JP2839318B2 - エンジンマウント装置 - Google Patents

エンジンマウント装置

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JP2839318B2 JP2793490A JP2793490A JP2839318B2 JP 2839318 B2 JP2839318 B2 JP 2839318B2 JP 2793490 A JP2793490 A JP 2793490A JP 2793490 A JP2793490 A JP 2793490A JP 2839318 B2 JP2839318 B2 JP 2839318B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車のエンジンを車体に取付けるための
エンジンマウント装置に関する。
〔従来技術〕
近年、自動車においては、走行性能の向上だけでなく
車室内の快適性・静粛性の向上が求められている。車室
内の快適性・静粛性を低下させる振動・騒音の種々の発
生要因のうちの主要因の1つであるエンジンを車体に取
付けるためのエンジンマウント装置おいては、従来から
緩衝部材としてゴム製のマウント部材が用いられている
が、低周波領域から中高周波領域に亙る振動に対して所
定の振動減衰特性を得るには限界があるため、最近では
非圧縮性流体とオリフィスを用いて最適な振動減衰特性
を得るように構成した液体封入式のエンジンマウント装
置が実用化されている。
更に、上記液体封入式のエンジンマウント装置の構造
を簡単化するとともに種々の走行状態に応じた振幅減衰
制御を容易に実現するために、例えば特開昭63−1833号
公報には非圧縮性流体として磁場を介して粘度を調節し
得る磁性流体を用いたエンジンマウント装置が提案され
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記磁性流体を用いたエンジンマウント装置において
は、オリフィスを流通する磁性流体の粘度を高めるため
には、オリフィスに磁性流体の流れ方向と略直交する一
様な磁場を発生させることが望ましい。そうした磁場を
オリフィスの略全長に亙って発生させるには、上記公報
に記載されているようにオリフィスに沿って複数組の電
磁コイルを設けることが考えられるが、エンジンマウン
ト装置の構造が複雑化するという問題があり、特に所定
の振動減衰特性を得るためにオリフィスの長さを長くし
た場合、多数の電磁コイルを設けなければならず、エン
ジンマウント装置の製作コストが増大するという問題が
ある。また、電磁コイルを複数組設けることにより、電
磁コイルに故障が発生しやすくなり、メインテナンスも
簡単に行えないという問題がある。
本発明の目的は、簡単な構成の1組の電磁コイルでオ
リフィスの略全長に亙って磁性流体の流れ方向と略直交
する磁場を発生させ得るエンジンマウント装置を提供す
ることである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係るエンジンマウント装置は、磁性流体が封
入された主室及び副室と、主室と副室とを連通するオリ
フィスと、オリフィスに磁性流体の流れ方向と直交する
方向の磁場を発生させる磁場発生手段とを備えたエンジ
ンマウント装置において、上記磁場発生手段は、オリフ
ィスから離隔して設けられオリフィスの略全長に亙って
磁性流体の流れ方向と略直交する磁場を発生させる1組
の電磁コイルを備えているものである。
〔作用〕
本発明に係るエンジンマウント装置においては、オリ
フィスから離隔して設ける1組の磁場発生部によりオリ
フィスの略全長に亙って磁性流体の流れ方向と略直交す
る磁場を発生させるように構成したので、エンジンマウ
ント装置の構造が大幅に簡単化され、電磁コイルの故障
の発生を低減することが出来る。また、電磁コイルに故
障が発生した場合でも、メインテナンスを簡単に行うこ
とが出来る。
加えて、電磁コイルをエンジンマウント装置の枠部材
の外側にオリフィスから離隔して設けることも出来るの
で、メインテナンス上更に有利になる。
〔発明の効果〕
本発明に係るエンジンマウント装置によれば、以上
〔作用〕の項で説明したようにエンジンマウント装置の
構造を大幅に簡単化出来ること、エンジンマウント装置
の故障の発生を低減させることが出来ること、エンジン
マウント装置のメインテナンスの簡単化を図ることが出
来ること、などの効果が得られる。
〔第1実施例〕 以下、本発明の第1実施例について第1図・第2図に
基いて説明する。
本実施例のエンジンマウント装置10は、第1図に示す
ようにエンジンを車体1に取付けるためのエンジン側の
複数のブラケットのうち主たる振動伝達経路をなすブラ
ケット2が連結されるエンジンマウント装置10に本発明
を適用したものである。
上記エンジンマウント装置10の下部には皿状の下壁部
材11が設けられ、下壁部材11には筒状の側壁部材12がそ
の下部に形成された環状溝部12aで下壁部材11の上部に
形成された環状鍔部11aに外嵌固着されて設けられ、側
壁部材12の上部には上方に拡開状の側壁部12bが形成さ
れ、側壁部材12には凹部13aを有するゴム製のマウント
部材13が側壁部12bの内周面に固着され且つ側壁部材12
から上方に突出して設けられ、マウント部材13には振動
伝達のためのキャプ部14aを有する取付金具14がキャプ
部14aを凹部13aに内嵌固着するとともにマウント部材13
の上端面に固着されて設けられ、マウント部材13の下端
と下壁部材11の間には空間20が形成されている。
上記エンジンマウント装置10は、下壁部材11に設けら
れたネジ部11bで車体1のサブフレーム3にナット4に
より固定され、エンジンのブラケット2は、取付金具14
に設けられたボルト15とナット5により固定されて取付
けられるようになっている。尚、符号16はマウント部材
13に内装されたストッパ部材である。
次に、上記空間20について説明する。
上記空間20は、金属部材からなるオリフィス部材21と
可撓性部材からなる隔壁部材22により、上段の主室23と
中段の副室24と下段の空気室25とに区画され、主室23と
副室24はオリフィス部材21に形成された環状オリフィス
30を介して連通し、主室23と副室24には例えばフェライ
ト粒子を水を溶媒として分散させた磁性流体50が封入さ
れ、空気室25には空気が封入されている。磁性流体50
は、磁性流体に作用する磁場が強くなると粘度が高くな
ってオリフィス30における減衰係数が大きくなり、磁場
が弱くなると粘度が低くなって減衰係数が小さくなる。
尚、オリフィス部材21と隔壁部材22は、その周縁部で下
壁部材11の環状鍔部11aと側壁部材12の環状溝部12aの間
に形成された隙間部26に挿着固定されている。
上記オリフィス部材21は、皿状の上壁部材21aと下壁
部材21bを重ね合わせて夫々の周縁部で接合したもの
で、第2図に示すようにその周縁部より内側には約360
度に亙って環状オリフィス30が形成されている。環状オ
リフィス30の一端側に対応する上壁部材21aには、主室2
3に臨む開口30aが形成され、環状オリフィス30の他端側
に対応する下壁部材21bには、副室24に臨む開口30bが形
成されている。
次に、上記環状オリフィス30に磁場を発生させるため
の磁場発生装置40について説明する。
上記オリフィス部材21のオリフィス30から所定距離離
隔した中央部には1組のボビン部材42が装着され、ボビ
ン部材42の中央部には上下方向向きに鉄心43が装着さ
れ、鉄心43と同心状にコイル44がボビン部材42に巻装さ
れ、ボビン部材42と鉄心43とコイル44により磁場発生装
置40の電磁コイル41が構成されている。
上記コイル44の両端部にはリード線45が接続され、リ
ード線45は電流供給装置46に接続されている。電流供給
装置46はコンローラ47に接続され、コントローラ47から
の制御信号によりコイル44に最適な励磁電流を供給する
ように制御される。尚、コントローラ47には車速センサ
ー及びエンジン回転数センサーからの信号が入力され、
コントローラ47は各センサーからの入力と予め設定され
たマップに基いて走行状態に応じた制御信号を電流供給
装置46に出力するようになっている。
このように構成されたエンジンマウント装置10の作用
について説明する。
上記電圧供給装置46からコイル44に励磁電流が供給さ
れると、第1図に2点鎖線で示したように環状オリフィ
ス30の略全長に亙って磁性流体50の流れ方向と略直交す
る一様な強さの磁場が発生し、この磁場によりオリフィ
ス30を流通する磁性流体50の粘度が高められて減衰係数
が大きくなり、所定の減衰特性となる。
このようにエンジンマウント装置10においては、1組
の電磁コイル41によりオリフィス30の略全長に亙って磁
性流体50の流れ方向と略直交する一様な強さの磁場を発
生させるようにしたので、エンジンマウント装置10の構
造が大幅に簡単化される。また、電磁コイル41を1組設
けただけなので、その故障の発生を低減させることが出
来、また故障が発生した場合でもメインテナンスを簡単
に行うことが出来る。
〔第2実施例〕 次に、エンジンマウント装置の第2実施例について説
明する。尚、上記エンジンマウント装置10と同様な部材
には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例のエンジンマウント装置10Aにおいては、第
3図に示すようにオリフィス部材21Aにはオリフィス30A
がS字状に屈曲して形成され、一方上記実施例の電磁コ
イル41と同様な構成の電磁コイル41Aを環状溝部12aの外
端に固着された支持部材48に設けたものである。
このように電磁コイル41Aを設けることにより、第3
図に2点鎖線で示したようにオリフィス30Aの全長に亙
って磁性流体50の流れ方向と略直交する一様な強さの磁
場を発生させることが出来る。
また、電磁コイル41Aを環状溝部12aの外端に設けたの
で、リード線45の配設が簡単化され且つ磁性流体50の封
入状態をより完全に保持することが出来る。加えて、エ
ンジンマウント装置10Aのメインテナンスが更に簡単化
される。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の実施例を示すもので、第1図
は第1実施例に係るエンジンマウント装置の断面図、第
2図は同装置のオリフィス部材の平面図、第3図は第2
実施例に係るエンジンマウント装置の第1図相当図であ
る。 10・10A……エンジンマウント装置、23……主室、24…
…副室、30・30A……オリフィス、40……磁場発生装
置、41・41A……電磁コイル、50……磁性流体。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性流体が封入された主室及び副室と、主
    室と副室とを連通するオリフィスと、オリフィスに磁性
    流体の流れ方向と直交する方向の磁場を発生させる磁場
    発生手段とを備えたエンジンマウント装置において、 上記磁場発生手段は、オリフィスから離隔して設けられ
    オリフィスの略全長に亙って磁性流体の流れ方向と略直
    交する磁場を発生させる1組の電磁コイルを備えている
    ことを特徴とするエンジンマウント装置。
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