JPH07214808A - 薄膜型サーマルプリントヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜型サーマルプリントヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH07214808A
JPH07214808A JP794594A JP794594A JPH07214808A JP H07214808 A JPH07214808 A JP H07214808A JP 794594 A JP794594 A JP 794594A JP 794594 A JP794594 A JP 794594A JP H07214808 A JPH07214808 A JP H07214808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor layer
layer
heat generating
generating portion
resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP794594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3323960B2 (ja
Inventor
Toshihiko Takakura
敏彦 高倉
Hiroaki Onishi
弘朗 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP794594A priority Critical patent/JP3323960B2/ja
Publication of JPH07214808A publication Critical patent/JPH07214808A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3323960B2 publication Critical patent/JP3323960B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 保護層の耐久性を上げ、発熱部の寿命を延長
する。 【構成】 絶縁基板12上に形成した抵抗体層14に重ねて
所定平面的形態をもつ導体層15を形成することにより、
導体層15に覆われずに露出する抵抗体層14を発熱部16と
して機能させるとともに、少なくとも発熱部ないしその
近傍表面を保護層18で覆ってなり、導体層15を高硬度・
高融点金属による下層第1導体層151 と、Alによる上層
第2導体層152 とを含むように形成する一方、第1導体
層151 の縁151aによって発熱部16を規定するとともに、
第2導体層152 の縁152aを第1導体層151 の縁151aから
所定距離後退させる。発熱部ないしその近傍の第1導体
層151 を覆う保護層18の表面硬度は少なくともヌープ硬
さで1300(Kg/mm2)以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、薄膜型サーマルプリ
ントヘッドおよびその製造方法に関し、その発熱部の耐
久性および印字効率を改善するべく案出されたものに関
する。
【0002】
【従来の技術】図14に、従来の薄膜型サーマルプリン
トヘッド1の一例の発熱部における断面構造を厚み方向
に強調して示す。アルミナセラミック等の絶縁基板2の
上に、記録紙に対する圧力集中を高めて印字効率を上げ
るべく部分グレーズ3が形成される。この部分グレーズ
3は、ガラスペーストを用いた印刷・焼成によって形成
され、焼成時におけるガラス成分の流動化に起因して、
滑らかな弓型断面を呈している。上記絶縁基板2ないし
上記部分グレーズ3の表面には、抵抗体層4がスパッタ
リング等によって薄膜形成される。次いで、アルミニウ
ム(Al)よりなる導体層5が同じくスパッタリング等
の手法によって薄膜形成される。そして、この導体層5
に対してフォトリソ工程によるエッチングが施され、部
分グレーズ3の頂部において所定幅の領域の抵抗体層4
が露出させられる。
【0003】なお、図14には詳示していないが、上記
抵抗体層4および導体層5には、平面的な所定のパター
ンニングがフォトリソ工程によって形成され、発熱部6
として機能するべき上記抵抗体層4の露出部に対して一
側(たとえば図14の左側)に配置される導体層5aが
個別電極とされ、他側(たとえば、図14の右側)の導
体層5bが共通電極とされる。
【0004】次いで、上記のように形成された抵抗体層
4および導体層5の表面が、耐酸化層7および保護層
(耐磨耗層)8によって覆われる。この耐酸化層7およ
び保護層8もまた、所定の材料を用いたスパッタリング
によって成膜されるのが普通である。各個別電極は、図
示しない駆動ICの出力パッドに対してたとえばワイヤ
ボンディングを介して結線される。また、上記共通電極
は、絶縁基板上を引き回されて図示しない端子部に導通
させられる。
【0005】いずれかの個別電極5aがオン駆動される
と、この個別電極5aの先端部と、共通電極5bの先端
部とによって挟まれる領域(発熱部6)において露出す
る抵抗体層4に電流が流れ、この部分が発熱する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記導体層
5として比較的軟質の金属であるAlが採用される理由
は、前述したように、駆動ICとの間のワイヤボンディ
ング、すなわち、キャピラリによる金線圧着ボンディン
グを適正に行う上で望ましいことによる。そして、必要
な電流容量を得るために、このAlによる導体層5の厚
みは、少なくとも1μm程度とされるのが普通である。
【0007】また、上記保護層8は、その耐磨耗性を確
保するためにたとえばTa2 5 あるいはSi3 4
が材料として採用される。耐磨耗性に重点をおこうとす
ればこの保護層8は厚いほどよいが、あまり厚くしすぎ
ると、発熱部6が発する熱を効率的に感熱記録紙あるい
はインクリボンに伝達することができない。このような
ことから、この保護層8の厚みは、4μm程度とされる
のが一般的である。
【0008】図14に示した構造例のように、部分グレ
ーズ3上に発熱部6を配置する場合、記録紙やインクリ
ボンに対する圧力集中が高められるため、発熱部6ない
しこれを覆う保護層8に所定圧力で接触しながら摺動走
行させられる記録紙やインクリボンに硬質の異物が付着
しているような場合、保護層8が図15に示すように破
損してしまうという問題が発生しえた。
【0009】保護層8は、それ自体硬質であるとはい
え、その下層に配置される導体層5が軟質であるため、
それ自体たかだか4μmの厚みしかない保護層5が硬質
の異物の衝突による衝撃に耐えきれずに破損してしまう
のである。発明者らが実験をしたところによると、図1
4の構造例において、厚さ1μmのAl導体層5を覆う
厚さ4μmの保護層8の表面硬度は、ヌープ硬さにおい
て700(Kg/mm2)程度しかないことが判明し
た。なお、保護層8の厚みをたとえば従前の一般的な厚
みのほぼ倍である8μm程度に高めた場合には、導体層
5を覆う部分についても、表面硬度が約1500(Kg
/mm2 )程度に高められ、上述のような硬質の異物の
衝突に対しても十分な耐久性が得られることもまた判明
したが、前述したように、このように保護層8の厚みを
上げると、発熱部6からの熱が効率的に記録紙やインク
リボンに伝達されず、印字ボケ等印字品質に問題を残
す。また、印字エネルギが余分に必要となるために、高
速印字、あるいは高エネルギ印字に対応できなくなる。
さらには、高速印字、あるいは高エネルギ印字を行う場
合、Alからなる導体層がさらに軟化してしまい、駆動
状態における保護層表面の実質的な硬度が低下させられ
てしまうという問題も発生する。
【0010】さらに、この種の薄膜型サーマルプリント
ヘッド1の中には、図16(a),(b),(c) および図17に
示すように、部分グレーズ3およびこれに配置される発
熱部6を基板の端縁近傍に配置した、いわゆるニアエッ
ジ型ヘッドあるいはコーナヘッドと呼ばれる構成をとる
場合がある。このような場合、発熱部6の一側(すなわ
ち、端縁側)の領域幅が狭いために共通電極を配置する
ことができず、そのために、図17に示されるようない
わゆる折り返しパターン状に導体層5および発熱部6を
配置して、2つの発熱部6で一つの印字ドットを形成す
る場合がある。
【0011】この場合についても、基板端縁部の折り返
し部に導体層5’を形成するが、この折り返し部の幅が
十分でないためにこの部からの放熱が十分に行われず、
極端な高熱にさらされる。そうすると、この折り返し部
の駆動時における導体層軟化により、その上面を覆う保
護層は、実質的にその表面硬度が低下し、破損しやすい
状況となる。とりわけ、このようなニアエッジ型ヘッド
あるいはコーナヘッドを構成するゆえんは、ヘッド全体
を傾斜させてコーナ部の発熱部に圧力集中を与えながら
記録紙に接触させ、印字効率を上げるためであり、発熱
部近傍の記録紙やインクリボンに対する接触圧は高い。
そのため、上述した保護層8の破損傾向がさらに高めら
れ、発熱部の寿命の点で問題が残る。なお、この場合に
おいても、保護層の厚みを上げることにより、発熱部の
耐久性を上げることができるが、そうすると、印字ボケ
や印字エネルギ効率の低下といった別の問題が発生する
のである。
【0012】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、印字品質の低下や印字エネルギ
効率の低下をもたらすことなく、保護層の耐破損性能を
改善し、発熱部の寿命を延長することができる新たな薄
膜型サーマルプリントヘッドおよびその製造方法を提供
することをその課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願発明では、次の各技術的手段を採用している。
【0014】すなわち、請求項1に記載した発明は、絶
縁基板上に形成した抵抗体層に重ねて所定の平面的形態
をもつ導体層を形成することにより、上記導体層に覆わ
れずに露出する上記抵抗体層を発熱部として機能させる
とともに、少なくとも上記発熱部ないしその近傍表面を
保護層で覆ってなる薄膜型サーマルプリントヘッドであ
って、上記導体層を高硬度・高融点金属による下層第1
導体層と、アルミニウム(Al)による上層第2導体層
を含むように形成する一方、上記第1導体層の縁によっ
て上記発熱部を規定するとともに、上記第2導体層の縁
を上記第1導体層の縁から所定距離後退させたことを特
徴としている。
【0015】上記高硬度・高融点金属による第1導体層
の材質としては、たとえば、Cr、Co、Ni、Ta、
NbあるいはMo等が好適に採用される(請求項2)。
【0016】上記請求項1または2のサーマルプリント
ヘッドにおいて、抵抗体層の厚みは0.01〜0.2μ
m、上記第1導体層の厚みを0.1〜0.5μm、上記
第2導体層の厚みを1ないし3μm、上記保護層の厚み
を3〜5μmとすることができる(請求項3)。
【0017】上記発熱部を覆う保護層ないし上記発熱部
を規定する上記第1導体層を覆う保護層の表面硬さは、
この部分に軟質のAlが介在しないがゆえに、ヌープ硬
さ(HK100)で少なくとも1300(Kg/mm2 )以
上、さらに好ましくは、1500(Kg/mm2 )以上
とすることができる(請求項4)。
【0018】上記各発明において、上記発熱部は、絶縁
基板上に形成した部分グレーズ上に配置することができ
る(請求項5)。
【0019】また、上記部分グレーズの配置位置によ
り、その上の発熱部の一側に配置されう導体層を共通電
極とし、上記発熱部の他側に配置される導体層を個別電
極とすることができる(請求項6)。
【0020】そして、上記部分グレーズを絶縁基板の一
側縁近傍に配置するとともに、導体層ないし発熱部のパ
ターンをいわゆる折り返し回路パターンとして形成し、
発熱部よりも基板一側縁に配置される導体折り返し部
を、上記第1導体層のみで形成することができる。この
場合、上記発熱部に対して基板他側縁側に配置される導
体層については、請求項1の発明と同様、第1導体層と
第2導体層とによって形成し、Alによって形成される
第2導体層の縁を上記発熱部を規定する第1導体層より
も後退して形成するのである(請求項7)。
【0021】上記請求項6および請求項7の発明は、絶
縁基板上に部分グレーズを形成し、その上に発熱部を配
置して、記録紙あるいはインクリボンに対する圧力集中
を高めることができるようにしたものであるが、このよ
うな部分グレーズ層とするのではなく、請求項8の発明
のように、絶縁基板上にいわゆる全面グレーズ層を形成
するとともに基板一側縁においてこのグレーズ層に傾斜
部を設け、この傾斜部上あるいはこの近傍に上記発熱部
を配置する場合もある。この場合、請求項7の発明と同
様、発熱部が基板一側縁近傍に配置されるため、導体層
ないし発熱部はいわゆる折り返し回路パターンによって
形成される。その場合においても、基板一側縁近傍の導
体層折り返し部は第1導体層のみによって形成される
(請求項8)。
【0022】請求項9に記載した発明は、上述した各薄
膜型サーマルプリントヘッドの製造方法である。すなわ
ち、この製造方法は、次の各ステップを含む。 (a) 絶縁基板上に抵抗体層、高硬度・高融点金属よりな
る下層第1導体層、Alよりなる上層第2導体層を順次
成膜するステップ。 (b) 第1回のフォトリソ工程により、上記抵抗体層、上
記第1導体層および上記第2導体層に対して同一の回路
パターンを形成するステップ。 (c) 第2回のフォトリソ工程により、上記第2導体層を
エッチングして、上記発熱部を配置するべき領域を含
み、かつそれより広い領域において上記第1導体層を露
出させるステップ。 (d) 第3回のフォトリソ工程により、上記露出させられ
た第1導体層をエッチングして上記抵抗体層を所定領域
にわたって露出させて上記発熱部を形成するステップ。 (e) 少なくとも上記発熱部ないしその近傍の導体層を保
護層で覆い、かつ、上記発熱部ないしこれを規定する第
1導体層の表面を覆う保護層の表面硬さをヌープ硬さ
(HK100)で少なくとも1300(Kg/mm2 )以上
とするステップ。
【0023】請求項10の発明は、上記各薄膜型サーマ
ルプリントヘッドの製造方法であって、請求項9に記載
した方法と異なる点は、請求項9におけるステップ(b)
とステップ(c) との順序を入れ換えたことを特徴とす
る。すなわち、抵抗体層、下層第1導体層、Alよりな
る上層第2導体層を順次成膜した後、第1回のフォトリ
ソ工程により、Alよりなる第2導体層をエッチングし
て発熱部の領域よりも広い領域をもつ第1導体層を露出
させ、その次に、抵抗体層、第1導体層および第2導体
層に対して回路パターンを形成するのである。
【0024】上記請求項9または請求項10の方法にお
いて、上記第1導体層としてはCr、Co、Ni、T
a、NbあるいはMoが好適に採用される(請求項1
1)。
【0025】さらに、上記請求項9または請求項10の
方法において、抵抗体層の厚みは、0.01〜0.2μ
m、上記第1導体層の厚みは、0.1〜0.5μm、上
記第2導体層の厚みは、1〜3μm、上記保護層の厚み
は、3〜5μmとすることができる(請求項12)。
【0026】
【発明の作用および効果】本願発明の薄膜型サーマルプ
リントヘッドにおける導体層は、下層第1導体層が高硬
度・高融点金属によって形成されているが、上層第2導
体層がAlによって形成されているため、この導体層に
よって形成される電極と駆動ICとの間のワイヤボンデ
ィングによる接続が好適に行われる。そして、本願発明
においては、従来例のように、Alによる導体層のみが
発熱部を規定するのではなく、発熱部は、高硬度・高融
点金属による第1導体層によってのみ規定される。こう
して規定される発熱部を挟んでその両側に延びる第1導
体層に重なる第2導体層の端部は、第1導体層の端部か
ら所定距離退避させられている。
【0027】したがって、発熱部ないしこれを挟んで位
置する第1導体層が、発熱部よりも広い領域において高
硬度表面を形成する。そのため、この発熱部ないし第1
導体層を覆う保護層の表面硬度は、発熱部ないし第1導
体層の表面硬さを反映して、比較的高く維持することが
できる。その結果、発熱部ないしその近傍においてこれ
を覆う保護層が所定の圧力をもって摺動する記録紙ある
いはインクリボンに接触させられ、かつこれに付着する
硬質の異物による衝突を受けたとしても、その衝撃によ
って保護層が容易に破損してしまうといった事態を有効
に回避することができる。また、保護層の厚みを必要以
上に高めなくともその表面硬度を所定以上に維持するこ
とができるので、発熱部によるエネルギ効率および印字
品質もまた、高度に維持される。
【0028】上記第1導体層の材質として、Cr、C
o、Ni、Ta、NbあるいはMoが好適に採用され、
スパッタリングあるいはCVDによる成膜を好適に行う
ことができる(請求項2)。
【0029】請求項1の基本的構成に従えば、請求項3
に記載したように、上記保護層の厚みを3〜5μmとい
う、印字品質保持およびエネルギ効率の面で適正な厚み
に保持したとしても、請求項4に記載したように、発熱
部ないしこれを規定する第1導体層を覆う保護層の表面
硬さをヌープ硬さ(HK100)で、少なくとも1300
(Kg/mm2 )以上とすることができる。
【0030】請求項5のように、上記発熱部を絶縁基板
上に形成した部分グレーズ上に配置すれば、発熱部の記
録紙あるいはインクリボンに対する圧力集中をより高め
ることができ、印字エネルギ効率および印字品質をさら
に高めることができる。
【0031】さらに、請求項7に記載したように、上記
部分グレーズを絶縁基板の一側縁近傍に配置し、その部
分グレーズ上に発熱部を形成して、いわゆるニアエッジ
型ヘッドあるいはコーナヘッドを構成すれば、発熱部を
より効果的に記録紙あるいはインクリボンに接触走行さ
せることができ、印字品質あるいはエネルギ効率を高度
に維持することができる。なおこの場合、発熱部よりも
基板一側縁までの領域が狭く、いわゆる折り返し回路パ
ターンによって導体層ないし発熱部を形成せざるをえな
いが、この導体層における折り返し部を高硬度・高融点
金属による第1導体層のみによって形成すると、上記導
体層の局部的な温度上昇に対しても十分に導体層に耐久
性を与えることができ、このことも、発熱部ないしその
近傍を覆う保護層の耐久性の向上に大きく寄与する。
【0032】さらに、コーナヘッドを形成するにあた
り、上記請求項7の発明のように部分グレーズを基板一
側縁近傍に配置する他、請求項8のように、基板上に形
成した全面グレーズ層の基板一側部傾斜部を設け、この
傾斜部あるいはその近傍に発熱部を配置することができ
る。この場合においても、発熱部よりも基板一側縁まで
の領域が狭いため、いわゆる折り返し回路パターンによ
って抵抗体層ないし発熱部を形成せざるをえない。この
場合、上記導体層の繰り返し部は、請求項7の発明と同
様、第1導体層のみによって形成されることになる。こ
の請求項8のサーマルプリントヘッドにおいても、発熱
部がグレーズ層に形成した傾斜部ないしはその近傍に形
成されているため、記録紙あるいはインクリボンに対す
る圧力集中が適度に高められ、エネルギ効率および印字
品質を高めることができる。また、導体層の折り返し部
が高硬度・高融点金属である第1導体層によって形成さ
れているため、局部的な温度上昇に対する耐久性が高め
られ、かつ発熱部ないしこれを規定する第1導体層を覆
う保護層の表面硬度も十分な硬度に維持され、硬質の異
物による衝突に対する保護層の耐久性が高められる。
【0033】以上の他、本願発明の薄膜型サーマルプリ
ントヘッドにおいては、発熱部が高硬度・高融点金属で
ある第1導体層によってのみ規定されていることから、
発熱部近傍が高熱に耐えられることになり、したがっ
て、高い印字エネルギを付加した高速印字が可能とな
る。さらに、抵抗体層、下層第1導体層、上層第2導体
層との間の良好な導通が得られるため、信頼性の高いサ
ーマルプリントヘッドの製造が可能となる。
【0034】上記した薄膜型サーマルプリントヘッド
は、請求項9に記載したように、絶縁基板上に抵抗体
層、第1導体層、第2導体層を順次スパッタリングある
いはCVD等によって成膜した後、複数回のフォトリソ
工程を経て形成することができる。請求項9に記載した
方法においては、まず第1回のフォトリソ工程により、
上記抵抗体層、第1導体層および第2導体層に対して同
一の回路パターンを形成した後、第2回のフォトリソ工
程によってAlからなる第2導体層をエッチングして、
発熱部を含み、かつそれより広い領域において第1導体
層を露出させ、第3回のフォトリソ工程により、上述の
ように露出された第1導体層をエッチングして、抵抗体
層を所定領域にわたって露出させて発熱部を形成する。
このように、本願発明のサーマルプリントヘッドは、薄
膜型サーマルプリントヘッドの従前の製造手法を踏襲し
て行うことができ、その実施は容易である。
【0035】そして、請求項10の方法によって本願発
明の薄膜型サーマルプリントヘッドを製造すれば、さら
に次のような利点が得られる。
【0036】すなわち、請求項10の方法においては、
まず、抵抗体層、第1導体層、第2導体層を順次スパッ
タリングあるいはCVD等によって成膜した後、Alよ
りなる第2導体層をエッチングする。しかる後に、抵抗
体層、第1導体層および第2導体層に対して回路パター
ンを形成するのである。
【0037】この方法によれば、第2回の回路パターン
形成のためのエッチングを行うに際し、発熱部近傍にお
ける第2導体層はすでに第1回のフォトリソ工程によっ
て除去されているため、Alのオーバエッチの影響をな
くすことができる。そのため、各発熱部(すなわち発熱
ドット)間の隙間をより小さくすることができ、プリン
トヘッドのドット密度をそれだけ高めることができる。
このことは、より印字密度の高い印字を高品質において
行うことができることを意味する。もちろん、この方法
において製造されたサーマルプリントヘッドは、上述し
たのと同様の優れた利点を備えるのである。
【0038】
【実施例の説明】以下、本願発明の好ましい実施例を図
面を参照しつつ具体的に説明する。
【0039】図1は、本願発明の薄膜型サーマルプリン
トヘッド11の発熱部における構造を厚み方向に強調し
て示した断面図であり、図2は、図1の構造をもつサー
マルプリントヘッド11の発熱部近傍のパターン形状を
平面的に示す。
【0040】図1に示されるように、アルミナセラミッ
ク等でできた絶縁基板12上には、部分グレーズ13が
形成される。この部分グレーズ13は、たとえばガラス
ペーストを用いた印刷・焼成によって形成され、焼成時
においてガラス成分が流動化させられた後固化するた
め、この部分グレーズ13は、滑らかな弓型断面を呈す
ることになる。
【0041】絶縁基板12ないしこの部分グレーズ13
の表面には、抵抗体層14が形成される。この抵抗体層
14は、たとえば、TaSiO2 を用いたスパッタリン
グにより、0.01〜0.2μmの厚みに成膜される。
次いで、部分グレーズ層13の頂部において所定領域に
わたって上記抵抗体層14を露出させるようにして、導
体層15が形成される。本願発明においては、この導体
層15を、高硬度・高融点金属よりなる下層第1導体層
151と、Alよりなる上層第2導体層152とに分け
て形成している。
【0042】上記第1導体層151の材質としては、た
とえばCr、Co、Ni、Ta、NbあるいはMoが好
適に採用される。そしてその形成手法は、スパッタリン
グあるいはCVD等の薄膜形成手法が採用され、その厚
みとしては、0.1〜0.5μmが好適に採用される。
また、Alよりなる第2導体層152の形成もまた、ス
パッタリングあるいはCVDによる薄膜形成手法が採用
され、厚みとしては、その電流容量を考慮して、1〜3
μmが好適に採用される。
【0043】図1に表れているように、本願発明におい
ては、抵抗体層14が露出させることによって形成され
る発熱部16は、第1導体層151のみによって規定さ
れており、第2導体層152の縁152aは、発熱部1
6を挟む上記第1導体層151の縁151aから所定距
離後退させられている。第2導体層152の後退距離
は、プラテン等によって発熱部に圧接される記録紙ある
いはインクリボンの圧接の影響が第2導体層152には
それほど及ばないように設定される。換言すると、記録
紙あるいはインクリボンの圧接力を、主として発熱部1
6ないしこれを規定する第1導体層151の領域によっ
て受けるようになすのである。
【0044】上記抵抗体層14、第1導体層151、お
よび第2導体層152の平面的なパターンは、図2に示
すようになっている。各発熱部16が部分グレーズ13
の長手方向に独立して並び、各発熱部16から基板他側
方(図の左方)に延びる導体層15aは個別電極を形成
して、図示しない駆動ICの出力パッドに対してそれぞ
れワイヤボンディングによって結線される。また、各発
熱部16から基板一側部(図の右方)に延びる導体層1
5bは、共通電極を形成する。この共通電極は、基板適
部に設けた端子に引き回される。
【0045】上記のようにして発熱部16ないし導体層
15が形成された基板には、たとえば、SiO2 等を材
質とする耐酸化層17がスパッタリング等によって形成
された後、たとえば、Ta2 5 、あるいはSi3 4
等を材料とするスパッタリングあるいはCVD等による
成膜手法により、保護層18が形成される。上記耐酸化
層17の厚みは、たとえば0.5〜1.5μmに設定さ
れ、上記保護層18の厚みは、たとえば3〜6μmに設
定される。
【0046】上記の構成において、いずれかの個別電極
15aがオン駆動されると、上記第1導体層151の縁
151aによって規定される抵抗体層14からなる発熱
部16が個別に発熱駆動される。
【0047】部分グレーズ13上に直接成膜される抵抗
体層14の表面硬度は高く、かつ上記第1導体層151
はそれ自体高硬度・高融点金属によって薄状に形成され
ているためにその表面硬度は高い。したがって、上記発
熱部16ないし第1導体層151を覆う保護層18の厚
みを前述したように3〜6μm、好適には約4μmとし
ても、その表面硬度をヌープ硬さ(HK100)において1
300(Kg/mm2)以上、好適には1500(Kg
/mm2 )以上に維持することができる。
【0048】同様の保護層厚みについて図15に示した
構造をもつ従来例においては、Alよりなる導体層15
を覆う保護層表面の硬度がヌープ硬さでたかだか700
(Kg/mm2 )しかなかったことに比較し、本願発明
の構造をもつサーマルプリントヘッドにおける発熱部1
6ないしその近傍の保護層18表面硬さは著しく高めら
れている。
【0049】本願発明では特に、プラテンによって記録
紙ないしはインクリボンから圧力を受ける領域の保護層
の硬度を上述のように高めているため、仮に所定の接触
圧を受けながら保護層表面を摺動する記録紙あるいはイ
ンクリボンに付着する高硬度の異物が保護層に衝突した
としても、これに対する耐久性は十分に維持され、図1
5に示すような保護層の破損が起こらなくなる。しか
も、保護層の厚みを適正に設定することができるので、
必要以上の印字エネルギの付加を必要とすることなく、
高品位の印字を達成することができるのである。
【0050】また、発熱部16を規定する第1導体層1
51は、高硬度・高融点金属によって形成されているた
め、発熱部近傍の導体層15が高熱に耐えられることに
なり、高い印字エネルギを付加して、さらに高速の印字
が可能となる。高速印字を行う場合、記録紙上に付着し
ている高硬質の異物が従来より高速で保護層に衝突する
ことになるが、このような異物の衝突に起因した保護層
の破損もまた前述したように有効に回避され、発熱部の
寿命が飛躍的に延長されるのである。
【0051】次に、図3ないし図6を参照し、図1およ
び図2に示した構造をもつ薄膜型のサーマルプリントヘ
ッド11の製造方法の一例を説明する。
【0052】まず、図3に示すように、絶縁基板12上
に部分グレーズ13を形成した後、抵抗体層14、第1
導体層151、および第2導体層152を、順次スパッ
タリングあるいはCVD等の薄膜形成手法によって積層
状に形成する。抵抗体層14、第1導体層151、およ
び第2導体層152の材質およびその好適な厚みは、前
述したとおりである。
【0053】次いで、図4に示すように、第1回のフォ
トリソ工程により、上記抵抗体層14、第1導体層15
1、および第2導体層152に対し、同一の回路パター
ンを形成する。本実施例の場合、図4に示すように、各
層14,151,152に対し、部分グレーズ13の幅
方向に延びるスリット19を等間隔に形成する。なお、
スリット19は途中で終わっており、部分グレーズ13
の基板一側方において導体層15が共通電極として機能
することが予定される。一方、上記スリット19は、基
板他側方(図の左方)に延び、独立させられた導体層1
5が個別電極として機能することが予定される。
【0054】次いで、図5に示すように、第2回のフォ
トリソ工程により、上記Alよりなる第2導体層152
のみがエッチングされ、その下層の第1導体層151が
露出させられる。なお、この第1導体層151のグレー
ズ幅方向の露出幅は、部分グレーズ13上に形成される
べき発熱部16の幅に対して部分グレーズ幅方向に十分
広いものとされる。
【0055】次いで、図6に示すように、第3回のフォ
トリソ工程により、上記第1導体層151のみがエッチ
ングされ、その下層の抵抗体層14が部分グレーズの幅
方向所定幅において露出させられる。こうして、第1導
体層151によって平面的に挟まれるようにして露出さ
せられる抵抗体層14が、発熱部16として機能する。
【0056】次いで、図1に表れているように、SiO
2 等による耐酸化層17およびTa 2 5 あるいはSi
2 4 による保護層18が、スパッタリングあるいはC
VD等による薄膜形成手法によって形成される。この耐
酸化層17および保護層18の好適な厚みは、前述した
とおりである。
【0057】そうして、図6において発熱部よりも基板
他側方(図の左方)に配置される導体層15、すなわ
ち、第2導体層152に対し、図示しない駆動ICの出
力パッドとの間のワイヤボンディングによる結線が行わ
れる。
【0058】このように図3ないし図6に示しかつこれ
を参照して説明した上述の手法は、フォトリソ工程によ
るパターンニングを中心とした従前の製法を踏襲したも
のであり、その実施は容易に行える。
【0059】次に、図7ないし図10を参照し、図1お
よび図2に示した前述の薄膜型サーマルプリントヘッド
の製造方法の他の例について説明する。
【0060】まず、図7に示すように、絶縁基板12上
に部分グレーズ13を形成するとともに、抵抗体層1
4、第1導体層151および第2導体層152を積層状
に形成する。これら各層の形成手法は、前述と同様に行
える。
【0061】次に第1回目のフォトリソ工程により、図
8に示すように、第2導体層152のみにエッチングを
施し、第1導体層151を部分グレーズの幅方向所定幅
にわたって露出させる。こうして露出する第1導体層1
51の幅は、前述と同様、発熱部16を形成するべき幅
よりも広幅である。
【0062】次いで、図9に示すように、第2回のフォ
トリソ工程により、上記各層14,151,152に対
し、同一の回路パターンを形成する。この場合、発熱部
16を形成するべき領域ないしそれを挟む所定幅の領域
は、既にAlよりなる第2導体層152が除去されてい
るため、比較的厚みのあるAlをエッチングする時に生
じるオーバエッチの影響が発熱部16を形成するべき領
域ないしその近傍領域に及ばず、これらを区切るスリッ
ト19の幅をきわめて小さくすることができる。
【0063】次に、図10に示すように、第3回のフォ
トリソ工程により、第1導体層151のみエッチングを
施し、抵抗体層14をグレーズ幅方向所定幅にわたって
露出させ、発熱部16を形成する。
【0064】次いで耐酸化層17および保護層18の形
成が、上述した例と同様に行われる。
【0065】この方法によれば、とりわけ第2回のエッ
チングによる回路パターン形成に際し、発熱部16ない
しその近傍の第1導体層151を部分グレーズ長手方向
に区切るスリット19をきわめて細幅とすることができ
るため、発熱部のドット密度を従前に比較してさらに高
めることができ、高精細度の印字の要求に対処すること
ができるようになる。
【0066】以上の方法によって形成された薄膜型サー
マルプリントヘッドが前述したのと同様の作用効果を奏
することができるのは明らかであろう。
【0067】図11および図12は、部分グレーズ13
を絶縁基板12の一側縁近傍に配置し、その部分グレー
ズ上に発熱部16を形成するようにした薄膜サーマルプ
リントヘッド11の構造例を示している。この場合、発
熱部16に対して基板一側方(すなわち図11において
右方)の領域幅がきわめて狭いため、図1に示した構造
例のように共通電極を形成することができず、したがっ
て、図12に示すように、いわゆる折り返し回路パター
ンにより、2つの発熱部が1つの印字ドットを形成する
ことになる。この場合、発熱部16より基板一側方(図
11の右方)に位置する折り返し導体層151’は、本
願発明においては、高硬度・高融点金属よりなる第1導
体層151のみによって形成する。一方発熱部16の基
板他側方は第1導体層151と第2導体層152とによ
って導体層15を形成する。この場合においても、第2
導体層152の端縁は、第1導体層151の端縁よりも
所定距離後退させられており、発熱部16を第1導体層
151のみによって規定する。これにより、発熱部16
ないし第1導体層151を覆う保護層18の表面硬度が
高く維持されるのであり、この点において、この実施例
についても、本願発明思想を利用したものであるという
ことができる。
【0068】とりわけ、発熱部16に対して基板一側方
に位置する折り返し導体層151’は、熱の逃げ場が少
なく、したがって、きわめて高温にさらされることにな
るが、本願発明においては、この部分を高融点金属によ
って形成しているため、このような高温にも十分に耐え
ることができ、高エネルギによる高速印字にも十分対応
することができる。
【0069】なお、この実施例においても、抵抗体層1
4、第1導体層151、第2導体層152、の形成手法
およびその好適な厚みは、前述した実施例と同様にする
ことができる。また、耐酸化層17および保護層18の
形成手法およびこの好適な厚みについても、前述した実
施例と同様にすることができる。
【0070】図13は、本願発明の薄膜型サーマルプリ
ントヘッド11のさらに他の実施例を示している。前述
した実施例はいずれも絶縁基板上に部分グレーズを設
け、この部分グレーズ上に発熱部を配置するように構成
したものである。これに対し、図13に示した構造例で
は、絶縁基板12にいわゆる全面グレーズ層13’をガ
ラス等を材料として形成するとともに、基板一側縁にお
いてこのグレーズ層13に傾斜部20を設け、この傾斜
部ないしその近傍に発熱部16を形成するべく、各導体
層14,151,152を構成している。この場合につ
いても、発熱部16を第1導体層151のみによって規
定し、第2導体層152を第1導体層151の端部より
も後退させている。この点において、この実施例は図1
1に示した構造例と近似しており、かつ本願発明思想を
利用したものであるということができる。
【0071】この構造例においても、発熱部16よりも
基板一側方(図13の右方)の領域が狭いため、いわゆ
る共通電極を形成することができず、いわゆる折り返し
パターン回路を採用せざるをえない。この場合について
も、発熱部16よりも基板一側方に位置する折り返し導
体層については、高硬度・高融点金属からなる第1導体
層151のみによって形成するのであり、この点図11
および図12に示した例と同様の作用効果を期待するこ
とができる。
【0072】以上説明したように、本願発明によれば、
駆動ICとの間のワイヤボンディングによる結線を適正
に行うことができながら、発熱部ないしその近傍を覆う
保護層の硬度を、この保護層それ自体の厚みを増すこと
なく適正に高めることができるのであり、印字ボケ等の
印字品質の低下を招くことなく、記録紙やインクリボン
に付着する硬質の異物の衝突による保護層の破損を効果
的に回避し、発熱部の寿命を著しく延長することができ
る。また、発熱部を規定する第1導体層が高温に耐える
ことができるため、高エネルギを付加したさらなる高速
印字にも対応することができる。この場合、記録紙が相
対的に従来よりも高速で摺動接触することから、硬質の
異物の衝突衝撃もそれだけ増すことになるが、本願発明
においては、かかる硬質の異物の衝突に対しても十分に
耐えることができるようになる。
【0073】もちろん、本願発明の範囲は上述した実施
例に限定されるものではなく、抵抗体層14、第1導体
層151の材質は、本願発明思想に適合する限りにおい
て、適当な材質を採用することができる。また、保護層
18の材質についても同様である。
【0074】また、図16(c) の構造例にも本願発明を
適用しうることは明らかである。
【0075】さらに、部分グレーズを設けるのではな
く、全面グレーズを形成した上で、発熱部ないしこれを
規定する導体層を平面的に形成する場合もあるが、この
場合についても同様に本願発明を適用して、発熱部ない
しその近傍を覆う保護層の耐久性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の薄膜型サーマルプリントヘッドの発
熱部の構造例を厚み方向に強調して示す断面図である。
【図2】図1に示す例の回路パターン例を示す平面図で
ある。
【図3】図1に示す例の製造方法の一例の説明図であ
る。
【図4】図1に示す例の製造方法の一例の説明図であ
る。
【図5】図1に示す例の製造方法の一例の説明図であ
る。
【図6】図1に示す例の製造方法の一例の説明図であ
る。
【図7】図1に示す例の製造方法の他の例の説明図であ
る。
【図8】図1に示す例の製造方法の他の例の説明図であ
る。
【図9】図1に示す例の製造方法の他の例の説明図であ
る。
【図10】図1に示す例の製造方法の他の例の説明図で
ある。
【図11】本願発明の薄膜型サーマルプリントヘッドの
発熱部の他の構造例を厚み方向に強調して示す断面図で
ある。
【図12】図11に示す例の回路パターン例を示す平面
図である。
【図13】本願発明の薄膜型サーマルプリントヘッドの
発熱部のさらに他の構造例を厚み方向に強調して示す断
面図である。
【図14】従来の薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱
部の構造例を厚み方向に強調して示す断面図である。
【図15】図14に示す構造例の問題点の説明図であ
る。
【図16】従来の薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱
部の他の構造例を厚み方向に強調して示す断面図であ
る。
【図17】図16に示す例の回路パターン例を示す平面
図である。
【符号の説明】
11 サーマルプリントヘッド 12 絶縁基板 13 部分グレーズ 13’ グレーズ層 14 抵抗体層 15 導体層 151 第1導体層 152 第2導体層 16 発熱部 17 耐酸化層 18 保護層 19 スリット 20 傾斜部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成した抵抗体層に重ねて
    所定の平面的形態をもつ導体層を形成することにより、
    上記導体層に覆われずに露出する上記抵抗体層を発熱部
    として機能させるとともに、少なくとも上記発熱部ない
    しその近傍表面を保護層で覆ってなる薄膜型サーマルプ
    リントヘッドであって、 上記導体層を高硬度・高融点金属による下層第1導体層
    と、Alによる上層第2導体層を含むように形成する一
    方、 上記第1導体層の縁によって上記発熱部を規定するとと
    もに、上記第2導体層の縁を上記第1導体層の縁から所
    定距離後退させたことを特徴とする、薄膜型サーマルプ
    リントヘッド。
  2. 【請求項2】 上記第1導体層をCr、Co、Ni、T
    a、NbまたはMoによって形成したことを特徴とす
    る、請求項1の薄膜型サーマルプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 上記抵抗体層の厚みを0.01〜0.2
    μmとし、上記第1導体層の厚みを0.1〜0.5μm
    とし、上記第2導体層の厚みを1〜3μmとし、上記保
    護層の厚みを3〜5μmとしたことを特徴とする、請求
    項1または2の薄膜型サーマルプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 上記発熱部を覆う保護層ないし発熱部を
    規定する上記第1導体層を覆う保護層の表面硬さをヌー
    プ硬さ(HK100)で少なくとも1300(Kg/m
    2 )以上としたことを特徴とする、請求項3の薄膜型
    サーマルプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 上記発熱部を絶縁基板上に形成した部分
    グレーズ上に配置したことを特徴とする、請求項1ない
    し4のいずれかの薄膜型サーマルプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 上記部分グレーズ上の発熱部の一側に配
    置される導体層は共通電極を形成し、上記発熱部の他側
    に配置される導体層は個別電極を形成している、請求項
    5の薄膜型サーマルプリントヘッド。
  7. 【請求項7】 上記部分グレーズは上記絶縁基板の一側
    近傍に配置されるとともに、この部分グレーズ上の発熱
    部に対して基板一側縁側に配置される上記導体層は、上
    記第1導体層のみで形成され、基板他側縁側に配置され
    る上記導体層は上記第1導体層と上記第2導体層とによ
    って形成され、上記発熱部ないし導体層は折り返し回路
    パターンとして形成されている、請求項5の薄膜型サー
    マルプリントヘッド。
  8. 【請求項8】 上記絶縁基板上にグレーズ層を形成する
    とともに、基板一側部において上記グレーズ層に傾斜部
    を設け、上記発熱部を上記傾斜部に形成する一方、上記
    発熱部に対して基板一側縁側に配置される上記導体層
    は、上記第1導体層のみで形成され、基板他側縁側に配
    置される上記導体層は上記第1導体層と上記第2導体層
    とによって形成され、上記発熱部ないし導体層は折り返
    し回路パターンとして形成されている、請求項1ないし
    4のいずれかの薄膜型サーマルプリントヘッド。
  9. 【請求項9】 絶縁基板上に形成した抵抗体層に重ねて
    所定の平面的形態をもつ導体層を形成することにより、
    上記導体層に覆われずに露出する上記抵抗体層を発熱部
    として機能させるとともに、少なくとも上記発熱部ない
    しその近傍表面を保護層で覆ってなる薄膜型サーマルプ
    リントヘッドの製造方法であって、次の各ステップを含
    むことを特徴とするもの。 (a) 絶縁基板上に抵抗体層、高硬度・高融点金属よりな
    る下層第1導体層、Alよりなる上層第2導体層を順次
    成膜するステップ。 (b) 第1回のフォトリソ工程により、上記抵抗体層、上
    記第1導体層および上記第2導体層に対して同一の回路
    パターンを形成するステップ。 (c) 第2回のフォトリソ工程により、上記第2導体層を
    エッチングして、上記発熱部を配置するべき領域を含
    み、かつそれより広い領域において上記第1導体層を露
    出させるステップ。 (d) 第3回のフォトリソ工程により、上記露出させられ
    た第1導体層をエッチングして上記抵抗体層を所定領域
    にわたって露出させて上記発熱部を形成するステップ。 (e) 少なくとも上記発熱部ないしその近傍の導体層を保
    護層で覆い、かつ、上記発熱部ないしこれを規定する第
    1導体層の表面を覆う保護層の表面硬さをヌープ硬さ
    (HK100)で少なくとも1300(Kg/mm2 )以上
    とするステップ。
  10. 【請求項10】 絶縁基板上に形成した抵抗体層に重ね
    て所定の平面的形態をもつ導体層を形成することによ
    り、上記導体層に覆われずに露出する上記抵抗体層を上
    記発熱部として機能させるとともに、少なくとも上記発
    熱部ないしその近傍表面を覆う保護層で覆ってなる薄膜
    型サーマルプリントヘッドの製造方法であって、次の各
    ステップを含むことを特徴とするもの。 (a) 絶縁基板上に抵抗体層、高硬度・高融点金属よりな
    る下層第1導体層、Alよりなる上層第2導体層を順次
    成膜するステップ。 (b) 第1回のフォトリソ工程により、上記第2導体層を
    エッチングして、上記発熱部を配置するべき領域を含
    み、かつそれより広い領域において上記第1導体層を露
    出させるステップ。 (c) 第2回のフォトリソ工程により、上記抵抗体層、上
    記第1導体層および上記第2導体層に対して同一の回路
    パターンを形成するステップ。 (d) 第3回のフォトリソ工程により、上記露出させられ
    た第1導体層をエッチングして上記抵抗体層を所定領域
    にわたって露出させて上記発熱部を形成するステップ。 (e) 少なくとも上記発熱部ないしその近傍の導体層を保
    護層で覆い、かつ、上記発熱部ないしこれを規定する第
    1導体層の表面を覆う保護層の表面硬さをヌープ硬さ
    (HK100)で少なくとも1300(Kg/mm2 )以上
    とするステップ。
  11. 【請求項11】 上記第1導体層をCr、Co、Ni、
    Ta、NbまたはMoによって形成することを特徴とす
    る、請求項10の薄膜型サーマルプリントヘッドの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 上記抵抗体層の厚みを0.01〜0.
    2μmとし、上記第1導体層の厚みを0.1〜0.5μ
    mとし、上記第2導体層の厚みを1〜3μmとし、上記
    保護層の厚みを3〜5μmとすることを特徴とする、請
    求項10の薄膜型サーマルプリントヘッドの製造方法。
JP794594A 1994-01-27 1994-01-27 薄膜型サーマルプリントヘッド Expired - Fee Related JP3323960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP794594A JP3323960B2 (ja) 1994-01-27 1994-01-27 薄膜型サーマルプリントヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP794594A JP3323960B2 (ja) 1994-01-27 1994-01-27 薄膜型サーマルプリントヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07214808A true JPH07214808A (ja) 1995-08-15
JP3323960B2 JP3323960B2 (ja) 2002-09-09

Family

ID=11679640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP794594A Expired - Fee Related JP3323960B2 (ja) 1994-01-27 1994-01-27 薄膜型サーマルプリントヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3323960B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006103302A (ja) * 2004-09-08 2006-04-20 Alps Electric Co Ltd サーマルヘッド及びその製造方法
JP2006321093A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Alps Electric Co Ltd サーマルヘッド及びその製造方法
JP2009202349A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Kyocera Corp 記録ヘッド、及びこれを備えた記録装置
JP2010105236A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Kyocera Corp 記録ヘッドおよびこれを備える記録装置
EP3461644A1 (en) * 2017-09-29 2019-04-03 Kyocera Corporation Thermal head and thermal printer
CN114434975A (zh) * 2020-10-30 2022-05-06 深圳市博思得科技发展有限公司 热敏打印头及其制作方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006103302A (ja) * 2004-09-08 2006-04-20 Alps Electric Co Ltd サーマルヘッド及びその製造方法
JP4589800B2 (ja) * 2004-09-08 2010-12-01 アルプス電気株式会社 サーマルヘッド及びその製造方法
JP2006321093A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Alps Electric Co Ltd サーマルヘッド及びその製造方法
JP4541229B2 (ja) * 2005-05-18 2010-09-08 アルプス電気株式会社 サーマルヘッド及びその製造方法
JP2009202349A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Kyocera Corp 記録ヘッド、及びこれを備えた記録装置
JP2010105236A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Kyocera Corp 記録ヘッドおよびこれを備える記録装置
EP3461644A1 (en) * 2017-09-29 2019-04-03 Kyocera Corporation Thermal head and thermal printer
CN109572230A (zh) * 2017-09-29 2019-04-05 京瓷株式会社 热敏头以及热敏打印机
CN114434975A (zh) * 2020-10-30 2022-05-06 深圳市博思得科技发展有限公司 热敏打印头及其制作方法
CN114434975B (zh) * 2020-10-30 2024-01-05 深圳市博思得科技发展有限公司 热敏打印头及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3323960B2 (ja) 2002-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6371529B2 (ja) サーマルプリントヘッド、サーマルプリンタ
JPWO2005120841A1 (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
US20070040868A1 (en) Thermal printhead
JP4241789B2 (ja) サーマルヘッド及びその製造方法
KR100187606B1 (ko) 서멀프린트헤드
JP4541229B2 (ja) サーマルヘッド及びその製造方法
JPH07214808A (ja) 薄膜型サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
US5917531A (en) Thermal head and method of manufacturing the same
WO2005025877A1 (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP2001232838A (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP3298780B2 (ja) サーマルヘッドおよびサーマルヘッドの製造方法
JPH08310024A (ja) 薄膜型サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP2000127471A (ja) 厚膜型サーマルプリントヘッド、およびその製造方法
EP1077136B1 (en) Thick-film thermal print head
JP3825047B2 (ja) サーマルヘッドにおける共通電極パターンに対する補助電極層の形成方法
US6201558B1 (en) Thermal head
JPH10250127A (ja) サーマルヘッド
JPH03239562A (ja) サーマルヘッド
JP2006312244A (ja) サーマルヘッド及びその製造方法
JPH0825669A (ja) サーマルヘッドおよびその製造方法
JP3683745B2 (ja) サーマルヘッド
JP2016215389A (ja) サーマルプリントヘッド
JP2731445B2 (ja) サーマルヘッド
JPH07205465A (ja) サーマルヘッド及びその製造方法
JP2022112463A (ja) サーマルプリントヘッド、サーマルプリンタおよびサーマルプリントヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees