JP4589800B2 - サーマルヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば熱転写型プリンタに搭載されるサーマルヘッド及びその製造方法に関する。
サーマルヘッドは、放熱性に優れた基板上に、例えばガラス等の高断熱材料からなる蓄熱層と、通電により発熱する複数の発熱抵抗体と、全発熱抵抗体に共通に導通接続したコモン電極と、各発熱抵抗体に個別に導通接続した複数の個別電極とを備え、コモン電極及び個別電極を介して発熱させた発熱抵抗体をインクリボンまたは印刷媒体(感熱紙)に圧接することで印刷動作する。従来のサーマルヘッドには、印刷品質を向上させるため、基板自体を凸形状とするあるいは平坦な基板上に蓄熱層で凸形状を形成する等して、印刷時に印刷媒体に対して接触応力を加えるようにした凸型基板タイプが多用されている。またコモン電極と個別電極は、一般的には発熱抵抗体の抵抗長方向の両端部にそれぞれ接続されて該抵抗長方向に一直線状に配置されるが、基板サイズを小さく且つ発熱抵抗体を基板の端に配置できるように、コモン電極を折り返す構造も提案されている(特許文献参照)。
図16は、従来の折り返し構造によるサーマルヘッドを示す(a)断面図、(b)平面図(保護層を除く)である。折り返し構造では、U字状の折り返し導体111により互いの一端部が接続された2つの発熱抵抗体105a、105bから1つの印刷ドット部Dが構成され、一方の発熱抵抗体105aの他端部に個別電極107が、他方の発熱抵抗体105bの他端部にコモン電極108がそれぞれ接続している。各コモン電極108は、印刷ドット部Dの配列方向に平行な方向に長く延びるコモンライン109に接続されており、コモンライン109の長手方向の両端から給電される。この図16に示されるサーマルヘッドは、例えば以下の工程により形成することができる。
先ず、部分凸形状の蓄熱層103を備えた基板102を準備する。次に、蓄熱層103上に抵抗体層104とAl導体層Cを全面的に形成した後、Al導体層C及び抵抗体層104の一部を除去し、形成すべき折り返し導体、個別電極、コモン電極及びコモンラインの概略形状でAl導体層C及び抵抗体層104を残す。Al導体層Cは、電極抵抗を低減するため(ヘッド小型化による電極抵抗の増大を抑制するため)、1μm程度の厚さで形成する。続いて、蓄熱層3の凸形状上に位置するAl導体層Cを除去し、抵抗体層104の表面を一部露出させる開放部αを形成する。抵抗体層104の表面露出領域がそれぞれ発熱抵抗体105となる。この開放部αを介してAl導体層Cは、隣り合う一対の発熱抵抗体105(105a、105b)の一端側を導通接続するU字状の折り返し導体111と、同一対の発熱抵抗体105a、105bの他端側に同一方向で接続された個別電極107及びコモン電極108とに分離される。コモン電極108とコモンライン109は一体に形成される。開放部αを形成したら、折り返し導体111、個別電極107、コモン電極108及びコモンライン109を覆う耐磨耗保護層110を形成する。Al導体層Cが1μm程度と厚いため、開放部αの両端、つまり発熱抵抗体105と折り返し導体111、個別電極107及びコモン電極108との各境界には段差が生じ、この段差は耐磨耗保護層110の表面にも段差部110aとしてあらわれる。発熱抵抗体105の近傍に段差が存在していると印刷媒体と発熱抵抗体105の接触効率が悪くなるので、耐磨耗保護層110の段差部110aを研磨加工し、印刷媒体との接触面を滑らかに形成する。以上により、図16のサーマルヘッドが得られる。
特許第2588957号公報 特許第2731445号公報 特開平3−161361号公報
従来構造では、折り返し導体111(Al導体層C)と該折り返し導体111で囲まれた領域に露出している蓄熱層103との間、つまり折り返し導体111の窪み領域に、深さ1μm以上のポケットγが生じている。耐磨耗保護層110には、このポケットγに対応するポケット凹部が形成されている。ポケット凹部は印刷媒体の送り方向に閉じた凹部である。このため、印刷媒体との圧接面を滑らかにしようとして耐磨耗保護層110の段差部110aを研磨したときの研磨くずが耐磨耗保護層110のポケット凹部に入り込んだり、同ポケット凹部に印刷媒体やインクリボン背面のゴミが引っ掛かったり等して、印刷時に印画キズが発生してしまうことが判明した。これを回避するためには、耐磨耗保護層110の段差部110aを研磨する際にポケット凹部を同時に削って除去することが考えられるが、耐磨耗保護層110の段差部110aは蓄熱層103の凸形状上に位置するため、ポケット凹部を削ることは難しく、完全になくすことはできない。また、折り返し導体111を構成するAl導体層Cを薄くすればポケット凹部を浅くできるが、Al導体層Cを薄くすると、電極抵抗が増大してしまう。特に近年ではヘッド小型化が促進されていて電極面積が縮小されているため、電極抵抗は大幅に増大し、ヘッドの印刷品質を悪化させる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電極抵抗を増大させることなくヘッド小型化を実現でき、印画キズを防止可能なサーマルヘッド及びその製造方法を得ることを目的とする。
本発明は、印画キズを生じさせる研磨くずの溜まりやすい要因として、保護層に形成される凹部がポケット凹部(三方向が閉じられ一方向のみ開いている袋状の凹部)で印刷媒体の送り方向に閉じていること及びポケット凹部が約1μm程度と深いことを認識してなされたもので、該ポケット凹部を生じさせないことに着眼している。
すなわち、本発明のサーマルヘッドは、所定間隔をあけて列状に配置された複数の抵抗体ストリップと、各抵抗体ストリップの一部を覆い、通電により発熱する発熱抵抗体をそれぞれ規定する複数の絶縁バリア層と、隣り合う一対の抵抗体ストリップの端部を導通接続する複数のコネクト導体とを備え、抵抗体ストリップは、離間する一対の直線抵抗体ストリップと該一対の直線抵抗体ストリップの一端部を連結する連結ストリップとを備えた折り返し状であり、絶縁バリア層は、一対の直線抵抗体ストリップの各一端部から連結ストリップの一部までを覆って各発熱抵抗体を規定し、コネクト導体は、隣り合う一対の抵抗体ストリップの端部及び絶縁バリア層上に延びる一対の平行導体部と、この一対の平行導体部を連結ストリップ及び絶縁バリア上で接続する接続導体部とを有していることを特徴としている。連結ストリップの絶縁バリア層で覆われた領域は、抵抗体ストリップの配列方向に直交する長さ寸法が5μm以下であることが好ましい。
上記本発明において、コネクト導体は、抵抗体ストリップの配列方向に直交する長さ寸法が接続導体部よりも一対の平行導体部で大きく、平面U字形状をなして形成することができる。あるいは、抵抗体ストリップの配列方向に直交する長さ寸法が接続導体部と一対の平行導体部で等しく、平面I字形状をなして形成することができる。
上記サーマルヘッドにおいて、コネクト導体は、抵抗体ストリップの配列方向に平行な幅寸法よりも、同配列方向に直交する長さ寸法が大きいことが好ましい。この態様によれば、コネクト導体の放熱特性を向上することができ、印刷ドット
分割をより明瞭とすることができる。また、複数の抵抗体ストリップは凸形状を有する蓄熱層上に形成され、各発熱抵抗体は該蓄熱層の凸形状上に形成されていることが一般的である。
また本発明は、製造方法の態様によれば、蓄熱層上に抵抗体層を全面的に形成する工程、この抵抗体層上に、形成すべき発熱抵抗体の平面的な大きさを規定する絶縁バリア層を形成する工程、絶縁バリア層及び抵抗体層の一部を除去して、所定間隔をあけて列状に並ぶ複数の抵抗体ストリップと該抵抗体ストリップの絶縁バリア層で覆われた領域からなる複数の発熱抵抗体とを得る工程、抵抗体ストリップ、絶縁バリア層及び蓄熱層の上に全面的に、導体層を形成する工程、及び導体層の一部を除去して、絶縁バリア層を露出させる開放部と、隣り合う一対の抵抗体ストリップの一端部を導通接続するコネクト導体と、このコネクト導体を介して発熱抵抗体を通電する個別電極及びコモン電極とを同時に形成する工程を有し、抵抗体パターンは、離間する一対の直線抵抗体ストリップと該一対の直線抵抗体ストリップの一端部を連結する連結ストリップとを有する折返し状で形成し、絶縁バリア層は、一対の直線抵抗体ストリップの各一端部から連結ストリップの一部までを覆って形成し、コネクト導体は、露出している連結ストリップを覆って絶縁バリア層上にオーバーレイさせることを特徴としている。
具体的に、コネクト導体は、連結ストリップ及び絶縁バリア層上に延びる一対の平行導体部と、この一対の平行導体部を連結ストリップ及び絶縁バリア層上で接続する接続導体部とを有するパターン形状で形成することが好ましい。また、連結ストリップ上に残す絶縁バリア層は、抵抗体ストリップの配列方向に直交する方向の長さ寸法が一対の直線抵抗体ストリップの一端部から5μm以下に規定することが好ましい。
上記製造方法において、コネクト導体の全部または一部は、直線抵抗体ストリップの配列方向に平行な幅寸法よりも同配列方向に直交する長さ寸法を大きく形成することが好ましい。
本発明によれば、電極抵抗を増大させることなくヘッド小型化を実現でき、印画キズを防止可能なサーマルヘッド及びその製造方法を得ることができる。
図1〜図7は、本発明の第1実施形態によるサーマルヘッドを示している。図1は第1実施形態によるサーマルヘッド1(保護層を除く状態)の平面図であり、図2は、同サーマルヘッド1の断面図である。サーマルヘッド1は、図1の上下方向に所定間隔で列状に配置された複数の印刷ドット部Dを備え、各印刷ドット部Dの熱を感熱紙またはインクリボンに与えることで印刷動作する。
サーマルヘッド1には、Siやセラミック材料、金属材料からなる放熱性に優れた基板2上に形成された蓄熱層3、蓄熱層3上に形成された複数の直線抵抗体ストリップ4、各直線抵抗体ストリップ4の一部を覆って発熱抵抗体5をそれぞれ形成する複数の絶縁バリア層6、複数の発熱抵抗体5を通電するAl導体層C(個別電極7、コモン電極8、コモンライン9及びコネクト導体11)、耐磨耗保護層10、コモンライン9に電力供給する電源12、及び個別電極7を介して各発熱抵抗体5を通電制御する駆動ユニット13が備えられている。1つの印刷ドット部Dは、隣り合う直線抵抗体ストリップ4に形成された一対の発熱抵抗体5(5a、5b)で構成される。
蓄熱層3は、例えばガラスのような断熱材料で形成され、基板2の一端側に凸形状を形成する凸形状部3aと、この凸形状部3aに連続していて均一膜厚を有する均一膜厚部3bとを備えている。複数の発熱抵抗体5は、蓄熱層3の凸形状部3a上の頂点位置Oを含む所定領域に位置し、通電により発熱する。各発熱抵抗体5の平面的な大きさ(長さ寸法L、幅寸法W)、つまり各発熱抵抗体5の抵抗値は、各絶縁バリア層6によって規定されている。絶縁バリア層6は、例えばSiO、SiON、SiAlON等の絶縁材料で形成されている。
複数の直線抵抗体ストリップ4は、図1の上下方向に微小間隔(ギャップ領域β)をあけて個別に形成された直線状の抵抗体ストリップであり、隣り合うストリップ間に折り返し構造を有していない。ギャップ領域βには蓄熱層3が露出している。各直線抵抗体ストリップ4において、一対の発熱抵抗体5a、5bの長手方向の両側領域はそれぞれ、コネクト接続領域4A及び電極接続領域4B、4Cである。
コネクト導体11は、各印刷ドット部Dを構成する一対の発熱抵抗体5a、5bの一端側(図1及び図2の右側)、すなわち、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4のコネクト接続領域4Aを直線的に結ぶ矩形状で形成され、各コネクト接続領域4Aとその隙間(ギャップ領域β)を覆っている。このコネクト導体11は、絶縁バリア層6の一端側(図1及び図2の右側)にオーバーレイしており、一対の発熱抵抗体5a、5bを確実に導通させている。コネクト導体11の表面には、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4間の段差(直線抵抗体ストリップ4とギャップ領域βに露出している蓄熱層3との段差)に対応する凹部が形成されるが、この凹部は、直線抵抗体ストリップ4の厚さに対応していて無視できるほど浅い。このコネクト導体11では、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4のコネクト接続領域4Aを覆って絶縁バリア層6上に延びた領域が一対の平行導体部を構成し、コネクト接続領域4Aの隙間を埋めて絶縁バリア層6上に延びた領域が接続導体部を構成している。
個別電極7とコモン電極8は、印刷ドット部Dに対して同一方向で接続され、印刷ドット部Dの配列方向に特定の規則性で整列している。本実施形態では、各印刷ドット部D毎に個別電極7及びコモン電極8をそれぞれ備え、個別電極7とコモン電極8を交互に配置してある。この個別電極7とコモン電極8の配置態様は種々の変形が可能である。例えば、個別電極7を各印刷ドット部D毎に設け、コモン電極8を隣接する2つの印刷ドット部D毎に設けて、隣り合う個別電極7の間にコモン電極8を1つ配置してもよい。個別電極7とコモン電極8は、発熱抵抗体5の幅寸法Wと略同一の幅寸法で形成されている。
各個別電極7は、一方の発熱抵抗体5aの他端側に存在する直線抵抗体ストリップ4の電極接続領域4B上に形成され、発熱抵抗体5aとの接続側とは反対側の端部で、基板2とは別体で備えられた駆動ユニット13に接続している。駆動ユニット13は、各個別電極7にワイヤーボンディングした複数の電極パッド、該電極パッドを介して対応する個別電極7への通電/非通電を切り替える複数のスイッチング素子(駆動IC)及び複数の外部接続端子等を有している。なお、図1はサーマルヘッド1の構造を簡略的に示したものであり、個別電極7と駆動ユニット13の電極パッドを結ぶワイヤー14は、実際には、約50μm程度と非常に微小間隔で設けられている。
各コモン電極8は、他方の発熱抵抗体5bの他端側に存在する直線抵抗体ストリップ4の電極接続領域4C上に形成され、該発熱抵抗体5bとの接続側とは反対側の端部でコモンライン9に共通に接続している。コモンライン9は、印刷ドット部Dの配列方向に長く延びていて、該長手方向(図1の上下方向)の両端に設けた一対の給電点9aを介して電源12から給電される。電源12は基板2とは別体に設けられている。コモンライン9からの電力は、各コモン電極8を介して全ての印刷ドット部Dに供給される。
耐磨耗保護層10は、例えばSiAlONやTa25等の耐摩耗性材料からなり、ヘッド動作時に生じる摩擦から絶縁バリア層6及びコネクト導体11や個別電極7、コモン電極8等の導体層を保護する。耐磨耗保護層10の厚さは一定のため、耐磨耗保護層10の表面には基板表面の凹凸形状が転写されている。具体的には、絶縁バリア層6の上方位置に、印刷媒体との接触が良好となるように研磨加工された滑らかな段差部10aが設けられている。一対の直線抵抗体ストリップ4(コネクト接続領域4A)間にも段差が生じているが、該段差は直線抵抗体ストリップ4の厚さに略一致して0.2μm程度と非常に浅いので、耐磨耗保護層10に転写形成されていても無視できるほど浅い。なお、図1では耐磨耗保護層10は図示省略されている。
次に、図3〜図7を参照し、図1及び図2に示すサーマルヘッド1の製造方法について説明する。図3〜図7において、(a)はサーマルヘッド1の製造工程を示す断面図、(b)は(a)と同工程を示す平面図である。
先ず、蓄熱層3を基板表面に備えた基板2を準備する。蓄熱層3は、基板一端側に凸形状を形成する凸形状部3aと、該凸形状部3aに連続して均一膜厚で形成された均一膜厚部3bとを有する。
次に、蓄熱層3上に全面的に、抵抗体層4’と絶縁バリア層6を同一真空中で連続成膜した後、アニール処理を施す。アニール処理は、予め大きい熱的負荷を加えて抵抗体層4’の抵抗値を安定させる加速処理である。抵抗体層4’は、高抵抗化しやすいTa−Si−O、TaSiONb、Ti−Si−O、Cr−Si−O等の高融点金属のサーメット材料により、約0.2μm程度の膜厚で形成する。絶縁バリア層6は、例えばSiO、SiON、SiAlON等の絶縁材料で形成する。
アニール処理後は、形成すべき発熱抵抗体の長さ寸法Lを定めるレジスト層を絶縁バリア層6の上に形成し、レジスト層で覆われていない部分の絶縁バリア層6を例えばRIE(反応性イオンエッチング)により除去し、さらにレジスト層を除去する。これにより、絶縁バリア層6は、図3に示すように、蓄熱層3の凸形状部3aの頂点位置Oを含む所定領域にのみ残る。
続いて、図4に示すように、抵抗体層4’及び絶縁バリア層6の一部を例えばドライエッチングにより除去して、列状に並ぶ複数の直線抵抗体ストリップ4と、各直線抵抗体ストリップ4の一部であって絶縁バリア層6に覆われている複数の発熱抵抗体5を形成する。隣り合う直線抵抗体ストリップ4に形成された一対の発熱抵抗体5a、5bが、1つの印刷ドット部Dを構成する。この工程では、各直線抵抗体ストリップ4の間にギャップ領域βが形成され、ギャップ領域βにより各直線抵抗体ストリップ4及び絶縁バリア層6(発熱抵抗体5)の幅寸法Wが規定される。ギャップ領域βには蓄熱層3が露出する。隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4間の段差(直線抵抗体ストリップ4とギャップ領域βに露出している蓄熱層3との段差)は、直線抵抗体ストリップ4の厚さに略一致して約0.2μm程度である。ここで、各直線抵抗体ストリップ4は、絶縁バリア層6の一端側に露出している短い方がコネクト接続領域4Aとなり、他端側に露出している長い方が電極接続領域4B、4Cとなる。
続いて、図5に示すように、基板表面に全面的にAl導体層Cを成膜する。これにより、直線抵抗体ストリップ4(コネクト接続領域4A、電極接続領域4B、4C)、絶縁バリア層6、及びギャップ領域βは、すべてAl導体層Cによって覆われる。Al導体層Cの膜厚は、電極抵抗を低減できるように十分大きくし、本実施形態では約1μm程度とする。本実施形態ではコネクト導体やコモン導体を形成する導電層をAlにより形成しているが、Alの替わりに、Cr、Cu、W等の導電材料を用いてもよい。
続いて、図6に示すように、Al導体層Cの一部を例えばRIEにより除去して、絶縁バリア層6を露出させる開放部αと、隣り合う直線抵抗体ストリップ4に形成された一対の発熱抵抗体5a、5bを導通接続するコネクト導体11と、このコネクト導体11を介して上記一対の発熱抵抗体5a、5bを通電する個別電極7、コモン電極8及びコモンライン9とを同時に形成する。このとき、コネクト導体11は、隣り合う直線抵抗体ストリップ4のコネクト接続領域4Aとその隙間(コネクト接続領域4Aの間のギャップ領域β)を覆い、且つ、絶縁バリア層6の一端側にオーバーレイさせて形成する。別言すれば、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4のコネクト接続領域4Aを覆って絶縁バリア層6上に延びる一対の平行導体部と、コネクト接続領域4Aの隙間を埋めて絶縁バリア層6上に延び、一対の平行導体部を接続する接続導体部とによりコネクト導体11を形成する。このオーバーレイ構造によれば、エッチングによるばらつきが若干生じても、コネクト導体11で確実に一対の発熱抵抗体5a、5bを導通接続させることができる。また、個別電極7は一方の直線抵抗体ストリップ4(発熱抵抗体5a側)の電極接続領域4B上に形成され、コモン電極8は他方の直線抵抗体ストリップ4(発熱抵抗体5b側)の電極接続領域4C上に形成される。コモンライン9は、蓄熱層3上に直線抵抗体ストリップ4の配列方向に長く延びて各コモン電極8と一体に形成されている。
続いて、形成する耐磨耗保護層との密着性を高めるため、逆スパッタ等により絶縁バリア層6、コネクト導体11、個別電極7、コモン電極8、コモンライン9及び露出している蓄熱層3(ギャップ領域β)の新たな膜面を露出させた後、図7に示すように、該絶縁バリア層6、コネクト導体11、駆動ユニット13との接続端を除く個別電極7、コモン電極8、コモンライン9及び露出している蓄熱層3を覆う耐磨耗保護層10を形成する。耐磨耗保護層10は、例えばSiAlONやTa25等の耐摩耗性材料により、約5μm程度の厚さで形成する。耐磨耗保護層10の表面には、上記絶縁バリア層6やコネクト導体11等を含む基板表面の凹凸形状がそのまま転写形成される。具体的には、絶縁バリア層6の上方位置に、開放部αの両端の段差(絶縁バリア層6とコネクト導体11の間の段差、絶縁バリア層6と個別電極7及びコモン電極8の間の段差)に対応する段差部10aが形成されている。段差部10aの深さは、個別電極7、コモン電極8及びコネクト導体11厚さに略一致して約1μm程度となる。
続いて、図7に示す研磨ラインPoに達するまで耐磨耗保護層10の段差部10aの立ち上がり面を研磨加工して、該段差部10aを耐磨耗保護層10の上面に緩やかに連続させ、耐磨耗保護層10と印刷媒体の接触を良好にする。
以上の工程により、図1及び図2に示すサーマルヘッド1が得られる。
以上の本実施形態によれば、複数の直線抵抗体ストリップ4及びコネクト導体11が折り返し構造を有さない直線状であり、微小間隔で列状に並ぶ複数の直線抵抗体ストリップ4を形成した後に、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4とその隙間(ギャップ領域β)を覆ってコネクト導体11を形成しているので、該一対の直線抵抗体ストリップ4の間にポケットは生じない。隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4間には直線状の凹部が生じるが、この凹部上にもコネクト導体11が形成されているので、装置小型化に伴う電極抵抗の増大を抑制するためにAl導体層C(コネクト導体11)をさらに厚くしても、該凹部の深さを増大させることがない。この凹部は直線抵抗体ストリップ4の膜厚に略一致して約0.2μmと非常に浅く、耐磨耗保護層10に転写形成されても無視できる。すなわち、耐磨耗保護層10の段差部10aを研磨加工した際に生じた研磨くずが耐磨耗保護層10の表面に残留する虞がなく、該研磨くずによる印画キズを防止可能である。また本実施形態によれば、コネクト導体11が絶縁バリア層6上にオーバーレイして形成されているので、コネクト導体11を形成する際にエッチングによるバラツキが生じたとしても、該コネクト導体11によって確実に一対の発熱抵抗体5a、5bを導通接続させることができる。
図8及び図9は、上記第1実施形態と同様に一対の直線抵抗体ストリップの間にポケット凹部を生じさせない構成とした上で第1実施形態よりもコネクト導体の放熱特性を向上させる、本発明の第2実施形態及び第3実施形態を示している。第2実施形態及び第3実施形態は、第1実施形態のコネクト導体11とは異なる形状のコネクト導体21、31をそれぞれ備えているが、コネクト導体の形状以外は第1実施形態と同一である。図8及び図9において、第1実施形態と同じ構成要素には図1及び図2と同一符号を付してある。
図8は、第2実施形態によるサーマルヘッド20の構造を示す平面図である。サーマルヘッド20に備えられたコネクト導体21は、複数の直線抵抗体ストリップ4の配列方向に平行な幅寸法Wcよりも、同配列方向に直交する長さ寸法Lcが大きく形成され、第1実施形態のコネクト導体11よりも大面積をなす。このコネクト導体21では、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4のコネクト接続領域4Aを覆って絶縁バリア層6上に延びた領域が一対の平行導体部を構成し、コネクト接続領域4Aの隙間を埋めて絶縁バリア層6上に延びた領域が接続導体部を構成している。このようにコネクト導体21を長さ方向に延長して設ければ、一対の発熱抵抗体5a、5b(印刷ドット部D)で発生した熱はコネクト導体21を介して該発熱抵抗体5a、5bから遠ざかる方向に逃げやすくなり、コネクト導体21での放熱特性が向上する。これにより一対の発熱抵抗体5a、5bの近傍で熱が溜まることなく、各ドット形状が明瞭になる。コネクト導体21は、隣り合う直線抵抗体ストリップ4及びその隙間(ギャップ領域β)を覆って絶縁バリア層6の上にオーバーレイしている点では、第1実施形態のコネクト導体11と同様であり、一対の直線抵抗体ストリップ4の間にポケット凹部を生じさせることがなく、印画キズを防止できる。
図9は、第3実施形態によるサーマルヘッド30の構造を示す平面図である。サーマルヘッド30に備えられたコネクト導体31は、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4の端部及び絶縁バリア層6上に延びる一対の平行導体部31Aと、この一対の平行導体部31Aを隣り合う一対の抵抗体ストリップ4の隙間(ギャップ領域β)を覆って接続する接続導体部31Bと、これら一対の平行導体部31Aと接続導体部31Bの間の開放部31Cとを有している。一対の平行導体部31Aは、直線抵抗体ストリップ4の幅寸法Wと略一致する幅寸法でそれぞれ形成されている。接続導体部31Bは、開放部31Cが一対の発熱抵抗体5a、5bから十分に離れた位置に設けられるように、例えば発熱抵抗体5a、5bの長さ寸法Lに略一致する長さ寸法Laで形成されている。このコネクト導体31によれば、接続導体部31Bにより一対の直線抵抗体ストリップ4の間にポケット凹部を生じさせることがなく、印画キズを防止可能である。さらに、一対の発熱抵抗体5a、5b(印刷ドット部D)で発生した熱がコネクト導体31の一対の平行導体部31Aを介して開放部31Cを含む外方へ放出されるので、該一対の平行導体部31A及び接続導体部31Bに熱が溜まることなく、コネクト導体31での放熱特性が向上する。特に一対の平行導体部31Aが分割して設けられているので、各発熱抵抗体5a、5bにおける熱分布、すなわちドット形状がぼやけることなく、解像力の低下を防止することができる。
上記第1〜第3実施形態では、絶縁バリア層6で覆われた領域が発熱抵抗体5となる抵抗体ストリップを一直線状の直線抵抗体ストリップ4として設けたが、抵抗体ストリップは、少なくとも発熱抵抗体5の近傍、すなわち、コネクト接続領域4Aすべてと電極接続領域4B、4Cの発熱抵抗体5の近傍が、直線状をなしていればよい。
図10〜図13は、本発明の第4実施形態及び第5実施形態を説明する図である。上記第1〜第3実施形態では、コネクト導体11、21、31が隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4の隙間(ギャップ領域β)を覆って形成されているため、直線抵抗体ストリップ4の側面にコネクト導体11、21、31が接触してリーク電流が生じ、このリーク電流により発熱抵抗体5の抵抗値がばらついてしまう虞がある。次に説明する第4実施形態及び第5実施形態は、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップの間にポケット凹部を生じさせずに、コネクト導体からのリーク電流防止をも達成する実施形態である。図10〜図13において、第1実施形態と同じ構成要素には図1及び図2と同一符号を付してある。
図10及び図11は、第4実施形態によるサーマルヘッド40の構造を示す平面図及び断面図である。サーマルヘッド40は、図1の直線抵抗体ストリップ4、一対の発熱抵抗体5a、5b、絶縁バリア層6及びコネクト導体11に替えて、折り返し抵抗体ストリップ44、発熱抵抗体45、絶縁バリア層46及びコネクト導体41を備えており、これ以外の構成要素は第1実施形態と同一である。
蓄熱層3上に備えた各折り返し抵抗体ストリップ44は、離間させた一対の直線抵抗体ストリップ44aと、この一対の直線抵抗体ストリップ44aの一端部を連結した連結ストリップ44bとでそれぞれ構成され、所定間隔をあけて列状に複数配置されている。連結ストリップ44bは、一対の直線抵抗体ストリップ44aの一端部を直線的に結ぶ矩形状をなしており、その長さ寸法L44bは10〜20μm程度である。この連結ストリップ44bにより一対の直線抵抗体ストリップ44aの一端部には凹部が形成されるが、この凹部は直線抵抗体ストリップ4の膜厚に略一致して約0.2μmと非常に浅く、耐磨耗保護層10に転写形成されても無視できる。
絶縁バリア層46は、各折り返し抵抗体ストリップ44において、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ44aの一端部から連結ストリップ44bの一部までを覆い、これにより発熱抵抗体45の平面的な大きさをそれぞれ規定している。別言すれば、各発熱抵抗体45は、絶縁バリア層46で覆われた一対の直線抵抗体ストリップ44aの一端部と連結ストリップ44bの一部とで構成されている。一つの印刷ドット部Dは一つの発熱抵抗体45からなる。
発熱抵抗体45は、連結ストリップ44bの絶縁バリア層46で覆われた領域からなりコネクト導体41に接続する連結端部45Aと、一対の直線抵抗体ストリップ44aの一端部からなり個別電極7及びコモン電極8にそれぞれ接続する一対の実効発熱部45B、45Cとを有している。ここで、連結端部45Aの長さ寸法L45Aは5μm以下に設定してある。コネクト導体41、個別電極7及びコモン電極8を介して発熱抵抗体45が通電されると、一対の実効発熱部45B、45Cが発熱する。このとき、連結端部45A(連結ストリップ44b)も発熱するが、連結端部45Aは実効発熱部45B、45Cに比べて微小面積であって温度上昇も少なく、無視できる。すなわち、微小面積の連結端部45Aを介して一対の実効発熱部45B、45Cが連結されていても印画結果には影響を及ぼさず、実効発熱部45B、45Cをそれぞれ独立に(連結させずに)設けた場合と同様の印画結果を得ることができる。サーマルヘッド40は、一対の実効発熱部45B、45Cが発生した熱を用いて印画動作する。
コネクト導体41は、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ44aの端部及び絶縁バリア層46上に延びる一対の平行導体部41Aと、この一対の平行導体部41Aを連結ストリップ44b及び絶縁バリア層46上で接続する接続導体部41Bとを有し、直線抵抗体ストリップ44aの配列方向に直交する長さ寸法を接続導体部41Bよりも一対の平行導体部41Aで大きくした平面U字形状をなしている。一対の平行導体部41Aは、直線抵抗体ストリップ44aの幅寸法Wと略一致する幅寸法でそれぞれ形成されている。接続導体部41Bは、一対の平行導体部41Aの発熱抵抗体側のエッジを直線状に結ぶ矩形状をなし、蓄熱層3上から連結ストリップ44b及び絶縁バリア層46上まで延びて形成されている。これら一対の平行導体部41Aと接続導体部41Bで囲まれた領域にはコネクト導体41の膜厚に略一致する深さの凹部が生じるが、この凹部は印刷媒体の送り方向に開放されているので、耐磨耗保護層10に転写形成されても、耐磨耗保護層10の段差部10aを研磨加工した際に生じた研磨くずが耐磨耗保護層10の表面に残留する虞はない。
コネクト導体41は、接続導体部41Bと連結ストリップ44bにおいて発熱抵抗体45との導通接続を確保し、直線抵抗体ストリップ44aには非接触である。このようにコンタクト導体41が直線抵抗体ストリップ44aに非接触であれば、該コネクト導体41を介して一対の実効発熱部45B、45Cが短絡されずに済み、リーク電流による各発熱抵抗体45(実効発熱部45B、45C)の抵抗値ばらつきを抑制することができる。
上記構成のサーマルヘッド40は、上述した第1実施形態によるサーマルヘッド1の製造方法(図3〜図7)において、直線抵抗体ストリップ4に替えて折り返し抵抗体ストリップ44を形成すること、絶縁バリア層を除去する際に、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ44aの一端部から連結ストリップ44bの一部までの表面上に該絶縁バリア層46を残すこと、及びコネクト導体11に替えて、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ44aの端部及び絶縁バリア層46上に延びる一対の平行導体部41Aと該一対の平行導体部41Aを少なくとも連結ストリップ44b及び絶縁バリア層46上で接続する接続導体部41Bとを有するコネクト導体41を形成することにより、製造可能である。
第4実施形態では、平面U字形状のコネクト導体41を備えているが、コネクト導体41の接続導体部41Bは少なくとも連結ストリップ44b及び絶縁バリア層46上に形成されていればよく、例えば一対の平行導体部41Aと同じ長さ寸法で接続導体部41Bを形成した平面I字形状のコネクト導体、すなわち第1実施形態と同じ矩形状のコネクト導体を上記コネクト導体41の替わりに備えてもよい。
図12及び図13は、第5実施形態によるサーマルヘッド50の構造を示す平面図及び断面図である。サーマルヘッド50は、第1実施形態のコネクト導体11に替えて、平面H字形状のコネクト導体51を備えている。コネクト導体41以外の構成要素は第1実施形態と同一である。
コネクト導体51は、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4の端部(コネクト接続領域4A)及び絶縁バリア層6上に延びる一対の平行導体部51Aと、絶縁バリア層6及び隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4に非接触でこの一対の平行導体部51Aを接続する接続導体部51Bとを有している。一対の平行導体部51Aは、直線抵抗体ストリップ4の幅寸法Wよりも若干小さい幅寸法でそれぞれ形成されている。接続導体部51Bは、一対の平行導体部51Aを直線的に結ぶ矩形状をなし、該一対の平行導体部51Aに接続した一対の直線抵抗体ストリップ4の端部近傍に配置されている。この接続導体部51Bと絶縁バリア層6との離間距離dはできるだけ狭いことが望ましく、本実施形態では5μm以下に規定する。この範囲内であれば、接続導体部51Bと一対の直線抵抗体ストリップ4により印刷媒体の送り方向に閉じた凹部が形成されていても、該凹部は耐磨耗保護層10の段差部10aを研磨加工する際に同時に研磨して除去できるので、耐磨耗保護層10に研磨くずが溜まることも印画キズを生じさせることもない。また、接続導体部51Bと一対の平行導体部51Aに囲まれた領域にもコネクト導体41の膜厚に略一致する深さの凹部が生じているが、この凹部は印刷媒体の送り方向に開いているので、耐磨耗保護層10に転写形成されても上記研磨加工時の研磨くずが耐磨耗保護層10の表面に残留する虞はない。
またコネクト導体51は、一対の平行導体部51Aを介して一対の発熱抵抗体5a、5bとの導通接続をそれぞれ確保し、一対の直線抵抗体ストリップ4の隙間(ギャップ領域β)には存在していない。このようにコネクト導体51が一対の直線抵抗体ストリップ4の隙間に存在していなければ、該一対の直線抵抗体ストリップ4の側面にコネクト導体51が接することがなく、電流リークを防止可能である。これにより、リーク電流による発熱抵抗体5の抵抗値ばらつきを抑えられる。
上記構成のサーマルヘッド50は、上述した第1実施形態によるサーマルヘッド1の製造方法(図3〜図7)において、コネクト導体11の替わりに、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4の端部及び絶縁バリア層6上に延びる一対の平行導体部51Aと絶縁バリア層6及び隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4に非接触でこの一対の平行導体部51Aを接続する接続導体部51Bとを有するコネクト導体51を形成することにより、製造可能である。
以上の第5実施形態では、平面H字形状のコネクト導体51を備えているが、コネクト導体51の接続導体部51Bは少なくとも絶縁バリア層6に非接触で形成されていればよい。変形例として例えば、コネクト導体51の替わりに、図14に示すように、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4の端部及び絶縁バリア層6上に延びる一対の平行導体部51Aと、この一対の平行導体部51Aを、絶縁バリア層6に非接触で且つ隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4の端部上に位置させた発熱抵抗体側のエッジで接続する接続導体部51B’を有するコネクト導体51’を備えてもよい。または、図15に示すように、隣り合う一対の直線抵抗体ストリップ4の端部及び絶縁バリア層6上に延びる一対の平行導体部51Aと、絶縁バリア層6及び一対の直線抵抗体ストリップ4には非接触で一対の平行導体部51Aの間を埋める接続導体部51B’’とを有するコネクト導体51’’を備えてもよい。
以上の第1〜第5実施形態のいずれによっても、印画キズを引き起こす要因となる印刷媒体の送り方向に閉じたポケット凹部が存在しないので、電極抵抗を増大させることなくヘッド小型化を実現でき、印画キズを防止可能なサーマルヘッドを得ることができる。
上記各実施形態では、複数の発熱抵抗体5を蓄熱層3の凸形状部3aの頂点位置Oに配置しているが、該頂点位置Oから所定角度ずらした位置に複数の発熱抵抗体5を配置してもよい。また各実施形態では、蓄熱層3を用いて基板表面に凸形状を形成しているが、基板自体を凸形状に形成し、この凸型基板上に一定膜厚の蓄熱層を設ける構成としてもよい。
本発明の第1実施形態によるサーマルヘッド(保護層除く)を示す平面図ある。 (a)同サーマルヘッドの個別電極側を示す断面図、(b)コモン電極側を示す断面図である。 同サーマルヘッドの製造方法の一工程を示す(a)断面図、(b)平面図である。 図3に示す工程の次工程を示す(a)断面図、(b)平面図である。 図4に示す工程の次工程を示す(a)断面図、(b)平面図である。 図5に示す工程の次工程を示す(a)断面図、(b)平面図である。 図6に示す工程の次工程を示す(a)断面図、(b)平面図である。 本発明の第2実施形態によるサーマルヘッドを示す平面図である。 本発明の第3実施形態によるサーマルヘッドを示す平面図である。 本発明の第4実施形態によるサーマルヘッドを示す平面図である。 図10の(A)A−A線、(B)B−B線、(C)C−C線にそれぞれ沿う断面図である。 本発明の第5実施形態によるサーマルヘッドを示す平面図である。 図12の(A)A−A線、(B)B−B線、(C)C−C線にそれぞれ沿う断面図である。 第5実施形態とは別態様のコネクト導体を示す平面図である。 第5実施形態とはさらに別態様のコネクト導体を示す平面図である。 従来の折り返し構造のサーマルヘッドを示す(a)断面図、(b)平面図である。
符号の説明
1、20、30、40、50 サーマルヘッド
2 基板
3 蓄熱層
4 直線抵抗体ストリップ
4A コネクト接続領域
4B、4C 電極接続領域
5、45 発熱抵抗体
6、46 絶縁バリア層
7 個別電極
8 コモン電極
9 コモンライン
10 耐磨耗保護層
11、21、31、41、51 コネクト導体
31A、41A、51A 一対の平行導体部
31B、41B、51B 接続導体部
31C 開放部
44a 直線抵抗体ストリップ
44b 連結ストリップ
45A 連結端部
45B、45C 実効発熱部
α 開放部
β ギャップ領域
D 印刷ドット部

Claims (10)

  1. 所定間隔をあけて列状に配置された複数の抵抗体ストリップと、各抵抗体ストリップの一部を覆い、通電により発熱する発熱抵抗体をそれぞれ規定する複数の絶縁バリア層と、隣り合う一対の抵抗体ストリップの端部を導通接続する複数のコネクト導体とを備え、
    前記抵抗体ストリップは、離間する一対の直線抵抗体ストリップと該一対の直線抵抗体ストリップの一端部を連結する連結ストリップとを備えた折り返し状であり、
    前記絶縁バリア層は、前記一対の直線抵抗体ストリップの各一端部から前記連結ストリップの一部までを覆って各発熱抵抗体を規定し、
    前記コネクト導体は、前記隣り合う一対の抵抗体ストリップの端部及び前記絶縁バリア層上に延びる一対の平行導体部と、この一対の平行導体部を前記連結ストリップ及び前記絶縁バリア層上で接続する接続導体部とを有していることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 請求項1記載のサーマルヘッドにおいて、前記連結ストリップの前記絶縁バリア層で覆われた領域は、前記抵抗体ストリップの配列方向に直交する長さ寸法が5μm以下であるサーマルヘッド。
  3. 請求項1または2記載のサーマルヘッドにおいて、前記コネクト導体は、前記抵抗体ストリップの配列方向に直交する長さ寸法が前記接続導体部よりも前記一対の平行導体部で大きく、平面U字形状をなしているサーマルヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のサーマルヘッドにおいて、前記コネクト導体は、前記抵抗体ストリップの配列方向に直交する長さ寸法が前記接続導体部と前記一対の平行導体部で等しく、平面I字形状をなしているサーマルヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のサーマルヘッドにおいて、前記コネクト導体は、前記抵抗体ストリップの配列方向に平行な幅寸法よりも、同配列方向に直交する長さ寸法が大きいサーマルヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のサーマルヘッドにおいて、前記複数の抵抗体ストリップは凸形状を有する蓄熱層上に形成され、前記各発熱抵抗体は、該蓄熱層の凸形状上に形成されているサーマルヘッド。
  7. 蓄熱層上に抵抗体層を全面的に形成する工程、
    この抵抗体層上に、形成すべき発熱抵抗体の平面的な大きさを規定する絶縁バリア層を形成する工程、
    前記絶縁バリア層及び前記抵抗体層の一部を除去して、所定間隔をあけて列状に並ぶ複数の抵抗体ストリップと該抵抗体ストリップの前記絶縁バリア層で覆われた領域からなる複数の発熱抵抗体とを得る工程、
    前記抵抗体ストリップ、前記絶縁バリア層及び前記蓄熱層の上に全面的に、導体層を形成する工程、及び
    前記導体層の一部を除去して、前記絶縁バリア層を露出させる開放部と、隣り合う一対の抵抗体ストリップの一端部を導通接続するコネクト導体と、このコネクト導体を介して前記発熱抵抗体を通電する個別電極及びコモン電極とを同時に形成する工程を有し、
    前記抵抗体パターンは、離間する一対の直線抵抗体ストリップと該一対の直線抵抗体ストリップの一端部を連結する連結ストリップとを有する折返し状で形成し、
    前記絶縁バリア層は、前記一対の直線抵抗体ストリップの各一端部から前記連結ストリップの一部までを覆って形成し、
    前記コネクト導体は、露出している前記連結ストリップを覆って前記絶縁バリア層上にオーバーレイさせることを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  8. 請求項7記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記コネクト導体は、前記連結ストリップ及び前記絶縁バリア層上に延びる一対の平行導体部と、この一対の平行導体部を前記連結ストリップ及び前記絶縁バリア層上で接続する接続導体部とを有するパターン形状で形成するサーマルヘッドの製造方法。
  9. 請求項7または8記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記連結ストリップ上に残す前記絶縁バリア層は、前記抵抗体ストリップの配列方向に直交する方向の長さ寸法が前記一対の直線抵抗体ストリップの一端部から5μm以下に規定するサーマルヘッドの製造方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記コネクト導体の全部または一部は、前記直線抵抗体ストリップの配列方向に平行な幅寸法よりも同配列方向に直交する長さ寸法を大きく形成するサーマルヘッドの製造方法。
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