JP2678110B2 - 紫外線遮蔽性に優れた布帛 - Google Patents

紫外線遮蔽性に優れた布帛

Info

Publication number
JP2678110B2
JP2678110B2 JP3280639A JP28063991A JP2678110B2 JP 2678110 B2 JP2678110 B2 JP 2678110B2 JP 3280639 A JP3280639 A JP 3280639A JP 28063991 A JP28063991 A JP 28063991A JP 2678110 B2 JP2678110 B2 JP 2678110B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
core
fabric
sheath
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3280639A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0593343A (ja
Inventor
英治 秋庭
和繁 坂本
治 武村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP3280639A priority Critical patent/JP2678110B2/ja
Publication of JPH0593343A publication Critical patent/JPH0593343A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2678110B2 publication Critical patent/JP2678110B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、おもに衣料用途のほ
か、カーテン、日傘などインテリア用途において、優れ
た紫外線遮蔽効果を有する布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層破壊に伴う地球への紫外
線量増加の問題が関心を集め、各種の紫外線遮蔽繊維製
品が種々、市場に提供されているが、一般に紫外線遮蔽
物質を生地あるいは製品に塗布する後加工方式がとられ
ており、洗濯耐久性がなかったり、風合いが粗硬になる
問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィラメン
トを使用し製造上特に障害となる問題を有する事なく、
優れた紫外線遮蔽効果を有する布帛を提供することを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芯成
分に金属酸化物が5〜40重量%含有されており、芯/
鞘重量比が1/4〜4/1の範囲にあるポリエステル系
芯鞘型複合フィラメントを側糸および/または芯糸に含
み、側糸の沸水収縮率(Wsr)が5%以下であり、芯
糸の最大乾熱応力が250mg/dr以上で、且つ該応
力発生時の温度が100℃以上であり、側糸と芯糸との
沸水収縮率差(△Wsr)が8%以上であるエアー交絡
された非捲縮系2層構造糸からなり紫外線透過率が10
%以下である布帛、及び上記ポリエステル系芯鞘型複合
フィラメントを側糸および/または芯糸に含み、芯糸と
側糸との糸長差が8%以上であり、芯糸の強度が3g/
dr以上でかつ伸度が35%以下であるエアー交絡され
た仮撚捲縮系2層構造糸からなり、紫外線透過率が10
%以下の布帛である。また、本発明の布帛は、下記
(1)式に示すカバーファクターKが700〜1300
の織物又は下記(2)式に示すカバーファクターKが2
00〜500の編物であることが望ましい。
【数3】 D1:経密度。1cmあたりの経糸構成本数。 D2:緯密度。1cmあたりの緯糸構成本数。 Dr1:織物に使用される経糸のデニール。 Dr2:織物に使用される緯糸のデニール。 ただし、Dr1,Dr2は2種以上の糸を使用する場合はその
加重平均とする。
【数4】 D1:経密度。ウエール数/1cm。 D2:緯密度。コース数/1cm。 Dr3:編物に使用される糸のデニール。 ただし、Dr3は2種以上の糸を使用する場合はその加重
平均とする。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の布帛の製造に用いられるポリエステル系芯鞘型複
合フィラメントは、芯成分に金属酸化物を5〜40重量
%、望ましくは8〜30重量%有し、かつ、芯/鞘重量
比率が1/4〜4/1、望ましくは1/2〜2/1であ
ることが必要であり、さらに該ポリエステル系芯鞘型複
合フィラメントが主体となる布帛であること、すなわ
ち、布帛全体の50重量%以上を該ポリエステル系芯鞘
型複合フィラメントが占めることが好ましい。酸化チタ
ンが5%未満では紫外線遮蔽効果が低く、これを用いて
作成した加工糸または2層構造糸を使って布帛を作成し
ても紫外線透過率が10%以下のものを得ようとすると
高目付の厚地の生地になってしまい、ファブリケーショ
ンが限定されてるので特に本発明の効果が必要とされる
春夏用素材には適さない。さらに、芯/鞘重量比率が1
/4未満でも、紫外線遮蔽効果は低くなってしまい好ま
しくない。また、金属酸化物が40重量%を超えるか、
もしくは芯鞘重量比率が4/1を超えると、芯鞘型複合
フィラメント自体の強伸度が低下し好ましくない。
【0006】本発明で使用できる金属酸化物としては、
酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシ
ュウム等があげられ、これらの酸化物は2種以上併用し
ても差し支えない。これら金属酸化物の平均粒径は0.
50μm以下であって1.50μm以上の粗大粒子を含
まないことが製糸性の点から好ましい。芯鞘型複合フィ
ラメントを使用する理由は、金属酸化物含有量の多い繊
維は製編織工程においてガイド等を磨耗させ、このため
に毛羽や筋等の欠点を引き起こすことを避けるためであ
り、また発色性の悪さを改善するためである。従って鞘
成分のポリエステルへ金属酸化物を添加する場合は工程
通過性を考慮したものでなければならない。好ましい範
囲は1重量%以下である。その他、鞘成分は特に限定さ
れるものではなく、通常のセミダル、ブライトのほか、
染色性を上げるためにスルフォイソフタル酸塩やジエチ
レングリコール等でポリマー変性を施したもの、収縮性
能を上げるために、イソフタル酸等でポリマー変性を施
したものなど、用途に応じて使い分けることができる。
また、本発明中のポリエステル系芯鞘型複合フィラメン
トの芯成分と鞘成分は同心円的に複合されていても、偏
芯的に複合されていても良い。芯成分を意図的に偏心的
に複合させる場合、これにより潜在捲縮性能を付与し、
後工程で微細捲縮を発現させ糸条にふくらみを持たせる
ことも可能である。単繊維断面の断面形状は円に限定さ
れるものではなく、楕円、Y型、T型、×型、3角形、
4角形、5角形など多角形等の異形断面、中空断面も採
用できる。
【0007】また、本発明中の布帛作成に用いる糸条の
形態帛にした場合にできるだけ隙間から光線を透
過せぬよ下に説明する非巻縮系または仮撚巻縮系
の2層構造糸を使用することが必要である。非巻縮系2
層構造糸とは、前述の複合フィラメントが芯糸および/
または側糸を構成し、芯糸および側糸に仮撚等による巻
縮を有していない2層構造糸であり、いわゆるシルク様
風合を特徴とする。本発明の目的を疎外しない範囲にお
いて潜在捲縮糸を使用することができる。仮撚巻縮系2
層構造糸とは、前述の複合繊維が芯糸および/または側
糸を構成し、芯糸および側糸に仮撚巻縮を有する2層構
造糸であり、いわゆるスパン調風合を特徴とする。なお
本発明において2層構造糸を非巻縮系と仮撚巻縮系に区
分したのは前述の如く全く特徴が異なり、例えば衣料に
おいては非巻縮系は薄地のブラウス等が主用途であり、
一方仮撚巻縮系はそれよりも厚めの用途ジャンルを得意
とし、しかも双方共に確固たる世界を持っているためで
ある。
【0008】非巻縮系2層構造糸としては、側糸のWs
rが5%以下であること、芯糸の最大乾熱応力が250
mg/dr以上でかつ該応力発生時の温度が100℃以
上であること、側糸と芯糸との沸水収縮率差(以下△W
sr)が8%以上でありエア−交絡されていることが好
ましい。この時前述の芯鞘複合フィラメントは芯糸およ
び側糸の双方に使用する以外に、側糸あるいは芯糸のい
ずれかに使用すれば、後述の実施例の如く、本発明に使
用の複合繊維を芯糸あるいは側糸のいずれにも使用しな
い非巻縮系2層構造糸よりも極めて高い紫外線遮蔽効果
を有する。この非巻縮系2層構造糸は染色工程でフクラ
ミ(糸長差)を発現するが、側糸のWsrが5%より大
きいと、織編物中の拘束された状態では糸段階で設定し
た糸長差が得られず目的の風合および紫外線遮蔽性に劣
る。また芯糸の最大乾熱応力が250mg/dr未満で
あったりその温度が100℃未満であるとポリエステル
を染色する高温高圧浴中で芯糸が収縮しなかったり、伸
長し目的の風合および紫外線遮蔽性が得られない。従っ
て、芯糸の最大乾熱応力は300mg/dr以上でかつ
該応力発生時の温度が120℃以上であることが好まし
い。また側糸と芯糸との沸水収縮率差(△Wsr)が8
%未満であると糸長差不足であり同様に目的の風合およ
び紫外線遮蔽性に劣る。またエア−交絡をしない場合は
開舒性が極めて不良であり、生産性に欠ける。交絡程度
は10〜50個/m望ましくは30〜50個/mであ
る。
【0009】この非巻縮系2層構造糸は、具体的には例
えば次のようにして得ることができる。紡速4000m
/分以上で直接製糸したWsrが5%以下の糸条と紡速
1200m/分で紡糸し、一旦巻き取ることなく延伸温
度80〜100℃程度で3倍以上延伸した(直接延伸
糸)最大乾熱応力が300mg/dr以上で、且つ該応
力発生時の温度が120℃以上でありWsrが13%以
上の糸条をインタ−レ−ス混繊すれば良い。これらの条
件は本発明糸の製造一例であり、芯糸はコンベンショナ
ルな延伸法で得られる糸であっても良いし、また本発明
の効果を損なわない範囲において共重合ポリエステルを
使用しても構わない。本発明の要件を満足するものであ
れば製造法やポリマ−あるいは添加物やdr等にこだわ
るものでない。また本発明に使用の複合フィラメントは
高速紡糸も可能であり芯糸および/または側糸となし得
ることは言う迄もないし、また側糸あるいは芯糸のいず
れか片方に使用する時は、他方の糸条は通常のポリエス
テルポリマ−で目的に応じた紡糸および製糸を行えば良
い。
【0010】次に仮撚巻縮系2層構造糸について述べ
る。仮撚巻縮系2層構造糸にあっては、芯糸と側糸との
糸長差が8%以上であり、芯糸は強度が3g/dr以上
でかつ伸度が40%以下である必要がある。糸長差が8
%未満ではフクラミが不足し、目的とする風合が得られ
なかったり紫外線遮蔽率が得られない。また強度が3g
/dr以上でかつ伸度が40%以下でないと断糸を引き
起こしたり、織編物において張り腰に欠ける風合とな
る。好ましい範囲は、強度3.5g/dr以上、伸度3
5%以下である。この時前述の芯鞘複合繊維は芯糸およ
び側糸の双方に使用する以外に、側糸あるいは芯糸のい
ずれかに使用すれば、後述の実施例の如く、本発明に使
用の複合繊維を芯糸あるいは側糸のいずれにも使用しな
い仮撚巻縮系2層構造糸よりも高い紫外線遮蔽効果を有
する。
【0011】この仮撚巻縮系2層構造糸は、具体的には
例えば次のようにして得ることができる。ポリエステル
を紡速1200m/分で紡糸し、一旦巻き取ることなく
延伸温度80〜100℃程度で3倍以上延伸して(直接
延伸糸)得られる3g/dr以上でかつ伸度が35%以
下の糸条(芯糸)と紡速2700m/分で巻き取った未
延伸糸糸をエア−交絡し連続的に仮撚温度120〜18
0℃、延伸倍率1.01〜1.05の範囲で仮撚すすれ
ば良い。この時芯糸は、理由は明確ではないがWsr1
0%以上の高収縮糸であるほうが糸掛け性は良好とな
る。これらの条件は本発明糸の製造一例であり、芯糸あ
るいは側糸はコンベンショナルな延伸法で得られる糸で
あっても良いし、また本発明の効果を損なわない範囲に
おいて共重合ポリエステルを使用しても構わない。本発
明の要件を満足するものであれば製造法やポリマ−ある
いは添加物やデニ−ル等にこだわるものでない。また非
巻縮系2層構造糸同様に、この時本発明に使用の複合繊
維は高速紡糸も可能であり芯糸あるいは/および側糸と
成し得ることは言う迄もないし、また側糸あるいは芯糸
のいずれか片方に使用する時は、他方の糸条は通常のポ
リエステルポリマ−で目的に応じた紡糸および製糸を行
えば良い。なお、本発明の布帛の作成に用いる2層構造
糸においては、芯糸、側糸ともに前記の芯鞘型複合フィ
ラメントであれば、紫外線遮蔽効果は一層顕著になる
が、芯糸あるいは、側糸いずれか一方であっても優れた
紫外線遮蔽効果は得られる。
【0012】本発明においては、上記のような加工糸や
構造糸を用いて従来公知の製織、製編方法によって布帛
とすることができるが、後述する紫外線透過率を10%
以下にするために、得られる布帛のカバーファクターK
を、織物では700〜1300、編物では200〜50
0の範囲にすることが好ましい。実用に適する風合に対
応するためには、K値はこれらの範囲にあることが好ま
しく、下方向にこれらの範囲から外れると隙間が多すぎ
て好ましくなく、その隙間を通って直接照射する紫外線
が多くなり紫外線透過率UVTが10%を越えることも
あり得る。また、上方向にこれらの範囲から外れると、
高目付になり厚地になってしまい好ましくない。また、
本発明の布帛は、芯鞘型複合フィラメントからなる糸条
とこれ以外の糸条とが交織、交編された織編物であって
もよい。この場合、織編組織にもよるが一般には50重
量%以上、特に60重量%以上が本発明の芯鞘型複合フ
ィラメントからなる糸条であることが好ましい。さら
に、本発明は一般の布帛組織に適用できる。織用組織と
しては、平織、ツイル、ベネシアン、サテン、ジョーゼ
ット、クレープなどが挙げられる。一方、編用組織とし
ては、天竺、スムース、ベロア、パイル、などが挙げら
れるが、何らこれらに限定されるものではない。そして
利用分野としては、ブラウス、ワンピ−ス、スカ−ト、
パンツ、シャツ、スキ−ウエア−、テニスウエア−、水
着、裏地等の衣料用の他に日傘、帽子、手袋、カ−テン
等をあげることができる。
【0013】本発明の布帛は、紫外線透過率が10%以
下であるが、この10%以下という数値は、本発明者ら
が紫外線の強い夏期に連続5時間連続着用(筒編地同等
の天竺組織によるゴルフシャツ)実験により紅斑を生じ
ない範囲として設定したものであり、また同時に『ゴル
フ場における紫外線被曝について』(第14回人間−熱
環境系シンポジュウム報告集−日大 井川他)の下記式
(3)を用い、夏期日中照射量:14〜24J/cm↑
2/hr(平均20、垂直面に対して)、部位被曝率:
ゴルフシャツの背中部では60〜70%(平均60)、
被爆時間:5hr、紅斑を生じる最小被曝量(MED:
日焼けの目安 日本人の平均MED値は7J/cm↑
2)、安全係数:0.8として算出したものである。
【0014】
【数5】
【0015】紫外線遮蔽性を評価する方法について述べ
ると、光源として紫外線ランプ(400W高圧メタルハ
ライドランプ:フナコシ社製ELC4000)を使用
し、波長260〜390nm領域の紫外線を次の手順で
紫外線センサ− SUV−T(東レテクノ社製−以下U
Vセンサ−)を使用し15分間積算測定し算出する(光
源とUVセンサ−の距離40cm)。まづUVセンサ−
上にサンプルを乗せない状態で紫外線量を測定(UV
1)し、次いでUVセンサ−上にサンプルをのせサンプ
ルを透過する紫外線量を測定する(UV2)。紫外線透
過率(UVT)は(UV2/UV1)×100(%)で
あり、この値が低ければ低いほど紫外線遮蔽性に優れ
る。
【0016】
【発明の効果】本発明の布帛の作成に用いられる芯鞘型
複合フィラメントからなる糸条は、無機物高含有ポリエ
ステル糸に見られるガイド等の磨耗を引き起こさず、製
織編等における工程通過性の問題もない。さらに、無機
物高含有に起因する、染色物における発色性の悪さを改
善することが期待できる。残念ではあるが地球環境は次
第に悪化している、紫外線の増加もその1つであり皮膚
の炎症に始まり皮膚癌等人体への悪影響が考えられてい
る。環境を元に戻すことこそが根本策であるが、現状対
応としては身を守ることも必要でありこの点本発明は何
等かの寄与を成し得るものとして期待できる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものでない。 実施例1 [η](フェノールとテトラクロルエタンの等量混合溶
媒を用い30℃の恒温槽中でウツベローデ型粘度計で測
定したときの極限粘度)が0.62で酸化チタンを0.
50重量%含有したポリエチレンテレフタレートを鞘側
に配置し、[η]=0.72で酸化チタンを15重量%
含有したポリエチレンテレフタレートを芯側に配置し
て、芯/鞘比=1/1にて丸断面ノズルより芯鞘型に吐
出し、紡速900m/分で巻き取り、3.65倍にて常
法により延伸熱固定を行い75dr/36filの延伸
糸を得た。これを、ヒーター温度210℃、撚数340
0t/m、糸速度150m/分にて1ヒーターピン仮撚
を行い、得られた加工糸を20ゲ−ジの天竺組織で編成
し、ついで界面活性剤1g/lで10分間ボイルした後
20分水洗し風乾した(カバーファクター355)。得
られた生地を開き(1重とし)紫外線透過率を測定した
結果は2.1%であった。
【0018】実施例2 [η]=0.64で酸化チタンを0.50重量%含有し
たポリエチレンテレフタレートを鞘側に配置し、[η]
=0.72で酸化チタンを7重量%含有したポリエチレ
ンテレフタレートを芯側に配置して、芯/鞘比=1/1
にて実施例1と同様に糸条を得て、天竺編地を作成し
(カバーファクター367)、同様に紫外線透過率を測
定した結果6.3%であった。
【0019】実施例3 [η]=0.64で酸化チタンを0.50重量%含有し
たポリエチレンテレフタレートを鞘側に配置し、[η]
=0.72で酸化チタンを10重量%含有したポリエチ
レンテレフタレートを芯側に配置して、芯/鞘比=1/
2にて実施例1と同様に糸条を得て、天竺編地を作成し
(カバーファクター343)、同様に紫外線透過率を測
定した結果7.1%であった。
【0020】比較例1 [η]=0.64で酸化チタンを0.50重量%含有し
たポリエチレンテレフタレート繊維のみを用いて、実施
例1と同様に糸条を得て、天竺編地を作成し(カバーフ
ァクター355)、同様に紫外線透過率を測定した結果
23.9%であった。
【0021】比較例2 [η]=0.64で酸化チタンを0.50重量%含有し
たポリエチレンテレフタレートを鞘側に配置し、[η]
=0.72で酸化チタンを3重量%含有したポリエチレ
ンテレフタレートを芯側に配置して、芯/鞘比=1/1
にて実施例1と同様に糸条を得て、天竺編地を作成し
(カバーファクター368)、同様に紫外線透過率を測
定した結果12.8%であった。
【0022】比較例3 [η]=0.64で酸化チタンを0.50重量%含有し
たポリエチレンテレフタレートを鞘側に配置し、[η]
=0.72で酸化チタンを10重量%含有したポリエチ
レンテレフタレートを芯側に配置して、芯/鞘比=1/
7にて実施例1と同様に糸条を得て、天竺編地を作成し
(カバーファクター377)、同様に紫外線透過率を測
定した結果14.7%であった。実施例1〜3,比較例
1〜3を下記の表にまとめた。
【0023】
【表1】
【0024】実施例4 [η](フェノールとテトラクロルエタンの等量混合溶
媒を用い30℃の温槽中でウツベローデ型粘度計で測定
したときの極限粘度)が0.62でSiO↓2を1.0
0重量%含有したポリエチレンテレフタレートを鞘側に
配置し、[η]=0.72で酸化チタンを15重量%含
有したポリエチレンテレフタレートを芯側に配置して、
芯/鞘比=1/1にて丸断面ノズルより芯鞘型に吐出
し、紡速4500m/分で75dr/48f(A)を直
接製糸した。(A)のWsrは4.3%で有った。また
芯糸として同じポリマ−の組み合わせで、Y断面にて芯
/鞘=1/1で図1におけるロ−ラ−1の速度(紡速)
を1200m/分、温度を90℃、ロ−ラ−2の速度を
4400m/分(延伸倍率3.7)、温度常温で直接延
伸して75dr/20f(B)を得た。この糸のWsr
は14%であり、最大乾熱応力が360mg/drでか
つその時の温度が122℃であった。また強度は4.7
g/drであり伸度は30.5%であった。ついで双方
の糸をオ−バ−フィ−ド2%、エア−圧2.5kg/c
m↑2でインタ−レ−ス混繊し糸条を得た。このときの
交絡数は32個/mであり、糸長差は9%であった。得
られた糸条を撚糸し経緯に用いて、製織してサテン生機
を作った。(経Z1800T/m,156本/インチ、
緯S,Z1800T/m,74本/インチ)この生機を
精練、乾燥後、3%NaOH水溶液中に浸漬し、98℃
でアルカリ減量処理を行い、水洗乾燥しアルカリ減量率
5%の布帛を得た。(経190本/インチ、緯87本/
インチ)
【0025】実施例5 芯糸を、[η]=0.72で酸化チタンを1.0重量%
含有するポリエステルホモポリマ−からなる繊維を実施
例4と同条件で直接延伸した75d/20f(C)(強
度5.4g/dr、伸度32%、Wsr14.3%,最
大乾熱応力370mg/drでかつその温度が120
℃)とすること以外は実施例4と同様に布帛を作成し
た。
【0026】実施例6 側糸を、[η]=0.72で酸化チタンを1.0重量%
含有するポリエステルホモポリマ−からなる繊維を実施
例4と同条件で直接製糸した75d/48f(D)(W
sr4.2%)とすること以外は実施例4と同様に布帛
を作成した。
【0027】比較例4 実施例4において複合フィラメントの芯成分の酸化チタ
ンの含有量を3重量%とし、同条件で直接製糸した75
d/48f(E)(Wsr4.0%)および直接延伸し
た75d/20f(F)を得、実施例4と同様にして布
帛を作成した。
【0028】比較例5 実施例4において複合繊維の芯/鞘=1/5とし、同条
件で、直接製糸した75d/48f(G)(Wsr4.
5%)および、直接延伸した75d/20f(H)を
得、実施例4と同様にして布帛を作成した。実施例4、
5、6、比較例4、5の布帛の紫外線透過率を下表に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】実施例7 実施例4で芯糸として得られた直接延伸糸75dr/2
0fを芯糸とし、実施例4と同じポリマ−の組み合わせ
で芯/鞘=1/1の丸断面で紡速3000m/分で紡糸
したPOY75dr/48f(捲取dr)を側糸とし、
オ−バ−フィ−ド3.5%、エア−圧3.2kg/cm
↑2でインタ−レ−ス混繊後連続的に延伸倍率1.0
1、仮撚温度170℃、仮撚数2400T/mで仮撚加
工した。この時の交絡数は40個/mであった。仮撚後
芯糸と側糸を分離し測定した芯糸の強度は3.8g/d
rであり、伸度は25.7%であった。また芯糸と側糸
の糸長差は14%であった(0.1g加重下で測定)。
得られた仮撚加工糸を20ゲージの天竺組織で編成し、
ついで界面活性剤1g/lで10分間ボイルした後20
分水洗し風乾した布帛を得た。カバーファクターK値
は、300になるよう度目調整した。
【0031】実施例8 実施例7において、芯糸として[η]=0.62でSi
O↓2を1.00重量%含有したポリエチレンテレフタ
レートモノポリマ−からなる繊維を用い、実施例4の芯
糸と同様の製法で直接延伸した75d/20fとし、実
施例4と同じポリマ−の組み合わせで芯/鞘=1/1の
丸断面で紡速3000m/分で紡糸したPOY 75d
r/48f(捲取dr)を側糸とし実施例7と同条件で
仮撚加工した。さらに、得られた仮撚加工糸を用いて実
施例7と同様にカバーファクターK値が300の天竺編
地を得た。
【0032】比較例6 実施例7において、芯糸を[η]=0.62でSiO↓
2を1.00重量%含有したポリエチレンテレフタレー
トモノポリマ−からなる繊維を用い、実施例4の芯糸と
同様の製法で直接延伸した75d/20fとし、比較例
4と同じポリマ−の組み合わせで芯/鞘=1/1の丸断
面で紡速3000m/分で紡糸したPOY 75dr/
48f(捲取dr)を側糸とし実施例7と同条件で仮撚
加工した。 さらに、得られた仮撚加工糸を用いて実施
例7と同様にカバーファクターK値が300の天竺編地
を得た。
【0033】比較例7 実施例7において、芯糸を[η]=0.62でSiO↓
2を1.00重量%含有したポリエチレンテレフタレー
トモノポリマ−からなる繊維を用い、実施例4の芯糸と
同様の製法で直接延伸した75d/20fとし、比較例
5と同じポリマ−の組み合わせで丸断面で紡速3000
m/分で紡糸したPOY75dr/48f(捲取dr)
を側糸とし実施例7と同条件で仮撚加工した。さらに、
得られた仮撚加工糸を用いて実施例7と同様にカバーフ
ァクターK値が300の天竺編地を得た。実施例7、
8、比較例6、7の紫外線透過率を下表にまとめる。
【0034】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用される直接延伸糸を製造
するための装置の概念図である。
【符号の説明】
1:紡糸ヘッド 2:ホットローラー1 3:ホットローラー2 4:巻取糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04B 1/16 D04B 1/16 // D01F 6/92 301 D01F 6/92 301M

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯成分に金属酸化物が5〜40重量%含
    有されており、芯/鞘重量比が1/4〜4/1の範囲に
    あるポリエステル系芯鞘型複合フィラメントを側糸およ
    び/または芯糸に含み、側糸の沸水収縮率(Wsr)が
    5%以下であり、芯糸の最大乾熱応力が250mg/d
    r以上で、且つ該応力発生時の温度が100℃以上であ
    り、側糸と芯糸との沸水収縮率差(△Wsr)が8%以
    上であるエアー交絡された非捲縮系2層構造糸からな
    り、紫外線透過率が10%以下であることを特徴とする
    布帛。
  2. 【請求項2】 芯成分に金属酸化物が5〜40重量%含
    有されており、芯/鞘重量比が1/4〜4/1の範囲に
    あるポリエステル系芯鞘型複合フィラメントを側糸およ
    び/または芯糸に含み、芯糸と側糸との糸長差が8%以
    上であり、芯糸の強度が3g/dr以上でかつ伸度が3
    5%以下であるエアー交絡された仮撚捲縮系2層構造糸
    からなり、紫外線透過率が10%以下であることを特徴
    とする布帛。
  3. 【請求項3】 布帛が織物であり、下記(1)式に示す
    カバーファクターKが700〜1300である請求項1
    又は2に記載の布帛。 【数1】 D1:経密度。1cmあたりの経糸構成本数。 D2:緯密度。1cmあたりの緯糸構成本数。 Dr1:織物に使用される経糸のデニール。 Dr2:織物に使用される緯糸のデニール。 ただし、Dr1,Dr2は2種以上の糸を使用する場合はその
    加重平均とする。
  4. 【請求項4】 布帛が編物であり、下記(2)式に示す
    カバーファクターKが200〜500である請求項1又
    は2に記載の布帛。 【数2】 D1:経密度。ウエール数/1cm。 D2:緯密度。コース数/1cm。 Dr3:編物に使用される糸のデニール。 ただし、Dr3は2種以上の糸を使用する場合はその加重
    平均とする。
JP3280639A 1991-09-30 1991-09-30 紫外線遮蔽性に優れた布帛 Expired - Fee Related JP2678110B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3280639A JP2678110B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 紫外線遮蔽性に優れた布帛

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3280639A JP2678110B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 紫外線遮蔽性に優れた布帛

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0593343A JPH0593343A (ja) 1993-04-16
JP2678110B2 true JP2678110B2 (ja) 1997-11-17

Family

ID=17627861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3280639A Expired - Fee Related JP2678110B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 紫外線遮蔽性に優れた布帛

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2678110B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998003708A1 (de) * 1996-07-17 1998-01-29 Akzo Nobel N.V. Verwendung von textilen flächengebilden als schutz gegen ultraviolette strahlung
JP3784532B2 (ja) * 1998-04-09 2006-06-14 株式会社クラレ 反撥性および発色性に優れた複合繊維
WO1999055944A1 (fr) * 1998-04-28 1999-11-04 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Vetement composite
US7472535B2 (en) * 2003-11-18 2009-01-06 Casual Living Worldwide, Inc. Coreless synthetic yarns and woven articles therefrom
JP2006161248A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Kawashima Selkon Textiles Co Ltd 遮熱線性繊維と遮熱線採光性布帛

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0232382B2 (ja) * 1983-05-11 1990-07-19 Toray Industries Tokushukaryorikakoitonoseizohoho

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0593343A (ja) 1993-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050202741A1 (en) Woven or knit fabric and process for producing the same
JP2007009395A (ja) ポリトリメチレンテレフタレート系極細仮撚糸およびその製造方法
JP2678110B2 (ja) 紫外線遮蔽性に優れた布帛
JP2021183732A (ja) ポリエステル仮撚糸および編織物
KR20030083577A (ko) 멜란지 효과가 우수한 이수축 혼섬사 및 그의 제조방법
JP2002105796A (ja) 遮光性織物
JP3053272B2 (ja) 紫外線遮蔽性に優れた2層構造糸
JPH0881854A (ja) 織物の製造方法
JPS64491B2 (ja)
JP3587269B2 (ja) シルキー調織編物の製造方法
JP3598027B2 (ja) 特殊複合捲縮糸
JP3515508B2 (ja) ポリエステル撚糸を含む濃淡織編物
JPH04136217A (ja) 楕円状凹凸断面ポリエステル繊維
JP3908851B2 (ja) ポリエステル太細マルチフィラメント
JP7244319B2 (ja) 布帛およびその製造方法および繊維製品
JP4733879B2 (ja) 潜在捲縮性能を有するポリエステル複合斑糸
JP2000248430A (ja) 潜在捲縮発現性ポリエステル繊維および製造方法
JP3695959B2 (ja) 高発色性シルキー織物の製造方法
JP3452154B2 (ja) ポリエステル複合糸及びポリエステル織編物の製造方法
JP4214626B2 (ja) 強撚織物
JPH06123072A (ja) 耐光性高伸縮布帛の製造方法
JP2023082329A (ja) 混繊糸及び織編物
JPH08209442A (ja) ポリエステル異収縮混繊糸
JP2005060881A (ja) 混繊糸及び織編物及び着古し外観を有する縫製品
JPH04100917A (ja) 矩形状断面ポリエステル繊維

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees