JP2849198B2 - 分散染料組成物及び疎水性繊維の染色法 - Google Patents

分散染料組成物及び疎水性繊維の染色法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、分散染料組成物及び疎水性繊維の染色法に
関する。
従来の技術 近年、ポリエステル繊維素材はその優れた耐熱性およ
び耐光性から自動車用内装素材としての用途が増加して
きている。それにつれて、その着色剤である分散染料に
対しても一段と優れた耐光堅ろう度が求められるように
なった。耐光堅ろう度は、従来JIS−L0842に規定する温
度63±3℃で行っているが、特に自動車内装用途では例
えば83±3℃の高温下で、しかも300〜600時間の露光に
耐える耐光堅ろう度が要求されている。更に、自動車内
装用途の中でも自動車シートとしての用途では耐熱性を
有するウレタンフォーム上にポリエステル繊維材料を張
って使用していることから80℃以上の高温になることも
少なくなる更に過酷な条件に耐える染料が求められてい
る。
一般的に、分散染料の中で、耐光堅ろう度の比較的よ
いものはアントラキノン系やキノフタロン系の染料であ
るがそれらは概して着色力が劣るのが欠点である。また
着色力の優れる長所を有するアゾ系の分散染料は一般的
にはアントラキノン系やキノフタロン系に比べ耐光堅ろ
う度が劣るという傾向がある。殊に前記したような自動
車用内装素材としては、淡色から濃色の染色物が要求さ
れるので着色力に優れた分散染料で淡色から濃色まで耐
光堅ろう度の優れる染料の開発が強く望まれている。
発明が解決しようとする課題 現在、自動車内装素材用で耐光堅ろう度の優れた分散
染料による染色は、淡色用としてアントラキノン系や更
に一部キノフタロン系の染料を配合したものを使用して
おり、中濃色用としては一部アゾ系を配合したものを使
用している。しかし、淡色用染料においては、カラーバ
リューが劣り、中濃色の色相をもつ染色物を得ようとす
ると染料の使用量が著しく増えコストが非常に高くな
る。たとえ中濃色の色相をもつ染色物が得られたとして
も、その耐光堅ろう度は劣る水準である。また、中濃色
用染料として用いられるアゾ系分散染料では淡色での染
色物の耐光堅ろう度が劣る傾向がある。
課題を解決するための手段 本発明者らは自動車内装用途のような過酷な条件下
で、淡色から濃色の範囲まで耐光試験に耐える高耐光堅
ろう度を有する分散染料について鋭意検討した結果、特
定の分散染料を同時に使用することでベージュ色や茶
色、エンジ色、オレンジ色、グリーン色等の淡色から濃
色の範囲で耐光堅ろう度が優れる染色物が得られること
を見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は 1. 下記(A)黄色分散染料と下記(B)赤色分散染料
または/および下記(C)青色分散染料を含有する分散
染料組成物。
(A)黄色分散染料:式(1)および式(2)で示され
る化合物の混合物。
(式中、X1、X2はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子ま
たは臭素原子を、R1は低級アルキル基またはアリル基を
それぞれ表す。) (式中、Z1、Y1、Y2、はそれぞれ独立に水素原子または
ハロゲン原子を、環Aはカルボン酸エステル基で置換さ
れていてもよいベンゼン環またはナフタレン環をそれぞ
れ表す。) (B)赤色分散染料:式(3)、式(4)、式(5)お
よび式(6)で示される化合物の群から選ばれる少なく
とも2種以上の混合物。
(式中、R2はメチル基またはエチル基を表しR3はシアノ
エチル基、又はアセトキシエチル基を表し、R4はアセト
キシエチル基、低級アルコキル(C1〜C4)アルキル基
又は低級アルコキシ(C1〜C4)エトキシエチル基をそ
れぞれ表す。) (式中、R5は水酸基、フェノキシ基又はフェニル基で置
換されたアルキル(C1〜6)基を表す。) (式中、R6は水素原子、水酸基、置換されていてもよい
アルコキシ基、置換されていてもよいアルキル基、アル
キル置換アミノスルホニル基、アルコキシアルキル置換
アミノスルホニル基、またはアシルオキシ基を表す。ア
ルコキシ基の置換基としてはカルボアルコキシ基、又は
アシル基をアルキル基の置換基としては、カルボアルコ
キシ基を表し、又R7は水素原子またはメチル基をそれぞ
れ表す。) (C)青色分散染料:式(7)、式(8)および式
(9)で示される化合物の群から選ばれる少く共2種以
上の混合物。
(式中、Y3、Y4は一方はNH2、他方はOHを、R8は臭素原
子を、nは1〜3の整数をそれぞれ表す。) (式中、R9はヒドロキシエチル基、水素原子または塩素
原子を、Z2、Z3は、一方はNO2、他方はOHをそれぞれ表
す。) (式中、Y5は酸素原子またはイミノ基を、R10は分岐し
ていてもよい低級アルコキシアルキル基、又は低級アル
コキシアルコキシアルキル基をそれぞれ表す。) 2. 前記第1項に記載の分散染料組成物を用いることを
特徴とする疎水性繊維の染色法 3. 前記第1項に記載の(A)の黄色分散染料と(B)
赤色分散染料又は及び(C)の青色分散染料を用いるこ
とを特徴とする疎水性繊維の染色法を提供する。
本発明は分散染料で染色された染色物が日光照射をう
けることにより褪色および変色を生じる染料及び染料組
成物に対して、淡色から濃色で染色されている染色物が
同条件下で日光照射をうけても褪色および変色の小さい
染料を組み合わせることで結果として高耐光性染料及び
染料組成物を得るというものである。
本発明において褪色とは染色物の濃度が低下する場合
をいい、変色とは染色物の色相が変わる場合をいう。
従来、一般に黄色染料成分に式(2) (式中、Z1、Y1、Y2はそれぞれ独立に水素原子またはハ
ロゲン原子、環Aはカルボン酸エステル基で置換されて
いてもよいベンゼン環またはナフタレン環をそれぞれ表
す。) で示される化合物や式(10) (式中、R11はアルキル(C1〜C4)またはフェニル基を
表す。) で示される化合物が市場で用いられている。これら、従
来の分散染料を使用すると、その染色物の耐光堅ろう度
は淡色分野では優れた耐光堅ろう度を有しているが、カ
ラーバリューが劣り、中濃色の色相を得ようとすると前
記したようにコスト高となる。
また、中濃色で染色された染色物は褪色および変色が
大きく十分満足すべき耐光堅ろう度を得ることは困難で
あった。一方、式(1)の化合物は耐光性に優れるばか
りでなく式(10)に比べカラーバリューも優れていると
はいうものの式(1)および式(2)を混合した黄色成
分に式(3)、式(4)、式(5)や式(6)の赤成分
と式(7)、式(8)や式(9)の青色成分の染料を適
当量混合して使用することによって、これまで不十分と
されていた、ベージュ色、茶色、エンジ色、オレンジ
色、グリーン色等の淡色から濃色分野までの広い範囲に
おいて極めて優れた耐光堅ろう度が得られることは全く
予想しえなかったことである。式(1)に式(2)を加
えた成分の代わりに式(2)、式(10)を用いて同様に
赤成分、青成分を混合した染色物の耐光堅牢度は式
(1)に式(2)を加えたものに比べ顕著に劣ってい
た。これは驚くべきことである。
これは式(1)および式(2)の化合物と赤色染料ま
たは/および青色染料の組み合わせで、照射処理後の褪
色および変色が殆どなく見掛け上極めて優れた耐光堅ろ
う度を得ることができるためと考えられる。また式
(1)と式(2)を黄色配合成分として用いることによ
り中濃色におけるカラーバリューが高いため染料使用量
が少なくてすみ、価格メリットは極めて大きい。
本発明において、式(1)と式(2)は、その混合比
率が重量比で(95〜30):(5〜70)が好ましく更に好
ましくは(90〜60):(10〜40)を配合させた分散染料
混合物からなる。
赤色分散染料化合物として用いる式(3)、式
(4)、式(5)および式(6)のうち少く共2種以上
の化合物からなる混合物の混合比率の制限はないが例え
ば式(3)の染料:式(4)の染料:式(5)の染料=
(5〜30):(95〜70):(95〜70)。式(3)の染
料:式(5)の染料:式(6)の染料=(5〜30):
(95〜70):(95〜70)。の比率が好ましい。同様に式
(3)の染料:式(4)の染料:式(5)の染料:式
(6)の染料=(5〜30):(95〜70):(95〜70):
(95〜70)の比率が好ましい。
また、青色分散染料化合物としては、式(7)、式
(8)および式(9)のうち少く共2種以上の化合物か
らなる混合物を混合させた分散染料からなる。
青色分散染料化合物として、用いる式(7)、式
(8)、および式(9)の混合比率の制限は特にない。
更に染料(A)、(B)、(C)の混合割合は染色する
色調によって種々変動させることが出来、特に制限はな
い。
そして本発明の分散染料組成物は個々の化合物を別々
に常法により微粒子化処理してから所望の混合割合に混
合するか、式(1)〜(9)で示される化合物(染料原
末)をあらかじめ所望の割合に混合し、常法により微粒
子化処理することによって得られる。以上のような染料
組成物を用いることにより、耐光試験の照射後の変色が
ほとんどなく、照射後の濃度低下が少なく、極めて優れ
た耐光堅ろう度を得ることができる。
ポリエステル繊維の染色において、紫外線吸収剤を併
用することにより更に耐光性の優れた染色物を得ること
もできる。本発明で用いることができる紫外線吸収剤と
して次のものをあげることができる。
2−(2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベン
ゾトリアゾール 2−(2′−ヒドロキシ−4′−メチルフェニル)−5
−クロロ−ベンゾトリアゾール 2−(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャブチル−5′
−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール 2−(2′−ヒドロキシ−5′−ターシャルオクチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジターシャルブチ
ルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール 2−(2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジターシャルブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジターシャリーア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾール 2,2′−ヒドロキシ4,4′−ジメトキシベンゾフェノン 2,2′−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 2,2′−ヒドロキシ4,4′−ジエトキシベンゾフェノン ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシ
フェニル)メタン これら化合物は1種または2種以上混合して使用する
ことができる。添加量は特に制限ないが、好ましくは使
用繊維の重量に対しての0.5〜8.0重量比である。これら
の紫外線吸収剤は常法により微粒子化処理を施した上で
必要により染浴に添加される。
本発明はおいて、染色方法はそれ自体公知の方法に従
って行うことができる。例えばポリエステル繊維を染色
する場合は、先ず、必要な濃度を得ることのできる量の
本発明の分散染料組成物と必要に応じて紫外線吸収剤を
加えた染色浴につき酢酸または酢酸と酢酸ナトリウムか
らなるpH緩衝水溶液でそのpHを4〜7に調整する。必要
に応じて若干量の公知の金属イオン封鎖剤、均染剤など
を染浴に加えた後、被染物を投入し、撹拌しながら染浴
の温度を徐々に昇温し(たとえば1分間に1〜3℃)、
100℃以上の所定の温度(たとえば110〜140℃)で通常3
0〜90分間染色する。この染色時間は染着の状態により
短縮することができる。浴比は通常1:30が採用される。
又式(1)〜(9)の化合物をそれぞれ微粒子化処理し
て得た染料を前記したような割合で、水に直接加えて染
色浴を調製し以下前記と同様にして染色を行うことも出
来る。染色終了後、冷却し、水洗し、必要に応じて還元
洗浄し、水洗、乾燥して仕上げる。
また、捺染の場合は微粒子化された染料の分散液を公
知の糊と共に練りあわせ、これを布に印捺、乾燥した後
スチーミングまたは乾熱処理を行う。この場合使用する
紫外線吸収剤はベンゾフェノン系のものが好ましい。本
発明において疎水性繊維としてはポリエステル繊維、ア
セテート繊維が挙げられるが、好ましいものはポリエス
テル繊維である。
実施例 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。文
中、部、%はそれぞれ重量部、重量%を意味する。
微粒子化例1 下記式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式
(15)、式(16)、式(17)、式(18)、式(19)及び
式(20)で示される染料(原末)の各々につきその15
部、デモールN20部(花王製分散剤)、デモールC15部
(花王製分散剤)および水80部を別々に混合し、サンド
グラィンダーを用いて最大径5μ以下になるまで微粒子
化し、乾燥することにより各々の染料の微粒子化物を得
た。
微粒子化例2 下記式(21)、式(22)および式(23)で示す紫外線
吸収剤につき、各々の原体30部、デモールN20部(花王
製分散剤)、デモールC10部(花王製分散剤)および水4
0部を別々に混合物し、サンドグラィングーを用いて最
大径5μ以下になる様微粒子化し、各々の液状の微粒子
化紫外線吸収剤を得た。
微粒子化例3 前記式(11)で示される染料(原末)を5.3部、同じ
く式(12)を3.2部、式(13)を0.2部、式(14)、(1
5)(16)を各々0.5部、式(17)、(18)、(19)を各
々1.6部、デモールN(前記と同じ)を20部、デモール
C(前記と同じ)を15部、及び水80部を混合し、微粒子
化例1と同様に処理し、微粒子化物を得た。
微粒子化例4 前記式(11)で示される染料(原末)を4.8部、同じ
く式(12)を2.1部、式(17)、(18)、(19)を各々
2.7部、デモールN(前記と同じ)を20部、デモールC
(前記と同じ)を15部、及び水80部を混合し、微粒子化
例1と同様に処理し微粒子化物を得た。
実施例1 微粒子化例1で調製した式(11)〜式(20)の染料
(使用量は表−1に示す)及び微粒子化例2で調製した
式(21)の紫外線吸収剤2部を含有する3000部の染料分
散液の染浴を作り、酢酸と酢酸ナトリウムにより染浴の
pHを5に調整する。染浴にポリエステル繊維起毛織物10
0部を投入し、60℃から1分間毎に1℃の割合で昇温し1
30℃で60分間染色し、通常の方法で還元、洗浄し乾燥す
る。得られた染色物はベージュ色であった。
比較例1として、式(11)および式(13)および式
(19)の化合物を省き式(12)の化合物を用いて前記と
同様の方法で染色し染色物を得た。
更に比較例2として、式(11)および式(13)および
式(19)の化合物を省き式(20)の化合物を用いて前記
と同様の方法で染色し染色物を得た。
更に比較例3として、式(11)および式(13)および
式(19)の化合物を省き式(12)および式(20)の化合
物を用いて前記と同様の方法で染色し染色物を得た。
実施例と比較例における染色物の染色濃度が同濃度に
なるように染料の使用量を調整した。
実施例2〜4 微粒子化例1で調製した式(11)〜(19)の染料(使
用量は表−2〜表−4に示す)及び微粒子化例2で調製
した式(21)の紫外線吸収剤を用いて実施例1と同様に
ポリエステル布を染色した。比較例4〜12はそれぞれ式
(11)、式(13)、式(19)の化合物を省き、式(1
2)、式(20)の化合物を用いて同様に染色した。(使
用染料及び使用量は表−2〜表−4に示す)実施例と比
較例における染色物の染色濃度が合う様調整した。
表−1、2、3、4、に示す様に実施例1、2、3、
4、はそれぞれ比較例と比べ耐光堅ろう度が優れてい
た。特に中濃色では著しく優れていた。
また、実施例における染料の使用量も比較例に用いる
染料使用量の約50%で同濃度が得られた。
〔耐光堅ろう度試験方法〕 染色物にウレタンフォームを裏打ちしたものにフェー
ドメーター(ブラックパネル温度83℃±3℃、300時
間)カーボンアーク灯を用いて照射し照射部分の変褪色
をJIS L−0804の変褪色用グレースケールにて判定し
た。
実施例5 実施例1において式(21)の微粒子化した紫外線吸収
剤の代りに式(22)の微粒子化した紫外線吸収剤を用
い、同様にポリエステル布を染色し、ベージュ色の染色
物を得た。この染色物の耐光堅牢度は実施例1と同等で
優れていた。
実施例6 実施例1において式(21)の代りに式(23)の微粒子
化した紫外線吸収剤4部を用い、同様にポリエステル布
を染色しベージュ色の染色物を得た。この染色物の耐光
堅牢度は優れていた。
実施例7 実施例1において紫外線吸収剤を用いずに同様にポリ
エステル布を染色し、ベージュ色の染色物を得た。この
染色物の耐光堅牢度は優れていた。
実施例8 微粒子化例1で調製した式(11)、式(12)、式(1
3)、式(14)、式(15)、式(16)の染料(使用量は
表−5に示す)及び式(21)の微粒子化した紫外線吸収
剤2部を含有する3000部の染料分散液の染浴をつくり、
実施例1と同様にしてポリエステル布を染色した。染色
物は濃いオレンジ色を呈し耐光堅牢度は優れていた。
比較例として式(11)の化合物を省き、式(12)、式
(20)の化合物を用い、前記と同様に染色し、耐光堅牢
度を比較した。その結果を表−5に示した。実施例8は
耐光性が優れていた。
また、両者の染色物の染色濃度が同等となる様調整し
たが、この時の実施例8の染料使用量は比較例13の約40
%と少くてすみ、経済的効果は顕著であった。
実施例9 微粒子化例3で調製した微粒子化染料0.283部及び前
記式(21)の紫外線吸収剤微粒子化物2部を含有する30
00部の染料分散液の染浴をつくり、実施例1と同様にし
てポリエステル布を染色した。染色物はベージュ色を呈
し、その耐光堅牢度は実施例1と同等であり優れてい
た。
実施例10 微粒子化例4で調製した微粒子化染料2.2部及び前記
式(21)紫外線吸収剤微粒子化物2部を含有する3000部
の染料分散液の染浴をつくり、実施例1と同様にしてポ
リエステル布を染色した。染色物はグリーン色を呈し、
その耐光堅牢度は優れていた。
一方式(11)の化合物を省き、式(12)、式(20)の
化合物を用い、染色物の染色濃度が同等になる様調整し
たものを比較例14として表−6に掲げた。その結果、本
発明は耐光堅牢度が優れる事はもちろん経済性も優れて
いた。
実施例11 微粒子化例1で調製した式(11)、式(12)、式(1
4)、式(15)、式(17)、式(18)及び式(19)の微
粒子化染料をそれぞれ、0.35部、0.1部、0.06部、0.06
部、0.2部、0.2部、0.2部を含有する3000部の染料分散
液の染浴をつくり、実施例1と同様な方法でポリエステ
ル布を染色した。染色物は茶色を呈し、その耐光堅牢度
は優れていた。
実施例12 微粒子化例1で調製した式(11)、式(12)、式(1
3)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)、及び
式(18)の微粒子化染料をそれぞれ1.15部、0.4部、0.1
5部、0.5部、0.5部、0.5部、0.6部、0.6部を含有する30
00部の染料分散液の染浴をつくり、実施例1と同様な方
法でポリエステル布を染色した。染色物は濃いエンジ色
を呈し、その耐光堅牢度は優れていた。
実施例13〜16 実施例2中の式(11)の染料の代わりに表−7に示す
染料を用いて他は実施例2と同様の方法で染色し茶色
(中色)染色物を得た。耐光堅ろう度を試験したところ
表−7に示す様に優れた耐光堅ろう度を有していた。
実施例17〜22 実施例2中の式(12)の染料の代わりに表−8に示す
染料を用いて他は実施例2と同様の方法で染色し茶色
(中色)の染色物を得た。耐光堅ろう度を試験したとこ
ろ表−8に示す様に優れた耐光堅ろう度を有していた。
実施例23〜26 実施例2中の式(13)の染料の代わりに表−9に示す
染料を用いて他は実施例2と同様の方法で染色し茶色
(中色)の染色物を得た。耐光堅ろう度を試験したとこ
ろ表−9に示す様に優れた耐光堅ろう度を有していた。
実施例27〜38 実施例2中の式(14)の染料の代わりに表−10に示す
染料を用いて他は実施例2と同様の方法で染色し茶色
(中色)の染色物を得た。耐光堅ろう度を試験したとこ
ろ表−10に示す様に優れた耐光堅ろう度を有していた。
実施例39 実施例2中の式(17)の染料の代わりに表−11に示す
染料を用いて他は実施例2と同様の方法で染色し茶色
(中色)の染色物を得た。耐光堅ろう度を試験したとこ
ろ表−11に示す様に優れた耐光堅ろう度を有していた。
実施例40〜43 実施例2中の式(18)の染料の代わりに表−13に示す
染料を用いて他は実施例2と同様の方法で染色し茶色
(中色)の染色物を得た。耐光堅ろう度を試験したとこ
ろ表−12に示す様に優れた耐光堅ろう度を有していた。
実施例44〜46 実施例2中の式(19)の染料の代わりに表−12に示す
染料を用いて他は実施例2と同様の方法で染色し茶色
(中色)の染色物を得た。耐光堅ろう度を試験したとこ
ろ表−13に示す様に優れた耐光堅ろう度を有していた。
<発明の効果> ベージュ色、茶色、エンジ色の淡色から濃色まで幅広
い範囲に高耐光堅ろう度を与える分散染料組成物及び染
色法が確立された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 67/22 C09B 29/40 C09B 57/00 C09B 29/085 C09B 1/54 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)黄色分散染料と下記(B)赤色
    分散染料または/および下記(C)青色分散染料を含有
    してなる分散染料組成物。 (A)黄色分散染料:式(1)および式(2)で示され
    る化合物の混合物。 (式中、X1、X2はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子ま
    たは臭素原子を、R1は低級アルキル基またはアリル基を
    それぞれ表す。) (式中、Z1、Y1、Y2、はそれぞれ独立に水素原子または
    ハロゲン原子を、環Aはカルボン酸エステル基で置換さ
    れていてもよいベンゼン環またはナフタレン環をそれぞ
    れ表す。) (B)赤色分散染料:式(3)、式(4)、式(5)お
    よび式(6)で示される化合物の群から選ばれる少なく
    とも2種以上の混合物。 (式中、R2はメチル基またはエチル基を、R3はシアノエ
    チル基、又はアセトキシエチル基を、R4はアセトキシエ
    チル基、低級アルコキル(C1〜C4)アルキル基又は低
    級アルコキシ(C1〜C4)エトキシエチル基をそれぞれ
    表す。) (式中、R5は水酸基、フェノキシ基又はフェニル基で置
    換されたアルキル(C1〜6)基を表す。) (式中、R6は水素原子、水酸基、置換されていてもよい
    アルコキシ基、置換されていてもよいアルキル基、アル
    キル置換アミノスルホニル基、アルコキシアルキル置換
    アミノスルホニル基、またはアシルオキシ基を表す。ア
    ルコキシ基の置換基としてはカルボアルコキシ基、又は
    アシル基をアルキル基の置換基としては、カルボアルコ
    キシ基を表し、又R7は水素原子またはメチル基をそれぞ
    れ表す。) (C)青色分散染料:式(7)、式(8)および式
    (9)で示される化合物の群から選ばれる少く共2種以
    上の混合物。 (式中、Y3、Y4は一方はNH2、他方はOHを、R8は臭素原
    子を、nは1〜3の整数をそれぞれ表す。) (式中、R9はヒドロキシエチル基、水素原子または塩素
    原子を、Z2、Z3は、一方はNO2、他方はOHをそれぞれ表
    す。) (式中、Y5は酸素原子またはイミノ基を、R10は分岐し
    ていてもよい低級アルコキシアルキル基、又は低級アル
    コキシアルコキシアルキル基をそれぞれ表す。)
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の分散染料組
    成物を用いることを特徴とする疎水性繊維の染色法
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項に記載の(A)の黄
    色分散染料と(B)赤色分散染料又は及び(C)の青色
    分散染料を用いることを特徴とする疎水性繊維の染色法
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