JP2804285B2 - 導電性重合体組成物 - Google Patents
導電性重合体組成物Info
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- conductive polymer
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、導電性重合体組成物に関し、更に詳しく
は、自己ドープ機能を有するπ共役系高分子、非酸化性
のプロトン酸及び水からなる、帯電防止材、電磁波遮蔽
材、導電塗料、接合素子、化学センサー、エレクトロク
ロミック表示素子、コンデンサ用固体電解質等用素材と
して有用な導電性重合体組成物、及び該π共役系高分子
のドーピング方法に関する。
は、自己ドープ機能を有するπ共役系高分子、非酸化性
のプロトン酸及び水からなる、帯電防止材、電磁波遮蔽
材、導電塗料、接合素子、化学センサー、エレクトロク
ロミック表示素子、コンデンサ用固体電解質等用素材と
して有用な導電性重合体組成物、及び該π共役系高分子
のドーピング方法に関する。
[従来の技術] 飛躍的に発展している電子産業においては各種の機能
材が要求されており、これらが電子部品の小型軽量化、
高信頼性を維持していくためにはますますその要求は厳
しくなっている。
材が要求されており、これらが電子部品の小型軽量化、
高信頼性を維持していくためにはますますその要求は厳
しくなっている。
π共役系高分子に酸化剤(または還元剤)を作用さ
せ、部分的に酸化(または還元)するドーピングと呼ば
れる操作を行なうことにより導電性を発現させて得られ
る導電性高分子もその一つであり、その性質、将来性を
見込んで多くの研究が成されている。特にポリチオフェ
ン、ポリピロールまたはこれらの誘導体、及びこれらと
他の高分子との複合体については詳しく研究されてお
り、その一つにドーパントがπ共役主鎖に共有結合して
いる、いわゆる自己ドープ機能を有する水溶性の導電性
高分子が提案された(特開昭63−39916号)。
せ、部分的に酸化(または還元)するドーピングと呼ば
れる操作を行なうことにより導電性を発現させて得られ
る導電性高分子もその一つであり、その性質、将来性を
見込んで多くの研究が成されている。特にポリチオフェ
ン、ポリピロールまたはこれらの誘導体、及びこれらと
他の高分子との複合体については詳しく研究されてお
り、その一つにドーパントがπ共役主鎖に共有結合して
いる、いわゆる自己ドープ機能を有する水溶性の導電性
高分子が提案された(特開昭63−39916号)。
従来よりπ共役系高分子をドーピングする方法として
は、電気化学的方法と化学的方法が知られているが、こ
れらのドーピング操作によって得られるドープされた導
電性高分子は安定性が悪く容易に脱ドープして導電性を
失い易い欠点がある。この自己ドープ機能を有する水溶
性導電性高分子は、高電導度のドープ状態で安定であ
り、ドープ、脱ドープのスイッチングスピードは速く、
しかも水溶性があり加工性が良いといった特徴が発現す
ることが知られている。
は、電気化学的方法と化学的方法が知られているが、こ
れらのドーピング操作によって得られるドープされた導
電性高分子は安定性が悪く容易に脱ドープして導電性を
失い易い欠点がある。この自己ドープ機能を有する水溶
性導電性高分子は、高電導度のドープ状態で安定であ
り、ドープ、脱ドープのスイッチングスピードは速く、
しかも水溶性があり加工性が良いといった特徴が発現す
ることが知られている。
しかして、この自己ドープ機能を有する水溶性導電性
高分子は、帯電防止材、電磁遮蔽材、導電塗料、接合素
子、化学センサー、エレクトロクロミック表示素子、コ
ンデンサ用固体電解質等用素材として用いられるであろ
う。
高分子は、帯電防止材、電磁遮蔽材、導電塗料、接合素
子、化学センサー、エレクトロクロミック表示素子、コ
ンデンサ用固体電解質等用素材として用いられるであろ
う。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来公知のドーピング法のうち電気化
学的ドープ法はドーピングのための電気化学セルを必要
としており、設備費用が高く、またランニングコストも
高く工業的な目的には問題があった。
学的ドープ法はドーピングのための電気化学セルを必要
としており、設備費用が高く、またランニングコストも
高く工業的な目的には問題があった。
また化学的ドープ法としては、ヨウ素、臭素などのハ
ロゲンガスで処理する方法や、硫酸、硝酸などの強酸に
浸す方法などが知られている、これら強酸化剤や強酸を
用いた場合、ドープされた導電性高分子が不安定とな
り、また安定なドープ状態を保つことは困難であった。
ロゲンガスで処理する方法や、硫酸、硝酸などの強酸に
浸す方法などが知られている、これら強酸化剤や強酸を
用いた場合、ドープされた導電性高分子が不安定とな
り、また安定なドープ状態を保つことは困難であった。
上記のごとく従来公知のドーピング法を用いた場合に
は、自己ドープ機能を有する水溶性導電性高分子の特徴
である安定な高電動度のドープ状態を、安価に大量に実
現するうえで大きな制限があった。このことは種々の産
業上の応用を研究する上において障害となっており、こ
れら障害を解決した新しいドーピング法及びこのドーピ
ング法による導電性重合体組成物並びにその成形方法の
開発が望まれていた。
は、自己ドープ機能を有する水溶性導電性高分子の特徴
である安定な高電動度のドープ状態を、安価に大量に実
現するうえで大きな制限があった。このことは種々の産
業上の応用を研究する上において障害となっており、こ
れら障害を解決した新しいドーピング法及びこのドーピ
ング法による導電性重合体組成物並びにその成形方法の
開発が望まれていた。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記従来の欠点を解決し、しかも加工
性に優れた導電性重合体組成物を得るべく鋭意検討した
結果、自己ドープ機能を有するπ共役系高分子が水中で
非酸化性のプロトン酸によってドープされ、しかも得ら
れた重合体溶液及びこの溶液から作られる固体の重合体
が上記目的を極めて有効に達成することを見出し、本発
明に到達した。
性に優れた導電性重合体組成物を得るべく鋭意検討した
結果、自己ドープ機能を有するπ共役系高分子が水中で
非酸化性のプロトン酸によってドープされ、しかも得ら
れた重合体溶液及びこの溶液から作られる固体の重合体
が上記目的を極めて有効に達成することを見出し、本発
明に到達した。
すなわち、本発明は (1)一般式[1] (式中、HtはNH、S、O、SeまたはTe、Rは炭素数1〜
10の線状又は分枝のあるアルキレン又はエーテル、Xは
CO2又はSO3、MはH、Li、Na又はKを示す。) で表される繰返し単位を含有するπ共役系高分子、非酸
化性のプロトン酸及び水を混合することによって得られ
る導電性重合体組成物、 (2)上記の一般式[1]で表される繰返し単位を含有
するπ共役系高分子が非酸化性のプロトン酸でドープさ
れた導電性重合体及び水からなる導電性重合体組成物、 (3)上記一般式[1]で表される繰返し単位を有する
π共役系高分子を、水に溶解した状態で非酸化性プロト
ン酸によりドーピングする方法、 (4)上記の重合体組成物を固体表面にコーティング
し、ついで水を除去することを特徴とする導電性膜の製
造方法。
10の線状又は分枝のあるアルキレン又はエーテル、Xは
CO2又はSO3、MはH、Li、Na又はKを示す。) で表される繰返し単位を含有するπ共役系高分子、非酸
化性のプロトン酸及び水を混合することによって得られ
る導電性重合体組成物、 (2)上記の一般式[1]で表される繰返し単位を含有
するπ共役系高分子が非酸化性のプロトン酸でドープさ
れた導電性重合体及び水からなる導電性重合体組成物、 (3)上記一般式[1]で表される繰返し単位を有する
π共役系高分子を、水に溶解した状態で非酸化性プロト
ン酸によりドーピングする方法、 (4)上記の重合体組成物を固体表面にコーティング
し、ついで水を除去することを特徴とする導電性膜の製
造方法。
(5)上記の重合体組成物をバッチ式又は連続的に流
延、乾燥することを特徴とする導電性フィルムの製造方
法、 (6)上記の重合体組成物をダイから押出し、水を乾燥
除去することを特徴とする導電性フィルムの製造方法、 (7)上記の重合体組成物をダイから押出し、水を乾燥
除去することを特徴とする導電性フィルムの製造方法、
及び (8)上記の重合体組成物をモールドに注型してから水
を除去することを特徴とするモールドの形をした導電性
高分子の成形品の製造方法、である。
延、乾燥することを特徴とする導電性フィルムの製造方
法、 (6)上記の重合体組成物をダイから押出し、水を乾燥
除去することを特徴とする導電性フィルムの製造方法、 (7)上記の重合体組成物をダイから押出し、水を乾燥
除去することを特徴とする導電性フィルムの製造方法、
及び (8)上記の重合体組成物をモールドに注型してから水
を除去することを特徴とするモールドの形をした導電性
高分子の成形品の製造方法、である。
ここで一般式[1]で表わされる繰返し単位の中、特
にHtがNH又はSであり、Rが炭素数2〜4の直鎖アルキ
ルであり、MはH,Li又はNaである場合のπ共役系高分子
が好ましい。
にHtがNH又はSであり、Rが炭素数2〜4の直鎖アルキ
ルであり、MはH,Li又はNaである場合のπ共役系高分子
が好ましい。
自己ドープ機能を有するπ共役系高分子は如何なる方
法で製造されたものであっても良いが、公知の電解重合
法又は化学重合法によって容易に製造できる。
法で製造されたものであっても良いが、公知の電解重合
法又は化学重合法によって容易に製造できる。
このπ共役系高分子は、一般式[1]で表わされる繰
返し単位のホモポリマーであっても、また同様にπ共役
結合を有するアルキルテヘロ環化合物、アルコキシヘテ
ロ環化合物、例えばチオフェン、ピロール、フラン、セ
レノフェン、テルロフェン等の化合物とのランダム共重
合体、オリゴマーとオリゴマーのブロック共重合体等に
も効果がある。この場合、他のヘテロ環化合物の割合は
多くとも95モル%以下、好ましくは50モル%以下のπ共
役系高分子である。
返し単位のホモポリマーであっても、また同様にπ共役
結合を有するアルキルテヘロ環化合物、アルコキシヘテ
ロ環化合物、例えばチオフェン、ピロール、フラン、セ
レノフェン、テルロフェン等の化合物とのランダム共重
合体、オリゴマーとオリゴマーのブロック共重合体等に
も効果がある。この場合、他のヘテロ環化合物の割合は
多くとも95モル%以下、好ましくは50モル%以下のπ共
役系高分子である。
本発明において用いられるプロトン酸は非酸化性酸で
あれば特に制限はないが、塩酸、酢酸、りん酸、ほう酸
などを好適に用いることができ、特に好ましくは塩酸を
用いることである。
あれば特に制限はないが、塩酸、酢酸、りん酸、ほう酸
などを好適に用いることができ、特に好ましくは塩酸を
用いることである。
本発明においては、自己ドープ機能を有するπ共役系
高分子及び非酸化性のプロトン酸を溶解するので水を溶
剤として使用する。
高分子及び非酸化性のプロトン酸を溶解するので水を溶
剤として使用する。
溶液中のπ共役系高分子濃度には特に制限はないが、
通常0.005〜50重量%の範囲で用いられる。π共役系高
分子に対する非酸化性のプロトン酸の割合は用いるπ共
役系高分子及び非酸化性のプロトン酸の種類により異な
るので、特定的に規定することは出来ないが、通常重量
当り0.01〜10,000倍である。
通常0.005〜50重量%の範囲で用いられる。π共役系高
分子に対する非酸化性のプロトン酸の割合は用いるπ共
役系高分子及び非酸化性のプロトン酸の種類により異な
るので、特定的に規定することは出来ないが、通常重量
当り0.01〜10,000倍である。
以上説明した自己ドープ機能を有するπ共役系高分子
を、水中で非酸化性のプロトン酸と混合することによっ
て、簡単にドーピングができ、かくしてドープされた導
電性重合体組成物を得ることができる。
を、水中で非酸化性のプロトン酸と混合することによっ
て、簡単にドーピングができ、かくしてドープされた導
電性重合体組成物を得ることができる。
このようにして得られた導電性重合体組成物は、金
属、半導体、合成樹脂、セラミック、紙、繊維等の各種
固体表面に塗布、吹き付け、沈積等をすることによっ
て、その表面にコーティングし、ついで水を除去するこ
とにより、ドープした導電性高分子でコーティングした
製品を製造することができ、またこれを上記物品の導電
性被膜として用いることができる。
属、半導体、合成樹脂、セラミック、紙、繊維等の各種
固体表面に塗布、吹き付け、沈積等をすることによっ
て、その表面にコーティングし、ついで水を除去するこ
とにより、ドープした導電性高分子でコーティングした
製品を製造することができ、またこれを上記物品の導電
性被膜として用いることができる。
また、導電性重合体組成物は、バッチ式または連続的
に流延乾燥して希望する厚さの導電性フィルムを製造す
ることができる。
に流延乾燥して希望する厚さの導電性フィルムを製造す
ることができる。
更に、導電性重合体組成物をダイから押出し、水を乾
燥などの手段により除去することによって、導電性繊維
またはフィルムを製造することができる。
燥などの手段により除去することによって、導電性繊維
またはフィルムを製造することができる。
同様に、導電性重合体組成物を種々の形のモールドに
注型してから水を除去することによってモールドの形を
した導電性高分子の成形品を製造することができる。
注型してから水を除去することによってモールドの形を
した導電性高分子の成形品を製造することができる。
水を除去する方法には、特に制限はないが、通常行な
われている真空又は減圧脱気、加熱乾燥、強制通風、風
乾等の方法で行なうことができる。
われている真空又は減圧脱気、加熱乾燥、強制通風、風
乾等の方法で行なうことができる。
このようにして得られた導電性コーティング膜、繊
維、注型品の電気伝導度は10-10〜102S/cmである。
維、注型品の電気伝導度は10-10〜102S/cmである。
[発明の効果] 本発明のドープされた導電性重合体組成物は、水中で
自己ドープ機能を有するπ共役系高分子と非酸化性のプ
ロトン酸を混合するという極めて容易な操作によって製
造できるものであるから、設備費、ランニングコストと
も安価であり、大量製造にも好適である。また溶剤とし
ては水を用いるので無毒性であり、この溶液から如何な
る形状にも容易に成形することが可能である。そして導
電性重合体組成物から作られた導電性高分子製品は、空
気中で安定で、かつ高い電気伝導度を有しているから、
帯電防止材、電磁波遮蔽材、導電塗料、接合素子、化学
センサー、エレクトロクロミック表示素子、コンデンサ
用固体電解質等の電気・電子部品として工業的に非常に
有用である。
自己ドープ機能を有するπ共役系高分子と非酸化性のプ
ロトン酸を混合するという極めて容易な操作によって製
造できるものであるから、設備費、ランニングコストと
も安価であり、大量製造にも好適である。また溶剤とし
ては水を用いるので無毒性であり、この溶液から如何な
る形状にも容易に成形することが可能である。そして導
電性重合体組成物から作られた導電性高分子製品は、空
気中で安定で、かつ高い電気伝導度を有しているから、
帯電防止材、電磁波遮蔽材、導電塗料、接合素子、化学
センサー、エレクトロクロミック表示素子、コンデンサ
用固体電解質等の電気・電子部品として工業的に非常に
有用である。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1) ガラス製容器中で、1mg/mlの濃度のポリ(チオフェン
−3−(プロパンスルホン酸ナトリウム))水溶液1ml
に、2N塩酸1mlを加え混合した。得られた重合体溶液は
ドープ状態を示す青緑色を呈しており、この光吸収スペ
クトルは1週間変化しなかった(図1及び図2参照)。
−3−(プロパンスルホン酸ナトリウム))水溶液1ml
に、2N塩酸1mlを加え混合した。得られた重合体溶液は
ドープ状態を示す青緑色を呈しており、この光吸収スペ
クトルは1週間変化しなかった(図1及び図2参照)。
この溶液をガラス基板にキャストし乾燥させて、膜厚
1μmのフィルムを得た。このフィルムの電気伝導度は
通常の四端子法で測定した結果、5.0×10-4S/cmであっ
た。得られたフィルムを空気中に1カ月間放置後、再度
電気伝導度を測定したところ4.7×10-4S/cmであった。
この間に光吸収スペクトルの変化は観測されなかった
(図3及び図4参照)。
1μmのフィルムを得た。このフィルムの電気伝導度は
通常の四端子法で測定した結果、5.0×10-4S/cmであっ
た。得られたフィルムを空気中に1カ月間放置後、再度
電気伝導度を測定したところ4.7×10-4S/cmであった。
この間に光吸収スペクトルの変化は観測されなかった
(図3及び図4参照)。
(実施例2) 自己ドープ機能を有するポリマーとして、ポリ(チオ
フェン−3−(エタンスルホン酸ナトリウム))を用い
たほかは、実施例1と全く同様にして得た重合体溶液か
らキャスティングフィルムを作製した。このフィルムの
電気伝導度は1.5×10-5S/cmであった。得られたフィル
ムを空気中に1カ月間放置後、再度電気伝導度を測定し
たところ1.3×10-5S/cmであった。この間に光吸収スペ
クトルの変化は観測されなかった。
フェン−3−(エタンスルホン酸ナトリウム))を用い
たほかは、実施例1と全く同様にして得た重合体溶液か
らキャスティングフィルムを作製した。このフィルムの
電気伝導度は1.5×10-5S/cmであった。得られたフィル
ムを空気中に1カ月間放置後、再度電気伝導度を測定し
たところ1.3×10-5S/cmであった。この間に光吸収スペ
クトルの変化は観測されなかった。
なお、自己ドープ機能を有するポリマーとして、チオ
フェン−3−(エタンスルホン酸ナトリウム)と3−ヘ
キシルチオフェンとの共重合体(3−ヘキシルチオフェ
ン含有量50モル%)を用いた場合も上記と同様の結果が
得られた。
フェン−3−(エタンスルホン酸ナトリウム)と3−ヘ
キシルチオフェンとの共重合体(3−ヘキシルチオフェ
ン含有量50モル%)を用いた場合も上記と同様の結果が
得られた。
(比較例1) ポリ(チオフェン−3−(プロパンスルホン酸ナトリ
ウム))水溶液をキャストして得られたフィルムに臭素
ガスを曝し、気相ドープを行なった。このフィルムの電
気伝導度は3.0×101S/cmであった。得られたフィルムを
空気中に放置したところ、6時間後に電気伝導度は2.0
×10-3S/cm、12時間後には5.0×10-8S/cm、24時間後に
は1.0×10-12S/cmとなった。
ウム))水溶液をキャストして得られたフィルムに臭素
ガスを曝し、気相ドープを行なった。このフィルムの電
気伝導度は3.0×101S/cmであった。得られたフィルムを
空気中に放置したところ、6時間後に電気伝導度は2.0
×10-3S/cm、12時間後には5.0×10-8S/cm、24時間後に
は1.0×10-12S/cmとなった。
(比較例2) ガラス製容器中で、1mg/mlの濃度のポリ(チオフェン
−3−(プロパンスルホン酸ナトリウム))水溶液1ml
に、濃硫酸1mlを加え混合した。得られた重合体溶液は
ドープ状態を示す青緑色を呈していたが、このドープ状
態は不安定であり、青緑色は徐々に褪色して行き、12時
間後には透明になった。この間の光吸収スペクトルの変
化は第5図及び図6の通りである。
−3−(プロパンスルホン酸ナトリウム))水溶液1ml
に、濃硫酸1mlを加え混合した。得られた重合体溶液は
ドープ状態を示す青緑色を呈していたが、このドープ状
態は不安定であり、青緑色は徐々に褪色して行き、12時
間後には透明になった。この間の光吸収スペクトルの変
化は第5図及び図6の通りである。
したがって、ドープ状態を維持したままのキャスティ
ングフィルムを作製することが出来なかった。
ングフィルムを作製することが出来なかった。
図1は実施例1で得られたポリ(チオフェン−3−(プ
ロパンスルホン酸ナトリウム))水溶液に塩酸を加えて
ドーピングした重合体溶液を光吸収スペクトル(日立33
0型分光計を用いて測定)であり、2図はその重合体溶
液の1週間後の光吸収スペクトルである。 図3は実施例1で得られたポリ(チオフェン−3−(プ
ロパンスルホン酸ナトリウム))水溶液に塩酸を加えド
ーピングした溶液からのキャストフィルムの光吸収スペ
クトルであり、図4はそのフィルムを1カ月間空気中に
放置後の光吸収スペクトルである。 図5はポリ(チオフェン−3−(プロパンスルホン酸ナ
トリウム))水溶液に濃硫酸を加えドーピングした溶液
の光吸収スペクトルであり、図6は図5の状態から12時
間後の溶液の光吸収スペクトルである。
ロパンスルホン酸ナトリウム))水溶液に塩酸を加えて
ドーピングした重合体溶液を光吸収スペクトル(日立33
0型分光計を用いて測定)であり、2図はその重合体溶
液の1週間後の光吸収スペクトルである。 図3は実施例1で得られたポリ(チオフェン−3−(プ
ロパンスルホン酸ナトリウム))水溶液に塩酸を加えド
ーピングした溶液からのキャストフィルムの光吸収スペ
クトルであり、図4はそのフィルムを1カ月間空気中に
放置後の光吸収スペクトルである。 図5はポリ(チオフェン−3−(プロパンスルホン酸ナ
トリウム))水溶液に濃硫酸を加えドーピングした溶液
の光吸収スペクトルであり、図6は図5の状態から12時
間後の溶液の光吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/74 D01F 6/74 Z // B29K 86:00
Claims (8)
- 【請求項1】一般式[1] (式中、HtはNH、S、O、SeまたはTe、Rは炭素数1〜
10の線状又は分枝のあるアルキレン又はエーテル、Xは
CO2又はSO3、MはH、Li、Na又はKを示す。) で表される繰返し単位を含有するπ共役系高分子、非酸
化性のプロトン酸及び水を混合することによって得られ
る導電性重合体組成物。 - 【請求項2】一般式[1] (式中、HtはNH、S、O、Se又はTe、Rは炭素数1〜10
の線状又は分枝のあるアルキレン又はエーテル、XはCO
2又はSO3、MはH、Li、Na又はKを示す。) で表される繰返し単位を含有するπ共役系高分子が非酸
化性のプロトン酸でドープされた導電性重合体及び水か
らなる導電性重合体組成物。 - 【請求項3】請求項(1)記載の一般式[1]で表され
る繰返し単位を有するπ共役系高分子を、水に溶解した
状態で非酸化性プロトン酸によりドーピングする方法。 - 【請求項4】請求項(1)又は(2)記載の重合体組成
物を固体表面にコーティングし、ついで水を除去するこ
とを特徴とする導電性膜の製造方法。 - 【請求項5】請求項(1)又は(2)記載の重合体組成
物をバッチ式又は連続的に流延、乾燥することを特徴と
する導電性フィルムの製造方法。 - 【請求項6】請求項(1)又は(2)記載の重合体組成
物をダイから押出し、水を乾燥除去することを特徴とす
る導電性繊維の製造方法。 - 【請求項7】請求項(1)又は(2)記載の重合体組成
物をダイから押出し、水を乾燥除去することを特徴とす
る導電性フィルムの製造方法。 - 【請求項8】請求項(1)又は(2)記載の重合体組成
物をモールドに注型してから水を除去することを特徴と
するモールドの形をした導電性高分子の成形品の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1067933A JP2804285B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | 導電性重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1067933A JP2804285B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | 導電性重合体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02247219A JPH02247219A (ja) | 1990-10-03 |
JP2804285B2 true JP2804285B2 (ja) | 1998-09-24 |
Family
ID=13359225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1067933A Expired - Lifetime JP2804285B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | 導電性重合体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2804285B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2851999B2 (ja) * | 1994-05-12 | 1999-01-27 | 富士通株式会社 | 導電性除塵シート積層体 |
JP7057683B2 (ja) * | 2018-02-26 | 2022-04-20 | 国立大学法人山梨大学 | 導電性繊維及び導電性繊維の製造方法 |
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