JP3053272B2 - 紫外線遮蔽性に優れた2層構造糸 - Google Patents

紫外線遮蔽性に優れた2層構造糸

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線遮蔽効果に特に優
れるポリエステル系2層構造糸、さらに詳しくは非巻縮
系および仮撚巻縮系2層構造糸に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層破壊に伴う地球への紫外
線量増加の問題が関心を集め、各種の紫外線遮蔽繊維製
品が種々、市場に提供されているが、一般に紫外線遮蔽
物質を生地あるいは製品に塗布する後加工方式がとられ
ており、洗濯耐久性がなかったり、風合いが粗硬になる
問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、フ
ィラメントを使用し製造上特に障害となる問題を有する
事なく紫外線遮蔽効果に優れる2層構造糸を提供せんと
するものである。
【課題を解決するための手段】 すなわち本発明は、側
糸と芯糸とがエアー交絡されてなる非巻縮系2層構造糸
であって、該側糸の沸水収縮率(Wsr)が5%以下で
あり、該芯糸の最大乾熱応力が250mg/dr以上
で、且つ最大乾熱応力発生時の温度が100℃以上であ
り、側糸と芯糸との沸水収縮率差(△Wsr)が8%以
上であり、側糸および/または芯糸を構成する繊維は芯
成分に5〜40重量%の金属酸化物を含有し、芯/鞘重
量比が1/4〜4/1のポリエステル系芯鞘型複合繊維
であり、かつ該2層構造糸から下記式に規定するカバー
ファクターが360±10となる編地としたとき、該編地に
おける紫外線透過率(UVT)が10%以下であることを特徴
とする非捲縮系2層構造糸であり、 カバーファクター=(ウエール数/cm+コース数/cm)×
√dr また、本発明は、芯糸と側糸とがエア−交絡された仮撚
巻縮系2層構造糸であって、該芯糸と側糸との糸長差が
8%以上であり、芯糸は強度が3g/dr以上でかつ伸
度が40%以下であり、側糸および/または芯糸を構成
する繊維は芯成分に5〜40重量%の金属酸化物を含有
し、芯/鞘重量比が1/4〜4/1であるポリエステル
系芯鞘型複合繊維であり、かつ該2層構造糸から下記式
に規定するカバーファクターが360±10となる編地とし
たとき、該編地における紫外線透過率(UVT)が10%以下
であることを特徴とする仮撚巻縮系2層構造糸である。 カバーファクター=(ウエール数/cm+コース数/cm)×
√dr
【0004】以下、本発明について説明する。本発明に
おいて使用されるポリエステル系芯鞘型複合繊維は、芯
成分に金属酸化物を5〜40重量%、望ましくは8〜3
0重量%含有し、かつ、芯/鞘重量比率が1/4〜4/
1、望ましくは1/2〜2/1であることが必要であ
る。芯成分の金属酸化物含有量が5重量%未満では紫外
線遮蔽効果は低く、最終製品として紫外線遮蔽性を優れ
たものにするために高目付の厚地の生地とする必要があ
り、ファブリケ−ションが限定され特に本発明の効果が
必要とされる春夏用素材には適さない。さらに、芯/鞘
重量比率が1/4未満でも、紫外線遮蔽効果は低くなっ
てしまい好ましくない。また、金属酸化物が40重量%
を超えるか、もしくは芯鞘重量比率が4/1を超える
と、芯鞘フィラメント糸の強伸度が低下し好ましくな
い。
【0005】本発明で使用される金属酸化物としては、
例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、炭
酸カルシュウム等があげられ、これらの酸化物は2種以
上併用しても差し支えない。これら金属酸化物の平均粒
径は0.50μm以下であって1.50μm以上の粗大
粒子を含まないことが製糸性の点から好ましい。芯鞘型
複合繊維であることの理由は、金属酸化物含有量の多い
繊維は製編織工程においてガイド等を磨耗させ、このた
めに毛羽や筋等の欠点を引き起こすことを避けるためで
あり、また発色性の悪さを改善するためである。従って
鞘成分のポリエステルへ金属酸化物の微粒子を添加する
場合は工程通過性を考慮したものでなければならない。
好ましい範囲は1重量%以下である。その他、鞘成分は
特に限定されるものではなく、通常のセミダル、ブライ
トのほか、染色性を上げるためにスルフォイソフタ−ル
酸塩やジエチレングリコール等でポリマー変性を施した
もの、収縮性能を上げるイソフタル酸等でポリマー変性
を施したものなど、用途に応じて使い分けることができ
る。また、本発明中のポリエステル系芯鞘型複合繊維の
芯成分と鞘成分は同心円的に複合されていても偏心的に
複合されていても良い。単繊維断面の断面形状は円に限
定されるものではなく、楕円、Y型、T型、×型、3角
形、4角形、5角形など多角形等の異形断面、中空断面
等も使用できる。
【0006】次に本発明の2層構造糸について述べる。
本発明に言う非巻縮系2層構造糸とは、前述の複合繊維
が芯糸および/または側糸を構成し、芯糸および側糸が
仮撚等による巻縮を有していない2層構造糸であり、い
わゆるシルク様風合を特徴とする構造糸である。本発明
の目的を疎外しない範囲において潜在捲縮糸を使用する
ことができる。また本発明に言う仮撚巻縮系2層構造糸
とは、前述の複合繊維が芯糸および/または側糸を構成
し、芯糸および側糸に仮撚巻縮を有する2層構造糸であ
り、いわゆるスパン調風合を特徴とする。なお本発明に
おいて2層構造糸を非巻縮系と仮撚巻縮系に区分したの
は前述の如く全く特徴が異なり、例えば衣料においては
非巻縮系は薄地のブラウス等が主用途であり、一方仮撚
巻縮系はそれよりも厚めの用途ジャンルを得意とし、し
かも双方共に確固たる世界を持っているためである。
【0007】本発明においては、2層構造糸の側糸比率
は40〜60重量%であることが風合の点で好ましい。
側糸が40%未満では、上述した膨らみのある2層構造
糸特有の風合が出にくいし、60%を越えると張り腰の
ないタラツイタ風合となる。また本発明においては、本
発明に使用の複合繊維は40%重量以上である必要があ
る。40%未満ではカバ−ファクタ−を上げても紫外線
遮蔽性が10%以下とするのは困難である。本発明の非
巻縮系2層構造糸においては、側糸のWsrが5%以下
であること、芯糸の最大乾熱応力が250mg/dr以
上でかつ最大乾熱応力発生時の温度が100℃以上であ
ること、側糸と芯糸との沸水収縮率差(△Wsr)が8
%以上でありエア−交絡されていることが必要である。
この時前述の芯鞘複合繊維は芯糸および側糸の双方に使
用する以外に、側糸あるいは芯糸のいずれかに使用すれ
ば、後述の実施例の如く、本発明に使用の複合繊維を芯
糸あるいは側糸のいずれにも使用しない非巻縮系2層構
造糸よりも高い紫外線遮蔽効果を有する。この非巻縮系
2層構造糸は染色工程でフクラミ(糸長差)を発現する
が、側糸のWsrが5%より大きいと、織編物中の拘束
された状態では糸段階で設定した糸長差が得られず目的
の風合および紫外線遮蔽性に劣る。また芯糸の最大乾熱
応力が250mg/dr未満であったり、最大乾熱応力
発生時の温度が100℃未満であるとポリエステルを染
色する高温高圧浴中で芯糸が収縮しなかったり、伸長し
目的の風合および紫外線遮蔽性が得られない。好ましく
は最大乾熱応力が300mg/dr以上でかつその温度
が120℃以上である。また側糸と芯糸との沸水収縮率
差(△Wsr)が8%未満であると糸長差不足であり同
様に目的の風合および紫外線遮蔽性に劣る。またエア−
交絡をしない場合は開舒性が極めて不良であり、生産性
に欠ける。交絡程度は10〜50個/m望ましくは30
〜50個/mである。
【0008】この非巻縮系2層構造糸は、具体的には例
えば次のようにして得ることができる。紡速4000m
/分以上で直接製糸したWsrが5%以下の糸条と紡速
1200m/分で紡糸し、一旦巻き取ることなく延伸温
度80〜100℃程度で3倍以上延伸(直接延伸)した
最大乾熱応力が300mg/dr以上で、かつ該応力発
生時の温度が120℃以上でありWsrが13%以上の
糸条をインタ−レ−ス混繊すれば良い。これらの条件は
本発明糸の製造一例であり、芯糸はコンベンショナルな
延伸法で得られる糸であっても良いし、また本発明の効
果を損なわない範囲において共重合ポリエステルを使用
しても構わない。本発明の要件を満足するものであれば
製造法やポリマ−あるいは添加物やdr等にこだわるも
のでない。また本発明に使用の複合繊維は高速紡糸も可
能であり芯糸および/または側糸と成し得ることは言う
迄もないし、また側糸あるいは芯糸のいずれか片方に使
用する時は、他方の糸条は通常のポリエステルポリマ−
で目的に応じた紡糸および製糸を行えば良い。
【0009】次に仮撚巻縮系2層構造糸について述べ
る。仮撚巻縮系2層構造糸にあっては、芯糸と側糸との
糸長差が8%以上であり、芯糸は強度が3g/dr以上
でかつ伸度が40%以下である必要がある。糸長差が8
%未満ではフクラミが不足し、目的とする風合が得られ
なかったり紫外線遮蔽率が得られない。また強度が3g
/dr以上でかつ伸度が40%以下でないと断糸を引き
起こしたり、織編物において張り腰に欠ける風合とな
る。好ましい範囲は、強度3.5g/dr以上、伸度3
5%以下である。この時前述の芯鞘複合繊維は芯糸およ
び側糸の双方に使用する以外に、側糸あるいは芯糸のい
ずれかに使用すれば、後述の実施例の如く、本発明に使
用の複合繊維を芯糸あるいは側糸のいずれにも使用しな
い仮撚巻縮系2層構造糸よりも高い紫外線遮蔽効果を有
する。
【0010】この仮撚巻縮系2層構造糸は、具体的には
例えば次のようにして得ることができる。ポリエステル
を紡速1200m/分で紡糸し、一旦巻き取ることなく
延伸温度80〜100℃程度で3倍以上延伸して(直接
延伸糸)得られる3g/dr以上でかつ伸度が40%以
下の糸条(芯糸)と紡速2700m/分で巻き取った未
延伸糸糸をエア−交絡し連続的に仮撚温度120〜18
0℃、延伸倍率1.01〜1.05の範囲で仮撚すれば
良い。この時芯糸は、理由は明確ではないがWsr10
%以上の高収縮糸であるほうが糸掛け性は良好となる。
これらの条件は本発明糸の製造一例であり、芯糸あるい
は側糸はコンベンショナルな延伸法で得られる糸であっ
ても良いし、また本発明の効果を損なわない範囲におい
て共重合ポリエステルを使用しても構わない。本発明の
要件を満足するものであれば製造法やポリマ−あるいは
添加物やデニ−ル等にこだわるものでない。また非巻縮
系2層構造糸同様に、この時本発明に使用の複合繊維は
高速紡糸も可能であり芯糸および/または側糸と成し得
ることは言う迄もないし、また側糸あるいは芯糸のいず
れか片方に使用する時は、他方の糸条は通常のポリエス
テルポリマ−で目的に応じた紡糸および製糸を行えば良
い。
【0011】上述した本発明の2層構造糸を用いて布帛
を作成すると、紫外線透過率を10%以下とすることが
できる。この10%以下という数値は、本発明者らが紫
外線の強い夏期に5時間連続着用(筒編地同等の天竺組
織によるゴルフシャツ)実験により紅斑を生じない範囲
として設定したものであり、また同時に『ゴルフ場にお
ける紫外線被曝について』(第14回人間−熱環境系シ
ンポジュウム報告集−日体大 井川他)の下記式(1)
を用い、夏期日中照射量:14〜24J/cm↑2/h
r(平均20、垂直面に対して)、部位被曝率:ゴルフ
シャツの背中部では60〜70%(平均60)、被爆時
間:5hr、紅斑を生じる最小被曝量(MED:日焼け
の目安 日本人の平均MED値は7J/cm↑2)、安
全係数:0.8として算出したものである。
【0012】
【数1】
【0013】そして、紫外線遮蔽性能は以下に示すよう
な方法で評価することができる。光源としては、紫外線
ランプ(400W高圧メタルハライドランプ:フナコシ
社製ELC4000)を使用し、波長260〜390n
m領域の紫外線を次の手順で紫外線センサ−SUV−T
(東レテクノ社製−以下UVセンサ−)を使用し15分
間積算測定し算出する(光源とUVセンサ−の距離40
cm)。まづUVセンサ−上にサンプルを乗せない状態
で紫外線量を測定(UV1)し、次いでUVセンサ−上
にサンプルをのせサンプルを透過する紫外線量を測定す
る(UV2)。紫外線透過率(UVT)はUV2/UV
1であり、この値が低ければ低いほど紫外線遮蔽性に優
れる。なお本発明においては2層構造糸を筒編し編地の
状態で測定する。この時編地密度等により測定値が異な
るのを避ける為、下記式(2)に規定するカバ−ファク
タ−が360±10となるよう調節した編地で測定す
る。また測定に当たっては筒編地の油剤等付着物は精練
リラックスにより取り除くが染色はしない。
【0014】
【数2】
【0015】なお、本発明においては芯鞘複合繊維を芯
糸および側糸の双方に使用する以外に、側糸あるいは芯
糸のいずれかに使用しても同等の紫外線遮蔽効果の効果
が得られるがその理由は現在のところ明らかでない。ま
た、本発明の紫外線遮蔽性を有する2層構造糸の利用分
野としては、ブラウス、ワンピ−ス、スカ−ト、パン
ツ、シャツ、スキ−ウエア−、テニスウエア−、水着、
裏地等の衣料用の他に日傘、帽子、手袋、カ−テン等の
日用品やリビング用品をあげることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の2層構造糸は紫外線遮蔽性に優
れ、しかもシルク様風合あるいはスパン調風合を合わせ
持っている。また無機物高含有ポリエステル糸に見られ
るガイド等の磨耗を引き起こさず、製編織等における工
程通過性の問題もない。さらにはまた無機物高含有ポリ
エステル糸を用いた染色物における発色性の悪さを改善
することが期待できる。残念ではあるが地球環境は次第
に悪化している、紫外線の増加もその1つであり皮膚の
炎症に始まり皮膚癌等人体への悪影響が考えられてい
る。環境を元に戻すことこそが根本策であるが、現状対
応としては身を守ることも必要でありこの点本発明は何
等かの寄与を成し得るものとして期待できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例でさらに詳しく説明す
るが、本発明は何等これらに限定されるものではない。 実施例1 [η](フェノールとテトラクロルエタンの等量混合溶
媒を用い30℃の恒温槽中でウツベローデ型粘度計で測
定したときの極限粘度)が0.62でSiO↓2を1.
00重量%含有したポリエチレンテレフタレートを鞘側
に配置し、[η]=0.72で酸化チタンを15重量%
含有したポリエチレンテレフタレートを芯側に配置し
て、丸断面にて芯/鞘=1/1で捲取速度4500m/
分で75dr/48fを直接製糸した。この糸のWsr
は4.3%であった。また芯糸として同じポリマ−の組
み合わせで、Y断面にて芯/鞘=1/1として図1に示
す装置を用い、ホットローラー1の速度(紡速)を12
00m/分、温度を90℃、ホットローラー2の速度を
4400m/分(延伸倍率3.7)、温度常温で直接延
伸して75dr/20fを得た。この糸のWsrは14
%であり、最大乾熱応力が360mg/drでかつその
温度が122℃であった。また強度は4.7g/drで
あり伸度は30.5%であった。ついで双方の糸をオ−
バ−フィ−ド2%、エア−圧2.5kg/cm↑2でイ
ンタ−レ−ス混繊した。このときの交絡数は32個/m
であり、糸長差は9%であった。得られた交絡糸を20
ゲ−ジの筒編機で編成し、ついで界面活性剤1g/lで
10分間ボイルした後20分水洗し風乾した。(カバ−
ファクタ−362) 得られた生地を開き(1重とし)紫外線透過率を測定し
た結果は4.1%であり良好な紫外線遮蔽性を示した。
また筒編地は適度なフクラミと光沢を有し、さらみ感の
あるシルク様風合を有すものであった。
【0018】実施例2 芯糸を[η]=0.72で酸化チタンを0.5%含有す
るポリエステルホモポリマ−からなる繊維とし、実施例
1と同条件で直接延伸した75d/20f(強度5.4
g/dr、伸度32%、Wsr14.3%,最大乾熱応
力370mg/drでかつその温度が120℃)とする
こと以外は実施例1と同様にして構造糸を作成し評価し
たところ紫外線透過率は4.2%であり、シルク様風合
を有していた。
【0019】実施例3 側糸を[η]=0.72で酸化チタンを0.5%含有す
るポリエステルホモポリマ−からなる繊維とし、実施例
1と同条件で直接製糸した75d/48f(Wsr4.
2%,)とすること以外は実施例1と同様にして構造糸
を作成し評価したところ紫外線透過率は4.8%であ
り、シルク様風合を有していた。
【0020】実施例4〜7 実施例1において複合繊維の芯部のチタン含有量を5
%、10%、30%、40%とする以外は実施例1と同
様に構造糸を作成し評価した。その結果、下表に見られ
るように、いずれも紫外線透過率が低く、紫外線遮蔽性
効果が高い。また含有量が10%をこえるとほぼ同等の
効果となっている。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1 実施例2で用いた芯糸と実施例3で用いた側糸の組合せ
とする(側糸および芯糸共にポリエステルホモポリマ−
糸)こと以外は実施例1と同様にして構造糸を作成し評
価したところ紫外線透過率は38.2%であった。
【0023】比較例2 複合繊維の芯部のチタン含有量を3重量%とする以外は
実施例1と同様にして構造糸を作成し評価したところ紫
外線透過率は19.0%であった。
【0024】比較例3 複合繊維の芯/鞘=1/5とする以外は実施例1と同様
にして構造糸を作成し評価したところ紫外線透過率は1
7.9%であった。
【0025】実施例8 実施例1で芯糸として得られた直接延伸糸75dr/2
0fを芯糸とし、実施例1と同じポリマ−の組み合わせ
で芯/鞘=1/1の丸断面で紡速3000m/分で紡糸
したPOY 75dr/48f(捲取dr)を側糸と
し、オ−バ−フィ−ド3.5%、エア−圧3.2kg/
cm↑2でインタ−レ−ス混繊後連続的に延伸倍率1.
01、仮撚温度170℃、仮撚数2400T/mで仮撚
加工した。この時の交絡数は40個/mであった。仮撚
後、芯糸と側糸を分離し測定した芯糸の強度は3.8g
/drであり、伸度は25.7%であった。また芯糸と
側糸の糸長差は14%であった(芯側糸分離後0.1g
荷重下で測定)。この仮撚糸を用いて実施例1と同様に
して筒編地を得、その紫外線透過率を測定したところ
1.9%であり良好な紫外線遮蔽性を示した。また得ら
れた筒編地は適度な張り腰とウオ−ム感のあるソフトな
スパン調風合を有すものであった。
【0026】実施例9 芯糸を[η]=0.62で酸化チタンを0.5重量%含
有したポリエチレンテレフタレートホモポリマ−からな
る繊維とすること以外は実施例8と同様にして構造糸を
作成し評価したところ紫外線透過率は2.2%であり良
好な紫外線遮蔽性とスパン調風合を示した。
【0027】比較例4 実施例9で使用した芯糸と[η]=0.62で酸化チタ
ンを0.5重量%含有したポリエチレンテレフタレート
ホモポリマ−で紡速3000m/分で紡糸したPOY7
5dr/48fを側糸とする以外は実施例8と同様にし
て構造糸を作成し評価したところ紫外線透過率は18.
4%であった。
【0028】比較例5 [η]=0.62で酸化チタンを3.0重量%含有した
ポリエチレンテレフタレートホモポリマ−を用いて紡速
3000m/分で紡糸し、延伸倍率1.5倍、仮撚温度
185℃、仮撚数2500T/mで延伸仮撚した150
dr/48fの仮撚糸の紫外線透過率は15.8%であ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用される直接延伸糸を製造
するための装置の概念図である。
【符号の説明】
1:紡糸ヘッド 2:ホットローラー1 3:ホットローラー2 4:巻取糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // D01F 6/92 301 D01F 6/92 301M (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 3/36 D02G 3/04 Fタームテーマコード4L036

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側糸と芯糸とがエアー交絡されてなる非
    巻縮系2層構造糸であって、該側糸の沸水収縮率(Ws
    r)が5%以下であり、該芯糸の最大乾熱応力が250
    mg/dr以上で、且つ最大乾熱応力発生時の温度が1
    00℃以上であり、側糸と芯糸との沸水収縮率差(△W
    sr)が8%以上であり、側糸および/または芯糸を構
    成する繊維は芯成分に5〜40重量%の金属酸化物を含
    有し、芯/鞘重量比が1/4〜4/1のポリエステル系
    芯鞘型複合繊維であり、かつ該2層構造糸から下記式に
    規定するカバーファクターが360±10となる編地とした
    とき、該編地における紫外線透過率(UVT)が10%以下で
    あることを特徴とする非捲縮系2層構造糸カバーファクター=(ウエール数/cm+コース数/cm)×
    √dr
  2. 【請求項2】 芯糸と側糸とがエア−交絡された仮撚巻
    縮系2層構造糸であって、該芯糸と側糸との糸長差が8
    %以上であり、芯糸は強度が3g/dr以上でかつ伸度
    が40%以下であり、側糸および/または芯糸を構成す
    る繊維は芯成分に5〜40重量%の金属酸化物を含有
    し、芯/鞘重量比が1/4〜4/1であるポリエステル
    系芯鞘型複合繊維であり、かつ該2層構造糸から下記式
    に規定するカバーファクターが360±10となる編地とし
    たとき、該編地における紫外線透過率(UVT)が10%以下
    であることを特徴とする仮撚巻縮系2層構造糸。 カバーファクター=(ウエール数/cm+コース数/cm)×
    √d r 」
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CN1069353C (zh) * 1993-08-06 2001-08-08 可乐丽股份有限公司 聚酯纤维及其复合纤维

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