位(22番のThr)があり、ここに糖鎖が
付加されることを考えると、上記の成熟ヒトBCDFポ
リペプチドの計算分子量(13,149)は、既に報告
されているヒトBCDFI(糖鎖が付加されている)の
分子量(約20,000)と矛盾は無い。尚、図3に示
すポリペプチドのN末端のMet(メチオニン)は、翻
訳後の修理過程(post translational modification pr
ocess )で、フォルミル化やアセチル化されることがあ
り、またMetが取り除かれたりすることもある。ま
た、上記の成熟ヒトBCDFポリペプチドのN末端のア
ミノ酸も同様な過程でアセチル化されることがある。 【0019】一方、前記のプラスミドph−IL−5−
30に挿入されているcDNA、即ち上記の如く同定し
たDNAがヒトBCDF活性を有する蛋白質(ポリペプ
チド)を生産する遺伝子であることは当該遺伝子を組み
込んだ発現ベクターによって形質転換された宿主細胞が
産生する蛋白質の活性を測定することによって知ること
ができるが、また以下のようにしても調べられる。 【0020】即ち、先ずプラスミドph−IL−5−3
0に挿入されているヒトBCDFcDNA全部を含むB
amHI DNA断片をpSP64ベクターに再クロー
ンする。pSP64は、挿入された外来遺伝子がSP6
プロモーター支配下にのみ発現されうるように改良され
たベクターであり、in vitroでSP6RNAポ
リメラーゼ存在下に挿入された外来遺伝子のmRNAを
合成することができる(Krieg, P.A. およびMelton, D.
A., Nucl.Acid.Res., 12, 7057 (1984) 、およびKonars
ka, M.M.ら、Cell, 38, 731 (1984)) 。 【0021】次にこのようにして、上記のcDNAから
in vitroで調製されるmRNA溶液を、アフリ
カツメガエル(Xenopus)の卵母細胞(oocy
te)に注射して培養し、培養上清に分泌されてくるm
RNAからの翻訳産物(蛋白質)のBCDF活性を測定
する。ヒトBCDF(特にヒトBCDFI)活性は、既
に記載したように、Staphylococcus aureus Cowan I
(SAC)で刺激したヒトB細胞のIgM産生誘導能を
コントロールと比較して調べることにより測定される。
このようにして上記のcDNAが、ヒトBCDF活性を
有する蛋白質(ポリペプチド)を生産する遺伝子である
ことが確かめられるとともに、本発明のDNAによる特
許請求の範囲に示すようなヒトBCDFポリペプチドの
大量生産の可能性を示す。 【0022】ヒトBCDFの発現 本発明によれば、上記のようにして調製された、遺伝子
配列を使用することにより、ヒトBCDFを製造するこ
とが可能である。例えば、ヒトBCDFをコードする遺
伝子としてcDNAを使用する場合には、cDNAの
5′側上流に適当な他のプロモーター(例えばSV40
由来のプロモーター)を挿入した発現ベクターを造成
し、適当な細胞(例えば、酵母細胞、大腸菌細胞、或い
はCOS−I細胞やCHO細胞等の動物細胞)でヒトB
細胞を分化させる蛋白質をつくることもできる。この場
合、前駆体蛋白質をコードするDNA領域を用いること
が好ましいが、成熟形蛋白質(ポリペフチド)をコード
するcDNA領域を用いてもよい。また、当該蛋白質を
コードするDNAの直近の5′上流に、適当な制限酵素
(例えばHindIII )切断部位を適当な方法、例えば
部位特異的ミュータジェネシス(site directed mutage
nesis )法を用いて設けておくと外来プロモーターの導
入が容易である。 【0023】本発明によれば、cDNAを用いる代わり
に、ヒト染色体からイントロンを含むヒトBCDF遺伝
子を調製し、これを用いて、上記と同様にしてヒトB細
胞を分化する蛋白質を製造することもできる。即ち、ヒ
トBCDF遺伝子を含むDNA断片を上記cDNAをプ
ローブとして、適当なヒト遺伝子ライブラリー(例え
ば、マニアティス(Maniatis)のヒト遺伝子ラ
イブラリー)から分離し、次にcDNAの場合と同様、
ヒトBCDFをコードするDNA領域の5′上流に適当
なプロモーターを挿入した発現ベクターを造成し、この
発現ベクターによって形質転換あるいはトランスフェク
ションされた細胞を培養することにより、ヒトBCDF
を効率よく製造することができる。 【0024】この場合の宿主細胞は、好ましくはスプラ
イス能力のある細胞が使用される。特に動物細胞が好ま
しい。なお、ヒト染色体由来のBCDF遺伝子が組み込
まれた発現ベクター(pdKCR−hIL−5gen
e)が導入されている大腸菌(HB101/pdKCR
−hIL−5gene)は、SBM 293と命名さ
れ、微工研に国際寄託番号FERM BP−1477を
得て寄託されている。 【0025】組換えヒトBCDFの精製 上記のようにして造成された動物細胞が産生する組換え
ヒトBCDFは、適当な方法、例えばモノクローナル抗
体を用いたアフィニティークロマトグラフィーやゲル濾
過、逆相高速液体クロマトグラフィーなどによって精製
することができる。本発明者らは、このようにして精製
・純化された組換えヒトBCDFを、アミノ酸配列分析
や電気泳動分析にかけ、このアミノ酸配列分析の結果お
よびヒトBCDFをコードする遺伝子の塩基配列からの
推定(例えば図2参照)に基づいて、成熟型ヒトBCD
Fのポリペフチド部分の構造は、前記のとおり図3の第
20番のIleから第134番のSerまでの配列を有
することを明らかにすると共に、その2次元的配列の推
定も行った(図16)。以下、実施例をもって本発明を
説明する。 【0026】 【実施例】 (1)ヒトBCDF遺伝子の確認 先に、本発明者らは、マウスBCDF(TRF)の産生
を司る遺伝子、即ちDNA配列を同定した(特願昭61
−157227号明細書)。そしてこの遺伝子によって
産生されるマウスTRFは、TRF活性〔1)マウス慢
性B白血病細胞(BCL1 )をIgM抗体産生細胞に分
化させる活性、2)抗原(DNP−KLH)感作させた
マウス脾臓内B細胞を抗原(DNP−オバルブミン)で
刺激し、特異的抗体(抗DNP−IgG)産生細胞に分
化させる活性、3)in vivoで活性化したB細胞
ブラストのIgM合成誘導活性〕およびBCGFII活性
〔1)BCL1 細胞の分裂促進、2)デキストラン硫酸
刺激休止B細胞の分裂促進〕をもっていることを明らか
にした。 【0027】マウスTRF mRNAに相補するcDN
Aを含むプラスミドpSP6K−mTRF23をBam
HIおよびAccIで消化して、654bpよりなるBa
mHI−AccIフラグメントを分離した。マウスBC
DF(TRF)の全コーディング領域を含んでいる、こ
のフラグメントをニックトランスレイションによって 32
Pでラベルしたものをプローブにしてヒト染色体DNA
のサザンブロットハイブリダイゼーションを常法(Sout
hern, E.M., J.Mol.Biol., 98, 503 (1975))に従って
行った。 【0028】ヒト染色体DNAは正常ヒト胎盤よりYaoi
ta, Y.およびHonjo, T. (Biomed.Res., , 164 (198
0)) に準じて抽出したのち、各々2μgをPvuIIまた
はPstIで消化してサザンブロットハイブリダイゼー
ションのために0.6%アガロースゲルで電気泳動し
た。泳動後、ゲル中のDNAはニトロセルロースフィル
ター(Schleicher & Schuel (Dassel)) に移し上記のプ
ローブとハイブリダイズさせた。 【0029】洗浄条件を0.1%SDSを含む2×SS
C(SSC:0.15M NaCl−0.015Mクエ
ン酸ナトリウム)、50℃、45分で行うと、PvuII
で消化した場合には3.0kbのDNAフラグメントが、
そしてPstIで消化した場合には4.1kbのDNAフ
ラグメントがマウスBCDFプローブとハイブリダイズ
することが判明した。このプローブは、マウス染色体D
NAのフラグメントには、よりストリンジェント(st
ringent)な条件でもハイブリダイズすることよ
り、ヒト染色体DNA中にマウスBCDF(TRF)c
DNAと全く同一ではないが相同性の高い配列があるこ
とが判明し、このプローブを用いてヒトBCDFのcD
NAクローンのスクリーニングが可能であると判断し
た。 【0030】(2)ヒトBCDF cDNAクローンの
分離 ヒトBCDFのcDNAライブラリーは下記の如く作成
した。M.Maeda ら(J.Exp.Med., 162 , 2169 (1985))が
成人性T細胞白血病患者の血液より樹立したヒトT細胞
株ATL−2をRPMI 1640+10%牛胎児血清
の培地中、37℃、5%CO2 中で培養して細胞を集め
た。この細胞より常法(Nikaido, T. ら、Nature, 311
, 631 (1984)) に従い、ポリ(A)+ RNAを調製し
た。このポリ(A)+ RNA 3μgを用いてcDNA
ライブラリーを作成したが、方法はpCDベクターを用
いるOkayama-Berg法(Okayama, H. およびBerg, P., Mo
l.Cell.Biol., , 280 (1983)) に準じ、大腸菌(E.
coli HB101株)の形質転換体として2×10
5 個の独立のcDNAクローンを得た。 【0031】この2×105 個のcDNAクローン中に
ヒトBCDF遺伝子に相当するcDNAが存在するかど
うかを調べるため、全形質転換体の混合物からプラスミ
ドDNAを調製し、各々2μgのDNAをSalIまた
はBamHIで消化し、上記の方法によりサザンブロッ
トハイブリダイゼーションを行った。その結果、pCD
ベクターに1カットを入れるSalI消化では4.1kb
のDNAフラグメントがハイブリダイズし、これに対し
てインサートされたcDNAのほぼ両端の位置で切断す
るBamHI消化では1.0kbのDNAフラグメントが
ハイブリダイズすることが判った。 【0032】これらの結果からcDNAライブラリー中
にヒトBCDF遺伝子に相当するDNA配列を持つクロ
ーンが含まれていることが示唆された。そこで前記マウ
スのプローブを用いて上記の2×105 個のcDNAク
ローンを常法のコロニーハイブリダイゼイション(Hana
han, D. およびMeserlson M., Gene, 10, 63 (1980))に
準じてスクリーニングした。スクリーニングの結果29
クローンがマウスBCDF(TRF)cDNAプローブ
とハイブリダイズし、この29クローンのプラスミドD
NAのエンドヌクレアーゼ切断マップおよびエンドヌク
レアーゼで消化したDNAフラグメントの上記プローブ
を用いたサザンハイブリダイゼーションの結果、この2
9クローンは全て同一と判断された。 【0033】(3)ヒトBCDF cDNAの塩基配列
決定およびヒトBCDF cDNAのポリペプチドのア
ミノ酸配列 上記29クローンのうちの一つph−IL−5−30を
更に詳細に調べた。制限エンドヌクレアーゼ切断マップ
を常法に従い調べた後、ph−IL−5−30に挿入さ
れたcDNAを一旦pUC18プラスミドのBamHI
サイトにサブクローニングし、cDNAのDNA配列を
常法に従いジデオキシ法(Sanger, F.ら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci. USA, 74, 5463 (1977))によって決定した。そ
の結果、挿入されたcDNAはポリAテールを除く81
6の塩基対よりなることが判った。 【0034】この結果とマウスのBCDF(TRF)の
DNA配列を比較することによってヒトBCDFのコー
ディング領域を決定し、ヒトBCDFの前駆体が134
個のアミノ酸からなると決定された。ヒトBCDFはT
細胞外に分泌されるためにこの134個のアミノ酸配列
中、N末端配列にシグナル配列を含むことが予想され、
成熟したヒトBCDFは上記134個のアミノ酸配列中
20番目のアミノ酸から134番目までのアミノ酸より
なるポリペプチドを含む分子であると考えられる。 【0035】このアミノ酸配列中には、2ヵ所のN−グ
リコシル化可能部位(図3中、47番および90番のA
sn)および少なくとも1ケ所のO−グリコシル化可能
部位(図3中、22番目のThr)があり、この付加の
可能性のある糖の分子量とポリペプチドの分子量(20
番〜134番のポリペプチドで13,149)を加算す
ると、BCDFIの分子量として報告されている20,
000に矛盾しない。マウスBCDF(TRF)と比較
すると、前駆体ではヒトBCDFのアミノ酸数は一つ多
い。ヒトBCDFの二個所のN−グリコシル化の可能サ
イトはマウスBCDFの1番目と3番目のN−グリコシ
ル化可能サイトと一致する。マウスBCDF(TRF)
中の三つのシステイン残基のうち、C末端側の二つのシ
ステイン残基はヒトBCDFにおいても保存されてい
る。マウスおよびヒトのBCDFのコーディング領域の
ヌクレオチドおよびアミノ酸配列は各々78%および7
0%の相同性を持つ。 【0036】ph−IL−5−30のPstIフラグメ
ント(515bp)をニックトランスレイションによって
32Pでラベルしたものをプローブに用いて前記のヒト染
色体DNAのPvuIIまたはPstIで消化したDNA
フラグメントについて前記のとおりサザンブロットハイ
ブリダイゼーションを行った結果、マウスBCDFプロ
ーブを用いた時と同様、それぞれ4.1kbおよび3.0
kbのフラグメントとハイブリダイズした。ヒトのプロー
ブを用いた場合、洗浄条件を0.1×SSC−0.1%
SDS、65℃、45分というストリンジェントな条件
にしても充分なハイブリダイズがなされた。 【0037】また、このヒトのプローブを用いてATL
−2ポリ(A)+ RNAを常法に従い(Thomas, D.D.,
Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 77, 5201 (1980))、ノーザ
ンブロットハイブリダイゼーションを行った結果1.0
kbのただ1本のバンドを認めた。このことは、本発明者
らが同定したヒトBCDF遺伝子がヒト染色体DNA配
列中、マウスBCDF(TRF)遺伝子に特異的な相同
遺伝子であること、またこのヒトBCDF遺伝子からは
ただ一種類のmRNAのみしか翻訳されていないことを
示している。 【0038】(4)ヒトBCDF活性の測定 上記のようにして同定したヒトBCDF遺伝子がその生
産を支配しているポリペプチドあるいはそのポリペプチ
ドよりなる物質にヒトBCDFI活性があることを以下
の方法で確認した。プラスミドph−IL−5−30の
ヒトBCDFcDNAインサート全部と小部分のベクタ
ーDNAを含むBamHI DNAフラグメントをpS
P64ベクターに再クローンした。このプラスミドをS
alIで消化した後、SP6RNAポリメラーゼを用い
てin vitroでmRNAを合成させた(Krieg,
P.A. およびMelton, D.A., Nucleic Acid Res., 12, 7
057 (1984) ;およびKonarska, M.M.ら、Cell, 38, 731
(1984)) 。 【0039】このようにして調製したmRNA溶液をア
フリカツメガエル(Xenopus)の卵母細胞(oo
cyte)に注射し、20℃48時間培養後、培養液中
に分泌された生成物を集めて遠心分離して、その上清を
濃縮装置(Centricon 10;Amicon社製)で4倍に濃縮し
たものをヒト・リコンビナントBCDFとして、以下の
実験に用いた。このヒト・リコンビナントBCDFがB
CDFI活性を持つか否かをSACで刺激したヒトB細
胞のIgM産生誘導能で調べた。ヒトB細胞に富むフラ
クションを正常ヒト血液からSaiki, O. およびRalph,
P., Eur.J.Immunol., 13, 31 (1984))に準じて調製
し、1×105 細胞/100μlの細胞をSAC(0.
001〜0.0025%)で刺激した。次いで上記ヒト
・リコンビナントBCDFを15%濃度になるよう添加
し、37℃、5%CO 2 下、6日間培養した。 【0040】培養上清中のIgM量をエンザイムイムノ
アッセイキットで測定したところ、110ng/ウェルの
値が認められ、コントロールが約50ng/ウェルであっ
たのに対し、有意にIgM産生が誘導された。この誘導
はIL−2(50u/ml)添加によって135ng/ウェ
ルまで増強された。コントロールにもIgM産生が認め
られたのは、完全にT細胞を含まないB細胞フラクショ
ンを得ることが困難なためと考えられる。 【0041】(5)ヒトBCDF染色体遺伝子の単離・
同定 既に、実施例(1)で正常ヒト胎盤細胞の染色体にヒト
BCDF遺伝子の存在を認めていたが、ここでは別の供
給源からヒトBCDF染色体遺伝子を単離した。即ち、
その供給源として、ヒト胎児肝臓DNAのAluI−H
aeIII 部分消化断片を持つシャロン4Aファージライ
ブラリー(Maniatis, T.ら、Cell, 15,687-702(197
8))、ヒト胎盤DNAのEcoRI部分消化断片をもつ
シャロン4Aファージライブラリー(Yaoita, Y.および
Honjo, T., Biomed.Res., 164(1980) に準じて作製)
およびヒトIgE産生ミエローマ細胞株266B1のD
NAのEcoRI部分消化断片を持つシャロン4Aファ
ージライブラリー(Nishida, Y. ら、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA, 79, 3833-3837(1982))を選んだ。 【0042】次に、この3種のライブラリーを用いて、
既述のヒトBCDF cDNAのPstI−PstI断
片(515bp)をプローブとしてファージのスクリーニ
ングを、ベクトンおよびデービス(Becton, W.D.および
Davis, R.W., Science, 196, 180-182(1977))の方法に
準じて行った。胎児肝臓、胎盤及びミエローマの各々の
ライブラリーより各5×105 個のファージプラークを
スクリーニングしてプローブとハイブリダイズする3個
のクローンλ12(胎児肝臓ライブラリーより)、λ2
2(胎盤ライブラリーより)およびλ38(ミエローマ
ライブラリーより)を得た。 【0043】続いて、この3個のクローンの制限エンド
ヌクレアーゼ切断地図を常法に従い作製し、ヒトBCD
F cDNAのPstI−PstI断片をプローブとし
て用いたサザンブロットハイブリダイゼーション(So
uthern blot hybridizatio
n)分析した。分析のストラテジーおよびヒトBCDF
遺伝子の構成を図4に示すが、図中E,HおよびBは各
々EcoRI,HindIII およびBamHIによる切
断部位を示し、黒ボックス部はエクソン領域を示す。こ
の分析の結果によれば、これら3個のクローンのインサ
ートは互いにオーバーラップしており、図4に示す各ク
ローンに共通の3.2kb BamHI断片のみが上記の
プローブとハイブリダイズした。従ってこの3.2kb
BamHI断片にヒトBCDFをコードする全てのエク
ソンが含まれていると考え、この3.2kb BamHI
断片を分離し、HindIII で消化後2つになった1.
6kb断片の各々をpUC18ベクターにサブクローニン
グした。 【0044】次いで、Yanisch-Perron, C.ら(Gene, 3
3, 103-119(1985))に従い、上で得られた2個の1.6k
b断片をクローンしたプラスミドの各々を両端からエク
ソヌクレアーゼIII 及びVII で消化して、ユニディレク
ショナルディリーション(unidirectiona
l deletion)ミュータントクローンのシリー
ズを作製した。このミュータントプラスミドのインサー
トのヌクレオチド配列は、常法(Sanger, F.ら、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA, 74, 5463-5469(1977) に従い、ジデ
オキシチェインターミネーション(dideoxy c
hain−termination)法によって決定し
た。 【0045】ヒトBCDF染色体遺伝子の制限エンドヌ
クレアーゼ地図及び4個のエクソンと3個のイントロン
の配置(organization)も、ヌクレオチド
配列分析のストラテジーと共に図4に示す。また、実際
のヒトBCDF遺伝子を含むBamHI 3.2kb断片
のヌクレオチド配列を図5〜図9に示す。ここで明らか
になったヒトBCDF染色体遺伝子上のエクソン部分の
ヌクレオチド配列は、先に明らかにしたヒトBCDF
cDNAのヌクレオチド配列と完全に一致した。 【0046】上記の結果から、染色体遺伝子において、
第1エクソンは、ヒトBCDF前駆体ポリペプチド鎖の
N末端側の第1アミノ酸(Met)から第48アミノ酸
(Glu)迄を、第2エクソンは第49アミノ酸(Th
r)から第59アミノ酸(Asn)迄を、第3エクソン
は第60アミノ酸(His)から第102アミノ酸(L
ys)迄を、そして第4エクソンは第103アミノ酸
(Lys)から第134アミノ酸(Ser)迄をそれぞ
れコードしていることが分かった。 【0047】(6)ヒトBCDF発現ベクターの造成 実施例(2)で取得したヒトBCDF cDNAおよび
実施例(5)で取得したヒトBCDF染色体遺伝子を用
いて、次の4種類の動物細胞発現ベクターを作製した。 pdKCR−hIL−5cDNA pdKCR−hIL−5cDNA−dhfr pdKCR−hIL−5gene pdKCR−hIL−5gene−dhfr 【0048】A)pdKCR−hIL−5cDNAおよ
びpdKCR−hIL−5cDNA−dhfrの作製
(図10) 実施例(2)で、オカヤマ−ベルグ法(Okayama, H. お
よびBerg, P., Mol.Cell Biol., ,280(1983))に従
い、pCDベクターにcDNAをクローニングし、E.
coli HB101形質転換クローンph−IL−5
−30を得た。このクローンよりプラスミドを分離し、
BamHI消化およびPstIでの部分消化を行い、ヒ
トBCDFの全コーディング領域を含むcDNAである
BamHI−PstI断片を得た。この断片をファージ
M13mp19DNAのBamHI,PstIサイト間
にクローニングし、M13mp19−hIL−5cDN
Aを得た。 【0049】次いで、ヒトBCDFコーディング領域の
直近の5′上流にHindIII サイトを導入する目的
で、図11に示すヒトBCDF cDNAのDNA配列
中の2重下線を引いた部位で、同図に示す配列と逆方向
のDNAストランドとハイブリダイズする30merの
オリゴヌクレオチド:5′−GCAGAACGTTTCAAGCTTATGAGG
ATGCTT−3′(下線部のAAGCTTはHindIII 切
断配列を示す)を用いて常法(Messing, J. in Methods
in Enzymology, vol. 101 Part C, pp62-65 (Academic
Press, Ed. Wu, R.))に従い、部位特異的ミュータジ
ェネシスを行い、クローンM13mp19−hIL−5
cDNA(HindIII )を得た。 【0050】このファージDNAをHindIII で消化
し、ヒトBCDFの全コーディング領域に相当するcD
NAを含むHindIII 断片をベクターpdKCR(Ni
kaido, T. ら、Nature, 311, 631−635 (1984):pdK
CRベクターはpKCRベクターのpBR322部分が
pBR327に置換したベクターである)のHindII
I サイトに正しい方向に導入し、発現ベクターpdKC
R−hIL−5−cDNAを作製した。 【0051】次に、この発現ベクターpdKCR−hI
L−5cDNAのSalIサイトにジヒドロ葉酸レダク
ターゼ(dihydrofolate reducta
se:dhfr)遺伝子発現ユニットを導入する目的
で、pdKCR−hIL−5cDNAプラスミドをSa
lIで消化後、T4DNAポリメラーゼで切断部位を粘
着末端とした。dhfr遺伝子発現ユニットは、pSV
2 dhfr(BRL Inc.)のPvuIIサイトにB
amHIリンカーを付加したプラスミドpSV2dhf
r−BLを作製し、これをBamHIで消化後、T4D
NAポリメラーゼで切断部位を粘着末端として、dhf
r遺伝子発現ユニット断片を分離した。この断片を先に
得た1カットの入ったpdKCR−hIL−5cDNA
に連結して、pdKCR−hIL−5−dhfrを作製
した。 【0052】B)pdKCR−hIL−5gene及び
pdKCR−hIL−5−gene−dhfrの作製
(図12) 実施例(5)で得たヒトBCDF遺伝子を有するファー
ジクローンλ12から、ヒトBCDFをコードする全遺
伝子領域を含む3.2kbBamHI断片を分離してpU
C18ベクターにサブクローニングし、形質転換体pU
C18−hIL−5geneを得た。この形質転換体の
プラスミドをBamHIおよびPstIで消化し、ヒト
BCDFをコードする全遺伝子領域を含むBamHI−
PstI断片(2.2kb)を得た。この断片をファージ
M13mp19DNAのBamHI,PstIサイト間
にクローニングし、M13mp19−hIL−5gen
eを得た。 【0053】次いで、前記A)と同様に、部位特異的ミ
ュータジェネシスを行い、ヒトBCDFコーディング領
域の直近の5′上流にHindIII サイトが導入された
クローンM13mp19−hIL−5gene(Hin
dIII )を得た。このファージDNAをBamHIとP
stIで消化し、ヒトBCDF遺伝子をpUC19にサ
ブクローニングして得たプラスミドpUC19−hIL
−5gene(HindIII )を更にHindIII で部
分的に消化して、ヒトBCDFをコードする全遺伝子領
域をベクターpdKCRのHindIII サイトに正しい
方向で導入して、発現ベクターpdKCR−hIL−5
geneを作製した。 【0054】次いでこの発現ベクターのNruIサイト
にdhfr遺伝子発現ユニットを導入する目的でpdK
CR−hIL−5geneプラスミドをNruIで消化
し、生成した粘着末端に前記A)で得られたdhfr遺
伝子発現ユニット断片を連結させて、pdKCR−hI
L−5gene−dhfrを作製した。以上で作製した
4種の発現ベクターは、SV40(Simian vi
rus40)アーリープロモーターによりヒトBCDF
およびdhfrの発現が司られており、また、SV40
の複製オリジンを含んでいる。さらに、発現量を増強さ
せるため、ヒトBCDF cDNA及びヒトBCDF遺
伝子共に5′および3′非翻訳領域の不必要な部分が除
去されている。 【0055】(7) 動物細胞によるヒトBCDFの発
実施例(6)で作製されたヒトBCDF発現ベクターを
用いて、COS−I細胞およびCHO細胞でヒトBCD
Fの発現を行わせた。動物細胞株COS−I(サル腎臓
細胞)は、10%の牛胎児血清を含むダルベッコの修正
エッセンシャル培地で継代を行い、50〜70%コンフ
ルエントの状態の細胞を用いて、Graham, F. L. および
van der Eb, A. J. (Virology, 52, 456−467 (1973))
に準じて、リン酸カルシウム法でトランスフェクション
を行った。直径10cmの培養シャーレの細胞当たり各々
10μgの、実施例(6)で得られた4種類の発現ベク
ターを使用した。 【0056】3日間、37℃、5%CO2 下で培養を行
い、上清のBCDF活性を調べると共に、細胞からFree
man ら(Proc.Natl.Acad.Sci. USA,80,4094 (1983))
に従ってRNAを抽出した。得られたRANを用いて、
Nambu,J.R.ら(Cell, 35,47-56(1983))に従いノーザ
ンブロット分析を行い(20μgRNA/レーン)、ヒ
トBCDFmRNAの発現量を調べた。用いたプローブ
は、ヒトBCDFの全コーディング領域を含むM13m
p19−hIL−5cDNA(HindIII )の、Hi
ndIII −PstI断片である。CHO(チャイニーズ
ハムスター卵巣)細胞での発現はCHOdhfr- 株を
用いて行った。細胞は10%の牛胎児血清を含むMEM
α+ (GIBCO)で継代をし、上記と同様にトランス
フェクションを行った。用いた発現ベクターはpdKC
R−hIL−5cDNA−dhfrおよびpdKCR−
hIL−5gene−dhfrである。 【0057】トランスフェクション後48時間培養を行
い、weissman, C. (Nucleic AcidsRes. 11, 687 (198
3)) に従い、10%透析牛胎児血清を含むMEMα
- (GIBCO)で培養選別後、培養液にメトトレキセ
ート0.1μMを添加し、更に数日培養を行ってメトト
レキセートに耐性のコロニーを分離し、継代後その上清
のBCDF活性を調べた。高発現細胞株を得る目的で、
Simonsen, C.C.およびLevinson, A.D. (Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA, 80, 2495-2499 (1983)) に従い、継代培養
液に更に高濃度のメトトレキセートを段階的に1mMまで
添加し、ヒトBCDF産生細胞株を樹立した。 【0058】ヒトBCDFのアッセイ方法は、T cell r
eplacing factor の活性測定方法をとり、Kinashi,T.ら
(Nature,324,70-73(1986))にしたがった。アッセイ
に用いた細胞は、BCL1 マウス慢性B白血病細胞(in
vivo 継代株或いはBCL1クローン5B1 b(ATC
C TIB197))であり、この細胞をサンプル希釈
系列と混和し、5×10-3個/200μl ずつ96穴平
底プレート中で48時間5%CO2 、37℃で培養し
た。 【0059】培地は10%牛胎児血清を含むRPMI−
1640であり、5×10-5Mの2−メルカプトエタノ
ール、50U/mlのペニシリンG、50μg /mlのスト
レプトマイシンを含んでいる。48時間後、細胞を遠心
で集め、ハンクス液で洗浄後、200μl /穴に懸濁
し、その半量の100μl の細胞を用いてプロテインA
プラークアッセイをGronowicz,E.ら(Eur.J.Immunol.,
6 ,588-590(1976))に従って行い、IgM産生細胞数
を測定した。BCL1 細胞がマウス由来であるため、上
記アッセイ法ではヒトBCDFの測定感度はマウスBC
DFに比して劣る(精製標品を用いた結果では、約1/
100が、測定可能であった。 【0060】COS−I細胞をpdKCR−hIL−5
cDNA及びpdKCR−hIL−5geneの発現ベ
クターでトランスフェクションし、3日後の両細胞のヒ
トBCDF mRNAをノーザンブロット分析により分
析すると、両者共に1kbに相当する位置にハイブリダイ
ゼーションバンドを認めた。このことはCOS−I細胞
中でヒトBCDF遺伝子の転写物が正しくスプライスさ
れていることを示した。又ヒトBCDF mRNAの発
現量は、驚くべきことに、COS−I/pdKCR−h
IL−5geneの方がCOS−I/pdKCR−hI
L−5cDNAに比して約20倍高かった。 【0061】また、BCDF活性を表すプロティンA・
プラークアッセイ(PFC No.)でも、上記ノーザ
ンブロット分析と同様の傾向が観察された。即ち、両発
現ベクターでトランスフェクションし、3日間培養した
COS−I細胞の培養上清の20%と共に培養したBC
1 細胞のプラーク形成数を調べたところ表1に示すよ
うに、コントロール(宿主細胞COS−I)との差で比
較すると、COS−I/pdKCR−hIL−5gen
eの方が、COS−I/pdKCR−hIL−5cDN
Aより約17倍も高いプラーク形成数を与えた。 【0062】 【表1】 【0063】このことは、pdKCR−hIL−5ge
neの方がpdKCR−hIL−5cDNAによるより
トランスフェクション効率が高いことに起因する可能性
を否定は出来ないが、むしろヒトBCDF遺伝子のイン
トロン部分にSV40プロモータに働く未知の増強機能
が存在していることを示唆している。 【0064】(8)ヒトBCDFの精製と物性 COS−I細胞をpdKCR−hIL−5geneでト
ランスフェクションし、3日間後の培養液640ml
(直径10cmの培養シャーレ64枚分)よりヒトBC
DFの精製を行った。培養液を遠心後、上清をラット抗
マウスBCDF(IL−5)モノクローナル抗体を担体
セルロファイン(チッソ(株))に結合させたアフィニ
ティーカラム(3mlベッド要領)にかけ、ヒトBCDF
をカラムに吸着させた(ヒトBCDFによるBCL1
胞のIgM産生細胞への変換は、抗マウスBCDF抗体
により完全に抑制されたので、本アフィニティーカラム
を精製に使用した)。 【0065】次いでこのカラムを次の順序に従って洗浄
した。 1M NaCl 50ml、 0.5% NP−40,50ml、 PBS(ph7.2),50ml、 H2 O,50ml。 【0066】次に、4mlの1M酢酸を使って吸着された
ヒトBCDFを溶出し、溶出液をスピードバックコンセ
ントレーターによって100μl まで濃縮した。この濃
縮液をSuperose12カラム(ファルマシア)を2連結し
たHPLCにかけ、ゲル濾過による精製を行った。カラ
ムは予め、PBS(pH7.2)で平衡化を行い、同じ緩
衝液で溶出した(流速0.3ml/分)。溶出液をOD
210 とバイオアッセイでモニターし、活性画分を分子量
40K付近に回収した。その溶出パターンを図13に示
す。図中、斜線部分はBCDF活性を有する画分を示
し、実線は蛋白質を、点線はBCDF活性を各々示し、
矢印は標準分子量蛋白質(分子量マーカー)の溶出位置
を示す。 【0067】この活性画分をセンシューパックVP−3
04−1251(センシュー科学、プロテインC4 に相
当)による逆相HPLCにかけた。吸着されたヒトBC
DFを0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)存在下、溶
出液のアセトニトリル濃度を0%から80%に直線的に
上昇させることにより溶出した(流速0.5ml/分)。
その溶出パターンを図14に示す。図中、斜線部分は、
BCDF活性を有する画分を示し、点線はアセトニトリ
ルの濃度を示す。精製されたヒトBCDFはアセトニト
リル55%付近の溶出位置に回収された。収量は約3μ
gであった。 【0068】こうして、精製されたヒトBCDFについ
て、0.15μg/50μl/レーンでSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動による分子量測定を行った。
その泳動パターンを図15に示す。図中、4)は分子量
マーカーのレーンであり、1)〜3)のレーンには次の
処理を行った精製ヒトBCDFを泳動させた。 1)精製直後のサンプル、2−メルカプトエタノール及
び熱による処理をしていない、 2)精製直後のサンプル、2−メルカプトエタノール処
理を行い、熱処理はしていない、 3)精製後溶出液中で、4℃2週間保存したサンプル、
2−メルカプトエタノール及び熱による処理をしていな
い、 【0069】図15に示すとおり、2−メルカプトエタ
ノール処理及び熱処理をしないヒトBCDFサンプルで
はゲル濾過の結果と一致して約40Kの単一バンドを示
したが、このサンプルを2−メルカプトエタノール処理
をすると(熱処理はしない)、ゲル上の分子量は約20
Kの単一バンドとなった。また、溶出液(0.1%TF
A、約55%アセトニトリル)中、4℃で2週間保持し
た後にも酸化的条件にもかかわらずゲル上の分子量は約
20Kの単一バンドとなった。このことは活性体のヒト
BCDFが単量体の分子量約20Kよりなる2量体(分
子量約40K)であることを示す。 【0070】精製したヒトBCDFの2μg(単量体と
して約100pmole)を使い、N末端アミノ酸配列
の決定をHewick, R. M. ら(J. Biol. Chem., 256, 799
0-7997(1981))に準じて、ガス−フェイズプロテイン
シークエンサーを用いて行った。各サイクルで得られた
フェニルチオヒダントイン(PTH)アミノ酸を逆相系
HPLCで分析し、N末端より27番目のアミノ酸迄の
配列を第2表に示すとおり決定した。 【0071】 【表2】 【0072】この結果は、実施例(3)で示したヒトB
CDF cDNAのヌクレオチド配列から予想した13
4個のアミノ酸からなるヒトBCDF前駆体は、動物細
胞からの分泌時にN末端より19番目のアミノ酸である
アラニンのC末端でリーダー配列が切断され(図3)、
COS−I細胞あるいはおそらくそのナチュラルなソー
スであるT細胞からは、イソロイシンをN末端アミノ酸
に持ち、単量体が115個のアミノ酸からなる2量体の
糖蛋白質として分泌されることを示すものである。 【0073】なお、7番目、14番目および20番目に
スレオニン(Thr)が検出されたにもかかわらず、塩
基配列からスレオニンと判断される3番目のアミノ酸が
検出されなかったことは、この3番目のアミノ酸残基に
糖鎖が付加されていることを強く示している。この糖鎖
はO−グリコシド結合で付加していると考えられる。以
上よりCOS−I細胞によって発現された成熟した組換
え(recombinant)ヒトBCDFの性質を次
に示すが、単量体のアミノ酸配列の推定された2次元的
配列を図16に示す。 【0074】 N末端アミノ酸配列がイソロイシンよ
り始まる一種類であること、自然状態での分子量は約4
0Kであり、2−メルカプトエタノール処理又は0.1
%TFA−55%アセトニトリルでの長時間処理後では
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲル上で約20K
を示すことから、ヒトBCDFのペプチド部分はホモダ
イマーよりなる。 成熟したヒトBCDFのペプチド部分はイソロイシ
ンから始まる115個のアミノ酸よりなり、単量体のペ
プチド部分の分子量は13,149である。 【0075】 成熟したヒトBCDFは2量体性の糖
蛋白質である。このことは、成熟ヒトBCDFのアミノ
酸配列中N末端から28番目及び71番目のアスパラギ
ンがN−グリコシド化を受ける可能性のある配列である
こと、又3番目のスレオニンがアミノ酸配列決定におい
て検出出来なかったことより、O−グリコシド化を受け
ていると考えられること、単量体の分子量がSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動ゲル上で約20Kであ
り、ペプチド部分の分子量13,149と開きがあるこ
となどから推察される。従って、成熟ヒトBCDF単量
体には分子量の合計が約7,000弱の糖鎖が結合して
いると考えられる。 【0076】 成熟ヒトBCDFのアミノ酸配列中、
N末端から44番目及び86番目のシステインの状態は
不明であるが、0.1%TFA−55%アセトニトリル
の長時間処理で酸化条件にもかかわらず、SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動ゲル上で単量体に相当する
分子量を示すことから、2量体の形成は分子間のS−S
架橋によるものではないと考えられる。しかし、2−メ
ルカプトエタノール処理で速やかにSDSポリアクリル
アミドゲル電気泳動ゲル上で単量体に解離することよ
り、S−S架橋が単量体の分子内に存在し、2量体形成
に必要なコンフォメーション保持を司っていることが考
えられる。これらの観察より44番目のシステインと8
6番目のシステインは分子内架橋を形成しているのでは
ないかと推察される。 【0077】 ヒトBCDF遺伝子の解析から判った
エクソン−イントロン構造より、成熟ヒトBCDFの第
1アミノ酸(Ile)から第29アミノ酸(G1u)迄
が第1エクソン、第30アミノ酸(Thr)から第40
アミノ酸(Asn)迄が第2エクソン、第41アミノ酸
(His)から第83アミノ酸(Lys)迄が第3エク
ソン、第84アミノ酸(Lys)から第115アミノ酸
(Ser)が第4エクソンに由来している。 ヒトBCDFの精製は、COS−I細胞のトランジ
エント・エクスプレッション(transient e
xpression)による培養液640mlから出発し
て、純粋なヒトBCDFを約3μg得た。COS−I細
胞のトランスフォーメーションの効率が約10-3である
ことを考えると、CHO/pdKCR−hIL−5ge
ne−dhfr細胞株の発現量はヒトBCDFの医療等
へのより広範囲の利用を目的とした生産株となり得ると
考えられる。 【0078】 【発明の効果】本発明によればヒトBCDFI活性を示
す物質をコードするDNA配列およびそのポリペプチド
部分の構造が明らかにされ、DNA組み換え技術を用い
たヒトBCDFの大量生産の可能性が提供された。本発
明の方法で得られる組換えヒトBCDFは、感染症や免
疫不全症などの治療に有用な薬剤として、そのまま或い
は薬学的に許容できる担体とともに薬剤組成物として患
者に投与することが可能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、クローン化されたph−IL−5−3
0に挿入されているヒトBCDFのcDNA遺伝子を含
むcDNAの塩基配列図である。 【図2】図2は、図1の塩基配列中のヒトBCDFポリ
ペプチドをコードする領域を、そのコードするアミノ酸
配列とともに示す図である。 【図3】図3は、図2の下段に示したアミノ酸配列(ヒ
トBCDF前駆体のアミノ酸配列)中における、成熟ヒ
トBCDFポリペプチド部分およびリーダー配列部分を
説明するための図である。 【図4】図4は、ヒトBCDF遺伝子の塩基配列解析の
ストラテジーおよび当該遺伝子の構成を示す図である。 【図5】図5は、ヒトBCDF染色体遺伝子(BamH
I 3.2kb断片)の全塩基配列の内の一部分を示す図
である。 【図6】図6は、ヒトBCDF染色体遺伝子(BamH
I 3.2kb断片)の全塩基配列の内の一部分を示す図
である。 【図7】図7は、ヒトBCDF染色体遺伝子(BamH
I 3.2kb断片)の全塩基配列の内の一部分を示す図
である。 【図8】図8は、ヒトBCDF染色体遺伝子(BamH
I 3.2kb断片)の全塩基配列の内の一部分を示す図
である。 【図9】図9は、ヒトBCDF染色体遺伝子(BamH
I 3.2kb断片)の全塩基配列の内の一部分を示す図
である。 【図10】図10は、cDNA発現ベクターpdKCR
−hIL−5cDNAおよびpdKCR−hIL−5c
DNA−dhfr構築の過程を示す図である。 【図11】図11は、ファージM13mp19DNAの
BamHIとPstIサイトに挿入されるヒトBCDF
cDNAの塩基配列を示す図である。 【図12】図12は、ヒトBCDF発現ベクターpdK
CR−hIL−5geneおよびpdKCR−hIL−
5gene−dhfr構築の過程を示す図である。 【図13】図13は、組換えヒトBCDFのSuper
ose12HPLCカラムでのゲル濾過による溶出パタ
ーンを示すグラフである。 【図14】図14は、組換えヒトBCDFのセンシュー
パックVP−304−1251カラムでの逆相HPLC
による溶出パターンを示すグラフである。 【図15】図15は、精製された成熟組換えヒトBCD
FのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動染色パター
ンを示す図である。 【図16】図16は、成熟型組換えヒトBCDF単量体
のポリペプチド部分のアミノ酸配列の推定された2次元
構造を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 14/54 A61K 37/02 ADZ (C12N 1/21 C12R 1:19) (56)参考文献 NUCLEIC ACIDS RE S.,VOL.14,NO.22 (1986) P.9149−9158 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/09 C07K 14/54 BIOSIS(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.次のアミノ酸配列(I): 【化1】を有するヒトB細胞分化因子又はその前駆体をコードす
    るDNA。 2.次の塩基配列(II): 【化2】 を有する請求項1に記載のDNA。 3.染色体遺伝子である、請求項1に記載のDNA。 4.次のアミノ酸配列(I): 【化3】を有するヒトB細胞分化因子又はその前駆体をコードす
    るDNAを含んで成るベクター。 5.前記DNAが次の塩基配列(II): 【化4】 を有する、請求項4に記載のベクター。 6.ph−IL−5−30である、請求項4又は5に記
    載のベクター。 7.次のアミノ酸配列(I): 【化5】を有するヒトB細胞分化因子又はその前駆体をコードす
    るDNAを含んで成るベクターにより形質転換された宿
    主細胞。 8.前記DNAが次の塩基配列(II): 【化6】 を有する請求項7に記載の宿主細胞。 9.前記ベクターがph−IL−5−30である、請求
    項7又は8に記載の宿主細胞。
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