JP2857544B2 - 抗菌性を有する食品用間仕切材 - Google Patents

抗菌性を有する食品用間仕切材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、寿司、弁当、さしみ
等、包装容器内に数種類の食品を収納するときに、異な
る種類の食品間に配置させて食品を仕切るための間仕切
材として使用される抗菌性を有する食品用間仕切材に関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】食品
用間仕切材は、寿司、弁当、さしみ等の食品類を包装容
器に収納する際に、異なる食品同士が接触して色や風味
等が変質しないように各食品を仕切るものである。この
食品用間仕切材として、例えば、合成樹脂等にて形成さ
れたバラン、大葉、もみじ等の装飾的機能を持たせたも
のが知られている。
【0003】また、包装容器内に収納された食品は、数
日間も放置すればカビが発生したり細菌が増殖したりす
る。そこで、食品におけるカビの発生や細菌の増殖等を
防ぐため、抗菌効果を有する物質として知られているイ
ソチオシアン酸エステルが用いられる。このイソチオシ
アン酸エステルは、わさびの根やからしの種子からの抽
出成分であり、人体に対して無害であることから食品用
抗菌剤として適している。
【0004】このイソチオシアン酸エステルを用いて食
品の防カビや細菌増殖抑制等を行う方法として、例え
ば、特開平2−109962号公報や特開平3−224
437号公報には、食品の保存時にイソチオシアン酸エ
ステルの揮発ガスを存在させて食品に発生するカビ、細
菌増殖を抑制する食品の保存方法が提案されている。ま
た、実開平3−129083号公報には、冷蔵庫用鮮度
保持材が提案されており、この冷蔵庫用鮮度保持材は、
イソチオシアン酸エステルを有効成分として含有するゲ
ル状物質又は粉体を通気性を有する包装体内に充填又は
保持したものである。そして、この冷蔵庫用鮮度保持材
を冷蔵庫内に設けることによって、イソチオシアン酸エ
ステルの揮発ガスにて冷蔵庫内の生鮮食品に対して細菌
繁殖を抑制している。
【0005】しかし、この冷蔵庫用鮮度保持材では、密
封容器に収納された食品に対しては、イソチオシアン酸
エステルの揮発ガスが行き亘らないので、抗菌効果を与
えることができない。また、実開平3−112296号
公報には、抗菌性パック材が提案されており、この抗菌
性パック材は、通気性且つ遮水性袋状体中に、イソチオ
シアン酸エステル類のサイクロデキストリン包接化合物
を封入したものである。そして、この抗菌性パック材
を、食品と共に密封包装することによって、食品に付着
等した菌の繁殖を抑制している。
【0006】しかし、この抗菌性パック材では、数種の
食品を間仕切材にて仕切って収納された包装容器内に用
いたとき、このパック材から徐放されるイソチオシアン
酸エステルの揮発ガスが間仕切材に遮られる。このた
め、間仕切材にて仕切られている場合は、仕切られた区
画ごとに抗菌性パック材を入れて、食品に抗菌効果を与
えるようにしなければ、包装容器に収納された食品に対
して十分に抗菌効果を与えることができない。
【0007】また、このように、間仕切材で仕切られた
区画ごとに抗菌性パック材を入れるのは、非常に面倒で
ある。そこで、この発明の目的は、間仕切材を用いて包
装容器に数種類の食品が収納された場合でも、簡単かつ
十分に抗菌効果を付与し、食品の日持ちを向上させるこ
とのできる抗菌性を有する食品用間仕切材を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の抗菌性を有する食品用間仕切材は、密封
状態の容器内に収納された数種類の食品を仕切るための
通気性を有する袋であって、この袋内に、イソチオシア
ン酸エステルをサイクロデキストリンに包接した抗菌剤
が封入してあることを特徴とする。
【0009】
【作用】上記構成による、この発明の抗菌性を有する食
品用間仕切材によれば、通気性を有する袋内に、イソチ
オシアン酸エステルをサイクロデキストリンに包接した
抗菌剤が封入されているので、抗菌性成分のイソチオシ
アン酸エステルがサイクロデキストリンから揮発ガスと
して徐放される。これにより、数種類の食品を仕切った
食品用間仕切材から上記揮発ガスが徐放され、この間仕
切材に遮られることなく食品全体に揮発ガスが行き亘っ
て、抗菌効果を発揮させることができる。
【0010】
【実施例】この発明の実施例について、添付図面を参照
しながら以下に説明する。図1は、この発明の一実施例
の抗菌性を有する食品用間仕切材の一部切欠平面図を示
し、図2は、その断面図を示す。図1に示した食品用間
仕切材は、通気性を有する袋3の一辺がギザギザ状11
に形成されたバラン1である。このバラン1は、緑色に
着色された2枚のフィルムやシート等の周縁を接着して
袋状に形成されている。
【0011】また、図2に示すように、このバラン1を
形成する袋3内には、抗菌剤2が封入されている。抗菌
剤2は、抗菌性成分のイソチオシアン酸エステルをサイ
クロデキストリンで包接した化合物が使用される。上記
バラン1形状等に形成された通気性を有する袋3とし
て、例えば、多数の微細孔を設けた合成樹脂フィルム
や、この合成樹脂フィルムの内層に種々の不織布や紙等
を積層したシートを袋状に形成したものが使用される。
【0012】上記イソチオシアン酸エステルとしては、
例えば、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸メ
チル、イソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸n−
プロピル、イソチオシアン酸イソプロピル、イソチオシ
アン酸n−ブチル、イソチオシアン酸イソブチル、イソ
チオシアン酸イソアミル、イソチオシアン酸フェニル、
イソチオシアン酸ベンジル等が使用され、なかでも抗菌
効果の優れたイソチオシアン酸アリルが好ましく使用さ
れる。イソチオシアン酸エステルは、揮発されて、食品
に対して防カビや細菌増殖の抑制等の抗菌効果を与える
ものである。また、イソチオシアン酸エステルは、通常
では液状、油状であり、わさびやからしから抽出するこ
とができるが、工業的にも製造することでき、例えば、
下記式(1) に示すようにアミンと二硫化炭素を反応させ
て得られた中間体を、下記式(2)に示すように硝酸銀で
分解して製造することができる。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、Rは置換基を有しても良い炭化水
素基を示す。)また、他にチオシアン酸エステルを加熱
処理して異性化することでも得られる。上記サイクロデ
キストリンとしては、例えば、α−サイクロデキストリ
ン、β−サイクロデキストリン、γ−サイクロデキスト
リン等が使用され、特にβ−サイクロデキストリンが好
ましく使用される。サイクロデキストリンは、通常では
粉末状であり、包接したイソチオシアン酸エステルの揮
発ガスの徐放化、化学的安定化、無臭化、酸化防止、光
分解防止等を図ることができる。これにより、イソチオ
シアン酸エステルをサイクロデキストリンに包接するこ
とによって、イソチオシアン酸エステルの延命を図るこ
とができる。また、サイクロデキストリンは、その種類
によってイソチオシアン酸エステルの揮発速度、揮発濃
度を調節でき、イソチオシアン酸エステルのガス濃度を
長期に亘り一定に保つことができる。さらに、サイクロ
デキストリンは、容器内の雰囲気温度に影響されずにイ
ソチオシアン酸エステルの揮発ガスを安定供給すること
ができる。このサイクロデキストリンは、デンプンを酸
またはアミラーゼで加水分解するとき、反応の中間に起
こるデンプンミセルの崩壊過程で得られる種々の程度の
分解生成物(分子やミセル)の混合物から得られる。
【0015】そして、このサイクロデキストリンにイソ
チオシアン酸エステルを包接した抗菌剤2は、ヘンシェ
ルミキサー、乾式ブレンダー等を用いて粉末状のサイク
ロデキストリンと液状のイソチオシアン酸エステルとを
常法通りに混練することで得られる。なお、イソチオシ
アン酸エステルは、ほとんどが匂いを有していることか
ら、匂いを変えたり消したりするため、抗菌剤2中に芳
香物質を混入することができる。この芳香物質として
は、例えば、ケイ皮酸、バニリン、酢酸ゲラニル、ペッ
パーオイル、酢酸エチル等の食品に添加される芳香料を
使用することができる。
【0016】次に、図3に、上記実施例の抗菌性を有す
る食品用間仕切材の使用状態を示し、このバラン1の使
用状態としては、包装容器4内に収納された3種類の異
なる食品A,B,Cが接触しないように、各食品A,
B,C間に配置される。また、この包装容器4の上部に
は、ポリ塩化ビニリデン製フィルム5(例えば、旭化成
社製の商品名「サランラップ」)が被せられて、その内
部が密封されている。
【0017】以上のように、上記実施例の食品用間仕切
材としてのバラン1によれば、このバラン1から抗菌性
成分のイソチオシアン酸エステルの揮発ガスが徐放され
る。そして、このバラン1は、包装容器4内に収納され
た食品A,B,C全体に揮発ガスを行き亘らせて、抗菌
効果を発揮させることができる。また、この包装容器4
は、ポリ塩化ビニリデン製フィルム5にて内部が密封さ
れているので、バラン1から徐放されたイソチオシアン
酸エステルの揮発ガスが包装容器4の雰囲気中に充満さ
れる。
【0018】したがって、容器4内に収納された食品
A,B,Cに対してカビの発生や細菌増殖等を長期に亘
って容易に防止し、食品A,B,Cの日持ちを向上させ
ることができる。なお、この発明の抗菌性を有する食品
用間仕切材は、上記実施例に限定されず、バラン1以外
に、例えば、大葉やもみじ等の木の葉形状や他の形状に
形成されたものでも良い。また、図4に示すように、食
品用間仕切材1aを形成する通気性を有する袋3に大葉
模様の印刷が施されたもののように、バランや木の葉模
様等他の模様の印刷が施されたものでも良い等、この発
明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すこと
が可能である。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明の抗菌性を有す
る食品用間仕切材によれば、通気性を有する袋内にイソ
チオシアン酸エステルをサイクロデキストリンに包接し
た抗菌剤が封入されているので、抗菌性成分のイソチオ
シアン酸エステルが揮発ガスとして徐放される。これに
より、揮発ガスが、間仕切材に遮られることなく食品全
体に行き亘って、抗菌効果を発揮させることができる。
【0020】したがって、密封状態の容器に数種類の食
品を収納した場合でも、簡単かつ十分に抗菌効果が発揮
され、食品のカビや細菌増殖等を長期に防止でき、食品
の日持ちを向上させることのできるものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の抗菌性を有する食品用間
仕切材を示した一部切欠の平面図である。
【図2】図1の食品用間仕切材の断面図である。
【図3】図1の食品用間仕切材の使用状態を示した断面
図である。
【図4】この発明の他の例の抗菌性を有する食品用間仕
切材を示した一部切欠の平面図である。
【符号の説明】 A,B,C 食品 1 バラン(食品用間仕切材) 1a 食品用間仕切材 2 抗菌剤 3 袋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 81/28 A23L 3/3409

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密封状態の容器内に収納された数種類の食
    品を仕切るための通気性を有する袋であって、 この袋内に、イソチオシアン酸エステルをサイクロデキ
    ストリンに包接した抗菌剤が封入してあることを特徴と
    する抗菌性を有する食品用間仕切材。
  2. 【請求項2】袋が、バランや木の葉等の形状に形成され
    た請求項1記載の抗菌性を有する食品用間仕切材。
  3. 【請求項3】袋に、バランや木の葉等の模様が印刷され
    た請求項1記載の抗菌性を有する食品用間仕切材。
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