JP3081741B2

JP3081741B2 - 新規なマイクロファイバー布帛

Info

Publication number: JP3081741B2
Application number: JP05264260A
Authority: JP
Inventors: 義和近藤; 秀夫上田; 滋西村
Original assignee: 鐘紡株式会社
Priority date: 1993-09-27
Filing date: 1993-09-27
Publication date: 2000-08-28
Anticipated expiration: 2015-08-28
Also published as: JPH0797741A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は新規な絣調表面を有する
マイクロファイバー織物布帛及びその製造方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来よりマイクロファイバーを使用した
布帛は数多く提案されている。

【０００３】例えば特開昭52-27822号公報、特公昭53-3
5633号公報、特開昭61-282445 号公報、特公昭62-8535
号公報、特開昭60-215869 号公報、特開昭61-34276号公
報等に主にポリエステル／ナイロンを成分とする複合繊
維、微細繊維の提案がある。しかしながら、上述の従来
提案されている方法では、余りにも均一な形状を有する
繊維しか得られておらず、その為に織物についても自然
な外観やその自然な外観より作られる自然な風合いを持
つ布帛を得ることは出来なかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明者らは鋭意研究
の結果本発明に到達したものである。即ち本発明の目的
は、従来にない絣状の濃淡部を有するマイクロファイバ
ー布帛を得る事であり、他の目的は従来にない絣状の濃
淡部を有するマイクロファイバー織物布帛を工業的容易
且つ安価に製造する方法を提供する事にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は互いに溶解速度
の異なる少なくとも２種類のポリマー成分よりなり、繊
維横断面方向に該成分が交互に配列或いは海島状に配列
した繊維軸方向に太い部分（シック部、以下Ｔ部と記
す。）と細い部分（シン部、以下ｔ部と記す。）を有す
る複合繊維を経糸及び／又は緯糸に使用した織物で該複
合繊維が複合繊維を形成する各成分のいずれか一方の成
分を溶解除去し、他方の成分をフィブリルし、該フィブ
リルが布帛表面に飛び出したループを形成し、且つ該複
合繊維のＴ部が他の部分に比較して濃色に染色されて筋
状を呈する新規な絣調表面を有するマイクロファイバー
織物布帛である。

【０００６】本発明の繊維は互いに溶解速度の異なる少
なくとも２種のポリマーよりなる複合繊維である。溶解
速度が異なるとは、複合繊維を特定の溶剤に浸漬した場
合、複合繊維を形成するいずれか一方の成分の溶解速度
が他の成分より大きく、一方の成分が残る事を意味す
る。通常、双方の溶解速度の差が少なくとも１０倍、好
ましくは少なくとも２０倍、更に好ましくは少なくとも
３０倍である。

【０００７】一例を挙げれば、例えばポリエステルとポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレ
タン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の組み合わせは溶解速度が非常に異なり、或い
は全く異なり好ましい組み合わせである。

【０００８】又、ポリエステルの相手としてポリエステ
ルの変成物、例えばスルホン酸の金属塩を有するフタル
酸、アジピン酸やポリエチレングリコール等を共重合し
た変成ポリエステルでも溶解速度が１０倍以上異なるた
めに利用できる。ポリエステルと上述の変性ポリエステ
ルの組み合わせでは、ポリマー物性が大きく異なる事が
ないために、紡糸条件、延伸条件、仮撚り条件、及び織
り編みや染色等の後加工も安定した条件を取ることが可
能でより好ましいものである。

【０００９】又ポリアミドについても同様にポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポレテトラフルオロエチレン、ポリ
アクリロニトリル等とは互いには溶解速度が非常に異な
り、或いは全く異なり好ましい組み合わせである。

【００１０】また、これ以外でもそれぞれの溶解速度が
少なくとも１０倍離れているポリマーの組み合わせを有
する物であれば好ましい。

【００１１】又、成分としては、溶解速度が少なくとも
１０倍離れている少なくとも２種のポリマーよりなるも
のが好ましい。しかし、、３種類のポリマー成分よりな
る複合繊維でも、他の２種のポリマーに比べて溶解度が
１０倍離れているポリマーを間に挟んだポリマーの組み
合わせのものも利用できる。この場合は溶解処理後残っ
た２種のポリマー成分を種々変える事により多様な性
能、品質を有する布帛を製造する事が出来ると言う特徴
がある。

【００１２】複合繊維としては、特公昭62-8535 、特開
昭52-27822号公報、特開昭61-282445 号公報に提案され
ている様な互いに親和性に乏しいポリマーの組合せから
なる物が利用できるが、その他の形状を有する物でも利
用できる。その一例を図１に示す。なかでも図１のｂ，
ｅ（放射状），ｆ（放射状），ｈ，ｋ，ｍ，ｎ（海島
状），ｏ（中空環状）等が好ましい。

【００１３】本発明の複合繊維は通常の複合繊維の製造
方法にて製造する事が可能である。開繊・フィブリル化
前の単糸のデニールとしては、１〜１０デニール程度が
好ましく、更に２〜５デニールが好ましい。又複合繊維
を構成する各成分（開繊・フィブリル化後）のデニール
は高々１デニール、好ましくは高々０．５デニール、更
に好ましくは０．２〜０．０５デニールである。各フィ
ラメントを開繊・フィブリル化した後の各フィブリルの
デニールは同じ大きさでも良いし、又異なっていても良
い。

【００１４】本発明の２種のポリマーの比率は通常１０
／１〜１／１０（重量比）である。好ましくは５／１〜
１／５（重量比）、更に好ましくは３／１〜１／３（重
量比）である。又、溶解除去する成分が残存する成分よ
り比率が少ない事がより好ましいことは言うまでもな
い。更に３種のポリマー成分より構成する場合は、溶解
除去する成分の量を通常全体の３０％以下、好ましくは
２０％以下、更に好ましくは１５％以下とする。

【００１５】開繊・フィブリル化前の繊維のデニールが
１デニールより小さい場合は操業性の点でやや問題があ
る。又１０デニールを越えると各成分に開繊後のデニー
ルが大きくなり目的とするマイクロファイバーの持つ特
徴有る性能、風合いが出ない恐れがある。

【００１６】本発明で言うＴ部＆ｔ部（以下シックアン
ドシンと記す。）とは繊維軸方向にデニールが不連続で
ある事を示す。好ましくはＴ部とｔ部との断面積の比が
少なくとも１．５，更に好ましくは少なくとも２，特に
好ましくは２．５〜７である。又Ｔ部の長さが好ましく
は少なくとも３mm以上、更に好ましくは少なくとも５mm
以上、特に好ましくは１０〜５０mmである。又、Ｔ部の
出現頻度は、ばらついた方が自然で好ましいが、通常３
０cm当たり１ケ以上、好ましくは２０cm当たり１ケ以
上、更に好ましくは１０cm当たり１ケ以上である。Ｔ部
の繊維全体に対する比率は通常少なくとも３％、好まし
くは少なくとも５％、更に好ましくは１０〜６０％であ
る。尚、Ｔ部がマルチフイラメントの場合はなるべくそ
の位相が同じである方が好ましい。即ち、色差の明確化
やフクラミ感、感触の改善により好ましい。

【００１７】シックアンドシンの作り方はいずれの方法
でも良いが最も一般的な作り方は未延伸糸を延伸する際
に自然延伸倍率より低い倍率で延伸すればよい。自然延
伸倍率とは、紡糸上がりの糸を延伸を掛ける際に、ネッ
キングによる延伸が進み糸全体が完全な延伸糸となる延
伸倍率を言う。例えば紡糸速度１２００ｍ／分で巻き取
った繊維は通常自然延伸倍率が約３．５〜４．０倍であ
る為に、その値より小さい延伸倍率とすれば繊維に未延
伸部が残りシックアンドシン糸となる。自然延伸倍率よ
り延伸倍率を低くすればするほど、シックアンドシンは
出易く且つＴ部／ｔ部の差が顕著になる。延伸条件（延
伸倍率、延伸温度、セット温度）をどう選ぶかは、どう
いうポリマーを使ったが、どういう紡糸速度で紡糸した
か、及びどう言う形態のシックアンドシンを作りたいか
によりそれぞれ異なってくる。目的、条件により最適の
条件を選定する必要がある。

【００１８】シックアンドシンを有する繊維は織る場
合、経糸及び／又は緯糸として用いる。少なくとも一方
に使用する。この使用量も勿論製品にどれだけこうした
表面変化を持たせるかにより当然変化させる必要があ
る。経糸、緯糸の両方に使用すれば直交する濃色化され
たかすりの模様を持つ布帛となるし、経糸或いは緯糸の
どちらか一方に使用すれば縦方向或いは横方向に明確な
濃色化されたかすりの模様を持つ布帛となる。

【００１９】これらの所謂マイクロファイバー原糸のシ
ックアンドシンによる染色性の差に着目した模様付けは
これまで提案されもしておらず、極めて商品価値として
大きいものである。このシックアンドシン部の色の濃淡
は目で見てハッキリ判別出来る程度であれば良い。しか
も風合いについては、起毛処理をしないでも起毛処理を
行った布帛の様な触感がある。

【００２０】しかし、サンディング加工等の起毛処理を
しても更にピーチスキン調の感触を増加でき、又異なっ
た商品価値を生み出すことが出来る。

【００２１】つまり繊維が繊維軸方向に未延伸部分（Ｔ
部）と延伸部分（ｔ部）が交互に存在し、その繊維断面
積の比が通常少なくとも１．５以上、好ましくは２以
上、更に好ましくは２．５〜１０である為に、開繊・フ
ィブリル化後の繊維の収縮率や伸び率が異なり、結果的
にはその糸長差により布帛表面に大きなループが形成さ
れ、そのループが丁度サンディング処理等で表面を起毛
した感触を生じさせている。図２に模式図で示す。

【００２２】このループの大きさは図中のＨで示すが、
通常少なくとも１５μｍ、好ましくは少なくとも２０μ
ｍ、更に好ましくは３０〜１００μｍである。このルー
プの数は、本発明のかかる繊維のシックアンドシンの数
や使う繊維の量により決まり、又ループの大きさ、長さ
はポリマーの組み合わせやシックアンドシンの大きさ、
数によって決まる。

【００２３】本発明方法は互いに溶解速度の異なる少な
くとも２種類のポリマー成分を、繊維横断面方向に該成
分を交互に配列或いは海島状にさせて紡糸し、自然延伸
倍率以下にて延伸して得た繊維軸方向にＴ部とｔ部を有
する複合繊維を経糸及び／又は緯糸に使用した織物をつ
くり、次いで複合繊維のいずれか一方の成分を溶解除去
し、他方の成分をフィブリル化させる処理を施し該フィ
ブリルが布帛表面に飛び出す様にループを形成させ、且
つ次いでＴ部がｔ部より濃色に染色される様に染色する
事を特徴とする。

【００２４】紡糸の方法は上述した複合繊維を製造する
方法であれば特に限定はしない。例えば、アルカリ易溶
性ポリエステル成分とポリエステル成分を１／３の吐出
量比で複合紡糸し、図１ｈに示す様な断面を有する繊維
を得る事は容易である。紡糸速度は通常７００ｍ／分以
上の巻き取り速度で巻き取る。巻き取り速度が７００〜
２０００ｍ／分程度では、配向状態の低い未延伸糸が得
られる。この未延伸糸を延伸し通常仕様に耐える糸の強
度、伸度を与えるが、ここでは完全に延伸する事なく、
繊維の一部に未延伸部分を残す事が特徴である。この為
には、延伸倍率は未延伸糸の有する自然延伸倍率より低
い倍率で延伸を行う。通常自然延伸倍率の高々０．９５
倍、好ましくは高々０．９０倍、好ましくは０．６５〜
０．８５倍で行う。延伸倍率が自然延伸倍率の高々０．
９５倍を越えると目標とするシックアンドシンが明確で
なくなる。又延伸温度は、通常ポリマーのガラス転移点
付近で行うが、好ましくはガラス転移点−１０℃〜ガラ
ス転移点＋１０℃でおこない、Ｔ部の発生する位相をな
るべく一致させる様にする。

【００２５】又、紡糸速度が２０００ｍ／分より大きく
なると、紡糸後の繊維が一部配向状態（ＰＯＹ）を形成
するがこのＰＯＹ糸でも同様に延伸倍率を低くすること
によってシックアンドシンを形成させる事が出来る。
尚、紡糸後に糸をしばらく、例えば１日以上、好ましく
は２日、更に好ましくは３日以上放置する（エージン
グ）事によってより延伸時にシックアンドシンを明瞭に
形成する事が出来る。

【００２６】延伸後に得られた複合繊維は生糸のまま使
用しても良いし、仮撚り等の加工糸として使用してもよ
い。

【００２７】織物には、該複合繊維を経糸及び／又は緯
糸として使用する。使用に際しては、経糸或いは緯糸１
００％でも良いし、他の糸との交織でもよい。他の糸と
の交織では、製品での絣模様の柄の大きさを比較的自由
に変化させる事が出来る。又、該複合繊維と他の繊維と
の混繊糸使いでも良い。

【００２８】織物にした後は、複合繊維のいずれか一方
をより早く溶解させる薬剤にて処理し、複合繊維の少な
くとも一成分を溶解除去する。例えばスルホイソフタル
酸ナトリウムを３％含有する変成ポリエステルと未変成
のポリエステルよりなる複合繊維では、３％程度のカセ
イソーダ水溶液にて処理することにより変成ポリエステ
ル成分を殆ど完全に溶解除去し未変成ポリエステル成分
のみにフィブリル化させる事が出来る。溶解に際して
は、複合繊維の少なくとも一成分を溶解させるが、その
成分の全てを溶解させる必要はなく、例えば細い部分は
溶解するが、太い部分は一部を残してやれば、風合い、
異色性、外観の特徴はまた異なった物となり面白い。残
存した未変成ポリエステル成分よりなる微小フィブリル
はその繊維が有するシックアンドシンの為に部分的に収
縮率が異なり、その為の収縮差や未変成ポリエステル成
分よりなる微小フィブリルが一部切断する為に生成した
布帛表面にループを形成する。ループの数は該複合繊維
の使用量や、溶解除去の条件によって各種に設定でき
る。

【００２９】特に、一成分を溶解除去後、残った成分を
加熱処理、薬剤処理等によって収縮させ、布帛をより高
密度にする事も風合い、性能の点で好ましい。染色は、
溶解除去により残存した成分を染色する方法により行
う。この際の染色法は従来の方法を採用する事が出来
る。染色により繊維に形成したＴ部とｔ部では濃度に差
が出来る。この染色差は染色条件により幾分変化させる
事が出来るが本発明の絣様の表面状態を形成させる為に
は、通常ＣＩＥ標色系による△Ｌが２以上、好ましくは
３以上である。

【００３０】染色の後、一般的に行われる親水加工処理
や撥水処理や制電処理、防汚処理等を追加する事は特に
問題はない。

【００３１】

【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はなんらこれに限定されるものではな
い。

【００３２】実施例１フェノール／テトラクロルエタン（６／４）の溶剤を用
いて２０℃にて測定した固有粘度（〔η〕）が０．６４
のポリエチレンテレフタレートとスルホイソフタル酸ナ
トリウムを３％共重合したアルカリ易溶性変成ポリエス
テルを複合比＝３：１で紡糸し、図１ｈに示す複合繊維
を得た。紡糸速度は９００ｍ／分、延伸条件は６７℃、
３．０５倍であった。延伸後の糸は９０ｄ／４８ｆの大
きさで、シックアンドシンは明瞭に発現しておりＴ部の
デニールとｔ部のデニールの比率は約４倍であった。Ｔ
部の長さは約１０〜３０mmであり、発現の頻度は１０cm
当たり約２ケであった。本繊維を経糸、６０ｄ／３６ｆ
のレギュラーポリエステル繊維を緯糸に使用して平織り
を作った。次いで、３％のカセイソーダの水溶液にて９
５℃に浸漬し、変成ポリエステル成分を溶解除去した。
６０℃の温水中にて洗浄を行い、経糸密度１１５本／イ
ンチ、緯糸密度８５本／インチの織物を得た。

【００３３】染色は液流染色機を用いて行った。分散染
料(C.I.Disperse Blue 270 5% ,C.I.Disperse Red 828
1%)で130 ℃×30分染色を行い、次いでタンニン酸4%水
溶液にて80℃×20分浸漬洗浄後乾燥し布帛を得た。

【００３４】得られた染色布帛では、複合繊維の明瞭な
微細繊維及び明瞭な縦方向への濃淡の縞の絣模様が確認
された。又、触感もピーチスキンタッチをしており、非
常に滑らかな感触であった。

【００３５】又、比較例として、延伸条件を６７℃、
３．９５倍として試料を採取した。この繊維は均一に延
伸され、シックアンドシンは見られなかった。上記と同
じ工程、条件にて織物作成、染色加工を実施した。布帛
には特に明瞭な絣模様は見られず、又特別な風合いもな
く、ペラペラしたペーパーライクな布帛が得られた。

【００３６】実施例２実施例１のポリエチレンテレフタレートとポリスチレン
を用いて図１ｎに示す複合繊維を得た。尚島成分として
ポリエチレンテレフタレートを、又海成分としてポリス
チレンを使用した。海成分と島成分の比率は１：１であ
る。

【００３７】延伸以後は実施例１と同様に行い、織り、
アセトン溶剤による開繊、染色処理等を経て製品を得
た。布帛は明瞭なシックアンドシンによる絣模様を呈し
又風合いもフクラミやピーチスキン調の優れたものであ
った。

【００３８】

【発明の効果】本発明により、これまで全く人工的な非
常に均一な表面状態しか有していなかったマイクロファ
イバー布帛が、プリント等特殊な染色法に依らなくても
特殊な外観、状態を有する様になる。又、プリントで
は、一定の繰り返し模様しか付与できないが、本発明で
は、全くランダムな繰り返しのない模様を表現でき、そ
れが布帛に非常な自然な感じを与える。又、風合い的に
もサンディング、起毛処理といった処理をしないでもフ
クラミ感、特殊なタッチを有する事が出来る。即ち、従
来にない全く新規な表面状態を非常に簡単に且つ非常に
安価に得られると言う、極めて工業的に大きな利益があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に使用できる複合繊維の断面形状の一
例を示す。図中斜線の有無は互いに溶解速度異なる異種
ポリマーを示す。

【図２】本発明の表面でのループの状態を示す。図中
のＨはループの大きさを示す。

【符号の説明】

１経糸又は緯糸２緯糸又は経糸

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】互いに溶解速度の異なる少なくとも２種
類のポリマー成分よりなり、繊維横断面方向に該成分が
交互に配列或いは海島状に配列した繊維軸方向に太い部
分と細い部分を有する複合繊維を経糸及び／又は緯糸に
使用した織物で該複合繊維が複合繊維を形成する各成分
のいずれか一方の成分を溶解除去し、他方の成分をフィ
ブリル化し、該フィブリルが布帛表面に飛び出したルー
プを形成し、且つ該複合繊維の太い部分が他の部分に比
較して濃色に染色されて筋状を呈する絣調外観を有する
マイクロファイバー織物布帛。
【請求項２】ポリマー成分が中空環状に交互に配列し
ている請求項１記載の織物布帛。
【請求項３】複合繊維を形成するポリマーの溶解速度
が少なくとも１０倍異なる請求項１記載の織物布帛。
【請求項４】複合繊維の太い部分と細い部分における
断面積の比率が少なくとも２倍以上である請求項１記載
の織物布帛。
【請求項５】複合繊維の太い部分の長さが少なくとも
３mm以上である請求項１記載の織物布帛。
【請求項６】複合繊維の太い部分の出現頻度が１０cm
当たり少なくとも１ケである請求項１記載の織物布帛。
【請求項７】互いに溶解速度の異なる少なくとも２種
類のポリマー成分を繊維横断面方向に交互に配列或いは
海島状にさせて紡糸し、自然延伸倍率以下にて延伸して
得た繊維軸方向に太い部分と細い部分を有する複合繊維
を経糸及び／又は緯糸に使用した織物をつくり、次いで
複合繊維のいずれか一方の成分を溶解除去し、他方の成
分をフィブリル化させる処理を施し該フィブリルが布帛
表面に飛び出す様にループを形成させ、且つ次いで複合
繊維の太い部分が細い部分より濃色に染色される様に染
色する事を特徴とする絣調外観を有するマイクロファイ
バー織物布帛の製造法。
【請求項８】少なくとも複合繊維の細い部分の分割を
一成分が溶解する条件で行う請求項７記載の製造法。