JP2004307400A - 芳香族カーボネート類の連続的製造方法 - Google Patents

芳香族カーボネート類の連続的製造方法 Download PDF

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隆伸 岡本
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
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Abstract

【課題】触媒の存在下、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物から効率良くアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート叉はこれらの混合物からなる芳香族カーボネート類を製造し、且つ蒸留塔が閉塞することなく安定した連続運転が可能な芳香族カーボネート類の連続的製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】触媒の存在下、炭素数3〜6のジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、アルキルアリールカーボネート、叉はアルキルアリールカーボネートとジアリールカーボネートとの混合物からなる芳香族カーボネート類を製造するに当たり、原料化合物であるジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物を塔底部より上段の蒸留塔内に連続的に供給すると共に、触媒を塔底部へ連続的に供給し、副生する脂肪族アルコールを蒸留塔の塔頂部より連続的に抜き出す芳香族カーボネート類の連続的製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は芳香族カーボネート類の連続的製造方法に関する。更に詳細には本発明は炭素数3〜6のジアルキルカーボネートを原料とし、芳香族ヒドロキシ化合物との反応によりアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれらの混物から成る芳香族カーボネート類を連続的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させてアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれらの混合物から成る芳香族カーボネート類が製造されることはよく知られている。ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物を用い、エステル交換によりアルキルアリールカーボネートが得られる反応は化1式で表される。
【化1】
Figure 2004307400
(式中、Rはアルキル基を、Arはアリール基を示す。)
【0003】
アルキルアリールカーボネートは化2式で表される不均化反応(同一種分子間のエステル交換反応)によりジアリールカーボネートを生成する。
【化2】
Figure 2004307400
(式中、Rはアルキル基を、Arはアリール基を示す。)
【0004】
また、アルキルアリールカーボネートは化3式で表される芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交換反応によりジアリールカーボネートを生成する。
【化3】
Figure 2004307400
(式中、Rはアルキル基を、Arはアリール基を示す。)
【0005】
しかしながら、上記の3反応は全て平衡反応であり、平衡が著しく原系側に偏っているためジアリールカーボネートの生成速度が遅く、工業的に有利な方法とは言い難い。
【0006】
ジアリールカーボネートの生成速度を高める研究については触媒開発に関するものが多く、ルイス酸及びルイス酸を形成しうる遷移金属化合物を触媒とする方法(特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)、ルイス酸とプロトン酸混和物を触媒とする方法(特許文献5参照)、スズ化合物を触媒とする方法(特許文献6、特許文献7、特許文献8及び特許文献9参照)などが数多く提案されている。しかしながら、ジアリールカーボネートの生成速度が遅い要因は平衡が著しく原系側に偏っていることにあり、触媒開発による反応速度の向上はあまり有効ではなかった。
【0007】
また、副成するアルコールを反応系外に除き、平衡をずらすことによって反応を進行させる方法として、蒸留塔を設置した反応器を用いたバッチ反応が知られている(特許文献4、特許文献5、特許文献6及び特許文献7参照)。しかしながら、この方法は反応に時間がかかるうえ、目的物の収量に対して相対的に大きな装置を必要とするなど、工業的に有利な方法とは言い難い。
【0008】
これに対し、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物及び触媒を多段蒸留塔内へ連続的に供給し、蒸留塔中で反応を行う方法(特許文献10、特許文献11および特許文献12参照)が提案されている。しかしながら、この方法では長時間の運転により触媒が塔内に析出し、蒸留塔を閉塞させてしまう。この場合は反応を中断して蒸留塔の分解、清掃が必要となるが、この作業には多大な労力と時間を要し、経済的に不利である。また、製造装置の停止、運転再開の際は非定常作業となるため、安全上も好ましくない。
【0009】
蒸留塔の閉塞を避けるため、反応器へジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物及び触媒を連続的に供給して、付設した蒸留塔より副生するアルコールを連続的に抜き出し、反応器よりアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれらの混合物から成る芳香族カーボネート類を連続的に抜き出す方法も提案されている(特許文献13参照)。しかしながら、この方法では蒸留塔の閉塞は避けられるものの、芳香族カーボネート類の生成効率は高くない。
【0010】
また、蒸留塔下部にアルキルアルコールを含むジアルキルアルコールを、塔底部に触媒液をそれぞれ供給し、アルコールの分離を促すために蒸留塔上部より芳香族ヒドロキシ化合物を供給して加圧下で反応を行う芳香族カーボネート類の連続的な製造方法も提案されている(特許文献14参照)。この方法はメタノールとジメチルカーボネート等のように沸点が近く、共沸混合物をつくる場合には有効であるが、アルコールの分離効率を高めるためにアルキルアルコールを含むジアルキルアルコールの供給口と芳香族ヒドロキシ化合物の供給口を離して設置する必要があるため、装置が複雑となる。更に、加圧での反応が必須であるため、装置のコストが増大してしまう。
【0011】
副生するアルコールと原料であるジアルキルカーボネートの分離を容易にする方法として、炭素数3〜6のジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物を用い、バッチ反応で芳香族カーボネート類を製造する方法が提案されている(特許文献15参照)。この方法では副生するアルコールとジアルキルカーボネートが適度な沸点差を持っているため、アルコールが容易に分離される。しかしながら、バッチ反応のため目的物の収量に対して相対的に大きな装置を必要とする等の欠点を有している。
【0012】
【特許文献1】
特開昭51−75044
【特許文献2】
特開昭56−42577
【特許文献3】
特開昭58−48537
【特許文献4】
特開昭56−123948
【特許文献5】
特開昭60−173016
【特許文献6】
特開昭60−169445
【特許文献7】
特開昭60−169444
【特許文献8】
特開昭54−48733
【特許文献9】
特開平1−265063
【特許文献10】
特公平7−91236
【特許文献11】
特公平7−68182
【特許文献12】
特公平7−91234
【特許文献13】
特開平6−157410
【特許文献14】
特開2001−64235
【特許文献15】
特開平10−152455
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、触媒の存在下ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物から効率良くアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれらの混合物からなる芳香族カーボネート類を製造し、且つ蒸留塔が閉塞することなく安定した連続運転が可能な芳香族カーボネート類の連続的製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、連続蒸留塔を用いた高効率な芳香族カーボネート類の製造方法について検討を重ねた結果、原料化合物に炭素数3〜6のジアルキルカーボネートを用い、ジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物の供給位置と触媒の供給位置を分離して、触媒を塔底部、ジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物を塔底部より上段の蒸留塔内にそれぞれ供給することにより、効率良くアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれらの混合物からなる芳香族カーボネート類を製造出来ることを見出した。尚、ここでいう塔底部とは蒸留塔の最下段のことであり、リボイラー段を指す。更に、この方法では、融点及び粘度が高く蒸留塔閉塞の原因となる触媒が塔底部にしか存在しないため、蒸留塔が閉塞することなく安定した連続運転が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、触媒の存在下、炭素数3〜6のジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させてアルキルアリールカーボネート、又はアルキルアリールカーボネートとジアリールカーボネートとの混合物から成る芳香族カーボネート類を製造するに当たり、原料化合物であるジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物を塔底部より上段の蒸留塔内に連続的に供給すると共に、触媒を塔底部へ連続的に供給し、副生する脂肪族アルコールを蒸留塔の塔頂部より連続的に抜き出し、生成した芳香族カーボネート類と触媒を塔底部より連続的に抜き出す芳香族カーボネート類の連続的製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる連続蒸留塔は、コンデンサー段とリボイラー段を含む段数が3段以上を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであればどのようなものでもよい。例えば、泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ等を用いた棚段塔、スルザーラボパッキング、スルザーパッキング、メラパック、ディクソンパッキング、ラシヒリング等の充填物が充填された充填塔等いずれも用いることができる。この中でも棚段塔を用いることが好ましい。尚、ここでいう段数は、棚段塔の場合は実段数、充填塔の場合は理論段数を意味するものとする。
【0017】
原料であるジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物は、導管3から予熱器4を経て塔底部より上段の蒸留塔に供給される(図1参照)。供給位置は段を効率よく使用できることから、塔の中央部が好ましい。これらの供給原料中には、生成物である脂肪族アルコール、アルキルアリールアルコール及びジアリールアルコールが含まれていてもかまわない。しかしながら、本反応は可逆反応のため、これら生成物の濃度があまり高いと原料の反応率が低下するので好ましくない。
【0018】
蒸留塔の閉塞を避けるため、触媒は導管5を通して塔底部のみに供給する(図1参照)。触媒はそのまま供給しても良いし、操作性を向上させる目的で不活性溶媒(例えば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類等)に溶解又は分散させて供給しても良い。また、本反応の原料あるいは生成物であるアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネート、脂肪族アルコールあるいはこれらの混合物に溶解あるいは分散させて加えてもよい。
【0019】
本発明では反応を進行させるため、導管6からコンデンサ−7、導管9を通して副生する脂肪族アルコールを蒸留塔より連続的に抜き出す(図1参照)。抜き出し物は脂肪族アルコール単独でも良いし、原料化合物との混合物でも良いし、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート等の高沸点生成物を少量含んでいても良い。この際、脂肪族アルコール等の低沸点生成物の蒸留効率を高めるため、抜き出し物の一部を導管8を通して蒸留塔の上部に戻す還流操作を行っても良い。還流比は通常0.01〜100、好ましくは0.05〜50が用いられる。また、通常は必要ないが、窒素等の不活性ガスを流しながら反応を行っても良い。
【0020】
本発明の方法で生成する芳香族カーボネート類は、導管10を通して塔底部より連続的に抜き出される(図1参照)。抜き出し物には芳香族カーボネート類の他、触媒が含まれる。また、原料であるジアルキルカーボネートや芳香族ヒドロキシ化合物、副生する脂肪族アルコール等が含まれていても良い。
【0021】
ジアルキルカーボネート、芳香族ヒドロキシ化合物及び触媒を含む原料液を用いる場合には、予め触媒を分離することが必要となる。この分離法としては、例えばフラッシュ蒸留を挙げることができる。
【0022】
本発明の原料である炭素数3〜6のジアルキルカーボネートとは、化4式で表されるものである。
【0023】
【化4】
Figure 2004307400
(式中、R、Rは炭素数が3〜6のアルキル基を表し、RとRはそれぞれ同じものであってもよいし、異なっていてもよい。)
【0024】
具体例としては、ジプロピルカーボネート(各異性体)、ジブチルカーボネート(各異性体)、ジペンチルカーボネート(各異性体)、ジヘキシルカーボネート(各異性体)が挙げられる。
【0025】
炭素数が2以下のジアルキルカーボネートではアルコールとジアルキルカーボネートの沸点差が小さく、共沸化合物もつくる。そのため、アルコールの分離を促すためにもう一つの原料である芳香族ヒドロキシ化合物を蒸留塔に供給するが、分離効率を高めるためにジアルキルカーボネートの供給口と芳香族ヒドロキシ化合物の供給口を離さなければならず、装置が複雑となる。更に、加圧での反応が必須であるため、装置のコストが増大してしまう。
【0026】
一方、炭素数が7以上のジアルキルカーボネートの場合は、副生するアルコールともう1つの原料である芳香族ヒドロキシ化合物の沸点が近くなって分離が困難となる、あるいはアルコールの沸点が芳香族ヒドロキシ化合物の沸点より高くなって反応が行えなくなるので好ましくない。
【0027】
炭素数3〜6のジアルキルカーボネートは一般に入手しにくいが、尿素あるいは相当するアルキルカーバメート、およびアルキルアルコールを原料として良好な収率で合成することができる。アルキルカーバメートとアルキルカーボネートの分離方法としては、カーバメートを結晶化させて除去する方法、温水で洗浄する方法、操作圧力の異なる2つの蒸留塔を用いる方法等が挙げられるが、中でも簡便で効率の良い方法として、特開2000−1461に提案されている、芳香族ヒドロキシ化合物との共存下で蒸留する方法が挙げられる。この方法では塔頂よりジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物の混合物が得られるが、本発明ではこれらを分離することなく、そのまま原料として蒸留塔に供給することができる。
【0028】
本発明のもう一方の原料である芳香族ヒドロキシ化合物とは、化5式で表されるものである。
【0029】
【化5】
Figure 2004307400
(式中、Arはフェノールおよびアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン等に置換されたフェノールを表す。)
具体的には、フェノール、クレゾール(各異性体)、キシレノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、メトキシフェノール(各異性体)、フルオロフェノール(各異性体)、クロルフェノール(各異性体)などが挙げられる。製造されるジアリールカーボネートの有用性を考えるとフェノールが好ましい。
【0030】
原料として用いるジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物の比率は、単位加熱量あたりの芳香族カーボネート類の生成量を増やすという観点から、ジアルキルカーボネート:芳香族ヒドロキシ化合物がモル比で2:1〜1:10、さらに好ましくは、1:1〜1:4の間であることが好ましい。
【0031】
本発明に用いることができる触媒は、通常エステル交換触媒として知られるものであればどのようなものでも構わないが、特に、チタン、アルミニウム、ガリウム、スズ、イットリウムから選ばれる金属の、アルコキシド、アリールオキシド、アルキル置換オキシド、アセチルアセトナートのいずれか、またはそれらの化合物と他の化合物とのアダクトが好ましい。
【0032】
上記触媒の中でも、特に、Ti(OX)4(但し、Xは炭素数3から6のアルキル基、またはアリール基を示す。)で示されるチタン化合物、またはTi(OX)4・XOH(但し、Xは炭素数3から6のアルキル基、またはアリール基を示す。)で示されるチタン化合物のアダクトを使用することが好ましい。
【0033】
上記式で表される触媒の例としては、例えば、チタニウムテトラプロポキシド(各異性体)、チタニウムテトラブトキシド(各異性体)、チタニウムテトラアミルオキシド(各異性体)、チタニウムテトラヘキシルオキシド(各異性体)、チタニウムテトラフェノキシド、チタニウムテトラ(4−メチルフェノキシド)等が挙げられる。
【0034】
また、R’SnO、R’Sn(OR”)、Sn(OR)で表されるスズ化合物を用いることも好ましい。(但し、R’は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R”は炭素数3〜6のアルキル基を示す。)
【0035】
上記式で表される触媒の例としては、ジエチルスズオキシド、ジプロピルスズオキシド(各異性体)、ジブチルスズオキシド(各異性体)、ジアミルスズオキシド(各異性体)、ジオクチルスズオキシド(各異性体)、ジブチルジブトキシスズ(各異性体)、ジエチルジアミルオキシスズ(各異性体)、テトラブトキシスズ(各異性体)、テトライソアミルオキシスズ(各異性体)等が挙げられる。又、反応条件下でこれらの化合物に変化する化合物も適当であるし、トリアルキルモノアルコキシドやモノアルキルトリアルコキシドも適当である。
【0036】
触媒の量は、原料に用いるジアルキルカーボネートに対して0.01〜10モル%が適当である。
【0037】
反応温度は原料であるジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物の種類、操作条件によって異なるが、通常100〜350℃、好ましくは120〜300℃で行われる。圧力は大気圧あるいは減圧下で行われる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
実施例1
実験には柴田科学株式会社製の真空ジャケット付きガラス製オルダーショウ型蒸留塔(内径25mmφ、実段数20段、リボイラー及びコンデンサー含まず)を用いた。蒸留塔の上から10段目の位置へジブチルカーボネート(以下DBC)、フェノール(以下PhOH)から主として成り、ブタノール(以下BuOH)、ブチルフェニルカーボネート(以下BPC)及びジフェニルカーボネート(以下DPC)を含む混合物を、予熱器を通して243g/hの速度で連続的に供給し、塔底部には触媒としてチタニウムテトラフェノキシド(以下Ti(OPh))を2g/hで導入しながら常圧下で反応を行った。還流比は36とした。塔底部より反応生成物であるBPC及びDPCを含む液を232g/hで抜き出し、塔頂部からはコンデンサーによって凝縮された、主にBuOHを含む液を13g/hで留出させた。原料組成、反応条件および結果を表1に示す。DBCの転化率は28.9%であった。8時間運転した後、オルダーショウ型蒸留塔を調べたところ、目皿の閉塞は確認されなかった。
【0040】
比較例1
塔底部への触媒の供給は行わず、DBC、PhOH、BuOH、BPC及びDPCから成る混合物にTi(OPh)を加熱溶解後、蒸留塔の上から10段目の位置へ連続的に供給した以外は、実施例1と同様に反応を行った。反応条件および結果を表1に示す。DBCの転化率は29.5%であった。8時間運転した後、オルダーショウ型蒸留塔を調べたところ、供給段以下の段で目皿の一部が閉塞していることが確認された。
【0041】
比較例2
蒸留塔への原料の供給は行わず、DBC、PhOH、BuOH、BPC及びDPCから成る混合物にTi(OPh)を加熱溶解後、塔底部へ連続的に供給した以外は、実施例1と同様に反応を行った。反応条件および結果を表1に示す。DBCの転化率は22.4%であった。8時間運転した後、オルダーショウ型蒸留塔を調べたところ、目皿の閉塞は確認されなかった。
【0042】
【表1】
Figure 2004307400
【0043】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ジアルキルカーボネートとして炭素数3〜6のジアルキルカーボネート使用することにより、触媒の存在下、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物から効率良くアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれらの混合物からなる芳香族カーボネート類を製造し、且つ蒸留塔が閉塞することなく安定した運転で芳香族カーボネート類を連続的に製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる連続蒸留装置の概念図を示す。
【符号の説明】
1:蒸留塔
2:リボイラー
4:予熱器
7:蒸留塔塔頂コンデンサー
3、5、6、8、9、10:導管

Claims (3)

  1. 触媒の存在下、炭素数3〜6のジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、アルキルアリールカーボネート、又はアルキルアリールカーボネートとジアリールカーボネートとの混合物からなる芳香族カーボネート類を製造するに当たり、原料化合物であるジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物を塔底部より上段の蒸留塔内に連続的に供給すると共に、触媒を塔底部へ連続的に供給し、副生する脂肪族アルコールを蒸留塔の塔頂部より連続的に抜き出し、生成した芳香族カーボネート類と触媒を塔底部より連続的に抜き出すことを特徴とする芳香族カーボネート類の連続的製造方法。
  2. 反応を大気圧下あるいは減圧下で行う、請求項1に記載の芳香族カーボネート類の連続的製造方法。
  3. アルキルカーバメート及びジアルキルカーボネートの混合物を芳香族ヒドロキシ化合物共存下で蒸留分離して得られるジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物の混合物である塔頂液を請求項1の原料とする、請求項1に記載の芳香族カーボネート類の連続的製造方法。
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