JP2851999B2 - 導電性除塵シート積層体 - Google Patents

導電性除塵シート積層体

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JP2851999B2
JP2851999B2 JP6124174A JP12417494A JP2851999B2 JP 2851999 B2 JP2851999 B2 JP 2851999B2 JP 6124174 A JP6124174 A JP 6124174A JP 12417494 A JP12417494 A JP 12417494A JP 2851999 B2 JP2851999 B2 JP 2851999B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数枚が積層され、最
上層に位置する除塵シートの表面に設けられている粘着
剤層で塵埃を粘着除去した後の該使用済み除塵シートを
剥離して使用する導電性除塵シート積層体に関する。特
に、本発明は、上記の使用済み除塵シートを剥離する際
に静電気が発生することを防ぐとともに、この剥離作業
の際はもとより、通常の除塵時において人体などに蓄積
されている静電気を速やかに除去することができる導電
性除塵シート積層体に関する。
【0002】
【技術背景】半導体や精密電子機器の製造設備あるいは
試験設備などに対する防塵対策を必要とする各種の施設
などの入口には、靴底や台車の車輪に付着した塵埃や雑
菌などの持ち込みを防ぐことを目的として、例えば、合
成樹脂フィルムからなる基材の表面に、塵埃を除去する
ための粘着剤、その他の薬剤が塗布された除塵シートが
置かれている。
【0003】このような除塵シートには、(1)使用
後、塵埃を洗浄、除去し、粘着性などを再生させて再使
用する方式のものと、(2)日めくり式的に、新規な粘
着面を露出させる方式のものとがある。近年は、利便性
から、(2)の日めくり式的のものが多くなって来てい
る。
【0004】しかし、この日めくり式的のものでは、新
規粘着面を表面に露出させるべく使用済みシートを剥が
す際に剥離帯電が生じ、この帯電(静電気)が剥離作業
員に静電気を蓄積する原因となる。また、除塵時におい
ても、靴底とシート表面の粘着剤との剥離により、同様
の静電気の蓄積が生じる。このような静電気は、IC,
LSIなどの破壊や損傷、コンピュータ,電子制御機器
などの誤動作やシステムダウン、可燃性物質の着火によ
る人身事故,火災などの発生、その他種々の静電気トラ
ブルの原因となる。また、除塵シートの剥離作業時に使
用済みシートが作業員にまとわりつくこともあり、この
まとわりついたシートを人体から剥がし取る際にも新た
に剥離帯電が生じる虞れがある。
【0005】このような不都合を解決する技術として、
粘着剤中に帯電防止剤を混入する技術(実開昭55−
139856号)、除塵シートを保持収納する装置具
に導電性を付与する技術(特開昭57−45831
号)、除塵シートが剥離帯電しても、すぐに除去でき
るように、シート端部に導電性物質を介在させる技術
(実開平1−86528号)、除電具を装着具に設け
る技術(実開平1−86529号、同1−86530
号)などが提案されている。また、除塵シートではない
が、同様な目的で、帯電防止性能を有する合成樹脂基
材を用いた除塵用粘着テープ(特開平4−216887
号)が開示されている。
【0006】しかし、の技術では、粘着剤中の帯電防
止剤がブリードアウト(表面に移行)して粘着力を変化
させる欠点があり、〜の技術は、剥離時に発生した
静電気を除去するということに主眼が置かれているのみ
で、静電気の発生を防ぐという積極的な対策はとられて
いないし、その導電性も低い。さらには、これらの除塵
シート上を人が歩行したり台車が通行したりする際、靴
底や車輪と粘着剤との剥離によって人体などに静電気が
蓄積されるが、これらの何れも、人体などに蓄積した静
電気を積極的に除去しようとするするものではない。
【0007】また、の技術は、(a)合成樹脂基材上
に、イオン導電性ポリマー、界面活性剤、カーボン、酸
化スズなどを含有する塗料を塗布したり、金属箔、金属
蒸着膜、スパッタリング膜などを形成したり、あるいは
(b)合成樹脂基材に、界面活性剤、カーボン粉、金属
粉などを練り込んで、帯電防止性能を付与した合成樹脂
基材を使用する技術であり、このような構成のものも除
塵シートとして使用できる。
【0008】しかし、イオン導電性ポリマーや界面活性
剤は、水分の介在によって導電性を発現するものである
から、これらを使用するの(a)、(b)ような構
成の除塵シートは何れも、空気中の水分量(湿度の高
低)による影響を受ける(すなわち、環境に左右され
る)のみならず、その導電性は必ずしも高くはない。
【0009】また、の(a)のような構成の除塵シー
トの表面に、カーボンや酸化スズなどの導電性繊維や粉
末を含む塗料を塗布する場合には、これらの繊維や粉末
同士が接触していなければ、導電性が殆ど発現しないた
め、塗料への含有量を多くする必要があり、塗膜の機械
的強度(引張強度、引裂強度)の低下を招く虞れがあ
る。
【0010】(b)のような構成の除塵シートにカーボ
ンや金属の粉末を練り込む場合にも同様のことが言え、
粉末同士を接触させるべく多量に練り込む必要があり、
基材シートの機械的強度(引張強度、引裂強度)の低下
を招いたり、またカーボンや金属粉末などの脱落により
周囲を汚損すると言った問題がある。
【0011】さらに、上記(a)のような構成とした
除塵シートであって、金属箔あるいは蒸着膜やスパッタ
リング膜を形成するものでは、これらの膜と除塵用粘着
剤との接着力が安定しない。
【0012】
【発明の目的】本発明は、以上のような〜 の従来技
術が有している問題点を解決し、日めくり式的な積層タ
イプの除塵シート積層体において、特にシートの一枚毎
の剥離時の静電気の発生を抑制するとともに剥離作業員
などへの帯電を防止し、しかも除塵時において人体など
静電気を蓄積させることなく、さらに、人体などに
電気が蓄積している場合であってもこれを速やかに除去
することができる導電性除塵シート積層体を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【目的を達成するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために、鋭意検討した結果、除塵シートの除
塵用粘着剤を塗布すべき基材である合成樹脂フィルム
に、該粘着剤塗布に先立ち、該フィルムの少なくとも一
面にπ共役系導電性ポリマーを設けておいたところ、ブ
リードアウトや環境に左右されるといった弊害がないば
かりか、(1)該フィルム剥離時に帯電が見られない、
(2)この剥離作業時に剥離作業員に静電気が蓄積され
ない、(3)通常の除塵の際、すなわち除塵シート上を
人が歩行したり、台車が通行して、除塵用粘着剤によ
り靴底や車輪などに付着していた塵埃が除去される際
に、人体や台車などが帯電せず、加えて人体や台車な
どに蓄積していた静電気が速やかに除去されるなどの、
優れた帯電防止効果および除電効果が得られることを見
出した。
【0014】本発明の導電性除塵シート積層体は、以上
の知見に基づいてなされたもので、複数枚を積層し、上
から順次剥離可能にしてなる除塵シート積層体であっ
て、合成樹脂フィルムの少なくとも一方の面にπ共役系
導電性ポリマー層を設け、何れか一方の面の該ポリマー
層上に粘着剤層を設けてなる除塵シートを、該粘着剤層
を上にして複数枚積層したことを特徴とする被搬送物の
搬送経路または人体の通過経路である床面配置用の除塵
シート積層体である
【0015】また、本発明の導電性除塵シート積層体
は、上記のπ共役系導電性ポリマーが複素五員環重合体
であること、一枚の除塵シートにおける表面抵抗率が1
Ω/□以下であることが好ましい。
【0016】さらに、本発明は、上記の導電性除塵シー
ト積層体が、被搬送物の搬送経路である床面に配置され
てなる搬送経路、および人体の通過経路である床面に配
置されてなる経路をも要旨とする。
【0017】本発明において、π共役系導電性ポリマー
は、分子構造中に共役二重結合を有するモノマーを重合
してなる、繰り返し単位20〜200程度と推定される
π共役系ポリマーである。このモノマーは、酸化によっ
て重合を起こし、π電子共役系のポリマーを形成するも
のであり、ピロール、チオフェン、これらの誘導体など
の複素五員環化合物や、アニリン、その誘導体など複素
五員環化合物以外の不飽和環状化合物が用いられる。特
に、製品除塵シートの表面抵抗率を上記範囲内とするた
めには、複素五員環化合物によるπ共役系ポリマーを使
用することが好ましい。
【0018】また、上記の複素五員環化合物、これ以外
の不飽和環状化合物のπ電子共役系ポリマーは、何れも
さらに次のような化合物(ドーパント)がドーピングさ
れたものであってもよい。このドーパントとしては、塩
化水素、硫酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、蟻酸な
どのプロトン酸;過塩素酸銀、過塩素酸ナトリウムなど
の過塩素酸一価金属塩;p−トルエンスルホン酸テトラ
エチルアンモニウムなどのp−トルエンスルホン酸を代
表するスルホン酸塩などが挙げられる。これらをさらに
ドーピングすることにより、π共役系導電性ポリマーの
電導度を高めることができる。
【0019】本発明において、π共役系導電性ポリマー
の電導度は、10−1S/cm以上であることが好まし
い。電導度が低いと、導電性ポリマーの層を厚くする必
要があり経済性に欠ける上、導電性ポリマー層上に粘着
剤層を設けた場合に、粘着剤層の表面抵抗率が10Ω
/□よりも大きくなり、上記した(1)〜(3)の作用
・効果が低下して、日めくり式的な除塵シート積層体に
要求される実用的な剥離帯電防止性能を得ることができ
なくなる。
【0020】以上のπ共役系導電性ポリマー層を設ける
合成樹脂フィルムとしては、汎用の合成樹脂フィルムが
使用でき、特に限定されないが、中でもポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルなどのポリオレ
フィン系フィルムや、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアクリロニトリルなどのフィルムが、コスト、入手の
し易さ、表面抵抗率の調整の容易さなどの面から好まし
い。
【0021】これらフィルムの厚さは、特に限定されな
いが、厚すぎるとコスト増となり、逆に薄すぎるとシー
トが破れて剥離作業が困難となる場合があるため、通常
は20〜100μm程度が好ましい。
【0022】π共役系導電性ポリマー層は、これらのフ
ィルムの一方の面または両面に設けられるが、剥離帯電
防止性能上は、両面に設けることが好ましい。ただし、
上記した電導度を有するπ共役系導電性ポリマー層であ
れば、一方の面のみに設ける場合であっても、所望の帯
電防止性や除電性を得ることができる。
【0023】π共役系導電性ポリマー層の厚さは、特に
限定されず、0.01μm程度とかなり薄い層であって
も、製品シートの表面抵抗率を上記範囲に調整すること
ができる。
【0024】このようなπ共役導電性ポリマー層を上記
の合成樹脂フィルムに設けるには、上記したモノマーを
合成樹脂フィルムの表面に接触させて酸化剤の存在下で
重合させる方法などが採用できる。例えば、特開昭62
−27513号公報に示されているように、モノマー
と、酸化剤と、必要に応じて上記したドーパントとを加
えた溶液中に、合成樹脂フィルムを浸漬させてモノマー
を重合させ、合成樹脂フィルム表面に導電性ポリマーを
析出させて、該ポリマー層を形成する。この方法によれ
ば、モノマーの濃度やドーパントの濃度を任意に変える
ことによって、導電性ポリマー層の厚さや導電度を容易
に制御することができる。
【0025】除塵用の粘着剤層は、剥離時の帯電防止性
能や、剥離時および除塵時の除電性能を良好なものとす
るために、本発明では、π共役系導電性ポリマー層の上
に設けることが重要である着剤層は、部分的に設け
てもよいが、基本的には全面に設ける。
【0026】この粘着剤としては、ブチルゴム、アクリ
レート系ゴム、天然ゴム、アクリル系樹脂などに、粘着
付与樹脂、軟化剤、充填剤、老化防止剤などを配合し
た、除塵用粘着剤として汎用のものが使用できる。
【0027】粘着剤層の厚さは、粘着剤の塗布量とし
て、通常、固形分で、5〜30g/m程度とすること
が好ましい。多すぎると、絶縁層の厚みが増すことにな
り、粘着剤層面の導電性が低下し、かつ上記の表面抵抗
率を得ることが困難になる場合があり、逆に少なすぎる
と、粘着剤層自体の膜強度が低下し、靴底などへの粘着
剤の移行がある。
【0028】粘着剤層の粘着力としては、50〜500
g/25mm程度、好ましくは100〜150g/25
mm程度が適している。粘着力が強すぎると、靴やスリ
ッパなどが捕られ易くなるなど歩行性が悪くなる。逆に
弱すぎると、背面剥離力が低下し、使用時にシートがめ
くれることがある。なお、背面剥離力は、50〜200
g/25mm程度が好ましい。
【0029】さらに除塵効果を上げるためには、適切な
粘着性を持たせることが必要であり、この粘着性として
はボールタック(JIS Z 0237に規定される1
2.タック《球転法》に準じる)2〜4程度が好まし
い。
【0030】以上のように、合成樹脂フィルムの少なく
とも一方の面にπ共役系導電性ポリマー層が設けられ、
該ポリマー層上に除塵用の粘着剤層が設けられてなる本
発明の導電性除塵シート積層体は、その粘着剤層表面に
おける表面抵抗率が10Ω/□以下である。
【0031】10Ω/□より大きいと、積極的な帯電
防止作用が発現しないのみならず、静電気の速やかな除
電作用をも発現せず、使用済みシート剥離の際に剥離作
業者への帯電が生じてしまい、実用的な日めくり式的除
塵シート積層体とすることができない。加えて、通常の
人の歩行や台車の通行などによる除塵の際に、人体など
に蓄積されている静電気を除去することもできない。
【0032】なお、上記の表面抵抗率の下限は特に限定
しないが、あまり小さすぎると、導電性が高くなりすぎ
て除塵シート積層体が電気の良導体となってしまい、何
らかの事情で電気が漏洩した場合には、感電の危険が生
じる可能性があるため、10 Ω程度を下限とすること
が望ましい。
【0033】以上のような構成からなる除塵シートは、
10〜50枚程度、好ましくは20〜30枚程度を積層
して導電性除塵シート積層体とされる。
【0034】本発明の導電性除塵シート積層体は、以上
の構成のみで充分な剥離帯電防止性を有し、しかも人体
などに蓄積した静電気を効果的に除去することができる
実用的な除塵シートであるが、より低い帯電圧の静電気
を除去するために各除塵シート毎に接地具を設置し、こ
の接地具を一つに結線することもできる。この接地具と
しては、ステンレス、銅、アルミニウムなどの金属の
板、箔、繊維、あるいはカーボンなどの導電性物質の繊
維などが使用できる。
【0035】また、本発明では、積層された除塵シート
を収納するために合成樹脂などからなる枠を設けること
もできる。この枠は、人の歩行や台車の通行などの妨げ
とならないように、除塵シート積層体厚を考慮して、内
端から外端に向けて傾斜が設けられていることが好まし
い。
【0036】さらに、本発明では、半導体、プリント基
板など静電気の放電時に破壊される可能性のある製品を
搬送する場合、その搬送経路の床面に導電性除塵シート
を配置することにより、上記被搬送物の静電気を除電し
破壊を防ぐことができる。しかも、半導体工場などのク
リーンな環境を持つ製造現場において、人体の通過経路
に導電性除塵シートを配置することにより人体に帯電し
ている静電気を除電し、空気中の荷電している塵埃の人
体への吸着を防止することができる。
【0037】
【実施例】
実施例1 厚さ60μmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィル
ムの片面にコロナ処理を施し、この面にp−トルエンス
ルホン酸イオンをドーピングしたポリピロール層(厚さ
0.05μm)を設けた。このポリピロール層表面(導
電面)の表面抵抗率は、2×10Ω/□であった。こ
のポリピロール層上に、アクリル系粘着剤〔アクリル酸
−2−エチルヘキシル系粘着剤で、綜研化学社製商品名
“SKダイン1495”を使用〕を固形分として10g
/m塗工した。この粘着剤を塗工した後の表面抵抗率
は、3×10Ω/□であった。この塗工フィルムを円
周7.2mの円筒に巻き取り、31層巻付けが行われた
ところで、この円筒上に形成された積層シートを円周と
直角方向に切断し、これを平らな板上に延ばして、40
℃に加熱エージングした後、60×90cmの大きさに
整え、導電性除塵シート積層体を完成させた。
【0038】以上のようにして調製した本発明の導電性
除塵シート積層体を、上から順次、12m/minの速
度で剥がし、剥がしたシート30枚のそれぞれについて
の帯電圧(「剥離帯電圧」)を、表面電位差計(日本ス
タティック社製商品名“SV−73”)により20℃、
RH10%の条件下で測定したところ、30枚の平均値
0.4KVであった。
【0039】また、剥がしたシート30枚のそれぞれ
を、40℃、RH80%の環境下に90日間放置した
後、粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を次の評価
方法により調べた。
【0040】すなわち、SUS304の板をシート上に
置き、3kg/cmの荷重をかけ、粘着剤がSUS3
04板上に移行したか否かを調べたが、30枚のシート
全てについて粘着剤の移行が全くなく良好であった。
【0041】さらに、摩擦帯電により5kV帯電させた
ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を、上記の剥が
した30枚のシート上に置き、帯電圧の0.1秒後およ
び1秒後における変化を調べたところ、30枚の平均値
として、0.1秒後では100Vであったが、1秒後で
は0Vであった。
【0042】実施例2 粘着剤を塗工したフィルムを円筒に巻付ける際に、該フ
ィルムの一端に、厚さ2μm、幅20mmのステンレス
箔をフィルムに10mmオーバラップさせる以外は、実
施例1と全く同様にして本発明の導電性除塵シート積層
体を得た。なお、フィルムからはみ出した部分のステン
レス箔は、金具でかしめ一体化させて導通をとった。
【0043】本例で得られた本発明の導電性除塵シート
積層体についても、実施例1と同様にして、剥離帯電
圧、粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を調べた
が、30枚のシート全てについて、粘着剤の移行が全く
なく、接着力の変化は見られなかった。
【0044】また、帯電圧の変化を実施例1と同様にし
て調べたところ、0.1秒後は40V、1秒後は0Vで
あった。
【0045】実施例3 粘着剤を、アクリル酸ブチル系の粘着剤で、綜研化学社
製商品名“SKダイン1440A”とする以外は、実施
例1と全く同様にして本発明の導電性除塵シート積層体
を得た。
【0046】本例で得られた本発明の導電性除塵シート
積層体についても、実施例1と同様にして、剥離帯電
圧、粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を調べた
が、30枚のシート全てについて、粘着剤の移行が全く
なく、接着力の変化は見られなかった。
【0047】また、帯電圧の変化を実施例1と同様にし
て調べたところ、0.1秒後は150V、1秒後は0V
であった。
【0048】実施例4 粘着剤を、アクリル酸ブチル系の粘着剤で、綜研化学社
製商品名“SKダイン1440A”とする以外は、実施
例2と全く同様にして本発明の導電性除塵シート積層体
を得た。
【0049】本例で得られた本発明の導電性除塵シート
積層体についても、実施例1と同様にして、剥離帯電
圧、粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を調べた
が、30枚のシート全てについて、粘着剤の移行が全く
なく、接着力の変化は見られなかった。
【0050】また、帯電圧の変化を実施例1と同様にし
て調べたところ、0.1秒後は80V、1秒後は0Vで
あった。
【0051】実施例5 ポリピロール層に代えて、ポリアニリン層(厚さ0.1
μm)を設ける以外は、実施例1と全く同様にして本発
明の導電性除塵シート積層体を得た。
【0052】本例で得られた本発明の導電性除塵シート
積層体についても、実施例1と同様にして、剥離帯電
圧、粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を調べた
が、30枚のシート全てについて、粘着剤の移行が全く
なく、接着力の変化は見られなかった。
【0053】また、帯電圧の変化を実施例1と同様にし
て調べたところ、0.1秒後は200V、1秒後は20
Vであった。
【0054】比較例1 導電性物質としてカーボン粉末を20重量%含有するL
DPE(厚さ60μm)を基材フィルムとする以外は、
実施例2と全く同様にして比較の導電性除塵シート積層
体を得た。
【0055】本例で得られた比較の導電性除塵シート積
層体についても、実施例1と同様にして、剥離帯電圧、
粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を調べたとこ
ろ、粘着剤の移行があり、接着力の変化が見られた。
【0056】比較例2 粘着剤を、アクリル酸ブチル系の粘着剤で、綜研化学社
製商品名“SKダイン1440A”とする以外は、比較
例1と全く同様にして比較の導電性除塵シート積層体を
得た。
【0057】本例で得られた比較の導電性除塵シート積
層体についても、実施例1と同様にして、剥離帯電圧、
粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を調べたとこ
ろ、粘着剤の移行があり、接着力の変化が見られた。
【0058】比較例3 ポリピロール層に代えて、アンチモンをドープした酸化
スズ粒子(平均粒径0.1μm)を10重量%含有する
アクリル系塗料(綜研化学社製商品名“ダイヤナルL
W”)を、固形分2g/mで塗工したLDPE(厚さ
60μm)を用いる以外は、実施例2と全く同様にして
比較の導電性除塵シート積層体を得た。
【0059】本例で得られた比較の導電性除塵シート積
層体についても、実施例1と同様にして、剥離帯電圧、
粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を調べたとこ
ろ、粘着剤の移行があり、接着力の変化が見られた。
【0060】比較例4 粘着剤を、アクリル酸ブチル系の粘着剤で、綜研化学社
製商品名“SKダイン1440A”とする以外は、比較
例3と全く同様にして比較の導電性除塵シート積層体を
得た。
【0061】本例で得られた比較の導電性除塵シート積
層体についても、実施例1と同様にして、剥離帯電圧、
粘着剤と基材フィルムとの接着力の変化を調べたとこ
ろ、粘着剤の移行があり、接着力の変化が見られた。
【0062】なお、表1および表2には、実施例1〜5
および比較例1〜4で得られた導電性除塵シート積層体
の剥離帯電圧(30枚の平均値)を示すとともに、実施
例1〜4で基材フィルムに設けたポリピロール層、実施
例5で基材フィルムに設けたポリアニリン層、比較例1
〜2でカーボン粉末を混合させた基材フィルム自体、比
較例3〜4で基材フィルムに設けた導電性塗料層の表面
についての表面抵抗率(30枚の平均値)を「導電面の
表面抵抗率」として、また各実施例および比較例で得ら
れた除塵シートの表面抵抗率(30枚の平均値)を「粘
着剤面の表面抵抗率」として併せて示した。また、表1
および表2には、各実施例および比較例で使用した各粘
着剤とSUS304板との粘着力(JIS Z 023
7に準拠)を「粘着剤の粘着力」として併せて示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の導電性除
塵シート積層体によれば、特定の重合体による導電性を
利用するものであるため、従来技術に見られるカーボン
や金属粉末などの脱落による問題や、帯電防止剤のブリ
ードアウトによる粘着力の変化がなく、湿度などの環境
に左右されることもなく、また機械的強度(引張、引裂
強度、剥離強度)にも優れ、かつ優れた帯電防止効果
や、速やかな除電効果を奏することができる。
【0066】しかも、本発明は、除塵シートの剥離時に
生じた静電気を除去すると言った消極的な作用によるの
ではなく、静電気の発生自体を防止すると言った作用に
よっているため、従来技術と比較して完全とも言える帯
電防止効果を奏することができる。また、除塵用粘着剤
により靴底や車輪などに付着していた塵埃を除去する際
に、人体や台車などに静電気を発生させることもない。
【0067】さらに、静電気の除電も極めて速やかであ
り、日めくり式的な除塵シート積層体の取扱性を向上さ
せ、実用性を極めて高めることができる。
【0068】以上のような効果を奏する本発明の導電性
除塵シート積層体は、工場などで被搬送物を搬送する経
路あるいは人体が通過する通過経路などに配置すれば、
塵埃,静電気の除去ができて、製品の信頼性,歩留りが
向上するという効果を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 守 栃木県足利市朝倉町3−3−3 (72)発明者 溝口 郁夫 栃木県足利市大沼田町1015−5 (56)参考文献 特開 平4−216887(JP,A) 特開 平2−247219(JP,A) 特開 平7−183093(JP,A) 特開 昭63−99828(JP,A) 特開 平6−145384(JP,A) 特開 平6−145652(JP,A) 特開 平5−202210(JP,A) 特開 平1−210420(JP,A) 実開 昭55−139856(JP,U) 実開 昭63−103869(JP,U) 実開 昭58−37866(JP,U) 実開 昭62−47366(JP,U) 実公 平2−31030(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47L 23/22 B32B 7/06 B32B 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚を積層し、上から順次剥離可能に
    してなる除塵シート積層体であって、 合成樹脂フィルムの少なくとも一方の面にπ共役系導電
    性ポリマー層を設け、何れか一方の面の該ポリマー層上
    に粘着剤層を設けてなる除塵シートを、該粘着剤層を上
    にして複数枚積層したことを特徴とする被搬送物の搬送
    経路または人体の通過経路である床面配置用の導電性除
    塵シート積層体。
  2. 【請求項2】 π共役系導電性ポリマーが、複素五員環
    重合体であることを特徴とする請求項1に記載の導電性
    除塵シート積層体。
  3. 【請求項3】 一枚の除塵シートの表面抵抗率が、10
    Ω/□以下であることを特徴とする請求項1,2に記
    載の導電性除塵シート積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の導電性除塵シート積
    層体が、被搬送物の搬送経路である床面に配置されてな
    ることを特徴とする搬送経路。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3記載の導電性除塵シート積
    層体が、人体の通過経路である床面に配置されてなるこ
    とを特徴とする経路。
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