JP2843340B2 - 電動車両 - Google Patents

電動車両

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JP2843340B2
JP2843340B2 JP63283389A JP28338988A JP2843340B2 JP 2843340 B2 JP2843340 B2 JP 2843340B2 JP 63283389 A JP63283389 A JP 63283389A JP 28338988 A JP28338988 A JP 28338988A JP 2843340 B2 JP2843340 B2 JP 2843340B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、駆動力源としてモータ(電動機)を搭載し
た電動車両に係り、特にモータを各車輪にそれぞれ対応
させて設けた電動車両に関するものである。
[従来の技術] 従来より、駆動力源としてモータを1台搭載した電動
車両が知られている。このような電動車両では、駆動力
に限界があり、また、効率が悪いと共に、駆動力を大き
くすればスリップ等が発生しやすいという欠点があっ
た。
これに対し、第8図に示すように駆動力源として各車
輪に対応させてモータを設け、4輪独立駆動方式とした
電動車両が提案されている。第8図中、81〜84は車輪、
85〜88はモータを示している。このような電動車両にお
いては、前記のようにモータを1台のみ搭載した電動車
両と比較して、スリップ等は起こりにくくなり運転性能
は向上されている。しかしながらそれでも従来のものに
おいては、それら複数のモータ65〜68を全て同じ出力と
なるように常にバランスさせて制御しているため、坂道
や急加速時あるいは急制動時においてはまだスリップを
起こすことがあった。これは、例えば急加速時には、一
般に前輪よりも後輪に荷重が大きく係り、後輪と路面と
の摩擦力は増加する反面、前輪と路面との摩擦力が減少
するため、前輪がスリップしてしまうものである。
また、各モータ85〜88を全て同じ出力となるように常
にバランスさせて制御していることによって、電動車両
全体としてみたときの総合的な効率が悪いという欠点も
あった。
この点について詳述すれば、まず、一般的にモータの
効率は第7図に示すように、回転速度と出力トルクとに
応じて変化してくる。そこで、第8図の場合のように4
台のモータで車両を駆動する場合の効率を考えてみる
と、第7図の「A」の回転速度で各モータが回転して車
両が走行しているとき、運転者がアクセルペダルを操作
して車両に対して「2B」のトルクを要求した場合には、
従来のものでは4台のモータがそれぞれ「B/2」のトル
クを出力するように制御されることとなるため、効率は
「X」にしかならなかった。しかしながら、「B」のト
ルクが1台のモータでも十分まかないきれる範囲にある
ならば、2台のモータは出力がそれぞれ「B」となるよ
うに制御し、もう2台は出力がゼロとなるように制御す
れば、効率は「Y(>X)」となって効率を向上させる
ことができるものである。
特に、バッテリーを搭載して走行する電動車両では、
一般的にバッテリーの重量が大きいためにガソリンエン
ジン車と比較して走行距離が短いという問題があり、従
って車両の効率を向上させることは、バッテリー重量の
軽減、走行距離の増加等の観点から電動車両の技術分野
において非常に重要な課題となっているものである。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記の課題を解決するものであって、選択
的に電動車両としての効率向上が求められるときには、
電動車両の速度すなわちモータの回転速度と当該車両に
要求されている駆動力値とに基づいて、電動車両の全モ
ータの効率がより向上するように各モータの駆動力指令
値をそれぞれ別個に決定し、その値に応じて各モータを
制御するようにし、また、選択的に駆動力が求められる
ときには、各車輪に係る荷重と当該車両に要求されてい
る駆動力値とに基づいて、各車輪のうち、荷重が大きく
係る車輪には要求される駆動力に応じて駆動力配分が多
くなるように、また、荷重が小さく係る車輪には要求さ
れる駆動力に応じて、駆動力配分が少なくなるように、
各車輪を駆動するモータを制御するようにして、車両全
体として必要な駆動力を確保しつつ、総合的効率が高
く、走行性が良好で、かつ安定性、安全性の高い電動車
両を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] そのために特許請求の範囲第1項記載の電動車両は、
駆動力源として複数の車輪に対してそれぞれ別個にモー
タを連結した電動車両において、電動車両の速度を検出
する車両速度検出手段(1)と、電動車両の各車輪に係
る荷重を検出する荷重検出手段(2)と、電動車両の要
求される駆動力を検出する要求駆動力検出手段(21)
と、効率重視モードと駆動力重視モードのいずれかを選
択するモード切り換え手段(29)と、モード切り換え手
段により効率重視モードが選択されたときには、前記車
両速度検出手段(1)及び要求駆動力検出手段(21)よ
り検出された車両速度及び要求駆動力に基づいて、各モ
ータの駆動力の総和が前記要求駆動力を満足するととも
に、各モータに与えるべきエネルギー量の総和が最小と
なる駆動力指令値を前記複数の各モータ毎に決定し、駆
動力重視モードが選択されたときには、前記荷重検出手
段及び要求駆動力検出手段より検出された各車輪に係る
荷重及び要求駆動力に基づいて、前記各車輪のうち、荷
重が大きく係る車輪には前記要求駆動力に応じて駆動力
配分が多くなるように、荷重が小さく係る車輪には前記
要求駆動力に応じて駆動配分が少なくなるように、前記
各モータ毎に駆動力指令値を決定する演算手段(2)
と、演算手段により決定された駆動力指令値に基づいて
各モータの駆動力を制御する制御手段(4)とを備える
ことを特徴とする。
特許請求の範囲第2項記載の電動車両は、特許請求の
範囲第1項記載の電動車両において、前記電動車両のス
テアリング角を検出するステアリング角検出手段(24)
を有し、前記演算手段は(2)は、該ステアリング角検
出手段からのステアリング角に基づいて前記決定された
駆動力指令値を補正する第1の補正手段(38)を備える
ことを特徴とする。
特許請求の範囲第3項記載の電動車両は、特許請求の
範囲第1項記載の電動車両において、前記各モータの温
度を検出する温度検出手段(25)を有し、前記演算手段
(2)は、該温度検出手段からの温度に基づいて前記決
定された駆動力指令値を補正する第2の補正手段(39)
を備えることを特徴とする。
特許請求の範囲第4項記載の電動車両は、特許請求の
範囲第1項記載の電動車両において、前記モード切り換
え手段(29)は、電動車両の車輪のスリップが検出され
たときに、前記駆動力重視モードを選択することを特徴
とする。
特許請求の範囲第5項記載の電動車両は、特許請求の
範囲第1項記載の電動車両において、前記モード切り換
え手段(29)は、運転者が効率重視モードと駆動力重視
モードのいずれかを選択可能なスイッチであることを特
徴とする。
[作用および発明の効果] 特許請求の範囲第1項記載の電動車両では、モード切
り換え手段によって、効率重視モードと駆動力重視モー
ドのいずれかが選択可能となされており、電動車両とし
ての効率の重視が求められるときには、搭載モータの効
率を決定付ける車両速度即ちモータ回転速度と、当該車
両に要求される駆動力値とに基づいて、各モータの駆動
力の総和が前記要求駆動力を満足するとともに、各モー
タに与えるべきエネルギー量の総和が最小となる駆動力
指令値を前記複数の各モータ毎に決定するので、電気エ
ネルギーの消費の観点からみた電動車両の全モータの効
率が最大となるように要求駆動力を各モータに配分する
ことが可能となる。
即ち、上述したように、本発明の目的の一つは、電動
車両としての効率向上が求められるときには、電動車両
の全モータの効率がより向上するようにすることである
が、「電動車両の全モータの効率をより向上させる」と
いうことは、即ち、「あるトルクを出力するというと
き、各モータに与えなければならない電気エネルギー量
の総和をできるだけ小さくする」ということを意味する
に他ならない。
そこで、請求項1記載の電動車両では、電動車両とし
ての効率向上が求められるときには、演算手段では、車
両速度検出手段(1)及び要求駆動力検出手段(21)よ
り検出された車両速度及び要求駆動力に基づいて、各モ
ータの駆動力の総和が前記要求駆動力を満足するととも
に各モータに与えるべきエネルギー量の総和が最小とな
る駆動力指令値を複数の各モータ毎に決定するのであ
る。
このことによって、効率が重視される場合には、例え
ば、第8図に示すような形態で4台のモータを用いて車
両を駆動する場合には、4つのモータで駆動した方が全
体の効率が最大になる判断される場合には4つのモータ
全てを駆動し、二つのモータで駆動した方が全体の効率
が最大になる判断される場合には二つのモータを駆動す
るというように切り換えられるのである。
このようにすることによって、全体の効率をより向上
させることができることは次のことから明らかである。
即ち、いま、第8図の場合のように4台のモータを用い
て車両を駆動する場合の効率を考えるものとし、第7図
の「A」の回転速度で各モータが回転して車両が走行し
ているとき、運転者がアクセルペダルを操作して車両に
対して「2B」のトルクを要求したものとすると、従来の
ように全てのモータの出力を同一に常にバランスさせて
制御するのでは、前述したように4台のモータがそれぞ
れ「B/2」のトルクを出力するように制御されることと
なるため、効率は「X」に低下してしまうが、本発明に
よれば、「B」のトルクが1台のモータでも十分まかな
いきれる範囲にあるならば、2台のモータは出力がそれ
ぞれ「B」となるように制御され、もう2台は出力がゼ
ロとなるように制御されるので、効率は「Y(>X)」
となって効率を従来より向上させ、最大とすることがで
きる。
また、第7図の「A」の回転速度で各モータが回転し
て車両が走行しているとき、運転者がアクセルペダルを
操作して車両に対して「2C」のトルクを要求したものと
すると、従来のように全てのモータの出力を同一に制御
し、4台のモータがそれぞれ「C/2」のトルクを出力す
るように制御すれば効率はYより大きくなり、2台のモ
ータの出力を「C」とし、もう2台は出力がゼロとなる
ように制御した場合に比較して全体の効率はより向上す
る。従って、このときに全体の効率が最大となるのであ
れば、この場合には本発明においても4台のモータは同
一のトルクを出力するように制御されることになる。
このように、本発明によれば、効率が重視される場合
には、全体の効率が最大となるように、そのときに要求
される駆動力を複数のモータに配分することができるの
である。従って、全体の効率を従来よりも向上するよう
に各モータを駆動できるので、一充電当たりの走行距離
を増加させることができる。また、バッテリーの容量が
小さくて済むため、車両の重量を軽減することができ、
効率最適化と相俟って一層走行距離の増加を図ることが
できる。
また、駆動力の重視が求められるときには、荷重検出
手段及び要求駆動力検出された各車輪に係る荷重及び要
求駆動力に基づいて、各車輪のうち、荷重が大きく係る
車輪には要求駆動力に応じて駆動力配分が多くなるよう
に、また、荷重が小さく係る車輪には要求駆動力に応じ
て、駆動力配分が少なくなるように、各車輪を駆動する
モータを制御するようにしている。
このことの妥当性、合理性は明らかである。なぜな
ら、車輪の路面に対する摩擦力Fは、路面摩擦係数を
μ、車輪に係る荷重をNとしたとき、F=μ×Nで表さ
れるが、路面摩擦係数μは全車輪に対して同一であるた
め、荷重が大きく係る車輪の路面に対する摩擦力は大き
くなり、荷重が小さく係る車輪の路面に対する摩擦力は
小さくなるからである。
従って、荷重が大きく係る車輪のモータに対しては、
要求駆動力に応じて駆動力の配分を多く与えても、当該
車輪と路面との摩擦力が大きいためにスリップは発生し
ない。また、荷重が小さく係る車輪のモータに対して
は、車輪と路面との摩擦力は小さいので、その分要求駆
動力に応じて駆動力の配分を少なくするようにして、ス
リップが発生しないようにしている。故に、請求項1記
載の発明によれば、全ての車輪でスリップは発生しな
い。
更に、スリップは車輪が空転していることであるか
ら、従来のものでは要求駆動力に対して、それ以下の駆
動力しか路面に伝達することができないが、この発明に
よれば、スリップが発生しないので、要求駆動力に対し
て、きちんと要求駆動力分の駆動力を路面にしっかりと
伝達することができる。
以上のようであるので、この発明によれば、車両とし
て必要な駆動力を十分に確保しつつ、各車輪のスリップ
の発生を確実に防止することができ、走行性能を向上さ
せることができると共に、走行時の安定性を高めること
ができる。
特許請求の範囲第2項記載の電動車両では電動車両の
ステアリング角に基づいて決定された駆動力指令値が補
正されるので、内輪差を考慮した駆動力を指令すること
ができ、以て走行性能、走行時の安定性を高めることが
できる。
また、特許請求の範囲第3項記載の電動車両では各モ
ータの温度に基づいて決定された駆動力指令値が補正さ
れるので、各モータコイルの断線や焼き付きを防止する
ことができ、走行時の安定性を高めることができる。
特許請求の範囲第4項記載の電動車両では電動車両の
車輪がスリップしたときにはモード切り換え手段は自動
的に駆動力重視モードを選択するので、スリップ時には
車両として必要な駆動力が十分に確保され、各車輪のス
リップの発生を確実に防止することができ、走行性能を
向上させることができると共に、走行時の安定性を高め
ることができる。
特許請求の範囲第5項記載の電動車両では、モード切
り換え手段はスイッチとなされているので、運転者は、
必要な場合にいつでも、しかも簡単に効率重視モードと
駆動力重視モードとを切り換えることができる。
[実施例] 以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
第1図は、本発明の電動車両の構成を示す図、第2図
は、その1実施例構成を示す図、第3図は、第2図に示
した1実施例における演算手段での処理の流れを説明す
るための図、第4図は、第2図に示した1実施例におけ
る演算手段内で車両速度に基づいて各モータ毎の駆動力
指令値を決定するための駆動力マップの1例を示す図、
第5図は、荷重センサの1実施例構成を示す図、第6図
は、荷重センサとして加速度センサを用いた実施例の説
明図である。また、第7図は、モータの回転速度−トル
ク特性を示す図、第8図は、本発明を適用して好適な電
動車両の構成例を示す図である。
まず、第1図に示すように、本発明は、電動車両の速
度を検出する検出手段1、各車輪81〜84の荷重を検出す
る検出手段2、これら検出手段1または2のいずれか一
方の検出値を選択すると共に当該選択した検出値と前記
電動車両に要求される駆動力値とに基づいて前記各車輪
81〜84に対応する各モータ85〜88毎に駆動力指令値を決
定する演算手段3、および当該演算手段3の駆動力指令
値に基づいて前記各モータ85〜88の駆動力(出力)を制
御する制御手段4とを備えている。
第2図は、その1実施例構成であり、演算手段3に対
して、車両速度の検出値として各モータ85〜88の回転速
度検出値を入力すると共に、荷重センサ2の検出値を入
力する。この場合のモータ85〜88としては、例えばDCブ
ラシレスモータを用いることができる。その場合には、
モータのレゾルバ信号を利用することにより、モータド
ライバ4(1)〜4(4)をモータ回転速度の検出手段
として兼用させることができる。
また、上記演算手段3には、電動車両に要求される駆
動力値の信号として車両のアクセルペダル21の踏み込み
量の値を入力する。更に、各モータ85〜88の駆動力の方
向即ち回転方向を決定するために前進・後進・ニュート
ラル切り換えスイッチ23の出力信号を入力すると共に、
制動時の駆動力を決定するためにブレーキペダル22の踏
み込み量の値を入力するようにしている。
更にこの実施例では、前記電動車両の運転者が、効率
を重視するのか、または駆動力を重視するのか、あるい
は自動選択を行わせるのかの切り換えを行えるように、
モード切り換えのスイッチ29を設けると共に、各モータ
85〜88の駆動力指令値の補正を行うため、上記の各値の
他に、ステアリング角センサ24の検出値、および角モー
タ85〜88に設けたモータ温度センサ25〜28の検出値を入
力するようにしている。
第2図の実施例における演算手段3での処理の流れ
を、第3図を用いて説明する。
この実施例における演算手段3では、各センサ等の値
を取り込んだ(31)後、まず前記アクセルペダル21の踏
み込み量とブレーキペダル22の踏み込み量とを比較して
駆動時か制動時かの判断を行う(32)。ここで、アクセ
ルペダル21の踏み込み量の信号が入力されているときに
は、駆動時(YES)と判断し、次に、モード切り換えス
イッチ29で何が選択されているのかを判断する(33〜3
5)。
このとき、モード切り換えスイッチ29で「車両効率重
視」のスイッチが選択されていた場合(判断(33)で
「YES」の場合)には、アクセルペダル21の踏み込み量
および車両速度検出値として入力されているモータの回
転速度検出値とから各モータ85〜88毎の駆動力指令値を
決定する(36)。この処理(36)を行うためには、第7
図に示したようなモータの回転速度:トルク:効率の関
係を予め記憶させておき、電動車両の全モータの効率が
より向上するように各モータ85〜88毎の駆動力(出力)
配分を計算するようにする。ここで、電動車両の全モー
タの効率がより向上するようにするということは、即
ち、あるトルクを出力するというとき、各モータに与え
なければならない電気エネルギー量の総和をできるだけ
小さくするということを意味するに他ならない。従っ
て、各モータ85〜88毎の駆動力配分は、各モータの駆動
力の総和が前記要求駆動力を満足するとともに、各モー
タに与えるべきエネルギー量の総和が最小となるものと
なされる。なお、この計算は予め適当な区分に区切った
回転速度範囲とトルク範囲とに対応させて行っておき、
その結果として作成される「駆動力マップ」を記憶させ
ておくようにしてもよい。この駆動力マップの1例を第
4図に示す。駆動力マップを用いたときには、処理(3
6)では、まず、そのとき入力されてきている車両速度
の値および要求駆動力の値がそれぞれ当該マップで区切
った車両速度範囲および要求駆動力範囲のどこに対応す
るかを判断し、次にその交点に記憶されている駆動力配
分値を読み出すようにすればよい。例えば、第4図に示
した例において、車両速度がN(2)の範囲にあり、か
つ要求駆動力値がT(3)の範囲にあった場合には、モ
ータ85および86の駆動力指令値は「2」、またモータ87
および88の駆動力指令値は「1」と決定することとな
る。
また、モード切り換えスイッチ29で「駆動力重視」の
スイッチが選択されていた場合(判断(33)で「NO」、
判断(34)で「YES」の場合)には、アクセルペダル21
の踏み込み量と各車輪にかかっている荷重の検出値とか
ら各モータ85〜88毎の駆動力指令値を決定する(37)。
ここで各車輪81〜84にかかる荷重の検出を行うには、
例えば、各車輪81〜84毎に荷重センサを設ければよい。
この場合の荷重センサの一構成例を第5図に示す。第5
図で、51は車輪、52はモータ、53はトルクリンク、54は
サスペンションのばね、55は車両本体フレーム、56は荷
重センサ本体である。この実施例構成において、荷重セ
ンサ本体56はポテンショメータとして構成されており、
非摺動体(抵抗体)または摺動体のいずれか一方を車両
本体フレーム55に、また他方をモータ52と一体に動く部
所に取り付けている。そしてサスペンションばね54の圧
縮量から、車輪51にかかっている荷重を検出するように
している。このようにして検出された各車輪81〜84にお
ける荷重検出値がそれぞれa,b,c,dであった場合には、
前記処理(37)では、各モータ85〜88毎の駆動力指令値
を例えばこれら荷重検出値の比率に応じて次にように決
定するようにしている。
・モータ85に対する指令値:(a/K)×A ・モータ86に対する指令値:(b/K)×A ・モータ87に対する指令値:(c/K)×A ・モータ88に対する指令値:(d/K)×A (ここで、K=a+b+c+d,またAはアクセルペダル
踏み込み量) 各車輪81〜84にかかる荷重の検出を行うための更に別
の構成例を第6図に示す。この構成例では、電動車両に
加速度センサ61を搭載している。この加速度センサ61は
電動車両の重心位置の近傍に位置することが好ましい。
そしてこの加速度センサ61の検出値から車体の傾きを検
出する。車体の傾きは即ち荷重のかかっている方向を示
すものであるから、この場合にも各車輪81〜84毎にかか
っている荷重に相当する量を検出できるわけである。
第6図の実施例において、加速度センサ61の検出値
(ベクトル)の分力に比例する量が、同図に示すように
車体の軸線方向上でa、それに直交する方向上でbであ
った場合には、前記処理(37)では、各モータ85〜88毎
の駆動力指令値をこれらa,bの値を基にして例えば次の
ように決定している。
・モータ85に対する指令値: (A/4)−a−b ・モータ86に対する指令値: (A/4)−a+b ・モータ87に対する指令値: (A/4)+a−b ・モータ88に対する指令値: (A/4)+a+b (ここで、Aはアクセルペダル踏み込み量) また、モード切り換えスイッチ29の判断に戻って、当
該スイッチで「自動」を選択していた場合(判断(33)
および判断(34)のいずれもが「NO」の場合)には、予
め設定した条件によって処理(36)を行うかまたは処理
(37)を行うかの判断を行う(35)。
このような判断を行う条件としては、例えば、「スリ
ップが発生しているか否か」を取り上げることができ
る。スリップの判断は車輪の回転速度の変化量が車両と
してありえない量であった時、四輪の回転速度が大きく
相違した時というふうに設定できる。即ち、スリップが
発生していることが検知された場合(判断(35)で「YE
S」の場合)には、適正な駆動力を得るために前記処理
(37)を選択し、それ以外の場合(判断(35)で「NO」
の場合には、車両効率を重視して前記処理(36)を行う
ようにしている。
なお、以上の説明ではモード切り換えスイッチ29を設
けた場合についての実施例を説明してきたが、このモー
ド切り換えスイッチ29は必須の構成要件ではなく、全て
自動切り換えで行うこともできる。その場合には、第3
図の処理フローにおいて判断(33)および(34)が省略
されることになる。
さて、通常は上記処理(36または37)によって得られ
た駆動力指令値をそのまま用いることができるが、本実
施例では、当該駆動力指令値をステアリング角の値、モ
ータの温度によって補正するようにしている。ここで、
ステアリング角の値による補正(38)では、例えば、ス
テアリング角が大きい場合に、いわゆる「内輪差」を考
慮して、最も内側にある車輪を駆動するモータの駆動力
指令値を上記処理(36または37)によって得られた駆動
力指令値よりも減少させるようにしている。また、モー
タ温度による補正(39)では、モータ温度が許容値を越
えたときまたは越えることが予測されたときに、モータ
コイルの断線や焼き付きを防止するために駆動力指令値
を抑制するようにしている。なお、これらの補正は本発
明における必須の構成要件ではなく、省略することも可
能であると共に、必要に応じて他の補正を付加すること
もできることはいうまでもない。
前記判断(32)に戻って、ブレーキペダル22の踏み込
み量の信号が入力されているときには、制動時(NO)と
判断し、当該ブレーキペダル22の踏み込み量に基づいて
制動力指令値を決定する(40)。電動車両では、制動時
に、駆動源用のモータを回生ブレーキとして動作させる
回生制動を行うことができる。
以上のようにして上記処理(36乃至40)により駆動力
指令値または制動力指令値が決まれば、最後に前記前進
・後進・ニュートラル切り換えスイッチ23からの入力値
に基づいてモータの回転方向を決定する(41)。そし
て、このようにして決定された駆動力指令値または制動
力指令値および回転方向を第2図に示したモータドライ
バ4(1)〜4(4)に伝達し(42)、各モータ85〜88
に供給する電力を制御してその駆動力(出力)を制御す
るようにしている。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電
動車両として効率向上が求められるときには、車両速度
即ちモータの回転速度と、車両に要求されている駆動力
とに基づいて、各モータの駆動力の総和が前記要求駆動
力を満足するとともに、各モータに与えるべきエネルギ
ー量の総和が最小となる駆動力指令値を前記複数の各モ
ータ毎に決定し、制御するようにしており、また、スリ
ップ発生時のように駆動力が重視されるときには、各車
輪毎に係る荷重の値と、車両に要求されている駆動力と
に基づいて、各車輪に対応するモータの駆動力指令値を
各モータ毎に別個に決定して制御するようにしている。
従って、車両として必要な駆動力を十分に確保しつ
つ、走行距離を増加させることができると共に、駆動力
が必要なときには各車輪の駆動力を適正に配分してスリ
ップの発生を確実に防止することができ、走行性能、走
行時の安定性および安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る電動車両の構成を示す図、第2図
はその1実施例構成を示す図、第3図は第2図に示した
1実施例における演算手段での処理の流れを説明するた
めの図、第4図は第2図に示した1実施例における演算
手段内で車両速度に基づいて各モータ毎の駆動力指令値
を決定するための駆動力マップの1例を示す図、第5図
は、荷重センサの1実施例構成を示す図、第6図は、荷
重センサとして加速度センサを用いた実施例の説明図、
第7図は、モータの回転速度−トルク特性を示す図、第
8図は、本発明を適用して好適な電動車両の構成例を示
す図である。 1……車両速度検出手段、2……荷重検出手段、3……
演算手段、4、4(1)〜4(4)……制御手段、21…
…アクセルペダル、22……ブレーキペダル、23……前進
・後進・ニュートラル切り換えスイッチ、24……ステア
リング角センサ、25〜28……モータ温度センサ、29……
モード切り換えスイッチ、51、81〜84……車輪、52、85
〜88……モータ、53……トルクリンク、54……サスペン
ションばね、55……車体本体フレーム、56……荷重セン
サ本体、61……加速度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 豊 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−78855(JP,A) 特開 昭63−163906(JP,A) 特開 昭63−195033(JP,A) 実開 昭59−141405(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60L 15/00 - 15/38

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動力源として複数の車輪に対してそれぞ
    れ別個にモータを連結した電動車両において、 電動車両の速度を検出する車両速度検出手段(1)と、 電動車両の各車輪に係る荷重を検出する荷重検出手段
    (2)と、 電動車両の要求される駆動力を検出する要求駆動力検出
    手段(21)と、 効率重視モードと駆動力重視モードのいずれかを選択す
    るモード切り換え手段(29)と、 モード切り換え手段により効率重視モードが選択された
    ときには、前記車両速度検出手段(1)及び要求駆動力
    検出手段(21)より検出された車両速度及び要求駆動力
    に基づいて、各モータの駆動力の総和が前記要求駆動力
    を満足するとともに、各モータに与えるべきエネルギー
    量の総和が最小となる駆動力指令値を前記複数の各モー
    タ毎に決定し、駆動力重視モードが選択されたときに
    は、前記荷重検出手段及び要求駆動力検出手段より検出
    された各車輪に係る荷重及び要求駆動力に基づいて、前
    記各車輪のうち、荷重が大きく係る車輪には前記要求駆
    動力に応じて駆動力配分が多くなるように、荷重が小さ
    く係る車輪には前記要求駆動力に応じて駆動配分が少な
    くなるように、前記各モータ毎に駆動力指令値を決定す
    る演算手段(2)と、 演算手段により決定された駆動力指令値に基づいて各モ
    ータの駆動力を制御する制御手段(4)と を備えることを特徴とする電動車両。
  2. 【請求項2】前記電動車両のステアリング角を検出する
    ステアリング角検出手段(24)を有し、 前記演算手段は(2)は、該ステアリング角検出手段か
    らのステアリング角に基づいて前記決定された駆動力指
    令値を補正する第1の補正手段(38)を備えることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の電動車両。
  3. 【請求項3】前記各モータの温度を検出する温度検出手
    段(25)を有し、 前記演算手段(2)は、該温度検出手段からの温度に基
    づいて前記決定された駆動力指令値を補正する第2の補
    正手段(39)を備えることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の電動車両。
  4. 【請求項4】前記モード切り換え手段(29)は、電動車
    両の車輪のスリップが検出されたときに、前記駆動力重
    視モードを選択することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の電動車両。
  5. 【請求項5】前記モード切り換え手段(29)は、運転者
    が効率重視モードと駆動力重視モードのいずれかを選択
    可能なスイッチであることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の電動車両。
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