JP2854279B2 - 反応蒸留装置および反応蒸留方法 - Google Patents

反応蒸留装置および反応蒸留方法

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JP2854279B2 JP8126035A JP12603596A JP2854279B2 JP 2854279 B2 JP2854279 B2 JP 2854279B2 JP 8126035 A JP8126035 A JP 8126035A JP 12603596 A JP12603596 A JP 12603596A JP 2854279 B2 JP2854279 B2 JP 2854279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平衡反応が二段階
以上組み合わされてなる比較的複雑な反応に適用するこ
とができる反応蒸留装置、および、反応蒸留方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、平衡反応の平衡が生成系側に
不利である場合には、反応蒸留を行うことにより、上記
平衡を生成系側に有利にして反応効率(平衡転化率)を
高めることが行われている。例えば、「化学工学」第5
7巻第1号77頁〜79頁(1993年)には、具体例
で、上記の反応蒸留についての説明が記載されている。
【0003】そして、一般に、平衡反応が二段階以上組
み合わされてなる比較的複雑な反応を行う場合には、各
平衡反応に対して、それぞれ別個に反応蒸留が行われて
いる。例えば、国際公開WO091/09832号公報
には、二段階の平衡反応を経由して、炭酸ジメチルとフ
ェノールとから炭酸ジフェニルを製造する方法が開示さ
れている。上記の方法では、一つの平衡反応に対して1
基の反応蒸留塔(反応蒸留装置)を用いており、全体で
は2基の反応蒸留塔を使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法においては、炭酸ジメチルとフェノールとから
炭酸メチルフェニルを形成する一段階目の平衡反応の反
応蒸留において、原料の炭酸ジメチルと、生成物のメタ
ノールとが共沸する。このため、平衡が生成系側に有利
にならず、平衡反応がうまく進行しないので、炭酸エス
テルを効率的に製造することができない。また、炭酸ジ
フェニルの製造に、2基の反応蒸留塔を用いるので、設
備費が掛かると共に、用役費が掛かるという問題点を有
している。
【0005】このように、上記従来の反応蒸留塔は、比
較的簡単な反応に適用されているだけであり、平衡反応
が二段階以上組み合わされてなる比較的複雑な反応には
適用されていない。つまり、逐次複合反応に適用するこ
とができる反応蒸留塔は、ほとんど知られていない。そ
こで、平衡反応が二段階以上組み合わされてなる比較的
複雑な反応に適用することができる反応蒸留装置、およ
び、反応蒸留方法が求められている。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、平衡反応が二段階以上組み
合わされてなる比較的複雑な反応に適用することができ
る反応蒸留装置、および、該反応を効率的に行うことが
できる反応蒸留方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、反応蒸留装置および反応蒸留
方法について鋭意検討した。その結果、少なくとも第一
供給部、第二供給部および第三供給部が、塔頂側から順
にそれぞれ異なる段に設けられている反応蒸留装置を用
いて、平衡反応を行う二種類の原料のうち、より沸点の
高い原料(第一原料)を第一供給部から供給する一方、
より沸点の低い原料(第二原料)を第二供給部から供給
して両者の第一平衡反応を行わせると共に、該第一平衡
反応によって生成する生成物のうちの第一および第二の
原料より沸点の高い生成物と第二平衡反応を行わせる第
三の原料を第三供給部から供給して、該生成物と第三の
原料との第二平衡反応を行わせることにより、平衡反応
が二段階以上組み合わされてなる比較的複雑な反応を、
効率的に行うことができることを見い出して、本発明を
完成させるに至った。
【0008】即ち、請求項1記載の発明の反応蒸留装置
は、上記の課題を解決するために、二つ以上の平衡反応
を有する反応を行うための、段数が3段以上の反応蒸留
装置であって、第一平衡反応を行う二種類の原料のう
ち、より沸点の高い原料(第一の原料)を供給する第一
供給部と、より沸点の低い原料(第二の原料)を供給す
る第二供給部と、上記第一平衡反応によって生成する生
成物のうちの第一および第二の原料より沸点の高い生成
物と第二平衡反応を行わせる第三の原料を供給する第三
供給部とを少なくとも備えると共に、上記第一供給部、
第二供給部および第三供給部が、塔頂側から順にそれぞ
れ異なる段に設けられていることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明の反応蒸留装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1記載の反応蒸留装
置において、供給部が設けられている二つの段の間に、
供給部が設けられていない段を有することを特徴として
いる。
【0010】上記の構成によれば、反応蒸留装置は、そ
れぞれ異なる原料が供給される第一供給部、第二供給部
および第三供給部が、塔頂側から順にそれぞれ異なる段
に設けられている。これにより、平衡反応が二段階以上
組み合わされてなる比較的複雑な反応、即ち、逐次複合
反応に適用することができる反応蒸留装置を提供するこ
とができる。また、供給部が設けられている二つの段の
間に、供給部が設けられていない段を有する反応蒸留装
置は、上記の逐次複合反応をより一層効率的に行うこと
ができる。
【0011】また、請求項3記載の発明の反応蒸留方法
は、上記の課題を解決するために、二つ以上の平衡反応
を有する反応を、段数が3段以上の反応蒸留装置を用い
て行う反応蒸留方法であって、第一平衡反応を行う二種
類の原料のうち、より沸点の高い原料(第一の原料)を
第一の段に供給する一方、より沸点の低い原料(第二の
原料)を上記第一の段よりも下側の第二の段に供給して
両者の第一平衡反応を行わせると共に、該第一平衡反応
によって生成する生成物のうちの第一および第二の原料
より沸点の高い生成物と第二平衡反応を行わせる第三の
原料を上記第二の段よりも下側の第三の段に供給して、
該生成物と第三の原料との第二平衡反応を行わせる工程
を含むことを特徴としている。
【0012】請求項4記載の発明の反応蒸留方法は、上
記の課題を解決するために、請求項3記載の反応蒸留方
法において、第二平衡反応によって生成する生成物のう
ち、より沸点の低い生成物が、第一平衡反応の原料であ
ることを特徴としている。
【0013】上記の方法によれば、二種類の原料を第一
平衡反応を行わせると共に、該第一平衡反応によって生
成する生成物のうち、より沸点の高い生成物と第三の原
料とを第二平衡反応を行わせる。これにより、平衡反応
が二段階以上組み合わされてなる比較的複雑な反応、即
ち、逐次複合反応に適用することができる反応蒸留方法
を提供することができる。また、第二平衡反応によって
生成する生成物のうち、より沸点の低い生成物が、第一
平衡反応の原料である場合には、第一平衡反応に関与す
る原料の供給量を低減することができるので、上記の逐
次複合反応をより一層効率的に行うことができる。
【0014】さらに、請求項5記載の発明の反応蒸留方
法は、上記の課題を解決するために、請求項3または4
記載の反応蒸留方法において、第一平衡反応が、一般式
(1) R1 COOR2 ……(1) (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立してアルキル基、脂
環式炭化水素基またはアリールアルキル基を表す)で表
されるカルボン酸エステルと、一般式(2) R3 OH ……(2) (式中、R3 は置換基を有していてもよい芳香族基を表
す)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交
換反応であり、第二平衡反応が、上記エステル交換反応
により生成する一般式(3) R1 COOR3 ……(3) (式中、R1 はアルキル基、脂環式炭化水素基またはア
リールアルキル基を表し、R3 は置換基を有していても
よい芳香族基を表す)で表されるカルボン酸エステル
と、一般式(4) R4 O−COOR5 ……(4) (式中、R4 、R5 はそれぞれ独立してアルキル基、脂
環式炭化水素基またはアリールアルキル基を表す)で表
される炭酸エステルとのエステル交換反応であることを
特徴としている。
【0015】これにより、反応蒸留方法を用いて、一般
式(5) R3 O−COOR6 ……(5) (式中、R3 は置換基を有していてもよい芳香族基を表
し、R6 はR3 、前記R4 および前記R5 からなる群よ
り選ばれる置換基を表す)で表される炭酸エステルを効
率的に製造することができる。尚、得られる炭酸エステ
ルは工業的に有用な化合物であり、例えば、炭酸エステ
ルの一種である炭酸ジフェニルは、ポリカーボネートの
原料として用いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明にかかる反応蒸留装置およ
び反応蒸留方法は、平衡反応が三段階以上組み合わされ
てなる複雑な逐次複合反応にも供することができるが、
以下の説明においては、説明の便宜上、平衡反応が二段
階組み合わされてなる逐次複合反応を例に挙げることと
する。つまり、原料(A)、原料(B)および原料
(E)を用いて、次式、 原料(A)+原料(B) ⇔ 生成物(C)+生成物(D) …第一平衡反応 生成物(C)+原料(E)⇔ 生成物(F)+生成物(G) …第二平衡反応 に示す二段階の平衡反応を行うことにより、目的物であ
る生成物(F)を得る場合を例に挙げて説明することと
する。
【0017】但し、第一の原料としての原料(A)、原
料(B)、および、第三の原料としての原料(E)の沸
点の順序は、原料(A)>原料(B)>原料(E)であ
るとし、生成物(C)および生成物(D)の沸点の順序
は、生成物(C)>生成物(D)であるとし、生成物
(F)および生成物(G)の沸点の順序は、生成物
(F)>生成物(G)であるとする。また、以下の説明
においては、第一平衡反応を前段反応と称し、第二平衡
反応を後段反応と称する。
【0018】本発明の一実施の形態について、図1に基
づいて説明すれば、以下の通りである。図1に示すよう
に、本発明にかかる反応蒸留装置(以下、単に反応蒸留
塔と称する)1は、リボイラー2、凝縮器3、および、
ポンプ4等を備えている。
【0019】反応蒸留塔1は、段数が3段以上であり、
原料(A)と原料(B)とを気液接触させると共に、生
成物(C)と原料(E)とを気液接触させる。反応蒸留
塔1には、原料供給管5・6・7が接続されている。ま
た、反応蒸留塔1の塔底は、抜き出し管8および導管1
4を介してリボイラー2と接続されている。さらに、反
応蒸留塔1の塔頂は、導管12を介して凝縮器3と接続
されている。尚、上記の原料供給管5・6・7は、反応
蒸留塔1における塔頂側から順にそれぞれ異なる段に設
けられている。つまり、反応蒸留塔1において、原料供
給管6は、原料供給管5よりも下段に接続されており、
原料供給管7は、原料供給管6よりも下段に接続されて
いる。また、反応蒸留塔1は、原料供給管5が接続され
ている段(第一の段)と、原料供給管6が接続されてい
る段(第二の段)との間、並びに、原料供給管6が接続
されている段と、原料供給管7が接続されている段(第
三の段)との間に、原料供給管が接続されていない段を
有していることがより好ましい。さらに、原料供給管7
は、塔底に接続されていてもよい。
【0020】第一供給部としての原料供給管5は、原料
(A)を反応蒸留塔1に連続的に供給する。第二供給部
としての原料供給管6は、原料(B)を反応蒸留塔1に
連続的に供給する。第三供給部としての原料供給管7
は、原料(E)を反応蒸留塔1に連続的に供給する。
【0021】リボイラー2は、抜き出し管8および導管
14を介して反応蒸留塔1の塔底と接続されている。リ
ボイラー2は、抜き出し管8を通じて抜き出した塔底液
を加熱し、導管14を通じて塔底に戻す。つまり、リボ
イラー2は、塔底液を加熱して循環させる。そして、抜
き出し管8は分枝しており、塔底液の一部を缶出液とし
て連続的に反応系外に抜き出すことができるようになっ
ている。
【0022】凝縮器3は、反応蒸留塔1の留出液を凝縮
して液化する。凝縮器3は、導管12を介して反応蒸留
塔1の塔頂と接続されており、抜き出し管9を介してポ
ンプ4と接続されている。また、凝縮器3には、圧力調
整弁11を備えた調整管10が取り付けられている。そ
して、抜き出し管9は分枝しており、留出液の一部を連
続的に反応系外に抜き出すことができるようになってい
る。
【0023】ポンプ4は、所定の還流比で留出液を反応
蒸留塔1に還流させるようになっている。ポンプ4は、
抜き出し管9を介して凝縮器3と接続されており、導管
13を介して反応蒸留塔1の塔頂と接続されている。
【0024】次に、上記構成の反応蒸留装置を用いた生
成物(F)の製造方法の一例について説明する。先ず、
原料供給管5を介して原料(A)を、原料供給管6を介
して原料(B)を、原料供給管7を介して原料(E)を
反応蒸留塔1にそれぞれ連続的に供給する。これら原料
(A)・(B)・(E)は、液状で供給してもよく、ガ
ス状で供給してもよく、或いは、気液混合状態で供給し
てもよい。尚、原料(A)には、原料(B)の一部が含
まれていてもよく、また、原料(B)には、原料(A)
の一部が含まれていてもよい。
【0025】すると、反応蒸留塔1に供給された原料
(A)および原料(B)は、気液接触、つまり、反応蒸
留される。これにより、前段反応が進行し、生成物
(C)および生成物(D)が生成すると共に、両者が分
離される。該生成物(C)は、反応蒸留塔1内を流下す
る。また、副生成物である生成物(D)は、留出液とし
て連続的に抜き出される。
【0026】次に、生成物(C)と原料(E)とが気液
接触、つまり、反応蒸留される。これにより、後段反応
が進行し、生成物(F)および生成物(G)が生成する
と共に、両者が分離される。副生成物である生成物
(G)は、反応蒸留塔1内を上昇し、留出液として連続
的に抜き出される。尚、生成物(G)が、前段反応の原
料である場合、つまり、生成物(G)と原料(B)とが
同一化合物である場合には、生成物(G)は、上記の前
段反応に供される。
【0027】一方、目的物である生成物(F)は、反応
蒸留塔1から缶出液(塔底液)として反応系外に連続的
に抜き出される。即ち、生成物(F)は、缶出液として
連続的に反応系外に取り出される。
【0028】以上の反応操作を行うことにより、効率的
かつ連続的に生成物(F)を製造することができる。
尚、生成物(G)が前段反応に供される場合には、反応
蒸留塔1内に存在する化合物の種類が少なくなり、反応
系が単純化される。また、原料供給管6を介して供給さ
れる原料(B)の供給量を低減することができるので、
上記の逐次複合反応をより一層効率的に行うことができ
る。
【0029】さらに、前段反応および/または後段反応
に例えば均一触媒を用いる場合には、該触媒は、原料
(A)および/または原料(B)と共に反応蒸留塔1に
連続的に供給する。該触媒は、蒸留等の公知の方法を用
いることにより、生成物(F)から分離・回収すればよ
い。また、前段反応および/または後段反応に例えば不
均一触媒を用いる場合には、該触媒は、反応蒸留塔1内
部に保持する。そして、反応蒸留塔1として充填塔(後
述する)を用いる場合には、反応蒸留塔1内に充填する
充填物の一部または全部に代えて不均一触媒を充填する
こともできる。反応蒸留塔1として棚段塔(後述する)
を用いる場合には、不均一触媒を棚段やダウンカマー内
に保持すればよい。不均一触媒を用いる場合、前段反応
で用いる触媒と、後段反応で用いる触媒とは、互いに同
一であってもよく、また、互いに異なっていてもよい。
【0030】さらに、前段反応および/または後段反応
に例えば溶媒を用いる場合は、反応蒸留塔1に図示しな
い溶媒供給管を別途設け、該溶媒供給管を介して溶媒を
連続的に供給すればよい。
【0031】上記の反応蒸留塔1は、該反応蒸留塔1内
に気相部が存在し、生成した低沸点成分が該気相部へ連
続的に分離・除去され得る構造、即ち、いわゆる反応蒸
留を実施することができる構造であればよい。反応蒸留
塔1としては、連続式の多段蒸留塔が好適である。
【0032】上記連続式の多段蒸留塔としては、塔頂
(最上段)と塔底(最下段)とを除いた段数が3段以上
の蒸留塔が好ましい。このような蒸留塔としては、例え
ば、ラシヒリング、ポールリング、インタロックスサド
ル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ス
ルーザーパッキング等の充填物が充填された充填塔;泡
鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ等のトレイ(棚
段)を使用した棚段塔等、一般に用いられている蒸留塔
を採用することができる。また、棚段と充填物層とを併
せ持つ複合式の蒸留塔も採用することができる。上記の
段数とは、棚段塔においては棚段の数を示し、充填塔に
おいては理論段数を示す。
【0033】尚、反応蒸留装置は、図1に示す構成にの
み限定されるものではない。本発明にかかる反応蒸留装
置および反応蒸留方法は、平衡反応が二段階組み合わさ
れてなる逐次複合反応についてのみ適用されるものでは
なく、平衡反応が三段階以上組み合わされてなる複雑な
逐次複合反応にも供することができる。この場合には、
反応蒸留塔に、原料の種類と同数の原料供給管を設けれ
ばよい。
【0034】次に、本発明にかかる反応蒸留装置および
反応蒸留方法について、具体的な例を挙げて、以下によ
り詳しく説明する。以下の説明においては、前段反応
が、一般式(1) R1 COOR2 ……(1) (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立してアルキル基、脂
環式炭化水素基またはアリールアルキル基を表す)で表
されるカルボン酸エステルと、一般式(2) R3 OH ……(2) (式中、R3 は置換基を有していてもよい芳香族基を表
す)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交
換反応であり、後段反応が、上記エステル交換反応によ
り生成する一般式(3) R1 COOR3 ……(3) (式中、R1 はアルキル基、脂環式炭化水素基またはア
リールアルキル基を表し、R3 は置換基を有していても
よい芳香族基を表す)で表されるカルボン酸エステル
と、一般式(4) R4 O−COOR5 ……(4) (式中、R4 、R5 はそれぞれ独立してアルキル基、脂
環式炭化水素基またはアリールアルキル基を表す)で表
される炭酸エステルとのエステル交換反応である場合を
例に挙げることとする。
【0035】従って、一般式(1)で表されるカルボン
酸エステル、および、一般式(2)で表される芳香族ヒ
ドロキシ化合物のうち、何れか一方が原料(A)に相当
し、他方が原料(B)に相当する。また、一般式(3)
で表されるカルボン酸エステルは生成物(C)に相当
し、一般式(4)で表される炭酸エステルは原料(E)
に相当する。
【0036】上記の反応により、一般式(5) R3 O−COOR6 ……(5) (式中、R3 は置換基を有していてもよい芳香族基を表
し、R6 はR3 、前記R4 および前記R5 からなる群よ
り選ばれる置換基を表す)で表される炭酸エステルが生
成する。従って、一般式(5)で表される炭酸エステル
は生成物(F)に相当する。
【0037】尚、以下の説明においては、必要に応じ
て、目的物である前記一般式(5)で表される炭酸エス
テル(以下、炭酸エステル(5)と称する)のうち、式
中、R6 で示される置換基が置換基R4 または置換基R
5 である炭酸エステル(5)を炭酸モノエステルと称
し、R6 で示される置換基が置換基R3 である炭酸エス
テル(5)を炭酸ジエステルと称することとする。
【0038】上記の後段反応は、炭酸モノエステルが生
成する反応と、炭酸ジエステルが生成する反応との2段
階で進行する。即ち、先ず、前記一般式(4)で表され
る炭酸エステル(以下、炭酸エステル(4)と称する)
の置換基R4 ・R5 の何れか一方が、前記一般式(3)
で表されるカルボン酸エステル(以下、カルボン酸エス
テル(3)と称する)の置換基R3 とエステル交換され
る。これにより、炭酸モノエステルが生成すると共に、
一般式(6) R1 COOR7 ……(6) (式中、R1 はアルキル基、脂環式炭化水素基またはア
リールアルキル基を表し、R7 は前記R4 および前記R
5 からなる群より選ばれる置換基を表す)で表されるカ
ルボン酸エステル(以下、カルボン酸エステル(6)と
称する)が副生する。次いで、炭酸モノエステルの残り
の置換基R4 (R5 )が、カルボン酸エステル(3)の
置換基R3 とエステル交換される。これにより、炭酸ジ
エステルが生成すると共に、カルボン酸エステル(6)
が副生する。尚、カルボン酸エステル(6)は生成物
(G)に相当する。
【0039】前記一般式(1)で表されるカルボン酸エ
ステル(以下、カルボン酸エステル(1)と称する)
は、特に限定されるものではないが、式中、R1 、R2
で示される置換基が、それぞれ独立してアルキル基、脂
環式炭化水素基またはアリールアルキル基で構成される
化合物である。そして、アルキル基は、炭素数1〜10
が好ましく、脂環式炭化水素基は、炭素数3〜10が好
ましく、アリールアルキル基は、炭素数7〜10が好ま
しい。
【0040】カルボン酸エステル(1)としては、具体
的には、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、
酢酸−2−エチルヘキシル、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸
ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ
酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草
酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸
メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、ヘキ
サン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピ
ル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル等が挙げられ
る。
【0041】尚、カルボン酸エステル(6)は、カルボ
ン酸エステル(1)として再利用できることが好まし
い。従って、カルボン酸エステル(1)の置換基R2
と、炭酸エステル(4)の置換基R4 ・R5 とは、互い
に同一であることが好ましい。さらに、カルボン酸エス
テル(6)と、副生するアルコール(後述する)とが共
沸組成物を形成しないように、上記置換基R2 ・R4
5 を設定することが好ましい。これにより、カルボン
酸エステル(6)を容易に分離・回収することができ
る。また、カルボン酸エステル(6)をカルボン酸エス
テル(1)として全て再利用することができる場合に
は、カルボン酸エステル(1)は、実質的に消費されな
い。
【0042】また、エステル交換反応の平衡を生成系側
に有利にして反応効率(平衡転化率)を高めるために、
前段反応において副生する一般式(7) R2 OH ……(7) (式中、R2 はアルキル基、脂環式炭化水素基またはア
リールアルキル基を表す)で表されるアルコールを反応
系外に抜き出すことが好ましい。このため、上記例示の
化合物のうち、副生するアルコールの沸点よりも沸点が
高いカルボン酸エステル(1)がより好ましい。尚、一
般式(7)で表されるアルコールは生成物(D)に相当
する。
【0043】また、前段反応の反応効率をより一層高め
るためには、一般式(7)で表されるアルコール(以
下、単にアルコールと称する)との間で共沸組成物を形
成しないカルボン酸エステル(1)を用いることが好ま
しい。共沸組成物を形成しないカルボン酸エステル
(1)としては、酪酸エチル、酪酸ブチル、および、イ
ソ吉草酸エステルや吉草酸エステル、ヘキサン酸エステ
ル等のアシル基側の炭素数が4以上の化合物(または、
前記置換基R1 の炭素数が3以上の化合物)が挙げられ
る。尚、これら条件が満たされるカルボン酸エステル
(1)を用いた場合には、該カルボン酸エステル(1)
をカルボン酸エステル(3)にほぼ完全に転化させるこ
とも理論的には可能である。
【0044】前記一般式(2)で表される芳香族ヒドロ
キシ化合物は、特に限定されるものではないが、式中、
3 で示される置換基が芳香族基で構成される化合物で
ある。上記の芳香族基は置換基を有していてもよい。
【0045】芳香族ヒドロキシ化合物としては、具体的
には、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレ
ゾール、p−クレゾール、o−クロロフェノール、m−
クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−エチル
フェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノ
ール、o−イソプロピルフェノール、m−イソプロピル
フェノール、p−イソプロピルフェノール、o−メトキ
シフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシ
フェノール、キシレノール類、α−ナフトール、β−ナ
フトール等が挙げられる。これら芳香族ヒドロキシ化合
物は、適宜混合して用いてもよい。上記例示の化合物の
うち、工業的な面からフェノールが好適である。
【0046】そして、上記芳香族ヒドロキシ化合物の平
衡転化率を高めるには、生成するカルボン酸エステル
(3)の沸点よりも沸点が低いカルボン酸エステル
(1)を用いることが好ましい。このようなカルボン酸
エステル(1)および芳香族ヒドロキシ化合物の組み合
わせとしては、酢酸−2−エチルヘキシルおよびフェノ
ール、並びに、酢酸ベンジルおよびフェノール、の組み
合わせを除くその他の組み合わせが該当する。そして、
アルコールの炭素数が7以下となるような酢酸エステ
ル、または、アルコールの炭素数が8以下となるような
プロピオン酸エステルをカルボン酸エステル(1)とし
て用いる場合には、上記例示の芳香族ヒドロキシ化合物
との全ての組み合わせが可能である。尚、上記カルボン
酸エステル(1)およびカルボン酸エステル(3)は、
共沸してもよい。
【0047】上記の前段反応によって得られるカルボン
酸エステル(3)としては、具体的には、例えば、酢酸
フェニル、酢酸メチルフェニルの各異性体、酢酸エチル
フェニルの各異性体、酢酸クロロフェニルの各異性体、
酢酸イソプロピルフェニルの各異性体、酢酸メトキシフ
ェニルの各異性体、酢酸ジメチルフェニルの各異性体、
酢酸ナフチルの各異性体、プロピオン酸メチルフェニル
の各異性体、酪酸フェニル、イソ酪酸フェニル、吉草酸
フェニル、吉草酸メチルフェニルの各異性体、イソ吉草
酸フェニル、ヘキサン酸フェニル、ヘプタン酸フェニル
等が挙げられる。
【0048】上記の炭酸エステル(4)は、特に限定さ
れるものではないが、式中、R4 、R5 で示される置換
基が、それぞれ独立してアルキル基、脂環式炭化水素基
またはアリールアルキル基で構成される化合物である。
そして、アルキル基は、炭素数1〜10が好ましく、脂
環式炭化水素基は、炭素数3〜10が好ましく、アリー
ルアルキル基は、炭素数7〜10が好ましい。
【0049】炭酸エステル(4)としては、具体的に
は、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジ−n
−プロピル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチルの各異
性体、炭酸ジペンチルの各異性体、炭酸ジヘキシルの各
異性体、炭酸ジヘプチルの各異性体、炭酸ジオクチルの
各異性体、炭酸ジノニルの各異性体、炭酸ジデシルの各
異性体、炭酸ジシクロヘキシル、炭酸ジベンジル、炭酸
ジフェネチルの各異性体、炭酸ジ(メチルベンジル)の
各異性体等が挙げられる。これら炭酸エステル(4)
は、適宜混合して用いてもよい。上記例示の化合物のう
ち、工業的な面から炭酸ジメチルが好適である。
【0050】また、エステル交換反応の平衡を生成系側
に有利にして反応効率(平衡転化率)を高めるために
は、上記例示の化合物のうち、カルボン酸エステル
(6)の沸点よりも沸点が高いカルボン酸エステル
(3)がより好ましい。このようなカルボン酸エステル
(3)および炭酸エステル(4)の組み合わせとして
は、例えば、カルボン酸エステル(3)の置換基R3
フェニル基である場合、炭酸エステル(4)の置換基R
4 ・R5 は、直鎖状のとき、炭素数7以下の化合物が該
当する。
【0051】また、生成する炭酸エステル(5)を連続
的に反応系外に抜き出すためには、炭酸エステル(5)
の沸点よりも沸点が低いカルボン酸エステル(3)を用
いることが好ましい。このようなカルボン酸エステル
(3)としては、例えば、前記置換基R1 が直鎖状のと
き、炭素数7以下の化合物が該当する。
【0052】さらに、生成する炭酸エステル(5)とカ
ルボン酸エステル(3)との分離が容易となるように、
カルボン酸エステル(3)と炭酸エステル(5)との沸
点差が比較的大きいことが好ましい。尚、上記炭酸エス
テル(4)の平衡転化率を高めるには、カルボン酸エス
テル(3)と該炭酸エステル(4)との沸点差が比較的
小さいことが好ましく、また、カルボン酸エステル
(3)とカルボン酸エステル(6)との沸点差が比較的
大きいことが好ましい。
【0053】前段反応は、原系側に非常に偏った平衡反
応(平衡定数K=10-3〜10-4)である。このため、
エステル交換反応の平衡を生成系側に有利にして反応効
率(平衡転化率)を高めるために、アルコールを反応系
外に連続的に抜き出すことが好ましい。また、アルコー
ルを留去する際には、該アルコールとカルボン酸エステ
ル(1)とを充分に分離させることが好ましい。
【0054】後段反応も平衡反応(平衡定数K=10-1
〜101 )であるが、前段反応と比較してエステル交換
反応の平衡が原系側にそれ程偏っていない。このため、
後段反応は、前段反応よりも反応が進行し易いが、上記
の平衡を生成系側に有利にして反応効率(平衡転化率)
を高めるために、前段反応と同様に、カルボン酸エステ
ル(6)を反応系外に連続的に抜き出すことが好まし
い。また、カルボン酸エステル(6)を留去する際に
は、該カルボン酸エステル(6)とカルボン酸エステル
(3)とを充分に分離させることが好ましい。但し、カ
ルボン酸エステル(6)とカルボン酸エステル(1)と
が同一化合物である場合には、カルボン酸エステル
(6)を反応系外に抜き出す必要はない。
【0055】上記炭酸エステル(5)の製造方法におい
ては、カルボン酸エステル(1)と芳香族ヒドロキシ化
合物とを、触媒の存在下でエステル交換させる(前段反
応)。また、カルボン酸エステル(3)と炭酸エステル
(4)とを、触媒の存在下でエステル交換させる(後段
反応)。前段反応で用いる触媒と、後段反応で用いる触
媒とは、互いに同一であってもよく、また、互いに異な
っていてもよい。
【0056】上記の触媒としては、硫酸等の鉱酸;パラ
トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;イオン交換樹
脂、ゼオライト等の固体酸;水酸化ナトリウム等の塩
基;チタンテトライソプロポキシド、ジルコニウム(IV)
イソプロポキシド等の金属アルコキシド;塩化アルミニ
ウム、四塩化チタン等のルイス酸や、ルイス酸を発生す
る化合物;フェノキシ鉛、フェノキシチタン等の金属フ
ェノキサイド類;酸化鉛類;炭酸鉛等の鉛塩類;ジルコ
ニウム(IV)アセチルアセトネート、ビス(アセチルアセ
トナト)銅(II)、亜鉛(II)アセチルアセトネート、リチ
ウムアセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネー
ト錯体;ジブチル錫オキシド等の有機錫化合物;チタノ
シリケート;金属置換リン酸アルミニウム等が挙げられ
る。また、通常のプロトン酸、プロトン塩基、固体酸、
固体塩基も触媒として用いることができる。上記例示の
触媒のうち、金属アルコキシド;ルイス酸や、ルイス酸
を発生する化合物;金属フェノキサイド類;有機錫化合
物;チタノシリケート;金属置換リン酸アルミニウムが
より好ましい。
【0057】均一触媒を用いる場合には、該触媒を混合
した溶液を反応蒸留塔1内部に供給する。該触媒は、カ
ルボン酸エステル(1)、芳香族ヒドロキシ化合物およ
び炭酸エステル(4)の少なくとも一つに混合して供給
することができる。或いは、触媒を混合した溶液を、カ
ルボン酸エステル(1)、芳香族ヒドロキシ化合物また
は炭酸エステル(4)の供給段に供給してもよく、また
は、供給段と異なる段に供給してもよい。但し、反応蒸
留塔1においては、触媒の存在する領域(段)が多い
程、反応液と触媒との接触頻度が増し、反応効率が良好
となる。このため、触媒は、できるだけ反応蒸留塔1の
上部の段に供給することが好ましい。
【0058】均一触媒を用いる場合における触媒濃度
は、カルボン酸エステル(1)および芳香族ヒドロキシ
化合物の合計量に対して、下限値は0.1ppm、好ま
しくは1ppm、さらに好ましくは10ppmである。
また、上限値は、反応蒸留塔1内部の反応液に飽和状態
で溶解する量であり、凡そ10重量%、好ましくは5重
量%、さらに好ましくは1重量%である。不均一触媒を
用いる場合における触媒の量は、カルボン酸エステル
(1)および芳香族ヒドロキシ化合物の合計量に対し
て、下限値は0.1重量%、好ましくは0.5重量%、
さらに好ましくは1重量%である。また、上限値は、4
0重量%、好ましくは30重量%、さらに好ましくは2
0重量%である。
【0059】反応蒸留塔1への原料の供給方法は、特に
限定されるものではない。カルボン酸エステル(1)、
芳香族ヒドロキシ化合物、および、炭酸エステル(4)
は、液状で供給してもよく、ガス状で供給してもよく、
或いは、気液混合状態で供給してもよい。尚、カルボン
酸エステル(1)には、芳香族ヒドロキシ化合物の一部
が含まれていてもよく、また、芳香族ヒドロキシ化合物
には、カルボン酸エステル(1)の一部が含まれていて
もよい。
【0060】前段反応における、カルボン酸エステル
(1)と芳香族ヒドロキシ化合物とのモル比は、使用す
る触媒の種類や量、或いは反応条件等にもよるが、1:
50〜50:1の範囲内が好ましく、1:20〜20:
1の範囲内がより好ましく、1:5〜5:1の範囲内が
さらに好ましい。上述したように、前段反応は、原系側
に非常に偏った平衡反応である。従って、カルボン酸エ
ステル(1)および芳香族ヒドロキシ化合物の何れか一
方を大過剰に用いることにより、他方の反応効率(平衡
転化率)を高めることができる。しかしながら、両者の
モル比が上記の範囲外である場合には、大過剰に用いた
カルボン酸エステル(1)若しくは芳香族ヒドロキシ化
合物を回収し、リサイクルしなければならない。このた
め、工業的に不利となり、好ましくない。
【0061】後段反応における、カルボン酸エステル
(3)と炭酸エステル(4)とのモル比は、使用する触
媒の種類や量、或いは反応条件等にもよるが、1:50
〜50:1の範囲内が好ましく、1:20〜20:1の
範囲内がより好ましく、1:5〜5:1の範囲内がさら
に好ましい。カルボン酸エステル(3)および炭酸エス
テル(4)の何れか一方を大過剰に用いることにより、
他方の反応効率(平衡転化率)を高めることができる。
しかしながら、両者のモル比が上記の範囲外である場合
には、大過剰に用いたカルボン酸エステル(3)若しく
は炭酸エステル(4)を回収し、リサイクルしなければ
ならない。このため、工業的に不利となり、好ましくな
い。
【0062】また、後段反応においては、反応系に、前
段反応における未反応物であるカルボン酸エステル
(1)や芳香族ヒドロキシ化合物等が含まれていてもよ
い。尚、炭酸エステル(5)を効率的に製造するため
に、カルボン酸エステル(3)、カルボン酸エステル
(1)および芳香族ヒドロキシ化合物の合計量における
該カルボン酸エステル(3)の含量は、10モル%以上
が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル
%以上がさらに好ましい。
【0063】上記の反応蒸留塔1を操作する際に、その
操作条件を決める因子としては、例えば、段数、操作温
度(反応温度)、操作圧、液の滞留時間、還流比、およ
び液のホールドアップ量等が挙げられる。
【0064】操作温度は、カルボン酸エステル(1)、
芳香族ヒドロキシ化合物および炭酸エステル(4)の種
類、触媒の種類や量、他の条件(因子)等にもよるが、
下限温度は100℃、好ましくは140℃、より好まし
くは160℃であり、上限温度は350℃、好ましくは
300℃である。
【0065】操作温度が100℃よりも低い場合には、
触媒活性が低くなるので反応時間が長くなり、生産性が
低下するため好ましくない。また、操作温度が350℃
よりも高い場合には、脱水反応、或いは、脱炭酸反応に
よるエーテル類(ジアリールエーテル類、アルキルアリ
ールエーテル類等)の生成等の副反応が起こり易くなる
ため好ましくない。さらに、反応蒸留塔1内部の圧力が
上昇しすぎるため好ましくない。
【0066】操作圧は、減圧、常圧、加圧の何れであっ
てもよく、また、カルボン酸エステル(1)、芳香族ヒ
ドロキシ化合物および炭酸エステル(4)の種類、触媒
の種類や量、他の条件(因子)等にもよるが、下限値は
100mmHg、好ましくは500mmHg、より好ま
しくは760mmHg(常圧)であり、上限値は100
kg/cm2 、好ましくは50kg/cm2 、より好ま
しくは10kg/cm2 である。
【0067】ホールドアップ量や段数は、反応時間、即
ち、滞留時間と密接に関係している。つまり、平衡転化
率を高めるには、滞留時間を或る程度長くする必要があ
り、また、滞留時間を長くするには、ホールドアップ量
を大きくするか、または、段数を多くする必要がある。
このうち、ホールドアップ量を大きくする方が好ましい
が、或る程度以上大きくすると、フラッディングが起こ
る。このため、反応蒸留塔1の空塔容積(体積)に対す
るホールドアップ量は、体積比で0.005〜0.75
の範囲内が好ましく、0.01〜0.5の範囲内がより
好ましい。また、段数を多くする場合には、反応蒸留塔
1を製造する際の費用や高さ制限、用役費、固定費等を
考慮に入れて、5段〜100段程度が好ましい。尚、段
数を多くすると、前段反応において、カルボン酸エステ
ル(1)とアルコールとの沸点差が比較的小さい場合、
並びに、後段反応において、カルボン酸エステル(3)
と炭酸モノエステル或いはカルボン酸エステル(6)と
の沸点差が比較的小さい場合において、気液分離の効率
が向上する。
【0068】還流比は、0〜100の範囲内が好まし
く、0〜50の範囲内がより好ましく、0〜25の範囲
内がさらに好ましい。尚、カルボン酸エステル(1)と
アルコールとが共沸組成物を形成する場合には、還流比
は、0或いは比較的小さな値にすることが好ましい。ま
た、カルボン酸エステル(1)とアルコールとの沸点差
が比較的小さい場合には、還流比は、用役費や固定費等
を考慮に入れて、比較的大きな値にすることが好まし
い。
【0069】不均一触媒を用いた場合には、反応蒸留塔
内に触媒を保持すれば触媒の分離の必要はなく、スラリ
ー状で用いた場合でも反応終了後、遠心分離や濾過等の
公知の方法を用いることにより、反応液から不均一触媒
を容易に除去・回収することができる。また、均一触媒
を用いた場合には、反応終了後、蒸留等の公知の方法を
用いることにより、反応液から均一触媒を容易に分離・
回収することができる。そして、反応終了後、上記の方
法を用いて触媒を分離し、次いで、蒸留、抽出、再結晶
等の公知の方法を用いることにより、炭酸エステル
(5)、即ち、目的物である炭酸ジエステルを容易に単
離することができる。また、必要に応じて、副生成物で
あるカルボン酸エステル(6)や炭酸モノエステル、或
いは、炭酸エステル(4)や未反応物である芳香族ヒド
ロキシ化合物等を容易に分離・回収することができる。
【0070】上記炭酸エステル(5)の製造方法におい
ては、必要に応じて、反応系、つまり反応液に、溶媒を
添加してもよい。反応操作を容易にするために添加する
溶媒としては、上記反応系に対して不活性な化合物、例
えば、エーテル類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、
ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。また、カルボン酸
エステル(1)とアルコールとが共沸組成物を形成する
場合には、該共沸組成物の共沸点よりも共沸点が低い共
沸組成物を上記アルコールとの間で形成する溶媒を、反
応系内に共存させることが好ましい。例えば、アルコー
ルがメタノールである場合には、好適な溶媒として、ベ
ンゼンやシクロヘキサン等の化合物が挙げられる。該溶
媒は、メタノールとの間で、共沸点が比較的低い共沸組
成物を形成する。このため、カルボン酸エステル(1)
およびメタノールの共沸が抑制されるので、両者の分離
が容易となり、平衡転化率を向上させることができる。
尚、カルボン酸エステル(1)とアルコールとが共沸組
成物を形成しない場合にも、両者の分離をより一層容易
とするために、共沸点が低い共沸組成物をアルコールと
の間で形成する溶媒を、反応系内に共存させてもよい。
【0071】また、アルコールやカルボン酸エステル
(6)を反応系から容易に除去するために、反応蒸留塔
1の下部から反応系に対して不活性な気体(窒素ガス
等)を導入することもできる。
【0072】次に、炭酸エステル(5)の製造方法の一
例について説明する。先ず、原料供給管5を介して芳香
族ヒドロキシ化合物を、原料供給管6を介してカルボン
酸エステル(1)を、原料供給管7を介して炭酸エステ
ル(4)を反応蒸留塔1にそれぞれ連続的に供給する。
【0073】すると、反応蒸留塔1に供給された芳香族
ヒドロキシ化合物およびカルボン酸エステル(1)は、
気液接触、つまり、反応蒸留される。これにより、前段
反応が進行し、カルボン酸エステル(3)とアルコール
とが生成すると共に、両者が分離される。該カルボン酸
エステル(3)は、反応蒸留塔1内を流下する。また、
副生成物であるアルコールは、留出液として連続的に抜
き出される。
【0074】次に、カルボン酸エステル(3)と炭酸エ
ステル(4)とが気液接触、つまり、反応蒸留される。
これにより、後段反応が進行し、炭酸エステル(5)お
よびカルボン酸エステル(6)が生成すると共に、両者
が分離される。副生成物であるカルボン酸エステル
(6)は、反応蒸留塔1内を上昇し、留出液として連続
的に抜き出される。尚、カルボン酸エステル(6)とカ
ルボン酸エステル(1)とが同一化合物である場合に
は、カルボン酸エステル(6)は、上記の前段反応に供
される。
【0075】一方、目的物である炭酸エステル(5)
は、反応蒸留塔1から缶出液(塔底液)として反応系外
に連続的に抜き出される。即ち、炭酸エステル(5)
は、缶出液として連続的に反応系外に取り出される。
【0076】以上の反応操作を行うことにより、効率的
かつ連続的に炭酸エステル(5)を製造することができ
る。尚、カルボン酸エステル(6)が前段反応に供され
る場合には、反応蒸留塔1内に存在する化合物の種類が
少なくなり、反応系が単純化される。また、原料供給管
6を介して供給されるカルボン酸エステル(1)の供給
量を低減することができるので、上記の逐次複合反応を
より一層効率的に行うことができる。
【0077】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。尚、実施例に記載の「%」は、「重量%」
を示す。
【0078】〔実施例1〕図1に示す反応蒸留装置を用
いて、平衡反応が二段階組み合わされてなる逐次複合反
応を実施した。但し、反応蒸留塔1として、ステンレス
製の棚段塔の上に、ステンレス製の蒸留塔を接続してな
る塔を用いた。
【0079】上記の棚段塔は、内径20mmであり、段
数が60段からなる。そして、最上段(60段目)の
上、即ち、塔頂部に原料供給管5を接続し、20段目に
原料供給管6を接続し、最下段(1段目)の下、即ち、
塔底部に原料供給管7を接続した。従って、棚段塔は反
応部である。
【0080】上記の蒸留塔は、高さ1m、内径20mm
であり、充填物として1.5mmφのステンレス製ディ
クソンパッキングを充填した。従って、蒸留塔は濃縮部
である。また、リボイラー2等を用いて塔底液を加熱す
る代わりに、棚段塔の塔底部をヒータで加熱することに
より、蒸留に必要な熱を供給した。反応蒸留塔1の操作
条件は、塔底温度を240℃、塔頂圧力を3.4kg/
cm2 (ゲージ圧)とした。また、還流操作は行わなか
ったが、放熱により留出液の一部が蒸留塔内部で凝縮す
ることにより、内部還流が若干起こっている。
【0081】そして、反応蒸留塔1に原料供給管5を介
して、原料(A)としてのフェノールと、触媒としての
チタンテトラフェノキシド「Ti (OPh)4」とからな
る原料液を連続的に供給した。原料液の1時間当たりの
供給量は、60gとした。また、反応蒸留塔1に原料供
給管6を介して、原料(B)としての吉草酸メチルを一
部ガス状で連続的に供給した。吉草酸メチルの1時間当
たりの供給量は、128gとした。上記のチタンテトラ
フェノキシドは、原料(吉草酸メチルおよびフェノール
の合計量)に対するチタンの添加量が500ppmとな
るように添加した。さらに、反応蒸留塔1に原料供給管
7を介して、原料(E)としての炭酸ジメチルをガス状
で連続的に供給した。炭酸ジメチルの1時間当たりの供
給量は、18.6gとした。
【0082】上記の反応蒸留塔1にて吉草酸メチルとフ
ェノールとをエステル交換させながら気液接触(前段反
応)させると共に、生成した吉草酸フェニル(生成物
(C))と炭酸ジメチルとをエステル交換させながら気
液接触(後段反応)させた。そして、生成した炭酸メチ
ルフェニルおよび炭酸ジフェニル(何れも生成物
(F))を含む缶出液を、抜き出し管8を通じて連続的
に反応系外に取り出した。缶出液の1時間当たりの抜き
出し量は、93.3gであった。また、副生したメタノ
ール(生成物(D))を含む留出液を、抜き出し管9を
通じて連続的に反応系外に取り出した。留出液の1時間
当たりの抜き出し量は、111gであった。
【0083】上記缶出液の組成を分析した結果、該組成
は、吉草酸フェニル25.6%、炭酸メチルフェニル1
7.3%、炭酸ジフェニル14.0%、炭酸ジメチル
4.5%、吉草酸メチル12.3%、および、フェノー
ル26.2%であった。また、フェノールの転化率は5
9.6%であり、炭酸ジメチルの転化率は75.5%で
あった。
【0084】一方、上記留出液の組成を分析した結果、
該留出液には、炭酸ジメチルは殆ど含まれていなかっ
た。また、棚段塔の塔底から13段目に存在する反応液
を抜き取って分析したところ、該反応液にも、炭酸ジメ
チルは殆ど含まれていなかった。尚、後段反応で副生し
た吉草酸メチル(生成物(G))は、原料(B)として
前段反応に供された。
【0085】〔実施例2〕実施例1の反応蒸留装置と同
一の反応蒸留装置を用いて、実施例1における吉草酸メ
チルの1時間当たりの供給量を128gから124gに
変更すると共に、炭酸ジメチルの1時間当たりの供給量
を18.6gから24.4gに変更した以外は、実施例
1の反応条件と同様の反応条件で、逐次複合反応を実施
した。
【0086】缶出液の1時間当たりの抜き出し量は、9
6gであった。また、留出液の1時間当たりの抜き出し
量は、111gであった。上記缶出液の組成を分析した
結果、該組成は、吉草酸フェニル21.5%、炭酸メチ
ルフェニル20.4%、炭酸ジフェニル14.4%、炭
酸ジメチル6.7%、吉草酸メチル12.4%、およ
び、フェノール24.7%であった。また、フェノール
の転化率は60.0%であり、炭酸ジメチルの転化率は
71.5%であった。
【0087】〔実施例3〕実施例1の反応蒸留装置と同
一の反応蒸留装置を用いて、実施例1におけるフェノー
ルを含む原料液の1時間当たりの供給量を60gから6
3gに、吉草酸メチルの1時間当たりの供給量を128
gから136gに、炭酸ジメチルの1時間当たりの供給
量を18.6gから18.7gにそれぞれ変更した以外
は、実施例1の反応条件と同様の反応条件で、逐次複合
反応を実施した。
【0088】缶出液の1時間当たりの抜き出し量は、1
15gであった。また、留出液の1時間当たりの抜き出
し量は、101gであった。上記缶出液の組成を分析し
た結果、該組成は、吉草酸フェニル29.4%、炭酸メ
チルフェニル14.9%、炭酸ジフェニル11.0%、
炭酸ジメチル3.9%、吉草酸メチル13.3%、およ
び、フェノール27.5%であった。また、フェノール
の転化率は58.5%であり、炭酸ジメチルの転化率は
80.0%であった。
【0089】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の反応蒸留装置
は、以上のように、二つ以上の平衡反応を有する反応を
行うための、段数が3段以上の反応蒸留装置であって、
第一平衡反応を行う二種類の原料のうち、より沸点の高
い原料(第一原料)を供給する第一供給部と、より沸点
の低い原料(第二原料)を供給する第二供給部と、上記
第一平衡反応によって生成する生成物のうちの第一およ
び第二の原料より沸点の高い生成物と第二平衡反応を行
わせる第三の原料を供給する第三供給部とを少なくとも
備えると共に、上記第一供給部、第二供給部および第三
供給部が、塔頂側から順にそれぞれ異なる段に設けられ
ている構成である。
【0090】本発明の請求項2記載の反応蒸留装置は、
以上のように、供給部が設けられている二つの段の間
に、供給部が設けられていない段を有する構成である。
【0091】これにより、平衡反応が二段階以上組み合
わされてなる比較的複雑な反応、即ち、逐次複合反応に
適用することができる反応蒸留装置を提供することがで
きるという効果を奏する。
【0092】本発明の請求項3記載の反応蒸留方法は、
以上のように、二つ以上の平衡反応を有する反応を、段
数が3段以上の反応蒸留装置を用いる反応蒸留方法であ
って、第一平衡反応を行う二種類の原料のうち、より沸
点の高い原料(第一の原料)を第一の段に供給する一
方、より沸点の低い原料(第二の原料)を上記第一の段
よりも下側の第二の段に供給して両者の第一平衡反応を
行わせると共に、該第一平衡反応によって生成する生成
物のうちの第一および第二の原料より沸点の高い生成物
と第二平衡反応を行う第三の原料を上記第二の段よりも
下側の第三の段に供給して、該生成物と第三の原料とを
第二平衡反応を行わせる工程を含む方法である。
【0093】本発明の請求項4記載の反応蒸留方法は、
以上のように、第二平衡反応によって生成する生成物の
うち、より沸点の低い生成物が、第一平衡反応の原料で
ある方法である。
【0094】これにより、平衡反応が二段階以上組み合
わされてなる比較的複雑な反応、即ち、逐次複合反応に
適用することができる反応蒸留方法を提供することがで
きるという効果を奏する。
【0095】本発明の請求項5記載の反応蒸留方法は、
以上のように、第一平衡反応が、一般式(1) R1 COOR2 ……(1) (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立してアルキル基、脂
環式炭化水素基またはアリールアルキル基を表す)で表
されるカルボン酸エステルと、一般式(2) R3 OH ……(2) (式中、R3 は置換基を有していてもよい芳香族基を表
す)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交
換反応であり、第二平衡反応が、上記エステル交換反応
により生成する一般式(3) R1 COOR3 ……(3) (式中、R1 はアルキル基、脂環式炭化水素基またはア
リールアルキル基を表し、R3 は置換基を有していても
よい芳香族基を表す)で表されるカルボン酸エステル
と、一般式(4) R4 O−COOR5 ……(4) (式中、R4 、R5 はそれぞれ独立してアルキル基、脂
環式炭化水素基またはアリールアルキル基を表す)で表
される炭酸エステルとのエステル交換反応である方法で
ある。
【0096】これにより、反応蒸留方法を用いて、一般
式(5) R3 O−COOR6 ……(5) (式中、R3 は置換基を有していてもよい芳香族基を表
し、R6 はR3 、前記R4 および前記R5 からなる群よ
り選ばれる置換基を表す)で表される炭酸エステルを効
率的に製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる反応蒸留装置の
概略の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 反応蒸留塔(反応蒸留装置) 2 リボイラー 3 凝縮器 4 ポンプ 5 原料供給管(第一供給部) 6 原料供給管(第二供給部) 7 原料供給管(第三供給部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若山 裕紀 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒内 (72)発明者 渡辺 憲一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒内 (72)発明者 恩田 義幸 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒内 (56)参考文献 特開 平7−206781(JP,A) 特開 平4−261142(JP,A) 特開 平9−194436(JP,A) 特開 平9−176061(JP,A) 特開 平7−330687(JP,A) 特開 平9−136855(JP,A) 特開 昭59−196880(JP,A) 特公 昭52−3923(JP,B1) 特表 昭59−500671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 3/00 B01D 3/34 C07C 68/00 C07C 69/96

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つ以上の平衡反応を有する反応を行うた
    めの、段数が3段以上の反応蒸留装置であって、 第一平衡反応を行う二種類の原料のうち、より沸点の高
    い原料(第一の原料)を供給する第一供給部と、より沸
    点の低い原料(第二の原料)を供給する第二供給部と、
    上記第一平衡反応によって生成する生成物のうちの第一
    および第二の原料より沸点の高い生成物と第二平衡反応
    を行わせる第三の原料を供給する第三供給部とを少なく
    とも備えると共に、上記第一供給部、第二供給部および
    第三供給部が、塔頂側から順にそれぞれ異なる段に設け
    られていることを特徴とする反応蒸留装置。
  2. 【請求項2】供給部が設けられている二つの段の間に、
    供給部が設けられていない段を有することを特徴とする
    請求項1記載の反応蒸留装置。
  3. 【請求項3】二つ以上の平衡反応を有する反応を、段数
    が3段以上の反応蒸留装置を用いて行う反応蒸留方法で
    あって、 第一平衡反応を行う二種類の原料のうち、より沸点の高
    い原料(第一の原料)を第一の段に供給する一方、より
    沸点の低い原料(第二の原料)を上記第一の段よりも下
    側の第二の段に供給して両者の第一平衡反応を行わせる
    と共に、該第一平衡反応によって生成する生成物のうち
    の第一および第二の原料より沸点の高い生成物と第二平
    衡反応を行わせる第三の原料を上記第二の段よりも下側
    の第三の段に供給して、該生成物と第三の原料との第二
    平衡反応を行わせる工程を含むことを特徴とする反応蒸
    留方法。
  4. 【請求項4】第二平衡反応によって生成する生成物のう
    ち、より沸点の低い生成物が、第一平衡反応の原料であ
    ることを特徴とする請求項3記載の反応蒸留方法。
  5. 【請求項5】第一平衡反応が、一般式(1) R1 COOR2 ……(1) (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立してアルキル基、脂
    環式炭化水素基またはアリールアルキル基を表す)で表
    されるカルボン酸エステルと、一般式(2) R3 OH ……(2) (式中、R3 は置換基を有していてもよい芳香族基を表
    す)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交
    換反応であり、第二平衡反応が、上記エステル交換反応
    により生成する一般式(3) R1 COOR3 ……(3) (式中、R1 はアルキル基、脂環式炭化水素基またはア
    リールアルキル基を表し、R3 は置換基を有していても
    よい芳香族基を表す)で表されるカルボン酸エステル
    と、一般式(4) R4 O−COOR5 ……(4) (式中、R4 、R5 はそれぞれ独立してアルキル基、脂
    環式炭化水素基またはアリールアルキル基を表す)で表
    される炭酸エステルとのエステル交換反応であることを
    特徴とする請求項3または4記載の反応蒸留方法。
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