JP2841092B2 - 抗菌性アクリル系繊維の製造方法 - Google Patents
抗菌性アクリル系繊維の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は衣料,インテリヤ及び繊維質材分野で有用な
抗菌性アクリル系繊維の製造方法に関する。
抗菌性アクリル系繊維の製造方法に関する。
従来より、銀イオン又は銅イオンは優れた抗菌性を示
すことが知られており、これら金属イオンの特性を利用
し、アクリル系繊維の後加工により繊維に抗菌性を付与
する方法が知られている。
すことが知られており、これら金属イオンの特性を利用
し、アクリル系繊維の後加工により繊維に抗菌性を付与
する方法が知られている。
即ち、共重合成分として0.6〜10mol%のスルホン酸基
含有ビニル化合物を含有するアクリル系繊維を銀塩又は
銅塩含有水溶液で処理し、繊維中に100m・mol/kg繊維以
上の銀イオン又は銅イオンを結合させて抗菌性アクリル
系繊維を製造する方法(特開昭52−92000号公報)が提
案されている。
含有ビニル化合物を含有するアクリル系繊維を銀塩又は
銅塩含有水溶液で処理し、繊維中に100m・mol/kg繊維以
上の銀イオン又は銅イオンを結合させて抗菌性アクリル
系繊維を製造する方法(特開昭52−92000号公報)が提
案されている。
しかしながら、かかる後加工による方法では、各品
種、小量生産に適しているが、一般に生産性が低く、製
品のコストが高くなる問題点を有している。
種、小量生産に適しているが、一般に生産性が低く、製
品のコストが高くなる問題点を有している。
又、アクリル系繊維に抗菌性を付与するためには、ス
ルホン酸基を多量に含有する特定のアクリル系繊維を用
いることが必要であり、又繊維中の酸性基に100m・mol/
kg繊維以上の多量の銀イオン又は銅イオンを結合させる
必要があるが、繊維中の酸性基に多量の銀イオン又は銅
イオンを結合させると繊維は著しく熱着色し易くなり、
衣料用及びインテリヤ用の繊維素材としては適性に欠け
るという問題が発生する。
ルホン酸基を多量に含有する特定のアクリル系繊維を用
いることが必要であり、又繊維中の酸性基に100m・mol/
kg繊維以上の多量の銀イオン又は銅イオンを結合させる
必要があるが、繊維中の酸性基に多量の銀イオン又は銅
イオンを結合させると繊維は著しく熱着色し易くなり、
衣料用及びインテリヤ用の繊維素材としては適性に欠け
るという問題が発生する。
本発明の目的は、上記の如き、後加工により繊維に銀
イオン又は銅イオンを結合させた抗菌性アクリル系繊維
の問題点を解決する新規な抗菌性アクリル系繊維の製造
方法を提供することにある。
イオン又は銅イオンを結合させた抗菌性アクリル系繊維
の問題点を解決する新規な抗菌性アクリル系繊維の製造
方法を提供することにある。
本発明は、アクリロニトリル系重合体を紡糸してアク
リル系繊維を製造するに際し、乾燥、熱緩和工程前のゲ
ル構造繊維を銀塩水溶液で連続的に処理し、繊維に銀又
は銀化合物を2〜30m・mol/kg繊維含有させることを特
徴とする抗菌性アクリル系繊維の製造方法にある。
リル系繊維を製造するに際し、乾燥、熱緩和工程前のゲ
ル構造繊維を銀塩水溶液で連続的に処理し、繊維に銀又
は銀化合物を2〜30m・mol/kg繊維含有させることを特
徴とする抗菌性アクリル系繊維の製造方法にある。
本発明は、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法又は乾式紡糸法
によるアクリル系繊維の製造において、通常のカチオン
染料可染性の酸性基含有アクリロニトリル系重合体を溶
剤溶液とし、該溶液をノズルから吐出し、引続き、凝
固,湿熱延伸,洗浄,オイリング,乾燥,熱緩和工程を
経て繊維を製造する等、通常のアクリル系繊維の製造方
法を用いるものである。
によるアクリル系繊維の製造において、通常のカチオン
染料可染性の酸性基含有アクリロニトリル系重合体を溶
剤溶液とし、該溶液をノズルから吐出し、引続き、凝
固,湿熱延伸,洗浄,オイリング,乾燥,熱緩和工程を
経て繊維を製造する等、通常のアクリル系繊維の製造方
法を用いるものである。
又、本発明においてはアクリル系繊維の形成過程にあ
るゲル構造繊維を銀塩水溶液で処理することが必須であ
る。ゲル構造繊維としては乾燥,熱緩和工程前の繊維で
あり、凝固糸,湿熱延伸糸,洗浄糸等が挙げられる。
るゲル構造繊維を銀塩水溶液で処理することが必須であ
る。ゲル構造繊維としては乾燥,熱緩和工程前の繊維で
あり、凝固糸,湿熱延伸糸,洗浄糸等が挙げられる。
凝固糸,湿熱延伸糸及び洗浄糸は含水状態の緩和構造
を有する繊維であり、銀塩水溶液中に浸漬して処理する
と繊維中の酸性基に銀イオンが極めて短時間に結合され
る。
を有する繊維であり、銀塩水溶液中に浸漬して処理する
と繊維中の酸性基に銀イオンが極めて短時間に結合され
る。
一方、本発明により、抗菌性アクリル系繊維を製造す
る場合、ゲル構造繊維の内層部の酸性基まで銀イオンを
結合させる必要はなく、繊維の表層部の酸性基に銀イオ
ンを結合させればよい。
る場合、ゲル構造繊維の内層部の酸性基まで銀イオンを
結合させる必要はなく、繊維の表層部の酸性基に銀イオ
ンを結合させればよい。
これに伴い、繊維形成過程のゲル構造繊維の表層部の
酸性基への銀イオンの結合処理は、紡糸糸条の走行速度
に対応する早い速度で銀塩水溶液から銀又は銀化合物を
繊維に含有させることを可能にする。
酸性基への銀イオンの結合処理は、紡糸糸条の走行速度
に対応する早い速度で銀塩水溶液から銀又は銀化合物を
繊維に含有させることを可能にする。
本発明による抗菌性アクリル系繊維には繊維に銀又は
銀化合物が2〜30mol/kg繊維含有されることが必要であ
る。
銀化合物が2〜30mol/kg繊維含有されることが必要であ
る。
繊維中の銀又は銀化合物の量が2m・mol/kg繊維未満の
場合には繊維に恒久抗菌性が付与されず、逆に銀又は銀
化合物の量が30m・mol/kg繊維を超える場合には、繊維
は乾燥,熱緩和工程で著るしく着色し、衣料用及びイン
テリヤ用繊維素材としての適性が失われるため好ましく
ない。
場合には繊維に恒久抗菌性が付与されず、逆に銀又は銀
化合物の量が30m・mol/kg繊維を超える場合には、繊維
は乾燥,熱緩和工程で著るしく着色し、衣料用及びイン
テリヤ用繊維素材としての適性が失われるため好ましく
ない。
銀又は銀化合物を銀イオンとしてイオン結合させるた
めに用いるゲル構造繊維としては、通常のカチオン染料
可染性の酸性基を含有するアクリロニトリル系共重合体
が紡糸された後の繊維形成過程にあるゲル構造繊維をそ
のまま用いることができ、酸性基を多量に含有するよう
な特定のアクリロニトリル系重合体からなるゲル構造繊
維を特に必要としない。
めに用いるゲル構造繊維としては、通常のカチオン染料
可染性の酸性基を含有するアクリロニトリル系共重合体
が紡糸された後の繊維形成過程にあるゲル構造繊維をそ
のまま用いることができ、酸性基を多量に含有するよう
な特定のアクリロニトリル系重合体からなるゲル構造繊
維を特に必要としない。
又、ゲル構造繊維中の酸性基への銀イオンの結合は極
めて低濃度の銀塩水溶液でゲル構造繊維を連続的に処理
することにより達成することができ、生産性が高く、低
コストの抗菌性アクリル系繊維の製造方法として極めて
優れたものである。
めて低濃度の銀塩水溶液でゲル構造繊維を連続的に処理
することにより達成することができ、生産性が高く、低
コストの抗菌性アクリル系繊維の製造方法として極めて
優れたものである。
ゲル構造繊維を銀塩水溶液で処理し酸性基に銀イオン
を結合させた後は、通常のアクリル系繊維の製造工程に
従って繊維を製造することができる。
を結合させた後は、通常のアクリル系繊維の製造工程に
従って繊維を製造することができる。
例えば、ゲル構造繊維である凝固糸を銀塩水溶液で処
理した場合は、処理後、湿式延伸,洗浄,オイリング,
乾燥,熱緩和工程を経て、抗菌性アクリル系繊維を製造
することができる。
理した場合は、処理後、湿式延伸,洗浄,オイリング,
乾燥,熱緩和工程を経て、抗菌性アクリル系繊維を製造
することができる。
この場合、オイリング処理工程で第4級アンモニウム
クロライド型等の塩素を含有するカチオン系油剤を含有
する水溶液で繊維を処理すると、繊維中の酸性基と結合
している銀イオンは塩素と結合し水不溶性の白色の塩化
銀の形で繊維中に含有される。
クロライド型等の塩素を含有するカチオン系油剤を含有
する水溶液で繊維を処理すると、繊維中の酸性基と結合
している銀イオンは塩素と結合し水不溶性の白色の塩化
銀の形で繊維中に含有される。
本発明による抗菌性アクリル系繊維中の銀又は銀化合
物の量は、該繊維を硫化ナトリウムを含有する水溶液中
で加熱処理して繊維中の銀又は銀化合物を黒色の硫化銀
に転換させ、硫化銀による繊維の着色の度合から定量す
ることができる。
物の量は、該繊維を硫化ナトリウムを含有する水溶液中
で加熱処理して繊維中の銀又は銀化合物を黒色の硫化銀
に転換させ、硫化銀による繊維の着色の度合から定量す
ることができる。
本発明による抗菌性アクリル系繊維は、通常、アクリ
ル系繊維に対しておこなわれている漂白処理、染色処理
又は洗濯処理をおこなっても、処理による繊維中の銀又
は銀化合物は脱落し難く、優れた恒久抗菌性を有する。
又、本発明による抗菌性アクリル系繊維は、その単繊維
強伸度,白度及びその熱安定性,カチオン染料による染
色性,染色堅牢性が通常のアクリル系繊維並みの性能を
兼ね備えた恒久抗菌性アクリル系繊維である。
ル系繊維に対しておこなわれている漂白処理、染色処理
又は洗濯処理をおこなっても、処理による繊維中の銀又
は銀化合物は脱落し難く、優れた恒久抗菌性を有する。
又、本発明による抗菌性アクリル系繊維は、その単繊維
強伸度,白度及びその熱安定性,カチオン染料による染
色性,染色堅牢性が通常のアクリル系繊維並みの性能を
兼ね備えた恒久抗菌性アクリル系繊維である。
本発明の抗菌性アクリル系繊維の製造方法は従来のア
クリル系繊維の製造設備を用い、通常のアクリル系繊維
の製造過程で少量の銀又は銀化合物を繊維に含有させる
ので、極めて低コストの抗菌性アクリル系繊維の製造方
法であり、その経済的効果は極めて大きい。又、本発明
の方法で得られる抗菌性アクリル系繊維は優れた抗菌性
を有し、通常のアクリル系繊維並みの単繊維性能,白
度,染色性,染色堅牢性等を兼ね備えたものであり、衣
料用,インテリヤ用,繊維資材用等の抗菌性繊維素材と
して広く活用することができ、その利用効果は極めて大
きい。
クリル系繊維の製造設備を用い、通常のアクリル系繊維
の製造過程で少量の銀又は銀化合物を繊維に含有させる
ので、極めて低コストの抗菌性アクリル系繊維の製造方
法であり、その経済的効果は極めて大きい。又、本発明
の方法で得られる抗菌性アクリル系繊維は優れた抗菌性
を有し、通常のアクリル系繊維並みの単繊維性能,白
度,染色性,染色堅牢性等を兼ね備えたものであり、衣
料用,インテリヤ用,繊維資材用等の抗菌性繊維素材と
して広く活用することができ、その利用効果は極めて大
きい。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本文中
に記載した繊維中の銀又は銀化合物の含有量,繊維の白
度,染色性,染色堅牢性,抗菌性及び抗菌性の耐久性は
次の方法で測定した。
に記載した繊維中の銀又は銀化合物の含有量,繊維の白
度,染色性,染色堅牢性,抗菌性及び抗菌性の耐久性は
次の方法で測定した。
(1)銀又は銀化合物含有量の測定 検量線の作成 供試繊維として対照アクリル系繊維(繊維製造過程で
の銀塩水溶液処理無し)を用い、該繊維中の酸性基量と
等モル以下の所定濃度の硝酸銀水溶液に供試繊維を浸漬
して98℃で60分間加熱処理し、硝酸銀水溶液中の銀イオ
ンを完全に繊維に吸着させ、所定量の銀イオンが吸着さ
せてなるアクリル系繊維を得る。
の銀塩水溶液処理無し)を用い、該繊維中の酸性基量と
等モル以下の所定濃度の硝酸銀水溶液に供試繊維を浸漬
して98℃で60分間加熱処理し、硝酸銀水溶液中の銀イオ
ンを完全に繊維に吸着させ、所定量の銀イオンが吸着さ
せてなるアクリル系繊維を得る。
引続き、この銀イオン吸着アクリル系繊維5gを硫化ナ
トリウム0.5重量%を含有する水溶液250ml中に浸漬し、
98℃で30分間加熱処理した後、水洗して乾燥し、黒色の
硫化銀含有アクリル系繊維に転換する。
トリウム0.5重量%を含有する水溶液250ml中に浸漬し、
98℃で30分間加熱処理した後、水洗して乾燥し、黒色の
硫化銀含有アクリル系繊維に転換する。
上記の方法で作成した所定量の硫化銀含有アクリル系
繊維を測色色差計VGS−1001DP(日本電色工業社製)を
用い、刺激値,Zによる反射率Rを測定し、クベルカーム
ンク(Kubelk−Munk)の式を用いてK/Sを算出する。
繊維を測色色差計VGS−1001DP(日本電色工業社製)を
用い、刺激値,Zによる反射率Rを測定し、クベルカーム
ンク(Kubelk−Munk)の式を用いてK/Sを算出する。
K/S=(1−R)2/2R K/S〜繊維の硫化銀含有量 (m・mol/kg繊維)の関連図を作成し、検量線とす
る。
る。
繊維の銀又は銀化合物含有量の測定 供試,銀又は銀化合物含有アクリル系繊維5gを硫化ナ
トリウム0.5重量%を含有する水溶液250ml中に浸漬し、
98℃で30分間加熱処理した後、水洗して乾燥し、銀又は
銀化合物含有アクリル系繊維を黒色の硫化銀含有アクリ
ル系繊維とする。
トリウム0.5重量%を含有する水溶液250ml中に浸漬し、
98℃で30分間加熱処理した後、水洗して乾燥し、銀又は
銀化合物含有アクリル系繊維を黒色の硫化銀含有アクリ
ル系繊維とする。
硫化銀含有アクリル系繊維を測色色差計VGS−1001DP
を用い、刺激値Zによる反射率Rを測定し、Kubelk−Mu
nkの式を用いてK/Sを算出する。
を用い、刺激値Zによる反射率Rを測定し、Kubelk−Mu
nkの式を用いてK/Sを算出する。
引続き、前記の方法で作成した検量線を用い、K/S
より繊維の硫化銀含有量を求め、繊維の銀又は銀化合物
の含有量を繊維の硫化銀含有量(m・mol/kg繊維)で示
した。
より繊維の硫化銀含有量を求め、繊維の銀又は銀化合物
の含有量を繊維の硫化銀含有量(m・mol/kg繊維)で示
した。
(2)白度の測定 測色色差計VGS1001DPを用い、供試繊維の3刺激値X,
Y,Zを測定した後、刺激純度Peを求め、次式によりPIを
算出し、PIを白度として示した。
Y,Zを測定した後、刺激純度Peを求め、次式によりPIを
算出し、PIを白度として示した。
PI=100−Pe (3)染色性の測定 マネー式染色機を用い、供試繊維を次の条件で染色し
た後、残液比色法により繊維重量に対する染料の染着量
(%owf)を求め、染着量を染色性として示した。
た後、残液比色法により繊維重量に対する染料の染着量
(%owf)を求め、染着量を染色性として示した。
(染色条件) カチロンブルーK−GLH(保土谷化学工業社製 カチオン染料) 1%owf 酢酸(45%) 2%owf 酢酸ナトリウム 0.5%owf 浴比 1:50 温度,時間 98℃×60分 (4)抗菌性の測定 繊維製品衛生加工協議会の抗菌防臭加工製品認定基準
シェイクフラスコ法に準拠して抗菌性を測定した。
シェイクフラスコ法に準拠して抗菌性を測定した。
抗菌性の測定には細菌として黄色ブドウ状球菌を用
い、シェイクフラスコ法による振とう24時間後の生菌数
を測定し、抗菌性は生菌数(ケ/ml)で示した。
い、シェイクフラスコ法による振とう24時間後の生菌数
を測定し、抗菌性は生菌数(ケ/ml)で示した。
(5)抗菌性の耐久性測定 供試繊維を下記の条件で耐久処理した後、抗菌性を測
定し、抗菌性の耐久性の有無を判断した。
定し、抗菌性の耐久性の有無を判断した。
洗濯処理 家庭用洗濯機を用い、ニュービーズ(花王石鹸社製中
性洗剤)2g/を含有する40℃の洗浄液中で5分間洗濯
した後、流水洗を1分間おこなう洗濯処理を10回繰返し
た後、遠心脱水して乾燥する。
性洗剤)2g/を含有する40℃の洗浄液中で5分間洗濯
した後、流水洗を1分間おこなう洗濯処理を10回繰返し
た後、遠心脱水して乾燥する。
染色処理 供試繊維を下記の条件で染色した後、水洗して乾燥す
る。
る。
(染色条件) カチロンブルーK−GLH 1%owf 酢酸(45%) 2%owf 酢酸ナトリウム 0.5%owf 浴比 1:50 温度,時間 98℃×60分 実施例1 アクリロニトリル93重量%及び酢酸ビニル7重量%か
らなる酸性基量50m・mol/kgポリマーのアクリロニトリ
ル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、重合体濃
度が24重量%である紡糸原液を調整した。
らなる酸性基量50m・mol/kgポリマーのアクリロニトリ
ル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、重合体濃
度が24重量%である紡糸原液を調整した。
この紡糸原液を孔径76μm,孔数200ケの紡糸ノズルを
通し、ジメチルアセトアミド55重量%を含有する40℃の
水溶液中に吐出して凝固糸とし、引続き、この凝固糸を
硝酸銀0.005〜0.1重量%を含有する70℃の水溶液中に約
3秒間連続的に浸漬処理し、次いで100℃の水中で5倍
延伸して洗浄した後、紡糸油剤を付着し、135℃の熱ロ
ール乾燥機を用いて定長乾燥した。この乾燥糸をアニー
ラー中に入れ、135℃の飽和水蒸気で30分間自由長熱緩
和処理をおこない、アクリル系繊維を得た。
通し、ジメチルアセトアミド55重量%を含有する40℃の
水溶液中に吐出して凝固糸とし、引続き、この凝固糸を
硝酸銀0.005〜0.1重量%を含有する70℃の水溶液中に約
3秒間連続的に浸漬処理し、次いで100℃の水中で5倍
延伸して洗浄した後、紡糸油剤を付着し、135℃の熱ロ
ール乾燥機を用いて定長乾燥した。この乾燥糸をアニー
ラー中に入れ、135℃の飽和水蒸気で30分間自由長熱緩
和処理をおこない、アクリル系繊維を得た。
第1表に得られたアクリル系繊維の銀含有量,白度及
び抗菌性を示した。
び抗菌性を示した。
上記の結果より、ゲル構造繊維である凝固糸を硝酸銀
水溶液で処理することにより銀含有アクリル糸繊維が得
られ、繊維中の銀含有量は硝酸銀水溶液中の硝酸銀濃度
の増大に比較して大きくなることが判る。
水溶液で処理することにより銀含有アクリル糸繊維が得
られ、繊維中の銀含有量は硝酸銀水溶液中の硝酸銀濃度
の増大に比較して大きくなることが判る。
又、繊維の白度は繊維中の銀含有量の増大に比例して
低下する傾向が認められるが、本発明の方法により得ら
れる繊維は銀含有量が著るしく少ないため、実用上大き
な問題にならない程度の白度である。
低下する傾向が認められるが、本発明の方法により得ら
れる繊維は銀含有量が著るしく少ないため、実用上大き
な問題にならない程度の白度である。
又、本発明の方法により得られる繊維はいづれも優れ
た抗菌性を有しており、繊維製品衛生加工協議会の抗菌
防臭加工製品認定基準シェイクフラスコ法に準拠し、黄
色ブドウ状球菌を2×104ケ/ml含有する水性液中に繊維
を入れて24時間振とう処理すると水性液中の黄色ブドウ
状球菌は完全に死滅し、生菌数0ケ/mlとなる。
た抗菌性を有しており、繊維製品衛生加工協議会の抗菌
防臭加工製品認定基準シェイクフラスコ法に準拠し、黄
色ブドウ状球菌を2×104ケ/ml含有する水性液中に繊維
を入れて24時間振とう処理すると水性液中の黄色ブドウ
状球菌は完全に死滅し、生菌数0ケ/mlとなる。
これに対し、比較例の銀含有処理をおこなわなかった
通常のアクリル系繊維は抗菌性を示さず、シェイクフラ
スコ法による24時間振とう処理後の生菌数は3×104ケ/
mlであった。
通常のアクリル系繊維は抗菌性を示さず、シェイクフラ
スコ法による24時間振とう処理後の生菌数は3×104ケ/
mlであった。
上記の結果から明らかな如く、本発明による抗菌性ア
クリル系繊維は繊維の製造過程でのゲル構造繊維に銀イ
オンを少量結合させることにより、白度低下が小さく、
しかも優れた抗菌性を有することが判る。
クリル系繊維は繊維の製造過程でのゲル構造繊維に銀イ
オンを少量結合させることにより、白度低下が小さく、
しかも優れた抗菌性を有することが判る。
第2表は本発明による抗菌性アクリル系繊維の単繊維
性能,染色性及び染色堅牢度を比較例とした通常のアク
リル系繊維と併せて示した。
性能,染色性及び染色堅牢度を比較例とした通常のアク
リル系繊維と併せて示した。
上記の結果より、本発明の抗菌性アクリル系繊維の単
繊維強伸度,カチオン染料による染色性及び染色堅牢性
は比較例で示した通常のアクリル系繊維と変わらない性
能を示すことが判る。
繊維強伸度,カチオン染料による染色性及び染色堅牢性
は比較例で示した通常のアクリル系繊維と変わらない性
能を示すことが判る。
これより本発明による抗菌性アクリル系繊維は通常の
アクリル系繊維並みの性能多を兼ね備えた繊維と言うこ
とができる。
アクリル系繊維並みの性能多を兼ね備えた繊維と言うこ
とができる。
第3表に本発明による抗菌性アクリル系繊維の抗菌性
の耐久性を測定した結果を示した。
の耐久性を測定した結果を示した。
上記の結果より、本発明による抗菌性アクリル系繊維
は優れた抗菌性の耐久性を有しており、洗濯処理を10回
おこなっても、又、染色をおこなっても、抗菌性の低下
は認め難く、優れた恒久抗菌性を有することが判る。
は優れた抗菌性の耐久性を有しており、洗濯処理を10回
おこなっても、又、染色をおこなっても、抗菌性の低下
は認め難く、優れた恒久抗菌性を有することが判る。
フロントページの続き (72)発明者 千賀 允雄 愛知県名古屋市東区砂田橋4丁目1番60 号 三菱レイヨン株式社社商品開発研究 所内 (72)発明者 宝迫 芳彦 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社大竹事業所内 (56)参考文献 特開 昭61−8104(JP,A) 特開 昭60−59124(JP,A) 特開 昭54−38951(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/54
Claims (1)
- 【請求項1】アクリロニトリル系重合体を紡糸してアク
リル系繊維を製造するに際し、乾燥、熱緩和工程前のゲ
ル構造繊維を銀塩水溶液で連続的に処理し、繊維に銀又
は銀化合物を2〜30m・mol/kg繊維含有させることを特
徴とする抗菌性アクリル系繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33637089A JP2841092B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 抗菌性アクリル系繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33637089A JP2841092B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 抗菌性アクリル系繊維の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03199418A JPH03199418A (ja) | 1991-08-30 |
JP2841092B2 true JP2841092B2 (ja) | 1998-12-24 |
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ID=18298434
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33637089A Expired - Fee Related JP2841092B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 抗菌性アクリル系繊維の製造方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2841092B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP4062471B2 (ja) | 1999-09-22 | 2008-03-19 | 日本エクスラン工業株式会社 | 光触媒活性を有する抗菌性アクリロニトリル系繊維 |
-
1989
- 1989-12-27 JP JP33637089A patent/JP2841092B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH03199418A (ja) | 1991-08-30 |
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