JPH03503641A - 発現のための突然変異体ヒトアンギオゲニン(卓越したアンギオゲニン活性を有する血管形成誘導因子)遺伝子及び発現方法 - Google Patents
発現のための突然変異体ヒトアンギオゲニン(卓越したアンギオゲニン活性を有する血管形成誘導因子)遺伝子及び発現方法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
発現のための突然変異体ヒトアンギオゲニン(卓越したアンギオゲニン活性を有
する血管形成誘導因子)遺伝子及び発現方法発明の分野
本発明は、部位特異的変異誘発及び組換えDNA技術により製造される突然変異
体アンギオゲニン(血管形成因子)遺伝子に関し、さらに、増大した血管形成活
性及びリボヌクレオリティック活性を有する突然変異体蛋白をコード化する突然
変異体アンギオゲニン遺伝子に対するDNA配列を含む。更に、本発明は増大し
た血管形成活性及びリボヌクレオリティック活性を有する突然変異体°アンギオ
ゲニン蛋白を発現させる方法及び生成した突然変異体アンギオゲニン蛋白に関す
る。
今や、予想外にも、アンギオゲニン遺伝子の部位特異的な突然変異誘発により、
ヒトアンギオゲニンのl16位又はこれに相当する部位のアスパラギン酸(As
p−116)を他のアミノ酸、特に、アスパラギン(Asn)、アラニン(A
la)又はヒスチジン(His)で置換すると、アンギオゲニンの血管形成活性
及びリボヌクレオリティック活性の両方を有意に高めることが見い出された。
背景技術
血管形成、血管網目の発達過程は固定腫瘍の増殖に必須であり、かつ正常の傷治
療及び増殖過程の一成分である。それは、また、アテローム発生、関節炎及び糖
尿病性網膜症の病態生理学においても関係している。それは、特定の刺激に向け
た、新たな毛細血管の方向付けられた増殖により特徴付けられる。この内皮細胞
の移動により媒介される増殖は、内皮細胞有糸分裂とは独立に進行することがあ
る。
血管形成過程の原因となる分子メツセンジャーは長いこと探究されてきた。グリ
ーンブラット及びシュビック(Greenblatt and 5hubik)
は、腫瘍誘発の新血管Nat1. Cancer In5t、 41 : l
l 1−124.1968)。次いで、種々゛の可溶性媒介物質が新車管形成の
誘発に関連してきた。これらには、プロスタグランジン類(アウエルバ−/ ハ
(Auerbach ) 、Pick and Landy編「リンホカイン類
(Lymphokines) J 、69−88、Academic Pres
s、 New Yorks l 981 ) 、ヒトウロキナーゼ[ベルマン
等(Berman et al) 、Invest、 Op−thalm、 V
is、 Sci、 22 :191−199.1982]、銅[ラジュ等(Ra
jn et al、 ) 、J、 Natl、 CancerInst、 69
: 1183−1188.1982]及び各種“血管形成因子”が含まれる。
血管血管因子は腫瘍細胞、創傷流体Cパンダ等(Ba−nda et al
)、Proc、Natl、Acad、Sci、U S A 79 ニア773
−7777.1982;パンダ等(Banda etal)、米国特許第4.5
03.038号明細書)]及び網膜細胞[ダモーレ(D’Amore) 、Pr
oc、 Natl、 Acad。
Sci、USA78:3068 3072.19811に由来している。腫瘍由
来の血管形成因子は、一般的にわずかに特徴付けられているにすぎない。フォー
クマン等(Folkman at al、)(J、 Exp、 Med、 1
33 : 275−288.1971)は、ウォーカー(Walker)256
ラツト腹水腫瘍から腫瘍血管形成因子を分離した。この因子は毛細血管内皮細胞
に対して有糸分裂誘発性であり、リボヌクレアーゼ(RNase)により不活性
化された。チュアン等(Tuan et al) (Biochemistr
y12 : 3159−3165.1973)は、ウォーカー256腫瘍の非ヒ
ストン蛋白中に有糸分裂誘発性及び血管形成活性を見い出した。活性分画は、蛋
白と炭水化物の混合物であった。種々の動物及びヒト腫瘍が血管形成因子を産生
することが示されたが[フィリップ及びクマン(Ph1llips and K
uman)、Int、 J、 Cancer23 : 82−88.1979]
、これらの因子の化学的性質は決定されなかった。ウォーカー256腫瘍からの
低分子量非蛋白成分も、又、血管形成性及び有糸分裂誘発性であることが示され
た[ワイス等(Weisset al) 、Br、 J、 Cancer 40
: 493−496.19791゜400−800ダルトンの低分子量の血管
形成因子がファンセロ−等(Fen5elau et al)により均質になる
まで精製されたが(J、 Biol、 Chem、 256 :9605−96
11,1981)、これはそれ以上特徴付けられなかった。ヒトの肺腫瘍の細胞
が高分子量担体及び低分子量、恐ら゛く非蛋白、の活性成分から成る血管形成因
子を分泌することが示された[クマール等(Kumar et al) 、In
t、 J、 Cancer 32: 45 l −464,1983]、バレー
等(Vallee et al)は、ウォーカー256腫瘍からの3つの分画に
関連しI;血管形成活性を見出した(Experientia 41 : I
−15,1985)、l−ルバート等(Tolbert et al)は、ヒト
腺癌セルラインHT−29からの血管形成因子の産生を開示したが(米国特許第
4,229.531号明細書)、この物質は部分的に精製されているにすぎず、
化学的に特徴付けられなかつI;。上述の血管形成因子の製造に関連する遺伝子
の単離は、少なくとも一部において、これらの因子の純度及び特徴付けの欠除の
ために今迄報告されていない。
血管形成因子の単離は、高性能液体クロマトグラフィー[パンダ等(Banda
et al) 、前記] ;溶媒抽出[フォークマン等(Folkman e
t al) 、前記];シリカゲル上クロマトグラフィ [7アンセロー等(F
enselau et al) 、前記] 、DEAEセルロース[ワイス等
(Weiss et al) 、前記]又はセファデックス[チュアン等(Tu
an et al) 、前記]及びアフィニティクロマドグラフィー[ワイス等
(weiss et al) 、前記]を使用している。
最近バレー(val lee at al)等は、ヒト腺癌のセルラインから血
管形成性蛋白を精製しl;(米国特許第4.727,137号明細書、これは参
考として本発明に組み込まれる)。この蛋白は、正常のヒト血漿中で同定された
[シャピロ等(Shapiro et al) 、Biochem。
26 :5141−5146、l 987]。このアンギオゲニンとして知られ
る精製蛋白は、化学的に特徴付けられ、かつそのアミノ酸配列が決定された。明
らかに関連するものであるが、2個の顕著な生物学的活性がヒト腫瘍由来のアン
ギオゲニンに対して示された。
mlに、これはインビボにおいて非常に強力な血管形成因子として作用すること
が報告された[フェット等(Fett at al) 、 ’Bioche+n
、 24 : 5480−5458.1985]。第2に、これは特徴的なりポ
ヌクレオリティック活性を示すことが見い出された[シャロピ等(Shapir
o et aJ) 、 Biochem、 25 : 3527−3532.
1986]。
更に、バレー等(Vallee eL al)は最近ヒト腺癌セルラインから血
管形成蛋白をコード化する遺伝子(CDNA及びゲノムの両方)をクローン化し
く米国特許第4.721.672号明細書、これは参考として本発明にとり入れ
られる)、上記米国特許第4.727,137号明細書中で特許の保護を請求し
た。彼らは、遺伝子をベクター中でクローン化し、かつ、宿主細胞をアンギオゲ
ニン遺伝子をコード化する組換えベクターで形質転換し、又、移入した。かかる
形質転換された、又は、移入された細胞は、ヒトアンギオゲニン蛋白を発現する
。
デネフル等(Dens’fle at al)は、ヒトアンギオゲニンをコード
化する合成遺伝子を製造した( Gene 56:61−70.1987)。こ
の遺伝子は、高度に発現されたE 、Co11蛋白中に見い出されたコドンを使
用するために企画され、E、 Co11 トリプトファン(trp)プロモータ
ーを含有するために製造されたpBR322由来の発現ベクターに結合された。
このE 、Co11産生アンギオゲニンは、不溶性で、容易に再生でき、かつ精
製できることが見い出された。この精製されたアンギオゲニンは、バレー等(V
allee et al)によりヒト腺癌細胞から精製された天然アンギオゲニ
ンに対して記載されたもの(米国特許第4.727.137号明細書)と類似し
たアンギオゲニン活性及びリポヌクレオリティック活性を示した。
ヘキスト(Hoechst) (西独特許出願第3716722.7号)は、バ
レー等(Vallee at al)により記載された(米国特許第4,721
.672号明細書)天然アンギオゲニン遺伝子中の30位のメチオニンに代えて
30位にロイシンを有するアンギオゲニンに対スル異なった合成遺伝子を製造し
た。更に、この合成遺伝子はE 、 Co11中で優先的に発現されるコドンを
使用するために企図されI;。この遺伝子は、翻訳効率を増大させるために、修
飾された trpプロモーター(ヨーロッパ特許出願第0198415号)と翻
訳開始領域(TIR)配列(Gene41 : 201 206.1986;E
MBOJ、4 : 519−526.1985)を含有するベクター中にサブク
ローン化された。合成遺伝子は」プロモーターの直接のコントロール下にあり、
発現はインドール−3−アクリル酸の添加により、又は、トリプトファン飢餓処
理により誘引される。ロイシン−30アンギオゲニン蛋自は精製でき、かつ天然
のアンギオゲニンと類似のアンギオゲニン活性及びリポヌクレオリティック活性
を示すことが見い出されtこ 。
既述のすべてのアンギオゲニン蛋白は、血漿由来のものであれ、腫瘍細胞由来で
あれ、又は組換えDNA由来(cDNA、ゲノムDNA又は合成遺伝子由来のも
の)のものであれ、すべてアンギオゲニン活性及びリポヌクレオリティック活性
の両方を示す。この2個の活性は未だ分離されていない。事実、アンギオゲニン
の最も興味のある特徴の1つは、哺乳動物の膵臓リボヌクレアーゼ(RNase
s)と構造的に相同であることである。全体的に、ヒトの膵RNaseとアンギ
オゲニンの間には35%の配列の同等性がある〔ストリドム等(Strydom
6t aj) 、旧ochemistry24 : 5486−5494.1
985]、この構造の相関性は、アンギオゲニンの活性メカニズムの研究、並び
にアンギオゲニンの血管形成性と酵素的(リポヌクレオリティック)活性の相関
性のある研究を可能とする。
血管形成因子は創傷の治療に重要な役割を示し[レツラ(Rettura et
aj) 、F A S E B Abstract# 4309.61回年会
、シカゴ、1977]そして、悪性度についてのスクリーニング試験の進展にお
いて適用性を見い出しうるのでEクラゲスバーン等(Klagsburnet
at) 、Cancer Res、 36 : l 10−114.1976:
ブレム等(Brew et al) 、5cience 195 : 880−
881.1977]、明らかに、治療及び診断における利用を可能にするための
十分な量で血管形成性蛋白を製造することが有利である。遺伝子工学技術は、こ
れらの蛋白の製造レベルを増大させるのに理想的に適している。米国特許第4.
721,672号メカニズムに記載されているように、血管形成性蛋白をコード
化する遺伝子のクローン化は、かかる大規模な製造において必要とされる第一段
階である。血管形成性蛋白ノ製造レベルを増大することに加えて、野性型の活性
よりもずっと増大した血管形成活性を有する突然変異体又は変異体血管形成蛋白
を製造するためにクローン化された遺伝子を使用することは高度に有利であろう
。部位特異的な突然変異誘発技術及び遺伝子工学技術は、かかる増大した活性を
もつ蛋白を製造するのに理想的に適している。血管形成性蛋白のアミノ酸が変化
した生物学的活性をもつ蛋白を製造するために、このような技術により修飾しう
ろことは明らかであるが、どのアミノ酸を変えるべきか、そして、かかる変更が
生物学的活性を増大させるか、又は減少させるかを予想することは困難である。
米国特許第4.721.672号明細書は、26.39.57.81.92及び
107位のシスティン、及び、13及び114位のヒスチジン、及び、40位の
リジンが、部位特異的突然変異誘発を使用して他のアミノ酸により置換するため
の好ましい部位であろうと述べている。
さらに、成る種の腫瘍生成物の混入が受は入れられず、かつ生物学的活性におけ
る増大が低用量レベルでの使用を可能とする場合等のヒトの治療の場合等にあっ
ては、非腫瘍細胞から増大した血管形成活性をもつ突然変異体血管形成性蛋白を
製造することが、ある場合には、望ましい。それゆえ、本発明は、部位特異的突
然変異誘発及び組換えDNA技術を使用する、増大した血管形成活性をもつ非腫
瘍細胞中における突然変異体血管形成性蛋白の製造を提供する。
発明の概要
予想外にも、ヒトアンギオゲニンの116位又はこれに相当するアスパラギン酸
をアンギオゲニン遺伝子の部位特異的突然変異誘発を使用して、他のアミノ酸、
殊に、ASns A Ia又はHisにより置換すると、(RNA又はr RN
Aに対するリポヌクレオリティック活性は8〜15倍増大し、血管形成強さが1
0〜100倍増大することが今や見い出された。簡単に述べると、本発明はより
すぐれた血管形成活性をもつ突然変異体血管形成蛋白をコード化する突然変異体
又は変異体DNA配列を開示する。実質的にアンギオゲニンと同じ型の生物活性
であるが、非変異又は野性型のアンギオゲニンの活性よりも一層高い活性をもつ
突然変異体アンギオゲニン又は突然変異体アンギオゲニン蛋白をコード化するD
NA配列も開示される。このD N、 A配列は、アンギオゲニン(野性型DN
A配列)をコード化するDNA配列の部位特異的突然変異誘発により製造しうる
。突然変異誘発に適した野性型配列は、アンギオゲニンをコード化する如何なる
DNAセグメントでもよく、c D N A %ゲノムDNA又は合成遺伝子が
なりうる。
更に、本発明は、よりすぐれた血管形成活性を有する突然変異体又は変異体蛋白
をコード化する突然変異体又は変異体DNA配列から成るベクターを開示する。
非変異又は野性型のアンギオゲニンと実質的に同一であるが、増大した生物学的
活性を有する蛋白をコード化するDNA配列から成るベクターも開示される。
このベクターは、さらに、DNA配列の上流の、そして、DNA配列に操作的に
結合するプロモーター配列を含む。一般的に、このベクターも、選択しうるマー
カーを含み、かつ使用された宿主細胞に依存して、調節配列、ポリアデニル化シ
グナル、エンハンサ−及びRNAスプライス部位のような要素を含むことができ
る。本発明の付加的な面は、よりすぐれた血管形成活性をもつ突然変異体蛋白を
製造するために移入されたか、又は形質転換された細胞を開示する。非変異又は
野性型アンギオゲニンと実質的に同一であるが、増大された生物活性をもつ突然
変異体又は変異体を製造するために移入されt;か、又は形質転換された細胞を
開示する。非変換又は野性型アンギオゲニンと実質的に同一であるが、増大され
た生物活性をもつ突然変異体又は変異体を製造するために移入されたか、又は形
質転換された細胞も開示される。細胞は、よりすぐれた血管形成活性をもつ突然
変異体又は変異体蛋白をコード化するDNA配列を含む発現ベクターを含むよう
に移入されるか、或いは、形質転換される。116変異体アンギオゲニン蛋白を
コード化する遺伝子の発現はバクテリア中で示される一方、イースト及び哺乳動
物細胞中での発現はアートーレコグナイズド(art −recognizd)
手法により実施され、かつ本発明により企図される。
本発明の他の面は、よりすぐれた血管形成活性をもつ突然変異体又は変異体蛋白
を製造するための方法を開示する。この方法は、(a)部位特異的突然変異誘発
により非変異又は野性型アンギオゲニン遺伝子の突然変異体又は変異体アンギオ
ゲニン遺伝子を製造し;(b)血管形成活性をもつ突然変異体又は変異体蛋白を
コード化するDNA配列を含むベクターを宿主細胞中に導入し;(C)相応の媒
質中で宿主細胞を増殖させ:かつ(d)DNA配列によりコード化され、かつ宿
主細胞により製造された突然変異体又は変異体蛋白を単離することから成る。ア
ンギオゲニンと実質的に同一であるが、実質的に増大した生物活性をもつ突然変
異体又は変異体蛋白を製造するための方法も、開示される。これらの方法により
製造される変異体蛋白も開示される。更に、変更された5sp−216に相応す
るアスパラギン酸をもつヒトアンギオゲニン蛋白の部分も、同様に本発明に包含
される。野性型アンギオゲニンの112から121位又はこれに相当するアミノ
酸に相当する領域(P ro −V al −His −L eu −A sp
−G In −S er −I le −P he −A rg)中のアスパ
ラギン酸を変異させると、生成した突然変異体アンギオゲニン蛋白又はこれらの
生物学的に活性なペプチド断片の血管形成活性は増大することが見い出された。
本発明の他の面は、詳細な記載及び図面を参照すれば明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
第1図は、アンギオゲニンに対するpHA2発現ベクターの造成を示す。
第21図は、アンギオゲニン中のAsp−116の突然変異誘発のために使用さ
れる方法及び変異体アンギオゲニンに対する発現ベクターの造成を示す。
第3図は、基質としてのtRNAに関する野性型アンギオゲニン及びアンギオゲ
ニンのAsp−116変異体のりボヌクレオリティック活性のグラフである。
WC4図は、pHAl及びpHA2におけるアンギオゲニンをコードするDNA
配列を示す。アミノ酸配列も示される。矢印の実線は解析されたトリプシンペプ
チドの位置及び数を示す。
′M5図は、野性型アンギオゲニン及び116位又はこれに相当する位置での変
異体のアミノ酸配列を示す。バクテリアにより発現されI;アンギオゲニンは一
1位にメチオニン(met)を有する。
詳細な記載
発明を提示する前に、以下に用いる幾つかの用藷を定義する。
生物学的活性とは、生物学的関係において(即ち、生物体において或いはインビ
トロの複製において)分子により実施されるある機能又は機能の組である。アン
ギオゲニンについては、生物学的活性はその血管形成活性により特徴づけられる
。それは、リボヌクレオリティック活性も含む。
血管形成活性は、組織における血管発達の化学的刺激である。それは、一般的に
各種細胞タイプにより産生される拡散性物質と相関する。血管形成活性はヒョコ
胚漿尿膜アッセイ [ナイトン等(Knighton et at)、Br、
J、 Cancer 35 : 347−356.1977]及び/又はウサギ
角膜移植アッセイ rランガー及びフォークマン(Langer and Fo
lkman) 、nature 263: 797−800.1976]におけ
る陽性反応により特徴付けられる。
リポヌクレオリティック活性は、アンギオゲニンに関連するりボヌクレアーゼ(
RNase)酵素活性であり、特に、rRNA及びtRNAの限定的な触媒作用
又は開裂を含む、成る種のRNA基質についての触媒活性である。
突然変異体遺伝子は、天然には存在しないような変化、組合わせ又は配置のDN
A断片を含むように、ヒトの介入により修飾された、かかる分子のDNA分子又
はクロニンである。
突然変異体アンギオゲニン蛋白は、1つ又はそれ以上のアミノ酸が他のアミノ酸
により置換され、非突然変異体型又は野性型のアンギオゲニンと比較したときに
変化した生物活性を有するアンギオゲニン蛋白、又はこの蛋白のあらゆるペプチ
ド断片である。
アンギオゲニン蛋白は、腫am胞及び網wXm胞を含む種々の細胞をにより製造
される。最近まで、これらの蛋白はその化学的及び物理的特性を決定するのに十
分な純度では得られなかった。
本明細書中に参照として組み入れられる米国特許第4.721.672号明細書
中に詳細に論述されている種々の技術及び方法が、アンギオゲニン蛋白の単離と
アッセイに関して、及び、種々のベクターシステム及び宿主細胞システムを含め
、アンギオゲニン遺伝子のクローン化及び発現に関して、本発明の突然変異体ア
ンギオゲニン遺伝子及び蛋白に同等に適用されるであ自は、突然変異体アンギオ
ゲニン蛋白を発現させるために突然変異体DNAセグメントで形質転換され、又
、移入された細菌、イースト及び哺乳動物細胞のような宿主細胞中で製造するこ
とができる。米国特許第4.721.672号明細書に記載されている技術及び
方法に加えて、本分野での専門家は他の適当な技術及び方法も理解するであろう
。
アンギオゲニン蛋白のアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発により他のアミノ酸
により置換しうる[シラー等(Zoller at al) 、Manual
for Advanced Tech−niques in Mo1ecula
r Cloning Course、 Co1d SpringHarbor
Laboratory、 1983 ] eこの部位特異的突然変異誘発は野
性型アンギオゲニン中の1つ又はそれ以上のアミノ酸を置換するために使用する
ことができ、生成した突然変異体DNA配列は野性型アンギオゲニンと実質的に
同じアミノ酸配列をもつが、変化した(減少した又は増大しI;)生物学的活性
を有する突然変異体アンギオゲニン蛋白をコード化するであろう。減少した又は
何らアンギオゲニン活性を有しないが、成る種の構造上の特徴を保持する突然変
異体アンギオゲニンは内皮又は他の細胞上の受容体と依然として結合可能であり
、こうして、細胞の受容体を阻止することにより、野性型アンギオゲニンの活性
に対して拮抗剤となる。このような突然変異体は、血管形成に関連する疾病の状
態の治療に有用である。ここに記載される方法は、このような突然変異体を得る
t;めに利用できる。
野性型アンギオゲニンよりも高いレベルの生物学的活性を示す突然変異体アンギ
オゲニンも部位特異的突然変異誘発により得ることができる。増大した生物学的
活性は低用量のレベルにおいてかかる高活性突然変異体アンギオゲニン蛋白の使
用を可能とする。ここに記載された方法は、成果を収めてかかる突然変異体を得
るために利用された。
アンギオゲニンとりポヌクレアーゼの間の相同性のために、成る種のアミノ酸は
部位特異的な突然変異誘発による置換のための好ましい部位であることが示唆さ
れている=26.39.57.81,92及び107位のシスティン、13及び
114位のヒスチジン、及び40位のリジン。(バレー等、米国特許第4,72
1.672号明細書)。これらの示唆されている部位のいずれも本発明の突然変
異体アンギオゲニンの産生のためには選択されなかったが、これらの示唆された
アミノ酸又は他のアミノ酸のいずれもアンギオゲニン遺伝子の部位特異的突然変
異誘発により選択され、かつ置換することができる。本発明の好ましい態様にお
いて、116位のアスパラギン酸が突然変異誘発のための選択された部位であっ
た。この残基を部位特異的な突然変異誘発により他のアミノ酸、特に、アスパラ
ギン、アラニン又はヒスチジンで置換すると、予想外にもアンギオゲニンの血管
形成活性及びリポヌクレティック活性の両方の顕著な増大を生じる。
本発明により製造された突然変異体アンギオゲニン蛋白は、これを適当な担体と
結合させることにより、治療又は診断用組成物を製造するために使用することが
できる。治療用組成物は、例えば、心臓障害に続く側枝循還を引き起こすt;め
、又は、例えば間接又は他の局在部Cごおける創傷治療を促進するための、哺乳
動物における血管ネットワークの発達を促進するI;めに使用できる。
好ましくは、非毒性の薬学的に許容しうる担体中の突然変異体アンギオゲニン蛋
白から成る、本発明により得られる治療用組成物は、静脈内又は、傷部への直接
局所適用により投与されるであろう。例えば、スポーツに関連した傷害又は骨間
接症においてしばしば生ずるように、もし傷がひざ又は肩の間接間軟膏に生ずる
ならば、傷部に8けるアンギオゲニン蛋白の埋込み又は注射は裂けたか又は傷つ
いた繊維軟膏物質の治癒を促進しうる。効果的な用量は状態のひどさ及びターゲ
ット組織により変化するであろう。
更に、血管形成蛋白は抗体の存在のためのアッセイに蛋白を使用するか、又は免
疫診断試薬として使用するI;めの抗体を産生するために蛋白を使用するかのい
ずれかにより、悪性腫瘍の存在をスクリーニングする際に診断上利用される。蛋
白を含有する診断用組成物は、抗原−抗体複合体の形成に適した状態において生
物学的試料とともに培養しうる。複合体の形成(すなわち、試料中に抗体が存在
する)は、次いで検出される。かかるアッセイのための技術はこの分野で良く知
Cボレー等(Voller et al ) s The Enzyme L
inkedImmunosor bent As5ay、 Dynatech
Laboratories、Inc。
(1979’)又はWestern bolt assay (例えば、トウビ
ン等(Towbin et al) 、Proc、 Natl Acad Sc
i、 USA76.4350.1979を参照せよ)]。同様に、血管形成蛋白
に対する抗体を含む診断用組成物は、生物学的試料中での蛋白の存在の検定のた
めに使用しうる。また、血管形成蛋白は、血管形成に関連する障害を治療する際
に使用しうる。組換えDNAと部位特異的な突然変異誘発は、必要とする量で、
及び治療用増大した生物学的活性を有するこれらの蛋白の製造のためのすぐれた
方法を提供する。
実験
材料及び方法
制御1%エンドヌクレアーゼ、T4DNAリガーゼ、T4キナーゼ、M l 3
mpl 8 (RF)は、Bethesda Re−5eaech Labor
atory、 New England Biolabs’、又は In−te
rnational Biotechnologies社から購入した。オリゴ
ヌクレオチド指向性又は部位特異的突然変異誘発は、クンケル(Xunksl)
の方法(Proc、 Netl、 Acad、 Sci、USA82 : 48
8−492.1985)により、BioRad Laboratoriesから
購入したMuta −Gene (商標)インビトロ突然変異誘発キットを使用
してなされた。[a35S] dATPはNew England Nucl
earから購入した。ヘキスト社JMIOI細胞により提供されt;E、Co1
1株W3110細胞(A、T、C,C,27325)は、Pharmacia又
はBethesda Re5earch Labo−ratoryから得られた
。
小規模プラスミドDNAの製造は、マニアチス等(Maniats et al
)により記載されたアルカリ溶解法、Mo1ecular Cloning
、 Alaboratory Manual、 Co1d Sp−rIng H
arbor Laboratory、 1982を使用して実施された。−末
鎖及び二本鎖M13DNAは、New EnglandBiolabsのMI3
クローニング及びシーフェンシングマニュアル中に記載された方法を使用して製
造された、JMIOI細胞(2rrrQ)の培養はO、D−600が約0.1−
0.2になるまで増殖され、M13プラークが添加され、かつファージは振盪し
ながら37℃で6時間増殖させた。細胞は遠心分離により捕集され、アルカリ溶
解法を使用して、二本鎖M13DNAを製造するために使用された。7アージは
20%ポリエチレングリコール(6000)中の2.5MNaC1の 115容
積による沈降により上澄みから得られ、1.0mMのエチレンジアミン四酢酸(
TE)により、10mMのトリス−HCl、pH8,0中に再懸濁され、かつD
NAはフェノール、フェノール/クロロホルム及びクロロホルム(2回)で連続
抽出して得られt;。DNAは3Mの酢酸アンモニウム及び2容積のエタノール
で沈澱され、TE緩衝液中に溶解された。一本NDNAはアガロースゲル電気泳
動を使用し、既知の濃度の標準を使用して臭化エチジウムで染色することにより
定量された修飾T7:DNAポリメラーゼによるDNAの配列決定は、Unit
ed 5tates Biochemicalから購入したシークエナーゼ(5
equenose) (商標)キットを[、35S] ATPと組合わせて使
用するサンガー等(Sangeret al )の読み終わり法[Proc、
Natl、 Acad、 Sci。
USA74 : 5463−5467 (1977)] により実施された。オ
リゴヌクレオチド(400pmol)のリン酸化は、100mMのトリス、pH
8,5mMのDTT% IO+uMのMgC+2及び0.43mMのATP中の
T4キナーゼ(9単位)で達成された。培養は、37°で45分、次いで65℃
で10分間実施された。
衷】11土
E、Co11発現ベクター組換えヒトアンギオゲニンの製造
−L」」プロモーターのコントロール下で合成[Leu−30] −7ンギオゲ
ニンコ一ド化配列を含有しかつアンピシリンマーカーを含有するE、Co11発
現ベクターpHAlを使用した。クンケル(Kunkel )の方法、Proc
、 Natl、 Acad、 Sci、 USA 82 : 4gg−492
,1985により、Muta −Gene (商5lL)突然変異誘発キットを
使用するオリゴヌクレオチド−指向性突然変異誘発により天然アンギオゲニン中
で見い出されるように、30位のロイシン残基はメチオニンに戻されI;。この
遺伝子(pHAl)によりコード化されたアンギオゲニンのアミノ酸配列は、こ
れが30位がメチオニンの代わりにロイシン(I eu)をコード化シ、第5図
に示すように、−1位にメチオニン(met)を含有することを除いて、米国特
許第4.721,472号明細書に定義された配列と同一である。pHA1 (
471g)はKpnI及びPvulI、次いでEcoRIで消化され、K pn
l[/ E coRI断片はEcoRIとK pn I末端を含有する M13
mp18に結合されI;。CaC12処理JMIOI細胞への形質転換の後[マ
ニアチス等(Ma−niatis et al ) 、Mo1ecular C
loning、 A LaboratoryManual、 Co1d Sp
ring Harbor Laboratory、 l 933り同定した。
ファージ(1,3X10’pfu)は、CJ236 (dat−、ung−)細
胞の20.峠の培養物を感染させるために使用し[クンケル等(Kunkel
et al)、Methods in Enzymology l 54 :
367−382.1987〕、かつ7アージを37℃で1晩増殖させた。
上澄みを含有する7アージは、CJ236及びMV119(lクンケル等(Ku
nkeJ et al ) 、Methods inEnzymology l
54 : 367−382.1982 ] セルラインへの感染性において2
X105の差異を示しI;。ウラシル含有M 13mpl 8−HA 1−末鎖
DNAは、PEG/NaC1沈澱、続いての7エノール/クロロホルム抽出によ
り単離され、20mMのトリス−HCl、pH7,42mM MgCl2及び5
0w+MNaC1中で200ngのこのDNAは変異原性のプライマーpGAA
TCGATTATGAGACGCCG (2−7aM)とアニールされた。二
本鎖の合成はM uta −G eneマニュアル中に記載されているように、
1.5mM DTT、5+oM MgCl2.0.5mM dNTP’S及
び0.75mMATPを含有する23mM)リス−HCL pH7,4中にて、
T4 DNAポリメラーゼ(l単位)及びT4 DNAリガーゼ(3単位)
を使用して実施された。二本鎖M13n+p18−HA(Ions)がMV11
90細胞を形質転換するために使用され、かつプラークは寒天皿上で37℃にて
1晩増殖させた。4個のプラークから得られたDNAの配列は、30位にMet
をコード化するATGを含有する3個のクローン(Ml 3mpl 8−HA2
)を同定した。二本鎖M13mp18−HA2はKpnl及びEcoRIで消化
され、アンギオゲニンをコード化する配列を含有する428−6p断片は3.5
%の低融点アガロース(NuSieve G T G 、 F M CBiop
roducts)による電気泳動により精製された。Kpnl / EcoRI
末端を含有するゲル精製発現ベクターへ結合させた後で、生成したpHA2
DNAはCaC12処理JMlO1細胞を形質転換させるために使用されl;。
形質転換体はプラスミドDNAの制限酵素切断地図によりスクリーンされた。p
HA2を含有する個々のコロニーは、50μg/rtrQのアンピシリンを含有
するルリアブイヨン(Luria broth : L B )中で1晩増殖さ
せ、次いで、細胞を一70℃で15%グリセロール中にて凍結保存した。°上述
したPHA2の製造は、第1図に示されている。プラスミドpHA2はアメリカ
タイプカルチューコレクションにA、T、C,C,67660の寄託番号で寄託
された。
pHAQ中で新しく合成されたこのアンギオゲニン遺伝子は、Met−30及び
Asp−116を含め、米国特許第4.721.472号明細書中で定義されて
いるものと同様のアミノ酸配列をコード化しているが、発現された蛋白、は第5
図に示すようにマイナス1の位置にメチオニンを有する(Met−1)点で相異
する。
実施例2
アンギオゲニン中のAsp−116の突然変異誘発アンギオゲニンのAsp−1
16の突然変異誘発は、M uta −G ene(商標)試験管内突然変異誘
発キットを使用して、クンケル(Kunkal)のオリゴヌクレオチド指向性突
然変異誘発法(Proc 、Natl、Acad、 Sci、U S A82
: 488−492.1985)により実施した。
突然変異体アンギオゲニン遺伝子の製造は第2図に示されており、以下に記述す
る。突然変異誘発のために使用した野性型アンギオゲニンのDNA及びアミノ酸
配列は第5図に示されている。
Ml 3+apl 8−HA2yアージはCJ236細胞(20rtrQの培養
)中で増殖させ、ウラシル含有−末鎖DNAがPEG/NaC1沈降l;次ぐフ
沈降−ル/クロロホルム抽出によって得られた。この物買はCJ236細胞への
感染に対してMV1190細胞に比べて6×105の優先性を示した。−末鎖M
13+op1g−HA2(880ns、0.44 pmol)を、2mMのMg
C+2と50+aMのNaC1を含む20mMのトリス−MCI%pH7,4、
中で、合成オリゴヌクレオチドpGTCCATCTA (A/ G/ C) (
C/ AXT/ A) CAGTCTATC(1,1p+*ol)(これはアン
ギオゲニンのAsp−116の位置において各種の突然変異をコード化する)と
アニールさせた。二本鎖の合成とMVl190細胞の形質転換は、上述のように
M13a+p18−1(A2に対して実施した。24個のプラークを選択し、そ
してプラ−りを精製した。突然変異DNAは、鎖成長停止反応法を使用し、かつ
アンギオゲニンのAsp−126に対するコドンへ約40のヌクレオチド5′二
本錆合成を開始する合成オリゴヌクレオチドを用いるDNA配列決定法により同
定した。5個の突然変異体すべてが得られた:1つはAsn−116(コドン=
AAT)をコードしており、2個はAla−116(コドン−GCA)をフード
しており、かつ2個がHis−116(コドン−CAT)をコードした。Asn
−116突然変異体はD116N−アンギオゲニンと命名し;Ala−116突
然変異体はD116A−アンギオゲニンと命名し;かつHis−116突然変異
体はD116H−アンギオゲニンと命名された。いかなる意図しない突然変異の
存在も除外するために、全コード化領域の配列を決定した。これらの突然変異体
の各々に対する二本鎖M13DNA (1−2779)を、KpnI及びEco
RIで消化し、3.5%低融解アガロースゲル電気泳a (NLIS−ieve
GTG)上で精製し、かつF M CBioProducLsプロトコールに従
がって、KpnI / EcoRI末端を含むゲル精製発現ベクター(25ng
)に結合させた。W3110!m胞の形質転換は2.55−1Onの結合プラス
ミドを用いて実行した。各形質転換から8個のコロニーを選択し、−濁期の再度
の載置を実施した。各コロニーを50μg/ur(lのアンピシリンを有するL
B中にて1晩増殖させ、かつ15%グリセロール中70℃で細胞を凍結保存させ
た。突然変異体アンギオゲニンDNAの製造は第2図に図示されている。D11
6N−アンギオゲニンに対する突然変異遺伝子を含有する、W3110m胞中)
’jう7.ミ)’pHA2−D 116Nは、A、T、C,C,67662とい
う寄託番号でアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託され;Dl16A
−アンギオゲニンに対する突然変異遺伝子を含有する、W3110細胞中のプラ
スミドpHA2−Dl16Aは、A、T、C,C,67661の寄託番号でアメ
リカンタイプカルチャーコレクションに寄託され;D116H−アンギオゲニン
に対する突然変異遺伝子を含むW3110細胞中のプラスミドpHA2−D l
l 6Hは、A、T、C,C,67659め寄託番号で、アメリカンタイプカ
ルチャーコレクションに寄託された。
実施例3
野性型及び突然変異アンギオゲニンの発現大規模の発現のために、相応の発現プ
ラスミドが存在するW3110細胞の1晩培養物を、10%カザミノ酸(Dif
co) 20 rnQ、 20%グルコース1OIII2及び1肩αのアンピシ
リン(25m+9/ +112)を補充したM9媒質500m12[マニアチス
等(Maniatis at al) 、Mo1−ecuiar Clonin
g、 A Lavoratory Manual、 Co1d SpringH
arbor Laboratory、 l 932]中にて100倍に希釈し、
激しく振盪しながら37℃で4時間細胞を増殖させt:、 (0、D−eooは
約1.2) o インF−ルー3−7クリル酸(0、5mQs 201R9/
rnQ ; Aldrich)及び20%グルコース10mQを添加し、細胞を
更に4時間増殖させt;。
最初に、6〜8個のコロニーからの細胞について、以下のイムノプロット分析に
より発現レベルを調べた。
培養物(l OmQ)を上述のようにして増殖させ、培養物1mρから遠心分離
により細胞を捕集し、かつ細胞のペレットを0.2%SDSを含有する400μ
gの試料緩i 液中i: N懸濁サセf:、DTT (150+a4.0.2M
)を添加し、混合物を100”Cで3〜5分加熱した。
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
は、積層されたゲル5%、及び15%の分離ゲルを使用して実施した。ゲル平板
を25mMトリス、0.2Mグリシン、0.1%SDSを含有する20%メタノ
ール中で2回洗浄し、蛋白を上記トリス−グリシン緩衝液中27Vで0.45μ
mニトロセルロースに1晩移した。ニトロセルロースフィルターをPBSlo、
2%Tween −20界面活性剤(Tw−een )で2時間洗浄し、次いで
実施例5に記載のようにして製造されたアフイニティmi抗アンギオゲニンとと
もに2時間培養した。ニトロセルロースフィルターをP B S / Twee
nで30分間洗浄し、さらにアルカリホスファターゼでラベルしたヤギー抗ウサ
ギ エgG(2、5II 9/ rnQ、 Kierkegaard and
Perry Laborator−ies、 I nc)とともに1.2時間培
養した。PBS/Tw−eenで30分間洗浄した後で、プロットを4mM
MgCl2を含有する0、1Mバルビタール緩衝液(Sigma)中にてニトロ
ブルーテトラゾニウム(0,1my/mQ )及び5−ブロモ−4−クロロ3−
インドリル−ホスフェートp−トルイジン(0、5mg/ rnQ)で展開しt
;。発現のレベルをアンギオゲニン標準と比較して評価した最もよく発現したレ
ベルを示しt;コロニーを捕集し、実施例4に記載のようにして大規模培養中で
増殖させ、かつ精製した野性型及び突然変異体アンギオゲニン(実施例4)をさ
らにリポヌクレオリティック活性に対するアッセイ及び血管形成活性に対するア
ッセイにおいて、それぞれ実施例7及び8に従って特徴付けに。
実施例4
野性型及び突然変異体アンギオゲニンの精製実施例3に記載したようにして、野
性型及び突然変異体アンギオゲニンの発現のために増殖させた500mQの培養
からの細胞を遠心分離により集め[5500rpm(GSAローター)、lO分
]、かつlO%ショ11と2.5mMフェニルメタンスルホニルフルオライド(
PMSF)を含有する20 mMトリス−HCI(pH7,4)54mff中に
再懸濁させた。リゾチーム(3rnQ、トリスーシB糖緩衝液2 B/m12)
、NaCI (2,4a++Q、5M)及びエチレンジアミン四酢酸(1,2
++IL0゜5M)を添加し、この混合物を氷水浴上で45分間培養した。PM
SF C0,4aO,0,45M)を添加し、プランソンモデル350ソニ7ア
イアー、パワーセット7を使用して、この混合物を、251/2パルス/周期で
3〜7周期の間、氷上で音波地理した。音波処理時間の最後に、さらに0.4r
aQのPMSF (0,45M)を添加した。不溶性の物質を遠心分離[12,
00Orpm (S S 340−ター)、25分]により捕集し、このペレッ
トを2mMPMSFを含有するトリス/ショ糖60−60−9Oで洗い、かつ遠
心分離によりペレットを捕集した。ペレットを水80rtrQに再懸濁し、不溶
性物質を遠心分離(17,000rpm(SS340−ター)、30分]により
捕集した。このペレットを5.0+i12の7Mグアニジン−塩酸、O,1Mの
β−メルカプトエタノールを含む100mMのリン酸カリウム、pH7。
5に溶解し、37℃で3時間培養した。この混合物を、撹拌せずに、100mM
のNaC1と5tty/lnnリゾチーム(担体として)を含有する50mM)
リス−HCl600rtrQ、 pH8,5に4°Cで滴下により添加し、20
〜25時間放置した。8−1O時間撹拌した後、150raQのNaC1(5M
)を添加し、不溶性物質を遠心分離[11000rpm(GSAo−ター)、3
0分コにより取り出し、粗アンギオゲニンをアミコン(Am1con)起源縮機
とYM5膜を使用する膜濾過により100倍に濃縮した。6容積の10mMトリ
ス、pH8,0を加え、次いで5−8 mQに濃縮した。
次いで、O,15M NaC1を含有する10mMのトリス−HC1,pH8
,0で平衡にした陽イオン交換カラム(Mono −S %Pharmacia
社)に粗アンギオゲニンを適用し、線型勾配のNaC1(0,15Mから0.5
5Mまで50分)で溶出した。シャピロ等(5hapiro atal) 、
Biochemistry 26 : 5141−5146 (1987)。次
に、ピーク分画を高圧液体クロマトグラフ(−(HPLC)カラム(5ynch
ropak Cl 8 )に適用し、線形勾配の溶媒AとB(30−50%溶媒
B130分、0.8raQ1分)で溶出したが、ここで溶媒Aは0.1%トリフ
ルオロ酢1m(TFA)であり、かつ溶媒Bは0.08%TFAを含有する2−
プロパツール:アセトニトリル:水(3: 2 : 2)であった。ある場合に
は、ピーク分画は水に対して徹底的な透析を行う前に、同じカラムで再度クロマ
トグラフを行った。精製された蛋白の濃度はPicotag (商標)方法(
WatersAssociates)を使用して、ビドリングマイヤー等(Bi
−dlingmeyer et al) 、J 、Chromotograph
y 336 : 93−104、(1984)により記載されたアミノ酸分析法
により検定した。野性型又は突然R異体アンギオゲニンの最終回成度は培養物I
ff当たり0.1−2゜0IIgの範囲に亙っていた。
実施例5
アフィニティー精製されたウサギ抗アンギオゲニンの製造
抗−アンギオゲニン抗体に対するアフィニティー樹脂を以下のようにして製造し
た:米国特許第4.721.672号明細書においてバレー及びクラチ(Val
leeand Kurachi )の記載と同様にして製造した組換えアンギオ
ゲニン(1,25mg)を0.1MのNaHC,0s(pH9,0)0.5gに
溶解し、臭化シアン(cNBr)で活性化したアガロースビーズ(c N B
r −actiuatedSepharose 4B、 Pharmacia
) O−59(2,5mff)とともに4℃で16時間培養した。この樹脂を
0.1MNaHC03,2M NaC1及び水のそれぞれloo+nQで順次
洗った。ウサギ抗アンギオゲニンの精製のために、血漿由来のアンギオゲニン(
5hapiro et al 、 Bi−ochemistry 26:514
1−5146.1987)又は組換えアンギオゲニン(米国特許第4,721,
672号明細書)のいずれかを注射したウサギより抗血清を得た。この抗血清1
maを1m(2のPBSで希釈し、PBSで平衡化した樹脂に適用した(流速−
0,5mQ/分)。溶出は280nmでモニターした。PBSで徹底的に洗った
後(A 2aOが0.O1以下)、抗体を10%ジオキサン含有3.5 M M
gCI2で溶出し、次いでPBSで再度洗浄した。この精製した抗−アンギオゲ
ニン抗体は、実施例3I;記載した宿主細胞による野性型及び突然変異体アンギ
オゲニンの発現のための試験に使用した。
実施例6
野性型及び突然変異体アンギオゲニンの特徴付は第1表に示されている精製した
野性型及び突然変異体アンギオゲニンのアミノ酸組成は、アンギオゲニンの第一
次構造に基づいて期待された構造に著しく一致している。これらの組成も提示さ
れた突然変異と合致している。
アンギオゲニン中の3個のジスルフィド結合の適切な形成が還元した蛋白の再生
中に生ずることを確認するために、トリプシンペプチドマツプが実施された。
野性型又は突然変異体アンギオゲニン(1−5+nmol)を 、 3 7
℃ 、 l OmM ト リ ス 、 pH8,0、0,35
MNaC1中で1晩、HPLC精製トリプシン(2−4%)とともにインキュペ
ージコンした。ペプチドは、流速0.8aO1分で水中に0.1%TFAを含有
する線形勾配の2−プロパツール/アセトニトリルを使用して、HPLCカラム
(UJtrasphere C18)上で逆相HPLCにより精製した。溶出は
、214nmでモニターした。ペプチドの組成は、フェニルイソチオシアネート
による変形法を使用する酸加水分解及びPicotag (商標)方法(Wa
ters As5ociates)ビドリングマイヤー等(Bidlingme
yer et al ) 、 J、 Chromatography336 :
93−104 (1984)に記載のとおりの逆相HPLCにより決定した。
第1表 野性型アンギオゲニンと突然変異体アンギオゲニンのアミノ酸組成
アミノ酸 野性型 D116H−D116A−D116N−アンギオゲニン
、 アンギオゲニン アンギオゲニン アンギオゲニンAsp
15.3(15) 14.5(14) 14.7(14)
15.5(15)Glu 10.0(10) 10.4(
10) 10.1(10) 10.0(10)Ser 8
.4(9) 8.6(9) 8.6(9) 8.7(
9)Gly 8.0(8) 9.1(8) 8.3(
8) 8.6(8)His 5.9(6) 6.6(
7) 5−8(6) 5.6(6)Arg 13.0(
13) 12−8(13) 13.1(13) 13.0(
13)Thr 6.7(7) 6.8(7) 7.0
(7ン 7.IC7)Ala 5.1(5) 5.3(
5) 6−2(6) 5.3(5)Pro 8.1(
8) 7.8(8) 8.0(8) 7.9(8)T
yr 3.9(4) 3.9(4) 3.9(4)
3.8(4)Val 4−1(5) 4−3(5)
4.2(5) 4−4(5)Met 2.1(2)
2.1(2) 2.1(2) 2.1(2)IIe
6.5(7) 6.6(7) 6.7(7)
6−9(7)Leu 5.9(6) 6.1(6)
5.9(6) 5.9(6)Phe 4.9(5)
4.9(5) 5.0(5) 5.0(5)Lys
7.0(7) 7.1(7) 7.3(7) 7.3
(7)分析された
pmol 250 122 110 96突然変異体アン
ギオゲニンの各々のトリプシンペプチドマツプは、実質的に野性型アンギオゲニ
ンのマツプとは区別できなかった。特に、3個のジスルフィド結合したペプチド
は全て、すべての消化物中に存在しており、適切な折りたたみ(folding
)を示している。
純粋な形で得られたトリプシンペプチドのいくつかの組成は、第2.3及び4表
に示されている。第4図は、突然変異誘発に使用されたアンギオゲニン遺伝子の
DNA中の各トリプシンペプチドの位置及びアミノ酸配列を示している。
第2表 組換えD116H−アンギオゲニン1からのトリプシンペプチドのアミ
ノ酸組成ペプチド T−2T−5T−7T−9T−11Asp O,351
,17(1) 1.24(1) 4.60(5) 3.04(3)Glu
O,491,28(1) 2.13(2) 2.10(2) 3−3
7(3)Ser O,590,720,483,08(3) 2.53(1
)Gly 1.05 1.24 1.52(1) 2.04(1)
3.74(1)His O,180,211,75(2) 1.31(1)
1.65(2)Arg 1.04(1) 0.98(1) 1.02(
1) 2.51(3) 1.33(1)Thr O,240,251−8
3(2) 2.80(3) 0.87Ala O,210,241,15
(1) 0.36 1.95(2)Pro 1.00(1)
1.01(1) 0−23 1.29(1)Tyr O,190,151
,67(2) 0.94(1) 0.61Val 0−24 0.17
0.19 1.07(1) 2.64(4)Met O,280,
190,191,17(1)11e O,160,150,162,65(3
) 1.79(2)Leu O,270−96(1) 1.06(1)
0.36 2.09(2)Phe O,170−170,96(])
1.88(2) 1.14(1)Lys O,310,361,22(1)
2.18(2) 1.50(1)分析された
pmol 105 100 95 35 53122−123
67−70 6−21 41−51 55−60+配列の位置
22−31+102−121a、アミノ酸の相対モル量が記載される
。HPLC分画の幾つかにあっては、この量で存在するQ Iy、 Ser、A
la及びAspについては、分析は補正されていない。0内の数字は、配列に基
づいて期待される残基の数を示している。0.10当量より小さい量は示されて
いない。
b、ペプチドT−8及びT−9は、この分離システムにおいて一緒に移動する。
このI;め、与えられt;組成は、両方のペプチドの組成である。
第3表 D116N−アンギオゲニン・からのトリプシンペプチドのアミノ酸組
成
ペプチド: T−I T−2T−3a’ T−3b
T−4a’Asp 2.66(2) 0.21 0.80 0.
59 2.0 (2)Glu 1.06(1) 0−31 0
.43 0.31Ser 1.28(1) 0.36 0.98(1)
1.31(1) 0.46Gly O,430,640,510,202,
25(1)His O,310,451,09(1)Arg 1.30(1)
1.04(1) 0.43 0.32 4.61(1)Thr O,11
’ 0.18 0−13 0.13 1.15Ala 0
43 0.26Pro 0.28 0.99(1) 0
.42 0.13 4.55(1)Met 1.00(1)
0.28 0.5811e O,310,99(1) 1.00(
1) 0.15Leu 0816 0.21
he
Lys O,350,171,05(1) 1.00(1) 0.47分析
された
第3表 D116N−アンギオゲニン典からのトの続き リプシンペプチド
のアミノ酸組成Asp O,461,14(1) 2.80(3) 2.2
7(2) 4.38(4)(1;lu O,182,14(2)
2−06(2) 3.06(3)Ser O,140,113,11
(3) 1.22(1)Gly 1.34(1) 1.37(1) 1.8
2(1) 0.49 2.00(1)His O,192,04(2)
0.98(1) 0.13 1.15(1)Arg 1.28(1) 1.
12(1) 0.97(1) 2.18(2) 1−34(1)Thr
1.09(1) 2.04(2) 1.06(1) 2.22(2) 0
.37Ala 2.08(2) 1.08(1) 0−12 1
.91(2)Pro O,181,09(1) 1.56
(1)Tyr 1.97(2) 1.00(1) 0.1
1Val O,9B(1) 2.72(4)M
et O,140,201,09(1) 0.191ie O,16
1,64(2) 1.07(1) 1.86(2)Leu 1.0
0(1) 0.15 2.13(2)Phe O,99(1)
1.00(1) 0.84(1) 1.03(1) 1.00(1)Ly
s O,071,07(1) 1.00(1) 1−14(1) 1.2
7(1)分析された
pmol 240 263 90 150 143a アミノ酸
の相対モル量が与えられる。ペプチドは先に記載したように、かつ第4図に示さ
れているように命名される( Strydom等、Biochemistry2
4 :5486−5494.1985)、HPLCの幾つかの分画にあっては、
このレベルで存在するG IV。
Se「、Ala及びAspに対しては分析は補正されていない。0内の数字は配
列に基づいて期待される残基の数を示す0.10当量以下の量は示されない。
b 、 40 pmoleのT−4aを含む。
c 、 100pmoleのT−2を含む。
第4表 D116A−アンギオゲニン1からのトリプシンペプチドのアミノ酸
組成
ペプチド: T−I T−2T−3a’ T−3b
T−4ahsp 2.10(2) 1.50 0.62
1.44(2)Glu O,92(1) 0.42 0.34
0.23Set 1.38(1) 0.11 1.26(1) 1.39(
1) 0.32Gly O,450,431,000,621,27(1)
・His O,190,510,140,66(1)Arg 1.02
(1) 0.97(1) Q、74 0.31 1.13(])hr
1a
Proo、20 LOO(1) 0.55 1.16(1)
Tyr
al
Net 0.75(1) 0.18 0.251ie O,591
,07(1) 1.07(1) 0.16Leu O,
130,11he
Lys O,460,87(1) 0.82(1) 0.24分析された
pmol 200 270 180 95 7514表 D1
16A−アンギオゲニン・からのト(IRさ) リプシンペプチドのアミノ酸
組成ペプチド: T−57−67−11Asp 1.16(1)
0.36 3.00(3)Glu l 、25(1) 0.
26 3.27(3)Ser O,460,231−95(1)Gly
O,961,68(1) 3.48(1)His O
,170,82(1)Arg 0−97(]) 1.17(1) 1
.38(1)Thr O,120,95(1) 0.65Ala 0
−15 2−01(2) 2−70(3)Pro 1.16(1)
0.15 1.43(1)Tyr O,120,24
Val ’0.13 2.56(4)Lau 1.0
.0(1) 0.18 2.36(2)Phe O,111,00
(1) 1.02(1)Lys O,140,150,90(1)分析さ
れた
pmol 180 130 90a、アミノ酸の相対モル量が与え
られる。ペプチドは先に述べたように(Strydom et al、B io
chem i s t ry24 : 5486−5494.1985)、かつ
第4図に示されるように命名される。幾っがのHPLC分画において、このレベ
ルで存在するG ly、 S er。
Ala及びAspに対しては分析は補正されない。0内の数字は、配列に基づい
て期待される残基の数を示している。0.lO当量以下の量は示されない。
b 、 100μmolのT−4aを含有し、これはこの分析におけるASp
z G lu及びArgのレベルに実質的に寄与する。
第2.3及び4表に示されているように、突然変異体アンギオゲニン蛋白からの
T−11ペプチド(T−11’及びT−11“)の組成は、所望の突然変異と一
致する。構造中に他の変異がないことは明らかであった。ペプチドT−10は、
これはシス−トランスプロリン残基の存在のために2個の相互変換可能な形とし
て存在するが、これはすべての消化物中に観察されt;。[T−11はペプチド
T−11“(残基102−121)にジスルフィド結合したペプチドT−11’
(残基55−60)から構成されていることに注意されI;い;また、ペプチド
T−9は、ペプチドT−9“(残基74−82)にジスルフィド結合したペプチ
ドT−9’(残基22−31)から構成されており:さらに、ペプチド10は、
T−10″(残基83−95)にジスルフィド結合するペプチドT−10’(残
基34−40)から構成される〕。これらのペプチドは第4図に示されている。
突施例7
酵素アッセイ
t RNAに対する活性は、シャピロ等(5hapiro ata+ )により
記載された沈降アッセイ、Proc、 Natl、 Acad、Sci、USA
84 : 8783−8787 (1987)を使用して決定された。300μ
Qの容積中に33mMのHepes、 pH7、Os 33 mMのNaC1,
0,6rlr9のt RNA (Sigma tyne x)及び30μりのヒ
ト血清アルブミンを含有する反応混合物を37°Cで2.5〜4時間培養した。
反応は氷で冷やした3、4%の過塩素酸700μQを添加して停止させ、10分
間氷上に置いた後で、試料を4℃で15600gにて遠心分離した。次いで、2
60nmにおける上澄み液の吸収を測定した。
r RN A (18S及び28S)に対する活性は、ゲル電気泳動[シャピロ
等(Shapiro et al) 、Bioche−mistry25 :
3527−3532.1986]で検定した。
RNase基質シチジル(3′→5′〕アデノシン(CpA )及びウリジル(
3’−5’)アデノシン(UpA)に対する活性は、前記した敏感なHPLC法
[シャピロ等(Shapiro et al) 、Biochemistry
25 : 3527−3532及び7255−7264.1986]を使用して
決定された。30mMの2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(Mes)
、pH6,0、30mMNaCI及びO,1mMジヌクレオシドリン酸を含有す
る反応混合物を37℃でアンギオゲニン(0,7−3゜0μM)とともに培養し
た。各時間においてアリコツト(15〜20μQ)を取り出し、’10mMのリ
ン酸カリウム、9H7,0で平衝化した)(PLCカラム(ラジカルPaKCl
8、Waters As5ociates)に注入した。反応剤及び生成物の溶
出は0.8raQ1分の流速度で100o+Mのリン酸カリウム中の線形勾配メ
タノールpH7,0を使用して完了させた。溶出は254nmでモニターし、反
応剤と生成物の積算された面積を式%式%]
を使ってKcat/Kmを計算するために使用した。
アンギオゲニンのAsp−116突然変異体のりボヌクレオリティック活性にお
ける変化は、初めに、上述のとおりpH7,0で基質としてtRNAを使用して
試験した。結果は第3図(A及びB)に示されている。
第3A図は、260nraに8ける吸光度の変化(△A260)を、突然変異体
又は野性型アンギオゲニン蛋白濃度(0−10μy/ ra<1)の関数として
示している。第3B図は、単に、0と1.2μg/1n(lの間の濃度に対する
第3A図の一部分の拡大図を示している。Dl16H−アンギオゲニン(第3図
において閉じた四角で示され、His−116として記載されている)及びD1
16A−アンギオゲニン(第3図において開放の四角で示され、Ala−116
と記載されている)は、野性型アンギオゲニン(第3図において閉じた丸として
示され、かつ野性型、Asp−116と記載されている)よりも15倍活性であ
るのに対して、D116N−アンギオゲニン(第3図において開放の丸で示され
、Asn −116と記載されている)は野性型よりも8倍活性である。このア
ッセイにおいて、野性をアンギオゲニンに関して有意な湾曲がみられ、これは明
らかにtRNA中の限定された数の開裂部位を反映している。
野性型及び突然変異体アンギオゲニンの曲線に沿った相対酵素活性の比較は、野
性型及び突然変異体アンギオゲニンに対する同一の程度の湾曲を示している。こ
れに対して、膵RNaseをアッセイにおいて使用すると、類似の湾曲はなく、
その範囲において△A260は線状である。
t RNAの開裂に対する pHのグラフをアンギオゲニン突然変異体及び野性
型酵素について試験した。最適の活性はpH約7.0において観察された。pH
5からlOにおいて、突然変異体に対するpHグラフの形は、D116−アンギ
オゲニンを除いて、野性型のアンギオゲニンの形とは実質的に区別できない。こ
の場合、野性型酵素と比べると、至適pHは類似しているが、幾分高い活性が観
察された。
Dl16H−アンギオゲニン活性も、シャピロ等のBiochemistry
25:3527 3532 (1986)の記載のようにしてpH7,0におい
てrRNA(18S及び28S)で検定した。15倍低い突然変異体アンギオゲ
ニン濃度において、野性型アンギオゲニンにより産生される特徴的なポリヌクレ
オチド生成物の生成に関する経時変化は、極めて類似している。このように、1
2〜15倍のりポヌクレオリティック活性の増大が観察され、tRNAアッセイ
における結果と一致した。慣用のRNase基質のCpAとUpAに対する突然
変異体アンギオゲニン蛋白の活性を決定し、第5表において、野性をアンギオゲ
ニンの活性と比較する。基質としてt RNAとrRNAの両方を使用したとき
の顕著な増大に反して、基質としてCpAをD116H−アンギオゲニン及びD
116A−アンギオゲニンに対して使用するとそれぞれ3.3倍及び1.3倍の
増大が観察された。D116N−アンギオゲニンは野性型アンギオゲニンよりも
約45%弱い活性である。UpAに対する活性は少くとも一桁低いものであり、
再び、野性型と突然変異体アンギオゲニン蛋白の間でわずかな差異が見られるだ
けである。ここで用いられた条件下で測定したとき[ハーバ−等(Harper
et al。
Biochemistry 27:219−226 (1987) ] 。
CpA及びUpAに関するウシRNaseAのKcat/Km値は、比較のため
に示すと、それぞれ、6X10’M″″1S−1及び4 X 10B M−I
S−1である。このように、これらの突然変異体の新規な特徴は、CpAやUp
Aのような慣用のRNase基質に対しては顕著な活性の変化を生ずることなく
、アンギオゲニンに特徴的なりボヌクレオリティック活性において劇的に増大す
ることである。
第5表 アンギオゲニン及びAsp−116アンギオゲニン突然変異体によるジ
ヌクレオシドリン酸の開裂
Kc a t /Km (M−1s−1)基質 野性型 Dl16A−D11
6H−D116N−アンギオゲニン アンギオゲニン アンギオゲニン
アンギオゲニンCpA 12 16
40 7UpA O,50,92,90,5実
施例8
生物学的アッセイ
血管形成活性は、7エツト等(Fett et al)のBio−chemis
try 24 : 5480−5486 (1985)に記載されているように
、ナイトン等(Knighton et al)のBr、 J、 Cancer
35 : 347−356 (1977)のヒョコ胚漿尿膜(CAN)アッセ
イを使用して検定した。一定の濃度に対する個々のセットのアッセイにおいて使
用した卵の数は、10−15の間であった第6表に示されるように、D116)
(−アンギオゲニンから得たCAM活性のデータは、8個の別個の実験から集め
られ、同時に各実験において野性型のアンギオゲニンを使用して活性データを集
めた。データはAsp−116をHis−116に突然変異させることにより、
血管形成の強さが10〜100倍増大することを示している。例えば、変異体ア
ンギオゲニン蛋白は0.05ngにおいて最大の活性を示しているのに対しく即
ち、60%の陽性反応に接近している)、野性型のアンギオゲニンの活性は実質
的に減少した。1ピコグラムにおいてさえ、Dl16H−アンギオゲニンは、ア
ッセイにおいて有意な活性を示している。今まで研究したすべてのアンギオゲニ
ン蛋白において、血管形成活性及びリボヌクレオリティック活性は相関しており
かつ突然変異体アンギオゲニン蛋白の各々は有意に増大したりポヌクレオリティ
ック活性を示しているので、Dl16A−アンギオゲニン及びD116N−アン
ギオゲニンがD116H−アンギオゲニンと類似の血管形成活性、すなわち、野
性型の活性よりも実質的に増大した活性を示すであろうと期待される。
第6表 D116H及び野性型アンギオゲニンの血管形成活性
試 料 用量C+++9) 陽性%(全卵数)D116)!−アンギオ
ゲニン 20 59 (22)lo 53
(26)
0.5 58 (36)
0.05 45 (40)
0.005 42 (35)
0.001 36 (11)
野性型アンギオゲニン 10 60 (47)0.
5 33 (24)
0.05 24 (25)
0.005 27 (11)
実施例9
E 、 Co11で発現された野性型又は突然変異体アンギオゲニンからのMe
t(1)の除去
E 、 Co11内での発現により得られた野性型又は突然変異体アンギオゲニ
ンは血漿アンギオゲニンとは、前者がN末端メチオニン[Met(1)] を含
むのに対し、後者がピログルタミン酸(環状グルタミン)を有する点で相異する
。E、Co11由来の野性型アンギオゲニン(N−末端メチオニンを含む)のり
ポヌクレオリティック及び血管形成活性は、血漿由来のアンギオゲニンの場合[
シャピロ等(5hapiro at al) 、Bioche−mistry2
5 : 3527 3532.1987]及びヒナハムスターの腎(B HK)
細胞中で発現されたアンギオゲニンの場合(米国特許第4,721.672号明
細書)とは区別できない。
それにもかかわらず、ある応用においては、N−末端メチオニンを除去して、N
−末端ピログルタミン酸をもつアンギオゲニンを提供することが好都合である。
これは、次のようにしてなされる。37℃で、200mMのリン酸カリウムpH
7,2中にてlnMのアエロモナスアミノペプチダーゼでMetC−1)アンギ
オゲニン(5−7μM)を24時間処理すると、自発的かつ定量的なグルタミン
(ctn−1)のどログルタミン酸への環化を伴なって、95%以上のMet(
−1)が除去される。これらの結果は、ペプチダーゼ処理の後に精製した野性型
アンギオゲニンの逆相HPLCN末端配列決定法及びアミノ酸分析法に基づいて
得られた。この物質は血漿又はBHK細胞由来の物質に同等の活性を示した。突
然変位体アンギオゲニンを同様に処理すれば、Met(−1)を除去して、N−
末端ピログルタミン酸を産生ずるように作用するであろう。
上述のことから、本明細書で本発明の特別の態様を例示の目的で記載したが、本
発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の変形がなされうろことは明ら
かであろう。従って、本発明は付言しI;請求の範囲によって限定された場合を
除き限定されるものではない。
国際調査報告
Claims (11)
- 1.116位又はこれに相当するアスパラギン酸が他のアミノ酸で置換された突 然変異体アンギオゲニン蛋白であって、増大した血管形成及びリボヌクレオリテ ィック活性を有する突然変異体アンギオゲニン蛋白。
- 2.116位又はこれに相当する位置のアスパラギン酸を置換するアミノ酸がア スパラギン、アラニン又はヒスチジンである請求の範囲第1項記載の突然変異体 アンギオゲニン蛋白。
- 3.請求の範囲第1項の突然変異体アンギオゲニン蛋白に対するコード配列を有 するDNA配列。
- 4.請求の範囲第2項の突然変異体アンギオゲニン蛋白に対するコード化配列を 有するDNA配列。
- 5.請求の範囲第3項のDNA配列を含むバクテリア性の宿主細胞を形質転換又 は移入しうるベクター。
- 6.トリプトファンプロモーター及び翻訳開始領域配列をさらに含有する請求の 範囲第5項記載のベクター。
- 7.請求の範囲第4項のDNA配列を有するバクテリア性の宿主細胞を形質転換 又は移入しうるベクター。
- 8.トリプトファンプロモーター及び翻訳開始領域配列をさらに有する請求の範 囲第7項のベクター。
- 9.薬学的に許容しうる担体中に請求の範囲第1項の血管形成に有効な量の突然 変異体アンギオゲニン蛋白を含有する医薬組成物。
- 10.薬学的に許容しうる担体中に請求の範囲第2項の血管形成に有効な量の突 然変異体アンギオゲニン蛋白を含有する医薬組成物。
- 11.請求の範囲第1項の蛋白をコード化するDNA配列を含有し、これを発現 するために形質転換又は移入された宿主細胞。
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