JP2022151751A - アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】剤の練り込みや後工程での付与を行わないことから洗濯耐久性に優れ、特殊な薬剤や工程を用いないことから経済性に優れるアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を提供する。【解決手段】カルボキシル基を有するアクリル系重合体から形成されており、該アクリル系重合体のカルボキシル基の含有量が0.3~10mmol/gであることを特徴とするアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。【選択図】なし
Description
本発明は、消臭性能、抗菌・吸湿発熱性能を有するアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維およびその製造方法に関するものである。
アクリル系繊維は羊毛に似た風合いを持つことから、セーターや靴下などの衣料製品、パイル製品など様々な用途で用いられている。中でもインナーなどの衣料用製品では近年、快適生活を指向する生活環境の多様化に伴い、消臭性、抗菌性および吸湿発熱性を有するアクリル系繊維が強く要望されてきている。
従来から、繊維に消臭・抗菌・吸湿発熱効果を付与する手段としては多種多様な方法が提案されており、アクリル系繊維も例外ではない。
例えば、抗菌効果を付与する方法として、特許文献1にはアクリル系繊維の湿式紡糸の際、第4級アンモニウム塩を延伸後に付与し乾燥させる方法が提案されている。
さらに、特許文献2では、極性ビニルモノマーを繊維にグラフト重合させることによって、衣料用としての欠点を生じさせずに洗濯耐久性のある抗菌性を繊維に付与する方法が提案されている。
さらに、特許文献2では、極性ビニルモノマーを繊維にグラフト重合させることによって、衣料用としての欠点を生じさせずに洗濯耐久性のある抗菌性を繊維に付与する方法が提案されている。
一方、消臭効果を付与する方法として、特許文献3では、アクリル系共重合体のカルボキシル基の一部を亜鉛、銅、銀などの金属イオンで置換する方法が提案されている。
また、特許文献4では、架橋構造およびカルボキシル基を有する繊維に、光触媒活性を有する金属酸化物微粒子を含有させることで効果的な消臭繊維を得る方法が提案されている。
吸湿発熱効果を付与する方法として、特許文献5では、未乾燥状態のアクリロニトリル系繊維に加水分解処理を施すことによってニトリル基が加水分解されカルボキシル基を生成させ、吸湿繊維を得る方法が提案されている。
また、特許文献6では、多孔質無機微粒子を練り込むことで吸湿発熱性を付与する方法が提案されている。
消臭・抗菌効果の付与に関して、引用文献1の方法によれば、繊維表面の微細凹凸に抗菌剤を保持させることができるが、抗菌剤が繰り返しの洗濯によって徐々に脱落してしまい、長期間にわたり、十分な抗菌性能を確保できるものにはならない。また、引用文献2の方法によれば、製造工程が多くなることから、製造コストが高くなるという問題がある。また、引用文献3の方法では、酸化や硫化等によって繊維自体が経時変色する可能性が高く、蛍光白染品や極淡色染品への適用が難しいという問題を抱えている。さらに、引用文献4の方法では、ヒドラジン架橋構造を有するため、赤みがかった色味となり、利用分野が制限される。また、製造工程が多くなり、製造コストが高くなるという問題がある。
一方、吸湿発熱効果の付与に関して、引用文献5の方法は、加水分解処理であるため、繊維物性が低下し、利用分野が制限される問題がある。また、引用文献6の方法では、粒子添加による風合いの悪化や高次加工工程での操業安定性低下といった問題がある。
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みて創案されたものであり、その目的は、剤の練り込みや後工程での付与を行わないことから洗濯耐久性に優れるアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を提供することを目的とする。また、特殊な薬剤や工程を用いないことから経済性に優れるアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、カルボキシル基を有するアクリル系重合体から形成されており、カルボキシル基の含有量が0.3~10mmol/gであることによって、洗濯耐久性および経済性に優れるアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を提供できることを見出した。即ち、本発明は以下の手段により達成される。
(1)カルボキシル基を有するアクリル系重合体から形成されており、該アクリル系重合体のカルボキシル基の含有量が0.3~10mmol/gであることを特徴とするアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
(2)JIS L 1902(2015)に記載される菌液吸収法、混釈平板培養法に基づき、試験菌株としてスタフィロコッカス・アウレウス(黄色ぶどう球菌)NBRC12732株を使用した抗菌性評価において、未洗濯、及びJIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回した後の抗菌活性値がいずれも2.2~6.5である前記(1)に記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
(3)アンモニア消臭性が、未洗濯、及びJIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回行った後において、消臭加工繊維製品認証基準で定める方法で測定した減少率で70%以上であることを特徴とする前記(1)または(2)のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
(4)ISO18782:2015に規定された吸湿発熱性評価において、吸湿発熱温度が2.0~5.0℃である前記(1)~(3)のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
(5)吸湿パラメーター(ΔMR)が0.5重量%以上5.0重量%以下であることを特徴とする前記(1)~(4)のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
(6)20℃×65%RHでの飽和吸湿率が0.5重量%以上5.0重量%未満であることを特徴とする前記(1)~(5)のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
(7)水による抽出液pHが4.0以上、7.0未満であることを特徴とする前記(1)~(6)のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
(8)前記(1)~(7)のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の製造方法であって、カルボキシル基含有モノマーを2~10mol%共重合することによって得たアクリル系重合体を紡糸することを特徴とするアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の製造方法。
(9)紡糸原液に用いる溶媒が有機系溶媒である前記(8)に記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の製造方法。
本発明の繊維は酸性基であるカルボキシル基を有しているため、アンモニアを中和することによりアンモニア消臭性を示す。また、カルボキシル基が黄色ブドウ球菌の細胞内部で解離することにより、プロトンが発生し黄色ブドウ球菌の生育が阻害され、抗菌性が発現する。さらに、親水基であるカルボキシル基の存在により、吸湿性(ΔMR)が向上し、吸湿発熱性が発現する。本発明の消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、剤の練り込みや後工程での付与を行わないことから洗濯耐久性に優れ、特殊な薬剤や工程を用いないことから経済性に優れるという利点を有する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、カルボキシル基を有するアクリル系重合体から形成されており、当該アクリル系重合体のカルボキシル基の含有量は、後述する方法により求められる値において、0.3~10mmol/gであり、好ましくは0.5~5.0mmol/g、より好ましくは1.0~5.0mmol/gである。繊維を形成するアクリル系重合体のカルボキシル基量が上記範囲の下限に満たない場合には、後述する消臭・抗菌・吸湿発熱性能が得られないことがあり、上限を超える場合には、繊維の親水性が高くなりすぎて、紡糸性の悪化もしくは、熱処理後の過剰収縮が発生したりして、取り扱いが困難となる。
本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、JIS L 1902(2015)に記載される菌液吸収法、混釈平板培養法に基づき、試験菌株としてスタフィロコッカス・アウレウス(黄色ぶどう球菌)NBRC12732株を使用した抗菌性評価において、未洗濯、及びJIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回洗濯処理した後の抗菌活性値がいずれも2.2~6.5、さらには3.0~6.0、さらには4.0~6.0を達成することができる。
また、本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、上記洗濯方法にて10回洗濯実施した後の抗菌活性値、及び未洗濯での抗菌活性値がいずれも2.2~6.5、さらには3.0~6.0、さらには4.0~6.0を達成することができる。抗菌活性値が上記範囲未満では優れた抗菌性能を発揮できず、逆に抗菌活性値が上記範囲を超えると、皮膚表面の常在菌にまで影響を及ぼすばかりか、皮膚刺激性が強すぎるため、皮膚障害の懸念が生じる可能性が高くなる。
また、本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、アンモニア消臭性が、未洗濯、及びJIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回行った後において、消臭加工繊維製品認証基準で定める方法で測定した減少率で70%以上、さらには80%以上、さらには90%以上を達成することができる。
また、本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、ISO18782:2015に規定された吸湿発熱性評価において、吸湿発熱温度が2.0~5.0℃を達成することができる。
また、本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、吸湿パラメーター(ΔMR)が0.5重量%以上5.0重量%以下を達成することができる。
また、本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、20℃、相対湿度65%雰囲気下(65%RH)での飽和吸湿率として0.5重量%以上5.0重量%を達成することができる。
本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の水による抽出液pH(水素イオン指数)は4.0以上、7.0未満であることが好ましい。非解離型のカルボキシル基が細胞膜を透過して黄色ブドウ球菌の細胞内部で解離することにより、プロトンが発生し黄色ブドウ球菌の生育が阻害され、抗菌性が発現するため、安定した高い抗菌性を得るには、非解離型のカルボキシル基が増加して黄色ブドウ球菌の細胞膜を透過しやすくなる弱酸性領域でコントロールすることが望ましい。そのため、上記のように4.0以上、7.0未満、好ましくは4.5以上、6.5未満の酸性域のpHに管理するのがよい。具体的には、繊維を形成するアクリル系重合体にカルボキシル基を0.3~10mmol/g含有させることで、解離型のカルボキシル基が水中で解離し、pHが上記範囲で管理される。抽出液pHが上記範囲未満になると、皮膚に対する刺激が強くなる。また抽出液pHが上記範囲を越えると、繊維の抗菌性が低下しやすくなる。
次に、本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の製造方法について説明する。
本発明で使用するアクリル系重合体(アクリル系ポリマー)としては、カルボキシル基の含有量が0.3~10mmol/gであるアクリル系重合体を用いることができるものであり、その材質(原料モノマー)は特に限定されないが、アクリロニトリルが50mol%以上、カルボキシル基を含有するモノマーを2~10mol%、他のビニルモノマーおよびスルホン酸基含有モノマーが10mol%以下の割合で共重合したアクリル系重合体を用いることが好ましく、特に、アクリロニトリルが87~98mol%、カルボキシル基を含有するモノマーを2~10mol%、他のビニルモノマーおよびスルホン酸基含有モノマーが0~11重量%の割合で共重合したアクリル系重合体を用いることがより好ましい。カルボキシル基を含有するモノマーが2mol%未満になると、繊維中のカルボキシル基量が少なくなり、消臭・抗菌・吸湿発熱性能が発現しにくくなる。カルボキシル基を含有するモノマーが10mol%以上になると、繊維中の含水率が高くなり、熱処理工程での単糸接着が発生し、製糸性・紡績性に問題がある。
この場合、アクリロニトリルと共重合するカルボキシル基を含有するモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸などを用いることができる。中でもアクリル酸、イタコン酸が好適に用いられる。他のビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸およびメタクリル酸のエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどを用いることができる。
アクリル系重合体は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等のいずれの方法によって製造されたものでもよい。また、アクリル系重合体の溶液の溶媒は上記アクリル系重合体を溶解するものであればよいが、カルボキシル基を含有するモノマーの共重合に適しているジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン等の有機系溶媒を用いることが好ましい。中でも連鎖移動定数が小さく、アクリロニトリルのラジカル重合に有利である観点から、ジメチルスルホキシドを用いることが好ましい。アクリル系重合体の溶液におけるアクリル系重合体の割合は、10~25重量%が好ましい。
アクリル系重合体溶液の凝固方法としては、紡糸口金孔から吐出された重合体を空気または不活性雰囲気中に吐出した後、熱で溶媒を気化し凝固する乾式紡糸、または紡糸口金孔から吐出された重合体を凝固浴中に直接吐出する湿式紡糸および紡糸口金孔から吐出された重合体を一旦空気または不活性雰囲気中に吐出した後、凝固浴に導入する乾湿式紡糸が採用できる。紡糸以降は公知の方法に従い、熱延伸、水洗、乾燥緻密化させ油剤を付与し、捲縮および熱緩和処理を施した後、カットして本発明のアクリル系アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得ることができる。カットされた本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は紡績糸としたり、中綿として使用することができる。
本発明のアクリル系繊維の断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、丸型、β型、三角、扁平、ドックボーン型、多葉型等のいずれの形状であってもよい。また、繊維の形態は、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよい。
本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、単繊維繊度が0.1~3.3dtexであり、好ましくは0.7~1.7dtexである。前記単繊維繊度が、0.1dtexより小さいと、高次加工での取り扱いが困難となる。また、3.3dtexを超えると、単位重量あたり表面積の減少により消臭性能が低下する。
本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の繊維長は、特に限定されるものではなく、梳毛、長紡、短紡、綿毛および3インチ紡など通常の加工方法から適宜選択することができる。肌着や機能性インナー用途では、短紡での加工が主流であることから繊維長は38~76mmであることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における各項目は下記の方法で測定した。
(1)製糸性の評価
製糸性については、孔径0.050mmの丸孔口金を用いて紡糸した際の延伸ローラーへの巻き付き、熱処理工程での詰まりがないものを「A」とし製糸性としての合格とした。また、ローラーへの単繊維巻き付き、熱処理工程での排出不良が若干あるものを「B」、頻繁にあるものを「C」とし製糸性不合格とした。
製糸性については、孔径0.050mmの丸孔口金を用いて紡糸した際の延伸ローラーへの巻き付き、熱処理工程での詰まりがないものを「A」とし製糸性としての合格とした。また、ローラーへの単繊維巻き付き、熱処理工程での排出不良が若干あるものを「B」、頻繁にあるものを「C」とし製糸性不合格とした。
(2)紡績性の評価
実施例、比較例で得られたアクリル系消臭・抗菌繊維をそれぞれ38mmにカットし、短紡によりAc100、2/53番手の紡績糸とした。紡績性については、温度25±5℃、50±10%RHに調節した室内でカードでのシリンダー巻き付きがなく、ネップ発生がないものを「A」とし紡績性としての合格とした。また、カードでのシリンダー巻き付きやネップ発生が若干あるものを「B」、頻繁にあるものを「C」として紡績性不合格とした。
実施例、比較例で得られたアクリル系消臭・抗菌繊維をそれぞれ38mmにカットし、短紡によりAc100、2/53番手の紡績糸とした。紡績性については、温度25±5℃、50±10%RHに調節した室内でカードでのシリンダー巻き付きがなく、ネップ発生がないものを「A」とし紡績性としての合格とした。また、カードでのシリンダー巻き付きやネップ発生が若干あるものを「B」、頻繁にあるものを「C」として紡績性不合格とした。
(3)全カルボキシル基量の測定
繊維試料約1gを、50mlの1mol/l塩酸水溶液に30分間浸漬する。次いで、繊維試料を、浴比1:500で水に浸漬する。15分後、浴pHが4以上であることを確認したら、乾燥させる(浴pHが4未満の場合は、再度水洗する)。次に、十分乾燥させた繊維試料約0.2gを精秤し(W1[g])、100mlの水を加え、さらに、15mlの0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液、0.4gの塩化ナトリウムおよびフェノールフタレインを添加して撹拌する。15分後、濾過によって試料繊維と濾液に分離し、引き続き試料繊維を、フェノールフタレインの呈色がなくなるまで水洗する。このときの水洗水と濾液をあわせたものを、フェノールフタレインの呈色がなくなるまで0.1mol/l塩酸水溶液で滴定し、塩酸水溶液消費量(V1[ml])を求める。得られた測定値から、次式によって全カルボキシル基量を算出する。
カルボキシル基量[mmol/g]=(0.1×15-0.1×V1)/W1
なお、繊維表面の油剤等にカルボキシル基が含有されているなどの場合には、必要によりメタノール/クロロホルムを用いるなどの手法により、繊維表面の油剤等を除去する。
繊維試料約1gを、50mlの1mol/l塩酸水溶液に30分間浸漬する。次いで、繊維試料を、浴比1:500で水に浸漬する。15分後、浴pHが4以上であることを確認したら、乾燥させる(浴pHが4未満の場合は、再度水洗する)。次に、十分乾燥させた繊維試料約0.2gを精秤し(W1[g])、100mlの水を加え、さらに、15mlの0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液、0.4gの塩化ナトリウムおよびフェノールフタレインを添加して撹拌する。15分後、濾過によって試料繊維と濾液に分離し、引き続き試料繊維を、フェノールフタレインの呈色がなくなるまで水洗する。このときの水洗水と濾液をあわせたものを、フェノールフタレインの呈色がなくなるまで0.1mol/l塩酸水溶液で滴定し、塩酸水溶液消費量(V1[ml])を求める。得られた測定値から、次式によって全カルボキシル基量を算出する。
カルボキシル基量[mmol/g]=(0.1×15-0.1×V1)/W1
なお、繊維表面の油剤等にカルボキシル基が含有されているなどの場合には、必要によりメタノール/クロロホルムを用いるなどの手法により、繊維表面の油剤等を除去する。
(4)抗菌性評価
前記(2)項記載の紡績糸を用いて目付150g/m2の編地を作成した。得られた編地を用いて、未洗濯およびJIS L0217:1995法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回行った後に、JIS L1902:2015「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」に規定されるa)菌液吸収法、混釈平板培養法による定量試験を実施した。試験菌株は独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンターから供給を受けるスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus/黄色ぶどう球菌)NBRC12732株を使用し、評価した。
前記(2)項記載の紡績糸を用いて目付150g/m2の編地を作成した。得られた編地を用いて、未洗濯およびJIS L0217:1995法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回行った後に、JIS L1902:2015「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」に規定されるa)菌液吸収法、混釈平板培養法による定量試験を実施した。試験菌株は独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンターから供給を受けるスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus/黄色ぶどう球菌)NBRC12732株を使用し、評価した。
(5)アンモニア消臭性能
前記(4)項記載の編地を用いて、未洗濯およびJIS L0217:1995法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回行った後に、消臭加工繊維製品認証基準で定める方法((一社)繊維評価技術協議会)で測定して、その減少率を消臭率(%)として評価した。
前記(4)項記載の編地を用いて、未洗濯およびJIS L0217:1995法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回行った後に、消臭加工繊維製品認証基準で定める方法((一社)繊維評価技術協議会)で測定して、その減少率を消臭率(%)として評価した。
(6)吸湿発熱性評価(ΔT)
1辺70mmのポリプロピレンスパンボンド不織布を2枚準備し、1枚には中心部に20mm×20mmの四角い穴を開けておく。2枚の不織布の間に測定する繊維試料を4~5g挟み、4辺をステープラーで固定し繊維試料がはみ出さないようにする。なお、マイクロメーターを用いて測定した繊維試料の厚みは、0.5~1.0mmとする。このような形態の測定試料を4検体準備し、四角い穴が開いてある方を測定面(裏面)としてISO18782:2015に則り吸湿発熱性温度ΔT(℃)を求め、4検体の平均値をもって吸湿発熱性ΔT(℃)とした。
1辺70mmのポリプロピレンスパンボンド不織布を2枚準備し、1枚には中心部に20mm×20mmの四角い穴を開けておく。2枚の不織布の間に測定する繊維試料を4~5g挟み、4辺をステープラーで固定し繊維試料がはみ出さないようにする。なお、マイクロメーターを用いて測定した繊維試料の厚みは、0.5~1.0mmとする。このような形態の測定試料を4検体準備し、四角い穴が開いてある方を測定面(裏面)としてISO18782:2015に則り吸湿発熱性温度ΔT(℃)を求め、4検体の平均値をもって吸湿発熱性ΔT(℃)とした。
(7)吸湿性パラメーター(ΔMR)
繊維試料を110℃×24時間真空乾燥した後の重量を測定し、これを絶乾時の重量W2とした。続いて繊維試料を恒温恒湿器(Espec社製LHU-123)にて20℃×65%RHの雰囲気下中に24時間放置した後の重量を測定し、これをW3とした。引き続き繊維試料を30℃×90%RHの雰囲気下中に24時間放置した後の重量を測定し、これをW4とした。これらから次式
MR1(%)=(W3-W2)/W2×100
MR2(%)=(W4-W2)/W2×100
ΔMR(%)=MR2-MR1
にて、ΔMRを算出し、4つの試料(n=4)での測定値の平均値をもってΔMRとした。
繊維試料を110℃×24時間真空乾燥した後の重量を測定し、これを絶乾時の重量W2とした。続いて繊維試料を恒温恒湿器(Espec社製LHU-123)にて20℃×65%RHの雰囲気下中に24時間放置した後の重量を測定し、これをW3とした。引き続き繊維試料を30℃×90%RHの雰囲気下中に24時間放置した後の重量を測定し、これをW4とした。これらから次式
MR1(%)=(W3-W2)/W2×100
MR2(%)=(W4-W2)/W2×100
ΔMR(%)=MR2-MR1
にて、ΔMRを算出し、4つの試料(n=4)での測定値の平均値をもってΔMRとした。
(8)飽和吸湿率
繊維試料を熱風乾燥機で105℃、16時間乾燥して重量を測定した(W5[g])。次に該試料を20℃×65%RHの条件に調節した恒温恒湿器に24時間入れ、吸湿させた。そして、このようにして吸湿させた試料の重量を測定した。(W6[g])。以上の測定結果から、次式
飽和吸湿率[%]=(W6-W5)/W5×100
によって算出した。
繊維試料を熱風乾燥機で105℃、16時間乾燥して重量を測定した(W5[g])。次に該試料を20℃×65%RHの条件に調節した恒温恒湿器に24時間入れ、吸湿させた。そして、このようにして吸湿させた試料の重量を測定した。(W6[g])。以上の測定結果から、次式
飽和吸湿率[%]=(W6-W5)/W5×100
によって算出した。
(9)繊維の水による抽出液pH(水素イオン指数) JIS L1096:2010抽出液のpH(8.37)A法(JIS法)の条件にて測定した。但し、測定試料が、繊維(糸)の場合は、試料を5.0g±0.1g秤量して、そのまま抽出試験に供する。
[実施例1]
アクリロニトリル97.6mol%、アクリル酸2.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。この重合体をDMSOに溶解して、重合体濃度が22.4重量%の紡糸原液とした。孔径0.050mmの丸孔口金より55重量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与した後、38mmにカットして単繊維繊度1.0デシテックスのアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得た。
アクリロニトリル97.6mol%、アクリル酸2.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。この重合体をDMSOに溶解して、重合体濃度が22.4重量%の紡糸原液とした。孔径0.050mmの丸孔口金より55重量%のDMSO水溶液に湿式紡糸した。さらに95℃の熱水中で6倍に延伸し、水による洗浄、160℃の熱風による1分間の乾燥緻密化を行い、捲縮を付与した後、38mmにカットして単繊維繊度1.0デシテックスのアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得た。
[実施例2]
アクリロニトリル93.6mol%、アクリル酸6.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得た。
アクリロニトリル93.6mol%、アクリル酸6.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得た。
[実施例3]
アクリロニトリル89.6mol%、アクリル酸10.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得た。
アクリロニトリル89.6mol%、アクリル酸10.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得た。
[実施例4]
アクリロニトリル89.6mol%、アクリル酸5.0mol%、イタコン酸5.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得た。
アクリロニトリル89.6mol%、アクリル酸5.0mol%、イタコン酸5.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維を得た。
[比較例1]
アクリロニトリル94.2mol%、アクリル酸メチル5.5mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.3mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系繊維を得た。
アクリロニトリル94.2mol%、アクリル酸メチル5.5mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.3mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系繊維を得た。
[比較例2]
アクリロニトリル89.6mol%、アクリル酸10.0mol%、イタコン酸10.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系消臭・抗菌繊維を得た。
アクリロニトリル89.6mol%、アクリル酸10.0mol%、イタコン酸10.0mol%、メタリルスルホン酸ソーダ0.4mol%からなるアクリル系重合体をジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)系連続重合により得た。以下、実施例1と同様の手順にて、アクリル系消臭・抗菌繊維を得た。
実施例1~4、および比較例1~2で作製したアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維について、上述の(2)抗菌性の評価、(3)アンモニア消臭性の評価、(5)製糸性評価、(6)吸湿発熱性能評価、(9)紡績性評価、の評価を行い、結果を表1に示した。その結果、本発明におけるアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、消臭性と抗菌性、および吸湿発熱性能に優れていることが明確であった。
本発明のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維は、アンモニア悪臭に対しての良好な消臭性能、抗菌性能、および吸湿発熱性能が求められる繊維製品に好適に使用することが出来る。
Claims (9)
- カルボキシル基を有するアクリル系重合体から形成されており、該アクリル系重合体のカルボキシル基の含有量が0.3~10mmol/gであることを特徴とするアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
- JIS L 1902(2015)に記載される菌液吸収法、混釈平板培養法に基づき、試験菌株としてスタフィロコッカス・アウレウス(黄色ぶどう球菌)NBRC12732株を使用した抗菌性評価において、未洗濯、及びJIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回した後の抗菌活性値がいずれも2.2~6.5である請求項1に記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
- アンモニア消臭性が、未洗濯、及びJIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を10回行った後において、消臭加工繊維製品認証基準で定める方法で測定した減少率で70%以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
- ISO18782:2015に規定された吸湿発熱性評価において、吸湿発熱温度が2.0~5.0℃である請求項1~3のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
- 吸湿パラメーター(ΔMR)が0.5重量%以上5.0重量%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
- 20℃×65%RHでの飽和吸湿率が0.5重量%以上5.0重量%未満であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
- 水による抽出液pHが4.0以上、7.0未満であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維。
- 請求項1~7のいずれかに記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の製造方法であって、カルボキシル基含有モノマーを2~10mol%共重合することによって得たアクリル系重合体を紡糸することを特徴とするアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の製造方法。
- 紡糸原液に用いる溶媒が有機系溶媒である請求項8に記載のアクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維の製造方法。
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JP2022043402A Pending JP2022151751A (ja) | 2021-03-24 | 2022-03-18 | アクリル系消臭・抗菌・吸湿発熱繊維およびその製造方法 |
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2022
- 2022-03-18 JP JP2022043402A patent/JP2022151751A/ja active Pending
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