JP2531598B2 - 太細を有する合成繊維及びその製造方法 - Google Patents

太細を有する合成繊維及びその製造方法

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寿一 勝井
太郎 村田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太細を有する合成繊維に
関する。
【0002】
【従来の技術】合成繊維は優れた機能を有するため今日
種々の用途に用いられているが、繊維の質が天然繊維に
比べ均一であるため、自然な外観に劣り、また風合いも
単調になり勝ちである。
【0003】このため複数種の繊維を複合して用いる技
術が知られており、例えば太繊度糸と細繊度糸とを混繊
するもの(特開昭57−117647号公報)や、太繊
度セグメントと細繊度セグメントとを接合した複合繊維
を溶解分割するもの(特開昭64−20350号公報)
等がある。また、太細を有するフィラメント糸(所謂シ
ックアンドシン糸)を用いて自然な外観・風合いを得よ
うとするもの等がある(例えば特公昭62−8535号
公報)。
【0004】しかし、これらの技術単独では、柔軟性と
ふくらみ感といった相反する風合いを充分に満足させる
には至っていない。
【0005】一方、前記のごとき技術を組合せ特殊な風
合いを得ようとしたものとしては、特開昭59−192
722号公報に、アルカリ溶解性の異なるポリマを接合
した複合繊維を低倍率延伸して太細を生じせしめ、これ
を溶解処理して太細を有する極細繊維を得ることが記載
されている。
【0006】また、特開昭61−282445号公報に
は、2種以上の重合体を複合紡糸して複合繊維を得、該
複合繊維を低倍率延伸して太細を発生せしめたのち、分
割又は溶解して単糸繊度が1デニール以下、太細比が
1.2〜1.7の太細を有する極細繊維を得ることが記
載されている。
【0007】さらに、特開昭54−2419号公報に
は、3種以上の細繊度繊維に分割された部分と非分割部
分とが繊維軸方向に沿って交互に存在している同一成分
からなる合成繊維が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術でも自然感覚に富む顕著な外観・風合いを得るこ
とはできなかった。即ち、特開昭59−192722号
では、溶解処理によって、複合繊維が完全に極細繊維化
してしまう。このため、例えば1デニール以下の領域内
で多少の繊度差があったとしても、全体の風合いに与え
る影響は殆ど無くなってしまうのである。
【0009】これは特開昭54−2419号においても
同様である。即ち、同発明においても複合繊維は完全に
分割又は溶解されており特許請求の範囲等に記載された
如く、単糸繊度は1デニール以下、太細比も1.2〜
1.7程度のものしか得られていないのである。
【0010】一方、特開昭54−2419号では、同一
成分からなる太細繊維が開示されているが、該繊維を種
々のポリマ、例えばポリアミドやポリエステルによって
製造しようとした時には、同公報に記載された内容では
困難である。なぜなら、同公報では機械的な分割法によ
り分割部と非分割部を有した繊維を得るのであるが、こ
のような方法により安定して部分的に分割が行えるのは
アクリル系繊維に限られるからである。
【0011】本発明は前記問題点を解決するものであっ
て、分割型複合繊維をランダムに分割することにより、
極細繊維の有する独特の柔かい風合と、適度なふくらみ
感及び自然感覚に富んだ外観を全て併せ持った合成繊維
を提供せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、相互親和性に
乏しい複数種の合成重合体が接合されてなる単糸繊度1
デニール以上の複合繊維において、該複合繊維は糸軸方
向に沿って、分割フィブリル化された部分をランダムに
有し、該分割フィブリル化された部分は単糸繊度0.5
デニール以下の極細繊維により構成されていることをを
特徴とする太細を有する合成繊維である。
【0013】また該合成繊維はポリアミド及びポリアミ
ドと相互親和性に乏しい合成重合体からなり0.5デニ
ール以下のセグメントが接合された未延伸複合繊維を、
低倍率延伸したのち編織し、該繊維にポリアミド膨潤剤
を付与して、糸軸方向に沿って分割フィブリル化された
部分をランダムに生ぜしめることにより製造される。
【0014】相互親和性に乏しい複数種の合成重合体が
接合されてなる複合繊維とは、複合紡糸技術により単糸
横断面に於て、繊維軸方向に連続する複数のセグメント
を有し、物理的及び/又は化学的処理により、該セグメ
ントが、分割フィブリル化し得る糸のことである。
【0015】図1(A)〜(C)は該複合繊維の例であ
り、これらの他並列積層型、多島海型コンジュゲート糸
も含まれる。使用し得るポリマーとしては、例えばポリ
エステル/ポリアミド、ポリオレフィン/ポリエステ
ル、ポリオレフィン/ポリアミドの組み合わせが挙げら
れる。また、各セグメントの繊度は0.5デニール以下
であることが必要であり、好ましくは0.3デニール以
下である。
【0016】本合成繊維は、図3に示す如く、糸軸方向
に沿って分割フィブリル化された部分(1)をランダム
に有する。而して、分割フィブリル化された部分(1)
以外の複合繊維のまま残存した部分(2)は、各単糸フ
ィラメントの所定長において1〜10%を占める程度が
好ましい。またマルチフィラメントにおいて、各単糸フ
ィラメントの複合繊維のまま残存した部分(2)は、位
相が揃って存在したほうが好ましい。
【0017】ここで、分割フィブリル化された部分
(1)をランダムに有するとは、分割フィブリル化され
た部分(1)又は複合繊維のまま残存した部分(2)の
長さがランダムであることを意味する。
【0018】本発明において、太細は、複合繊維が分割
フィブリル化した部分(1)と複合繊維のまま残存した
部分(2)によって形成されているため、複合繊維の単
糸繊度を1デニール以上とすることにより、太い部分と
細い部分の繊度比は2倍以上にもなり、より好ましくは
10〜60倍程度とすると良い。
【0019】更に、複合繊維のまま残存した部分(2)
は、以後の衝撃に対しても容易には分割フィブリル化し
ないようセットされている。本合成繊維は、分割フィブ
リル化された形状・作用を損なわない限り、仮撚、染
色、その他各種加工が施されることを妨げない。
【0020】以下、本合成繊維を効率的に製造する方法
について述べる。本方法においては、ポリアミド及びポ
リアミドと相互親和性に乏しい合成重合体、例えばポリ
エステル、ポリオレフィン等とが接合されてなる複合繊
維を用い、より好ましくは、横断面に於て放射型の形状
を有するポリアミド成分と該放射部を補完する扇型形状
のポリエステル成分とからなる図1(A)及び(B)の
如きコンジュゲート糸を用いると良い。
【0021】かかる複合繊維は、特開昭63−2567
33号公報等に記載された如く、破断伸度300%以上
程度の未延伸糸の状態で1〜4日間エージングした後、
ガラス転移点以下の延伸温度且つ自然延伸倍率以下の低
倍率で延伸することにより、所謂シックアンドシン糸と
なす。該形状の模式図を図2に示す。
【0022】次に該複合繊維を編織して布帛となした
後、ポリアミド膨潤剤を付与する。ポリアミド膨潤剤と
しては、公知のベンジルアルコール、フェニルエチルア
ルコール、フェノール類等が挙げられ、処理方法として
は、特公昭61−37383号公報に記載された如く、
ベンジルアルコール等の乳化水溶液を布帛に含浸又は塗
布後、熱処理する方法がある。
【0023】該複合繊維は、前記公報にも記載された如
く、ポリアミド膨潤剤により化学的に剥離開繊するが、
その際ポリアミド成分が大きく収縮し、極細化されたポ
リエステルセグメントが中央部のポリアミドセグメント
の廻りに浮き上がる形態をなし、ふくらみ感を向上させ
ることが出来るのである。このため、本方法では、10
〜30%程度布帛を収縮させることが好ましい。
【0024】前記の如き複合繊維は織編物とした後、剥
離開繊させると、未延伸部(シック部)は剥離しない
か、剥離し難い為、太いコンジュゲート未延伸糸のまま
で残る。
【0025】
【実施例】フェノール:テトラクロルエタン=6:4の
溶媒(20℃)で測定した固相粘度が0.640のポリ
エチレンテレフタレートと、濃硫酸(25℃)で測定し
た相対粘度が2.78のナイロン6とを、各々溶融し、
体積比2:1で複合紡糸した。巻取速度1.100m/
分とし、図1(B)の横断面形態を有する160d/2
5fの未延伸糸を得た。この未延伸糸を常温で3日間エ
ージングした後、種々の延伸倍率で延撚した(自然延伸
倍率3.1)。糸質とシック&シンの発現状態を表1に
示す。
【0026】
【表1】
【0027】経糸にポリエチレンテレフタレート単独の
延伸糸75d/36fを用い、緯糸に上記5種のコンジ
ュゲート糸を用いて5種の織物を得た。各々の織物をベ
ンジルアルコール20%の水系エマルジョンに浸漬した
後、50℃で湿熱処理し、緯方向に20%収縮せしめ、
水洗・乾燥した。処理後の風合評価結果を表2に示す。
【0028】
【表2】 ○ 優れている △ やや劣る × 劣る
【0029】シック&シンの発生率(測定長 1mに対
する未延伸部の長さの割合)が1〜10%が、良好な外
観を呈し、且つ柔かく、ふくらみ感のある風合となっ
た。また、分割フィブリル化した部分は0.1〜0.2
デニールの極細繊維から構成されていた。
【0030】
【発明の効果】本発明の合繊繊維は、柔かく、ふくらみ
感があり、又自然な斑感を呈し、且つ極細糸を用いる
為、アウターウェア用素材として好適である。更に高密
度化し、透湿防水性を付与することも容易に出来、カジ
ュアル素材としても応用が広い。
【0031】また、本製造方法は前記合成繊維を工業的
に安定して製造可能なものであって、その有用性は明ら
かである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は本発明に用いる開繊極細化可
能なコンジュゲート糸の横断面の例である。
【図2】本発明で用いる複合繊維の分割フィブリル化処
理前の形態模式図である。
【図3】本発明の合成繊維の形態模式図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02J 1/22 D02J 1/22 N D03D 15/00 D03D 15/00 B D06M 13/144 D06M 9/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互親和性に乏しい複数種の合成重合体
    が接合されてなる単糸繊度1デニール以上の複合繊維に
    おいて、該複合繊維は糸軸方向に沿って、分割フィブリ
    ル化された部分をランダムに有し、該分割フィブリル化
    された部分は単糸繊度0.5デニール以下の極細繊維に
    より構成されていることをを特徴とする太細を有する合
    成繊維。
  2. 【請求項2】 ポリアミド及びポリアミドと相互親和性
    に乏しい合成重合体からなり0.5デニール以下のセグ
    メントが接合された未延伸複合繊維を、低倍率延伸した
    のち編織し、該繊維にポリアミド膨潤剤を付与して、糸
    軸方向に沿って分割フィブリル化された部分をランダム
    に生じせしめることを特徴とする太細を有する合成繊維
    の製造方法。
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