JP2849178B2 - ウェーハの保管方法 - Google Patents

ウェーハの保管方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、シリコン(Si)からなる2枚の鏡面ウェー
ハ(以下、ウェーハと略称する)を直接または酸化膜を
介して間接的に接合することにより構成される半導体素
子形成用基板の製造技術に関するもので、さらに詳しく
は、半導体素子形成用基板の製造に使用されるウェーハ
の接合前における保管方法に関するものである。
[従来の技術] 半導体素子(以下、素子と略称する)を高密度に形成
した集積回路の素子分離を容易にしたり、あるいは特に
CMOS回路のラッチアップ現象を解消するために、素子形
成用基板としてSOI(Silicon on Insulator)構造が従
来から提案されてきた。
かかるSOI構造体の製造方法として、ウェーハ上に酸
化膜(絶縁層)を形成し、その上にSi多結晶薄層を形成
後、レーザー光照射等により前記Si多結晶薄層の単結晶
化を行なったり、あるいはサファイヤ基板上にSi単結晶
薄層を気相熱分解法により形成する方法がある。
しかしながら、これらの方法により形成された絶縁層
上のSi単結晶薄層の結晶性は満足すべきものではなかっ
た。一方、別の方法として、2枚のウェーハを絶縁層を
介して接合し、素子を形成する活性領域のウェーハを研
磨またはエッチングによって所望の薄層にする方法があ
り、この方法によって得られるSi単結晶薄層の結晶性は
優れているので、近年、有力な方法となりつつある。
かかる接合法には、単なる加重による圧着法と静電圧
法がある。前者の例として特開昭48−40372号公報に
は、2枚のウェーハを酸化膜を介して重ね、約1100℃以
上の温度と約100kg/cm2以上の加圧力で接着する方法が
紹介されている。また後者の例は、昭和63年3月1日に
日経マグロウヒル社が発行の「日経マイクロデバイス」
第92〜93頁に記載されている。
以下、この素子形成用基板について説明する。
第1図(C)には、SOI構造の素子形成用基板の一例
が示されている。
この基板はウェーハ(ベースウェーハ)1aと、全面に
酸化膜をつけたウェーハ(ボンドウェーハ)1bとを酸化
膜1cを介して接合した後、ウェーハ1bの露出面を研磨ま
たは/およびエッチング等により薄膜化することによっ
て製造される。
即ち、上記基板の製造にあっては、第2図のように、
先ずスライスされたSi板を鏡面研磨後に洗浄したウェー
ハ1aおよびウェーハ1bのうちウェーハ1bの全面に、第1
図(A)に示すように、熱酸化によって厚さ約0.8μm
の酸化膜1cを形成する。次に、ウェーハ1aとウェーハ1b
とを加圧接合させ(第1図(B))、その状態で炉に仕
込み、N2雰囲気中で、約1200℃の温度で、熱処理を施
す。これによって、ウェーハ1aとウェーハ1bの接合体が
得られる。
次に、この接合体のウェーハ1b外側を研磨または/お
よびエッチング等により薄膜化することによって、第1
図(C)に示すSOI構造の素子形成用基板が製造され
る。
ところで、ベースウェーハ1aは、従来、鏡面研磨され
洗浄された後、ポリプロピレン或いは弗素樹脂からなる
カセットに収納され、接合直前までクリーンベンチ内で
保管されるのが通常であった。また、ボンドウェーハ1b
については、鏡面研磨して洗浄の後、石英ボートにセッ
トされて熱酸化炉内に送り込まれ、その全面に熱酸化膜
1cが形成されて後、炉外に取り出して、冷却後に洗浄
し、上記ベースウェーハ1aの場合同様、樹脂製カセット
に収納し、クリーンベンチ内で保管する。
他方、ウェーハ上に気相成長法によりSiエピタキシャ
ル層を形成したエピタキシャルウェーハは、パワートラ
ンジスタを中心とする広範な用途を有しているが、同法
の欠点はエピタキシャル層の形成に時間を要することか
らコストが高くなることである。
その解決手段としてウェーハ同士を直接接合する試み
があり、例えば特開昭61−4221号公報ではウェーハ同士
を直接接合する際に接合面に異物が介在しないことを述
べている。しかしこの場合の異物とは塵埃等の微粒子
(以下パーティクルという)を指しており、その接合の
仕方はウェーハの片方に酸化膜を付けることを除けば前
記とほぼ同様の工程で行なわれる。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記方法によって、ウェーハ1a,1bを接合
した場合、次のような問題が多発した。
即ち、ウェーハ1a,1bを接合した素子形成用基板につ
いて調べたところ、素子形成用基板の多くに、接合が不
完全で、多数の未接合小領域(以下ボイドという)のあ
ることが確認された。
また、このボイドに基づく不良発生率は、熱酸化処理
されないベースウェーハ1aについて鏡面研磨して洗浄後
から接合するまでのクリーンベンチ内での保管時間が長
いほど、高くなることが確認された。このボイドに基づ
く不良発生率は、ベンチウェーハ1aの保管時間が1時
間、場合によっては、それより短い時間でも高くなるこ
とがあり、安定した接合作業ができないという問題があ
った。
このような問題は、鏡面状態のウェーハを直接的に接
合するときにも同様に生じた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、ボイド
不良発生率の低減が図れるウェーハ保管方法の提供を目
的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、上記目的を達成するため、先ず、クリー
ンベンチ内雰囲気に含まれるパーティクルが保管ウェー
ハに付着し、その数が時間の経過と共に増えてボイドの
発生又は増加の原因となるのではないかと考え、パーテ
ィクルの影響について調べたが、後述するように、パー
ティクルに大きくは影響されないことが判った。
また、雰囲気の酸化成分例えば酸素によってウェーハ
の鏡面が酸化されることにより形成される自然酸化膜の
影響について調べたが、ウェーハ上の自然酸化膜は、ク
リーンベンチ内の保管中にほぼ20〜30Åの厚さに成長
し、ほぼ安定に推移していることから、もしボイドの原
因が自然酸化膜の存在にあるとしても、その厚さに大き
くは影響されないことが判った。
しかし、本発明者は前記不良の発生が何らかの物質に
よる表面汚染であることを推移し、前記洗浄後のウェー
ハを密封可能な容器に収納し、雰囲気ガスとして超高純
度に精製した半導体級N2ガスを封入して保管したとこ
ろ、前記不良の発生は著しく改善されることを確認し
た。
そして、その原因はウェーハ保管時の雰囲気中に存在
する有機物質の存在と関係が深いことをつきとめた。
請求項1記載の発明は、かかる知見に基づいてなされ
たもので、2枚の鏡面ウェーハの一方を熱酸化して、当
該酸化膜を介し両者を接合して構成される素子形成用基
板の製造にあたり、前記熱酸化しない鏡面ウェーハを、
鏡面研磨して洗浄後接合するまでの間、有機物質が実質
的に含まれない清浄な雰囲気下で保管するようにしたも
のである また、請求項2記載の発明は、2枚の鏡面ウェーハの
鏡面同士を直接接合して構成される素子形成用基板の製
造にあたり、前記鏡面ウェーハを、鏡面研磨して洗浄後
接合するまでの間、有機物質が実質的に含まれない清浄
な雰囲気下で保管するようにしたものである。
ここでいう洗浄な雰囲気とは、半導体級N2ガスを例に
とって説明すると、空気を液化して得た液体空気を深冷
分離法等で精製した99.999%以上の液体窒素を、使用す
る際に気化し、高温の白金触媒に接触させて含有する酸
素を燃やしてH2Oとしてモレキュラーシーヴで低温吸着
したり、炭化水素ガスについては、活性炭等の低温吸着
によって除去される。炭化水素の低温吸着は極めて有効
で、通常、HC4,C2H6又はC2H2の形で存在するが、容易に
除去され、総量を0.01ppm以下にすることができる。か
かる微量な炭化水素の分析はガスクロマトグラフ質量分
析法で行なう。
ところで、従来のクリーンルーム(クリーンベンチの
場合も同様)内の清浄空気は、その浄化方式からみて大
気中の化学物質、特に有機物質の除去は不完全であり、
またクリーンルーム内部で使用する化学薬品や溶剤、作
業者から発散する汚染物質に対しては無力である。
事実、クリーンルーム雰囲気中の有機物質の一例とし
てメタンを対象に冷却濃縮ガスクロマトグラフ法で分析
したところ、10ppm以上のレベルで検出された。
クリーンルーム中に存在し得る有機物質は、大気中に
存在する化石燃料消費の副成物であったり、周辺の環境
に特別に存在する物質であったり、クリーンルーム内で
使用している薬品、溶剤であったりで特定できないが、
特別の事情がない限りメタン系の炭化水素の管理によ
り、他の有機物質の存在を類推するか、または全炭化水
素化合物(THC;Total Hydrocarbon)として分析管理す
ることが可能である。したがって、クリーンルーム雰囲
気中のTHCが0.01ppm以下で管理されていれば、ウェーハ
保管には何ら支障は生じない。
またこの雰囲気条件を安定に維持してウェーハを保管
する手段は、密閉可能な容器の使用が最も簡便であり、
例えばウェーハ輸送に使用する容器で気密性の高いも
の、また気密性の無いカセットや容器を使用する場合、
この目的のために特別に設計された密室か気密性を有す
るパック中に保管するなどしてもよい。
[作用] 本発明によれば、有機物質が実質的に含まれない雰囲
気下でウェーハを保管するので、清浄化されたウェーハ
鏡面の有機物質による汚染が防止され、結果としてウェ
ーハ接合時におけるボイドの発生が減少するものと思わ
れる。その理由は定かでないが鏡面研磨後、洗浄された
ウェーハの表面は親水性の状態にあり、これがウェーハ
接合に寄与するものとされているが、前記有機物質によ
る表面汚染はその部分の親水性を阻害して、これがボイ
ド不良発生の原因となるものと推定される。
[実施例] 以下、本発明に係る素子形成用基板の製造方法の実施
例を図面に基づいて説明する。
第1図(C)にはSOI構造の当該基板の縦断面図が示
されている。
この基板はベースウェーハ1aとボンドウェーハ1bとを
酸化膜1cを介し圧着加熱して得たウェーハ接合体を、そ
のウェーハ1b外側より研磨または/およびエッチング等
により薄膜化することにより製造されるものである。
これを第2図の工程図を説明すると、鏡面研磨後に洗
浄されたベースウェーハ1aを、清浄なPP(ポリプロピレ
ン)樹脂製のカセットにセットした後、当該カセットを
更にPP樹脂製の蓋付き収納箱に入れ、当該箱内雰囲気を
有機物質が実質的に含まれない半導体級高純度N2ガスで
置換し、その隙間をテープでシールする。そしてこの収
納箱を更にアルミニウム箔製の袋に入れ、当該袋内雰囲
気を半導体級高純度N2ガスで置換し、ウェーハ1aを完全
に清浄な雰囲気下で保管する。
他方ボンドウェーハ1bを石英ボートにセットし、熱酸
化炉内へ送り込み、その全面に酸化膜1cを形成させた後
取り出して冷却後、パーティクルその他の汚染物除去の
ための洗浄を行なう。
この酸化膜形成後に洗浄されたウェーハ1bも、これが
ウェーハ1aと接合されるまでの間に時間を要するときに
は、前記ウェーハ1aの場合と同じように有機物質が実質
的に含まれない清浄な雰囲気下で保管するのが望まし
い。
なおウェーハ1b全面に形成される酸化膜厚さは約0.8
μmである。
次に試験結果を示す。
(試験1) この試験では、クリーンベンチ内雰囲気からの影響を
調べるため、洗浄直後のベースウェーハとボンドウェー
ハとを用意し、これらをクリーンベンチ内に放置してお
く時間を変えた。そして、その後に接合したものについ
てのボイド不良発生率を調べた。
以下の試験では何れの場合もボイドの検出は超音波深
傷計を用いて行ない、ボイドが接合面に1個でも見つか
った場合には、ボイド不良として扱った。
1.条件 (イ)試験に使用したウェーハ ベースウェーハについては直径150mmψ、引上げ結晶
軸(100)、抵抗率0.01Ωcm程度のP型低抵抗ウェーハ
を、ボンドウェーハについては150mmψ、(100)、抵抗
率10Ωcm程度のP型高抵抗ウェーハの全面に厚さ約0.8
μmの熱酸化膜を形成したものを用いた。
(ロ)クリーンベンチ内のクリーン度 0.3μm以上のパーティクルが5個/f3以下となるよう
に制御した。
2.方法 鏡面研磨後洗浄してそれぞれ2時間クリーンベンチ内
に放置しておいたベースウェーハおよびボンドウェーハ
を接合した各10枚単位のサンプル基板S1〜S5を作成し
た。
また、鏡面研磨し洗浄直後のベースウェーハと、洗浄
直後のボンドウェーハとを接合した各10枚単位のサンプ
ル基板S6〜S10を作成した。
作成したサンプル基板S1〜S10についてのボイド不良
発生率を調べた。
3.結果 この結果が第3図に示されている。
この第3図からは、洗浄後2時間放置しておいたベー
スウェーハおよびボンドウェーハを接合したサンプル基
板S1〜S5では、ボイド不良発生率が80%以上と極めて高
いことが判る。一方、この第3図からは、洗浄直後のベ
ースウェーハおよびボンドウェーハを接合したサンプル
基板S6〜S10では、ボイド不良発生率が10%以下と極め
て低いことが判る。
(試験2) この試験では、クリーンベンチ内雰囲気に含まれるパ
ーティクルの影響を調べるため、洗浄直後のベースウェ
ーハおよびボンドウェーハを用意し、それら両者をクリ
ーンベンチ内にそのままの状態で所定時間放置しておい
たものと、半導体級の高純度N2ガス雰囲気の下にそれら
の両者を所定時間放置しておいたものとのパーティクル
数を調べた。また、クリーンベンチ内にそのままの状態
で所定時間放置しておいたもの同士を接合したサンプル
基板と、半導体級の高純度N2ガス雰囲気の下に所定時間
放置しておいたもの同士を接合したサンプル基板とにお
けるボイド不良発生率を調べた。
1.条件 (イ)試験に使用したウェーハ ベースウェーハについては150mmψ、(100)、抵抗率
0.01Ωcm程度のP型低抵抗ウェーハを、ボンドウェーハ
については150mmψ、(100)、抵抗率10Ωcm程度のP型
高抵抗ウェーハの全面に厚さ約0.8μmの熱酸化膜を形
成したものを用いた。
(ロ)クリーンベンチ内のクリーン度 0.3μm以上のパーティクルが5個/f3以下となるよう
に制御した。
2.方法 1時間クリーンベンチ内に放置しておいたベースウェ
ーハと、半導体級高純度N2ガス雰囲気の下に1時間保管
しておいたベースウェーハとにおけるパーティクル数を
サーフスキャンによって計数して比較した。同じく、1
時間クリーンベンチ内に放置しておいたボンドウェーハ
と、半導体級高純度N2ガス雰囲気の下に1時間保管して
おいたボンドウェーハとにおけるパーティクル数をサー
フスキャンによって計数して比較した。
次に、それぞれ1時間クリーンベンチ内に放置してお
いたベースウェーハおよびボンドウェーハを接合したサ
ンプル基板のボイド不良発生率と、それぞれ1時間半導
体級高純度N2ガス雰囲気の下に保管しておいたベースウ
ェーハおよびボンドウェーハを接合したサンプル基板の
ボイド不良発生率とを比較してみた。
3.結果 この結果、1時間クリーンベンチ内に放置しておいた
ベースウェーハと半導体級高純度N2ガス雰囲気下で1時
間保管しておいたベースウェーハ、1時間クリーンベン
チ内に放置しておいたボンドウェーハと半導体級高純度
N2ガス雰囲気下で1時間保管しておいたボンドウェーハ
とにおけるパーティクル数を比較したものでは、さほど
差がないことが確認された。
しかし、それぞれ1時間クリーンベンチ内に放置して
おいたベースウェーハおよびボンドウェーハを接合した
サンプル基板10内についてのボイド不良発生数と、それ
ぞれ1時間半導体級高純度N2ガス雰囲気下で保管してお
いたベースウェーハおよびボンドウェーハを接合したサ
ンプル基板10枚についてのボイド不良発生数とを比較す
ると、前者の場合8枚の不良品があったのに対し、後者
の場合1枚しか不良が発生しなかった。
この点から、ボイド不良発生率は、クリーンベンチ内
雰囲気に含まれるパーティクルに依存しないことが判
る。
(試験3) この試験では、ウェーハの保管雰囲気を変えた場合の
ボイド不良発生率を調べた。
1.条件 (イ)試験に使用したウェーハ ベースウェーハについては150mmψ、(100)、抵抗率
0.02Ωcm程度のP型低抵抗ウェーハを、ボンドウェーハ
については150mmψ、(100)、抵抗率12Ωcm程度のP型
高抵抗ウェーハの全面に厚さ約0.8μmの熱酸化膜を形
成したものを用いた。
(ロ)保管雰囲気 有機物質(THC)の含有量0.1ppm以下の半導体級高純
度N2ガス雰囲気 有機物質(THC)の含有量10ppm以上の高純度N2ガス雰
囲気 有機物質(THC)の含有量0.1ppm以下の半導体級高純
度Arガス雰囲気 有機物質(THC)の含有量10ppm以上の高純度Arガス雰
囲気 2.方法 上記各雰囲気にて1時間保管しておいたベースウェー
ハおよびボンドウェーハを接合したサンプル基板各10枚
についてのボイド不良発生率を比較してみた。
3.結果 その結果、,の場合いずれもボイド不良発生率が
10%以下であったのに対して、,ではボイド不良発
生率が30%以上となった。この結果から、ボイド不良の
発生は、有機物質(THC)の存在に大きく依存すること
が判った。
(他の試験) なお、(試験3)の雰囲気条件,で保管されたも
のについて、どの程度の時間保管できるかについて調べ
たが、いずれも26日間経過後の接合において、ボイド不
良のものは発生しなかった。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき
具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施例では、Siウェーハ同士を直接また
は間接的に接合する素子形成用基板について述べたが、
サファイヤ、石英ガラス等の絶縁基板と半導体単結晶ウ
ェーハを接合したもの即ちSOS基板のSiウェーハの保管
にも適用できる。
なお、上記実施例は、一方のウェーハの熱酸化により
形成した熱酸化膜を介する接合における酸化膜が形成さ
れない側のウェーハの保管を有機物質を実質的に含まな
い雰囲気下で行なう場合について述べたが、これは酸化
膜が形成される側のウェーハにおいては第2図の工程図
に示すように酸化工程を経るので保管殊に洗浄後の保管
が通常短いことを考慮したものである。したがって、当
該洗浄後の保管時間が長くなる場合には、酸化膜を有す
るウェーハの場合も、有機物質を含まない雰囲気中に保
管することが好ましい。もっとも、片面ウェーハの酸化
膜接合におけるボイド不良発生率が小さい場合にも、そ
れにより更に改善が図れることは勿論である。
[発明の効果] 本願で開示の発明により得られる効果を簡単に説明す
れば、本発明は高価なSiウェーハ同士を接合不良のない
よう完全強固に接合する方法を提供するので、これによ
り製造される素子形成用基板の製造歩留りは向上してコ
ウトダウンに寄与すると同時に、同基板の品質向上と安
定化によって、これを用いて製造される半導体素子の品
質歩留りも合わせて向上するという二重の効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(C)はSOI構造の素子形成用基板の製
造方法の各製造工程を示す図、 第2図は本発明に係るウェーハの保管方法を適用する素
子形成用基板の製造工程の説明図、 第3図は洗浄後2時間放置しておいたベースウェーハお
よびボンドウェーハを接合したサンプル基板S1〜S5と、
洗浄直後のベースウェーハおよびボンドウェーハを接合
したサンプル基板S6〜S10とにおけるボイド不良発生率
を示すグフである。 1a……ベースウェーハ、1b……ボンドウェーハ、1c……
酸化膜。
フロントページの続き (72)発明者 深美 正雄 長野県更埴市大字屋代1393番地 長野電 子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−79209(JP,A) 特開 昭62−193260(JP,A) 特開 昭61−183917(JP,A) 特開 昭61−183915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/304 H01L 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の鏡面ウェーハの一方を熱酸化して、
    当該酸化膜を介し両者を接合して構成される半導体素子
    形成用基板の製造にあたり、前記熱酸化しない鏡面ウェ
    ーハを、鏡面研磨して洗浄後接合するまでの間、有機物
    質が実質的に含まれない清浄な雰囲気下で保管すること
    を特徴とするウェーハの保管方法。
  2. 【請求項2】2枚の鏡面ウェーハの鏡面同士を直接接合
    して構成される半導体素子形成用基板の製造にあたり、
    前記鏡面ウェーハを、鏡面研磨して洗浄後接合するまで
    の間、有機物質が実質的に含まれない清浄な雰囲気下で
    保管することを特徴とするウェーハの保管方法。
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WO1997041590A1 (fr) * 1996-04-26 1997-11-06 Sumitomo Sitix Corporation Procede d'assemblage de substrat en semi-conducteur au silicium
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