JP4807030B2 - 制駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばインホイルモータを搭載した車両などの、車両の制駆動制御装置に関する。
例えば、インホイルモータを搭載した車両では、変速を行うために、インホイルモータと車輪との間には、リダクションギヤが概ね必要である。更に、インホイルモータのトルクを補完する狙いで、リダクションギヤを介してハブギヤが駆動される方式が採用される場合もある。他方で、より一般的には、内燃機関やモータといった駆動トルク伝達の課程において、適切な駆動トルクを得た上で、それを制御するために遊星歯車機構を有する構造が採用されている。
ここで、例えば、前記ギヤ及びブレーキの配置や寸法によっては、インホイルモータの径方向に無駄な空間が生じることが問題となる。このような不具合に対処するために例えば、ブレーキが減速機の外径側に設けられる技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−81871号公報
しかしながら、例えば前述の特許文献1に開示されている技術を始めとする従来のインホイルモータ付車両では、以下のような問題が生じ得る。
即ち、特許文献1に開示された技術等におけるインホイルモータ付車両では、ギヤのがた詰めが十分でないため、バックラッシュにより振動、即ちギヤの噛み合わせにおけるがたつきが発生する可能性が往々にしてある。ここで、「バックラッシュ」とは、ねじや歯車による隙間のことを指し、更に、係る隙間によりギヤががたつくこと事態を指す場合もある。このがたを詰める(本願明細書では適宜「がた詰め」或いは「がた詰めを行う」と称する)ため、即ちバックラッシュを解消或いは低減するためには、例えば、はす歯歯車等が採用されているものの、その圧着度合いはメカニカルな寸法で決まってしまい、完全には除去できない可能性がある。また、歯車加工の精度を上げるということは、そのままコストの増加につながるという副次的な問題もある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、例えばインホイルモータと車輪との間に介在するギヤにおける、バックラッッシュによる振動を低減可能である制駆動制御装置を提供することを課題とする。
本発明の制駆動力制御装置は上記課題を解決するために、少なくとも車両の前後方向又は左右方向に配列された対をなす車輪を含む複数の車輪と、前記対をなす車輪の各々に対して設けられており駆動トルク及び制動トルクを出力可能なインホイルモータ装置と、前記対をなす車輪の各々に対して設けられており前記出力された駆動トルクを前記対をなす車輪のうち対応するものに伝える一のギヤ及び該一のギヤに噛み合う他のギヤを含むギヤ手段とを備えた当該車両において、前記駆動トルク及び制動トルクを制御する制駆動力制御装置であって、前記一のギヤが前記他のギヤに対して前記対をなす車輪間で逆回転方向に付勢され続ける条件を満たし且つ、前記車両を運転する操作状態及び前記車両の挙動状態のうち少なくとも一方の状態に応じた、前記インホイルモータ装置が走行のために既に出力している駆動トルクに対して、前記インホイルモータ装置が出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を、前記対をなす車輪の各々について演算する演算手段と、該演算された値を出力するように、前記インホイルモータ装置を制御する制御手段とを備え、前記演算手段は、前記車両の加速時には、前記条件を満たすべく前記対をなす車輪である前記前後方向に配列された前後輪のうち前記駆動トルクが加えられている一方の車輪に対して前記駆動トルクを大きくした後に、前記前後輪のうち前記制動トルクが加えられている他方の車輪に対して前記制動トルクを小さくする又は更に前記駆動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する
本発明の制駆動力制御装置によれば、例えば自動四輪車、自動二輪車等のインホイルモータ型の車両の走行時には、例えばコントローラ等を備えて構成される制御手段による制御下で、対をなす車輪の一方に対して設けられたインホイルモータ装置によって、該一方の車輪に対して、駆動トルク又は制動トルクが出力される。同様に、対をなす車輪の他方に対して設けられたインホイルモータ装置によって、該他方の車輪に対して、駆動トルク又は制動トルクが出力される。言い換えれば、対をなす車輪は、各インホイルモータ装置によって、相互から独立して駆動又は制動可能である。この際、駆動トルク又は制動トルクは、一のギヤ及びこれに噛み合う他のギヤを含む、例えばリダクションギヤ、遊星ギヤ等のギヤ手段を介して、各インホイルモータ装置から、これに対応する各車輪に出力される。ここに本発明に係る「インホイルモータ装置」とは、インホイルモータそのものを意味する場合の他、例えばインホイルモータ用のバッテリ、配線、駆動回路など、インホイルモータを動作させるためにその周辺に設けられる装置を含めて意味する場合も含む趣旨である。このように、例えばインホイルモータ型のフルタイム四輪駆動が可能となる。
そして、例えばコントローラ等を備えて構成される演算手段によって、一次的には或いは概略的には、車両を運転する操作状態(例えば、アクセルペダルの踏込量、ブレーキペダルの踏込量、省エネモードなど)及び車両の挙動状態(例えば、高速走行中、坂道走行中、雪道走行中など)のうち少なくとも一方の状態に応じた駆動トルク又は制動トルクの値が、全車輪について演算される。
しかるに本発明では特に、このような演算手段によって、二次的には或いは厳密には、一のギヤが他のギヤに対して、対をなす車輪別に決められた一方の回転方向側に(即ち、例えば前輪である一方の車輪については車輪を前に転がす回転方向側に、或いは、例えば後輪である他方の車輪については車輪を後ろに転がす回転方向側に)付勢され続ける条件を満たすように、言い換えれば、一方のギヤのいずれかの係合面が、これに対向する他方のギヤの係合面に圧着され続ける条件を満たすように、係る駆動トルク又は制動トルクの値が、対をなす車輪の各々について別々に演算される。例えば、前輪については、純粋に走行のために求められる駆動トルクに対して5%だけ大きい駆動トルクの値が演算されると共に、後輪については、該求められる駆動トルクに対して5%だけ小さい制動トルクに対応する制動トルクの値が演算されるといった具合である。またここに「付勢され続ける」とは、少なくともバックラッシュの悪影響が顕在化しない程度の期間については常時、同一の回転方向側に付勢されているという意味である。即ち、このように同一の回転方向側に付勢されることでバックラッシュが詰められ且つこの詰められた状態が、例えば一連の一定速度での走行中など、例えば、数秒、数十秒、数分、数十分などの適当な時間に亘って続くという意味である。逆に、全時間について常に或いは恒等的に付勢され続けることまでも意味するものではない。従って、例えば一連の定速度走行中などの間、一定速度を維持するための駆動トルクが各インホイルモータ装置から各車輪を介して出力されている状態で、一方の車輪における一のギヤは他のギヤに同一の回転方向側に付勢され続ける、即ち圧着され続けることになる。このため、インホイルモータ装置及び車輪間に介在するギヤにおけるがたつきを低減或いは解消可能となる。言い換えれば、バックラッシュを解消あるいは低減できる。
この際「付勢され続ける条件を満たす」という駆動トルク又は制動トルクの値を演算するためには、例えば先ず、個別具体的なギヤ手段を含む車両について、実験的、経験的、理論的又はシミュレーション等によって、各種の操作状態や挙動状態の下で、一のギヤが他のギヤに対して付勢され続ける条件を満たす、駆動トルク又は制動トルクの値を、車輪別に且つ各種の状態別に予め求めておく。例えば、操作状態や挙動状態を微妙に変化させながら、発生するバックラッシュによるがたつきや振動を測定又は計算することで、或いは発生するバックラッシュの大きさを測定又は計算することで、このような値を予め順次求めておく。更に、これらの値を車輪別且つ状態別にテーブル化したり、状態を一又は複数のパラメータで表現することで該パラメータの関数或いは近似式として関数化しておく。その後、実際の当該制駆動制御装置の動作時には、演算手段によって、このように予め構築された関数やテーブルを用いることで、「一のギヤが他のギヤに対して、対をなす車輪別に決められた一方の回転方向側に付勢され続ける条件を満たす」という駆動トルク又は制動トルクの値を、比較的迅速且つ容易にして、リアルタイム的に演算又は算出或いは推定することが可能となる訳である。
尚、インホイルモータ装置及び車輪間に介在する、本発明に係る「一のギヤ」や「他のギヤ」としては、例えば、変速を行うためのリダクションギヤ、遊星歯車機構を構成するギヤなど、バックラッシュが大なり小なり発生するギヤである限り任意であり、同様又は類似の効果が奏されることになる。
以上のように本発明の制駆動力制御装置によれば、ギヤ手段におけるバックラッシュを低減しつつ、操作状況等に応じたインホイルモータ装置における駆動トルク及び制動トルクによる走行が可能となる。尚、本発明によってバックラッシュを解消する或いは実質的に完全に解消するのが好ましいが、運転者に知覚可能な程度に、がたつき又は振動或いは騒音を低減できれば、本発明の顕著なる効果は十分に発揮されていると言ってよい。
加えて、インホイルモータ装置を、充放電可能なバッテリーに接続されたモータジェネレータから構成すれば、駆動トルクが加えられる一方の車輪については、モータジェネレータ装置により電力が消費され、これと並行して、制動トルクが加えられる他方の車輪については、モータジェネレータ装置により電力が発電される。従って、当該制駆動力制御装置による制御は、車両全体のエネルギ効率を殆ど低めないで実施可能であるという点からも実践上非常に有利である。
本発明では、前記演算手段は、前記車両の加速時には、前記条件を満たすべく前記対をなす車輪である前記前後方向に配列された前後輪のうち前記駆動トルクが加えられている一方の車輪に対して前記駆動トルクを大きくした後に、前記前後輪のうち前記制動トルクが加えられている他方の車輪に対して前記制動トルクを小さくする又は更に前記駆動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する。
よって、車両の加速時には、演算手段による演算結果に従っての制御手段による制御下で、前述の条件を満たすべく、前後輪のうち駆動トルクが加えられている一方の車輪(例えば前輪)については、インホイルモータ装置によって、先ず、駆動トルクが大きくされる。ここでは、前述の条件が満たされているので、加速前から加速後にかけて、バックラッシュは低減されている。その後、例えばコンマ数秒、数秒、或いは十数秒など、特定又は不特定の時間が経過した後に、前後輪のうち制動トルクが加えられていた他方の車輪(例えば後輪)については、インホイルモータ装置によって、制動トルクが小さくされるか又は更に駆動トルクが加えられる。
ここで特に、他方の車輪について更に駆動トルクが加えられると、該他方の車輪は加速のために一役を担うことになるが、その反面、前述の条件を満たすことはできずに、バックラッシュを通過する事態を避けては通れない。しかるに、一方の車輪により既に加速が行われてしばらく経った後であるので、一方の車輪と共に一時に駆動トルクが加えられる場合と比較すれば、他方の車輪についてのバックラッシュによる振動或いは騒音は、格段に低減されていると言ってよい。このように、加速しても、ギヤ手段においてバックラッシュが詰められる側の車輪を先に駆動することで、即ち、ギヤ手段においてバックラッシュを通過させる側の車輪をしばらくしてから通過させることで、好ましくは徐々に又はゆっくりとバックラッシュを通過させることで、車両全体としてバックラッシュによる悪影響を顕著に低減できるので、極めて有利である。
尚、先に一方の車輪に対して加えられる駆動トルクだけで、要求に見合うだけの加速が得られるのであれば、他方の車輪についてはバックラッシュを通過させなくてもよい。即ち、制動トルクを小さくするだけで、駆動トルクが加えられる状態にまでされないでもよい。
本発明では、例えば演算手段或いは制御手段と同一又は異なるコントローラ等を備えて構成されており、車両を加速させるか否かを、車両に設けられた加速度センサ、速度センサ等の各種センサの検出出力に直接的に又は間接的に基づいて、判定する判定手段を更に備えてもよい。或いは、このような判定を演算手段により行わせてもよい。
本発明の制駆動力制御装置の一態様では、前記演算手段は、前記少なくとも一方の状態として前記車両を一定速度で走行させる状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち一方に駆動トルクを加えると共に他方に制動トルクを与えるように、前記インホイルモータ装置を制御する。
この態様によれば、車両が一定速度で走行する際には、各インホイルモータ装置によって、前述の条件を満たすべく前後輪のうち一方(例えば、前輪)に駆動トルクが加えられる。これと並行して、前後輪のうち他方(例えば、後輪)に制動トルクが与えられる。従って、前輪と後輪とでは、バックラッシュを詰める方向が逆となり、一定速度の走行に支障を来たすことなく、いずれの車輪についても、バックラッシュに係るがた詰めを行うことが可能となる。
ここでは、基本的に一定速度による直線走行を想定しているが、旋回走行の場合であっても、同様或いは類似の効果が得られる。或いは、旋回走行の場合には、旋回の度合を考慮して、演算される駆動トルク又は制動トルクの値に、適宜に調整を加えてもかまわない。
この態様では、例えば演算手段或いは制御手段と同一又は異なるコントローラ等を備えて構成されており、車両を一定速度で走行させるか否かを、車両に設けられた速度センサ、アクセルペダルセンサ等の各種センサの検出出力に直接的又は間接的に基づいて、判定する判定手段を更に備えてもよい。或いは、このような判定を演算手段により行わせてもよい。尚、ここに「検出出力に直接的に基づいて」とは、一定速度で走行させるか否かを直接的に検出可能なセンサを用いて検出する場合を想定しており、「検出出力に間接的に基づいて」とは、一定速度で走行させるか否かを直接検出するものではないがこれに関連するパラメータを検出する一又は複数のセンサにより間接的に検出する場合を想定している。更に、他のパラメータに係る「検出出力に直接的又は間接的に基づいて」についても同趣旨である。
本発明の制駆動力制御装置の他の態様では、前記演算手段は、前記条件として、前記一のギヤ及び前記他のギヤ間におけるバックラッシュを低減するのに適切であるとして予め設定された値の付勢力で、前記一のギヤが付勢され続ける条件を満たすように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する。
この態様によれば、演算手段によって、一のギヤ及び他のギヤ間におけるバックラッシュを低減するのに適切であるとして予め設定された値の付勢力で、一のギヤが付勢され続ける条件を満たすように、言い換えれば、一方のギヤのいずれかの係合面が、これに対向する他方のギヤの係合面に、所定の付勢力で圧着され続ける条件を満たすように、係る駆動トルク又は制動トルクの値が、対をなす車輪の各々について別々に演算される。例えば、バックラッシュを確実に低減できる程度であれば、不必要に大きい付勢力はむしろ不要であり、必要最低限の付勢力で付勢され続けるようにできる。即ち、予め設定される付勢力は、その性質上概して微小である。言い換えれば、バックラッシュを低減或いは解消させるには、微小で十分である。従って、例えば一連の定速度走行中などの間、一方の車輪における一のギヤは他のギヤに同一の回転方向側に、バックラッシュを低減するに適切な付勢力で付勢され続けることになる。このため、バックラッシュを一層確実に解消あるいは低減できる。
この際「バックラッシュを低減するのに適切である付勢力の値」は、例えば、実験室や実験場或いは研究室において、実験的、経験的、理論的又はシミュレーション等によって、例えば、操作状態や挙動状態を微妙に変化させながら、発生するバックラッシュによるがたつきや振動を測定又は計算することで、或いは発生するバックラッシュの大きさを測定又は計算することで、予め設定可能である。
本発明の制駆動力制御装置の他の態様では、前記演算手段は、前記車両の減速時には、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち前記制動トルクが加えられている一方の車輪に対して前記制動トルクを大きくした後に、前記前後輪のうち前記駆動トルクが加えられている他方の車輪に対して前記駆動トルクを小さくする又は更に前記制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する。
この態様によれば、車両の減速時には、演算手段による演算結果に従っての制御手段による制御下で、前述の条件を満たすべく、前後輪のうち制動トルクが加えられている一方の車輪(例えば後輪)については、インホイルモータ装置によって、先ず、制動トルクが大きくされる。ここでは、前述の条件が満たされているので、減速前から減速後にかけて、バックラッシュは低減されている。その後、例えばコンマ数秒、数秒、或いは十数秒など、特定又は不特定の時間が経過した後に、前後輪のうち駆動トルクが加えられていた他方の車輪(例えば前輪)については、インホイルモータ装置によって、駆動トルクが小さくされるか又は更に制動トルクが加えられる。
ここで特に、他方の車輪について更に制動トルクが加えられると、該他方の車輪は減速のために一役を担うことになるが、その反面、前述の条件を満たすことはできずに、バックラッシュを通過する事態を避けては通れない。しかるに、一方の車輪により既に減速が行われてしばらく経った後であるので、一方の車輪と共に一時に制動トルクが加えられる場合と比較すれば、他方の車輪についてのバックラッシュによる振動或いは騒音は、格段に低減されていると言ってよい。このように、減速しても、ギヤ手段においてバックラッシュが詰められる側の車輪を先に制動することで、即ち、ギヤ手段においてバックラッシュを通過させる側の車輪をしばらくしてから通過させることで、好ましくは徐々に又はゆっくりとバックラッシュを通過させることで、車両全体としてバックラッシュによる悪影響を顕著に低減できるので、極めて有利である。
尚、先に一方の車輪に対して加えられる制動トルクだけで、要求に見合うだけの減速が得られるのであれば、他方の車輪についてはバックラッシュを通過させなくてもよい。即ち、駆動トルクを小さくするだけで、制動トルクが加えられる状態にまでされないでもよい。
この態様では、例えば演算手段或いは制御手段と同一又は異なるコントローラ等を備えて構成されており、車両を減速させるか否かを、車両に設けられた加速度センサ、速度センサ等の各種センサの検出出力に直接的に又は間接的に基づいて、判定する判定手段を更に備えてもよい。或いは、このような判定を演算手段により行わせてもよい。
本発明の制駆動力制御装置の他の態様では、前記演算手段は、前記少なくとも一方の状態として前記車両を旋回させる状態の場合、前記対をなす車輪である前記左右方向に配列された左右輪のうち少なくとも一方の車輪について前記条件を満たすべく、前記左右輪のうち一方に駆動トルクを加えると共に他方に制動トルクを与えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する。
この態様によれば、例えば高速道路における左カーブや右カーブ、或いは街路における左曲りや右曲りなど、車両の旋回時には、演算手段による演算結果に従っての制御手段による制御下で、左右輪のうち一方(例えば左輪)については、インホイルモータ装置によって、駆動トルクが加えられる。例えば、それまで掛けられていた駆動トルクが大きくされるか、駆動トルクも制動トルクも掛けられていなかった状態から、駆動トルクが掛かられたり、それまで制動トルクが掛けられていた状態から、駆動トルクが掛かられたりする。これと並行して、左右輪のうち他方(例えば右輪)については、インホイルモータ装置によって、制動トルクが加えられる。例えば、それまで掛けられていた制動トルクが大きくされるか、駆動トルクも制動トルクも掛けられていなかった状態から、制動トルクが掛けられたり、それまで駆動トルクが掛けられていた状態から、制動トルクが掛かられたりする。このような駆動トルク及び制動トルクは、バックラッシュを低減するための前述の条件を満たすべく加えられるので、左右輪のうち少なくとも一方の車輪については、旋回時におけるバックラッシが低減されることになる。更に典型的には、旋回中、左右輪のうち外輪となる車輪に駆動トルクを加えると共に、内輪となる車輪に制動トルクを加えることで、安定した旋回も可能となる。このように、旋回しても、左右輪のうち少なくとも一方に係るギヤ手段においてバックラッシュが詰められた状態が維持されるので、車両全体としてバックラッシュによる悪影響を顕著に低減でき、しかも、これに併せて安定した旋回動作も可能となるので、実践上極めて有利である。
尚、車両の走行状態が直進から旋回に移行するのに応じて、前述した一定速度の場合や加速又は減速の場合における演算及びこれに従う制御から、当該態様における旋回の場合の演算及びこれに従う制御に切り換えてもよい。
この態様では、例えば演算手段或いは制御手段と同一又は異なるコントローラ等を備えて構成されており、車両が旋回するか否かを、車両に設けられた車両に設けられた旋回方位センサ、旋回角度センサ等の各種センサの検出出力に直接的に又は間接的に基づいて、判定する判定手段を更に備えてもよい。或いは、このような判定を演算手段により行わせてもよい。
本発明の制駆動力制御装置の他の態様では、前記演算手段は、前記少なくとも一方の状態として前記車両の後部座席に乗員が居る状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち前輪に駆動トルクを加えると共に後輪に制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算し、前記少なくとも一方の状態として前記車両の後部座席に乗員が居ない状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち後輪に駆動トルクを加えると共に前輪に制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する。
この態様によれば、車両の後部座席に乗員が居る場合には、演算手段による演算結果に従っての制御手段による制御下で、前述の条件を満たすべく、前後輪のうち前輪に駆動トルクが加えられ、後輪に制動トルクが加えられる。ここで、本願発明者の研究によれば、原則として加減速時における入力は、減速側が支配的になる。このため、後輪側に、制動トルクとして微小な減速トルクを入れてやれば、バックラッシュによる振動等を低減できるのに加えて、加減速時における後部座席の乗員の乗り心地を向上させる結果が得られる。
この態様では、例えば演算手段或いは制御手段と同一又は異なるコントローラ等を備えて構成されており、後部座席に乗員が居るか否かを、車両に設けられた赤外線センサ、重量センサ等の各種センサの検出出力に直接的に又は間接的に基づいて、判定する判定手段を更に備えてもよい。或いは、このような判定を演算手段により行わせてもよい。
本発明の制駆動力制御装置の他の態様では、前記演算手段は、前記少なくとも一方の状態として前記車両の後部座席に乗員が居る状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち前輪に駆動トルクを加えると共に後輪に制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算し、前記少なくとも一方の状態として前記車両の後部座席に乗員が居ない状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち後輪に駆動トルクを加えると共に前輪に制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する。
この態様によれば、車両の後部座席に乗員が居る場合には、前述した態様と同様に、演算手段による演算結果に従っての制御手段による制御下で、前述の条件を満たすべく、前後輪のうち前輪に駆動トルクが加えられ、後輪に制動トルクが加えられる。他方で、車両の後部座席に乗員が居ない場合には、即ち、前部座席にだけ乗員が居る場合には、演算手段による演算結果に従っての制御手段による制御下で、前述の条件を満たすべく、前後輪のうち後輪に駆動トルクが加えられ、前輪に制動トルクが加えられる。このため、後部座席に乗員が居る場合には、後輪側に、制動トルクとして微小な減速トルクを入れてやれば、バックラッシュによる振動等を低減できるのに加えて、加減速時における後部座席の乗員の乗り心地を向上させる結果が得られる。他方、前部座席にだけ乗員が居る場合には、前輪側に、制動トルクとして微小な減速トルクを入れてやれば、バックラッシュによる振動等を低減できるのに加えて、加減速時における前部座席の乗員の乗り心地を向上させる結果が得られる。
本発明の制駆動力制御装置の他の態様では、前記インホイルモータ装置は、前記制動トルクを出力する際に発電するモータジェネレータ装置を有し、前記演算手段は、前記対をなす車輪の一方について前記モータジェネレータ装置から出力すべき駆動トルクのために消費される電力と、前記対をなす車輪の他方について前記モータジェネレータ装置から出力すべき制動トルクのために発電される電力とを相等しくするように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する。
この態様によれば、演算手段による演算結果に従っての制御手段による制御下で、駆動トルクが加えられる一方の車輪(例えば前輪)については、モータジェネレータ装置により電力が消費されるが、これと並行して、制動トルクが加えられる他方の車輪(例えば後輪)については、モータジェネレータ装置により電力が発電される。しかも、これらは、相等しくされているので、バックラッシュに係るギヤのがた詰めのために必要となる電力消費を極めて小さくすることができる。この態様における「相等しくするように」とは、結果として「相等しくなる」という意味ではなく、何らの対策もしない場合と比較して、モータジェネレータ装置により消費される電力と、モータジェネレータ装置により発電される電力とを、積極的に近付けるという意味である。即ち、結果として見れば「完全に又は殆ど等しくなる」の他、「実質的に相互等しくなる或いは相対的に近い値となる」という意味である。特に、一定速度で走行する場合には、このような状態をつくるのは比較的容易である。
このように省エネを図る構成を採用すれば、理論上は、対をなす車輪における駆動トルク及び制動トルクの両者を幾ら大きくしても支障はないようであるが、実際上は、エネルギロスが存在する。このため、本態様においてもやはり、バックラッシュを確実に低減できる程度であれば、不必要に大きい駆動トルク及び制動トルクを加える必要はない。
本発明の他の制駆動力制御装置は上記課題を解決するために、少なくとも車両の前後方向又は左右方向に配列された対をなす車輪を含む複数の車輪と、前記対をなす車輪の各々に対して設けられており駆動トルクを出力可能なインホイルモータ装置と、前記対をなす車輪の各々に対して設けられており前記出力された駆動トルクを前記対をなす車輪のうち対応するものに伝える一のギヤ及び該一のギヤに噛み合う他のギヤを含むギヤ手段と、前記対をなす車輪のうち少なくとも一方の車輪に設けられており該少なくとも一方の車輪の回転を制動する制動トルクを出力可能な制動装置とを備えた当該車両において、前記駆動トルク及び制動トルクを制御する制駆動力制御装置であって、前記一のギヤが前記他のギヤに対して前記対をなす車輪間で逆回転方向に付勢され続ける条件を満たし且つ、前記車両を運転する操作状態及び前記車両の挙動状態のうち少なくとも一方の状態に応じた、前記インホイルモータ装置が走行のために既に出力している駆動トルクに対して、前記インホイルモータ装置が出力すべき駆動トルク及び前記制動装置が出力すべき制動トルクのうち少なくとも一方の値を、前記対をなす車輪の各々について演算する演算手段と、該演算された値を出力するように、前記インホイルモータ装置及び前記制動装置のうち少なくとも一方の装置を制御する制御手段とを備え、前記演算手段は、前記車両の加速時には、前記条件を満たすべく前記対をなす車輪である前記前後方向に配列された前後輪のうち前記駆動トルクが加えられている一方の車輪に対して前記駆動トルクを大きくした後に、前記前後輪のうち前記制動トルクが加えられている他方の車輪に対して前記制動トルクを小さくする又は更に前記駆動トルクを加えるように、前記インホイルモータ装置が出力すべき駆動トルク及び前記制動装置が出力すべき制動トルクのうち少なくとも一方の値を演算する
本発明の他の制駆動力制御装置によれば、インホイルモータ装置により制動トルクを加えるのではなく、インホイルモータ装置とは別に設けられた例えばブレーキなどの制動装置により、制動トルクを加える。この際、インホイルモータ装置による駆動トルク及び制動装置による制動トルクは、バックラッシュに係るギヤにおけるがた詰めに係る前述の条件を満たすように演算されるので、前述した本発明の制駆動力制御装置の場合と概ね同様に、ギヤ手段におけるバックラッシュを低減しつつ、操作状況等に応じたインホイルモータ装置における駆動トルク及び制動装置における制動トルクによる走行可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から更に明らかにされる。
以下、この発明を具体化した実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、図中の同一或いは相当部分には同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
(インホイルモータ装置付き車輪の構成)
先ず本実施形態に係るインホイルモータ装置付き車輪の構成を、図1を参照して、その基本動作と共に説明する。ここに、図1は、実施形態に係るインホイルモータ装置付き車輪の図式的な断面図である。
図1において、インホイルモータ装置付き車輪は、制駆動機構110と、制駆動機構110により制動及び駆動される車輪120とを備える。制駆動機構110は、本発明に係る「インホイルモータ装置」の一例を構成するインホイルモータ111と、インホイルモータ111及び車輪120間に介在しており駆動トルク又は制動トルクを伝達する、本発明に係る「ギヤ手段」の一例を構成するリダクションギヤ112及びハブギヤ113と、ホイルディスク114とを備えて構成される。
インホイルモータ111は、図示しないステータコア、ステータコイル及びロータを備え、後述する制御装置の指示に従ってステータコイルに交流電流が流されると、ロータの回転と共に所定のトルクを出力する。インホイルモータ111は、好適にはモータジェネレータであり、車輪の駆動時にはバッテリーから供給される電力を消費し、車輪の制動時には発電して該バッテリーに充電するように構成されている。
リダクションギヤ112は、遊星歯車機構としてインホイルモータ111のロータと連結され、インホイルモータ111により入力されるトルクを補完するように構成されている。
ハブギヤ113は、リダクションギヤ112と外接するように支持され、リダクションギヤ112から受けたトルクをホイルディスク114へ伝動するように構成されている。
ホイルディスク114は、ディスク部とリム部を備え、ディスク部がハブギヤ113の外周端に締結されているため、ハブギヤ113からトルクを受けるように構成されている。
車輪120は、ホイルディスク114のリム部に支持されており、ホイルディスク114の回転を受けて制駆動されるように構成されている。
以上のような構成を有するインホイルモータ装置付き車輪は、インホイルモータ型の四輪駆動車の四輪として4個用いられる。これら4個のインホイルモータ装置付き車輪は、相互から独立して駆動トルク及び制動トルクを出力することが可能に構成されている。実際の走行時には、後述する制御装置の制御下で、各インホイルモータ装置付き車輪におけるリダクションギヤ112及びハブギヤ113間のバックラッシュを夫々低減するように、4個のインホイルモータ装置付き車輪に係るインホイルモータ110は、協調制御される。
これらのリダクションギヤ112及びハブギヤ113間に大なり小なり存在するバックラッシュは、基本的には、これらのギヤのメカニカルな寸法で決定されている。従って、バックラッシュを調整するには、これらのギヤの加工精度向上が問題となる。更に、ギヤ加工精度向上には、コスト上の問題も潜在する。しかるに、本実施形態に係る制駆動制御装置は、メカニカルな寸法及び構造に拠らず、次に詳述するように、制御装置がインホイルモータ111の制駆動トルクを制御することで、ギヤの圧着度合いを調整し、ギヤのがた詰めを行うことで、加減速時などの走行中において発生し得るバックラッシュによる振動を低減することを可能とする。
(本実施形態に係る制駆動制御装置の構成)
次に図2に従って、本実施形態に係る制駆動制御装置の構成を以下説明する。ここに、図2は、実施形態に係る制駆動制御装置を搭載する車両の図式的なブロック図である。
図2において、実施形態に係る車両は、制御装置100、図1に示したインホイルモータ111等を含む制駆動機構110、図1に示した車輪120と同一構成を夫々有する前輪120f及び後輪120r、アクセル開度センサ131、舵角センサ132、乗員検出センサ133、並びにバッテリー140を備えて構成される。
制御装置100は、制駆動トルク演算部101及び制駆動トルク制御部102を備える。この機能は、例えば周知の電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、制御プログラムを格納した読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、各種データを格納する随時書き込み読み出しメモリ(Random Access Memory:RAM)等を中心とした論理演算回路により実現される。また更に、各種センサからの入力信号を受ける入力ポート及び、各種アクチュエータに制御信号を送る出力ポートに対して、バスを介して接続されているほか、バッテリー140と電気的に接続されている。
本発明に係る「演算手段」の一例は、例えば制御装置100に含まれる制駆動トルク演算部101からなり、アクセル開度センサ131、舵角センサ132、乗員検出センサ133等の各種センサからの入力信号を受けて車両の走行状態及び車両の運転者の操作を判断し、インホイルモータ111に伝えるべき制駆動トルクの値及び方向を予想或いは演算する。
本実施形態に係る「制御手段」の一例は、例えば制御装置100に含まれる制駆動トルク制御部102からなり、制駆動トルク演算部101により予想された制駆動トルクに応じて、リダクションギヤ112とハブギヤ113との間におけるバックラッシュが低減されるように、インホイルモータ111を夫々制御する。
制駆動機構110では、制駆動トルク制御部102により、内部のインホイルモータ111(図1参照)が制御される。このインホイルモータ111で発生した駆動トルク又は制動トルクが、リダクションギヤ112、ハブギヤ113及びホイルディスク114を介して車輪120(即ち、前輪120f及び後輪120rの各々)に伝達され、車輪120が制駆動されることが可能に構成されている。また、制駆動機構110では、インホイルモータ111はモータジェネレータから構成され且つバッテリー140と電気的に接続されており、車輪120の駆動トルクが与えられる時にはバッテリー140の電力を消費する一方で、制動トルクが与えられる時には発電されるため、バッテリー140を充電することが可能に構成されている。
図1及び図2に示すように及び次に詳述するように、本実施形態では特に、制駆動トルク演算部101及び制駆動トルク制御部102を備え、これらにより4個の制駆動機構110を協調制御することで、各制駆動機構110におけるバックラッシュによる振動を低減することが可能に構成されている。より具体的には、例えば本実施形態に係る車輪制御により前輪120fにΔFxの駆動トルクが与えられるとする。これと並行して、即ち同時に又は多少相前後して、後輪120rに、−ΔFxの制動トルクが与えられる。すると一方で、前輪120fでは、リダクションギヤ112の係合面が、ハブギヤ113の係合面に対して、リダクションギヤ112がハブギヤ113を“駆動”する回転方向に、駆動トルクΔFxにて圧着され続ける状態が維持される。これにより前輪120fにおけるリダクションギヤ112及びハブギヤ113間のバックラッシュによるギヤのがたが、詰められる。他方で、後輪120rでは、リダクションギヤ112の係合面が、ハブギヤ113の係合面に対して、リダクションギヤ112がハブギヤ113を“制動”する回転方向に、制動トルク−ΔFxにて圧着され続ける状態が維持される。これにより後輪120rにおけるリダクションギヤ112及びハブギヤ113間のバックラッシュによるギヤのがたが、やはり詰められる。尚、このように前輪120f及び後輪120r間で逆回転方向に、がた詰めが行われる状態を以下適宜、「バックラッシュを前後輪間(前輪120f及び後輪120r間)で相殺する」或いは単に「バックラッシュを相殺する」と略して呼ぶことにする。これらの結果、車両全体として、バックラッシュによる振動が比較的低減される。しかも、この際、制動トルクにより発電可能なため、本実施形態に係る制御による無駄な電力消費を極力抑えることが可能となる。
(制駆動制御装置の動作処理:一定速度の直進状態の場合)
次に、以上のように構成された制駆動制御装置の実施形態に係る一の動作処理について、図1及び図2に加えて、図3及び図4を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態における制駆動制御装置の一の動作処理を表すフローチャートであり、図4は本実施形態における制駆動制御装置による制駆動トルク制御を表す概念図である。
ここでの動作処理は、車両が一定速度で直進する場合に、制駆動トルク演算部101及び制駆動トルク制御部102によって、対をなす前後輪に設けられた制駆動機構110を協調制御することで、バックラッシュを前後輪間で相殺する制御に関する。
即ち図3において先ず、舵角センサ132により舵角が0か否かが判断される(ステップS101)。
ここで、舵角が0である場合(ステップS101:Yes)即ち車両が直進している場合には、続いてアクセル開度が一定か否かが判断される(ステップS102)。
ここで、アクセル開度が一定である場合(ステップS102:Yes)には、車両が等速で、即ち一定速度で直進しているということである。この場合は、図4に示すように、制駆動トルク制御部102は、前輪側のインホイルモータ111(図1参照)により、前輪120fに駆動トルクΔFxを与え、これと同時に又は相前後して、後輪側のインホイルモータ111により、後輪120rに制動トルク−ΔFxを与えるように制御する。或いは反対に、制駆動トルク制御部102は、前輪側のインホイルモータ111により、前輪120fに制動トルク−ΔFxを与え、これと同時に又は相前後して、後輪側のインホイルモータ111により、後輪120rに駆動トルクΔFxを与えるように制御してもよい(ステップS103)。尚、ここでの駆動トルクΔFx及び制動トルク−ΔFxの値は、バックラッシュを相殺するのに十分であれば足り、必要以上に大きくする必要はない。係るバックラッシュを相殺するのに十分な値は、例えば、実験によって、各種の操作状態や各種の挙動状態別に、予め求められる性質のものである。即ち、実際の走行中には、制御装置100によって、予め設定されており且つ例えば内蔵メモリ又は外付メモリに格納されている関数又はテーブルを参照することで、係るバックラッシュを相殺するのに十分な値を、リアルタイム的に演算等により、予想することができる。
他方、舵角が0でない場合(ステップS101:No)即ち車両が旋回している場合、又はアクセル開度が一定でない場合(ステップS102:No)には、舵角の判定が再び行われることとなる(ステップS101)。即ち、ステップS103におけるバックラッシュを相殺する制御は、一定速度で直進している場合に限って行われる。
以上説明した実施形態によれば、前輪120f及び後輪120rに与えられる制駆動トルクが夫々互いに打ち消しあう方向に働き、これにより一定速度での走行状態が維持されることになる。この際特に、リダクションギヤ112及びハブギヤ113間におけるバックラッシュが前後輪間で相殺されるため、車両の振動を低減することが可能となるのである。この際また、駆動トルクを出力するインホイルモータ111では電力が消費されるが、制動トルクを出力するインホイルモータ111では例えばモータジェネレータによって発電され、バッテリー140に充電されるため、電力効率が極めて良いと言える。
尚、ステップS103の処理において、制駆動トルク制御部102は、前輪120f側のインホイルモータ111により前輪120fに駆動トルクΔFxを与えつつ、後輪120r側にある図示しないブレーキを介して、図4に示すように、後輪120rに制動トルク−ΔFxを与えるように制御してもよい。或いは、制駆動トルク制御部102は、前輪120f側にある図示しないブレーキを介して、前輪120fに制動トルク−ΔFxを与えつつ、後輪120r側のインホイルモータ111により後輪120rに駆動トルクΔFxを与えるように制御してもよい。このように制御するのであれば、インホイルモータ111は、ジェネレータ機能を有していなくても足りる。
(制駆動制御装置の動作処理:加減速移行時の場合)
次に、以上のように構成された制駆動制御装置の実施形態に係る他の動作処理について、図1、図2及び図4に加えて、図5及び図6を参照して説明する。ここに図5は、本実施形態の加速移行時における制駆動制御装置の動作処理を表すフローチャートであり、図6は本実施形態の減速移行時における制駆動制御装置の動作処理を表すフローチャートである。
ここでの動作処理は、図4に示す一定速度の直進状態から、加速状態或は減速状態に移行する際に有効な処理である。即ち、ここでの動作処理は、車両が加速又は減速する場合に、制駆動トルク演算部101及び制駆動トルク制御部102によって、対をなす前後輪に設けられた制駆動機構110を協調制御することで、バックラッシュを前後輪間で相殺する制御に関する。従って、以下の動作処理を行うに当たり、初期状態として先ず、一定速度の直進状態において、前輪120fに駆動トルクΔFxが与えられ、後輪120rには制動トルク−ΔFxが与えられているとする。その後、車両が加速されるか或いは減速されるかによって、図5或いは図6のうちいずれか一方の処理が行われる。
図5における加速移行時には先ず、舵角センサ132により舵角が0か否かが判断される(ステップS201)。
ここで、舵角が0である場合(ステップS201:Yes)即ち車両が直進している場合には、続いてアクセル開度が0より大きいか否かが判断される(ステップS202)。
この際、アクセル開度が0より大きい場合(ステップS202:Yes)には、車両が加速しているということである。この場合には、制駆動トルク制御部102は、前輪120fと後輪120rの駆動指令時間をずらす。具体的には、アクセルの踏込みと同時に又は多少相前後して、即ち、時刻T=0において、制駆動トルク制御部102は、もともと駆動トルクΔFxが与えられている前輪120fを先に加速させるための加速指示トルクを与える。それから所定の時間Δtが経過した後、即ち時刻TがT=tにおいて、制動トルク−ΔFxが与えられている後輪120rも駆動する(ステップS203)。
他方、舵角が0でない場合(ステップS201:No)即ち車両が旋回している場合や、アクセル開度が0より大きくない場合(ステップS202:No)には、舵角の判定が再び行われることとなる(ステップS201)。即ち、ステップS203におけるバックラッシュを相殺する制御は、加速している場合に限って行われる。
以上図5を参照して説明した実施形態によれば、前輪120f及び後輪120rに与えられる制駆動トルクが夫々互いに打ち消しあう方向に働くが、前輪120fに与えられる駆動トルクの方が大きい分だけ、先ず加速が行われることになる。更にその後、後輪120rに駆動トルクが与えられることで、更なる加速が行われることになる。この際特に、バックラッシュが詰まった状態から加速が開始され、加速中にも、リダクションギヤ112及びハブギヤ113間におけるバックラッシュが前後輪間で相殺されるため、車両の振動を低減することが可能となるのである。即ち、スムーズに加速することが可能となる。
尚、ステップS203において、後輪120rを駆動すると、後輪120rにおけるギヤではバックラッシュを通過することになる。しかるに、このバックラッシュを通過する時点では既に、前輪120fにより加速が行われて時間Δtが経過しているので、時刻T=0でいきなり後輪120rも駆動する場合と比較すれば、後輪120rについてのバックラッシュによる振動或いは騒音は、格段に低減されている。加えて、前輪120fを駆動するだけで、アクセル開度に見合った加速が得られるのであれば、後輪120rについては制動トルクを維持したままにするか又は小さくするだけで、バックラッシュを通過させないでも済む。
他方、図6における減速移行時には先ず、舵角センサ132により舵角が0か否かが判断される(ステップS301)。
ここで、舵角が0である場合(ステップS301:Yes)即ち車両が直進している場合には、続いてアクセル開度が0であるか否かが判断される(ステップS302)。尚、アクセル開度が0であるか否かの判断に代えて又は加えて、ブレーキペダルが踏まれているか否かを判断してもよい。
この際、アクセル開度が0である場合(ステップS302:Yes)には、車両が加速しておらず、このまま何ら操作がなされなければ減速していくということである。この場合には、制駆動トルク制御部102は、前輪120fと後輪120rの制動指令時間をずらす。より具体的には、アクセルの踏込みが外れるのと同時に又は多少相前後して、即ち、時刻T=0において、制駆動トルク制御部102は、もともと制動トルク−ΔFxが与えられている後輪120rを先に減速させるための加速指示トルクを与える。それから所定の時間Δtが経過した後、即ち時刻TがT=tにおいて、駆動トルクΔFxが与えられている前輪120fも制動する(ステップS303)。
他方、舵角が0でない場合(ステップS301:No)即ち車両が旋回している場合や、アクセル開度が0でない場合(ステップS302:No)即ち車両が加速している場合には、舵角の判定が再び行われることとなる(ステップS301)。即ち、ステップS303におけるバックラッシュを相殺する制御は、減速している場合に限って行われる。
以上図6を参照して説明した実施形態によれば、前輪120f及び後輪120rに与えられる制駆動トルクが夫々互いに打ち消しあう方向に働くが、後輪120rに与えられる制動トルクの方が大きい分だけ、先ず減速が行われることになる。更にその後、前輪120fに制動トルクが与えられることで、更なる減速が行われることになる。この際特に、バックラッシュが詰まった状態から減速が開始され、減速中にも、リダクションギヤ112及びハブギヤ113間におけるバックラッシュが前後輪間で相殺されるため、車両の振動を低減することが可能となるのである。即ち、スムーズに減速することが可能となる。
尚、ステップS303において、前輪120fを制動すると、前輪120fにおけるギヤではバックラッシュを通過することになる。しかるに、このバックラッシュを通過する時点では既に、後輪120rにより減速が行われて時間Δtが経過しているので、時刻T=0でいきなり前輪120fも制動する場合と比較すれば、前輪120fについてのバックラッシュによる振動或いは騒音は、格段に低減されている。加えて、後輪120rを制動するだけで、アクセル開度=0に見合った又はブレーキペダルの踏み込み量に見合った減速が得られるのであれば、前輪120fについては駆動トルクを維持したままにするか又は小さくするだけで、バックラッシュを通過させないでも済む。
(制駆動制御装置の動作処理:旋回状態の場合)
次に、以上のように構成された制駆動制御装置の実施形態に係る他の動作処理について、図7及び図8を参照して説明する。ここに図7は、本実施形態における制駆動制御装置の他の動作処理を表すフローチャートであり、図8は本実施形態における制駆動制御装置による制駆動トルク制御を表す概念図である。
ここでの動作処理は、車両が旋回する場合に、制駆動トルク演算部101及び制駆動トルク制御部102によって、対をなす左右輪に設けられた制駆動機構110を協調制御することで、バックラッシュを前後輪間で相殺しつつ安定した旋回を可能ならしめる制御に関する。
図7において先ず、舵角センサ132により舵角が0か否かが判断される(ステップS401)。
ここで、舵角が0でない場合(ステップS401:No)には、車両が旋回しているということである。この時は、図8に示すように、制駆動トルク演算部101は旋回内外輪の間で与えられる加速指示トルクに差異を設け、その加速指示トルクに応じて制駆動トルク制御部102はインホイルモータ111を制御する(ステップS402)。具体的に例えば、左旋回する場合には、制駆動トルク制御部102は旋回外輪(この場合では、図1に示した車輪120と同一構成を夫々有する右輪である、右前輪120fr及び右後輪120rr)に対してΔFxの駆動トルクを与える一方で、旋回内輪(この場合では、図1に示した車輪120と同一構成を夫々有する左輪である、左前輪120fl及び左後輪120rl)には−ΔFxの制動トルクを与える。その結果、旋回外輪である右輪に与えられる加速指示トルク(Fx+ΔFx)が旋回内輪である左輪に与えられる加速指示トルク(Fx―ΔFx)に比べて大きくなる。このようにして、車両はヨーモーメントに対し比較的自然な旋回をすることが可能となる。この際また、駆動トルクを出力するインホイルモータ111では電力が消費されるが、制動トルクを出力するインホイルモータ111では例えばモータジェネレータによって発電され、バッテリー140に充電されるため、電力効率が比較的良いと言える。更に、バックラッシュを前後輪間で相殺するように、対をなす前後輪(即ち、右前輪120fr及び右後輪120rrの対と、左前輪120fl及び左後輪120rlの対と)に対して制駆動トルクを加えるように制御するか、又はバックラッシュを左右輪間で相殺するように、対をなす左右輪(即ち、右前輪120fr及び左前輪120flの対と、右後輪120rr及び左後輪120rlの対と)に対して制駆動トルクを加えるように制御すれば、安定な旋回をしつつ、バックラッシュによるギヤのがたを詰めることも可能となる。
他方、舵角が0である場合(ステップS401:Yes)には、舵角の判定が再び行われることとなる(ステップS401)。即ち、ステップS402における旋回を安定させるための制御は、旋回している場合に限って行われる。
以上図7及び図8を参照して説明した実施形態によれば、右前輪120fr、右後輪120rr、左前輪120fl及び左後輪120rlの各々についてバックラッシュが詰まった状態を維持しつつ、左右輪間の制駆動により安定した旋回動作に入れる。即ち、旋回性能に極力影響を与えず、バックラッシュを詰めて振動を低減することが可能となる。
(制駆動制御装置の動作処理:後部座席乗車の場合)
次に、以上のように構成された制駆動制御装置の実施形態に係る他の動作処理について、図9及び図10を参照して説明する。ここに図9は、本実施形態における制駆動制御装置の他の動作処理を表すフローチャートであり、図10は本実施形態における制駆動制御装置による制駆動トルク制御を表す概念図である。
ここでの動作処理は、車両の後部座席に乗員が居るか否かに応じて、乗り心地の良い座席を後部座席とするか又は前部座席とするかを切り替える制御に関する。
図9において、先ず初期状態として、前輪120fに制動トルク−ΔFx、後輪120rに駆動トルクΔFxが与えられているとする。この状態で、乗員検出センサ133により後部座席に乗員がいるか否か判断される(S501)。
ここで、後部座席に乗員がいる場合(S501:Yes)には、後部座席の方が運転者が座る前部座席に比べて乗り心地が良くなるように、制駆動トルク制御部102は前輪120fに駆動トルクΔFx、後輪120rに制動トルク−ΔFxを与えるように切り替える(S502)。このようにトルクが与えられると、後輪120rでは後側にバックラッシュが詰まる。従って、図10に示すように、この状態で、例えば悪路や障害物など何らかの要因によって進行方向と逆向きの外力F(路面入力)を受けたとしても、予め後側にバックラッシュが詰まっているため、後輪120rの振動が前輪120fに比べて抑えられる。即ち、後部座席の方が前部座席に比べて乗り心地が良いと言える。
他方、後部座席に乗員がいない場合(S501:No)には、運転者が座る前部座席の方が後部座席に比べて乗り心地が良くなるように、制駆動トルク制御部102はそのままの制駆動トルクの状態を維持する。
以上図9及び図10を参照して説明した実施形態によれば、振動が低減されると共に、特に前後部座席いずれか一方のうち乗り心地を上げたい座席の乗車性を選択的に向上させることが可能となる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う制駆動制御装置もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る実施形態に係るインホイルモータ装置付き車輪の図式的な断面図である。 実施形態に係る制駆動制御装置を含む車両の図式的なブロック図である。 実施形態における制駆動制御装置の一の動作処理を表すフローチャートである。 実施形態における制駆動制御装置による制駆動トルク制御を表す概念図である。 実施形態の加速移行時における制駆動制御装置の他の動作処理を表すフローチャートである。 実施形態の減速移行時における制駆動制御装置の動作処理を表すフローチャートである。 実施形態における制駆動制御装置の更に他の動作処理を表すフローチャートである。 実施形態における制駆動制御装置による制駆動トルク制御を表す概念図である。 実施形態における制駆動制御装置の更に他の動作処理を表すフローチャートである。 実施形態における制駆動制御装置による制駆動トルク制御を表す概念図である。
符号の説明
100…制御装置、101…制駆動トルク演算部、102…制駆動トルク制御部、110…制駆動機構、111…インホイルモータ、112…リダクションギヤ、113…ハブギヤ、114…ホイルディスク、120…車輪、120f…前輪、120r…後輪、120fr…右前輪、120rr…右後輪、120fl…左前輪、120rl…左後輪、131…アクセル開度センサ、132…舵角センサ、133…乗員検出センサ、140…バッテリー

Claims (9)

  1. 少なくとも車両の前後方向又は左右方向に配列された対をなす車輪を含む複数の車輪と、前記対をなす車輪の各々に対して設けられており駆動トルク及び制動トルクを出力可能なインホイルモータ装置と、前記対をなす車輪の各々に対して設けられており前記出力された駆動トルクを前記対をなす車輪のうち対応するものに伝える一のギヤ及び該一のギヤに噛み合う他のギヤを含むギヤ手段とを備えた当該車両において、前記駆動トルク及び制動トルクを制御する制駆動力制御装置であって、
    前記一のギヤが前記他のギヤに対して前記対をなす車輪間で逆回転方向に付勢され続ける条件を満たし且つ、前記車両を運転する操作状態及び前記車両の挙動状態のうち少なくとも一方の状態に応じた、前記インホイルモータ装置が走行のために既に出力している駆動トルクに対して、前記インホイルモータ装置が出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を、前記対をなす車輪の各々について演算する演算手段と、
    該演算された値を出力するように、前記インホイルモータ装置を制御する制御手段と
    を備え
    前記演算手段は、前記車両の加速時には、前記条件を満たすべく前記対をなす車輪である前記前後方向に配列された前後輪のうち前記駆動トルクが加えられている一方の車輪に対して前記駆動トルクを大きくした後に、前記前後輪のうち前記制動トルクが加えられている他方の車輪に対して前記制動トルクを小さくする又は更に前記駆動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算する
    ことを特徴とする制駆動力制御装置。
  2. 記演算手段は、前記少なくとも一方の状態として前記車両を一定速度で走行させる状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち一方に駆動トルクを加えると共に他方に制動トルクを与えるように、前記インホイルモータ装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の制駆動力制御装置。
  3. 前記演算手段は、前記条件として、前記一のギヤ及び前記他のギヤ間におけるバックラッシュを低減するのに適切であるとして予め設定された値の付勢力で、前記一のギヤが付勢され続ける条件を満たすように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の制駆動力制御装置。
  4. 記演算手段は、前記車両の減速時には、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち前記制動トルクが加えられている一方の車輪に対して前記制動トルクを大きくした後に、前記前後輪のうち前記駆動トルクが加えられている他方の車輪に対して前記駆動トルクを小さくする又は更に前記制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の制駆動力制御装置。
  5. 記演算手段は、前記少なくとも一方の状態として前記車両を旋回させる状態の場合、前記対をなす車輪である前記左右方向に配列された左右輪のうち少なくとも一方の車輪について前記条件を満たすべく、前記左右輪のうち一方に駆動トルクを加えると共に他方に制動トルクを与えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の制駆動力制御装置。
  6. 記演算手段は、前記少なくとも一方の状態として前記車両の後部座席に乗員が居る状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち前輪に駆動トルクを加えると共に後輪に制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の制駆動力制御装置。
  7. 記演算手段は、前記少なくとも一方の状態として前記車両の後部座席に乗員が居る状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち前輪に駆動トルクを加えると共に後輪に制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算し、前記少なくとも一方の状態として前記車両の後部座席に乗員が居ない状態の場合、前記条件を満たすべく前記前後輪のうち後輪に駆動トルクを加えると共に前輪に制動トルクを加えるように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の制駆動力制御装置。
  8. 前記インホイルモータ装置は、前記制動トルクを出力する際に発電するモータジェネレータ装置を有し、
    前記演算手段は、前記対をなす車輪の一方について前記モータジェネレータ装置から出力すべき駆動トルクのために消費される電力と、前記対をなす車輪の他方について前記モータジェネレータ装置から出力すべき制動トルクのために発電される電力とを相等しくするように、前記出力すべき駆動トルク又は制動トルクの値を演算することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の制駆動力制御装置。
  9. 少なくとも車両の前後方向又は左右方向に配列された対をなす車輪を含む複数の車輪と、前記対をなす車輪の各々に対して設けられており駆動トルクを出力可能なインホイルモータ装置と、前記対をなす車輪の各々に対して設けられており前記出力された駆動トルクを前記対をなす車輪のうち対応するものに伝える一のギヤ及び該一のギヤに噛み合う他のギヤを含むギヤ手段と、前記対をなす車輪のうち少なくとも一方の車輪に設けられており該少なくとも一方の車輪の回転を制動する制動トルクを出力可能な制動装置とを備えた当該車両において、前記駆動トルク及び制動トルクを制御する制駆動力制御装置であって、
    前記一のギヤが前記他のギヤに対して前記対をなす車輪間で逆回転方向に付勢され続ける条件を満たし且つ、前記車両を運転する操作状態及び前記車両の挙動状態のうち少なくとも一方の状態に応じた、前記インホイルモータ装置が走行のために既に出力している駆動トルクに対して、前記インホイルモータ装置が出力すべき駆動トルク及び前記制動装置が出力すべき制動トルクのうち少なくとも一方の値を、前記対をなす車輪の各々について演算する演算手段と、
    該演算された値を出力するように、前記インホイルモータ装置及び前記制動装置のうち少なくとも一方の装置を制御する制御手段と
    を備え
    前記演算手段は、前記車両の加速時には、前記条件を満たすべく前記対をなす車輪である前記前後方向に配列された前後輪のうち前記駆動トルクが加えられている一方の車輪に対して前記駆動トルクを大きくした後に、前記前後輪のうち前記制動トルクが加えられている他方の車輪に対して前記制動トルクを小さくする又は更に前記駆動トルクを加えるように、前記インホイルモータ装置が出力すべき駆動トルク及び前記制動装置が出力すべき制動トルクのうち少なくとも一方の値を演算する
    ことを特徴とする制駆動力制御装置。
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