JP2838145B2 - 細胞増殖抑制活性を有するアントラサイクリン誘導体 - Google Patents

細胞増殖抑制活性を有するアントラサイクリン誘導体

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JP2838145B2 JP1139372A JP13937289A JP2838145B2 JP 2838145 B2 JP2838145 B2 JP 2838145B2 JP 1139372 A JP1139372 A JP 1139372A JP 13937289 A JP13937289 A JP 13937289A JP 2838145 B2 JP2838145 B2 JP 2838145B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は細胞増殖抑制活性(Cytostatic activity)
を有する一般式I (ただし式中、R1は水素またはヒドロキシル基であり、 R2は水素、ヒドロキシルまたはメトキシ基であり、 R3は水素またはヒドロキシル基であり、 R4は水素またはヒドロキシル基であり、 R5は水素、ヒドロキシルまたはメトキシカルボニル基
であり、 R6はCH2CH3、COCH3、COCH2OH、CHOHCH3またはCHOHCH2
CHであり、そして R7は2〜6個の炭素原子を有し、そして少なくとも1
個の酸素または窒素または硫黄原子またはC-C二重結合
またはC-C三重結合を含む有機置換基であるが、その二
重結合は芳香族複素環系の構成成分であってもよく、そ
してその酸素、窒素または硫黄原子は非環式鎖または複
素環系の構成成分であってもよい)の新規なアントラサ
イクリン誘導体〔ただしR7がシアノメチル基または一般
式COR*(ただし式中R*=CH3、CF3またはCCl3である)の
置換基である場合の化合物を除外するものとする〕、そ
れらの製造法および医薬としてのそれらの使用に関す
る。
式(I)においてR7は好ましくは (ただし式中、X=O、NまたはSである)であり、そ
の複素環は場合により−CH3、−NO2、−CH2OH、−Clま
たは−Brにより置換されていてもよいが、置換されてい
ないのが好ましい。
R7は好ましくは置換されているかまたは置換されてい
ない2−ピコリル(2−メチレンピリジル)、3−ピコ
リルまたは4−ピコリルであるが、特に好ましくは2−
ピコリルまたは4ピコリル基であり、 R7は好ましくはアリル、クロチルまたはプロパルギル
であり、特に好ましくはアリル基であるか、または R7は好ましくは2〜4個の炭素原子を有するヒドロキ
シアルキルであり、特に好ましくはヒドロキシエチルで
あるか、または R7は好ましくはグリシジルであるか、または R7は好ましくは−CH2COOR8(ただし式中、R8は水素、
枝分かれしているかまたは枝分かれしておらず、置換さ
れているかまたは置換されていないC1〜C4−アルキルで
ある)であり、特に好ましくはR8が水素、メチルまたは
エチルである場合の−CH2COOR8 2であるか、または R7は好ましくは−CH2CONR9 2(ただし式中、R9は水素
またはC1〜C4−アルキルである)であり、特に好ましく
はR9が水素、メチルまたはエチルである場合の−CH2CON
R9 2である。
式Iの化合物はまた場合により生理学的に許容しうる
無機酸または有機酸との酸付加塩の形態であってもよ
い。
多数のアントラサイクリンは細胞増殖抑制活性を有
し、そしてある種のアントラサイクリンたとえばアドリ
アマイシン、ダウノマイシン、アクラシノマイシン、
4′−エピアドリアマイシン、4′−メトキシアドリア
マイシンまたは4′−デオキシアドリアマイシンは腫瘍
の治療のために使用されていることが知られている。
これら既知のアントラサイクリンを腫瘍治療のために
使用する際の重要な問題は、それらが望ましい細胞増殖
抑制活性のほかに、望ましくない副作用たとえば血液学
的毒性または心臓に対する毒性を示すことである。
当該技術分野におけるこのような事情により、本発明
の目的はできるならばアドリアマイシンに対して、交差
耐性を示さず、そしてアドリアマイシンと比較して新規
な作用スペクトルおよびより低い毒性を特徴とし、従っ
て腫瘍の治療において有利に使用することができるよう
な新規なアントラサイクリン誘導体を提供することであ
る。
このためにはすでに光分解の方法によりロドサミニル
アントラサイクリノンからメチル基を1個脱離し、得ら
れる3′−N−メチルダウノサミニルアントラサイクリ
ノンをそのメチルアミノ基において選択的に置換するか
または修飾して細胞増殖抑制活性を有する極めて多数の
新規なアントラサイクリンを得ることが提唱されてい
る。
たとえば式IにおけるR7がシアノメチル、COR*または
CH2R10〔ただし式中、R*はH、CH3、CF3またはCCl3であ
り、そしてR10はC1−ないしC8アルキル、置換されたア
ルキル、フエニルまたは置換されたフエニル(そのフエ
ニル環はオルト、メタまたはパラ位においてメチル、エ
チル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、ニトロ、シ
アノ、弗素、塩素または臭素により置換されていてもよ
い)である〕であるように3′−N−メチルダウノサミ
ニルアントラサイクリノンを誘導体化することがすでに
提唱されている。
今般、現状のアントラサイクリンに対して試験管内で
交差耐性を示さず、水中の溶解度および/または反応性
および/または毒性に関して利点を示すような式Iのア
ントラサイクリン誘導体が見い出された。これらの化合
物は式Iにより定義される。
たとえばすでに提唱されたベンジル誘導体(R7=ベン
ジルまたは置換されたベンジル)の水中の溶解度(それ
は投与の可能性に関して重要である)はベンジル基のフ
エニル核が窒素原子を含む、すなわちピリジル基により
置換されるならば改善することができる。
驚くべきことには式Iの化合物の水中の溶解度および
細胞増殖抑制活性は、R7がフルフリルまたはテニルであ
る場合にその3′−N−ベンジル化合物と比較して有利
に影響される。
全く驚くべきことにはR7がグリシジルである場合に式
Iの化合物の細胞毒性は激烈に増加し、その結果この置
換基は特に大きな利点を示すことが見い出された。
R7がエチルまたはプロピルの代わりにヒドロキシエチ
ルである場合には、その誘導体の水中での溶解度が改善
される。
R7がアリルである場合アントラサイクリン誘導体は特
に良好な細胞増殖抑制活性を有することが認められた。
細胞増殖抑制活性を有する本発明の新規なアントラサ
イクリン誘導体の製造法は、式I(ただし式中、R1=H
またはOH、R2=H、OHまたはOCH3,R3=HまたはOH、R4
=HまたはOH、R5=H、OHまたはCOOCH3、R6=CH2CH3
COCH3、COCH2HO、CHOHCH3またはCHOHCH2OH、およびR7
Hである)の化合物を本来既知の方法〔トング氏ら著
「ゼイメドケム」(Tong氏ら著「J.Mod.Chem.」)第22
巻第912頁(1979年)〕で水素化シアノ硼素ナトリウム
の存在下で2〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1個
の酸素、窒素はまた硫黄原子またはC-C二重結合またはC
-C三重結合(その場合二重結合はまた芳香族複素環系の
構成成分であってもよく、そして酸素、窒素または硫黄
原子は非環式鎖または複素環系の構成成分であってもよ
い)を含有するアルデヒドと反応させるか、または本来
既知の方法で少なくとも1個の酸素、窒素または硫黄原
子またはC-C二重結合またはC-C三重結合(その二重結合
はまた芳香族複素環系の構成成分であってもよく、そし
てその酸素、窒素または硫黄原子は非環式鎖または複素
環系の構成成分であってもよい)を含む有機ハロゲン化
合物(ただしハロゲノアセトニトリルは除外するものと
する)と反応させて式I〔ただし式中、R1〜R6は上記の
意味を有し、そしてR7は少なくとも1個の酸素、窒素ま
たは硫黄原子またはC-C二重結合またはC-C三重結合(そ
の二重結合または芳香族複素環系の構成成分であっても
よく、そして酸素、窒素または硫黄原子は非環式鎖また
は複素環系の構成成分であってもよい)を含む置換基で
ある〕の化合物を得ることからなる。
上記の出発化合物は本来既知の方法〔ヘルメチン氏ら
「第4回ヨーロツパ炭水化物シンポジウム」(Hermenti
n氏ら著「4th European Carbohydrate Symposium」)、
ダルムシユタツト、FRG、1987年7月12〜17日の講演要
旨A-144頁、ヘルメンチン(Hermentin)氏ら著、ヨーロ
ツパ特許第0,270,992 A2号明細書〕でロドサミニルアン
トラサイクリノンから光分解によりメチル基を1個脱離
することにより製造される。本発明による式Iの化合物
を得るための反応は、たとえばR7が水素である場合の式
Iの適当な出発化合物のR7の定義により予定されるアル
デヒドまたはハライドと反応させることにより行われ
る。この反応条件はアルデヒドとの反応に対して知られ
ている〔トミグ氏ら著〔「ゼイメドケム」(Tong氏ら著
「J.Mod.Chem.」)第22巻第912頁(1979年)〕。ハライ
ドとの反応は好ましくは無水の条件下好ましくはジメチ
ルホルムアミドまたはアセトニトリル中20℃〜80℃の温
度で塩基好ましくはトリエチルアミンまたは炭酸カリウ
ムの存在下で行われる。
本発明の方法により得られた新規なアントラサイクリ
ン誘導体は細胞増殖抑制活性を特徴とし、従ってそれら
は通常の製剤化剤および/または希釈剤とともに製剤化
して癌治療において使用するための薬剤を得ることがで
きる。この点において投与法および使用法は既知物質で
あるアドリアマイシン、ダウノマイシン、アクラシノマ
イシン、4′−エピアドリアマイシン、4′−メトキシ
アドリアマイシン、または4′−デオキシアドリアマイ
シンのそれと本質的に同じである。
この方法で製造された薬剤はさらにまた本発明による
化合物とともに、望ましくない副作用を示さない限り他
の活性物質を含有することもできる。
本発明による化合物の細胞増殖抑制活性はL 1210マウ
ス白血病細胞を使用して試験された。この目的のために
使用されたのは寒天プレート中L 1210白血病細胞のコロ
ニー生成である。この方法は細胞の成長行動に関する試
験物質の作用を1時間または数世代にわたって調べるた
めに使用される。この点に関して10〜12時間の細胞周期
で約14連続世代にわたって、試験が続けられている7日
間の間観察された。この試験において本発明の細胞増殖
抑制活性を有する物質は、未処理の対照試料と比較して
コロニー数の減少を引き起こすことが観察された。
使用された試験方法の詳細は本明細書中以下のコロニ
ー形成測定法に関する記載から明らかである。
本発明による製造法を説明するために以下に実施例1
〜18を記載し、そこにおいて本発明による好ましい化合
物が請求範囲に記載された方法による製造される。
式Iの化合物の特性化 反応の進行および生成する化合物は薄層クロマトグラ
フイーによるかまたは高速液体クロマトグラフイー(HP
LC)の技術を使用して調べられた。特に記載しない限り
薄層クロマトグラフイーは既製のシリカゲルプレート
(メルク社製)を用いて行われた。カラムクロマトグラ
フイーは粒子サイズ0.040〜0.063mmのシリカゲル60(メ
ルク社製)を用いて行われた。収率は最高化されていな
い。
つぎの溶媒混合物は薄層およびカラムクロマトグラフ
イーのために使用された(すべてのデータは容量パーセ
ントで表示されている)。
溶媒混合物組成 A B C クロロホルム(%) 70 89 77 メタノール(%) 18 7.4 14 酢酸(%) 8.5 3 7 水(%) 3.5 0.6 2 製造された化合物のそれぞれのRF値は表4にまとめら
れている。
製造された化合物の構造は1H NMRおよびMSスペクトル
により1H NMRのデータは表5にまとめられている。
実施例 出発化合物の製造 出発化合物すなわち 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロダマイシノンA 〔式I(ただし式中、R1=H、R2=OH、R3=R4=R5=O
H、R6=CH2CH3およびR7=H)の化合物〕 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−イソロダマイシノンB 〔式I(ただし式中、R1=R2=R3=R4=R5=OH、R6=CH
2CH3およびR7=H)の化合物〕 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−ε−イソロダマイシノンC 〔式I(ただし式中、R1=R2=R3=R4=OH、R5=COOC
H3、R6=CH2CH3およびR7=H)の化合物〕 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−ダウノマイシノンD 〔式I(ただし式中、R1=H、R2=OCH3、R3=R4=OH、
R5=H、R6=COCH3およびR7=H)の化合物〕 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−アドリアマイシノンE 〔式I(ただし式中、R1=H、R2=OCH3、R3=R4=OH、
R5=H、R6=COCH2OHおよびR7=H)の化合物〕 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−ダウノマイシノン−13−オールF 〔式I(ただし式中、R1=H、R2=OCH3、R3=R4=OH、
R5=H、R6=CHOHCH3およびR7=H)の化合物〕 および 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−4−O−メチル−β−ロドマイシノンG 〔式I(ただし式中、R1=H、R2=OCH3、R3=R4=OH、
R5=OH、R6=CH2CH3およびR7=H)の化合物〕 は本来既知の方法〔ヘルメンチン氏ら著第4回ヨーロツ
パ炭水化物シンポジウム(Hermentin氏ら著「4th Europ
ean Carbohydrate Symposium」)、ダルムシユタツト、
FRG.1987年7月12〜17日、講演要旨集第A-144頁、ヘル
メンチン氏ら(Hermentin氏ら)著ヨーロツパ特許第0,2
70,992 A2号明細書〕で対応する7−O−α−L−ロド
サミニルアントラサイクリノンを光分解的に脱メチル化
することにより製造された。
Aはβ−ロドマイシンI(7−O−α−L−ロドサミ
ニル−β−ロドマイシノン)から製造された。
Bはβ−イソロドマイシンI(7−O−α−L−ロド
サミニル−β−イソロドマイシノン)から製造された。
Cは7−O−α−L−ロドサミニル−ε−イソロドマ
イシノンから製造された。
DはN,N−ジメチルダウノマイシン(7−O−α−L
−ロドサミニルダウノマイシノン)から製造された。
EはN,N−ジメチルアドリアマイシン(7−O−α−
L−ロドサミニルアドリアマイシノン)から製造され
た。
FはN,N−ジメチルダウノマイシン−13−オール(7
−O−α−L−ロドサミニルダウノマイシノン−13−オ
ール)から製造された。
Gは4−O−メチル−β−ロドマイシンI(4−O−
メチル−7−O−α−L−ロドサミニル−β−ロドマイ
シノン)から製造された。
実施例1 7−O−(3′−N−アリル−3′−N−メチル−α−
L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン(化合物
1) 乾燥ジメチルホルムアミド30ml中7−O−(3′−N
−メチル−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシ
ノン(300ml=0.567ミリモル)およびトリエチルアミン
(240μl=174mg=1.72ミリモル=3.0当量)の溶液に
アリルブロミド75μl(105mg=0.867ミリモル=1.53当
量)を加え、そしてその混合物を室温でかつ暗所で撹拌
する。16時間後にさらにトリエチルアミン(80μl=58
mg=0.574ミリモル=1.0当量)およびアリルブロミド
(25μl=35mg=0.289ミリモル=0.51当量)を加え、
そしてその混合物をさらに16時間撹拌する。つぎに回転
蒸発器を用いて高真空下でそれを蒸発乾固し、そして溶
媒混合物Cを用いてその反応混合物を2回のシリカゲル
カラムクロマトグラフイー(それぞれ30gおよび20g)に
付す)RF0.49)。相を分離するために合したフラクシヨ
ンに水を加え、10%(w/v)水酸化ナトリウム溶液を用
いてpHを7にし、つぎに飽和の水性炭酸水素ナトリウム
溶液を加えることによりpHを8に調節する。つぎに分液
漏斗で相を分離し、水相をクロロホルムで数回抽出し、
そして合した有機相を回転蒸発器で蒸発乾固する。
収量:153mg(0.27ミリモル)=47% 実施例2 7−O−(3′−N−メチル−3′−N′−N−プロパ
ルギル−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノ
ン(化合物2) トルエン(113mg=0.95ミリモル=9.5当量)中の7−
O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニル)−
β−ロドマイシノン53mg(0.10ミリモル)および80%プ
ロパルギルブロミド106μlトリエチルアミン40μl(2
9mg=0.287ミリモル=2.87当量)の存在下で実施例1と
同様にして30分間反応させ、溶媒混合物Bを用いてシリ
カゲル10gのクロマトグラフイーに付し(RF0.29)そし
て後処理する。
収量:31mg(0.055ミリモル)=55% MS-FAB(M+H+)m/e=568 実施例3 7−O−(3′−N−ヒドロキシエチル−3′−N−メ
チル−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン
(化合物3) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン30mg(0.057ミリモル)およ
びブロモエタノール50μl(88mg=0.71ミリモル=12.4
当量)を実施例1と同様にしてトリエチルアミン24μl
(17mg=0.17ミリモル=3.0当量)の存在下で4日間反
応させ、そして後処理する。カラムで分離するためにシ
リカゲル15gをクロロホルム/エタノール混合物(20/
1)で平衡状態にする。つぎに液体状生成混合物をカラ
ムに加え、それに含まれている過剰のブロモエタノール
およびジメチルホルムアミドをクロロホルム/メタノー
ル(20/1)(約150ml)を用いて洗い出す。つぎに負荷
位置に残留している反応生成物を溶媒混合物Aを用いて
クロマトグラフイーに付し(RF0.58)、そして実施例1
と同様にして後処理する。
収量:14mg(0.024ミリモル)=42% 実施例4 7−O−(3′−N−メチル−3′−N−(4−ピコリ
ル)−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン
(化合物4) 酢酸50μl(53mg=0.88ミリモル=4.7当量)および
ピリジン−4−アルデヒド800mg(713μl=7.47ミリモ
ル=39.5当量)をアセトニトリル/水(4/1)10ml中7
−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニル)
−β−ロドマイシノン100mg(0.189ミリモル)の溶液に
加え、そしてその混合物を室温で且つ暗所で2時間撹拌
する。つぎに水素化シアノ硼素ナトリウム(240mg=3.8
2ミリモル=20当量)を加え、そしてその反応物をさら
に2時間撹拌する。つぎにこの反応溶液を水性炭酸水素
ナトリウム溶液に注ぎ、そしてクロロホルムで抽出す
る。合したクロロホルム相をpH13の水(水酸化ナトリウ
ム溶液を加える)で改めて抽出するとこの間に過剰のピ
リジル化合物はクロロホルム中に残留し、そしてアント
ラサイクリン(ナトリウム塩として、青色を呈す)は水
中に残留する。水相をpH8に調節し、つぎにアントラサ
イクリンをクロロホルムで抽出し、溶媒混合物Bを用い
てシリカゲル12gのクロマトグラフイーに付し(RF0.2
3)、そして実施例1と同様にして後処理する。
収量:42mg(0.068ミリモル)=36% 実施例5 7−O−(3′−N−メチル−3′−N−(2−ピコリ
ル)−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン
(化合物5) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン20mg(0.038ミリモル)およ
びピリジン−2−アルデヒド160mg(142μl=1.49ミリ
モル=39当量)を実施例4と同様にして反応させる。溶
媒混合物Cを用いてカラムクロマトグラフイーを行う
(RF0.79)。
収量:14mg(0.023ミリモル)=60% 実施例6 7−O−(3′−N−(2−フルフリル)−3′−N−
メチル−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノ
ン(化合物6) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン20mg(0.38ミリモル)および
フルフラール1.5ml(1734mg=18.0ミリモル=47当量)
を実施例4と同様にして水素化シアノ硼素ナトリウムを
加えた後40時間撹拌を続行しながら反応させる。つぎに
その溶液を水に注ぎ、炭酸水素ナトリウムでpHを8に調
節し、その混合物をクロロホルムで抽出し、そして回転
蒸発器を用いて溶媒を除去する。得られる生成混合物を
高真空下で乾燥させて過剰のフラニル化合物を除去し、
つぎに溶媒混合物Cを用いてシリカゲル20gのクロマト
グラフイーに付し(RF0.57)、そして溶媒混合物Bを用
いて再度クロマトグラフイーに付すRF0.22)。
収量:129mg(0.21ミリモル)=55% 実施例7 7−O−(3′−N−アセトアミド−3′−N−メチル
−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン(化
合物7) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン30mg(0.057ミリモル)およ
びヨードアセトアミド30mg(0.162ミリモル=2.84当
量)を実施例1と同様にして行うがただし溶媒としてア
セトニトリル(6ml)を使用し、トリエチルアミン24μ
l(17.4mg=0.17ミリモル=3.0当量)の存在下で16時
間反応させる。溶媒混合物Cを用いてその生成混合物を
シリカゲル6gのクロマトグラフイーに付し(RF0.31)、
そして実施例1と同様にして後処理する。
収量:19mg(0.032ミリモル)=56% 実施例8 7−O−(3′−N−グリシジル−3′−N−メチル−
α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン(化合
物8m、8aおよび8b) 乾燥アセトニトリル(25ml)中7−O−(3′−N−
メチル−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノ
ン(200mg=0.378ミリモル)、エピブロモヒドリン(40
0μl=640mg=4.675ミリモル=12.4当量)および炭酸
カリウム(400mg)の混合物を暗所で且つ60℃で30分間
撹拌する。つぎにそれを回転蒸発器で濃縮し、残留物を
クロロホルム/エタノール(20/1)に溶解し、その溶液
を過し、そしてクロロホルム/エタノール(20/1)を
用いてシリカゲル20gのクロマトグラフイーに付す。こ
れから1H NMRによれば異性体の1:1混合物(化合物8m)
が102mg(0.17ミリモル=45%)の収量で単離される。
クロロホルム/エタノール(20/1)を用いて再度クロ
マトグラフイーを行うと異性体混合物8mは一部純粋な異
性体8a(RF0.35)および8b(RF0.32)に分離される。
MS-FAB(M+H+)m/e=586 実施例9 7−O−(3′−N−アリル−3′−N−メチル−α−
L−ダウノサミニル)−β−イソロドマイシノン(化合
物9) 実施例1と同様にして7−O−(3′−N−メチル−
α−L−ダウノサミニル)−β−イソロドマイシノン30
0mg(0.55ミリモル)およびアリルブロミド100μl(14
0mg=1.16ミリモル=21当量)をトリエチルアミン330μ
l(240mg=2.4ミリモル=44当量)の存在下で反応させ
る。16時間後にさらにトリエチルアミン165μl(2.2当
量)およびアリルブロミド50μl(1当量)を加え、そ
してその混合物を暗所で且つ室温でさらに6時間撹拌す
る。つぎにそれを高真空下で蒸発乾固し、そして溶媒C
を用いてその生成混合物をシリカゲル52gのクロマトグ
ラフイーに付す(RF0.52)。集取したフラクシヨンを実
施例1と同様に後処理する。
収量:154mg(0.26ミリモル)=48% 実施例10 7−O−(3′−N−(エトキシカルボニルメチル)−
3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニル)−β−ロ
ドマイシノン(化合物10) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン100mg(0.189ミリモル)およ
びエチルブロモアセテート75μl(113mg=0.677ミリモ
ル=3.58当量)を実施例1と同様にしてトリエチルアミ
ン80μl(58mg=0.574ミリモル=3.0当量)の存在下で
2時間反応させる。この生成混合物を蒸発させたのちた
だちに少量のクロロホルムに溶解し、そしてエーテル中
で調製されたシリカゲルのカラム(シリカゲル15g)に
加え、そしてエーテル約100mlで溶出して過剰のブロモ
アセテートを除去する。つぎにクロロホルム/エタノー
ル(20/1)を用いて化合物10を溶出させる(RF0.32)。
収量:70mg(0.114ミリモル)=60% 実施例11 7−O−(3′−N−カルボキシメチル−3′−N−メ
チル−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン
(化合物11) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン20mg(0.038ミリモル)およ
びブロモ酢酸15μl(29mg=0.21ミリモル=5.5当量)
を実施例1と同様にしてトリエチルアミン16μl(11.6
mg=0.115ミリモル=3.0当量)の存在下で2時間反応さ
せ、そしてそのRF値を測定する。
実施例12 7−O−(3′−N−メチル−3′−N−(3−テニ
ル)−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン
(化合物12) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン20mg(0.038ミリモル)およ
びチオフエン−3−アルデヒド156μl(200mg=0.178
ミリモル=47当量)を実施例4と同様にして反応させ、
水素化シアノ硼素ナトリウム(48mg=0.76ミリモル=20
当量)を加えたのちその混合物を室温でさらに16時間撹
拌する。最初にクロロホルムを用いて(過剰のチオフエ
ン化合物を除去するため)、そしてつぎに溶媒混合物B
を用いてカラムクロマトグラフイーを行う(RF0.22)。
収量:9.2mg(0.015ミリモル)39% 実施例13 7−O−(3′−N−メチル−3′−N−(2−テニ
ル)−α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン
(化合物13) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン20mg(0.038ミリモル)およ
びチオフエン−2−アルデヒド167μl(200mg=0.178
ミリモル=47当量)を実施例4と同様にして反応させ、
水素化シアノ硼素ナトリウム(48mg=0.76ミリモル=20
当量)を加えたのちその混合物を最初に室温で16時間、
つぎに50℃でさらに8時間撹拌する。溶媒混合物Bを用
いてシリカゲル4gのカラムクロマトグラフイーを行う
(RF0.25)。つぎに溶媒混合物Cを用いてシリカゲル3g
のカラムクロマトグラフイーを再度行う(RF0.63)。
収量:8.2mg(0.013ミリモル)=34% 実施例14 7−O−(3′−N−グリシジル−3′−N−メチル−
α−L−ダウノサミニル)−β−イソロドマイシノン
(化合物14m) 乾燥ジメチルホルムアミド(8ml)中7−O−(3′
−N−メチル−α−L−ダウノサミニル)−β−イソロ
ドマイシノン(85mg=0.156ミリモル)、エピブロモヒ
ドリン(125μl=185mg=1.35ミリモル=8.7当量)お
よび炭酸カリウム(125mg)の混合物を70℃で且つ暗所
で3時間撹拌する。つぎに回転蒸発器で濃縮し、そして
高真空下で一夜乾燥する。残留物を水に溶解し、そして
希塩酸を用いてpHを7.0に調節する。クロロホルムとと
もに振盪することにより生成物を抽出し、溶媒Bおよび
溶媒C(1/1)の混合物を用いてシリカゲル12gのクロマ
トグラフイーに付し、そして集取したフラクシヨンを実
施例1と同様にして後処理する。
収量:68mg(0.11ミリモル)=70% 実施例15 7−O−(3′−N−アリル−3′−N−メチル−α−
L−ダウノサミニル)−ダウノマイシノン(化合物15) 3′−N−メチルダウノマイシノン30mg(0.055ミリ
モル)およびアリルブロミド10μl(14mg=0.116ミリ
モル=2.1当量)をトリエチルアミン33μl(24mg=0.2
4ミリモル=4.4当量)の存在下で24時間反応させ、そし
て実施例1と同様にして後処理を行い、溶媒Cを用いて
シリカゲル5gのクロマトグラフイーを行う(RF0.53)。
集取したフラクシヨンを実施例1と同様に後処理する。
収量:17mg(0.029ミリモル)=53% 実施例16 7−O−(3′−N−アリル−3′−N−メチル−α−
L−ダウノサミニル)−アドリアマイシノン(化合物1
6) 3′−N−メチルアドリアマイシン32mg(0.057ミリ
モル)およびアリルブロミド10μl(14mg=0.116ミリ
モル=2.0当量)をトリエチルアミン33μl(24mg=0.2
4ミリモル=4.2当量)の存在下で24時間反応させ、実施
例1と同様にして後処理を行い、そして溶媒Cを用いて
シリカゲル5gのクロマトグラフイーに付す(RF0.22)。
集取したフラクシヨンを実施例1と同様にして後処理す
る。
収量:14mg(0.023ミリモル)=40% 実施例17 7−O−(3′−N−アリル−3′−N−メチル−α−
L−ダウノサミニル)−4−O−メチル−β−ロドマイ
シノン(化合物17) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−4−O−メチル−β−ロドマイシノン29mg(0.05
3ミリモル)およびアリルブロミド10μl(14mg=0.116
ミリモル=2.2当量)をトリエチルアミン33μl(24mg
=0.24ミリモル=4.5当量)の存在下で24時間反応さ
せ、実施例1と同様にして後処理し、そして溶媒Bおよ
び溶媒C(1/1)の混合物を用いてシリカゲル5gのクロ
マトグラフイーを行う。集取したフラクシヨンを実施例
1と同様にして後処理する。
収量:18mg(0.031ミリモル)=58% 実施例18 7−O−(3′−N−アセトニル−3′−N−メチル−
α−L−ダウノサミニル)−β−ロドマイシノン(化合
物18) 7−O−(3′−N−メチル−α−L−ダウノサミニ
ル)−β−ロドマイシノン53mg(0.10ミリモル)および
クロロアセトン0.5ml(580mg=6.27ミリモル)を炭酸カ
ルシウム1gの存在下ジメチルホルムアミド10ml中で且つ
暗所で16時間撹拌する。つぎにこの溶液を過し、濃縮
し、そしてクロロホルム/水とともに中性の条件下で振
盪することにより抽出する。溶媒Bを用いて有機相中の
生成物をシリカゲル10gのクロマトグラフイーに付す(R
F0.16)、集取したフラクシヨンを実施例1と同様にし
て後処理する。
収量:27mg(0.046ミリモル)=46% 試験管内でのL 1210マウス白血病細胞における式Iの化
合物の細胞毒性 軟質寒天中L 1210白血病細胞のコロニー生成測定法 プレートあたり500個の白血病細胞を種々の濃度の試
験物質とともに37℃で1時間培養した。つぎに細胞をマ
ツコイ(McCoy)5A液で2回清浄し、そして最後に0.3%
寒天を加えたのちペトリ皿に注いだ。対照は新鮮な培地
だけで培養した。ある場合には1時間培養する代わり
に、培養時間の間ずっと細胞を連続的に試験物質にさら
すために種々の試験物質を種々の濃度で寒天の上層と混
合した。寒天が固化したのちインキユベーター中37℃で
7日間(CO25%(容量)、相対湿度95%)それらのプ
レートを培養した。つぎに生成した直径60μm以上のコ
ロニーの数を計数した。結果は処理された寒天プレート
中のコロニーの数を未処理の対照に対するパーセントと
して記録した。このようにして得られた投与量−作用プ
ロツトからその物質の活性の尺度としてIC50を決定し
た。本明細書中に記載された化合物に対する結果はアド
リアマイシンと比較して表1にまとめられている。
アドリアマイシンと比較して試験管内での交差耐性の測
定増殖試験(MTT減少) 96個のくぼみを有するマイクロタイタープレートを用
いて対数増殖期のL 1210、A 549またはHT 29をRPMI 164
0中細胞密度5×103細胞/mlで種々の濃度の試験物質と
ともに37℃、5%CO2および相対湿度95%で72時間培養
する。対照試験は試験物質の代わりに単に成長培地だけ
で行う。各試験物質および対照に対して4回くり返し測
定を行う。65時間培養したのちMTT溶液50μl(2.5mg/m
l;燐酸塩で緩衝化された食塩水中のMTT=3−(4,5−ジ
メチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフエニルテト
ラゾリウムブロミド)を加える。MTTは生細胞の存在下
で減少して暗赤色不溶性のホルマザン色素を生成する。
この反応は7時間後(L 1210細胞)または24時間後(A
549、HT 29細胞)に完結し、そして上澄み液を吸引によ
り注意深く除去する。DMSO(ジメチルスルホキシド)10
0μlを加えることにより不溶性の色素を溶解し、そし
てつぎにフロウ(Folw)社製マルチスキヤン340cc光度
計を用いて各くぼみに対して得られる溶液の吸光度を49
2nmの波長で測定する。
処理された細胞および未処理の細胞い対する吸光度の
比から投与量−作用プロツトが得られ、それから細胞の
50%がまさに死滅する濃度(IC50)を読み取ることがで
きる。くり返し研究に対する変動率は15%以下である。
特定の試験化合物および標準化合物としてのドキソル
ビシンとの交差耐性は感受性を有するおよび耐性を有す
るL 1210白血病細胞を用いてMTT試験(上記の方法を参
照)により決定される。
耐性細胞系は感受性を有する細胞系を段階的に増大さ
れた濃度の参照化合物とともに培養することにより確立
された。
感受性を有する細胞系のIC50に対する耐性細胞系にお
ける試験化合物のIC50から下記の式に従って試験化合物
に対する耐性の程度(DR(T))および参照化合物に対す
る耐性の程度(DR(R))が得られる。
さらに試験化合物に対する交差耐性の程度(DCR)は
つぎの式により計算される。
感受性を有する細胞系に関して耐性細胞系における試
験化合物の作用の損失が参照化合物のそれにより大きい
場合には、交差耐性の程度が100%より大きいと言え
る。
表2にまとめられた結果は現在までに研究された物質
1、4および6はドキソルビシンに対して交差耐性を示
さないことを示している。
上記の製造された化合物の生体内データ表示毒性の測定 表示毒性を測定するために5%グルコース溶液0.5ml
に溶解した種々の投与量の試験物質を第0日に腹腔内注
射によりNMRIマウスに投与する、対照群には5%グルコ
ース溶液0.5mlだけを投与する。各濃度の試験物質に対
して5匹のマウスを使用する。14日目に生存しているマ
ウスの数を調べ、これからリツチフイールド−ウイルコ
キソン(Litchfield-Wilcoxon)法によりLD 5、LD 50お
よびLD 95を決定する。本明細書中に記載された化合物
の毒性(LD 50(mg/kg))はアドリアマイシンと比較し
て表3に要約されている。
マウスのL 1210の白血病における式Iの化合物の生体内
活性 方法 DBA 2系のマウス(雌、18〜20g)に腫瘍細胞を接種し
て7日後に滅菌条件下でそれらマウスから腹水を取り出
す。腹水をPBS(燐酸塩で緩衝化された食塩水)で3回
清浄し、計数し、そしてPBS0.2ml中の細胞数が106にな
るように調節する。
つぎにPBS0.2mlに懸濁した106個の細胞をDBFI系マウ
ス(雌、18〜20g)の腹腔内に注射する。各物質の濃度
に対して、そして対照に対して1群あたり6匹の動物を
使用する。
抗腫瘍活性の測定 a)動物に試験物質を注射したのち1日目および5日目
に体重を測定する。5日目における体重の損失が20%以
上である場合には、その物質が毒性を示すものと考えら
れる。
b)実験の終点で(すべての動物が死亡した時点または
生存している動物がいる場合は60日目)、実験の5日目
に少なくとも65%の動物がまだ生存している限り特定の
群における動物の平均生存時間を測定する。平均生存時
間は実験の間に死亡した動物に対してのみ決定する。長
期生存者(LTS)はこの計算に含めず、別に記録する。
特定の物質の濃度に対する抗腫瘍活性(T/C)は、処
理された群における平均生存時間(MSTT)および対照群
における平均生存時間(MSTC)からつぎの式に従って未
処理の対照群のパーセントとして決定された。
T/C値およびそれぞれの場合に使用された処理法は表示
毒性とともに表3にまとめられている。125%より大き
いT/C値はその試験物質が顕著な抗腫瘍活性を示すもの
と考えられる。
表5式Iを有する種々の化合物の300MHzの1H NMRデータ
最初の行の物質No.は関連した実施例No.に相当する。ス
ペクトルは特に記載しない限り内部標準物質としてテト
ラメチルシランを使用して重クロロホルム(CDCl3)中
で記録された。
略号 s=一重線 d=二重線 t=三重線 q=四重線 dd=二重線の二重線 ddd=二重線の二重線の二重線 dt=三重線の二重線 dq=四重線の二重線 bs=幅の広い一重線
フロントページの続き (72)発明者 マンフレート・ゲルケン ドイツ連邦共和国デー‐3550マルブル ク.ヴアンコプフシユトラーセ12 (72)発明者 デイーター・ホフマン ドイツ連邦共和国デー‐3551ラーンター ル.イム.シユテーテフエルト6 (72)発明者 ハンス・ペーター・クレーマー ドイツ連邦共和国デー‐3550マルブル ク.ビルケン ヴエーク16 (72)発明者 ウルリツヒ・シユターヒエ ドイツ連邦共和国デー‐6238ホフハイ ム・アム・タウヌス・ゴルトグラーベン シユトラーセ20 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07H 15/252 A61K 31/70 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I (ただし式中、R1は水素またはヒドロキシル基であり、 R2は水素、ヒドロキシルまたはメトキシ基であり、 R3は水素またはヒドロキシル基であり、 R4は水素またはヒドロキシル基であり、 R5は水素、ヒドロキシルまたはメトキシカルボニル基で
    あり、 R6はCH2CH3、COCH3、COCH2OH、CHOHCH3またはCHOHCH2OH
    であり、そして R7(ただし式中、XはO、NまたはSであり、そしてその
    複素環は場合により−CH3、−NO2、−CH2OH、−Clまた
    は−Brにより置換されていてもよい);置換されている
    かまたは置換されていない2−ピコリル、3−ピコリル
    または4−ピコリル基;アリル、クロチルまたはプロパ
    ルギル基;2〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキ
    ル基;グリシジル基;−CH2COOR8(ただし式中、R8は水
    素または枝分かれしているかまたは枝分かれしておら
    ず、置換されているかまたは置換されていないC1〜C4
    アルキルである);または−CH2CONR9 2(ただし式中、R
    9は水素またはC1〜C4−アルキルである)である〕のア
    ントラサイクリン誘導体または生理学的に許容しうる無
    機酸または有機酸との酸付加塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式Iを有するアントラ
    サイクリン誘導体を製造するにあたり、一般式II (ただし式中、R1、R2、R3、R4R5およびR6は請求項1で
    定義したものと同一意義を有する)の化合物を本来既知
    の方法で水素化シアノ硼素ナトリウムの存在下で式R7
    (ただし式中R7は請求項1で定義したものと同一意義を
    有する)なる基を上記化合物IIに導入しうるアルデヒド
    化合物と反応させるか、または本来既知の方法で無水の
    条件下塩基の存在下で式R7−(ただし式中R7は前述した
    ものと同一意義を有する)なる基を上記化合物IIに導入
    しうるハロゲン化合物と反応させることからなる、請求
    項1記載のアントラサイクリン誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のアントラサイクリン誘導体
    を含有する抗腫瘍剤。
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