JP2001232838A - サーマルプリントヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルプリントヘッドおよびその製造方法

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JP2001232838A
JP2001232838A JP2000046013A JP2000046013A JP2001232838A JP 2001232838 A JP2001232838 A JP 2001232838A JP 2000046013 A JP2000046013 A JP 2000046013A JP 2000046013 A JP2000046013 A JP 2000046013A JP 2001232838 A JP2001232838 A JP 2001232838A
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flat
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Shinobu Obata
忍 小畠
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分グレーズタイプのサーマルプリントヘッ
ドにおいて、高速印字させる場合、発熱抵抗体の放熱性
を高めて良好な印字を行うことのできるサーマルプリン
トヘッドを提供する。 【解決手段】 基板1上に互いに分離して形成された凸
状グレーズ層2および平坦グレーズ層3と、これら凸状
グレーズ層2と平坦グレーズ層3との相互間領域15に
形成され、凸状グレーズ層2よりも軟化点が低い材質か
らなる面グレーズ層4と、凸状グレーズ層2上に形成さ
れた発熱抵抗体7と、平坦グレーズ層3上に実装された
ドライバIC9と、発熱抵抗体7およびドライバIC9
を導通接続するための複数条の個別電極層6とを備えた
サーマルプリントヘッドであって、面グレーズ層4は、
凸状グレーズ層2と所定間隔を隔てて形成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、感熱方式または
熱転写方式等によって記録媒体に記録を行うためのサー
マルプリントヘッド、詳細には部分グレーズと呼称され
る凸状グレーズ層を基板上に形成したタイプのサーマル
プリントヘッド、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、サーマルプリントヘッド
は、感熱記録紙や熱転写インクリボン等の記録媒体に対
して選択的に熱を付与して、必要な画像情報を形成する
ものであり、通電されることにより発熱する発熱抵抗体
の形成方法により、厚膜型サーマルプリントヘッドと薄
膜型サーマルプリントヘッドとに大別される。
【0003】ここで、従来より用いられている厚膜型サ
ーマルプリントヘッドの構成の一例を、図4および図5
を参照して説明する。このサーマルプリントヘッドは、
たとえばアルミナセラミック等からなる基板31上に断
面凸レンズ状に盛り上がった凸状グレーズ層32を形成
し、この凸状グレーズ層32の上に発熱抵抗体33を設
けた構造とされ、部分グレーズタイプと称される。この
部分グレーズタイプのように、凸状グレーズ層32を凸
状に盛り上がった構造にすれば、発熱抵抗体33に対す
る感熱記録紙や熱転写インクリボン等(図示せず)の密
着性を高め、また発熱部分の蓄熱性を良好にすることが
できる。
【0004】また、基板31上には、上記凸状グレーズ
層32と別個に平坦グレーズ層34が形成され、凸状グ
レーズ層32および平坦グレーズ層34の間には、非晶
質ガラスからなる面グレーズ層35が形成されている。
平坦グレーズ層34の上面には、複数のドライバIC3
6が実装され、ドライバIC36は、平坦グレーズ層3
4、面グレーズ層35、および凸状グレーズ層32の上
面に沿って延びた個別電極層37によって、凸状グレー
ズ層32上に設けられた発熱抵抗体33と導通接続され
ている。ドライバIC36は、コート層38によってコ
ーティングされ、コート層38によって覆われていない
領域の略全面を覆うように保護層39が形成されてい
る。なお、図中、40は共通電極層、Wはワイヤをそれ
ぞれ示す。
【0005】ここで、凸状グレーズ層32と平坦グレー
ズ層34とが分離されて形成されている理由としては、
凸状グレーズ層32の盛り上がり高さを確保するためで
ある。すなわち、両グレーズ層32,34は、一般に、
ガラスペーストを所定の厚みに印刷し、これを軟化点以
上の温度で焼成することにより形成される。しかし、両
グレーズ層32,34を分離させることなく一体的に形
成すると、所定厚みに印刷されたガラスペーストが焼成
工程時において軟化してしまい、凸状グレーズ層32の
ガラスペーストが平坦グレーズ層34側に流れてしま
う。そのため、凸状グレーズ層32の盛り上がり高さを
確保することができなくなるからである。
【0006】また、凸状グレーズ層32および平坦グレ
ーズ層34の間に面グレーズ層35が形成されている理
由は、個別電極層37の欠陥を防止するためである。す
なわち、上記基板31としてはセラミック製の基板が用
いられるが、その表面は粗いため、個別電極層37を所
定のパターンに形成する場合に、たとえば凸状グレーズ
層32と平坦グレーズ層34との相互間領域における基
板31の表面部分において、基板31表面の粗さに原因
するパターン不良が生じやすく、個別電極層37が断線
状態に形成される場合が少なからずあるからである。し
たがって、凸状グレーズ層32および平坦グレーズ層3
4の間に面グレーズ層35を形成することにより、基板
31の上面に個別電極層37が直接形成されないため、
上記のような不具合を解消することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
サーマルプリントヘッドが用いられるプリンタにおい
て、高速印字の要請がある。上記したサーマルプリント
ヘッドの構成において、高速印字を可能にするために
は、発熱抵抗体33の熱応答性の関係上、上記凸状グレ
ーズ層32の厚みを薄く、かつその幅を小さくする必要
がある。しかしながら、凸状グレーズ層32を小型化す
ると、凸状グレーズ層32の熱容量が小さくなり、凸状
グレーズ層32に繋がれた面グレーズ層35の熱容量の
影響が無視できなくなる。すなわち、凸状グレーズ層3
2および面グレーズ層35において蓄熱してしまい、過
剰蓄熱による印字つぶれ、いわゆる尾引き現象を発生さ
せる可能性が高くなる。そのため、たとえば感熱紙に印
刷した場合、感熱紙が発色してしまったり、このサーマ
ルプリントヘッドで印刷したバーコード等では読み取り
エラーが生じてしまったりし、良好な印字結果を得るこ
とができない場合がある。
【0008】
【発明の開示】本願発明は、上記した事情のもとで考え
出されたものであって、部分グレーズタイプのサーマル
プリントヘッドにおいて、高速印字させる場合、発熱抵
抗体の放熱性を高めて良好な印字結果を得ることのでき
るサーマルプリントヘッドを提供することを、その課題
とする。
【0009】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0010】本願発明の第1の側面において提供される
サーマルプリントヘッドは、基板上に互いに分離して形
成された凸状グレーズ層および平坦グレーズ層と、これ
ら凸状グレーズ層と平坦グレーズ層との相互間領域に形
成され、凸状グレーズ層よりも軟化点が低い材質からな
る面グレーズ層と、凸状グレーズ層上に形成された発熱
抵抗体と、平坦グレーズ層上に実装された電子部品と、
発熱抵抗体および電子部品を導通接続するための複数条
の電極層とを備えたサーマルプリントヘッドであって、
面グレーズ層は、凸状グレーズ層と所定間隔を隔てて形
成されたことを特徴とする。
【0011】また、本願発明の第2の側面において提供
されるサーマルプリントヘッドの製造方法は、基板上に
凸状グレーズ層と平坦グレーズ層とを互いに分離して形
成する工程と、凸状グレーズ層と平坦グレーズ層との相
互間領域に、凸状グレーズ層よりも軟化点が低い材質の
非晶質ガラスペーストを印刷し、これを凸状グレーズ層
の軟化点よりも低い温度で焼成することにより、面グレ
ーズ層を形成する工程と、凸状グレーズ上に形成される
発熱抵抗体および平坦グレーズ層上に実装される電子部
品を互いに導通させるための複数条の電極層を形成する
工程とを有するサーマルプリントヘッドの製造方法であ
って、面グレーズ層を形成する工程では、面グレーズ層
を凸状グレーズ層と所定間隔を隔てて形成することを特
徴とする。
【0012】本願発明によれば、凸状グレーズ層と平坦
グレーズ層との相互間領域に形成される面グレーズ層
は、凸状グレーズ層と所定間隔を隔てて形成されるの
で、凸状グレーズ層と面グレーズ層との間に形成された
空間により、両グレーズ層が仕切られることになり、凸
状グレーズ層において過剰に蓄熱されることを防止する
ことができる。すなわち、凸状グレーズ層と面グレーズ
層とが繋がれていた従来の構成では、凸状グレーズ層お
よび面グレーズ層において過剰に蓄熱することがあった
が、本願発明の構成により、所定容量を越える熱量にな
れば、発熱抵抗体で生じた熱は、凸状グレーズ層から基
板にすみやかに伝達される。そのため、凸状グレーズ層
における熱の拡散性が向上され、高速印字する場合にお
いても、過剰蓄熱による尾引き現象等が防止され、良好
な印字結果を得ることができる。
【0013】本願発明の第3の側面において提供される
サーマルプリントヘッドは、基板上に形成された凸状グ
レーズ層と、基板上に形成され、凸状グレーズ層よりも
軟化点が低い材質からなる面グレーズ層と、凸状グレー
ズ層上に形成された発熱抵抗体と、面グレーズ層上に実
装された電子部品と、発熱抵抗体および電子部品を導通
接続するための複数条の電極層とを備えたサーマルプリ
ントヘッドであって、面グレーズ層は、凸状グレーズ層
と所定間隔を隔てて形成されたことを特徴とする。
【0014】本願発明の第4の側面において提供される
サーマルプリントヘッドの製造方法は、基板上に凸状グ
レーズ層を形成する工程と、基板上に、凸状グレーズ層
よりも軟化点が低い材質の非晶質ガラスペーストを印刷
し、これを凸状グレーズ層の軟化点よりも低い温度で焼
成することにより、面グレーズ層を形成する工程と、凸
状グレーズ上に形成される発熱抵抗体および面グレーズ
層上に実装される電子部品を互いに導通させるための複
数条の電極層を形成する工程とを有するサーマルプリン
トヘッドの製造方法であって、面グレーズ層を形成する
工程では、面グレーズ層を凸状グレーズ層と所定間隔を
隔てて形成することを特徴とする。
【0015】本願発明においては、基板表面に、凸状グ
レーズ層に対して所定間隔を隔てて面グレーズ層を形成
し、この面グレーズ層の上面に電子部品を実装している
ため、基板表面には平坦グレーズ層を形成する必要性が
なくなる。そのため、部品コストおよび作業コストの低
減化を図ることができる。また、面グレーズ層は非晶質
ガラスからなるため、その表面が滑らかに形成され、そ
の上に電子部品が実装されるので、これを適切に実装す
ることができる。さらに、電子部品と発熱抵抗体とを導
通接続するための電極層も、上記面グレーズ層上に適切
に形成することができる。
【0016】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0018】<第1実施形態>図1は、本願発明の第1実
施形態に係るサーマルプリントヘッドの一例を示す断面
図であり、図2は、図1における要部平面図である。な
お、図2には、図1における保護層8およびコート層1
3を透視した形で表している。
【0019】このサーマルプリントヘッドは、いわゆる
厚膜型と称されるタイプのものであり、アルミナセラミ
ック等の絶縁性材料からなる平板状の基板1を備えてい
る。基板1の上面には、凸状グレーズ層2、平坦グレー
ズ層3、および面グレーズ層4等の各グレーズ層2,
3,4が形成され、これらのグレーズ層2,3,4の上
面に、共通電極層5、個別電極層6、発熱抵抗体7、お
よび保護層8が形成されている。また、平坦グレーズ層
3の上面には、電子部品としてのドライバIC9が実装
されている。
【0020】凸状グレーズ層2は、基板1の表面から一
部盛り上がった断面形状を有する一定幅の帯状に形成さ
れている。凸状グレーズ層2の材質は、軟化点がたとえ
ば900〜950℃の比較的高軟化点の特性を有する非
晶質ガラスである。この凸状グレーズ層2は、その盛り
上がり高さ(厚み)がたとえば25〜30μmであり、
また、その幅Aは、たとえば500〜800μmであ
る。
【0021】平坦グレーズ層3は、基板1の表面上に、
上記凸状グレーズ層2とは一定間隔を隔てて分離したか
たちに形成されている。この平坦グレーズ層3の材質
は、たとえば凸状グレーズ層2と同一の非晶質ガラスで
あり、また、この平坦グレーズ層3の厚みは、凸状グレ
ーズ層2よりも薄めのたとえば約20μmである。
【0022】面グレーズ層4は、基板1の表面のうち、
凸状グレーズ層2と平坦グレーズ層3とが形成されてい
ない領域にわたって形成されており、詳細には、2つの
面グレーズ層4A,4Bに分割して形成されている。す
なわち、一方の面グレーズ層4Aは、凸状グレーズ層2
の両側の領域のうち、この凸状グレーズ層2と平坦グレ
ーズ層3との相互間領域15に形成されている。一方の
面グレーズ層4Aは、その一端部4aが凸状グレーズ層
2の一方の裾部2aと所定間隔B(たとえば100μ
m)、隔てて形成されており、一方の面グレーズ層4A
の他端部4bは、平坦グレーズ層3の裾部3aに重なる
ように形成されている。また、他方の面グレーズ層4B
は、上記平坦グレーズ層3とは反対側の領域16に形成
され、その一側縁部が、凸状グレーズ層2の他方の裾部
2bに重なるように形成されている。
【0023】面グレーズ層4の材質は、凸状グレーズ層
2や平坦グレーズ層3とは異なり、たとえば軟化点が約
730℃の比較的低軟化点の特性を有する非晶質ガラス
である。また、その厚みは、たとえば6〜10μmであ
り、面グレーズ層4の長さCは、たとえば2mmに設定
されている。
【0024】共通電極層5は、図2に示すように、凸状
グレーズ層2の一側方において基板1の長手方向に沿っ
て帯状に形成されたコモンライン11と、コモンライン
11から基板1の幅方向に櫛歯状に延びた櫛歯部12と
を有している。櫛歯部12は、他方の面グレーズ層4B
の上面から凸状グレーズ層2の上面に跨ったかたちに形
成されている。
【0025】個別電極層6は、複数条の櫛歯部12の各
間にそれらの各一端部が進入するようにして、基板1の
長手方向のほぼ全長に渡り複数条の櫛歯部12と交互に
配されている。具体的には、凸状グレーズ層2、基板1
の一部、面グレーズ層4、および平坦グレーズ層3の各
上面に沿うようにして複数条形成されている。
【0026】発熱抵抗体7は、複数条の櫛歯部12と複
数条の個別電極層6とに接触しつつ、これらを跨ぐよう
にして基板1の長手方向に沿って帯状に設けられてい
る。発熱抵抗体7は、たとえば酸化ルテニウム等の導電
物質からなり、櫛歯部12および個別電極層6が通電さ
れることにより発熱する。
【0027】ドライバIC9は、平坦グレーズ層3の上
面であって、基板1の幅方向他端部の位置に、基板1の
長手方向に一列になるように複数条の個別電極層6に対
して適宜数実装されている。ドライバIC9と各個別電
極層6の一端部とは、ボンディングされた金からなるワ
イヤWを介して電気的に接続されている。そして、この
ドライバIC9およびワイヤWは、樹脂製のコート層1
3によってコーティングされている。
【0028】ドライバIC9は、印字データに応じて発
熱抵抗体7への通電を制御するものである。すなわち、
各個別電極層6に対応してドライバIC9に内蔵されて
いるスイッチング素子(図示せず)がオンすると、電源
の陽極(図示せず)、共通電極層5、櫛歯部12、発熱
抵抗体7、個別電極層6、ワイヤW、ドライバIC9の
スイッチング素子、および電源の陰極(図示せず)から
なる閉ループが形成され、個別電極層6とこの個別電極
層6を挟む2つの櫛歯部12との間の発熱抵抗体7に通
電され、この通電部分が発熱する。これにより、たとえ
ば感熱紙に1ドット分の画像が印刷可能になる。
【0029】保護層8は、上記コート層13によって覆
われていない領域の略全面を覆うように形成されてい
る。この保護層8は、たとえば面グレーズ層4と同一の
非晶質ガラスからなる。
【0030】ここで、本実施形態の特徴は、上述したよ
うに、面グレーズ層4が凸状グレーズ層2と所定間隔を
隔てて形成されている点にある。すなわち、図1に示す
ように、面グレーズ層4と凸状グレーズ層2との間は、
所定間隔Bの分だけ基板1の長手方向にその表面が露出
する恰好になっており、個別電極層6の一部は、この露
出された基板1の表面に形成されることになる。
【0031】従来では、凸状グレーズ層と面グレーズ層
とが互いに直接接触して形成されていたため、高速印字
するために凸状グレーズ層を小型化に形成した場合、凸
状グレーズ層の熱容量が小さくなり、面グレーズ層の熱
容量の影響が無視できなくなって、凸状グレーズ層およ
び面グレーズ層に熱が過剰に溜まりやすくなっていた。
そのため、たとえば尾引き現象等が生じる原因になって
いた。
【0032】しかしながら、上記のように、凸状グレー
ズ層2が面グレーズ層4と所定間隔を隔てて形成されて
おれば、凸状グレーズ層2と面グレーズ層4との間に形
成された空間により、両グレーズ層2,4が仕切られる
ことになり、凸状グレーズ層2において過剰に蓄熱され
ることを防止することができる。すなわち、所定容量を
越える熱量になれば、発熱抵抗体7で生じた熱は、凸状
グレーズ層2から基板1にすみやかに伝達される。その
ため、凸状グレーズ層2における熱の拡散性が向上さ
れ、高速印字する場合においても、過剰蓄熱による尾引
き現象等が防止され、良好な印字結果を得ることができ
る。
【0033】また、面グレーズ層4の他端部4bは、平
坦グレーズ層3の裾部3aに重なるように形成されてい
るため、両グレーズ層3,4の境界部分において滑らか
に形成されることになり、この部分に個別電極層6が形
成される場合でも、パターンの断線等なく適切に形成す
ることができる。
【0034】個別電極層6は、凸状グレーズ層2および
面グレーズ層4の間の領域において、基板1の粗い表面
に直接形成されるので、個別電極層6のパターン不良が
生じやすくなるが、両グレーズ層2,4の間の所定間隔
Bの長さは、約100μmと微小に設定されるため、上
記パターン不良を生じさせる可能性を極力抑えることが
できる。なお、両グレーズ層2,4の間の所定間隔Bの
長さは、上記した約100μmに限るものではない。
【0035】次に、上記サーマルプリントヘッドの製造
方法について説明する。まず、アルミナセラミックから
なる基板1の表面に、非晶質ガラスのガラスペーストを
所定厚みになるように複数回にわたって印刷し、これを
たとえば軟化点以上の約1250℃で焼成することによ
り凸状グレーズ層2を形成する。
【0036】また、平坦グレーズ層3を、上記凸状グレ
ーズ層2を形成する場合と同様に、非晶質ガラスのガラ
スペーストを所定厚み印刷し、これをたとえば軟化点以
上の約1250℃で焼成することにより形成する。平坦
グレーズ層3は、凸状グレーズ層2との焼成と、同一工
程によって同時に行なわれてもよい。
【0037】次いで、凸状グレーズ層2および平坦グレ
ーズ層3を形成した後に、非晶質ガラスのガラスペース
トを印刷し、これを焼成することにより面グレーズ層4
を形成する。より詳細には、面グレーズ層4の一端部4
aは、凸状グレーズ層2と所定間隔を隔てて、かつ他端
部4bは、平坦グレーズ層3の裾部3aと重なるように
形成する。ただし、この焼成作業は、凸状グレーズ層2
および平坦グレーズ層3を構成する非晶質ガラスの軟化
点(900〜950℃)よりも低い温度で行なう。具体
的には、面グレーズ層4を形成するためのガラスペース
トを印刷した後に、これを約150℃で乾燥し、その後
約800℃で焼成する。
【0038】次に、上記凸状グレーズ層2、面グレーズ
層4、および平坦グレーズ層3の表面に、たとえばレジ
ネート金等を主成分とする導体ペーストをたとえば公知
のフォトリソグラフィー法を用いて印刷、焼成する。そ
の後、フォトエッチングによりレジネート金の不要部を
除去することにより、共通電極層5および個別電極層6
を形成する。
【0039】次に、公知のスクリーン印刷法を用いて、
発熱抵抗体7を形成する。発熱抵抗体7は、個別電極層
6および櫛歯部12を跨ぐように酸化ルテニウムからな
る抵抗体ペーストを帯状に印刷した後、焼成することに
よりなされる。なお、上記抵抗体ペーストの材料として
は、酸化ルテニウムに代えて、ルテニウム酸塩や酸化イ
ンジウム等が用いられてもよい。
【0040】その後、上記のように形成した共通電極層
5、個別電極層6、および発熱抵抗体7の上に、耐摩耗
性物質を含有した保護膜ペーストを印刷し、たとえば8
00℃程度で焼成することにより保護層8を形成する。
この場合、その焼成温度は、面グレーズ層4の場合と同
様に、凸状グレーズ層2の軟化点よりも低温とされる。
【0041】続いて、基板1の幅方向他端部の所定位置
に、所定数のドライバIC9を搭載し、その後、ドライ
バIC9と個別電極層6の一端部をワイヤWにより接続
する。そして、ドライバIC9およびワイヤWを覆うよ
うにコート層13を形成する。これにより、上記した構
造のサーマルプリントヘッドが得られる。
【0042】<第2実施形態>図3は、本願発明の第2
実施形態に係るサーマルプリントヘッドの一例を示す断
面図である。この第2実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドでは、基板1上に、平坦グレーズ層3が形成さ
れておらず、基板1の上面において、凸状グレーズ層2
の形成領域以外の領域における略全面にわたって、面グ
レーズ層4が形成されている。面グレーズ層4の一端部
4aは、凸状グレーズ層2の裾部2aと、所定間隔を隔
てて形成されている。そして、面グレーズ層4の上面
に、ドライバIC9が実装されている。その他の構成に
ついては、第1実施形態の構成と略同様である。
【0043】上記面グレーズ層4は、第1実施形態で述
べた面グレーズ層4と同様に、低軟化点の特性を有する
非晶質ガラスのガラスペーストを印刷し、これを、凸状
グレーズ層2を構成する高軟化点の特性を有する非晶質
ガラスの軟化点より低い温度で焼成することにより形成
される。そのため、面グレーズ層4の表面は、平滑に仕
上げられ、個別電極層6を良好に形成することができる
とともに、ドライバIC9のボンディング作業を適切に
行うことができる。
【0044】また、製造工程においては、平坦グレーズ
層3を形成する工程を省略することができるので、その
製造作業が容易になるとともに、部品コスト、作業コス
トの面で低減化を図ることができる。
【0045】もちろん、この発明の範囲は上述した実施
の形態に限定されるものではない。たとえば、基板1上
に、面グレーズ層4を設けずに、凸状グレーズ層2と平
坦グレーズ層3とが所定間隔を隔てて形成されるように
してもよい。このようにすれば、面グレーズ層4の材料
コストが不要となり、また、面グレーズ層4の製造工程
を省略することができる。
【0046】また、上記実施形態では、厚膜型のサーマ
ルプリントヘッドについて説明したが、薄膜型のサーマ
ルプリントヘッドにおいても上記した構成を適用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態に係るサーマルプリン
トヘッドの断面図である。
【図2】図1におけるサーマルプリントヘッドの要部平
面図である。
【図3】本願発明の第2実施形態に係るサーマルプリン
トヘッドの断面図である。
【図4】従来のサーマルプリントヘッドの断面図であ
る。
【図5】図4におけるサーマルプリントヘッドの要部平
面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 凸状グレーズ層 3 平坦グレーズ層 4 面グレーズ層 5 共通電極層 6 個別電極層 7 発熱抵抗体 9 ドライバIC

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に互いに分離して形成された凸状
    グレーズ層および平坦グレーズ層と、 これら凸状グレーズ層と平坦グレーズ層との相互間領域
    に形成され、上記凸状グレーズ層よりも軟化点が低い材
    質からなる面グレーズ層と、 上記凸状グレーズ層上に形成された発熱抵抗体と、 上記平坦グレーズ層上に実装された電子部品と、 上記発熱抵抗体および電子部品を導通接続するための複
    数条の電極層とを備えたサーマルプリントヘッドであっ
    て、 上記面グレーズ層は、上記凸状グレーズ層と所定間隔を
    隔てて形成されたことを特徴とする、サーマルプリント
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 基板上に凸状グレーズ層と平坦グレーズ
    層とを互いに分離して形成する工程と、 上記凸状グレーズ層と平坦グレーズ層との相互間領域
    に、上記凸状グレーズ層よりも軟化点が低い材質のガラ
    スペーストを印刷し、これを上記凸状グレーズ層の軟化
    点よりも低い温度で焼成することにより、面グレーズ層
    を形成する工程と、 上記凸状グレーズ上に形成される発熱抵抗体および上記
    平坦グレーズ層上に実装される電子部品を互いに導通さ
    せるための複数条の電極層を形成する工程とを有するサ
    ーマルプリントヘッドの製造方法であって、 上記面グレーズ層を形成する工程では、上記面グレーズ
    層を上記凸状グレーズ層と所定間隔を隔てて形成するこ
    とを特徴とする、サーマルプリントヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に形成された凸状グレーズ層と、 上記基板上に形成され、上記凸状グレーズ層よりも軟化
    点が低い材質からなる面グレーズ層と、 上記凸状グレーズ層上に形成された発熱抵抗体と、 上記面グレーズ層上に実装された電子部品と、 上記発熱抵抗体および電子部品を導通接続するための複
    数条の電極層とを備えたサーマルプリントヘッドであっ
    て、 上記面グレーズ層は、上記凸状グレーズ層と所定間隔を
    隔てて形成されたことを特徴とする、サーマルプリント
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 基板上に凸状グレーズ層を形成する工程
    と、 上記基板上に上記凸状グレーズ層よりも軟化点が低い材
    質のガラスペーストを印刷し、これを上記凸状グレーズ
    層の軟化点よりも低い温度で焼成することにより、面グ
    レーズ層を形成する工程と、 上記凸状グレーズ上に形成される発熱抵抗体および上記
    面グレーズ層上に実装される電子部品を互いに導通させ
    るための複数条の電極層を形成する工程とを有するサー
    マルプリントヘッドの製造方法であって、 上記面グレーズ層を形成する工程では、上記面グレーズ
    層を上記凸状グレーズ層と所定間隔を隔てて形成するこ
    とを特徴とする、サーマルプリントヘッドの製造方法。
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