JP2846403B2 - 湿式微粉砕装置、この装置を用いる固体物質の微粉砕方法、及び固体物質の水分散液を塗布した記録体 - Google Patents

湿式微粉砕装置、この装置を用いる固体物質の微粉砕方法、及び固体物質の水分散液を塗布した記録体

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JP2846403B2
JP2846403B2 JP2086471A JP8647190A JP2846403B2 JP 2846403 B2 JP2846403 B2 JP 2846403B2 JP 2086471 A JP2086471 A JP 2086471A JP 8647190 A JP8647190 A JP 8647190A JP 2846403 B2 JP2846403 B2 JP 2846403B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、固体物質の湿式微粉砕装置に関し、特に粉
砕メディアを充填したサンドミルで固体物質の水分散液
を効率よく湿式微粉砕する装置に関するものである。ま
た、本発明はこの装置を用いる固体物質の微粉砕方法、
及び極めて均一に微細化された固体物質の水分散液を塗
布して得られる各種記録体に関するものである。
「従来の技術」 感熱記録紙や感圧複写紙等の各種記録体又はビデオ用
やオーディオ用テープ等の各種記録媒体では、種々の有
機顔料、有機染料、有機顕色剤、有機可融性物質等の各
種有機固体物質が使用される。
これらの物質は、できるだけ均一に微細化された水ま
たは溶媒分散液として使用するのが望ましく、一般に数
μm以下に微細化されて使用される。
有機固体物質の湿式微粉砕方法としては各種の方法が
知られており、例えば有機固体物質を水や溶媒中に分散
し、これをボールミル、アトライター、サンドグライン
ダー等の粉砕機を用いて湿式粉砕する方法が提案されて
いる。
通常、微粉砕処理を効率よく実施する方法として、ボ
ールミルよりはアトライターが使用され、更に効率的な
粉砕処理には円筒型ベッセルに粉砕メディアを充填した
流通管型サンドミルが使用される。また、流通管型サン
ドミルの中でもベッセルを横に配置した所謂横型サンド
ミルが粉砕メディアの充填率を高めることが出来るの
で、縦型サンドミルよりも高効率処理が可能であるため
広く使用されるようになって来た。
従来、上記の湿式粉砕機を使用して有機固体物質の水
分散液を連続処理する場合に、同種の粉砕機を直列や並
列に複数台並べて配置し、毎分或る一定量の被粉砕分散
液をポンプ等で送り込み粉砕処理するのが一般的な方法
である。
微細化の程度をより高めるには、使用する粉砕機の台
数を増加するか、或いはまた1台当たりの毎分送り込み
処理量を減らし、粉砕作用を受けるベッセル内の滞留時
間を長くする方法を採ることにより、ベッセルの内壁と
回転ディスクの端部で形成される感隙を通過した(所
謂、粗粒子がショートパスを起こす現象を指す。)粗大
粒子の混在を防ぎ均一微細化を画っている。
近年、記録機器等の目覚ましい高速化に伴い記録感度
の大幅な改良が要請されており、特に感熱記録体では有
機染料や有機顕色剤を平均粒子径で、1μm以下0.3μ
m程度まで超微細化する要請も出て来ている。
湿式粉砕法で採用される最も一般的な粉砕機である粉
砕メディアを充填した横型サンドミルでは、平均粒子径
で2μm程度迄の微細化は可能である。しかし、均一に
1μm以下の微細粒子まで微粉砕するのはショートパス
した粗粒子が混在して容易ではなく、極めて長時間の粉
砕処理を必要とするのが、現状である。
例えば、ベッセル容量が50の流通管型サンドミル
に、直径1.5〜1.7mmのガラスビーズを55Kg充填したサン
ドミルで繰り返し粉砕処理を行っても、1.5μm程度以
下の微細粒子を得るには極めて長時間の粉砕処理が必要
であり、10回以上もの粉砕回数を必要とし、従って非生
産的であり、実用上問題が大きい。
そのため、微粉砕または超微粉砕処理を促進するため
に採られてきた方法は、ベッセル内部に充填する粉砕メ
ディアの充填率を高める方法、ディスクの回転速度を上
げる方法、或いは粉砕メディアの材質をできるだけ比重
の思い、例えばガラスビーズよりもジルコニアや金属製
ビーズ等に代えて使用する方法等である。いずれも、問
題を抱えており、なお改善の余地が残されている。
即ち、粉砕メディアの充填率を高めた場合には、それ
に比例してメディアの運動が円滑に行かず、ディスクの
回転動力の負荷増大等があり、他方ディスクの回転を上
げると動力負荷の増大や粉砕液の発熱等が有り好ましく
ない。また、ジルコニアや金属製ビーズの場合は高価で
あることや錆等の問題が付随する。
粉砕メディアのサイズ(直径)については、微小メデ
ィアを用いると微粉砕化効率が極めて顕著に発揮される
場合もあるが、必ずしも常に高効率とは限らない。例え
ば、ベッセル容量100の流通管型サンドミルで直径1.5
〜2.0mmのガラスビーズに代えて直径0.5〜0.64mmのガラ
スビーズを用いて粗粉砕処理をした場合は、却って粉砕
効率が劣ったり、分離機構の目詰り等を起こし、好まし
くない。
また、粗粉砕を完了した平均粒子径が1.6μmの水分
散液を、直径0.6〜0.8mmのガラスビーズを用いて粉砕処
理をしたときには、水分散液の平均粒子径が0.8μm程
度までは極めて効率よく粉砕できるが、それ以下の微細
化処理は効率が落ち、0.8μm以下の微細化は極めて困
難となる。
さらには、微小メディアを使用する場合に、微小メデ
ィアのサイズに応じて目が非常に細かい分離スクリーン
を用いることになるが、かかるときにスクリーンが目詰
りを起こし易い。例えば、横型サンドミルを用いる場合
には、水分散液と共に排出側に流されたメディアが分離
スクリーンでメディアと水分散液は分離されるので、メ
ディアのみが排出側に集中することになって、目詰りを
促進することになる。
そして、目詰りを起こしたときには、ベッセル内の圧
力が高くなり、その結果駆動軸の軸封シール機構を破損
したり、ミル内における水分散液の液温や粘度等が上昇
して問題を起こす。
上記の如き問題を解決するため、種々な提案がなされ
ている。
例えば、特開昭63−93337号には、撹拌ディスクに突
起体や穴を設け、メディアに強いシェアー力を与え且つ
乱流を起こさせて粉砕効率を向上させる方法が、特開昭
53−8866号には、ディスクに3ケ以上の傾斜面を有する
穴を設け、メディアの移動を助ける方法が開示されてい
る。また、特開昭55−145544号には、平板ディスクと傾
斜面を有する穴を設けた撹拌ディスクを交互に配置して
被粉砕物がショートパスするのを防止する方法等が提案
されている。
前記の方法は、微粉砕の促進にある程度の効果を発揮
するが、ベッセル内をショートパスした粗粒子が混在
し、細かい粉砕メディアを用いて微細化を促進しようと
するミル運動中に微小粉砕メディアが液の排出口付近に
集中することになり、被粉砕分散液の増粘、ベッセル内
での撹拌不良、ショートパス等の不良現象が発生し、均
一にサブミクロンまで、効率よく微粒化することは極め
て困難である。
「発明が解決しようとする課題」 本発明は、ショートパス等による粗粒子の混在が防止
され、破砕効率の改善された固体物質の湿式微粉砕装
置、この装置を用いる固体物質の微粉砕方法、及び極め
て均一に微細化された固体物質の水分散液を塗布して得
られる記録体を提供するものである。
「課題を解決するための手段」 本発明は、導入口から円筒型ベッセル内に導入した被
粉砕分散液と粉砕メディアからなる混合物を回転ディス
クで混合撹拌させて粉砕処理を行い、排出側に設けられ
たスクリーンで粉砕後の分散液とメディアを分離する湿
式微粉砕装置において、当該ベッセル(1)内で混合物
を、導入側から回転ディスク(2)の先端部とベッセル
内壁とのなす間隙を通り排出側に至る流れと、導入側か
らディスクの開口部(3)を通り排出側に至る流れと、
排出側からディスクの開口部(4)を通り導入側に戻る
流れに形成するための開口部を加工した少なくとも1個
のディスクを駆動軸(5)に設けたことを特徴とする湿
式微粉砕装置、この微粉砕装置を複数台使用して固体物
質を微粉砕処理することを特徴とする固体物質の微粉砕
方法、及びこのようにして微粉砕して得られる固体物質
の微粒子を含む水分散液を塗布した記録体である。
「作用」 本発明の湿式微粉砕装置、この装置を用いる固体物質
の微粉砕方法、及びこのようにして微粉砕して得られる
固体物質の微粒子を含む水分散液を塗布した記録体につ
いて、第1図に基づきさらに詳細に説明する。
第1図に示すように、本発明の湿式微粉砕装置(6)
として使用されるサンドミルは、例えばその内部に粉砕
メディアと呼ばれる細かいビーズを充填し、導入口
(7)から円筒型ベッセル(1)内に導入した被粉砕分
散液と粉砕メディアからなる混合物を回転ディスク
(2)で混合撹拌させて粉砕処理を行う方式の横型のサ
ンドミルである。
かかるサンドミルにおいて、ベッセル内で混合物を、
導入側からディスクの先端部とベッセル内壁とのなす間
隙を通り排出側に至る流れと、導入側からディスクの開
口部(3)を通り排出側に至る流れと、排出側からディ
スクの開口部(4)を通り導入側に再循環する流れに形
成するために、回転ディスクには開口部が加工される。
その詳細が第2図に示されるが、回転ディスクには、
駆動軸(5)に通すための穴部がその中心に設けられ、
また排出側から導入側に再循環する流れを形成するため
の開口部(4)が、駆動軸を中心にして同心円上に90゜
毎に、第2図におけるA−A′断面図である第3図に示
すように加工される。排出側から導入側に再循環する流
れを形成するために、第2図におけるC−C′断面図で
ある第4図に示すように、傾斜面が加工される。
さらに、その外側には導入側から排出側に至る流れを
形成するための開口部(3)が、駆動軸を中心にして同
心円上に90゜毎に、第2図におけるB−B′断面図であ
る第5図に示すように加工される。導入側から排出側に
至る流れを形成するために、第2図におけるD−D′断
面図である第6図に示すように、傾斜面が加工される。
本発明において、両開口部の傾斜面の角度は、特に規
定されるものではないが、5〜85゜の範囲の角度が混合
物の流れを開口部(4)を通り排出側から導入側に再循
環する流れと、開口部(3)を通り導入側から排出側に
至る流れを形成するために好ましい範囲であるが、傾斜
面の加工性の面からは45度がとりわけ好ましく用いられ
る。
ディスクに設けられる両開口部の位置は、ベッセル内
で混合物の流れを排出側から導入側に再循環する流れ
と、導入側から排出側に至る流れを形成し、且つ流れの
停止点を作らないように工夫するのが望ましい。従っ
て、開口部(4)はディスクの半径の大きさを100%と
した場合、軸芯より15〜50%の範囲の位置に設けるのが
好ましく、より好ましくは30〜40%の範囲の位置であ
る。また、開口部(3)は外側に設ける程好ましくない
が、ディスク加工上60〜90%、より好ましくは65〜80%
の位置に設けられる。
開口部の大きさは、開口部(3)を通り導入側から排
出側に至る流れに対して、開口部(4)を通り排出側か
ら導入側に再循環する流れの方がより多い流れとなるよ
うに、開口部(4)は開口部(3)より小さく設定する
のが望ましい。いずれにしても、両開口部を合わせた大
きさは、ディスクの有する強度等の理由により、ディス
クの片面の大きさに対して50%以下に設定するのが好ま
しい。
開口部の数は特に制限されず、複数個が設けられてい
ればよいが、ディスクの回転時のダイナミィックバラン
スが取り易いように4、6、8、10、12等の偶数個を対
照の位置に設けるのが望ましい。
まず、開口部の断面形状は特に規定されず、円形、多
角形、楕円形等も差し支えないが、加工の容易なことよ
り特に円形が好ましい。
かかる回転ディスクを、第1図に示すように、横型サ
ンドミルの駆動軸に例えば7枚を固定した後、図示され
ない駆動モーターで回転し、水分散液を微粉砕処理した
場合には、粉砕メディアが排出口付近に集中したり、ま
たはショートパスにより粗大粒子が混在したりすること
なく、粒度分布がシャープで且つ平均粒子径が小さな水
分散液が極めて効率よく得られることが、分かった。
このように、水分散液を極めて効率よく微粉砕処理を
行うことのできる理由は、必ずしも明らかではないが、
以下のように推定できる。
即ち、従来方法の場合には、ディスクの外周部と軸芯
部ではディスクの周速度に大差があり、ディスクの外周
部に位置する水分散液には粉砕力が強力に作用する。と
ころが、それより内側、特に駆動軸付近に位置する水分
散液には粉砕力が弱く作用するだけであり、メディアや
水分散液を移動させる力や撹拌する力がディスクの外周
部のものに比べて弱いので、水分散液は強い粉砕力を受
けないままに排出口より外部に排出される。
しかし、本発明の装置の場合には、水分散液を開口部
(4)を通過して毎分10数回も高速で再循環させること
により、水分散液が粉砕力を受ける頻度が従来に較べて
高くなり、均一に微粉砕できるものと推定される。
かくの如く本発明のサンドミルは、メディアの分布が
均一になり、分離スクリーン(8)の目詰まりがなく、
固体物質の微粉砕を効率よくできる装置である。
また、本発明のサンドミルを用いて固体物質を湿式微
粉砕する際に、処理しようとする水分散液量の少なくと
も2倍以上の水分散液を開口部(4)を通過して再循環
させる方法も特徴とするものであるが、再循環量が多い
程ショートパスによる粗大粒子の混在が少なくなる理由
である。
しかし、処理しようとする水分散液の量を余りに多く
し過ぎると、メディアと水分散液を分離するための分離
スクリーンのスクリーンに負荷が掛かり過ぎて好ましく
ない。
また、再循環量が2倍よりも少ない場合には、本発明
の再循環させる効果が得られ難いので、これ以下での使
用は望ましくない。
なお、上記のようにして開口部(4)を通過して再循
環させる水分散液の量が決定されるが、この量に対して
ディスクの先端部とベッセル内壁とのなす間隙を通る水
分散液と、開口部(3)を通過する水分散液を合わせた
量を、好ましくは2〜20%少なくなるように、より好ま
しくは5〜15%少なくなるように設定するのが望まし
い。
また、第7図に示すように、本発明のサンドミルを例
えば直列に4台並べて水分散液を連続的に粉砕処理する
方法では、最終段のサンドミルではその他のミルとは異
なり、ベッセルの排出口(9)からストレージタンク
(10)内に向かって配管が設置されている。従って、低
粘度の水分散液を処理する場合や、当初は高粘度であっ
たものが分散処理中に水分散液の温度が上昇し、その結
果低粘度に変化したような場合等に、ベッセルの排出口
から送り出された水分散液が内部を再循環しないで、略
全量がストレージタンク内にそのまま送り込まれてしま
い、ベッセルの水分散液が空になったり、または分散液
の流量が変動する問題となる。
このようなときには、ミルとストレージタンクの間の
配管に圧力調節弁(11)と、その後段には流量調節弁
(12)を設け、ベッセル内圧を0.1kg/cm2以上、好まし
くは1.5〜2.5kg/cm2に高く調節すると、水分散液の内部
の再循環は極めて良好になり高効率な微粉砕処理が可能
になる。
さらに、このようにして得られた有機固体物質の水分
散液を各種記録体に適用すると極めて高感度(高濃度)
の製品が得られるが、かかる記録体について以下に詳細
に述べる。
有機固体物質の水分散液を得るためには、各種の分散
剤が使用されるが、かかる分散剤としては、例えばポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、アクリル酸誘導体、スルホン酸誘導体、
無水マレイン酸誘導体、ゼラチン等の各種水溶性高分子
化合物やアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤
等の各種界面活性剤の1種以上が適宜選択して使用され
る。水分散液に添加する分散剤の量は必要最小量が好ま
しい。ところが、ミルによって湿式粉砕すると有機固体
物質の表面積が増加し、粉砕の進行に伴い分散剤の必要
量が増加する。従って、粉砕工程の途中で分散剤を追加
添加することが好ましい。
他方、分散剤の種類によっては、水分散液の流動形態
が変わることがある。例えばポリビニルアルコール系の
ものは分散力は大であるが添加量が多いとダイラタント
流動になる。その点、メチルセルロース系のものは機械
的剪断力には弱い面があるがシュードプラスチック流動
を示し、高剪断速度時にも粘度が上昇しないといったメ
リットがあり、目開きの小さいメディアが分離機構に対
しても目詰りが起こらず、好ましい分散剤の1つであ
る。
なお、本発明者等の検討結果によれば、サンドミルで
処理する際の有機固体物質水分散液に最初から全量の分
散剤を添加するより、分割して添加する方が好ましく、
とりわけ本発明の方法で3〜6台のミルを連続して使用
し湿式微粉砕する際には、サンドミルで粗粉砕する直前
に所要とする全分散剤の40〜60重量%を添加し、残りの
分散剤を微細化に伴って各ミルの直前で有機固体物質水
分散液中に分割添加すると発泡や増粘現象(泥つき)が
緩和され、細い分離機構での目詰り等のトラブルが無
く、微細化が極めて効率良く達成されることが明らかと
なった。勿論、分散剤の添加にあたっては、上記した以
外に更に分割して効率の上がる添加方法を適宜採用でき
るものである。
本発明の方法で微粉砕される有機固体物質としては、
各種の固体状有機物質が挙げられるが、特に感熱記録体
や感圧複写紙等の各種記録体において使用される有機顔
料、有機染料、有機顕色剤、有機熱可融性物質の各種有
機物質の微細化に本発明の方法を適用すると極めて顕著
な効果が得られる。なお、温度を下げることによって固
体状になる液状物質の微細化にも本発明の方法を適用す
ることが可能である。
感熱記録体や感圧複写紙等で使用される有機染料とし
ては、各種のものが知られており、例えば無色ないし淡
色の塩基性染料としては、3,3−ビス(p−ジメチルア
ミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドー
ル−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−
ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバ
ゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,
3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−
ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェ
ニル−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジ
メチルアミノフタリド等のトリアリルメタン系染料、4,
4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエ
ーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,
4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェ
ニルメタン系染料、ベンゾイルロイコメチレンブルー、
p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジ
ン系染料、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−
エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフト
ピラン、3−メチル−ナフト−(6′−メトキシベン
ゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピ
ラン等のスピロ系染料、ローダミン−Bアニリノラクタ
ム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ロー
ダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム等のラクタム系
染料、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−5
−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エ
チル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルア
ミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチル
−N−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフル
オラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シク
ロペンチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルア
ミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カル
ボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−(N−
エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−フ
ェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノ
フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−フェニ
ルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミ
ノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p
−ブチルフェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−
N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒド
ロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン等のフルオラン系染料等が挙げられる。
また、塩基性染料と接触して呈色する有機顕色剤も各
種のものが公知であり、例えば4−tert−ブチルフェノ
ール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトー
ル、β−ナフトール、4−ヒドロキシアセトフェノー
ル、4−tert−オクチルカテコール、2,2′−ジヒドロ
キシジフェノール、2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−tert−イソブチルフェノール)、4,4′−イソプ
ロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,
4′−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェ
ノール、4,4′−イソプロピリデンジフェノール(ビス
フェノールA)、2,2′−メチレンビス(4−クロルフ
ェノール)、ハイドロキノン、4,4′−シクロヘキシリ
デンジフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ヒドロキノンモノベ
ンジルエーテル、4−ヒドロキシフェニル−4′−イソ
プロピルオキシフェニルスルホン、ノボラック型フェノ
ール樹脂、フェノール重合体のフェノール性化合物、安
息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香
酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ
安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチ
ル酸、3−イソプロルサリチル酸、3−tert−ブチルサ
リチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチル
ベンジル)サリチル酸、3−クロル−5−(α−メチル
ベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチ
ル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジ
ル)サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチ
ル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化
合物、芳香族カルボン酸と、例えば亜鉛、マグネシウ
ム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、ス
ズ、ニッケル等の多価金属との塩等の有機酸性物質等が
例示される。
さらに、有機熱可融性物質としては、例えばステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワッ
クス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワ
ックス等のワックス類、ステアリン酸アミド、ステアリ
ン酸メチレンビスアミド、オレイン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド類、2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチ
ル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェノール)
ブタン等のヒンダードフェノール類、2−(2′−ヒド
ロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等
の紫外線吸収剤、ジベンジルテレフタレート、1,2−ジ
(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシ
エタン、1−フェノキシ−2−(4−メチルフェノキ
シ)エタン、4,4′−エチレンジオキシ−ビス−安息香
酸ジフェニルメチルエステル、テレフタル酸ジメチルエ
ステル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸
ジベンジルエステル、p−ベンジル−ビフェニル、1,4
−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレ
ン、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル等の各
種公知のものが挙げられる。
本発明の方法で得られる各種の有機固体物質水分散液
は、有機固体物質が極めて均一に微細化されているた
め、感熱記録体や感圧複写紙等の各種記録体をはじめ、
幅広い技術分野で有効に活用される。特に、使用材料の
微粒子化要請の強い感熱記録体に適用した場合には、極
めて優れた記録感度のものが得られるため、本発明の方
法を適用して最も効果の上がる実施態様の1つである。
なお、本発明の方法で微細化された有機固体物質の水
分散液を使用する限り、感熱記録体の製造方法等につい
ては特に限定されず、各種公知の方法が適宜選択して適
用される。
因みに、記録層中の塩基性無色染料と顕色剤の使用比
率は、一般に塩基性無色染料1重量部に対して1〜50重
量部、好ましくは1〜10重量部程度であり、記録層を形
成する塗液中には、塩基性無色染料と顕色剤の他に接着
剤成分として、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム、ポリビニル
アルコール、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体
塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・
アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体
塩、天然ゴム系エマルジョン、スチレン・ブタジエン共
重合体エマルジョン、アクリロニトリル・ブタジエン共
重合体エマルジョン、メチルメタクリレート・ブタジエ
ン共重合体エマルジョン、ポリクロロプレンエマルジョ
ン、酢酸ビニルエマルジョン、エチレン・酢酸ビニルエ
マルジョン等が添加される。また、顔料成分として、例
えば珪藻土、焼成珪藻土、カオリン、焼成カオリン、ホ
ワイトカーボン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タル
ク、クレー、焼成クレー等の無機顔料、スチレンマイク
ロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、
尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒等の有機顔料
等が添加されるが、勿論これらの例示物質に限定される
ものではなく、また、必要に応じて2種以上を併用する
ことも可能である。
さらに、記録層塗液中にはその他の各種助剤を適宜添
加することができ、例えばジオクチルスルフォコハク酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、
アルギン酸塩、脂肪酸金属塩等の分散剤、前述の如き各
種熱可融性物質、消泡剤、蛍光染料、着色染料等が挙げ
られる。
記録層の形成方法も特に限定されず、例えばエアーナ
イフコーター、ブレードコーター、ロールブレード、バ
ーコーター、グラビアコーター、多層コーター等の適切
な塗布装置により記録層形成塗液を支持体上に塗布・乾
燥する方法等によって形成される。塗液の塗布量につい
ても特に限定されず、一般に乾燥重量で2〜12g/m2
度、好ましくは3〜10g/m2程度の範囲で調節される。
支持体についても特に限定されず、上質紙、ヤンキー
マシンで抄造した原紙、片面艶出し原紙、両面艶出し原
紙、キャストコート紙、アート紙、コート紙、中質コー
ト紙等の紙類、合成繊維紙、合成樹脂フィルム等が適宜
使用される。また、記録層を塗布・乾燥後、必要に応じ
てスーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施したり、
記録層上に記録層を保護する等の目的でオーバーコート
層を設けたり、支持体に下塗り層や裏塗り層を設ける感
熱記録体分野における各種の公知技術が付加できる。
かくして得られる本発明の感熱記録体は、均一に微細
化された塩基性染料、顕色剤、熱可融性物質等の水分散
液を使用しているため、記録感度が極めて良好であり高
速記録に十分適応できる優れた特性を備えている。
「実施例」 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、勿論かかる実施例に限定されるものではない。又、
特に断らない限り例中の部及び%はそれぞれ「重量部」
及び「重量%」を表す。
(実施例1) 〔塩基性染料分散液の微粉砕処理〕 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミ
ノフルオラン 100部 1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン 250部 メチルセルロースの2%水溶液 200部 ジ(トリデシル)スルホコハク酸ソーダ 10部 水 200部 からなる塩基性染料の水分散液を分散槽で調製し、こ
のようにして調製した水分散液を、第1図に示す横型サ
ンドミル(ベッセルの形状;内径30cm×長さ75cm×容量
50、回転ディスク;直径27cm×厚さ2cm×枚数7枚、
開口部(4);直径5cm×4個で、その位置は回転軸芯
より5cmのところ、開口部(3);直径2cm×4個で、そ
の位置は回転軸芯より11cmのところ、両開口部の傾斜面
の角度をいずれも45゜に加工した。)を第7図に示す如
く直列に4台配置し、供給ポンプ(13)により処理流量
180kg/時で水分散液を送りながら、ベッセル内で開口部
(4)で導入側へ再循環させながら、開口部(3)で排
出側へ移動し、4台のミルを連続通過させて微粉砕処理
を行った。このときのミルの条件は:粉砕メディアの材
質がガラスビーズで、その平均粒子径と充填率が0.5〜
0.7mmと85%であり、外周速度は10m/secであった。
また、最終段のミルのストレージタンクに導かれる配
管上に設けられた圧力調節弁(11)と流量調節弁(12)
を使用し、圧力を1.5kg/cm2に設定し、排出量を調節し
た。
かくして直列湿式連続粉砕を行い、表−1に示すよう
な平均粒子径と、累積90%の粒子径を有する塩基性染料
の水分散液を得た。
なお、累積90%時の粒子径とは、個々の粒子の直径を
測定し、かかる測定結果から粒子径の分布を描き、最小
の分布幅から順次に累積していき、全粒子体積に対して
90%になった場合の粒子径である。又、全粒子体積に対
して50%体積になったときの粒子径が平均粒子径であ
る。
(実施例2) 実施例1において、使用した回転ディスクの両開口部
を2個に減じたものを使用した以外は、同様にして直列
湿式連続粉砕を行い表−1に示すような平均粒子径と、
累積90%時の粒子径を有する塩基性染料の水分散液を得
た。
(実施例3) 実施例1において、使用したディスクの開口部(3)
の位置を回転軸芯より12cmに変更したものを使用した以
外は、同様にして直列湿式連続粉砕を行い表−1に示す
ような平均粒子径と、累積90%時の粒子径を有する塩基
性染料の水分散液を得た。
(比較例1) 実施例1において、フラットな従来型ディスク7枚を
使用した以外は、同様にして直列連続粉砕を行い、表−
1に示すような平均粒子径と累積90%時の粒子径を有す
る塩基性染料の水分散液を得た。
この場合、長時間に亘っての連続運転中に、粉砕メデ
ィアが排出口付近に集中したためか、排出口から出てき
た水分散液の温度が実施例より3〜8℃高かった。
(比較例2) 実施例1において、ディスク開口部に傾斜綿を加工し
ていないディスクを7枚とも使用した以外は、同様にし
て直列連続粉砕を行い表−1に示すような平均粒子径と
累積90%時の粒子性を有する塩基性染料の水分散液を得
た。
(実施例4) 〔顕色剤分散液の微粉砕処理〕 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルス
ルホン 400部 メチルセルロースの2%水溶液 200部 ジオクチルスルホコハク酸ソーダ 5部 水 250部 からなる顕色剤の水分散液を分散槽で調製し、調製を
終えた水分散液を、実施例1で適用した塩基性染料分散
液の場合と同様の条件で、流量180Kg/時でもって4台の
ミルを連続通過させて微粉砕処理を行い、表−1に示す
ような平均粒子径と累積90%時の粒子径を有する顕色剤
水分散液を得た。
(実施例5) 実施例4において、使用したディスクの開口部(3)
の位置を回転軸芯より12cmに変更したものを使用した以
外は同様にして微粉砕処理を行い、表−1に示すような
平均粒子径と、累積90%時の粒子径を有する顕色剤水分
散液を得た。
(実施例3) 実施例4において、フラットな従来型のディスクを7
枚とも使用した以外は、同様にして連続微粉砕を行い、
表−1に示すような平均粒子径と、累積90%時の粒子径
を有する顕色剤水分散液を得た。
この場合、粉砕処理時の水分散液は実施例のときより
も5〜10℃高くなったので冷却液の温度を下げて対処し
た。
(比較例4) 実施例4において、ディスク開口部に傾斜面を加工し
ていないディスクを7枚とも使用した以外は、同様にし
て直列湿式連続粉砕を行い、表−1に示すような平均粒
子径と、累積90%時の粒子径を有する顕色剤水分散液を
得た。
なお、染料及び顕色剤の平均粒子径と累積90%時の粒
子径は、MICROTRAC PARTICLE SIZE ANALYZER(日機製株
式会社製)を用いて測定した。
また、上記の如くショートパスに起因して粗大粒子が
混在するが、粗大粒子の平均粒子径を(a)、累積90%
時の粒子径を(b)とした場合に、b/aでもって表現し
て目安とし、その結果も表−1に示した。
(実施例6及び7) 実施例5で得た顕色剤分散液712部に、この液にメチ
ルメタクリレート・アクリルアミド共重合体の10%水溶
液を1000部と、無定形酸化珪素100部を分散槽でプロペ
ラミキサーを使用して十分に撹拌を行い、さらにステア
リン酸亜鉛の30%水分散液30部を加えた後に、実施例1
及び実施例3の方法で得られた塩基性染料の水分散液82
6部を添加(それぞれ実施例6及び実施例7)、撹拌し
て感熱記録紙用塗被液を調製した。
次いで、米坪50g/m2の原紙に無定形酸化珪素100部、
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス10部(固形
分)、カルボキシメチルセルロース2部(固形分)から
なる35%濃度の水分散液をブレードコーターで乾燥後の
塗被量が7g/m2となるように塗被、乾燥した。この塗被
層面上に、上記の感熱記録紙用塗被液をブレードコータ
ーで乾燥後の塗被量が3.2g/m2となるように塗被、乾燥
し、さらにスーパーキャレンダーで感熱記録層表面のベ
ック平滑度が450秒となるように平滑化処理を施し、2
種類の感熱記録紙を得た。
(実施例8、9) 実施例6、7において、実施例1及び実施例3の方法
で得られた塩基性染料の水分散液を578部添加に変更し
た以外は(それぞれ実施例8及び実施例9)、実施例6
及び実施例7と同様にして2種類の感熱記録紙を得た。
(比較例5) 実施例7において、実施例3の塩基性染料水分散液の
代わりに比較例1の染料を用い、実施例5の顕色剤水分
散の代わりに比較例3の顕色剤を用いた以外は実施例7
と同様にして感熱記録紙を得た。
(比較例6) 比較例5において、比較例1の塩基性染料水分散液の
代わりに比較例2の染料を用い、比較例3の顕色剤水分
散液の代わりに比較例4の顕色剤を用いた以外は比較例
5と同様にして感熱記録紙を得た。
〔感熱記録紙の評価〕
かくして得られた6種類の感熱記録紙を市販の感熱フ
ァクシミリ(商品名;NEFAX−2,日本電気社製)で記録
し、その記録濃度をマクベス濃度計で測定して得られた
結果を表−2に示した。
「効果」 本発明のサンドミルによるか、またはこれを複数台並
べた方法で微粉砕処理すると、表の結果から明らかなよ
うに、少数のサンドミルで極めて効率よく微粉砕でき、
比較例に比べてその平均粒子径は極めて小さく、また粗
大粒子の混在も少なくなり、且つ微粉砕後の染料及び顕
色剤を使用して製造された感熱記録紙は優れた記録感度
を示し、記録濃度が極めて高いものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の傾斜面が加工された開口部を有する
回転ディスクを、横型のサンドミルに適用する場合の断
面図である。第2図は、本発明の回転ディスクの詳細図
である。第3図及び第4図は、第2図におけるA−A′
断面とC−C′断面を示す図である。第5図及び第6図
は、第2図におけるB−B′断面とD−D′断面を示す
図である。第7図は、サンドミルを直列に4台並べた場
合の微粉砕方法の概略フローを示す図である。 (1)……ベッセル、(2)……回転ディスク (3)……外側の開口部、(4)……内側の開口部 (5)……駆動軸、(6)……湿式微粉砕装置 (7)……導入口、(8)……分離スクリーン (9)……排出口、(10)……ストレージタンク (11)……圧力調節弁、(12)……流量調節弁 (13)……供給ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−107852(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B02C 17/00 - 17/12

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導入口から円筒型ベッセル内に導入した被
    粉砕分散液と粉砕メディアからなる混合物を回転ディス
    クで混合撹拌させて粉砕処理を行い、排出側に設けられ
    たスクリーンで粉砕後の分散液とメディアを分離する湿
    式微粉砕装置において、当該ベッセル(1)内で混合物
    を、導入側から回転ディスク(2)の先端部とベッセル
    内壁とのなす間隙を通り排出側に至る流れと、導入側か
    らディスクの開口部(3)を通り排出側に至る流れと、
    排出側からディスクの開口部(4)を通り導入側に戻る
    流れに形成するための開口部を加工した少なくとも1個
    のディスクを駆動軸(5)に設けたことを特徴とする湿
    式微粉砕装置。
  2. 【請求項2】内側の開口部には、排出側から導入側に再
    循環する流れを形成する方向に傾斜面が加工され、さら
    にその外側の開口部には導入側から通り排出側に至る流
    れを形成する方向に傾斜面が加工されていることを特徴
    とする請求項(1)記載の湿式微粉砕装置。
  3. 【請求項3】両開口部の傾斜面の角度が、5〜85゜の範
    囲の角度であることを特徴とする請求項(1)又は
    (2)記載の湿式微粉砕装置。
  4. 【請求項4】排出側から導入側に再循環する流れを形成
    するための開口部の位置が、ディスクの半径の大きさを
    100%とした場合、軸芯より15〜50%の範囲であり、ま
    た導入側から通り排出側に至る流れを形成するための開
    口部の位置が軸芯より60〜90%であることを特徴とする
    請求項(1)又は(2)記載の湿式微粉砕装置。
  5. 【請求項5】固体物質の水分散液を複数台のサンドミル
    を用いて湿式微粉砕する方法において、粉砕処理しよう
    とする混合物の量の少なくとも2倍以上の水分散液を、
    内側の開口部を通過して再循環させることを特徴とする
    固体物質の湿式微粉砕方法。
  6. 【請求項6】最終段のサンドミルにおいて、ミルとスト
    レージタンクの間の配管に設けた流量調節弁でタンクに
    送る混合物の量を調節することを特徴とする請求項
    (5)記載の固体物質微粉砕方法。
  7. 【請求項7】固体物質が有機顔料、有機染料、有機顕色
    剤、有機可融性物質又はこれらの混合物である請求項
    (5)項記載の固体物質の湿式微粉砕方法。
  8. 【請求項8】請求項(5)〜(7)の方法で微粉砕され
    た有機固体物質の微粒子を含む水分散液を塗布した記録
    体。
  9. 【請求項9】記録体が、感熱記録体である請求項(8)
    記載の記録体。
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