JP2837175B2 - 合成樹脂射出成形品の製造方法 - Google Patents

合成樹脂射出成形品の製造方法

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JP2837175B2
JP2837175B2 JP1132122A JP13212289A JP2837175B2 JP 2837175 B2 JP2837175 B2 JP 2837175B2 JP 1132122 A JP1132122 A JP 1132122A JP 13212289 A JP13212289 A JP 13212289A JP 2837175 B2 JP2837175 B2 JP 2837175B2
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14827Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles using a transfer foil detachable from the insert

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、合成樹脂射出成形品の製造方法に係り、特
に、射出成形と同時に図柄及び凹凸模様を成形品の表面
の所定箇所に形成する合成樹脂射出成形品の製造方法に
関する。
[従来の技術] 従来、表面の所定箇所に凹凸模様が形成された成形品
の製造方法としては、たとえば転写法が用いられること
があった。この転写法とは、体質顔料や艶消し剤などを
含有するエンボス層、又は、発泡材料を用いたりインキ
を厚盛りしたりしてなるエンボス層を有する転写材を用
いるか、あるいは、ベースフィルムの裏面に凹凸模様を
有する転写材(実公昭第61−2077号)を用い、該転写材
を成形品に対して該転写材の接着層を該成形品の表面に
当接するよう押圧すると共に、該転写材及び該成形品を
加熱することにより、該成形品の表面に転写加工を行な
って、該成形品の表面の一部分あるいは全体に凹凸模様
を形成する方法である。この方法において、上記転写材
に図柄層を設けた場合には、上記成形品の表面の所定箇
所に凹凸模様と共に図柄を形成することができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記転写法にあっては、上記エンボス
層又は上記ベースフィルムの凹凸模様を印刷によって形
成するため、その凹凸の質感は製版または印刷などの印
刷技術の範疇に限定される。つまり、皮などの素材が有
する質感を上記成形品の表面上に完全に表現することは
できないという問題があった。また、上記転写法にあっ
ては、上記転写材自体に凹凸模様が設けられているた
め、該転写材を上記成形品に対して押圧し、しかも、こ
れらに熱を加えても、該転写材の接着層が該成形品の表
面に均一に接着されないという問題があった。また、上
記転写材の厚み寸法が大きくなるほど、該転写材の上記
成形品に対する押圧力及び熱が該成形品に伝わりにくい
ため転写不良を起こしたり、転写材に設けられた凹凸模
様を忠実に表現できないという問題があった。また、そ
の反面、上記転写材によって形成される転写層、たとえ
ば、剥離層やエンボス層、図柄層、接着層などは通常、
厚み寸法10μm以下の非常に薄いものとして形成される
ため、この厚さ寸法の範囲内で凹凸模様を表現すること
は非常に困難であるという問題があった。
このような問題を解決する一つの方法としては、合成
樹脂射出成形法がある。
この射出成形法としては、例えば、合成樹脂成形品の
射出成形用金型の内面にエッチングや彫刻によって凹凸
模様を形成しておき、合成樹脂成形品を製造するのと同
時に成形品の表面の所定箇所に凹凸模様を形成する方法
がある。あるいは、上記金型の内部に凹凸面を有する原
型体を挿入して該原型体の凹凸面に合成樹脂が接触する
ように射出成形したのち、成形品から該原型体を取り除
いて、該成形品の表面に凹凸模様を形成する方法もある
(特公昭第50−28460号)。また、図柄層及び接着層等
を有する転写材の中に凹凸模様を形成したり、凹凸模様
をフィルムに予め形成しておきそのフィルムに図柄層及
び接着層等を印刷により形成して転写材としての構成を
もたせて、射出成形用金型内に挿入して射出成形と同時
に図柄と凹凸模様を成形品の表面の所定箇所に形成する
合成樹脂射出成形法もある(実公昭第63−43118号)。
ところが、内面に凹凸模様を有する金型を用いる射出
成形法にあっては、該金型の加工コストが非常に大きい
という問題がある。また、アンダーカットとなって上記
金型から上記成形品が抜けなくなるような部分に凹凸模
様を形成することができないという問題もある。さら
に、射出成形用金型にエッチングや彫刻により直接刻設
する方法にあっては、刻設する模様にもよるが、刻設の
加工が複雑で刻設した凹凸模様の種類を交換することが
不可能であるという問題がある。また、射出成形と同時
に図柄及び凹凸模様を成形品の表面の所定箇所に形成す
る方法においては、上記フィルムに予め凹凸模様を形成
しておく場合と上記図柄層等を有する転写材の上記フィ
ルム裏面に凹凸模様を形成する場合があるが、前者の場
合は次工程で上記フィルムに上記図柄層等を印刷により
形成する為に凹凸の差の大きい場合には図柄層等が印刷
不良になるという問題がある。また、後者の場合におい
ては、凹凸模様の形成時に上記転写材にかかる熱により
該転写材がガイドロール等に転写し転写材としての機能
を損なう場合があるという問題がある。
本発明は上述の問題点に鑑み、これらを有効に解決す
べく創案されたものである。従って、その目的は、表面
の所定箇所に図柄及び凹凸模様を有する成形品を製造す
るのに、上記転写法の持つ欠点を避けるべく上記射出成
形法を用い、しかも、射出成形用金型の内面及び転写材
に直接凹凸模様を形成する必要のない合成樹脂射出成形
品の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る合成樹脂成形品の製造方法は以下のよう
に構成されている。
すなわち、基体フィルムの一方の面に剥離層と図柄層
と接着層とを形成した転写材を、合成樹脂成形品の射出
成形用金型内に該金型を開いて挿入したのち、該金型を
閉じて該金型内に溶融した樹脂を該樹脂が上記転写材の
接着層に接触するよう射出し、該樹脂の冷却・固化後、
成形品を上記金型内より取り出すと共に上記基体フィル
ムを上記剥離層より剥離することにより、射出成形と同
時に図柄を上記成形品の表面の所定箇所に形成する合成
樹脂射出成形品の製造方法において、 凹凸模様を形成したレリーフ金型に紫外線硬化性の樹
脂を充填した後、紫外線透過性のプラスチックフィルム
を重ね合わせ、プラスチックフィルム面から紫外線を照
射して上記紫外線硬化性の樹脂を硬化させ、その後、上
記レリーフ金型から剥がして凹凸シートを形成し、上記
転写材を上記射出成形用金型内に挿入するとき、上記転
写材の基体フィルムとそれに対向する上記射出成形用金
型内の壁面との間に、上記凹凸シートを挾み込み、上記
射出成形を行ったのち、上記基体フィルムと共に該凹凸
シートを上記剥離層より剥離することにより、上記射出
成形と同時に図柄及び凹凸模様を上記成形品の表面の所
定箇所に形成するようにした。
[作用] この発明は、凹凸模様を形成したレリーフ金型に紫外
線硬化性の樹脂を充填した後、紫外線透過性のプラスチ
ックフィルムを重ね合わせ、プラスチックフィルム面か
ら紫外線を照射して上記紫外線硬化性の樹脂を硬化さ
せ、その後、上記レリーフ金型から剥がして凹凸シート
を形成し、上記転写材の基体フィルムと、それに対向す
る上記射出成形用金型内の壁面との間に、上記凹凸シー
トを挾み込み、上記射出成形を行って表面の所定箇所に
凹凸模様を有する成形品を形成するように構成されてい
る。
したがって、上記溶融樹脂を上記金型内に射出する際
に、該溶融樹脂の熱と圧力で該樹脂が上記転写材を上記
凹凸シートの凹凸に合わせて変形させると共に、該樹脂
が該転写材の接着層に接触する。そして、上記樹脂が固
化した後、上記基体フィルムと共に上記凹凸シートを上
記剥離層より剥離すると、上記転写材の基体フィルムを
除く転写層が上記成形品の表面に接着される。
このようにして、上記成形品表面には上記転写層によ
って図柄が形成されるとともに、上記凹凸シートの凹凸
が成形品表面に写し取られる。
[効果] 本発明に係る合成樹脂射出成形品の製造方法によれ
ば、上記転写材には凹凸模様を形成する必要がなく、該
転写材とは別体である上記凹凸シートに凹凸模様を形成
すればよいので、上記凹凸シートの凹凸模様は印刷技術
の範疇に限定されることはなく、たとえばレリーフ金型
を利用した樹脂成形により形成することにより、その凹
凸質感を例えば皮などの素材が有する質感に近付けるこ
とができ、従って、該素材が有する質感を上記成形品の
表面上にほぼ完全に形成することができる。
また、本発明に係る合成樹脂射出成形品の製造方法に
よれば、上記射出成形用金型内で、上記溶融した樹脂を
上記転写材の接着層に接触するように射出するので、上
記凹凸シートの厚さ寸法に関係なく、該転写材の接着層
を上記成形品の表面に均一に接着させることができ、ま
た、該転写材の厚さ寸法が大きくても、押圧力及び熱に
不足を生じることはないので、転写不良が起こることは
なく、凹凸模様を忠実に表現することができる。従っ
て、上記凹凸シートの厚さ寸法を充分に大きくすること
ができ、該凹凸シートにたとえば皮等の素材の質感に対
応する凹凸模様を容易に表現できるようになる。
このように、本発明に係る合成樹脂射出成形品の製造
方法によれば、従来の転写法が持つ欠点を回避すること
ができる。
また、本発明に係る合成樹脂射出成形品の製造方法に
よれば、上記凹凸シートに凹凸模様を形成すればよく、
上記射出成形用金型の内面に凹凸模様を形成する必要が
ないため、従来の内面に凹凸模様を有する金型を用いる
射出成形法に比べて、金型の加工コストが安くなる。ま
た、上記金型内にアンダーカット部分があってもその部
分に上記凹凸シートを挿入することにより、該アンダー
カット部分において上記成形品の表面に凹凸模様を形成
することができる。また、上記凹凸シートを交換するだ
けで、自由にかつ容易に上記成形品の凹凸模様を変える
ことができる。また、同一金型を用いて上記転写材と上
記凹凸シートとの組み合わせを変えることにより、表面
の凹凸模様と図柄の組み合わせの異なる多種の成形品を
容易に製造することができる。
また、本発明に係る合成樹脂射出成形品の製造方法に
よれば、上記凹凸シートに凹凸模様を形成すればよく、
上記転写材に凹凸模様を形成する必要がないため、該転
写材の製造工程中で該転写材に凹凸模様を形成しようと
してその転写機能を損なわせることはない。また、上記
転写材には凹凸模様を形成しないので、該転写材の製造
工程中で該転写材の図柄層等が印刷不良となることもな
い。
また、本発明に係る合成樹脂射出成形品の製造方法に
よれば、凹凸シートの凹凸模様を有する樹脂層が紫外線
硬化されて凹凸シートを形成するので、射出成形時の押
圧力および熱によっても凹凸模様が変形することなく、
凹凸模様を忠実に表現することができる。
[実施例] 以下に、本発明の好適な実施例について第1〜第4図
を参照して説明する。
第1図はこの発明の一実施例に係る合成樹脂射出成形
品の製造方法に係る製造工程を示す転写材の厚さ方法に
垂直な方向から見た側面図である。本実施例に係る合成
樹脂射出成形品の製造方法は、図柄を形成する図柄層3
を有する転写材8と、一方の面に凹凸模様を有し他方の
面が平らな上記凹凸シート7とを、射出成形用金型9,11
間に挿入し、該金型9,11を閉じてから該金型9,11内に合
成樹脂を射出して射出成形を行ったのち、成形品から上
記凹凸シート7及び上記転写材8の基体フィルム1を剥
離することにより、該成形品の一方の面に図柄及び凹凸
模様を形成するためのものである。
上記転写材8は、第2図に示すように、基体フィルム
1と、該基体フィルム1の第2図中で上面の全体を覆う
剥離層2と、該剥離層2の第2図中で上面に所望の図柄
を形成するよう所定箇所に配置される図柄層3と、該図
柄層3の第2図中で上面全体、及び、上記剥離層2の第
2図中で上面のうち該図柄層3が覆っていない部分を覆
う接着層5とからなっている。
上記基体フィルム1は、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、塩化ビニル、または、ポリエチレンなどのプラスチ
ックフィルムで構成する。
また、上記剥離層2は、上記基体フィルム1からの上
記転写材8の該基体フィルム1以外の層すなわち転写層
6の剥離を可能にするための層であり、熱可塑性樹脂、
天然ゴム、または、合成ゴム等で構成する。
また、上記図柄層3は、公知の顔料または染料と、バ
インダーと添加剤等とよりなる着色インキで構成するイ
ンキ部3aと、金属薄膜部3bとからなっている。この金属
薄膜部3bは、上記成形品の表面の図柄に艶のある美麗な
メタリック感をもたらす。この金属薄膜部3bは、アルミ
ニウム、クロム、または、ニッケルなどの金属を、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、または、スパッタリ
ング法などによって上記剥離層2の第2図中で上面の所
定箇所、及び、それに隣接する上記インキ部3aの一部分
の第2図中で上面に形成される。この金属薄膜部3bを上
記剥離層2及び上記インキ部3aの第2図中で上面に部分
的に設ける方法としては、金属薄膜部3bを形成する必要
のない部分に水溶性樹脂層を形成しておき、その上から
該剥離層2及び該インキ部3aの上面全体に金属薄膜を形
成したのち、水洗を行って水溶性樹脂と共に不要の金属
薄膜を除去する方法などがある。また、上記金属薄膜部
3bを設けるにあたっては、該金属薄膜部3bの上記剥離層
2に対する密着性を高めるために両者にアンカー層を形
成し、同様に、該金属薄膜部3bの上記接着層4に対する
密着性を高めるために両者の間にアンカー層を形成して
もよい。
また、上記接着層5は、上記図柄層3の上面全体、及
び、上記剥離層2の上面のうち該図柄層3が覆っていな
い部分に形成され、被転写体である合成樹脂成形品に上
記転写材8を接着させるためのものである。この接着層
5は、上記成形品の表面素材に適した感熱性あるいは感
圧性の樹脂を適宜用いて構成する。たとえば、上記成形
品がポリスチレンの場合はスチレン系樹脂やアクリル系
樹脂を、ポリプロピレンの場合は塩素化ポリプロピレン
系樹脂やエチレン酢酸ビニル系樹脂などを用いて構成す
るとよい。
上記剥離層2、上記図柄層3、及び、上記接着層5
は、いずれも、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フ
レキソ印刷法、リバースコート法、または、ロールコー
ト法などの公知の印刷法などで上記基体フィルム1上に
形成される。
また、上記凹凸シート7は上記成形品の表面に所望の
材質の質感を与える凹凸模様を形成するためのものであ
り、この凹凸模様の形状により各種素材の質感を忠実に
表現することができる。上記凹凸シート7の一方の面に
は、次のような方法により、所望の材質の質感を有する
凹凸模様を形成した。すなわち、凹凸模様を形成したレ
リーフ金型に紫外線硬化性の樹脂を充填した後、紫外線
透過性のプラスチックフィルムを重ね合わせ、プラスチ
ックフィルム面から紫外線を照射して樹脂を硬化させ、
その後金型から剥がす方法などにより形成する。
上記凹凸シート7及び上記転写材8は枚葉でも長尺な
連続体でもよい。
本実施例に係る合成樹脂射出成形品の製造方法によれ
ば、一方の面に図柄及び凹凸模様が形成された成形品が
以下のように製造される。
すなわち、まず、上記射出成形用金型9,11を開いて上
記転写材8を該転写材8の接着層5が該金型9,11内に射
出される溶融した樹脂10に接触可能となるように該金型
9,11間に挿入し、かつ、該転写材8の基体フィルム1と
それに対向する第1図中で下側の金型9の内壁面との間
に上記凹凸シート7を挾み込む。上記凹凸シート7の上
記転写材8の基体フィルム1に接する面についてはどち
ら側でもよいが、該凹凸シート7の凹凸面が該基体フィ
ルム1に接する一方、該凹凸シート7の平らな面が上記
下側の金型9の内壁面に接するように配置した方がより
正確に上記成形品の表面へ凹凸模様を形成することがで
きる。上記転写材8及び上記凹凸シート7が長尺な連続
体である場合には、上記転写材8及び上記凹凸シート7
を上記金型9,11間に送り込むのに、ロール状に巻かれた
転写材を順次位置決めしながら該金型内に送り込む、い
わゆるインモールド用箔送り装置を用いるとよい。たと
えば、2台のインモールド箔送り装置を用い、一方の箔
送り装置で転写材8を金型9,11間に送り込み、他方の箔
送り装置で凹凸シート7を金型9,11間に送り込むように
したり、あるいは、予め転写材8と凹凸シート7をロー
ル状に重ね合わせ、その後1台の箔送り装置で金型9,11
間に送り込むようにしてもよい。次いで上記金型9,11を
閉じた後、該金型9,11内に溶融した樹脂10を該樹脂10が
上記転写材8の接着層5に接触するように射出する。こ
の段階で、上記樹脂10は、その熱と圧力とにより、第3
図に示すように、上記転写材8を上記凹凸シート7の凹
凸に合わせて変形させる。次いで上記樹脂10が冷却・固
化した後、上記金型9,11を開いて該金型9,11間から上記
成形品を取り出してから上記基体フィルム1と共に上記
凹凸シート7を上記剥離層2より剥離する。これによ
り、第4図に示すように、上記転写層6が上記成形品の
表面に接着されて、一方の面に凹凸模様及び図柄を有す
る成形品を得ることができる。
本実施例に係る合成樹脂射出成形品の製造方法によれ
ば、上記転写材8には凹凸模様を形成する必要がなく、
該転写材8とは別体である上記凹凸シート7に凹凸模様
を形成すればよいので、該凹凸シート7の凹凸模様は印
刷技術の範疇に限定されることはなく、たとえばレリー
フ金型を利用した樹脂成形により形成することにより、
その凹凸質感を例えば皮などの素材が有する質感に近付
けることができ、従って、該素材が有する質感を上記成
形品の表面上にほぼ完全に形成することができる。
また、本実施例に係る合成樹脂射出成形品の製造方法
によれば、上記射出成形用金型9,11内で、上記溶融した
樹脂10を上記転写材8の接着層5に接触するように射出
するので、上記凹凸シート7の厚さ寸法に関係なく、該
転写材8の接着層5を上記成形品の表面に均一に接着さ
せることができ、また、厚さ寸法が大きくても、押圧力
及び熱に不足を生じることはないので、転写不良が起こ
ることはなく、凹凸模様を忠実に表現することができ
る。従って、上記凹凸シート7の厚さ寸法を充分に大き
くすることができ、該凹凸シート7にたとえば皮等の素
材の質感に対応する凹凸模様を容易に表現できるように
なる。
このように、本実施例に係る合成樹脂射出成形品の製
造方法によれば、従来の転写法が持つ欠点を回避するこ
とができる。
また、本実施例に係る合成樹脂射出成形品の製造方法
によれば、上記凹凸シート7に凹凸模様を形成すればよ
く、上記射出成形用金型9,11の内面に凹凸模様を形成す
る必要がないため、従来の内面に凹凸模様を有する金型
を用いる射出成形法に比べて、金型の加工コストが安く
なる。また、上記金型9,11内にアンダーカット部分があ
ってもその部分に上記凹凸シート7を挿入することによ
り、該アンダーカット部分において上記成形品の表面に
凹凸模様を形成することができる。また、上記凹凸シー
ト7を交換するだけで、自由にかつ容易に上記成形品の
凹凸模様を変えることができる。また、同一金型を用い
て上記転写材8と上記凹凸シート7との組み合わせを変
えることにより、表面の凹凸模様と図柄の組み合わせの
異なる多種の成形品を容易に製造することができる。こ
のことは、本実施例に係る合成樹脂射出成形品の製造方
法を実施した次の二つの例の結果からも裏付けられる。
すなわち、まず、厚さ25μmのポリエステルフィルムに
部分蒸着柄を有する転写材8と、背面に熱硬化性樹脂を
コートする一方表面に部分的に牛革の凹凸模様を形成し
硬化させた厚さ25μmのポリエステルフィルムよりなる
凹凸シート7とを、上記射出成形用金型9,11内に挿入
し、該金型9,11内に設定温度200℃のアクリルニトリル
・スチレン樹脂を射出してインモールド成形を行なっ
た。その結果得られた成形品は、図柄が所望の位置に形
成され、その表面は牛革模様の凹凸を有するものであっ
た。次に、上記凹凸シート7を表面に仔牛革の凹凸模様
を有するポリエステルフィルムに取り替え、それ以外の
条件を前と同一にしてインモールド成形を行なったとこ
ろ図柄は同様で凹凸模様のみが仔牛革の模様のついた成
形品が得られた。また、同一金型9,11を用いて上記転写
材8と上記凹凸シート7との組み合わせを変えることに
より、表面の凹凸模様と図柄の組み合わせの異なる多種
の成形品を容易に製造することができる。
また、本実施例に係る合成樹脂射出成形品の製造方法
によれば、上記凹凸シート7に凹凸模様を形成すればよ
く、上記転写材8にも凹凸模様を形成する必要がないた
め、該転写材8の製造工程中で該転写材8に凹凸模様を
形成しようとしてその転写機能を損なわせることはな
い。また、上記転写材8には凹凸模様を形成しないの
で、該転写材8の製造工程中で該転写材8の図柄層等が
印刷不良となることもない。
本発明は上述の実施例にのみ限定されるものではなく
その他種々の態様で実施される。例えば、上述の実施例
においては、上記金型9,11内で射出成形したのち、該金
型9,11を開いて該金型9,11間から上記成形品を取り出し
てから上記転写材8の剥離層2より上記基体フィルム1
及び上記凹凸シート7を剥離したが、上記金型9,11間か
ら上記成形品を取り出す前に剥離層2より上記基体フィ
ルム1及び上記凹凸シート7を剥離してもよい。あるい
は、上記転写材8の剥離層2より上記基体フィルム1及
び上記凹凸シート7を剥離しつつ上記金型9,11間から上
記成形品を取り出してもよい。
また、上述の実施例においては、上記図柄層3を上記
剥離層2の上面に一層のみ設けたが、二層以上設けて、
図柄を多色に形成してもよい。
また、上述の実施例においては、上記凹凸シート7の
一方の面にのみ凹凸を形成したが、他方の面にも凹凸を
形成してもよい。
また、上述の実施例においては、上記図柄層3を上記
インキ部3aと上記金型薄膜部3bとで構成したが、該金属
薄膜部3bを形成せず、該インキ部3aのみまたは該金属薄
膜部3bのみで構成してもよい。
また、上述の実施例においては、上記金属薄膜部3bを
上記剥離層2の上面の所定箇所から上記インキ部3aの一
部分の上面にまたがって形成したが、該剥離層2の上面
にのみ形成してもよく、また、該インキ部3aの上面にの
み形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係る合成樹脂射出成形品
の製造方法に係る製造工程を示す転写材の厚さ方向に垂
直な方向から見た側面図、第2図は第1図中の転写材の
厚さ方向の部分拡大断面図、第3図は第1図に示した製
造方法において射出成形用金型を閉じたのち、該金型内
に溶融した樹脂を射出した状態を示す要部拡大断面図、
第4図は第1図に示した製造方法によって製造された後
の成形品の厚さ方向の要部拡大断面図である。 1……基体フィルム、2……剥離層、3……図柄層、3a
……インキ部、3b……金属薄膜部、5……接着層、6…
…転写層、7……凹凸シート、8……転写材、9,11……
射出成形用金型、10……樹脂。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体フィルム(1)の一方の面に剥離層
    (2)と図柄層(3)と接着層(5)とを形成した転写
    材(8)を、合成樹脂成形品の射出成形用金型(9,11)
    内に該金型(9,11)を開いて挿入したのち、該金型(9,
    11)を閉じて該金型(9,11)内に溶融した樹脂(10)を
    該樹脂(10)が上記転写材(8)の接着層(5)に接触
    するよう射出し、該樹脂(10)の冷却・固化後、成形品
    を上記金型(9,11)内より取り出すと共に上記基体フィ
    ルム(1)を上記剥離層(2)より剥離することによ
    り、射出成形と同時に図柄を上記成形品の表面の所定箇
    所に形成する合成樹脂射出成形品の製造方法において、 凹凸模様を形成したレリーフ金型に紫外線硬化性の樹脂
    を充填した後、紫外線透過性のプラスチックフィルムを
    重ね合わせ、プラスチックフィルム面から紫外線を照射
    して上記紫外線硬化性の樹脂を硬化させ、その後、上記
    レリーフ金型から剥がして凹凸シート(7)を形成し、
    上記転写材(8)を上記射出成形用金型(9,11)内に挿
    入するとき、上記転写材(8)の基体フィルム(1)と
    それに対向する上記射出成形用金型(9,11)内の壁面と
    の間に、上記凹凸シート(7)を挾み込み、上記射出成
    形を行ったのち、上記基体フィルム(1)と共に該凹凸
    シート(7)を上記剥離層(2)より剥離することによ
    り、上記射出成形と同時に図柄及び凹凸模様を上記成形
    品の表面の所定箇所に形成することを特徴とする合成樹
    脂射出成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】同一金型を用いて転写材と凹凸シートとの
    組み合わせを変えることにより、表面の凹凸模様と図柄
    の組み合わせの異なる多種の成形品を製造する請求項1
    に記載の合成樹脂射出成形品の製造方法。
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