JP2832977B2 - サーマルヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドおよびその製造方法

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JP2832977B2 JP1024314A JP2431489A JP2832977B2 JP 2832977 B2 JP2832977 B2 JP 2832977B2 JP 1024314 A JP1024314 A JP 1024314A JP 2431489 A JP2431489 A JP 2431489A JP 2832977 B2 JP2832977 B2 JP 2832977B2
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、感熱記録方式のファクシミリ装置やサーマ
ルプリンタ等の感熱記録装置に使用されるサーマルヘッ
ドおよびその製造方法に関し、特に発熱抵抗体が厚膜技
術により形成されたサーマルヘッドおよびその製造方法
に関する。
(2) 従来の技術 発熱抵抗体が厚膜技術により形成された前記サーマル
ヘッドとしては、発熱抵抗体を、スクリーン印刷または
リフトオフプロセス等により帯状または個別に形成した
ものが知られている。
たとえば、前記リフトオフプロセスにより発熱抵抗体
を個別に形成した厚膜型サーマルヘッドとして、第17,1
8図に示すようなものがある。第17図は前記従来のサー
マルヘッドの要部の斜視図、第18図は第17図のX VII−X
VIII線に沿う断面図である。
第17,18図に示すように前記従来のサーマルヘッドHo
は、セラミック製の基板本体部01a表面にグレーズ製の
蓄熱層01bが形成された絶縁基板01を備えている。蓄熱
層01bの表面には、主走査方向Xに沿って延びる帯状の
共通電極本体部02aおよびこの本体部02aから櫛歯状に副
走査方向Yに突出する多数の共通電極接続部02bを有す
る共通電極02と、前記共通電極接続部02bと対向して配
置された多数の個別電極03とが形成されている。前記共
通電極接続部02bおよび個別電極03は蓄熱層01b表面に主
走査方向Xに沿って形成された多数の島状の発熱抵抗体
04によって接続されている。また前記両電極02,03およ
び発熱抵抗体04等の表面はグレーズ製の耐摩耗層05によ
って被覆されており、この耐摩耗層05の前記発熱抵抗体
04を被覆している部分の表面は感熱記録紙やインクドナ
ーフィルム等に接触して熱を伝える印字部05aとして形
成されている。そしてこの印字部05aは耐摩耗層05の他
の表面部分05bよりも突出している。
そして、前述の構成を備えた従来のサーマルヘッドHo
は、第18図に示すように、感熱記録紙Pを介して前記印
字部05aをプラテンロールRに押付けることにより印字
が行われる。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところで前記発熱抵抗体04を厚膜技術により形成した
従来のサーマルヘッドHoは、発熱抵抗体04の厚さが比較
的厚いので、蓄熱層01b表面からの発熱抵抗体04の突出
量が大きくなる。そうすると、前記印字部05aは耐摩耗
層05の他の表面部分05bから局所的に大きく突出し、印
字部05aと前記他の表面部分05bとの間に比較的大きな段
部05cが形成されることになる。このように印字部05aが
耐摩耗層05の他の表面部分05bから比較的大きな段部05c
を形成して突出していると、感熱記録紙Pがこの段部05
cでひっかかったりして通り抜けが悪くなる場合があ
る。感熱記録紙Pの通り抜けが悪いと、感熱記録紙Pの
インク層が発熱抵抗体04と融着し易くなり、これがいわ
ゆるスティッキングの発生の原因となっていた。そこで
前記スティッキング発生の原因となる印字部05aと耐摩
耗層05の他の表面部分05bとの段差を小さくするため
に、発熱抵抗体04の厚さを薄くすることが考えられる
が、抵抗体04を薄くすると耐パルス強度が低下するの
で、その薄型化にも限度があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、発熱抵
抗体の耐パルス強度を低下させることなく耐摩耗層の印
字部とこれを除く耐摩耗層の他の表面部分との段差を小
さくすることを課題とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 前述の課題を解決するために本発明のサーマルヘッド
は、主走査方向(X)に沿って延びる共通電極(3)
と、先端部(4a)が主走査方向(X)に沿って列設され
るとともに前記共通電極(3)に対向して配設された多
数の個別電極(4)と、前記対向して配設された各共通
電極(3)および個別電極先端部(4a)をそれぞれ個別
に接続する厚膜技術により形成された多数の発熱抵抗体
(5)と、前記両電極(3,4)および各発熱抵抗体
(5)等の表面を被覆する耐摩耗層(6)とが絶縁基板
(2)の表面に形成されるとともに、前記耐摩耗層
(6)の前記各発熱抵抗体(5)を被覆する部分の表面
が印字部(6a)として形成されたサーマルヘッドにおい
て、 前記各発熱抵抗体(5)は前記絶縁基板(2)の表面
に埋め込まれていることを特徴とする。
また本発明のサーマルヘッドの製造方法は、主走査方
向(X)に沿って延びる共通電極(3)と、先端部(4
a)が主走査方向(X)に沿って列設されるとともに前
記共通電極(3)に対向して配設された多数の個別電極
(4)と、前記対向して配設された各共通電極(3)お
よび個別電極先端部(4a)をそれぞれ接続する厚膜技術
により形成された多数の未焼結抵抗体(5a)とを絶縁基
板(2)表面の蓄熱層(2b)表面に形成して前記各未焼
結抵抗体(5a)を焼成することにより各発熱抵抗体
(5)を形成し、前記各発熱抵抗体(5)を被覆する部
分の表面が印字部(6a)として形成された耐摩耗層
(6)によって前記両電極(3,4)および各発熱抵抗体
(5)等の表面を被覆したサーマルヘッドの製造方法に
おいて、 前記蓄熱層(2b)を前記各未焼結抵抗体(5a)の焼成
温度で軟化する熱軟化性材料で形成し、前記焼成時に軟
化した蓄熱層(2b)内部に前記各未焼結抵抗体(5a)を
その自重で沈み込ませることにより、絶縁基板(2)の
表面に埋め込まれた各発熱抵抗体(5)を形成すること
を特徴とする。
(2)作用 前述の構成を備えた本発明のサーマルヘッドによれ
ば、厚膜技術により形成した各発熱抵抗体が絶縁基板の
表面に埋込まれているので、発熱抵抗体の絶縁基板表面
からの突出量が小さくなる。したがって耐摩耗層表面の
印字部とこの印字部を除く耐摩耗層の他の表面部分との
段差を小さくすることができる。また、発熱抵抗体の厚
さを薄くする必要がないので、発熱抵抗体の耐パルス強
度が低下するようなこともない。
また、前述の構成を備えた本発明のサーマルヘッドの
製造方法によれば、蓄熱層を未焼結抵抗体の焼成温度で
軟化する熱軟化性材料で形成し、前記焼成時に軟化した
蓄熱層内部に前記未焼結抵抗体をその自重で沈み込ませ
ることにより、絶縁基板の表面に埋め込まれた発熱抵抗
体を形成するので、蓄熱層表面に予め発熱抵抗体を埋め
込むための凹部を形成する工程を設ける必要がない。ま
た、本発明のサーマルヘッドの製造方法によれば、前記
本発明のサーマルヘッドを製造することができる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明のサーマルヘッドの実施例に
ついて説明する。
第1〜4B図は本発明の第1実施例のサーマルヘッドの
説明図で、第1図は同第1実施例のサーマルヘッドを使
用した印字装置の全体説明図、第2図はその要部の斜視
図、第3図は第2図の矢視III部分の拡大図、第4A図は
第3図のIV A矢視野図、第4Bは第4AのIV B−IV B線断面
図である。
第1図に示すように、プラテンロールRの外周に沿っ
て搬送される感熱記録紙Pに熱記録を行うためのサーマ
ルヘッドHは、支持板1を備えている。この支持板1の
表面には、第1図中、右側部分に絶縁基板2が接着剤に
よって張付けられており、この絶縁基板2は、セラミッ
ク製の基板本体部2aとその表面に形成されたグレーズ製
の蓄熱層2bとから構成されている。前記蓄熱層2bの表面
には、主走査方向Xに沿って延びる共通電極本体部3aお
よびこの共通電極本体部3aから櫛歯状に副走査方向Yに
突出する多数の共通電極接続部3bを有する共通電極3
と、前記多数の共通電極接続部3bの先端部(以下、「共
通電極先端部」という)3b1と対向して配置された個別
電極先端部4aを有する多数の個別電極4とが形成されて
おり、この個別電極4の基端部(第1図中、左端部)は
後述の駆動用ICと接続するためのIC接続端子4bとして形
成されている。そして前記両電極先端部3b1,4aは主走査
方向Xに列設された島状の発熱抵抗体5によってそれぞ
れ接続されている。また、前記両電極先端部3b1,4aおよ
びそれらを接続する発熱抵抗体5は、前記蓄熱層2bに埋
込まれている。
前記両電極3,4および発熱抵抗体5等の表面はグレー
ズ製の耐摩耗層6で被覆されており、この耐摩耗層6の
前記発熱抵抗体5を被覆している部分の表面は感熱記録
紙Pに接触して熱を伝える印字部6aとして形成されてい
る。そしてこの印字部6Aは耐厚設層6の他の表面部分6b
よりも僅かに突出しており、他の表面部分6bと印字部6a
との境界部には低い段部6c(第4B図参照)が形成されて
いる(尚、第1,2図では耐摩耗層6の図示を省略してい
る。)。
前記支持板1の表面には、第1図中、左側部分にプリ
ント配線基板7が接着剤によって張付けられており、こ
のプリント配線基板7表面には外部接続用配線8が形成
されている。この外部接続用配線8はその入力端側(第
1図中、左側)において前記プリント配線基板7を貫通
するリード線9を介して、駆動信号入力端子としてソケ
ット10に接続されている。プリント配線基板7の前記絶
縁基板2に近い部分には駆動用ICが配設されており、こ
の駆動用ICはボンディングワイヤ11および12によって前
記個別電極4のIC接続端子4bおよび外部接続用配線8と
接続されている。
前記ICおよびボンディングワイヤ11,12は、保護樹脂1
3によって被覆されており、さらに、前記保護樹脂13は
アルミ製のカバー14によって保護されている。
そして、本実施例のサーマルヘッドHは、前記符号1
〜14で示された構成要素および前記駆動用ICから構成さ
れている。
次に前述の構成を備えた本発明のサーマルヘッドの第
1実施例の作用を説明する。
発熱抵抗体5等を覆う耐摩耗層6の前記印字部6aを感
熱記録紙Pを介してプラテンロールRに押付けると、感
熱記録紙Pの前記印字部6aと接触する部分が発色して印
字が行われる。ところで本実施例のサーマルヘッドHで
は、発熱抵抗体5が蓄熱層2bに埋込まれているので、前
記耐摩耗層6の他の表面部分6bからの印字部6aの突出量
は小さくなる。そのため前記印字部6aと他の表面部分6b
間の段差が小さくなり、感熱記録紙Pが段部6cにひっか
かることが少なくなる。そして、感熱記録紙Pの通り抜
けが向上する。
次に、第5A〜10B図ににより、前記第4A,4B図に示す構
成を有する本発明の第1実施例のサーマルヘッドHの第
1の製造方法を説明する。
先ず、第5A,5B図に示すように、絶縁基板2の基板本
体部2aの表面に蓄熱層2bを形成する。この蓄熱層2bの材
料としては、後述する未焼結抵抗体の焼成時の温度600
℃〜900℃で軟化するような、非晶質系ガラス材料、例
えばバリウムホウケイ酸ガラスや鉛ホウケイ酸ガラス等
が用いられる。次に、第6A,6B図に示すように、前記蓄
熱層2bの表面に金などから成る電極形成層を形成してか
らフォトリソエッチングにより共通電極3および個別電
極4を形成する。次に、前記両電極3,4間を接続する発
熱抵抗体5を、厚膜技術の一種であるリフトオフプロセ
スによって形成する。
すなわち、第7A,7B図に示すように、前記蓄熱層2bの
表面にフォトレジストを塗布し、図示しないマスクを被
せてからこれを露光、現像することにより、多数の島状
の抵抗体形成用開口部Laを有するレジスト層Lを形成す
る。その際、前記抵抗体形成用開口部Laを、その内部に
前記両電極先端部3b1,4aが配置されるように形成する。
次に第8A,8B図に示すように、前記抵抗体形成用開口部L
aの列に沿って抵抗体形成用ペーストMを帯状に印刷し
てこのペーストMをレジスト層L表面よりも高くなるよ
うに前記各抵抗体形成用開口部Laに充填する。次に、第
9A,9B図に示すように、前記抵抗体形成用ペーストMを
乾燥後これをレジスト層Lと面一になるまでラッピング
して、前記抵抗体形成用開口部La内に未焼結抵抗体5aを
形成する。次に、第10A,10B図に示すように、この未焼
結抵抗体5aを約800〜900℃で8〜10分間焼成して前記両
電極3,4を接続する多数の島状の発熱抵抗体5を形成す
るとともに、蓄熱層2a表面のレジスト層Lを燃焼により
除去する。ところで前記未焼結抵抗体5aの焼成時におい
て、前記蓄熱層2bが熱により軟化するので、未焼結抵抗
体5aは自重により蓄熱層2bの内部に沈み込みながら焼成
される。したがって第10A,10B図に示すように、形成さ
れた発熱抵抗体5は両電極先端接続部3b1,4aとともに蓄
熱層2bの表面に埋め込まれて、その一部が蓄熱層2b表面
から突出する。
次に、蓄熱層2b表面に形成された前記両電極3,4およ
び発熱抵抗体5等の表面を、グレーズ製の耐摩耗層6で
被覆する。このようにして、前記第4A,4B図に示すよう
な、耐摩耗層6の前記発熱抵抗体5を被覆する部分の表
面(すなわち、印字部)6aが他の表面部分6bよりも突出
し、それらの境界部に低い段部6cが形成されたサーマル
ヘッドHが製造される。
次に、第11A〜14B図により前記第4A,4B図に示す構成
を有する本発明の第1実施例のサーマルヘッドHの第2
の製造方法を説明する。
第11A,11B図に示すように、先ず絶縁基板2の基板本
体部2aの表面に蓄熱層2bを形成する。この蓄熱層2bには
未幾焼結抵抗体の焼成時に軟化しないガラス材料が用い
られる。次に第12A,12B図に示すように、前記蓄熱層2b
の表面にフォトレジストを塗布し、図示しないマスクを
被せてからこれを露光、現像することにより、主走査方
向Xに沿って配列された多数の島状の凹部形成用開口部
Lbを有するレジスト層Lを形成する。次に、第13A,13B
図に示すように、レジスト層Lの前記開口部Lbより露出
した蓄熱層2b表面をエッチングしてから、前記レジスト
層Lを燃焼により除去して蓄熱層2b表面に多数の島状の
抵抗体埋込用凹部2cを形成する。なお、前記エッチング
時のエッチング液としては例えばフッ酸5重量%、硝酸
10重量%の水溶液が用いられる。次に、第14A,14B図に
示すように、蓄熱層2b表面に電極形成層を形成してから
フォトリソエッチングにより、両電極先端部3b1,4aが前
記抵抗体埋込用凹部2cの内部まで延びた共通電極3およ
び個別電極4を蓄熱層2b表面に形成し、続いて前記抵抗
体埋込用凹部2c内に前述のリフトオフプロセスの技術を
用いて、両電極先端部3b1,4aを接続するとともに、蓄熱
層2bの表面からその一部が突出する多数の島状の発熱抵
抗体5を形成する。次に、前記両電極3,4および発熱抵
抗体5等の表面を、発熱抵抗体5を被覆する部分の表面
が印字部6aとして形成されるグレーズ製の耐摩耗層6で
被覆する。
このようにして前記第4A,4B図に示す構成を有するサ
ーマルヘッドHが製造される。
次に第15図により本発明のサーマルヘッドの第2実施
例について説明する。
この第2実施例は、両電極先端部3b1,4aが絶縁基板2
の蓄熱層2b表面の抵抗体埋込用凹部2cの開口縁部まで形
成されている点が前記第1実施例と異なっている。
次に、この第2実施例のサーマルヘッドの製造方法に
ついて説明すると、先ず蓄熱層2bの表面に両電極3,4を
形成してから、これら両電極3,4の先端部3b1,4aを内部
に配置した多数の凹部形成用開口部を有するレジスト層
を形成する。次にこのレジスト層を用いて、前記凹部形
成用開口部内に露出した前記両電極先端部3b1,4aの一部
および蓄熱層2bを順次エッチングして蓄熱層2b表面に主
走査方向Xに沿って配列された多数の島状の抵抗体埋込
用凹部2cを形成する。この場合、前記両電極先端部3b1,
4aの一部および蓄熱層2bを同一のレジスト層を用いてエ
ッチングするので、エッチング後の両電極先端部3b1,4a
は前記抵抗体埋込用凹部2cの開口縁部まで延びて形成さ
れる。次に前記各抵抗体埋込用凹部2cに内部に前述のリ
フトオフプロセスの技術を用いて蓄熱層2bの表面からそ
の一部が突出する島状の発熱抵抗体5を形成する。次に
前記両電極3,4および発熱抵抗体5等の表面を耐摩耗層
6で被覆する。このようにして、第15図に示す構成を有
する第2実施例のサーマルヘッドHが製造される。
この第2実施例も発熱抵抗体5が絶縁基板2に埋め込
まれているので、前記第1実施例と同じ作用、効果を奏
する。
次に第16図により本発明のサーマルヘッドの第3実施
例について説明する。
この第3実施例は、両電極先端部3b1,4aが発熱抵抗体
5の上面に位置するよに形成されている点が前記第1実
施例と異なっている。
次に、この第3実施例のサーマルヘッドの製造方法に
ついて説明すると、先ず蓄熱層2bの表面に多数の凹部形
成用開口部を有するレジスト層を形成してから、前記開
口部内に露出した蓄熱層2bをエッチングして蓄熱層2b表
面に主走査方向Xに沿って配列された多数の島状の抵抗
体埋込用凹部2cを形成する。次に前記各抵抗体埋込用凹
部2cの内部に前述のリフトオフプロセスの技術を用いて
蓄熱層2bの表面からその一部が突出する多数の島状の発
熱抵抗体を形成する。次に蓄熱層2bの表面に電極形成層
を形成してからフォトリソエッチングにより両電極先端
部3b1,4aが発熱抵抗体5の上面に位置する両電極3,4を
形成する。次に前記両電極3,4および発熱抵抗体5等の
表面を耐摩耗層6で被覆する。このようにして、第16図
に示す構成を有する第3実施例のサーマルヘッドが製造
される。
この第3実施例も発熱抵抗体5が絶縁基板2に埋め込
まれているので、前記第1実施例と同じ作用、効果を奏
する。
以上、本発明によるサーマルヘードおよびその製造方
法の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定
されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発
明を逸脱することなく、種々の小設計変更を行うことが
可能である。
例えば、前記各実施例では発熱抵抗体5を1ビット毎
に分離した個別分離型とし、両電極3,4もそれに応じて
個別対向型にした例を示したが、発熱抵抗体5をスクリ
ーン印刷等により帯状に形成し、それに応じて両電極3,
4を交互リード型に形成することが可能である。また、
前記各実施例では、共通電極3を主走査方向Xに沿って
延びる帯状の共通電極本体部3aと、この本体部3aから櫛
歯状に副走査方向Yに突出する多数の共通電極接続部3b
とで構成して、この共通電極接続部3bの先端部3b1と、
この先端部3b1に対して配置された多数の個別電極先端
部4aとをそれぞれ島状の発熱抵抗体5で接続した例を示
したが、前記共通電極3を本体部3aのみで構成するとと
もに、前記多数の個別電極先端部4aを前記本体部3aの一
側辺部と所定の間隔を置いて対向するように主走査方向
Xに沿って配列して、前記本体部3aの一側辺部と前記多
数の個別電極先端部4aとをそれぞれ島状の発熱抵抗5で
接続するようにすることも可能である。さらに、本発明
のサーマルヘッドは、絶縁基板2をセラミック製の基板
本体部2aとその表面に形成されたグレーズ製の蓄熱層2b
とで構成して、前記蓄熱層2bの表面に発熱抵抗体5を埋
め込んだ構成とする代わりに、蓄熱層を持たないセラミ
ック製の絶縁基板の表面に発熱抵抗体を埋め込んだ構成
とすることも可能である。さらにまた、前記両電極3,4
は、スクリーン印刷等の厚膜技術、或いは真空蒸着やス
パッタリング等の薄膜技術のいずれを用いても形成する
ことが可能である。
C.発明の効果 前述の本発明のサーマルヘッドによれば、厚膜技術に
より形成した発熱抵抗体が絶縁基板の表面に埋込まれて
いるので、絶縁基板表面からの発熱抵抗体の突出量が小
さくなり、蓄熱層の印字部とこの印字部を除く蓄熱層の
他の表面部分との段差が小さくなって、印字部の感熱記
録紙の通り抜けが向上する。その結果、感熱記録紙のイ
ンク層と発熱抵抗体との融着が起こりにくくなりスティ
ッキングの発生が防止されるので、印字品質が向上す
る。また発熱抵抗体の厚さを薄くする必要がないので、
発熱抵抗体の耐パルス強度が低下するようなこともな
い。
また、前述の本発明のサーマルヘッドの製造方法によ
れば、蓄熱層を未焼結抵抗体の焼成温度で軟化する熱軟
化性材料で形成し、前記焼成時に軟化した蓄熱層内部に
前記未焼結抵抗体をその自重で沈み込ませることによ
り、絶縁基板の表面に埋め込まれた発熱抵抗体を形成す
るので、蓄熱層表面に予め発熱抵抗体を埋め込ませるた
めの凹部を形成する必要がなく、サーマルヘッドの製造
工程数を少なくすることができる。また、本発明のサー
マルヘッドの製造方法によれば、前記本発明のサーマル
ヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4B図は本発明の第1実施例のサーマルヘ
ッドの説明図で、第1図は同第1実施例のサーマルヘッ
ドを使用した印字装置の全体説明図、第2図はその要部
の斜視図、第3図は第2図の矢視III部分の拡大図、第4
A図は第3図のIV A矢視図、第4B図は第4A図のIV B−IV
B線断面図、第5A〜10B図は同第1実施例のサーマルヘッ
ドの第1の製造方法の説明図であって、第5A,6A,7A,8A,
9Aおよび10A図はそれぞれ各製造工程と対応するサーマ
ルヘッドの要部の部分平面図、第5B,6B,7B,8B,9Bおよび
10B図はそれぞれ前記第5A図のV B−V B線、第6A図のVI
B−VI B線、第7A図のVII B−VII B線図、第8A図のVIII
B−VIII B線図、第9A図のIX B−IX B線および第10A図の
X B−X B線に沿う断面図、第11A〜14B図は同第1実施例
のサーマルヘッドの第2の製造方法の説明図であって、
第11A,12A,13Aおよび14A図はそれぞれ各製造工程と対応
するサーマルヘッドの要部の部分平面図、第11B,12B、1
3Bおよび14B図はそれぞれ前記第11A図のXI B−XI B線、
第12A図のXII B−XII B線、第13A図のXIII B−XIII B
線、および第14A図のXIV B−XIV B線に沿う断面図、第1
5図は本発明の第2実施例のサーマルヘッドを示す前記
第4B図と対応する図、第16図は本発明の第3実施例のサ
ーマルヘッドの前記第4B図と対応する図、第17図は従来
のサーマルヘッドの要部の斜視図、第18図は第17図のXV
III−XVIII線に沿う断面図である。 2……絶縁基板、2b……蓄熱層、3……共通電極、4…
…個別電極、4a……個別電極先端部、5……発熱抵抗
体、5a……未焼結抵抗体、6……耐摩耗層、6a……印字
部、X……主走査方向、Y……副走査方向

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主走査方向(X)に沿って延びる共通電極
    (3)と、先端部(4a)が主走査方向(X)に沿って列
    設されるとともに前記共通電極(3)に対向して配設さ
    れた多数の個別電極(4)と、前記対向して配設された
    各共通電極(3)および個別電極先端部(4a)をそれぞ
    れ個別に接続する厚膜技術により形成された多数の発熱
    抵抗体(5)と、前記両電極(3,4)および各発熱抵抗
    体(5)等の表面を被覆する耐摩耗層(6)とが絶縁基
    板(2)の表面に形成されるとともに、前記耐摩耗層
    (6)の前記各発熱抵抗体(5)を被覆する部分の表面
    が印字部(6a)として形成されたサーマルヘッドにおい
    て、 前記各発熱抵抗体(5)は前記絶縁基板(2)の表面に
    埋め込まれていることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】主走査方向(X)に沿って延びる共通電極
    (3)と、先端部(4a)が主走査方向(X)に沿って列
    設されるとともに前記共通電極(3)に対向して配設さ
    れた多数の個別電極(4)と、前記対向して配設された
    各共通電極(3)および個別電極先端部(4a)をそれぞ
    れ接続する厚膜技術により形成された多数の未焼結抵抗
    体(5a)とを絶縁基板(2)表面の蓄熱層(2b)表面に
    形成して前記各未焼結抵抗体(5a)を焼成することによ
    り各発熱抵抗体(5)を形成し、前記各発熱抵抗体
    (5)を被覆する部分の表面が印字部(6a)として形成
    された耐摩耗層(6)によって前記両電極(3,4)およ
    び各発熱抵抗体(5)等の表面を被覆したサーマルヘッ
    ドの製造方法において、 前記蓄熱層(2b)を前記各未焼結抵抗体(5a)の焼成温
    度で軟化する熱軟化性材料で形成し、前記焼成時に軟化
    した蓄熱層(2b)内部に前記各未焼結抵抗体(5a)をそ
    の自重で沈み込ませることにより、絶縁基板(2)の表
    面に埋め込まれた各発熱抵抗体(5)を形成することを
    特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
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