JP2651937B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JP2651937B2
JP2651937B2 JP13216589A JP13216589A JP2651937B2 JP 2651937 B2 JP2651937 B2 JP 2651937B2 JP 13216589 A JP13216589 A JP 13216589A JP 13216589 A JP13216589 A JP 13216589A JP 2651937 B2 JP2651937 B2 JP 2651937B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両の駆動力制御装置に関し、さらに詳し
くは、雪道のような路面の摩擦係数の低いすべり易い道
においても安全でしかも最大の加速・減速での走行を可
能にする車両の駆動力制御装置に関するものである。
〔従来の技術およびその問題点〕
雪道などの滑り易い道路において安全に走行するため
には、過激な加減速をさけて車を運転する必要がある。
しかし、これをドライバの操作のみに任せると、極度に
熟練度の高いドライバを除いて、緩慢な動作の運転しか
できない。そのため、熟練度の低いドライバでも滑り易
い道を安全に、しかも適度な加速あるいは減速ができる
装置の開発が俟たれていた。
このような装置の一つとして、すべりやすい道(以
下、低μ路とする)での制動動作時において、車両の方
向安定性を確保するとともに、制動力をこの限られた範
囲で極力大きくできるようにしたABS(Antilock Brake
System)がある。この装置は、第2図に示すように、
タイヤの横方向の抵抗であるコーナリングフォースが大
きく低下しない範囲で制動力が最大となるスリップ比s
=s0′を目標に、スリップ比sがこの近辺以下になるよ
うに制動力の上限を制御しようとするものである。な
お、スリップ比sは、 で定義される。このABS装置は、高速度においてはスリ
ップ比sを精度良く検出することができ、期待の制御が
実現できる。しかしながら、低速時においては、車速が
低いため車輪速度と車速の微小な測定誤差やノイズによ
って前記スリップ比sが大きく影響されるため該スリッ
プ比sを精度良く検出することができず、スムーズな制
動が困難になるという問題があった。
また、上記装置の他の一つとして、低μ路でのスター
ト時などの加速時において、スピン等の問題を発生させ
ることなく安全に、しかも可能な最大限のトルクで加速
できるようにしたトラクションコントロールシステムが
ある。通常、加速時においてタイヤが大きくスリップす
ると、それに伴いタイヤのコーナリングフォースが低下
してわずかな横方向外力によってもスピンが発生し、安
全な運転ができなくなるとともに、得られる駆動力も大
きくすることができない。このシステムでは、コーナリ
ングフォースが大きく低下しない範囲で、しかも最大に
近い駆動力が得られる相対速度(車輪速度−車速)を目
標にして、相対速度が設定値以上になる場合には駆動力
を弱め、相対速度を常にこの近辺に抑えるように制御す
ることにより、上記問題点を解決した。しかしながら、
これより低速時の駆動制御については期待する効果が得
られるものの、高速時における駆動力とスリップ比sの
関係は制動時と同様であり、駆動時のスリップ比sは、 であり、相対速度を常に一定目標とすると、高速になる
に従って上限のスリップ比が小さくなり、不必要に駆動
力の上限を抑えることになり、高速時の加速能力を大き
く低下させることになるという問題があった。
そこで、本発明者らは、上述の如き従来技術の問題点
を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験を重ねた結
果、本発明を成すに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、全速度領域において加速および減速
の何れの状態においても、安全でしかも可能最大限の駆
動力および制動力を得る装置を提供するにある。
本発明者らは、上述の従来技術の問題点に対し、以下
のことに着眼した。
すなわち、車両に装着されているタイヤの特性は前述
した通りであるので、スリップ比が制御できる範囲にお
いてs=s0′を限度にスリップ比がそれ以上にならない
ように抑制制御することに着目した。すなわち、スリッ
プ比sを検出し、これが目標値を超えるようであれば要
求されたトルクを該越えた量に従って例えば比例的に減
少させ、該スリップ比sを設定スリップ比s0(使用タイ
ヤ特性から低μ路でもコーナリングフォースを大きく低
下させず大きな駆動力および制動力が得られるスリップ
比付近に設定した設定スッリプ比)を限度にこれ以上に
ならないようにすることにより、前記スリップ比sが設
定スリップ比s0を大きく越えることはなく、常に駆動力
と制動力の上限を大きく保つことができ、横すべり発生
力となる横方向抗力も大きく保つことができるので、安
全性も確保することができる。
しかし、スリップ比は速度で標準化された量であり、
等量の測定誤差、ノイズに対するスリップ比の影響は速
度が低くなるほど大きくなるため、スリップ比sを低速
度の領域で精度良く求めることができず、前記抑制制御
を実現することができない。しかも低速においては、タ
イヤ特性も変化する。そこで、発明者らは、タイヤ特性
の系統的実験を重ねることにより、低速時においては前
記タイヤ特性の横軸は車体の相対速度であるので、該相
対速度を用いることによりこの問題を解決することに着
目した。すなわち、低速時においては制御対象をスリッ
プ比ではなく相対速度とし、上記高速時のスリップ比と
同様な制御を実現する。
以上のように、本発明は、高速時はスリップ比を、低
速時は相対速度を制御対象にし、それぞれが目標値以上
になった場合に駆動力制御信号発生手段からの要求トル
クを弱め、また低速時と高速時の両制御をスムースに結
合することにより、前記従来技術の問題点を克服するこ
とが可能となる。
〔第一発明の説明〕
発明の構成 本発明の車両の駆動力制御装置は、第1図に示すよう
に、車両の各輪トルクが自由に変えられる車両の駆動力
を制御する装置において、車輪の回転速度を検出する車
輪速度検出手段Iと、車両の速度を検出する車速度検出
手段IIと、車両を走行させるための駆動力を発生させる
駆動力制御信号発生手段IIIと、前記駆動力制御信号発
生手段IIIより出力された駆動力制御信号に基づいて制
御状態が加速状態にあるか減速状態にあるかを判断する
駆動・制動状態判断手段IVと、前記車輪速度検出手段I
より出力された車輪速度信号と前記速度検出手段IIより
出力された車両速度信号とから車輪のスリップ比および
スリップ速度を演算する車両状態量演算手段Vと、前記
車速検出手段IIより出力された車両速度信号に基づいて
車両速度が高速状態にあるか低速状態にあるかを判断す
る車速状態判断手段VIと、前記駆動・制動状態判断手段
IVより出力された信号と前記車両状態量演算手段Vより
出力された信号と前記車速状態判断手段VIより出力され
た判断結果を示す信号に基づき,車速が高速状態におい
てはスリップ比が基準値を超えたときは該スリップ比を
減少させるための補正係数を算出し,車速が低速状態に
おいてはスリップ速度が基準値を超えたときは該スリッ
プ速度を減少させるための補正係数を算出する補正係数
演算手段VIIと、前記駆動力制御信号発生手段IIIより出
力された駆動力制御信号と前記補正係数演算手段VIIよ
り出力された補正係数信号とから外部状態に応じた最適
な駆動トルクを演算する駆動制御量演算手段VIIIと、該
駆動制御量演算手段VIIIの出力である駆動トルク指令信
号に基づき車輪の駆動トルクを制御する制御手段IXとか
ら成ることを特徴とする。
発明の作用および効果 上記構成よりなる本発明の車両の駆動力制御装置の作
用は、次の通りである。
すなわち、先ず、駆動力制御信号発生手段IIIにおい
て、アクセルペダル状態量あるいはブレーキペダル操作
量等の制御状態量から車輪に対する要求トルクτが出
力される。
一方、車輪速度検出手段Iにおいて車輪速度vを検出
するとともに、車速検出手段IIにおいて車両速度uを検
出する。
次に、駆動・制動状態判断手段IVにおいて、前記駆動
力制御信号発生手段IIIより出力された要求トルクτが
加速状態にあるか減速状態にあるのか、すなわち駆動側
か制動側かを判断し、該判断信号s4を出力する。なお、
該判断は、要求トルクの符号を判断することなどにより
行う。
次いで、車両状態量演算手段Vにおいて、この車輪速
度検出手段Iより出力された車輪速度信号Vと車速度検
出手段IIより出力された車両速度信号uとから、車輪の
スリップ状態を示すスリップ比sおよびスリップ速度Δ
uを演算して出力する。
次に、車速状態判断手段VIにおいては、入力された車
両速度信号uが高速状態にあるのか低速状態にあるのか
を判断し、該判断信号s6を出力する。すなわち、この判
断は、予め定めた設定車速uhを基準にし、入力された車
両速度信号uが該設定車速uhより大の場合は高速状態と
し、設定車速uh以下の場合は低速状態とするなどして行
う。
次いで、補正係数演算手段VIIにおいて、前記駆動・
制動状態判断手段IVより出力された信号s4と前記車両状
態量演算手段Vより出力された信号(スリップ比sおよ
びスリップ速度Δu)と前記車両状態判断手段VIより出
力された判断結果を示す信号s6に基づいて、車速が高速
状態においてはスリップ比sが基準値を超えたときは該
スリップ比sを減少させるための補正係数を算出し、車
速が低速状態においてはスリップ速度Δuが基準値を超
えたときは該スリップ速度を減少させるための補正係数
を算出する。なお、前記基準値は、車輪のスリップ状態
がタイヤの横方向抗力を大きく低下させない範囲になる
ように予め設定された値であり、該スリップ状態以上に
ならないように要求トルクを制限するためのトルク補正
係数βを演算する。また、前記のように車速の状態に応
じて高速側ではスリップ比sを、低速側ではスリップ速
度Δuをそれぞれ制御の対象とした。これは、高速側で
制御の対象をスリップ比sとしたのは、高速におけるタ
イヤ特性のコーナリングフォースと駆動力がスリップ比
sによって決定され、これを適切に制御することにより
コーナリングフォースを大きく低下させることなく可能
な最大の駆動力を得ることができるからである。また、
低速側で制御の対象をスリップ速度Δuをしたのは、ス
リップ速度は低速においてはスリップ比のように速度外
乱やノイズ等の影響を受けることがないので正確な検出
ができるとともに、タイヤ特性のコーナリングフォース
と駆動力がスリップ速度により決定され、これを適切に
制御することにより良好な制御が可能となるからであ
る。また、いずれの制御対象においても、スリップ比ま
たはスリップ速度が基準値を越えるまでは、要求トルク
をそのまま発生させるため、該補正係数はβ=1とな
る。
次に、駆動制御量演算手段VIIIにおいて、前記駆動力
制御信号発生手段IIIより出力された駆動力制御信号と
前記補正係数演算手段VIIより出力された補正係数信号
とを積算して実際に発生させる駆動トルクを演算し、次
いで、制御手段IXにおいて該駆動制御量演算手段VIIIの
出力である駆動トルク指令信号に基づき車輪の駆動トル
クを制御する。
以上のような構成を有する本発明の車両の駆動力制動
装置は、車速の状態に応じて高速側でスリップ比sを、
低速側でスリップ速度Δuをそれぞれ制御の対象とし、
スリップ比およびスリップ速度がコーナリングフォース
を大きく低下させることなくしかも最大の駆動力が得ら
れる状態に保たれているので、全速度領域において、加
速および減速の何れの状態においても、安全でしかも可
能最大限の駆動力および制動力を得ることができる。
また、車輪トルクが正負両側へしかも各輪単位で自由
に変えられる構成の車両に本発明にかかる装置を搭載す
ることにより、雪道等のすべり易い道路においても、加
減速のために発生する横すべりやスピン等を抑え、安全
でしかも可能な限り大きい加速力や減速力を使ってすべ
り易い道であることを意識せずに走行することができ
る。
さらにこの装置により、路面の状況に係わらず、タイ
ヤのスリップ状態がタイヤの横方向力の抗力を大きく低
下させることなく駆動力および制動力を許容最大限まで
加えられる状態に保たれているため、雪道等のすべり易
い道路において、経験の浅いドライバでも安全でしかも
機敏な加減速が可能な車両の走行制御を達成することが
できる。
〔その他の発明の説明〕
前記第一発明のその他の発明について、以下に説明す
る。
第二発明の説明 第二発明として、前記車両状態量演算手段V〜補正係
数演算手段VIIにおける制御の高速状態−低速状態の切
換えに関する制御原理の一例を、以下に説明する。
低速時と高速時の制御対象を切換える場合の難しさ
は、この切換えをスムーズに実施することと、この切換
え点の選択にある。
切換えのスムース化については、目標値の決定の仕方
により、低速時制御と高速時制御の両制御範囲の目標値
の設定の仕方により実現する。
すなわち、スリップ比の目標値は、使用タイヤ特性か
ら低μ路でもコーナリングフォースを大きく低下させず
大きな駆動力および制動力が得られるスリップ比付近に
設定した設定スリップ比s0近辺で選択する。切換え速度
vhにおいて、相対速度Δuと該設定スリップ比s0は、加
速時、減速時それぞれ次式のようになる。
1)加速時 (ただし、Δu=車輪速度−車速) 2)減速時 (ただし、Δu=車速−車輪速度) これらの関係から得られる相対速度Δuを目標値に選
択することにより、切換え速度vhにおいてスリップ比s
と相対速度Δuが連続的な変化となりスムースな制御と
することができる。なお、このようにして選択された相
対速度Δuは、駆動・制動力およびコーナリングフォー
スの関係においても低速時では適正な値とすることがで
き良好な制御が実現できる。
切換え点の選択は、タイヤ特性に係る問題であり、ス
リップ比の検出精度からすればあまり低いところに選ぶ
べきではない。車速10km/h以上であれば、耐えられる精
度の制御ができる。タイヤ特性からすれば、前記タイヤ
の特性が用いられなくなるところである。しかしなが
ら、これは明確に表されるものではなく、一義的の決定
されるものではない。発明者らの研究および系統的実験
の結果からは、車速20km/hであれば前記タイヤの特性を
用いることができるので、従って車速10km/h〜20km/hが
適正値として選択される。しかし、この切換え点は、タ
イヤ特性と車速および車輪速度の検出精度により変わる
ものであり、両者の関係から決定されるものである。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を説明する。
実施例 本発明の実施例の車両の駆動力制御装置を、第3図な
いし第7図を用いて説明する。
本実施例の車両の駆動力制御装置は、車輪のトルクが
自由に変えられる車両の駆動制御に適用したもので、車
輪速度検出手段I1と、車速検出手段II1と、駆動力制御
信号発生手段III1と、駆動力状態判断手段IV1と、車両
状態量演算手段V1と、車速状態判断手段VI1と、補正係
数演算手段VII1と、駆動制御量演算手段VIII1と、制御
手段IX1とからなる。
車輪速度検出手段I1は、車軸間に設けられた車輪速度
検出器I11からなり、車輪の回転数を検出し、車輪速度
vを表す電気信号を出力する。
車速検出手段II1は、加速度計II11と車速演算器II12
とからなり、車速を算出する。加速度計II11は、車両の
重心位置に相当する車室内の床上に組み込まれ、車両の
前後加速度を検出し、該前後加速度を表す電気信号を出
力する。車速演算器II12は、該加速度計II11より出力さ
れた前後加速度信号を積分して車速uを算出し、該車速
uを表す電気信号を出力する。
駆動力制御信号発生手段III1は、ドライバのアクセル
およびブレーキペダルの操作量或いは車両のスピン等の
危険な状態を抑制するために要求される操作量または制
御量などにより必要な駆動力を発生し、各輪単位に要求
されるトルク信号を出力する。
駆動・制動状態判断手段IV1は、前記駆動力制御信号
発生手段III1より出力された駆動力制御信号(要求トル
ク)が駆動レベルが制動レベルかを判定する駆動・制動
トルク判定器IV11からなる。
車両状態量演算手段V1は、スリップ速度演算器V11
スリップ比演算器V12とからなる。スリップ速度演算器V
11は、前記車輪速度検出手段I1より出力された車輪速度
信号vと前記車速検出手段II1より出力された車速信号
uと前記駆動状態判断手段IV1より出力された駆動状態
信号とから、次式のようにスリップ速度(相対速度)Δ
uを演算して、該演算結果を表す電気信号を出力する。
(i)駆動レベル…Δu=v−u (ii)制動レベル…Δu=u−v …(1) また、スリップ比演算器V12は、前記車輪速度検出手
段I1より出力された車輪速度信号vと前記車速検出手段
II1より出力された車速信号uと前記駆動状態判断手段I
V1より出力された駆動状態信号から、次式のようにスリ
ップ比Δsを演算して、該演算結果を表す電気信号を出
力する。
車速状態判断手段VI1は、車速検出手段より出力され
た車速信号uに基づき、該車速信号uが予め設定した車
速uh以上であればスリップ制御の対象としてスリップ比
sを選択し、前記車速信号uが前記車速uhより小さけれ
ば(u<uh)スリップ制御の対象としてのスリップ速度
Δuを選択して、該選択した情報を表す電気信号を出力
する制御対象選択器VI11からなる。
補正係数演算手段VII1は、第1補正係数演算手段VII
11と、第2補正係数演算手段VII12と、補正係数選択器V
II13とからなり、前記駆動・制動状態判断手段IV1より
出力された信号と、前記車両状態量演算手段V1より出力
された信号と、前記車速状態判断手段VI1より出力され
た信号とから補正係数を演算する。
第1補正係数演算手段VII11は、前記車両状態量演算
手段V1より出力された信号がスリップ比に関する信号の
場合に、前記前記駆動・制動状態判断手段IV1より出力
された信号と前記車両状態量演算手段V1より出力された
信号とから以下のように第1補正係数βを算出し、該
補正係数を表す電気信号を出力する。
(i)s≦s0の場合 β=1 (ii)s0<s≦s0′の場合 (i)s0′<sの場合 β=0 なお、このスリップ比sと補正係数βとの関係を、
第4図に示す。
第2補正係数演算手段VII12は、前記車両状態量演算
手段VI1より出力された信号がスリップ速度に関する信
号の場合に、前記駆動・制動状態判断手段IV1より出力
された信号と前記車両状態量演算手段V1より出力された
信号とから、設定スリップ速度Δu0および最大スリップ
速度Δu0′を駆動レベルか制動レベルかに応じて下記の
ようにそれぞれ設定し、 (i)駆動レベルの場合 Δu0=s0・uh Δu0′=s0′・uh (ii)制動レベルの場合 さらに、以下のように第2補正係数βを算出し、該
補正係数を表す電気信号を出力する。
(i)Δu<Δu0場合 β=1 (ii)Δu0<Δu≦Δu0′の場合 (iii)Δu0′<Δuの場合 β=0 なお、このスリップ速度Δuと補正係数βとの関係
を、第5図に示す。
補正係数選択手段VII13は、前記第1補正係数演算手
段VII11より出力された信号と前記第2補正係数演算手
段VII12より出力された信号を選択する手段であり、前
記車速状態判断手段VI1から出力された信号よりスリッ
プ制御の対象としてスリップ比sが選択されている場合
は前記第1補正係数演算手段VII11より出力された第1
補正係数βを補正係数βとし、またスリップ制御の対
象としてスリップ速度Δuが選択されている場合は前記
第2補正係数演算手段VII12より出力された第2補正係
数βを補正係数βとして、該補正係数βを表す電気信
号を出力する。
次に、駆動制御量演算手段VIII1は、前記駆動力制御
信号発生手段III1より出力された駆動力制御信号τ
前記補正係数演算手段VII1より出力された補正係数信号
βとから駆動指令トルクτを演算するトルク指令演算手
段VIII11からなり、該指令トルクτを表す電気信号を出
力する。なお、該トルク指令演算手段VIII11での指令ト
ルクτの演算は、次式により行う。
τ=τ・β 次に、制御手段IX1において、前記駆動制御量演算手
段VIII1の出力である駆動トルク指令信号τに基づき車
輪の駆動トルクを制御する。
上記構成からなる本実施例の作用および効果は、以下
のようである。
まず、車輪の回転数が車輪速度検出手段I1の車輪速度
検出器I11において、車速が車速検出手段II1において検
出または演算され、車両状態量演算手段V1に入力され
る。
次に、駆動・制動状態判断手段IV1では、駆動力制御
信号発生手段III1の要求トルクのレベル状態を判断し、
補正係数演算手段VII1に出力する。
次に、車両状態量演算手段V1では、前記車輪速度検出
手段I1より出力された車輪速度信号vと前記車速検出手
段II1より出力された車速信号uと前記駆動状態判断手
段IV1より出力された駆動状態信号とから、スリップ速
度演算器V11およびスリップ比演算器V12において、スリ
ップ制御の対象として、スリップ速度Δuおよびスリッ
プ比sを演算する。なお、車速が設定車速uh以下では車
速と車輪速度の相対速度であるスリップ速度Δuを、車
速が該設定車速uh以上の高速ではスリップ速度Δuを一
般化したスリップ比sが選択される。なお、スリップ速
度Δuとスリップ比sの算出に当たり、駆動力制御信号
発生手段III1の要求トルクの状態により演算式が異なる
ので、前記駆動・制動状態判断手段IV1より出力された
駆動状態信号により駆動レベルか制動レベルかに応じて
演算される。
次に、車速状態判断手段VI1では、制御対象選択器VI
11において、車速信号uと予め設定した車速uhとの比較
により、スッリプ制御の対象としてスリップ比sまたは
スリップ速度Δuを選択して該選択した情報を出力す
る。
次に、補正係数演算手段VII1において、前記駆動・制
動状態判断手段IV1より出力された信号と、前記車両状
態量演算手段V1より出力された信号と、前記車速状態判
断手段VI1より出力された信号とから補正係数を演算す
る。前記車両状態量演算手段V1より出力された信号がス
リップ比に関する信号の場合に第1補正係数演算手段VI
I11で補正係数βを算出し、前記車両状態量演算手段V
I1より出力された信号がスリップ速度に関する信号の場
合に第2補正係数演算手段VII12で補正係数βを算出
し、次いで補正係数選択器VII13で車速状態に応じて補
正係数βまたは補正係数βを補正係数βとして選択
し、出力する。
すなわち、第6図に示すように、タイヤの横すべり耐
力であるコーナリングフォースは、スリップ比sとスリ
ップ速度Δuの増加により単調に減少する一方で、駆動
・制動力はスリップ比sとスリップ速度Δuの小さい値
(s=0.1〜0.2)で最大値あるいはそれに近い値になる
ので、この付近に該スリップ比sとスリップ速度Δuを
抑えることでコーナリングフォースを大きく低下させる
ことなく、大きな力を加えることができる。そのため、
スリップ速度Δuあるいはスリップ比sは極力目標のス
リップ速度Δu0あるいはスリップ比s0に近づける必要が
ある。しかし、コーナリングフォースを常に大きく保つ
ことが目的であり、スリップ速度Δuあるいはスリップ
比sを目標スリップ速度Δu0あるいは目標スリップ比s0
に制御することが目的でないので要求トルク以上にトル
クを増大させる必要はない。また、目標スリップ速度Δ
u0あるいは目標スリップ比s0以下であればトルクを弱め
る必要もない。しかし、算出されたスリップ速度Δuあ
るいはスリップ比sが目標値以上であれば、スリップ速
度Δuとスリップ比sを目標に近づける必要がある。こ
れらのことから、算出されたスリップ速度Δuとスリッ
プ比sを用い、第4図および第5図に示した関係から補
正係数βまたはβを第1補正係数演算手段VII11
たは第2補正係数演算手段VII12で決定する。さらに、
補正係数選択器VII13で車速状態に応じて補正係数β
を補正係数βを補正係数βとして選択し、出力する。
次に、駆動制御量演算手段VIII1では、トルク指令演
算手段VIII11において、駆動力制御信号τと補正係数
信号βを積算して駆動指令トルクτを出力する。次い
で、制御手段IX1では、駆動トルク指令信号τに基づき
車輪の駆動トルクを制御する。
なお、本実施例装置により達成されるスリップ制御に
おいて、車速uと車輪速度vおよび補正係数との関係を
整理すると、第7図のようになる。第7図より明らかの
ごとく、全速度領域においてスムーズな制御が実現され
ていることが分る。
以上の構成を有する本実施例の装置は、路面状況に係
わらず駆動輪のスリップ状態を常にタイヤの横方向の抗
力が低下しない状態に保持しているので、雪道等のすべ
り易い道路においても特殊な運転技術なしに安全に走行
する車両の運動制御を達成することができる。
また、本実施例装置では、起動/停止から高速の状態
までの全速度領域において、タイヤの横方向力の抗力を
大きく低下させず、横すべり等の危険な状態になりにく
くするとともに、スリップ比あるいはスリップ速度を駆
動力あるいは制動力が有効に働く最大限の値まで使用で
きるようにしているので、経験の浅いドライバであって
も、すべり易い雪道や凍った道においても可能な限り最
大の加速あるいは減速を特殊な操作なしに行うことがで
きる車両の運動制御を達成することができる。
前記実施例の変形例を、以下に説明する。
変形例1 前記実施例の変形例1は、前記駆動・制動状態判断手
段IV1がさらに前記駆動力制御信号発生手段III1より出
力された駆動力制御信号(要求トルク)がスリップが起
きにくい範囲の量であるかを検出・判定して該範囲にあ
る場合に車速較正信号を車速検出手段II1に出力する手
段を有してなり、前記車速検出手段II1の車速演算器II
12が、前記駆動・制動状態判断手段IV1より車速較正信
号を入力に基づき、該信号が入力されている適当な期間
に積分器の値を車輪速度に変更する手段を有してなるこ
とを特徴とする。
前記実施例の車速検出手段II1は、加速度計II11と車
速演算器II12からなり、車体の前後方向の加速度を積分
して車速を算出しているが、該車速演算器II12において
長時間の積分を実施すると誤差が多く含まれることとな
り、この誤差成分により正確な車速を算出することがで
きない。そこで、上記構成を有する駆動動力制御装置と
することにより、車速演算器II12の積分演算誤差を実用
上問題のない範囲に較正することができる。
変形例2 前記実施例の変形例2は、前記最大スリップ比s0
を、車速u=uhでのs0′をs0″とし、 として、車速uに反比例する関係でs0′を決定するよう
にして成る。
前記実施例の装置では、最大スリップ比s0′を車速に
無関係に固定していたため、車速が早くなるに従って、
速度に対する制御ゲインが減少するため、補正係数β=
0〜1の範囲が速度に比例して広くなり、制御精度が悪
くなる。
これに対して、変形例2の装置では、上途の構成とす
ることにより、補正係数β=0〜1の範囲の速度幅を車
速に無関係に一定幅にして、制御精度の均一化を図るこ
とができる。
変形例3 前記実施例の変形例3として、上記以外の変形例につ
いて、以下に説明する。
先ず、前記実施例では、車速検出手段II1として加速
度計II11と車速演算器II12とにより車速を演算するとい
う構成を採用したが、車輪回転数を測定しない車速検出
手段により構成することができる。この場合、前記車速
検出手段II1では積分器、さらに前記変形例1の車速較
正手段などを必要としているので構造が複雑になってい
るが、該車速検出手段採用することにより、構造を簡素
化することができる。
また、第3図に示す前記実施例の装置は、制御輪を複
数有する車両では、その分だけ第3図に示す構成を有す
る装置が必要となるが、共通する部分を共用するように
構成することにより、装置の簡素化を図ることができ
る。
また、前記実施例においては、各種の設定値(s0,
s0′,Δu0,Δu0′,uh)があるが、設定すべり速度Δu0
はおよび最大すべり速度Δu0′については、2種類の制
御をスムースにつなぐために設定スリップ比s0,最大設
定スリップ比s0′,設定車速vhと関係がある。そこで、
設定スリップ比s0はタイヤ特性に関連して設定される
が、コーナリングフォースを大きく低下させることがな
い最大に近い駆動・制動力が得られるスリップ比s=0.
1〜0.2程度を基に該範囲に合わせて設定することができ
る。また、最大設定スリップ比s0′については、制御の
安定性に関連する値近くに設定すると制御ゲインが高く
なりすぎ振動を発生させてしまい、また該値より遠くに
設定すると制御精度が悪化して弱め制御の範囲が広くな
りすぎるため、s0′=s0+0.01〜s0+0.05の範囲に設定
するのが好ましい。制御切換速度uhは、タイヤ特性の適
用範囲により決定され、タイヤ特性により速度に対して
無関係に示せるのは高速度域の範囲に限定され、低速度
域の範囲では横軸がスリップ比ではなくスリップ速度に
なるため、この切換わり点をuhとすればよい。この速度
uhは、タイヤにより特性が異なるため明確なものを示す
ことができるものではないが、実験結果より良好な結果
を示す範囲として10〜40km/h程度の範囲が選択される。
さらに、前記実施例では、車両状態量演算手段V1にお
いてスリップ速度およびスリップ比の両者を算出し、次
いで補正係数演算手段VII1においてその両者のスリップ
量に基づいてそれぞれ第1補正係数演算手段VII11およ
び第2補正係数演算手段VII12において補正係数を算出
し、補正係数選択器VII13において車速状態判断手段VI1
より出力されたスリップ制御対象信号より何れか一方を
選択する構成としたが、該車速状態判断手段VI1より出
力されたスリップ制御対象信号に基づき、制御対象とし
て選択されている方の補正係数の演算だけを行うような
構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概念を示す概略構成図、第2図は、タ
イヤと路面間のスリップ特性を示す線図、第3図ないし
第7図は本発明の第1実施例を示し、第3図はその概略
構成図、第4図はその第1補正係数演算手段におけるス
リップ比と補正係数との関係を示す線図、第5図はその
第2補正係数演算手段におけるスリップ速度と補正係数
との関数を示す線図、第6図はそのタイヤと路面間のス
リップ特性を示す線図、第7図は本実施例において達成
される車速と車輪速度と補正係数との関係を示す線図で
ある。 I、I1……車輪速度検出手段 II、II1……車速検出手段 III、III1……駆動力制御信号発生手段 IV、IV1……駆動状況判断手段 V、V1……車両状態量演算手段 VI、VI1……車速状態判断手段 VII、VII1……補正係数演算手段 VIII、VIII1……駆動制御量演算手段 IX、IX1……制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 藤井 新也 (56)参考文献 特開 昭62−137257(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の各輪トルクが自由に変えられる車両
    の駆動力を制御する装置において、 車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手段と、 車両の速度を検出する車速検出手段と、 車両を走行させるための駆動力を発生させる駆動力制御
    信号発生手段と、 前記駆動力制御信号発生手段より出力された駆動力制御
    信号に基づいて制御状態が加速状態にあるか減速状態に
    あるかを判断する駆動・制動状態判断手段と、 前記車輪速度検出手段より出力された車輪速度信号と前
    記車速検出手段より出力された車両速度信号とから車輪
    のスリップ比およびスリップ速度を演算する車両状態量
    演算手段と、 前記車速検出手段より出力された車両速度信号に基づい
    て車両速度が高速状態にあるか低速状態にあるかを判断
    する車速状態判断手段と、 前記駆動・制動状態判断手段より出力された信号と前記
    車両状態量演算手段より出力された信号と前記車速状態
    判断手段より出力された判断結果を示す信号に基づき、
    車速が高速状態においてスリップ比が基準値を超えたと
    きはスリップ比を減少させるための補正係数を算出し、
    車速が低速状態においてスリップ速度が基準値を超えた
    ときはスリップ速度を減少させるための補正係数を算出
    する補正係数演算手段と、 前記駆動力制御信号発生手段より出力された駆動力制御
    信号と前記補正係数演算手段より出力された補正係数信
    号とから外部状態に応じた最適な駆動トルクを演算する
    駆動制御量演算手段と、 該駆動制御量演算手段の出力である駆動トルク指令信号
    に基づき車輪の駆動トルクを制御する制御手段と、を設
    けたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220135040A1 (en) * 2020-11-04 2022-05-05 Volvo Truck Corporation Vehicle motion management system and a motion support system for a vehicle

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US20220135040A1 (en) * 2020-11-04 2022-05-05 Volvo Truck Corporation Vehicle motion management system and a motion support system for a vehicle

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