JP2838175B2 - 基板処理装置 - Google Patents

基板処理装置

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JP2838175B2
JP2838175B2 JP6913892A JP6913892A JP2838175B2 JP 2838175 B2 JP2838175 B2 JP 2838175B2 JP 6913892 A JP6913892 A JP 6913892A JP 6913892 A JP6913892 A JP 6913892A JP 2838175 B2 JP2838175 B2 JP 2838175B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハや液晶パ
ネル用のガラス板といった種々の基板に所要の処理液を
供給し、基板洗浄,フォトレジスト膜等の薄膜形成や現
像等の処理を施す基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の基板処理装置は、例えば、基板
を回転可能に支持した状態で、フォトレジストや現像液
あるいは超純水等の各種処理液を基板に吐出してこれを
処理することから、基板がセットされる処理機器や基板
に対して処理液を吐出する処理液吐出ノズルを含む処理
液供給系統を備える。また、こうした処理液供給系統の
ほか、使用する処理液種類,吐出量等の処理条件のデー
タを含んだ基板処理手順を記憶する記憶機器等を備え
る。
【0003】基板処理に使用する処理液は通常複数種用
いられるので、前記処理液供給系統は、それに合わせて
複数系統備え付けられている。即ち、処理液の種類の数
に相当する数の処理液吐出ノズルを備え、各処理液吐出
ノズルに対して各処理液を個別に収容する各貯留容器が
それぞれ接続されている。
【0004】基板の処理を開始するに当たって、記憶機
器に記憶された基板処理手順が特定されると、基板処理
手順に規定された種類の処理液が規定された吐出量だけ
処理液吐出ノズルから吐出される。この処理液吐出に際
しては、各処理液吐出ノズルと各貯留容器とをそれぞれ
接続する配管における吐出ポンプや開閉弁等に制御信号
を出力してこれら各機器を駆動制御している。
【0005】ところで、こうした構成の基板処理装置で
は、処理液の残量を検知する手段としての処理液残量セ
ンサを各貯留容器に備えている。処理液残量センサによ
り検出された各貯留容器内の処理液の残量が所定量以下
となると、基板処理装置では、警報を外部に発令し、時
には、その警報の発令とともに装置を強制的に停止させ
ていた。
【0006】なお、こうした基板処理装置では、もとも
と使用するつもりがない処理液の不足に基づく装置停止
を避けるため、各処理液残量センサからの信号を切る警
報中断スイッチを設けた構成のものが提案されていた。
即ち、かかる基板処理装置では、処理液残量センサの個
々に対応する複数の警報中断スイッチが設けられてお
り、任意の警報中断スイッチが押圧されることで、その
警報中断スイッチに対応した処理液残量センサで処理液
の残量不足が検知された場合にも、警報が発令された
り、装置が強制的に停止させられたりすることがなくな
る。
【0007】例えば、通常、多数の基板に対して塗布処
理を行った後には、基板処理部におけるチャンバーに付
着したフォトレジストをアセトン等の溶剤で洗い流す作
業がなされるのであるが、数枚の基板にフォトレジスト
を実験的に塗布するような処理を行う場合には、装置の
中のアセトンが不足していたとしても、フォトレジスト
さえあれば問題はない。このような場合には、アセトン
の貯留容器に対応する警報中断スイッチを押圧して、目
的の処理を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の基板処理装置では、警報中断スイッチの操作がオペ
レータ等の人間の手によるものであることから、所望の
ものとは異なる警報中断スイッチを誤って押圧してしま
うことがあった。この結果、基板処理に使用される処理
液に関しても処理液残量センサからの検出信号を切って
しまうといったことが起こり、その処理液の残量が不足
してきた場合に、大量のロット不良が発生した。
【0009】本発明の基板処理装置は、こうした問題点
に鑑みてなされたもので、特定の処理液残量センサから
の検出結果を意図的に無視することが可能であるととも
に、その処理液残量センサの特定を誤ったときにも、不
良ロットの発生を防止することができることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
べく、前記課題を解決するための手段として、以下に示
す構成を取った。
【0011】即ち、本発明の基板処理装置は、基板に処
理液を供給する基板処理部と、該基板処理部に対して供
給する複数の処理液を個別に収容する複数の処理液収容
部と、前記処理液収容部に収容された処理液を各処理液
収容部から基板処理部に対して供給する複数の処理液供
給手段と、少なくとも基板処理部に供給の必要な処理液
の種類や供給量を含む各種処理条件を規定する基板処理
手順を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された
基板処理手順に基づき少なくとも前記複数の処理液供給
手段から一処理液供給手段を選択的に制御して基板処理
の実行を制御する制御手段とを備える基板処理装置であ
って、各処理液収容部内の処理液の量を検出する処理液
量検出手段と、前記処理液量検出手段の検出結果から任
意の処理液収容部内の処理液が不足していることが検知
されたとき、異常である旨の判定を行なう異常判定手段
とを設け、さらに、前記複数の処理液収容部の中から、
異常である旨の判定より除外することを所望する1以上
の処理液収容部を、処理液収容部として直接的に、ある
いは処理液収容部に収容される処理液として間接的に指
示入力する指示入力手段と、前記記憶手段に記憶された
基板処理手順内に、前記指示入力手段で指示された処理
液収容部内に収容される処理液の種類が規定されている
か否かを判別する判別手段と、前記処理液量検出手段の
検出結果から任意の処理液収容部内の処理液が不足して
いることが検知されたとき、当該処理液に対して前記指
示入力手段による指示入力がなされ、且つ、前記判別手
段により前記処理液の種類が規定されていないと判別さ
れた場合、前記異常判定手段による異常である旨の判定
を解消する異常判定解消手段とを備えたことを、その要
旨としている。
【0012】以上のように構成された基板処理装置にお
いて、処理液量検出手段の検出結果から任意の処理液収
容部内の処理液が不足していることが検知され、且つ、
当該処理液に対して指示入力手段による指示入力がなさ
れ、しかも、判別手段により前記処理液の種類が規定さ
れていると判別された場合、制御手段による基板処理の
実行を停止させる停止手段を、さらに備えた構成として
もよい。
【0013】
【作用】以上のように構成された本発明の基板処理装置
は、処理液収容部内に収容されている処理液の量を、処
理液量検出手段により検出し、その検出結果から処理液
が不足していることが検知されると、異常判定手段によ
り異常である旨の判定を行なうが、さらに、その処理液
の不足が検知されたとき、当該処理液に対して指示入力
手段により、異常である旨の判定より除外するとの指示
入力がなされ、且つ、記憶手段に記憶された基板処理手
順内にその指示された処理液の種類が規定されていない
と、判別手段により判別された場合、前記異常判定手段
による異常である旨の判定を、異常判定解消手段により
解消する。
【0014】このため、例え、指示入力手段に対して、
異常である旨の判定より除外することを所望する処理液
収容部とは異なる処理液収容部を誤って指示入力したと
しても、その誤った処理液収容部に収容される処理液の
種類が、記憶手段に記憶される基板処理手順内に規定さ
れている場合には、異常判定解消手段による異常判定の
解消がなされることはなく、異常判定手段による異常で
ある旨の判定がなされる。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る基板処理装置(回転式基
板処理装置)の好適な実施例について、図面に基づき説
明する。まず、本実施例の回転式基板処理装置の概要に
ついて、当該装置の概略斜視図である図1を用いて簡単
に説明する。
【0016】回転式基板処理装置1は、半導体ウエハ等
の基板を回転させ、この基板表面にフォトレジスト等を
回転塗布して熱処理するための装置であり、図1に示す
ように、基板供給部と基板処理部とに大別される。な
お、以下の説明に当たっては、この両者を呼称上明確に
区別するために、前者の基板供給部を基板授受ユニット
2と称し、基板処理部をプロセス処理ユニット3と称す
ることとする。
【0017】基板授受ユニット2は、基板Wを多段に収
納したカセットC1ないしC4から基板Wを取り出して
基板受け渡し位置である基板授受位置Pまで移送した
り、この基板授受位置Pから基板Wを移送して基板の収
納が可能ないずれかのカセット内へ基板Wを収納する。
プロセス処理ユニット3は、後述するように基板に所要
の処理液を供給して回転処理を施す回転処理機器を含む
複数の各種処理機器等を備え、これら各処理機器等を駆
動して基板を処理する。
【0018】次に、前記各ユニットについて説明する。
基板授受ユニット2は、図1に示すように、カセット設
置台4の上面に、基板Wを多段に収納した2基のカセッ
トC1,C2と基板未収納の2基のカセットC3,C4
を備える。また、各カセットから基板Wを取り出してプ
ロセス処理ユニット3へ供給したり、各カセット内に基
板Wを収納したりするための基板移送機器6を、カセッ
トC1ないしC4の並びに沿った図中矢印D方向に水平
移動自在に備える。
【0019】そして、カセット設置台4の前面には、こ
の基板授受ユニット2や後述するプロセス処理ユニット
3に種々の指示を与えるための主操作パネル5が組み込
まれている。この主操作パネル5は、種々の設定や数値
入力を行なうためのキーボード5a(図5参照)と、こ
のキーボード5aからの指示に基づき種々の表示を行な
うディスプレイ5b(図5参照)とを備える。
【0020】基板移送機器6は、図1に示すように、基
板Wをその下面で吸引・吸着する基板吸着アーム7を、
カセットにおける基板Wの積み重ね方向に沿って昇降可
能で、且つ、図示するカセット手前の待機位置とカセッ
ト内に進入した取り出し位置との間に渡って図中矢印E
方向に前後動可能に備える。
【0021】このため、基板移送機器6を図中矢印D方
向に水平移動させて所望のカセットの正面まで移動し、
その後、当該カセットにおける所望段の基板収納溝に対
応する高さまでの基板吸着アーム7の上昇,カセット内
への基板吸着アーム7の進入,基板吸着アーム7の僅か
な再上昇,基板吸着アーム7の後退,基板吸着アーム7
の降下を順次行なえば、カセットからの基板Wの取り出
しが完了する。また、この逆の手順で基板吸着アーム7
を移動させれば、カセット内への基板Wの収納が完了す
る。
【0022】こうして、カセット内から取り出された基
板は、この基板移送機器6により基板授受位置Pに移送
された後、後述するプロセス処理ユニット3付属の基板
搬送機器37に受け渡され、当該ユニットにおける回転
塗布機器等に、順次搬送されて処理される。また、処理
が完了した処理済み基板は、基板搬送機器37により基
板授受位置Pに返却された後、基板移送機器6により所
定のカセット内に収納される。
【0023】基板移送機器6は、前記基板吸着アーム7
のほか、基板吸着アーム7でカセットから取り出した基
板Wを水平に支持するために、図示しない3本の支持ピ
ンをその基台9に昇降自在に備える。また、これら各支
持ピンに支持された基板Wの中心位置合わせを行なうた
めに、基板Wの外径と略同一の曲率となるような配列で
それぞれ突設させた4本の案内ピンを有する位置合わせ
板10を、基台9の両側に水平往復動自在に備える。よ
って、基台9から上昇した各支持ピンにより基板Wが支
持された状態で、各位置合わせ板10を水平往復動させ
ると、各案内ピンが基板Wの外周に当接・離間するた
め、基板Wの中心位置合わせが完了する。
【0024】また、カセット設置台4上面には、処理す
べき基板を収納したカセットであることや基板処理手順
を特定するのに必要な手順番号数値コードやカセット単
位の処理順序等を入力するためカセットコントロールパ
ネル18(図5参照)が備え付けられている。さらに、
各カセット内に収納されている基板Wの有無を検出する
ための基板検出用の光センサ24(図5参照)が備え付
けられている。この光センサ24は、光センサ昇降機構
25(図5参照)によりカセットに沿って上昇する間に
おいて、カセット内における基板有無をカセットにおけ
る基板収納溝の段数に対応付けて一括して検出する。な
お、基板収納溝の段数との対応付けは、カセットの基板
収納溝と同ピッチのスリットの移動状態に基づいてタイ
ミング検出センサ42(図5参照)が生成するパルスを
用いて行なわれる。
【0025】前述した基板授受ユニット2から基板を受
け取りこれを処理するプロセス処理ユニット3は、図1
に示すように、回転する基板表面に処理液(薬液)を滴
下して薄膜を形成する回転塗布機器31,32や、回転
塗布機器で処理を行なう前後に基板を熱処理(加熱・冷
却)する熱処理機器33,34,35を備える。さら
に、各回転塗布機器31,32及び熱処理機器33,3
4,35の並びに図中矢印A方向に水平移動自在な基板
搬送機器37を備える。なお、図示するように、各熱処
理機器は、それぞれ上段に加熱用熱処理機器を、下段に
冷却用熱処理機器をそれぞれ備える。
【0026】回転塗布機器31,32は、3本の処理液
吐出ノズルを有するノズル機構41,42を図示する待
機位置から、図中矢印F方向に昇降自在に、且つ、回転
塗布機器中心に渡って図中矢印G方向に旋回自在に備え
る。そして、このノズル機構41,42を後述するよう
に図示する待機位置から所定の吐出位置まで移動させ、
吐出位置にていずれかの処理液吐出ノズルから処理液を
吐出する。また、各回転塗布機器31,32は、その前
面に、処理液吐出量や処理液種類,基板回転数等を指定
するための後述する各種押しボタンと、種々の文字列や
数値等を表示する表示器等を有し、通常はプロセス処理
ユニット3の本体内に収納されている副操作パネル31
A,32Aを備える。また、プロセス処理ユニット3の
本体前面には、複数の残量警報中断押しボタン36(後
述する)を備えた特別操作パネル36Aも備える。
【0027】次に、回転塗布機器31,32におけるノ
ズル機構41,42のノズル先端部周辺の構成につい
て、図2を用いて説明する。なお、この両回転塗布機器
は、その構成がほぼ同一なので、回転塗布機器31の説
明にとどめる。図2に示すように、載置された基板Wを
吸着保持しこれをモータ43により回転させる回転体4
4の周囲には、基板Wを包囲するようチャンバー45が
設けられている。このチャンバー45底部には、チャン
バー45内の空気を強制的に排気する排気管46と、チ
ャンバー45底部に溜まった余剰処理液又は使用済み処
理液を排出する排出管47が連通されている。なお、モ
ータ43下部には、その回転数を検出する回転数センサ
43aが設けられており、その検出回転数は後述する回
転塗布機器コントローラ31Bに出力される。
【0028】また、排出管47下方に、処理済み処理液
を貯留する貯留容器48を取り出し自在に備えた処理液
回収箱49を備え、排出管47から流出した排出処理液
50を貯留容器48内に貯留する。処理液回収箱49に
は、貯留容器48に貯留された排出処理液50表面から
の処理液蒸気を排気する処理液蒸気排気管51が立設さ
れている。
【0029】ノズル機構41の処理液吐出ノズル52
は、後述するエアーシリンダや旋回モータ等からなるノ
ズル駆動機器40(図3,図6参照)によって、回転体
44側方の待機位置から図2中の矢印F方向に上昇し、
所定の吐出位置の上方まで図中矢印G方向に旋回し、そ
の後基板表面近傍の吐出位置まで降下する。そして、処
理液吐出ノズル52への管路を開閉する開閉バルブ54
の動作により、処理液吐出ノズル52からは基板Wに処
理液が吐出され、その際、異なった種類の処理液の交互
供給が可能となる。なお、これらバルブと処理液吐出ノ
ズル52の接続及び各バルブの制御については後述す
る。また、処理液吐出ノズル52は図3に示す様に3本
設けられているが、図2においてはそのうち1本のみを
示し、他は図示を省略してある。
【0030】処理液吐出ノズル52が待機位置に位置す
る場合には、処理液蒸気排気管51の内部を上昇する処
理液蒸気がノズル先端部を湿潤するので、ノズル先端部
における処理液変質や処理液固化は生じにくくなってい
る。また、処理液蒸気排気管51及び切換バルブ53
は、各処理液吐出ノズル毎に設けられている。
【0031】次に、ノズル駆動機器40による処理液吐
出ノズル52の移動の様子について、図3を用いて説明
する。ノズル機構41は、図1及び図3に示すように、
図3に向かって左側の処理液吐出ノズル52a,図3に
向かって右側の処理液吐出ノズル52b,中央の処理液
吐出ノズル52cの3本の処理液吐出ノズルを備える。
そして、これら各処理液吐出ノズルは、ノズルアーム5
5に組み付けられている。また、ノズルアーム55の回
転中心位置に、各処理液吐出ノズルをノズルアーム55
ごと図中矢印G方向に旋回させる旋回モータ56(パル
スモータ)と、この旋回モータ56を処理液吐出ノズル
及びノズルアーム55ごと図3の紙面における表裏方向
(図2における矢印F方向)に昇降させるエアーシリン
ダ57とを備える。つまり、この旋回モータ56とエア
ーシリンダ57とで、既述したノズル駆動機器40を構
成する。
【0032】従って、各処理液吐出ノズル52aないし
52cは、図2おける図中矢印F方向の上昇,図中矢印
G方向に沿った旋回,及び旋回終了位置からの降下をこ
の順で繰り返して、回転体44側方の待機位置H0 から
基板表面近傍の吐出位置へそれぞれ移動する。また、こ
の逆の手順で移動することにより、待機位置H0 に復帰
する。
【0033】この吐出位置は、各処理液吐出ノズル52
aないし52cごとに2種類ずつ用意されている。具体
的には、処理液吐出ノズル52aと52cについては、
図示するように基板W中央の吐出位置H1 (中央吐出位
置)と旋回終端側の基板Wの端部近傍の吐出位置H2
(端部吐出位置)とが用意されており、処理液吐出ノズ
ル52bについては、中央吐出位置H1 と待機位置H0
よりの端部吐出位置H3とが用意されている。なお、前
記各処理液吐出ノズル毎の吐出位置は、後述するように
基板処理手順により規定されている。また、前記各端部
吐出位置H2 及びH3 は、処理対象である基板Wの直径
に応じて定められている。
【0034】次に、各処理液吐出ノズル52aないし5
2cから処理液を吐出するための管路構成について、図
4の概略経路図を用いて説明する。図4に示すように、
処理液L1を貯留する第1の処理液貯留容器101と処
理液吐出ノズル52aとの間には、処理液供給管110
aが設けられている。この処理液供給管110aには、
その上流側から、開閉バルブ54aと、処理液圧送ポン
プ112aと、フィルタ114aとが順に設けられてい
る。これら各バルブ及び処理液圧送ポンプは、回転塗布
機器コントローラ31Bと接続されており、その制御信
号に基づき作動する。
【0035】また、処理液L2 を貯留する第2の処理液
貯留容器102と処理液吐出ノズル52bとの間には、
処理液供給管110bが設けられており、この処理液供
給管110bには、処理液供給管110aと同様に、開
閉バルブ54b,処理液圧送ポンプ112bおよびフィ
ルタ114bが設けられている。同様に、処理液L3を
貯留する第3の処理液貯留容器103と処理液吐出ノズ
ル52cとの間に設けられた処理液供給管110cに
は、開閉バルブ54c,処理液圧送ポンプ112c,フ
ィルタ114cが設けられている。
【0036】回転塗布機器コントローラ31Bからの制
御信号に基づいて前記各種バルブおよびポンプを作動さ
せることにより、処理液吐出ノズル52aからは処理液
L1が、処理液吐出ノズル52bからは処理液L2 が、
処理液吐出ノズル52cからは処理液L3 がそれぞれ吐
出される。なお、各処理液貯留容器101,102,1
03の下部には、処理液の残量の不足を検出する残量セ
ンサ115a,115b,115cがそれぞれ設けられ
ており、これら残量センサ115a,115b,115
cからの検出信号は回転塗布機器コントローラ31Bに
入力される。前記残量センサ115a,115b,11
5cは、詳しくは、処理液貯留容器の重量から貯留され
ている処理液の残量を検知し、その残量が所定値以下と
なると、ハイレベル(オン状態)の検出信号を、また、
所定値以下とならない場合には、ロウレベル(オフ状
態)の検出信号を出力するセンサである。
【0037】前述した各回転塗布機器及び熱処理機器
は、後述するメインコントローラ60から、基板処理手
順における処理条件の情報(回転数,温度,使用処理液
種類,吐出量,ノズル位置等)のロードを受ける個別の
後述するコントローラと、回転数センサ,温度センサ等
を備える。そして、各回転塗布機器及び熱処理機器は、
これらセンサの検出信号とロードを受けた後述する基板
処理手順における制御指令値(処理条件)とに基づき、
各処理機器付属のコントローラにより、フィードバック
制御されている。なお、ここでいうところの基板処理手
順は、基板に処理液を塗布したり熱処理をするなど基板
そのものに対して直接作用する処理(以下では、基板回
転処理という)の条件を規定する基板の回転数,使用処
理液種類,吐出量,温度などの情報(基板そのものに直
接作用するこれらの条件の情報を、以下では基板処理レ
シピという)と、基板回転処理動作そのものの直前ある
いは直後に行われる処理前作業あるいは処理後作業を規
定する情報とより成っている。前記処理前作業や処理後
作業は、例えば処理液吐出ノズル52における処理液の
固化や変質を防ぐために行ういわゆるプリディスペンス
やアフターディスペンス、あるいは、多数の基板に対し
て塗布処理を行った後に基板処理部におけるチャンバー
に付着したフォトレジストをアセトン等の溶剤で洗い流
す作業などを指している。これらの作業は、必要に応じ
て行われる。
【0038】図1に示すように、基板搬送機器37は、
図示しない駆動系により図中矢印A方向に水平移動自在
なステージ38上面に図中矢印B方向に旋回自在なヘッ
ド39を備え、このヘッド39には、Uの字状の基板支
持アーム37a,37bを上下2段に備えて構成され
る。また、この各基板支持アーム37a,37bは、ヘ
ッド39から出入り自在に構成されている。
【0039】前記構成のプロセス処理ユニット3は、所
定の基板処理手順における搬送プロセスに基づいて、基
板搬送機器37を駆動制御して、基板授受ユニット2に
おける基板授受位置Pから、前記回転塗布機器といった
複数の処理機器のうちの必要な処理機器に、順次基板を
搬送する。そして、基板が搬送された回転塗布機器等に
て、当該基板処理手順における処理条件に基づいて基板
を処理し、搬送された各処理機器における処理が完了し
た処理済み基板を基板授受位置Pに返却する。
【0040】次に、前述した回転式基板処理装置1にお
ける制御系について、図5,図6に示すブロック図を用
いて説明する。本実施例におけるこの制御系は、図5に
示すように、回転式基板処理装置1の全体を統括制御す
るメインコントローラ60のほか、そのサブコントロー
ラとして、基板授受ユニット2を制御する基板授受ユニ
ットコントローラ70と、プロセス処理ユニット3を構
成する各処理機器ごとのコントローラである基板搬送機
器コントローラ37Aと、各回転塗布機器用の回転塗布
機器コントローラ31B,32Bと、各熱処理機器用の
熱処理機器コントローラ33A,34A,35Aとを備
える。
【0041】メインコントローラ60は、論理演算を実
行する周知のCPU61,CPU61を制御する種々の
プログラム等を予め記憶するROM62,種々のデータ
を一時的に記憶するRAM63等を中心に論理演算回路
として構成され、データの書き込み及びデータの保持が
随時可能で後述する多量のデータを予め記憶する記憶デ
ィスク64を内蔵している。
【0042】そして、このメインコントローラ60は、
前記CPU等とコモンバス65を介して相互に接続され
た入出力ポート66により、外部との入出力、例えば、
既述した主操作パネル5や、前記基板授受ユニットコン
トローラ70,基板搬送機器コントローラ37A,各処
理機器ごとの各コントローラ31B等との間でデータの
転送を行なう。
【0043】基板授受ユニットコントローラ70は、光
センサ24及びタイミング検出センサ42のほか、基板
移送機器6,カセットコントロールパネル18,光セン
サ昇降機構25等と接続されている。そして、これら各
センサやカセットコントロールパネル18からの信号を
始め、当該コントローラで求めた算術演算データをメイ
ンコントローラ60に出力する。なお、カセットコント
ロールパネル18,光センサ24,タイミング検出セン
サ42,光センサ昇降機構25等は、カセット設置台4
の上面における4基のカセットC1ないしC4のそれぞ
れに備えられており、各々基板授受ユニットコントロー
ラ70に接続されている。
【0044】回転塗布機器31付属の回転塗布機器コン
トローラ31Bは、図6に示すように、前記メインコン
トローラ60と同様、周知のCPU31B1 ,ROM3
1B2 ,RAM31B3 等を中心に論理演算回路として
構成されている。そして、入出力ポート31B6 には、
既述したメインコントローラ60,モータ43,回転数
センサ43a,ノズル駆動機器40,副操作パネル31
A,開閉バルブ54(54a,54b,54c)、およ
び各処理液吐出ノズルに処理液を圧送・供給するノズル
毎の処理液圧送ポンプ112(112a,112b,1
12c)とが接続されている。また、入出力ポート31
B6 には、既述した残量センサ115(115a,11
5b,115c)と残量警報中断押しボタン36(36
a,36b,36c)とが接続されている。
【0045】本回転式基板処理装置1では、残量センサ
115の検出信号に基づいて各処理液貯留容器101,
102,103に貯留されている処理液の残量不足を検
知して、警報を発令するように構成されている(詳しい
構成については後述する)が、前記残量警報中断押しボ
タン36a,36b,36cとは、所望の貯溜容器に貯
留されている処理液に限っては残量センサ115a,1
15b,115cに基づいて残量不足が検知されても警
報の発令を許可しないように指示するスイッチであり、
第1の処理液貯留容器101の残量不足に対して警報の
発令を許可したくない場合に第1の残量警報中断押しボ
タン36aが、第2の処理液貯留容器102の残量不足
に対して警報の発令を許可したくない場合に第2の残量
警報中断押しボタン36bが、第3の処理液貯留容器1
03の残量不足に対して警報の発令を許可したくない場
合に第3の残量警報中断押しボタン36cがそれぞれオ
ペレータにより押圧される。
【0046】熱処理機器コントローラ33Aは、図示し
ない温度センサにより加熱用熱処理機器33a,冷却用
熱処理機器33bにおける処理温度を検出しつつ、その
温度を所望の値に保つように制御を行う。なお、回転塗
布機器32付属の回転塗布機器コントローラ32Bと、
熱処理機器34,35付属の熱処理機器コントローラ3
4A,35Aについては、その構成が同様なのでその説
明を省略する。
【0047】次に、前記各処理機器を駆動制御するため
の基板処理手順について説明する。基板処理手順は複数
種類存在し、図7に示すように、その各々が、各基板処
理手順を特定するための手順番号数値コードと各処理機
器における制御指令値等とを対応付けて、予め記憶ディ
スク64に書き込み記憶されている。
【0048】基板処理手順をより詳細に説明すると、基
板処理手順のうち、基板処理レシピは図7に示すよう
に、各手順番号数値コードのそれぞれに関して、必要な
処理ステップごとに、各処理ステップにおける工程を表
す工程記号と、その工程を行なう処理機器と、その工程
における処理条件とに関するデータが書き込まれてい
る。
【0049】つまり、各処理ステップにおける工程記号
の欄の記号は、それぞれの工程名称に相当し、工程記号
ADは処理液塗布前の加熱工程を、ACは処理液塗布前
の冷却工程を、SCは処理液塗布工程を、SBは処理液
塗布後の加熱工程をそれぞれ表す。また、同一の処理ス
テップにおいて複数の処理機器(処理機器1,2…)が
書き込まれている場合(手順番号数値コード01におけ
る処理ステップ1の加熱用熱処理機器33a,34a)
は、いずれかの処理機器で処理すれば良いことを示す。
ただし、処理機器の数値が小さいほど優先的に使用され
る。例えば、手順番号数値コード01の場合には、処理
機器1の欄の加熱用熱処理機器33aが優先して使用さ
れ、この加熱用熱処理機器33aが処理中であるとして
使用できなければ、処理機器2の欄の加熱用熱処理機器
34aが使用される。
【0050】処理ステップ3以外の処理ステップは、工
程記号AD,AC,SB等から判るように処理液塗布前
後の熱処理工程であり、その処理条件欄に記載されてい
るように、該当する処理機器を制御する際の処理温度や
処理時間等の制御指令値を表す数値データを備える。
【0051】各処理ステップのうち処理ステップ3は、
工程記号SCから判るように回転処理機器を用いた処理
液塗布工程であり、処理液塗布を繰り返し行なうことか
ら、当該処理ステップをさらに第1ステップ部分,第2
ステップ部分,…,第iステップ部分等に区分したデー
タを有する。
【0052】つまり、処理液塗布工程である処理ステッ
プ3は、基板を回転させつつ処理液(薬液)を塗布する
ため、使用する複数種類の処理液の指定,処理回転数,
回転加速度,処理液吐出時間(吐出量),基板サイズ
(直径),吐出位置,使用処理液吐出ノズルの区別とい
った数多くの処理条件(制御指令値)に基づき実行され
る上に、異なった処理液を使用する回転処理を繰り返し
行なう。このため、条件データが、他の処理より格段に
多く、以下に説明するようなデータ構成を備えることに
よって、処理条件のデータが、幾種類か記憶できるよう
に配慮されている。なお、基板サイズについては、本実
施例の回転式基板処理装置1の使用時において、処理対
象となる基板に応じて例えば3インチ,5インチ,6イ
ンチ,8インチ等に初期設定される。
【0053】図8に示すように、処理ステップ3におけ
る第1ステップ部分から第iステップ部分(同図の左端
欄に示す)ごとに、回転数a1 〜ai と、プロセス時間
と、吐出する処理液(薬液)の種類を規定するためのケ
ミカルデータと、使用処理液吐出ノズル及び吐出位置を
規定するためのノズル位置データ等の処理条件を示すデ
ータが基板処理手順毎にそれぞれ記憶されている。
【0054】プロセス時間の欄におけるプロセス1ない
しプロセス4の数値(b1 ,c1 ,d1 ,e1 等)は、
該当する第1ないし第iステップの実行に要する時間や
処理液吐出時間(吐出量)などを規定し、ケミカルデー
タの欄におけるC1 ないしC3 は、使用することのでき
る処理液(薬液)の種類を規定する。また、ノズル位置
データの欄におけるノズル及び吐出位置は、使用する処
理液吐出ノズルとその吐出位置を規定する。さらに、ケ
ミカルデータの欄におけるC1 ないしC3 に記載された
数値は、図4に示した各処理液を特定するための番号
(コード)であり、ノズル位置データの欄におけるノズ
ル及び吐出位置に記載された52a,H1等は、それぞ
れ使用する処理液吐出ノズル及び処理液の吐出位置(図
3参照)を表わす。また、各欄における数値0は、処理
液や処理液吐出ノズルを使用しないとしてこれらの指定
がなされていないことを意味する。
【0055】なお、ノズル位置データに関しては、複数
の処理液吐出ノズル(本実施例では2種類)から所要の
処理液を交互に吐出する場合を想定したデータ構造とな
っている。例えば、第1ステップ部分では、処理液吐出
ノズル52cと52aを使用する。この場合、各ノズル
から吐出される処理液(L1 ,L2 等の記号で規定され
る処理液)の区別及び吐出順序等は、図7における基板
処理手順で特定されている。
【0056】従って、このようなデータから、第1ステ
ップでは、回転数a1 で基板を回転させ、この基板に薬
液番号1,2の処理液L1 ,L2 を吐出する処理を行な
い、第2ステップでは、回転数a2 で基板を回転させ
て、薬液番号3の処理液L3 のみを用いた処理を行なう
ことになる。つまり、これら条件に基づいて使用する処
理液やこれを吐出するノズルの選択並びに吐出量等が決
定されて、各処理液吐出ノズルへの処理液の圧送・供給
が行なわれ、選択された処理液が基板に向けて吐出され
るのである。この際、使用する処理液吐出ノズルは、規
定された吐出位置に移動することは勿論である。また、
基板処理手順のうち、処理前作業,処理後作業を規定す
る情報も、同様に書き込まれている。図7に示す例にお
いて、処理前作業はプリディスペンスであって、処理液
吐出ノズル52a,52cについて、時間f1だけ行う
ことになっている。
【0057】このように記憶ディスク64には、複数種
類の基板処理手順が、膨大な処理条件のデータを含んで
記録されている。そして、ある手順番号数値コード、例
えば00の数値コードが指定されると、この時の基板処
理手順は、まず処理液塗布前に加熱用熱処理機器33a
にて加熱処理を行ない(処理ステップ1)、次に冷却用
熱処理機器33bにて冷却処理を行ない(処理ステップ
2)、引続いて回転塗布機器32にて処理液塗布処理を
行ない(処理ステップ3)、処理液塗布後の加熱処理を
加熱用熱処理機器35aにて行なう(処理ステップ4)
ことになる。処理ステップ5以下についてもデータが作
成・記憶されていればそれに従って処理されることは勿
論である。また、処理前作業については、処理液吐出ノ
ズル52a,52cについて、プリディスペンスを行う
ことになっている。
【0058】このような記憶ディスク64へのデータの
書き込みは、回転式基板処理装置1の操業初期において
は、例えば、主操作パネル5のキーボード5aからのデ
ータ入力や、磁気テープ,フレキシブルディスク等の記
憶媒体にデータの書き込み・記憶を行なう外部記憶装置
80(図5参照)からの入出力ポート66を介したデー
タ転送等により行なわれる。
【0059】さらに、このように記憶された複数の基板
処理手順のうちからの所望の基板処理手順の選択指示
は、カセットコントロールパネル18や主操作パネル5
のキーボード5a等の操作により実行される。なお、所
望の基板処理手順を選択指示するための前記操作は、手
順番号数値コードの数値を入力する操作である。
【0060】そして、基板処理を開始するに当たって手
順番号数値コードが指定されると、該当する基板処理手
順の各処理ステップにおける処理条件は、メインコント
ローラ60から該当する処理機器付属のコントローラに
ロードされる。例えば00の数値コードが指定される
と、処理ステップ1及び処理ステップ2における処理条
件は加熱用熱処理機器33a,冷却用熱処理機器33b
を有する熱処理機器33付属の熱処理機器コントローラ
33Aにロードされる。同様に、処理ステップ3におけ
る処理条件は回転塗布機器31付属の回転塗布機器コン
トローラ31Bにロードされ、処理ステップ4における
処理条件は加熱用熱処理機器35aを有する熱処理機器
35付属の熱処理機器コントローラ35Aにロードされ
る。
【0061】こうして種々のデータのロードを受けた各
コントローラ31B等は、ロードを受けた処理条件であ
る制御指令値とセンサからの検出信号とに基づき、各処
理機器をフィードバック制御しつつ基板処理を行なう。
【0062】次に、前述した構成を備える本実施例の回
転式基板処理装置1において実行される基板処理(メイ
ン処理)ルーチンについて、図9に示すフローチャート
を用いて説明する。図9に示すメイン処理ルーチンは、
手順番号数値コードが指定され、該当する基板処理手順
の各処理ステップにおける処理条件がメインコントロー
ラ60から該当する処理機器付属のコントローラにロー
ドされた後に、回転塗布機器コントローラ31B,32
BのCPUにて1枚の基板処理ごとに実行される処理を
示すものである。
【0063】図9に示すように、処理が開始されると、
回転塗布機器コントローラ31BのCPUは、まず、後
述する基板回転処理およびその基板回転処理に先駆けて
実行される処理前作業にて用いられる処理液に関し、そ
の処理液の不足をチェックする前チェック処理を実行す
る(ステップ100)。次いで、メインコントローラ6
0から処理開始指令が入力されたか否かを判定し(ステ
ップ200)、さらに、ステップ100で実行された前
チェック処理で後述する第2種の警報が発令されたか否
かを判定する(ステップ300)。ここで、処理開始指
令とは、メインコントローラ60にて、カセットコント
ロールパネル18や主操作パネル5のキーボード5a等
による手順番号数値コードの数値入力を経て基板処理手
順の設定がなされた後、メインコントローラ60から入
力される指令である。また、前記第2種の警報について
は、前チェック処理の内容とともに後ほど詳しく説明す
る。
【0064】ステップ200で、処理開始指令が入力さ
れていないと判定されたとき、または、ステップ300
で第2種の警報が発令されたと判定されたとき、処理は
ステップ100に戻り、前チェック処理を繰り返し実行
する。一方、ステップ200で、処理開始指令が入力さ
れていると判定され、かつ、ステップ300で第2種の
警報が発令されていないと判定されたとき、処理はステ
ップ700から400に抜け、いわゆる処理前作業と基
板回転処理を実行する。
【0065】ステップ400で基板回転処理の実行後、
基板回転処理の後に実行される処理後作業にて用いられ
る処理液に関し、その処理液の不足をチェックする後チ
ェック処理を実行する(ステップ500)。次いで、ス
テップ500で実行された後チェック処理で第2種の警
報が発令されたか否かを判定する(ステップ600)。
ここで、第2種の警報が発令されたと判定されたとき、
処理はステップ500に戻り後チェック処理を繰り返し
実行する。一方、ステップ600で、第2の警報が発令
されていないと判定されたとき、処理はステップ800
に抜けて処理後作業を行ない、その後「エンド」に抜
け、本ルーチンを一旦終了する。
【0066】次に、ステップ100で実行される前チェ
ック処理について図10を参照して詳述する。この前チ
ェック処理は、第1の処理液貯留容器101に貯留され
ている処理液L1 の不足をチェックする第1前チェック
工程100Aと、第2の処理液貯留容器102に貯留さ
れている処理液L2 の不足をチェックする第2前チェッ
ク工程100Bと、第3の処理液貯留容器103に貯留
されている処理液L3 の不足をチェックする第3前チェ
ック工程100Cとから構成されている。以下、第1前
チェック工程100Aについて詳しく説明するが、第2
前チェック工程100Bおよび第3前チェック工程10
0Cについては、対象とする処理液が異なるだけでその
他は同様であるので説明は省略する。
【0067】図10に示すように、処理が開始される
と、まず、第1の処理液貯留容器101に設けられた第
1の残量センサ115aからの検出信号がオン状態であ
るか否かを判定する(ステップ105)。ここで、オン
状態でない、即ち、オフ状態であると判定されると、処
理液L1 は不足しておらず十分にあるということを意味
するので、後述する処理液L1 に関する第1種および第
2種の警報を解除する処理を行ない(ステップ11
0)、その後、第1前チェック工程100Aを一旦終了
して、第2前チェック工程100Bに進む。
【0068】ここで言う第1種および第2種の警報と
は、後述するステップで回転塗布機器側のコントローラ
31B,32Bからメインコントローラ60へ出力され
る警戒信号で、両者は緊急度において異なる意味をもつ
警報である。第1種の警報とは、処理液量不足が検知さ
れ処理液補充等の措置が必要ではあるが、実際に処理液
を供給できなくなるまでにはまだ少しの余裕があること
を示している。第2種の警報とは、処理液量不足が現在
処理を行なっている基板に対して即座に悪影響を与える
危険があることを示している。なお、第1種または第2
種の警報を受けたメインコントローラ60は、ディスプ
レイ5bにそれら警報を表示する。
【0069】一方、ステップ105で、残量センサ11
5aの検出信号がオン状態であると判定されると、第1
の残量警報中断押しボタン36aがオン状態であるか否
かを判定する(ステップ115)。ここで、オン状態で
ない、即ち、オフ状態であると判定されると、処理液L
1 に関する第1種の警報を発令するとともに、第2種の
警報を解除する処理を行なう(ステップ120)。即
ち、残量センサ115aで処理液L1 の不足が検出さ
れ、しかも、第1の残量警報中断押しボタン36aが押
圧されていない場合(処理液L1 の残量不足に対して警
報の発令の中断の指示がなされていない場合)には、第
1種の警報を発令するとともに、第2種の警報を解除す
る処理を行なう。ステップ120の実行後、第1前チェ
ック工程100Aを終了して、第2前チェック工程10
0Bに進む。
【0070】一方、ステップ115で、第1の残量警報
中断押しボタン36aがオン状態であると判定された場
合には、処理液L1 に関する第1種の警報を解除する処
理を行ない(ステップ125)、その後、メインコント
ローラ60から処理開始指令が入力されたか否かを判定
する(ステップ130)。ステップ130で、処理開始
指令が入力されていないと判定されると、その後、第1
前チェック工程100Aを一旦終了して、第2前チェッ
ク工程100Bに進む。一方、ステップ130で、処理
開始指令が入力されたと判定されると、以下の処理を実
行する。
【0071】まず、基板回転処理に先駆けて実行される
べき処理前作業にて処理液L1 を用いた処理液の吐出が
あるか否かを判定する(ステップ135)。ここで、処
理液L1 の吐出があると判定された場合には、処理液L
1 に関して第2種の警報が発令中か否かを判定する(ス
テップ140)。ステップ140で処理液L1 に関して
第2種の警報が発令中でないと判定されると、ここで処
理液L1 に関する第2種の警報を一旦発令し(ステップ
145)、その後、第1前チェック工程100Aを終了
する。
【0072】なお、ステップ145で第2種の警報を発
令した後、後述するステップ200,300を経て再び
ステップ100に戻ってきて、ステップ140で、第2
種の警報が発令中であると判定されると、次いで、処理
液L1 に関して第2種の警報の解除指令がメインコント
ローラ60から入力されたか否かを判定する(ステップ
150)。ここで言う第2種の警報の解除指令とは、処
理前作業にて使用される処理液L1 の不足が以降の基板
回転処理に影響がないとオペレータにより判断された場
合に、オペレータによりキーボード5aから特別に指示
入力されてメインコントローラ60から入力される指令
で、この第2種の警報の解除指令の入力があると判定さ
れた場合、後述するステップ160に進む。一方、ステ
ップ150で、第2種の警報の解除指令の入力がないと
判定された場合、第1前チェック工程100Aを一旦終
了して、第2前チェック工程100Bに進む。
【0073】ステップ135で、処理前作業にて処理液
L1 を用いた処理液の吐出がないと判定されると、次い
で、回転塗布機器側のコントローラ31B,32Bにロ
ードされ現在実行されている基板処理手順の内の基板処
理レシピ内に、第1の処理液貯留容器101に貯留され
た処理液L1 を使用する規定があるか否かを判定する
(ステップ160)。ここで、基板処理レシピ内に処理
液L1 の規定があると判定された場合には、処理はステ
ップ145に進み、処理液L1 に関する第2種の警報を
発令し、一方、基板処理レシピ内に処理液L1 の規定が
ないと判定された場合には、処理液L1 に関する第2種
の警報を解除する処理を行なう(ステップ165)。そ
の後、第1前チェック工程100Aを終了して、第2前
チェック工程100Bに進む。
【0074】第2前チェック工程100Bでは、第1前
チェック工程と比較して、対象とする処理液が第1の処
理液貯留容器101に貯留されている処理液L1 から第
2の処理液貯留容器102に貯留されている処理液L2
に変わっただけで、同様な処理を実行する。続いて、対
象とする処理液が処理液貯留容器103に貯留されてい
る処理液L3 に変わった第3前チェック工程100Cを
実行し、その後、処理は「リターン」に抜けて本ルーチ
ンを一旦終了する。
【0075】即ち、以上のように構成された前チェック
処理によれば、第1の残量センサ115aにより第1の
処理液貯留容器101に貯留される処理液L1 の残量不
足が検知され、且つ、第1の残量警報中断押しボタン3
6aがオン状態であると判定された場合(処理液L1 の
残量不足に対して警報の発令の中断の指示がなされた場
合)に、基板回転処理に先駆けて実行される処理前作業
において、処理液L1の吐出があると、処理液L1 に関
して第2種の警報が発令される。この結果、図9で示し
たメイン処理ルーチンにおいては、ステップ300の判
定により、前チェック処理が再度実行され、処理前作業
である処理液吐出の処理の実行が停止される。なお、こ
の第2種の警報を受けた後、オペレータにより、第1の
処理液貯留容器101への処理液L1 の補充がなされた
り、あるいは主操作パネル5の操作がなされ、第2種の
警報解除指令がメインコントローラ60から出力される
と、第2種の警報は解除され、その結果、ステップ70
0,400へ進み、処理前作業及び基板回転処理の実行
が開始される。
【0076】また、前チェック処理によれば、第1の残
量センサ115aにより第1の処理液貯留容器101に
貯留される処理液L1 の残量不足が検知され、且つ、第
1の残量警報中断押しボタン36aがオン状態であると
判定された場合に、基板処理レシピ内に処理液L1 の規
定があると、処理液L1 に関する第2種の警報が発令さ
れる。この結果、図9で示したメイン処理ルーチンにお
いては、ステップ300の判定により、前チェック処理
が再度実行され、基板回転処理の実行は停止される。な
お、この第2種の警報を受けた後オペレータにより、第
1の処理液貯留容器101への処理液の補充がなされた
り、あるいは実行させる基板処理レシピの変更により基
板処理レシピ内から処理液L1 の規定が削除されると、
第2種の警報は解除され、ステップ700,400へ進
み、処理前作業及び基板回転処理の実行が開始される。
【0077】以上のように、前チェック処理における第
2種の警報は、処理液L1 の残量が不足している状態の
中にあって、且つ、処理前作業あるいは基板処理レシピ
の中において処理液L1 の規定があるにもかかわらず、
処理液L1 の残量不足に対して警報の発令の中断を指示
したということ、即ちオペレータの誤操作を意味し、主
としてメインコントローラ60からの処理開始指令入力
時において発令される。かかる第2種の警報は、このま
ま放置すると重大な不都合をまねく虞があることを意味
するので、メインコントローラ60はその時点で装置全
体を即時に停止させてディスプレイ5bにその旨表示
し、回転塗布機器コントローラは、予定された以後の処
理前作業や基板回転処理の作業は行わず、前チェック処
理を繰り返し実行することとする。
【0078】ただし、かかる第2種の警報が、処理前作
業、例えば前述のプリディスペンスに使用する処理液に
かかるものであって、基板処理レシピにはかからないも
のであるとき、即ち、図10のフローチャートにおい
て、ステップ135から140を通って145に進んで
発令されたものであって、ステップ160から145に
進んだものではないときには、装置メンテナンス直後の
運転のように、プリディスペンスの動作において当該処
理液の不足のために処理液の吐出が行われなくても、そ
の後の基板処理が不都合なく可能な場合もある。この場
合には、オペレータの判断により、前述のようにメイン
コントローラ60から第2種の警報の解除指令をその対
応する回転塗布機器コントローラに与えれば、ステップ
160を経てステップ165で第2種の警報を解除し、
処理液不足のままステップ700の処理前作業を強行す
ることができる。この場合、対応する処理液圧送ポンプ
が動作しても処理液は送られないが、それによる不都合
はない。また、この場合でもステップ160で基板処理
レシピ内に当該処理液が規定されていると判断される
と、第2種の警報は発令された状態のままである。
【0079】さらに、この前チェック処理によれば、第
1の液量センサ115aにより第1の処理液貯留容器1
01に貯留される処理液L1 の残量不足が検知され、且
つ、第1の残量警報中断押しボタン36aがオン状態で
ないと判定された場合(処理液L1 の残量不足に対して
警報の発令の中断の指示がなされていない場合)に、第
1種の警報が発令される。かかる第1種の警報は、主と
して装置運転中において、処理液が通常に消費されて不
足してきたときに発令される。ここで、第1の処理液貯
留容器101内の処理液L1 の残量が、すでに基板授受
ユニット2からプロセス処理ユニット3の熱処理機器3
3,34,35などへ送られてしまっている全ての基板
を処理可能な量だけの余裕を残している時点で、第1残
量センサ115aが第1の処理液貯留容器101内の処
理液L1 の残量不足を検知するように設定しておくこと
が望ましい。そうすることにより、かかる第1種の警報
の発令に対しては、基板授受ユニット2からの送出を停
止するが熱処理機器33,34,35、回転塗布機器3
1,32の動作は継続させるという対処でもロット不良
の発生を防ぐことができ、即時装置を停止して処理を全
面的に中断してしまう必要はなく、装置運用上の自由度
が高く、作業性に優れている。
【0080】従って、メインコントローラ60は、かか
る第1種の警報を受けると、その旨を表示して基板授受
ユニット2からの送出を停止するが、回転塗布機器コン
トローラの制御を停止させることはしない。回転塗布機
器コントローラの制御はステップ700,400に進
み、熱処理機器33,34,35、回転塗布機器31,
32の動作はそのまま継続する。そして、メインコント
ローラ60は、すでに熱処理機器33,34,35、回
転塗布機器31,32に送られている基板すべての処理
が終了した時点で装置の動作を停止させる。
【0081】なお、ステップ700は、処理前作業がプ
リディスペンスであって、同じ基板処理手順によって複
数枚の基板を連続して処理する場合には、最初の1枚目
の基板処理時において実行されるステップ700でのみ
処理前作業を行い、以後に連続する処理では、基板処理
手順にプリディスペンスの規定があっても無視して実行
しないようになっている。
【0082】これらの関係を図示すると、第1の残量セ
ンサ115aにより第1の処理液貯留容器101に貯留
される処理液L1 の残量不足が検知される事象を集合S
1とし、第1の残量警報中断押しボタン36aがオン状
態である事象を集合S2とし、基板回転処理の基板処理
レシピ内に処理液L1 の規定がある事象を集合S3とす
ると、図12に示すように、S1とS2とS3との積
(S1 ∩ S2 ∩ S3)の部分SAに相当すると、処
理液L1 に関する第2種の警報が発令され、S1とS2
とS3の補集合との積(S1 ∩ S2 ∩ <S3>:こ
こで、<S3>はS3の補集合を表す)の部分SBに相
当すると、処理液L1 に関する第2種の警報が解除され
る。また、第1の残量センサ115aにより処理液L1
の残量不足が検知され、且つ、第1の残量警報中断押し
ボタン36aがオン状態でない状態というのは、図12
中のSCの部分に相当し、第1種の警報が発令される。
【0083】次に、ステップ500で実行される後チェ
ック処理について詳述する。この後チェック処理は、第
1の処理液貯留容器101に貯留されている処理液L1
の不足をチェックする第1後チェック工程500Aと、
第2の処理液貯留容器102に貯留されている処理液L
2 の不足をチェックする第2後チェック工程500B
と、第3の処理液貯留容器103に貯留されている処理
液L3 の不足をチェックする第3後チェック工程500
Cとから構成されている。以下、第1後チェック工程5
00Aについて詳しく説明するが、第2後チェック工程
500Bおよび第3後チェック工程500Cについて
は、対象とする処理液が異なるだけでその他は同様であ
るので説明は省略する。
【0084】図11に示すように、後チェック処理が開
始されると、まず、第1の処理液貯留容器101に設け
られた第1の残量センサ115aからの検出信号がオン
状態であるか否かを判定する(ステップ505)。ここ
で、オン状態でない、即ち、オフ状態であると判定され
ると、後述する処理液L1 に関する第1種および第2種
の警報を解除する処理を行ない(ステップ510)、そ
の後、第1後チェック工程500Aを一旦終了して、第
2後チェック工程500Bに進む。ここで言う第1種お
よび第2種の警報とは、回転塗布機器側のコントローラ
31B,32Bからメインコントローラ60へ出力され
る警戒信号で、前述した前チェック処理における第1種
および第2種の警報と同じものである。
【0085】一方、ステップ505で、残量センサ11
5aの検出信号がオン状態であると判定されると、第1
の残量警報中断押しボタン36aがオン状態であるか否
かを判定する(ステップ515)。ここで、オン状態で
ない、即ち、オフ状態であると判定されると、処理液L
1 に関する第1種の警報を発令するとともに、第2種の
警報を解除する処理を行なう(ステップ520)。即
ち、残量センサ115aで処理液L1 の不足が検出さ
れ、しかも、第1の残量警報中断押しボタン36aが押
圧されていない場合(処理液L1 の残量不足に対して警
報の発令の中断の指示がなされていない場合)には、第
1種の警報を発令するとともに、第2種の警報を解除す
る処理を行なう。ステップ520の実行後、第1後チェ
ック工程500Aを終了して、第2後チェック工程50
0Bに進む。
【0086】一方、ステップ515で、第1の残量警報
中断押しボタン36aがオン状態であると判定された場
合には、処理液L1 に関する第1種の警報を解除する処
理を行ない(ステップ525)、その後、以下の処理を
実行する。
【0087】まず、基板回転処理の後に実行される処理
後作業にて処理液L1 を用いた処理液の吐出があるか否
かを判定する(ステップ530)。ここで、処理液L1
の吐出があると判定された場合には、処理液L1 に関し
て第2種の警報が発令中か否かを判定する(ステップ5
35)。ステップ535で処理液L1 に関して第2種の
警報が発令中でないと判定されると、ここで処理液L1
に関する第2種の警報を一旦発令し(ステップ54
0)、その後、第1後チェック工程500Aを終了す
る。
【0088】なお、ステップ540で第2種の警報を発
令した後、後述するステップ600を経て再びステップ
500に戻ってきて、ステップ535で、第2種の警報
が発令中であると判定されると、次いで、処理液L1 に
関して第2種の警報の解除指令がメインコントローラ6
0から入力されたか否かを判定する(ステップ54
5)。ここで言う第2種の警報の解除指令とは、処理後
作業にて使用される処理液L1 の不足が以降の処理に影
響がないとオペレータにより判断された場合に、オペレ
ータによりキーボード5aから特別に指示入力されてメ
インコントローラ60から入力される指令で、この第2
種の警報の解除指令の入力があると判定された場合、処
理液L1 に関する第2種の警報を解除し(ステップ55
0)、その後、第1後チェック工程500Aを一旦終了
する。
【0089】一方、ステップ545で、第2種の警報の
解除指令の入力がないと判定された場合、第1後チェッ
ク工程500Aを一旦終了して、第2後チェック工程5
00Bに進む。なお、ステップ530で、処理後作業に
て処理液L1 を用いた処理液の吐出がないと判定された
場合にも、即座に、第1後チェック工程500Aを一旦
終了して、第2後チェック工程500Bに進む。
【0090】第2後チェック工程500Bでは、第1後
チェック工程500Aと比較して、対象とする処理液が
第1の処理液貯留容器101に貯留されている処理液L
1 から第2の処理液貯留容器102に貯留されている処
理液L2 に変わっただけで、同様な処理を実行する。続
いて、対象とする処理液が処理液貯留容器103に貯留
されている処理液L3 に変わった第3後チェック工程5
00Cを実行し、その後、処理は「リターン」に抜けて
本ルーチンを一旦終了する。
【0091】即ち、以上のように構成された後チェック
処理によれば、第1の残量センサ115aにより第1の
処理液貯留容器101に貯留される処理液L1 の残量不
足が検知され、且つ、第1の残量警報中断押しボタン3
6aがオン状態であると判定された場合(処理液L1 の
残量不足に対して警報の発令の中断の指示がなされた場
合)に、基板回転処理の後に実行される処理後作業にお
いて、処理液L1 の吐出があると、処理液L1 に関して
第2種の警報が発令される。この結果、図9で示したメ
イン処理ルーチンにおいては、ステップ600の判定に
より後チェック処理が再度実行され、処理後作業である
処理液吐出の処理の実行が停止される。なお、この第2
種の警報を受けた後、オペレータにより、第1の処理液
貯留容器101への処理液L1 の補充がなされたり、あ
るいは主操作パネル5の操作がなされ、第2種の警報解
除指令がメインコントローラ60から出力されると、第
2種の警報は解除され、その結果、処理後作業の実行が
再開される。
【0092】以上のように、後チェック処理における第
2種の警報も、前チェック処理における第2種の警報と
同様に、オペレータの誤操作を意味するので、メインコ
ントローラ60はその旨をディスプレイ5bに表示し、
その時点で装置を即時に停止させる。また、第1種の警
報も、同様に主として装置運転中において、処理液が通
常に消費されて不足してきたときに発令される。ここ
で、第1の処理液貯留容器101内の処理液L1 の残量
が、処理後作業が可能な量だけの余裕を残している時点
で、第1残量センサ115aが第1の処理液貯留容器1
01内の処理液L1 の残量不足を検知するように設定し
ておくことが望ましい。そうすることにより、かかる第
1種の警報の発令に対しても、即時装置を停止して処理
を全面的に中断してしまう必要はない。メインコントロ
ーラ60は、かかる第1種の警報を受けると、その旨を
表示し、処理後作業が終了した時点で装置の動作を停止
させる。そして、後チェック処理が終了すると、ステッ
プ800に進み、処理後作業が実行される。
【0093】以上のように構成された本実施例の基板処
理装置1では、第1ないし第3の残量警報中断押しボタ
ン36aにより、第1ないし第3の処理液貯留容器10
1,102,103の中から特定の処理液貯留容器を指
示することにより、その指示された処理液貯留容器に対
応する残量センサ115a,115b,115cの検出
結果に基づく警報の発令を回避することができる。さら
には、第1ないし第3の残量警報中断押しボタン36a
による指示を、誤った処理液貯留容器に対して行なった
場合にも、その誤った処理液貯留容器に収容される処理
液の種類が、処理しようとする基板処理手順内に規定さ
れていると、その警報の発令の回避を行なわず、警報の
発令を行なう。この結果、異常を知らずに不良ロットが
発生するようなこともなく、装置の信頼性に優れてい
る。
【0094】また、本実施例の基板処理装置1は、基板
回転処理の際に限らず、処理液吐出ノズル52のプリデ
ィスペンスやアフターディスペンス,回転塗布機器3
1,32のチャンバー45等に対して行なわれる洗浄等
の処理前作業や処理後作業においても、同様な警報の発
令及び回避を行うことができ、より装置の信頼性が高
い。
【0095】さらに、本実施例の基板処理装置1は、第
1の残量センサ115aにより処理液L1 の残量不足が
検知され、且つ、第1の残量警報中断押しボタン36a
がオン状態でない場合には、装置運転中に処理液が通常
に不足してきた状態であるとして、装置を即時停止させ
ることなしに、第1種の警報だけを発令している。この
ため、処理液補充等に際して、現在処理しているロット
が一区切りつくまで処理を継続することができ、作業性
に優れている。
【0096】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこうした実施例に何等、限定されるもので
はなく、例えば、重量から処理液量を検知する残量セン
サ115a,115b,115cに替えて、静電容量か
ら処理液量を検知するものを用いた構成、あるいは、複
数の処理液収容部からの配管を途中で結合することによ
り、単一の処理液吐出ノズルから複数種の処理液を選択
的に吐出可能とした構成等、本発明の要旨を逸脱しない
範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論であ
る。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように本発明の基板処理装
置では、指示入力手段により複数の処理液収容部の中か
ら特定の処理液収容部を指示することにより、その指示
された処理液収容部に対応する処理液量検出手段からの
検出結果に基づく異常判定を解消することができ、さら
には、その指示入力手段による指示を、誤った処理液収
容部に対して行なった場合にも、その誤った処理液収容
部に収容される処理液の種類が、記憶手段に記憶される
基板処理手順内に規定されていると、その異常判定の解
消がなされず、異常であると判定されることから、異常
を知らずに不良ロットが発生するようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の回転式基板処理装置の概略斜視図。
【図2】回転塗布機器における処理液吐出ノズル先端部
周辺の概略構成図。
【図3】回転塗布機器における処理液吐出ノズルの移動
の様子を説明するための説明図。
【図4】回転塗布機器における処理液吐出ノズルから処
理液を吐出するための管路構成を示す概略経路図。
【図5】回転式基板処理装置におけるメインコントロー
ラを中心とした制御系のブロック図。
【図6】本実施例の回転塗布機器における回転塗布機器
コントローラを中心とした制御系のブロック図。
【図7】プロセス処理ユニットにて基板を回転処理する
際の基板処理手順を説明するための説明図。
【図8】図7における処理ステップ3の詳細を説明する
ための説明図。
【図9】回転塗布機器コントローラにおいて実行される
メイン処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】そのメイン処理ルーチンにおける前チェック
処理を示すフローチャートである。
【図11】そのメイン処理ルーチンにおける後チェック
処理を示すフローチャートである。
【図12】残量センサの状態,残量警報中断押しボタン
の状態,基板処理レシピ内の処理液の規定の状態をそれ
ぞれ示す各事象S1,S2,S3を用いて、本実施例の
基板処理装置の動作を示すグラフである。
【符号の説明】
1 回転式基板処理装置 2 基板授受ユニット 3 プロセス処理ユニット 5 主操作パネル 31 回転塗布機器 31A 副操作パネル 31B 回転塗布機器コントローラ 32 回転塗布機器 32A 副操作パネル 32B 回転塗布機器コントローラ 36a,36b,36c 残量警報中断押しボタン 40 ノズル駆動機器 41 ノズル機構 52 処理液吐出ノズル 60 メインコントローラ 61 CPU 62 ROM 63 RAM 70 基板授受ユニットコントローラ 52a,52b,52c 処理液吐出ノズル 54a,54b,54c 開閉バルブ 101 第1の処理液貯留容器 102 第2の処理液貯留容器 103 第3の処理液貯留容器 110a,110b,110c 処理液供給管 112a,112b,112c 処理液圧送ポンプ 115a 第1の残量センサ 115b 第2の残量センサ 115c 第3の残量センサ L1,L2,L3 処理液

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に処理液を供給する基板処理部と、 該基板処理部に対して供給する複数の処理液を個別に収
    容する複数の処理液収容部と、 前記処理液収容部に収容された処理液を各処理液収容部
    から基板処理部に対して供給する複数の処理液供給手段
    と、 少なくとも基板処理部に供給の必要な処理液の種類や供
    給量を含む各種処理条件を規定する基板処理手順を記憶
    する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された基板処理手順に基づき少なく
    とも前記複数の処理液供給手段から一処理液供給手段を
    選択的に制御して基板処理の実行を制御する制御手段と
    を備える基板処理装置であって、 各処理液収容部内の処理液の量を検出する処理液量検出
    手段と、 前記処理液量検出手段の検出結果から任意の処理液収容
    部内の処理液が不足していることが検知されたとき、異
    常である旨の判定を行なう異常判定手段とを設け、さら
    に、 前記複数の処理液収容部の中から、異常である旨の判定
    より除外することを所望する1以上の処理液収容部を、
    処理液収容部として直接的に、あるいは処理液収容部に
    収容される処理液として間接的に指示入力する指示入力
    手段と、 前記記憶手段に記憶された基板処理手順内に、前記指示
    入力手段で指示された処理液収容部内に収容される処理
    液の種類が規定されているか否かを判別する判別手段
    と、 前記処理液量検出手段の検出結果から任意の処理液収容
    部内の処理液が不足していることが検知されたとき、当
    該処理液に対して前記指示入力手段による指示入力がな
    され、且つ、前記判別手段により前記処理液の種類が規
    定されていないと判別された場合、前記異常判定手段に
    よる異常である旨の判定を解消する異常判定解消手段と
    を備えた基板処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の基板処理装置であって、 処理液量検出手段の検出結果から任意の処理液収容部内
    の処理液が不足していることが検知され、且つ、当該処
    理液に対して指示入力手段による指示入力がなされ、し
    かも、判別手段により前記処理液の種類が規定されてい
    ると判別された場合、制御手段による基板処理の実行を
    停止させる停止手段を、さらに備えた基板処理装置。
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