JP2859305B2 - 新規な風合の布帛 - Google Patents

新規な風合の布帛

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健太郎 釜本
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は外観品位に優れ非常にソフトで張り,腰のあ
る新規な風合を有する布帛に関するものである。
(従来の技術) 従来から極細糸を使用した布帛は数多く提案されてい
る。例えば特公昭60−7723号において“島”である難溶
出成分と“海”である易溶出成分とからなる海島型の分
割型複合糸を用いて織物となし,アルカリ処理によって
易溶出成分を溶出し,絹様織物を製造する方法。また特
公昭59−30419号においてはポリエチレンテレフタレー
トとナイロン6の分割型複合糸を用いて布帛となし,ベ
ンジルアルコールによってナイロンを膨潤させ,熱収縮
することによる分割処理を用いた清掃用布帛の製造方法
などがある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら,これらの布帛に使用する分割型複合糸
は原糸使いをしており,その様にするのが一般的ではあ
るが,原糸使いする場合においては,前述した海島型分
割複合糸をアルカリ処理によって溶出させるものは繊維
が海島型である故に,また分割型複合糸については繊維
をベンジルアルコールで膨潤させるものであるが故に,
いずれも溶出が不十分に完全に分割するのが困難であ
り,繊維の長さ方向に溶出斑や膨潤斑が発生して,分解
が完全な部分と不完全な部分とが生じており,布帛に筋
状の欠点部位が発生して布帛の品位を低下させるという
問題点を有するものである。
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明は上記のごとき筋状欠点を解決するとともに非
常にソフトで張り,腰のある高品位の新規な風合を有す
る布帛を提供するものである。即ち本発明はアルカリ溶
解性の大なるポリエステル重合体(A)とアルカリ溶解
性の小なるポリエステル重合体(B)とからなり,
(A)成分の割合がマルチフィラメント全体の30重量%
以下である分割型極細複合繊維糸条(イ)と単糸繊度0.
5d以上のポリエステルマルチフィラメント糸条(ロ)と
の2本以上を引揃えて180℃以下で複合仮撚加工をし,5
ケ/m以上のインターレースをして,該加工糸によって布
帛とした後,アルカリ処理によって糸条(イ)の中の
(A)成分を溶出させ,糸条(イ)部分は割繊率が80%
以上で割繊単糸フィラメントが0.2d以下になった糸条よ
りなっている布帛である。
本発明で云う,アルカリ溶解性の小なるポリエステル
重合体(B)とは90モル%以上がポリエチレンテレフタ
レート構造単位のポリエステルであり,アルカリ溶解性
の大なるポリエステル重合体(A)とはナトリウムスル
ホイソフタル酸1〜5モル%とポリアルキレングリコー
ル10〜30重量%を含む共重合ポリエステルであり,この
(A)成分のマルチフィラメント全体に占める割合は30
重量%以下であり,30重量%を超えると溶出成分の割合
が大き過ぎ,得られた布帛の組織を緩みが大きく,組織
ズレが生じて密度の高いものが得られないという欠点を
有するものとなり,好ましくは,15〜25重量%である。
本発明で云う割繊率は,仮撚加工温度180℃以下で加
工した布帛を40g/NaOH溶液で前記(A)成分を溶出し
た後の割繊糸の断面写真を観察し(B)成分が完全に割
繊された場合の単糸フィラメント本数に対する実際に割
繊された単糸フィラメント本数の割合であるが,糸条
(イ)の割繊率は80%以上でない場合には外観品位の良
好な布帛を得難く,80%より低くなると布帛に筋状の欠
点が見られることになり,布帛の品位を低下させる。ま
た割繊された単糸フィラメントは0.2d以下の極細糸とす
ることにより,外観品位が良好で非常にソフトで張り腰
のある布帛が得られるもので0.2dより太くなるとソフト
感が減少し好ましくない。仮撚加工の温度は180℃以下
であり,180℃より高いと割繊率の向上は得られるが仮撚
による捲縮効果の良化が過ぎて得られる編織物の張り,
腰が低下するものとなるので好ましくなく好ましくは16
5〜175℃である。
本発明において,糸状(イ)を用いることによりソフ
トな好ましい風合の布帛を得るが,糸条(イ)と糸条
(ロ)(0.5d以上のポリエステルマルチフィラメント糸
条)とを引揃えて仮撚加工して用いることにより,適度
の張り,腰が得られ,複合的な形態と感触によるところ
の従来にない新規な風合の布帛が得られる。
この場合の糸条(ロ)の単糸フィラメントは0.5d以上
が必要で,0.5dより細いと必要な適度な張り腰の布帛が
得られなく,好ましくは1〜5dである。
糸条(イ)(ロ)を2本以上引揃えて複合仮撚加工す
る際のインターレースは5ケ/m以上(好ましくは8〜25
ケ/m)が必要であり,5ケ/mよりも少なくなると準備工程
などで糸ズレが生じ操業性が低下する。
本発明は上述のごとくなるので,極細糸を用いる編織
物製造の際の原糸使いの場合において,従来技術で生じ
るごとき欠点を解消すると共にソフトで張り,腰のある
新規な風合を有する布帛が得られる。
(実施例) 以下に本発明の実施例とその比較例を挙げる。
実施例1 アルカリ溶解性の大なる成分として,分子量6000のポ
リエチレングリコール23重量%と,スルホイソフタル酸
グリコール2モル%との共重合ポリエステルの1重量部
と,アルカリ溶解性の小なる成分として極限粘度0.67の
ポリエチレンテレフタレート6重量部とを複合紡糸装置
によって第1図(A)に示すように個々のフィラメント
が花弁8分割型複合フィラメント(1aがアルカリ溶解性
の大なる部分,1bがアルカリ溶解性の小なる部分)であ
る70デニール/48フィラメントの糸条を溶融紡糸延伸し
糸条(イ)とし,極限粘度0.67のポリエチレンテレフタ
レートを溶融紡糸,延伸して75デニール/24フィラメン
トを得て,これを糸条(ロ)として,糸条(イ)と
(ロ)の2本を引揃えて加工温度180℃,仮撚数2800回/
mで仮撚加工を行いながらインターレース10ケ/mを付与
し,複合加工糸を得た。この複合加工糸を経,緯糸に用
いて生機密度経82本/吋,緯70本/吋で平織物を製織
し,これを染色加工工程で糸条(イ)が20%減量するア
ルカリ加工を行った後,常法の仕上加工を行い糸条
(イ)の部分の割繊率が95%である織物を得た。(結果
を実施例1〜2,比較例1〜3と共に第1表に示す。) 実施例2 糸条(ロ)として75デニール/96フィラメントを用い
たほかは実施例1と同様にして織物を得た。
(比較例1) 実施例1で用いた糸条(イ)を単独で加工温度185
℃,仮撚数3000回/mで仮撚加工を行い,この加工糸を
経,緯糸に用いて生機密度経82本/吋,緯70本/吋で平
織物を製織し,これを染色加工工程で糸条(イ)が20%
減量するアルカリ加工を行った後,常法の仕上加工を行
い,割織率95%の糸条よりなる織物を得た。
(比較例2) 実施例1と同様の糸使いで,インターレースを3ケ/m
にした以外は実施例1と同様にして織物を得た。
(比較例3) 糸条(ロ)を75デニール/200フィラメントとした以外
は実施例1と同様にして織物を得た。
(比較例4) 糸条(イ)の花弁8分割型複合糸を70デニール/24フ
ィラメントとした以外は実施例1と同様にして織物を得
た。
(注)織物評価を次のごとく表現する。
○:良好 △:稍劣る ×:劣る 結果は上記の実施例並びに比較例に示すように第1表
の分割型極細複合繊維糸条(イ)と単糸繊度0.5d以上の
ポリエステルマルチフィラメントとの2本引揃え用いた
実施例1,2の織物はソフトで張り,腰があり外観品位良
好で新規あ風合いを有する織物であり,極細繊維単独で
仮撚温度の高い比較例1は,張り,腰が低下し,比較例
2はインターレースが少ないので操業性に欠け,外観品
位が稍々劣るものであり,比較例3は糸条(ロ)の単糸
繊度が細過ぎるので張り腰が劣り,比較例4は糸条
(イ)の割繊後の単糸フィラメントが太過ぎるのでソフ
ト性に欠けるものであった。
(発明の効果) 本発明はアルカリ溶解性の大なるポリエステル重合体
(A)とアルカリ溶解性の小なるポリエステル重合体
(B)とからなる分割型極細複合繊維糸条(イ)と単糸
繊度0.5d以上のポリエステルマルチフィラメント糸条
(ロ)を引揃えて仮撚加工して,その加工糸を布帛とし
た後,アルカリ処理することにより,糸条(イ)を分割
せしめた糸条部分を有する布帛であり,ソフトで適度の
張り,腰を有し,外観品位に優れる高級な風合を有する
布帛である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に用いる花弁8分割型複合フィ
ラメントの概略横断面図であり,第1図(A)は該フィ
ラメントのアルカリ溶解処理前,第1図(B)は該フィ
ラメントの処理後のものを示す。 1a……アルカリ溶解性の大なる部分 1b……アルカリ溶解性の小なる部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D02J 1/00 D02J 1/00 K 1/22 1/22 J D03D 15/00 D03D 15/00 F H (56)参考文献 特開 昭63−264965(JP,A) 特開 昭63−152460(JP,A) 特開 昭57−95330(JP,A) 特公 昭60−7723(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 11/00 - 11/84

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ溶解性の大なるポリエステル重合
    体(A)とアルカリ溶解性の小なるポリエステル重合体
    (B)とからなり,該(A)成分の割合がマルチフィラ
    メント全体の30重量%以下である分割型極細複合繊維糸
    条(イ)〔以下,糸条(イ)と略記する〕と単糸繊度0.
    5d以上のポリエステルマルチフィラメント糸条(ロ)
    〔以下,糸条(ロ)と略記する〕との2本以上を引揃え
    て180℃以下で複合仮撚加工をし,5ケ/m以上のインター
    レースをして,該加工糸によって布帛とした後,アルカ
    リ処理によって糸条(イ)の中の(A)成分を溶出する
    ことにより,糸条(イ)部分は割繊率が80%以上で割繊
    単糸フィラメントが0.5d以下になる糸条であることを特
    徴とする新規な風合の布帛。
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