JP2841840B2 - 黒鉛含有潤滑剤懸濁液の塗布装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、金属の熱間加工、とくに鋼板、形鋼または
鋼管の熱間圧延に際して、工具または工作物に黒鉛を含
有する潤滑剤の懸濁液を塗布する装置に関する。

従来の方法は、潤滑を全く行なわないか、あるいは高
熱の工作物または工具にオイルエマルジョンを塗布して
いた。

無給油では、工具たとえばロールが著しく摩滅するか
ら、工具を度々交換しなければならず、コストがかか
る。

オイル潤滑には、潤滑油が高熱の工具上で燃焼するた
めに、不快で健康上有害な油煙が発生するという欠点が
ある。また、オイルは黒鉛よりも潤滑性が劣る。オイル
エマルジョンの塗布は、たとえばノズルを用いて冷却水
と同時に塗布する従来の塗布システムでは、程度の差こ
そあれ制御が困難である。

本発明の課題は、上記のような欠点のない装置を提供
することにある。

この課題は、請求項１に記載の装置により解決され
る。

本発明による好ましい実施態様は、請求項２ないし５
に記載したとおりである。

第１図は、本発明の装置の実施例を示す模式的な図で
あって、ホルダー（３）に支持された分配器（１）は、
３個の噴霧装置（２）を有している。

第２図は、本発明の装置の他の実施例を示す模式的な
図であって、ロール架台（12）中の複数の分配器（１）
が、制御−分配装置（６）と、加圧および濾過装置
（７）に連結されている。

第３図は、鋼板の熱間圧延に使用する本発明の装置の
正面と側面をあわせて示す図であって、この図において
（１）は分配器、（３）はホルダー、（２）は噴霧装
置、（13）はロール（上部および下部ロール）、（５）
は鋼板である。

第４図は、噴霧装置の断面図である。この装置は、分
配器（１）、製品の入口を備えたケース（８）、ノズル
孔を有する噴霧キャップ（９）、フルイ装置（11）およ
び閉鎖装置（10）から構成されている。

第５図は、２個の小室を備えた分配器（１）と、第４
図に示したその他の構成部材とから成る噴霧装置の断面
図である。

分配器（１）は、たとえば円筒状の中空体とすること
が好ましい。

噴霧装置（２）は、ねじ結合または適当なカップリン
グ結合により、分配器（１）と耐圧状態で接続する。

噴霧装置（２）の構造については種々の実施形態が発
表されており、本発明の装置で用いる噴霧装置（２）と
しては、たとえばDE−PS2724931,EPA−393839またはEP
−PS131120に記載されたものを、好適に使用することが
できる。第４図および第５図には、２種の実施例を示し
た。

１個の分配器（１）に設ける噴霧装置（２）の数は、
個々の装置の規模に従って定めればよい。

幅が0.5〜2mの鋼板の圧延には、たとえば第２図に示
したような配置を採用する。この実施例では、ロール１
基あたり３個の分配器（１）が用いられており、２個の
外側の分配器（１）はそれぞれ１個の噴霧装置を備え、
中間分配器は３個の噴霧装置を備えている。

分配器（１）には、１個または２個以上の小室を設け
ることができる。第１図に示すように、分配器（１）は
１個の小室から成り、すべての噴霧装置（２）に黒鉛を
含有する潤滑剤の懸濁液が均一に供給される。

第５図に示すように、分配器を複数の小室に分割して
形成し、分離された小室ごとに１個または２個以上の噴
霧装置を設けてもよい。

このような分割により、すべての噴霧装置を同時に作
動させずに、時間と供給量をコントロールして、必要な
ときだけ潤滑剤の懸濁液の噴霧を行なうようにすること
ができる。これにより、製品の無用な消費をなくし、コ
スト低減を図ることができる。

分配器は適当なホルダー（３）に固定してもよいし、
あるいは分配器の軸（４）を中心に回転可能にとりつ
け、この軸（４）を所定の角度で固定するようにしても
よい。さらには、分配器の軸（４）のホルダーを変位可
能に設けることもできる。これにより、分配器（１）に
とりつけた噴霧装置（２）を、噴霧すべき工具すなわち
その表面に対して正確に位置決めすることができる。回
転は通常の制御装置を用いて、モータ駆動で行なわれ
る。

分配器（１）および噴霧装置（２）への、黒鉛を含有
する潤滑剤の懸濁の供給は、図示しないタンクから行な
われるが、そのタンクには加圧および濾過装置（７）と
プログラム化された制御機構を備えた制御および分配装
置（６）が接続されている。操作圧は、20〜100バール
である。

高圧部分は、市販のピストンポンプ、たとえば西ドイ
ツ特許2823092に記載の、連続作動回転フィルターを備
えたピストンポンプに接続する。このフィルターによ
り、懸濁液中の大きな粒子が分離される。

制御および分配装置（６）は、市販のプログラム化さ
れた制御器から成る。この制御器は、潤滑剤懸濁液の供
給量および供給時間をコントロールするとともに、分配
器を所望の圧力に保持して均一な噴霧を行なう機能を備
えた、通常の制御および供給機構を有するものであれば
よい。

システムの圧力抜きと洗浄は、上記制御および分配装
置によって行なわれる。

本発明の装置においては、EPA−240825に記載した、
黒鉛を含有する懸濁液を用いることが好ましい。

上記の本発明による装置は、とくに鋼板圧延の際の平
形ロールへの噴霧、レールなどの特殊な形鋼の圧延の際
の形鋼ロールへの噴霧、Ｈ形およびＩ形鋼の圧延の際の
ロールへの噴霧、および継目無鋼管の圧延の際のロール
への噴霧に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の装置の一実施例を示す模式的な図で
ある。 第２図は、本発明の装置の他の実施例を示す模式的な図
である。 第３図は、鋼板の熱管圧延に適用した本発明の装置の正
面図および平面を示す図である。 第４図および第５図は、それぞれの噴霧装置の断面図で
ある。 １……分配器、２……噴霧装置 ３……ホルダー、４……軸 ６……制御および分配装置、７……加圧および濾過装置 ８……製品入口、９……噴霧キャップ 10……閉鎖装置、11……フルイ装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B21B 45/02

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鋼板、形鋼または鋼管の熱間圧延に際し、
   工具または工作物に黒鉛を含有する潤滑剤の懸濁液を塗
   布する装置であって、１個または２個以上の噴霧装置
   （２）を設けた分配器（１）を、ホルダー（３）に対し
   て、固定的に、または分配器の軸（４）を中心に回転可
   能であるとともに所定の角度で固定可能であるように取
   り付けてなり、分配器（１）が、プログラム化された制
   御機構を備える制御および分配装置（６）と、加圧およ
   び濾過装置（７）とに接続され、かつ噴霧装置（２）
   が、潤滑剤懸濁液の入口を有するケース（８）、ノズル
   孔をもつノズルキャップ（９）、閉鎖装置（10）および
   フルイ装置から構成されることを特徴とする塗布装置。
2. 【請求項２】分配器（１）が円筒状の中空体に形成され
   ている請求項１の塗布装置。
3. 【請求項３】分配器（１）が１個の小室をもつ請求項１
   または２の塗布装置。
4. 【請求項４】分配器（１）が複数の小室に分割して形成
   され、各小室に１個または複数個の噴霧装置を取り付け
   た請求項１または２の塗布装置。
5. 【請求項５】ホルダー（３）に支持された分配器（１）
   を、分配器（１）の軸方向に移動可能に設けてある請求
   項１ないし４のいずれかの塗布装置。